新刊紹介:「前衛」2022年10月号

 「前衛」10月号について「興味のある内容」のうち「俺なりに何とか紹介できそうな内容」だけ簡単に触れています。「俺の無能」のため「赤旗記事の紹介」でお茶を濁してる部分が多いです。
特集「日本の民主主義の根幹を問う」
統一協会による被害を根絶し、政治との癒着*1を一掃しなければならない(宮本徹*2
統一協会(現・世界平和統一家庭連合)の正体・本質*3は何か(柿田睦夫*4
(内容紹介)
 Q&A形式(架空問答)で書いてみます。

 山上容疑者の安倍元首相暗殺についてどう思われましたか。

 殺人はどんな理由であれ、法治国家において許されることではありません。死刑の是非はともかく「死刑という合法的な殺人」だって「裁判判決」「法相の執行命令」という法的手続きが必要です。
 しかし「統一教会」について「空白の30年(1992年の桜田淳子合同結婚式から今年まで)」と言う言葉があるように我々の社会が統一教会をとっくの昔に撲滅していれば山上容疑者の犯行はなかったでしょう。統一教会の高額献金によって山上一家は崩壊し、父と兄は自殺し、山上容疑者も大学進学を諦め、一時は自殺未遂も起こした。その結果、彼は統一教会を憎悪し、「統一教会と癒着する大物政治家」である安倍氏を「殺害すれば協会へのダメージが非常に大きい」と考えて暗殺した。山上容疑者の心情を安易に忖度することは控えるべきですが、もしかしたら「統一教会と癒着する安倍氏を長期政権にすることを許した、統一教会被害に無関心な日本社会」への「山上容疑者流の復讐」だったのかもしれません。
 その意味では「あえて言えば」「統一教会被害を放置した日本社会」は彼に対して「加害者だ」と言っていいでしょう。統一教会の広告塔となった安倍氏も「あえて言えば」彼に対して「加害者」なのです。安倍氏は「無垢の被害者」ではありません。
 そして山上容疑者に対する「償いの意味」でも、我々は今度こそ「統一教会を撲滅」しなければなりません。
 まずは「統一教会と与党(自民、公明)政治家」の関係が明らかにされるべきです。統一教会はどのような便宜(献金、選挙スタッフの提供など)を与党政治家に与え、その見返りとして、与党政治家はどのような利益供与を統一教会にしたのか。
 この点、やはり「2015年の統一教会改名疑惑」は重要です。当時の安倍首相、下村文科相による政治介入があったのではないのか。
 あるいは今に至るも「統一教会の宗教法人法による解散命令」「霊感商法に対する詐欺での刑事追及」がキチンとされないのも「政治家との癒着」によるものではないか。この点の真相解明がされるべきです。
 また、与党は「統一教会撲滅」のためにも「統一教会の宗教法人法による解散命令」「霊感商法に対する詐欺での刑事追及」に踏み切るべきです。


天皇の名のもと、国民統合の装置として機能した国葬の歴史(宮間純一*5
◆安倍元首相の「国葬」の中止を求める:国家による礼賛、弔意の強制は、憲法に違反する(白髭寿一)
(内容紹介)
 Q&A形式(架空問答)で書いてみます。

 戦後の国葬は今のところ、「貞明皇后大正天皇の妻)」「昭和天皇」と言った皇族を除けば吉田茂のみですが、戦前の国葬の対象者はどんな物だったのでしょう。

英照皇太后孝明天皇の側室、明治天皇の義母)、明治天皇昭憲皇太后明治天皇の皇后)、大正天皇

といった「天皇、皇后」を除けば以下のような人間が国葬になりました(国葬 - Wikipedia参照)。
【1】明治維新の功労者
 大久保利通*6岩倉具視*7三条実美*8島津久光*9島津忠義*10毛利元徳*11
→なお、「西南戦争を起こした西郷*12」が国葬にならなかったのは当然とは言え「維新の三傑」と呼ばれ、西郷や大久保と同一視され、「伊藤や山県の先輩格」にあたる木戸孝允*13国葬にはなっていません。国葬基準には曖昧なところがあったわけです。
【2】元老
 伊藤博文*14大山巌*15山県有朋*16松方正義*17西園寺公望*18
→しかし元老でも黒田清隆*19井上馨*20西郷従道*21国葬になっていません。また首相、内大臣を歴任し、「安倍以前は日本最長内閣(トータルでの期間)」で、元老ではないものの「準元老(元老に殉じる存在)」とされた桂太郎国葬にはなっていません。繰り返しますが国葬基準には曖昧なところがあったわけです。
 なお、山県の国葬について言えば澤藤統一郎の憲法日記 » 死もまた社会奉仕、あるいはまた政界浄化の政治貢献である。が指摘するように石橋湛山(当時、東洋経済新報主幹、戦後首相)の批判があります。戦前ですら「国葬批判意見」があったことには注目する必要があります。
【3】一部の軍人
 有栖川宮熾仁親王*22北白川宮能久親王*23小松宮彰仁親王*24東郷平八郎*25山本五十六*26閑院宮載仁親王*27
【4】朝鮮王族
 李熈(大韓帝国初代皇帝。彼が1919年2月に死去したことが三・一独立運動の引き金になったとされる)、李坧(大韓帝国二代皇帝。父は李熈。母は日本に暗殺された明成皇后)
Q
 何故戦後、国葬はほとんどされなくなったのでしょうか?

 第一に国葬の根拠規定の問題があります。国葬の根拠規定は勅令でしたが、戦後、「国葬についての勅令」も含めて勅令は全て失効しました。そして勅令に代わる法律は結局作られませんでした。
 第二に政教分離の問題があります。戦前の国葬神道形式でした。
 第三に「天皇主権」の戦前において国葬の実施主体は天皇でしたが、戦後の実施主体については共通認識が得られませんでした。国会とするならば「国会の議決」が当然必要となります。
 吉田茂国葬については「佐藤を吉田内閣郵政相、建設相などに登用し引き上げてくれた吉田への恩返し」など「何らかの政治的思惑」で佐藤首相が今回同様ごり押しで進めた物の、その成果はむしろ芳しい物ではなかった。
 ごり押しで進めたが故に社会党共産党など野党の反対を招き、国民的支持が得られたとはいえない上に、その後、元首相の国葬は事実上不可能になります。佐藤栄作国民葬という位置づけでしたし、その他の首相は「内閣&自民党葬」でした。
 なお、話が脱線しますが「弔意の押しつけ(共産党など)」という安倍国葬反対理由であるならば「天皇の葬儀」を当然のように国葬でしていいのかは議論の余地があるでしょう。また「自民党葬」ならともかく「内閣葬」にしていいのかも問題があると思います。自民党は私的団体に過ぎませんが内閣は国家機関だからです。
 勿論そうした問題について「元首相(今回は安倍氏)の国葬」が最も問題であることは確かですが。

 最後に安倍国葬をどう思いますか。

 私が最初に連想したことは、安倍氏同様暗殺された「大久保利通伊藤博文」の国葬です。
 大久保は紀尾井坂の変(1878年*28で島田一郎ら不平士族6名に、伊藤は安重根に暗殺され、国葬となり、また実行犯である島田ら、安は死刑に処されました。大久保、伊藤の国葬は「大久保、伊藤は間違ってない」「間違っているのは島田ら不平士族や安(韓国独立活動家)だ」と言う政治的アピールだったといえるでしょう。
 そうすることで大久保の場合は「不平士族の反乱(大久保暗殺(1878年)以前に佐賀の乱(1874年)、神風連の乱秋月の乱萩の乱(1876年)、西南戦争(1877年)が発生)」を、伊藤の場合は「韓国独立運動*29」を抑え込もうとした。
 安倍氏国葬も全く同じで「安倍は間違ってない」「間違ってるのは山上だ」「統一教会問題を追及するな」と言うアピールではないのか。
 しかし「殺人はどんな理由でも許されない」とはいえ「安倍氏が、霊感商法合同結婚式などの問題を抱える反社会的カルトである統一教会にビデオメッセージを送ったこと」は「間違ってること」であり、山上容疑者が恨むのは当然ではないか。統一教会問題の追及も政治的に当然の話でしょう。
 安倍国葬の賛否について言えば私は反対の立場です。学問的見地と言うより一般論になりますがやはり「モリカケ桜」「河井夫妻の公選法違反」「統一教会との癒着」など数々の不祥事、疑惑を抱え、国民世論も反対が多数、野党も反対という状況で国葬を強行して何の意味があるのでしょうか。
 あえて言えば「国葬をするなら最低限、根拠法を可決すべきだ」と野党に言われても閣議決定で済ませようとすること自体が「国葬の無意味性」を示している。多数議席を与党が持つ以上「根拠法(安倍国葬限定の特例法であれ、恒久法であれ)の制定自体」は可能ですが「国民的批判を恐れて可決しない」という状況で国葬を強行して何の意味があるのでしょうか。
 「国民間の分断を助長するだけ」でしょう。与党と岸田政権は「権力者なら何でもできる」と勘違いしてるのではないか。米国でも「ウォーターゲート」のニクソン元大統領は遺族が「国葬を辞退した」と言います。
 なお、私が注目してるのは、天皇国葬に出席するかどうかです(勿論出席しようがすまいが私は安倍国葬反対ですが)。
 岸田政権は「反対意見封じ込め」を狙って現天皇の出席を要請するでしょう。
 ただし、現天皇ではなく、前天皇上皇)ですが、「安倍政権の明治150年式典」には天皇は出席しませんでした。この点、欠席理由を天皇が明言したわけではないので理由は分かりませんが「国民世論の反対が強い明治150年式典に参加して天皇制批判が起こるのを避けた」との見方もありました。今回は果たしてどうなるのか。
 また、国葬でもない中曽根元首相葬儀では国立大学などに弔意表明を求める通達がありました。今回もそのようなことがなされないか警戒が必要です。


◆岸田政権の改憲、九条破壊にどう立ち向かうか(渡辺治*30
(内容紹介)
(内容紹介)
 Q&A形式(架空問答)で書いてみます。

 岸田政権の改憲策動をどう見ますか。

 岸田政権は「九条明文改憲」を安倍、菅政権に引き続いて打ち出していますが、当面の問題は「大幅軍拡」「敵基地攻撃論」でしょう。
 そうした「九条明文改憲に比べればハードルが比較的低い」外堀を徐々に埋めることで「明文改憲につなげる」というのが岸田政権の考えと見ます。
 この点で頭が痛いのは【1】衆参両院での改憲派2/3確保、【2】ウクライナ戦争や中台対立でしょう。【1】は「2/3という結果」よりも「そうなった原因(野党共闘に泉立民が後ろ向きで共闘候補の擁立が2021年衆院選に比べ少なかったこと、泉立民が「提案型与党」と言いだし、岸田軍拡批判など政権批判をろくにしなかったこと)」の方が深刻です。
 「衆院選敗北で当時の枝野代表に引責辞任を求めて後任代表に就任」し「その後、参院選で敗北した」にもかかわらず泉氏は代表を辞任せず、野党共闘や「提案型与党」路線へのきちんとした総括もされていない。このままでは「野党共闘の完全な崩壊」「維新が最大野党→立民党の消滅」すら危惧されます。
 共産党議席減も「れいわや参政など他のミニ政党に食われた」と言う面もあるでしょうが「泉立民の提案型野党路線への失望→野党共闘それ自体への失望→野党共闘メンバーである共産支持の減少」と言った面もあるのではないか。
 立民党のそうした態度をどう「改善し野党共闘を立て直すか」が急務の課題です。
 【2】についていえば「ウクライナ戦争」や「中台対立」は日本有事に直結するものではない。ウクライナで苦戦するロシアに日本侵攻の余裕はないし、中台対立に至っては今だ軍事衝突にも至っていません。
 しかしこうした「ウクライナ戦争」や「中台対立」を口実とした「岸田軍拡」に一定の支持がある以上、それに対抗していく必要があります。
 私個人はア)「ウクライナ戦争」や「中台対立」は日本有事に直結するものではない事を説明するとともに、イ)ウクライナ戦争や中台対立の「平和的な解決策を訴える」必要があると思っています。
 例えばイ)ですが、本気で岸田政権が「ウクライナ戦争でロシアの無法をただすつもり」ならば何故に未だに「ロシア政府主導のサハリン2計画に日本企業(三井物産三菱商事)が参加し、それを日本政府も容認する」のか。サハリン2から撤退すべきではないか。そうした議論もろくにせずにウクライナ戦争を口実に軍拡や、果ては明文改憲まで画策するとは火事場泥棒も甚だしいと言うべきでしょう。
 

日本国憲法ジェンダー平等(角田由紀子*31
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

日本が「セクハラ放置国」になった根底にあるもの | ブックス・レビュー | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース2021.5.25
中村
 セクシュアルハラスメント(セクハラ)を禁じる法の不在に驚きました。
角田由紀子(以下、角田)
男女雇用機会均等法で事業主に雇用管理上の措置義務として対応を求めているだけであって、「禁止」とあるわけではない。そもそもセクハラの定義がないんです。なぜ定義しないのか、政府の説明、聞いたことないわね。日本って定義なしでズルズルやる国なんです。女性差別撤廃条約でも、国連の委員会から「女性差別の定義をまず作れ」と言われ続け、今に至るまで作っていない。ハラスメント全般、勝手に「○○ハラ」と呼んでるだけで、日本に定義は存在しません。それが非常に深刻な人権問題だという認識がない。結果として、ジェンダーギャップ指数で日本は2019年121位、2020年は少し上がって120位。人権という視点で日本は世界のビリってこと。
中村
 職場でセクハラがあった場合、発生するのは事業主の措置義務違反のみ、なんですか?
伊藤和子*32(以下、伊藤)
 はい。しかも制裁は企業名公表で、これまで公表されたのはたった1件。抑止効果はないですよね。罰則らしい罰則がないから、そんなものだと軽視され続け、真剣に取り組まれていかない。被害をなくすために、違反者と企業に対する罰則付きの禁止規定の導入は不可欠だと思います。
中村
 刑法は110年ぶりに性犯罪規定が見直され、処罰対象行為*33が拡大される、告訴せずとも捜査可能になる*34など改正されました。でもまだ重大な積み残しがあると。
伊藤
 犯罪として成立するハードルが非常に高い。無理やり、意に反してされた、だけでは認められず、暴行・脅迫を立証しなければならない。世界のトレンドは、暴行・脅迫要件を撤廃し、同意なき性行為をすべて犯罪とする不同意性交罪の導入です。ここでも日本は遅れてる。教育もすごく大事だと思う。2年半前に週刊誌の「ヤレる女子大学生ランキング*35」という特集が問題になったけど、雑誌でもテレビCMでも、あらゆる場面でレイプカルチャーというか、女性を性的対象としてみる風潮がある。

<考える広場>保守政治と「右派宗教」の罪 佐藤直子・論説委員が聞く:東京新聞 TOKYO Web2022.8.30
角田
 保守派の背後に旧統一教会の影が見えていなかったとき、ジェンダー政策が進まないのは、頑迷なおじさんたちが明治時代の遺物のような家父長制にしがみついているからだと思っていた。でも自民党と右派宗教とが、互いにもたれ合っていたのが大きかったのね。旧統一教会の父権主義的な教義は「家庭」をキーワードに、自民保守派の家族観と通じている。
 世界が女性差別の問題に取り組む中で、一九七五年に国連の国際婦人年があり、日本は八五年に女子差別撤廃条約(CEDAW)を批准しました。条約の第一条は、「女性差別の定義」です。けれど日本では自民党女性差別を本気でなくそうと考えていないから、男女共同参画社会基本法にも不備がある。条約理念を取り込んだ国内法を目指しながらも、女性差別の定義が明確に書かれていないのです。
佐藤
 本物の女性差別撤廃法になっていない。肝心な差別の定義をせずに、どんな差別をなくそうというのでしょうか。
角田
 CEDAW委員会は差別の定義が欠けていることを問題視し、条約を十分に適用する上で障害になると指摘しています。
佐藤
 昨年発効した国際労働機関(ILO)のハラスメント禁止条約も、セクハラなどを含みますが、禁止や制裁の国内法が整備されていないなどの理由で日本は批准していません。
角田
 セクハラは主に年長者が立場の弱い若年者を支配する行為です。ルールを作っている権力者の側がセクハラをしているのだから、罰する法はない方が都合がいいわけですね。
佐藤
 だから、日本はジェンダーギャップ指数116位。


アメリカ民主主義の重大な危機:トランプ前大統領の「クーデター未遂」と再発防止に向けて(矢部武*36
(内容紹介)
 トランプが扇動した「上院襲撃事件(クーデター未遂)」について論じられています。
 共和党が「トランプ私党(2024年大統領候補もトランプの可能性あり)」と化し、二大政党制であるがゆえにトランプ批判派は必然的に「民主党に投票するしかない」現状が述べられています。その結果として、矢部氏は「チェック機能が働かなくなること」を危惧し「共和党の自浄能力」を期待したいとしていますが、現状でその展望は残念ながら大きくはありません。
 【1】「上院襲撃事件(クーデター未遂)」についてトランプが訴追されるかどうか、【2】中間選挙でどんな選挙結果がでるかも「トランプ私党化する共和党」が今後どうなるかに影響するとされています。【2】についていえば共和党が大勝すればさらに「共和党のトランプ私党化」が深刻なものになりかねません。


特集『公共施設・インフラ再編とポストコロナのまちづくり①』
◆人口減少時代における公共施設整備、都市整備の基本的な考え方:公共施設等総合管理計画、立地適正化計画の対抗軸(中山徹*37
(内容紹介)
 学校統廃合について「可能な限り、学校統廃合を避けるべき」との考えが述べられています。
参考
赤旗
小規模校を存続せよ/統合問題 高橋氏がただす2022.5.12


◆あらためて水道の民営化・広域化を問う(尾林芳匡*38
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
日本共産党 知りたい聞きたい/水道事業の民営化をどう考える?2004.10.7
改悪水道法 運営権売却容易に/各首長の反応は2018.12.31
水道民営化ストップ 浜松 全国のつどいに600人/水は自治の基本 世界の失敗学べ2019.1.14
水道民営化 もうけは企業/修繕と水質は自治体の責任/岐阜でシンポ2019.6.2


◆検証・ポスト東京五輪:「爆速」で進む東京大改造(末延渥史)
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。なお、タイトルで分かるように主として論じられてるのは「東京大改造(都市再開発:勿論、環境保護や利権疑惑の観点から批判的)」ですがアオキや角川の幹部逮捕で浮上した「贈収賄疑惑」も重要な問題です。
参考
再開発で大木1000本伐採 神宮外苑 都計審で承認 | 日本共産党 東京都委員会2022.2.12
赤旗環境壊す外苑再開発/山添氏ら国から聞き取り2022.4.27
赤旗シリーズ語ろう!スポーツ政策/神宮外苑 再開発計画/草野球の「聖地」守る2022.6.30
神宮外苑再開発、球場建設でイチョウ保全は本当に大丈夫? 基本方針変わらず、残る不安:東京新聞 TOKYO Web2022.8.16
クローズアップ 神宮外苑再開発 | 日本共産党 東京都委員会2022.8.24

森喜朗AOKI200万円受領問題だけじゃない! 五輪招致買収や神宮外苑再開発利権への関与 萩生田光一を使って都に圧力も|LITERA/リテラ2022.9.2
 東京五輪をめぐる汚職事件で、ついにあの大物の名前が出てきた。贈賄容疑で逮捕されたAOKIホールディングスの青木拡憲・前会長が、東京五輪パラリンピック大会組織委員会の会長を務めていた森喜朗*39・元首相に「現金200万円を手渡した」と供述していると報じられた件だ。
 だが、捜査のメスを入れるべきは、このAOKIをめぐる贈収賄にかぎったものではない。というのも、森前会長には、高橋容疑者とともに東京五輪招致の買収に関与していた疑いがあるからだ。
 しかも、森前会長の疑惑はこれだけでは終わらない。それは、東京五輪招致、新国立競技場建設にともなう「神宮外苑地区の再開発」への暗躍だ。
 詳しくは既報を読んでいただきたいが(東京五輪3兆円超えの戦犯・森喜朗のもうひとつの疑惑! 五輪の裏でゼネコン、電通と「神宮外苑再開発」利権|LITERA/リテラ)、五輪招致の背後では、神宮外苑地区の再開発をめぐって、森前会長の親友とされ明治神宮と太いパイプを持つとされていた人物の関与が囁かれるなど、森前会長が東京五輪開催による再開発に絡んだ建設利権を狙っているのではないかといわれてきた。
 実際に森氏が神宮外苑再開発に関与していたことを示す文書も明るみに出ている。
 東京都の開示資料によると、2012年2月28日に森氏が強い影響力を持っている清和会所属で当時落選中だった萩生田光一*40が東京都の安井順一技監(当時)と面談。そこで萩生田氏は「森元首相から『競技場施設そのものは国。しかし都が一生懸命汗をかいてくれないと困る。君が、文科省、NAASH(編集部注:日本スポーツ振興センター、現JSC)、都を横断的に調整してくれ』と言われている」と告げると、日建設計が作成した整備案を広げて見せ、このように迫っている。
「国が踏み出すことを都が待っていては遅い」
「実現する時は自民党政権に戻っている。今の機会しかここの整備は出来ない」
 さらに萩生田氏は岸記念体育会館の移転建て替えについても、「(移転を)日体協が望んでいるようだ」と発言。つまり、森氏は萩生田氏を使って神宮外苑のスポーツ施設にかんする再整備を都に働きかけていたというわけだ。
 そして、この萩生田氏が迫っていた問題に対し、都側は同年5月15日、森氏に直接説明をおこなっている。当時の佐藤広・東京都副知事と安井技監は森氏と面談をおこない、このとき佐藤副知事らは神宮球場秩父宮ラグビー場の場所を入れ替えた上で建て直すという、現在まさに進められている再開発案につながるプランを提示したのだ。
 すると、森氏は「すばらしい案じゃないか。長生きしないと」と大喜び。さらに安井技監が「五輪の招致が失敗しても神宮外苑全体の再整備を前提に都市計画変更の調整を進める」と明言すると、森氏は「すばらしいよ。あと15年は長生きしないと」と口にしたのだ。ようするに、森氏は東京五輪の実現・成功などよりも、五輪にかこつけた神宮外苑の再開発のほうが重要だったのである。
 こうして森氏のゴーサインのもとでスタートした神宮外苑の再開発案は、その後、超高層ビルや商業施設が計画に加えられるかたちで進行。樹木の大量伐採に反対の声があがっているにもかかわらず、三井不動産明治神宮などの事業体によって着々と進められている。また、秩父宮ラグビー場の整備・運営主体も、鹿島や三井不動産などで構成される事業体が落札している。
 神宮外苑の再開発計画の中止・見直しを求め、情報開示を通じて問題を提起してきた日本共産党都議団は、今年4月におこなった会見において、森氏の関与に言及。このようにまとめている。
〈情報開示を通じて、神宮外苑再開発計画がスポーツ拠点整備とは名ばかりで、東京都が主導し、森元首相が一貫して深く関与して、開発事業者の三井不動産や土地所有者の明治神宮に利益をもたらす方向に変更されてきたこと、その結果として、樹木の伐採、歴史的景観の破壊をはじめ大きな矛盾に直面していることが、明らかになりました。〉
 五輪招致買収に再開発利権。このように表舞台のみならず裏でも暗躍してきた森氏。AOKIをめぐる収賄疑惑だけではなく、これら東京五輪の闇にもメスが入れられなければならないだろう。


ジェンダー覚書:The personal is political『「痴漢ゼロ」「性暴力なくそう」の声、政治を動かす』(坂井希)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
痴漢ゼロの大阪へ/アンケート呼びかけ/党府委ジェンダー平等委2022.3.3
痴漢ゼロ 政治の責任で/党京都府委 アンケート拡散集会/たけやま氏報告2022.5.16
JR東に痴漢根絶要請/山添・吉良氏ら「被害者救済を」2022.5.27
主張/性暴力被害の根絶/「痴漢ゼロ」への流れをさらに2022.7.4


◆論点『建設アスベスト訴訟:建材メーカーへの全国一斉提訴』(鈴木剛
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
メーカーの謝罪・補償基金求め/建設石綿 提訴へ集会/全国連絡会など2022.5.21
建設アスベスト補償基金/建材メーカーは参加を/全国連絡会 党国会議員団と懇談2022.5.31
建材メーカーを一斉提訴/建設石綿訴訟 全国10地裁/「賠償・基金参加を」2022.6.8


◆暮らしの焦点『東京都「中学校英語スピーキングテスト」はただちに中止を』(とや英津子*41
(内容紹介)
 赤旗等の記事紹介で代替。
都立高入試 英語スピーキングテスト/ベネッセが独占/保護者・教員「情報漏えい心配」2021.6.12
都立高入試 直前のテスト 問題噴出/ベネッセの英語スピーキングテスト イヤホンに雑音 公平性も検証できず・・・今日の赤旗記事 - (新版)お魚と山と琵琶湖オオナマズの日々2021.12.4
ベネッセが都立高入試参入 英語スピーキングテスト/特別な訓練必要 不公平 関連企業が採点・運営→学校・塾に教材販売・・・「赤旗」日曜版記事 - (新版)お魚と山と琵琶湖オオナマズの日々2021.12.27
都庁で記者会見!スピーキングテスト中止を求めて|新英語教育研究会 New English Teachers' Association2022.1.10
都英語スピーキングテスト/練馬区で中止求めるシンポ | 日本共産党 東京都委員会2022.7.23
英語スピーキングテスト中止を 都に党都議団が申し入れ | 日本共産党 東京都委員会2022.8.3


メディア時評
◆テレビ『統一協会問題と公共放送の使命』(沢木啓三)
(内容紹介)
 日本テレビ「ミヤネ屋」、TBS「報道特集」「ニュース23」の統一教会批判報道を評価すると共に、そうした批判報道に「予想通り後ろ向きな」公共放送NHKと「フジサンケイフループ」フジテレビが批判される。
 

文化の話題
◆音楽『ロシア音楽の忌避とボイコット』(小村公次*42
(内容紹介)
【1】

[ウクライナ危機]ロシアの音楽家をボイコット、一律の排除 疑問視も : 読売新聞オンライン2022.3.29(文化部・松本良一)
 ボイコットの動きは、政治から距離を置く音楽家にも及んだ。フランスのトゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団音楽監督トゥガン・ソヒエフは、「愛するロシアの音楽家たちと愛するフランスの音楽家たちのどちらかを選ぶという不可能な選択を迫られた」として辞任。同時に、兼務していたモスクワのボリショイ劇場音楽監督兼首席指揮者も辞した。
 ソヒエフはメッセージで「私は、どんな形であれ、紛争を支持したことはありませんし、これからも反対しつづけます」と述べた上で、「仲間であるアーティスト、俳優、歌手、ダンサー、指揮者たちが脅され、不当に扱われ、“キャンセル文化”の犠牲になっている様を目撃することに耐えられません」とつづった。
 ロシアのオーケストラの欧米ツアーも次々と中止されているが、こうした潮流に異議を唱える動きも出てきた。世界的指揮者のサイモン・ラトル*43とロシア出身の指揮者ウラジーミル・ユロフスキー*44らは、インターネット「change.org」で、「ウクライナでの戦争およびロシアとベラルーシの芸術家への全面的ボイコットをやめる」よう求める公開書簡に署名したことを明らかにした。
 書簡では「プーチン氏やロシア政府、それらとつながりのある人物や団体への制裁を支持する」一方、「国籍を理由とする無差別の排斥に強く反対する。こうした差別はプーチン氏の危険なプロパガンダを助長するだけだ」と訴えている。
 賛同署名には指揮者のパッパーノ*45ビシュコフ*46、バイオリニストのファウストやムローバ*47、ピアニストのメルニコフ、声楽家ボストリッジら、ロシアを含む多くの国の一流音楽家が名を連ね、音楽界の危機意識の強さを反映している。

https://twitter.com/yomiuri_classic/status/1511178059310903306
クラシックガイド/読売新聞
 ロシア軍のウクライナ侵攻から1か月あまり。欧米のクラシック音楽界では、ロシアの音楽家や演奏をボイコットする流れが続く一方、世界的指揮者のサイモン・ラトル氏らが「ロシアとベラルーシの芸術家への全面的ボイコットをやめるよう」求めています。

といった「ロシア音楽家ボイコットの動き」について「そんなことがウクライナ戦争解決に何の意味があるのか」とボイコット派を批判して、「サイモン・ラトルやウラジーミル・ユロフスキーらのボイコット批判派(赤字部分)」に賛同しています。
【2】
 また小村氏は

ウクライナ議会、ロシアの一部の音楽と出版物を禁止する法案可決 - BBCニュース2022.6.20
 ウクライナ最高会議(議会、定数450)は19日、ロシアの一部の音楽をメディアや公共の場で流すことを禁止する法案を賛成303票で可決した。
 これにより、テレビやラジオ、学校、公共交通機関、ホテル、レストラン、映画館、その他の公共の場で、一部のロシア音楽の使用や演奏は禁止される。
 全てのロシア音楽が禁止されるのではなく、ウクライナが独立を宣言した1991年の時点でロシア人だった人、あるいはそれ以降にロシア国籍を取得した人物が制作もしくは演奏した音楽が対象となる。
 ウクライナ国籍を取得していたり、死亡時にウクライナ国籍だった音楽家は禁止対象から除外される。
 チャイコフスキーショスタコーヴィチなど、死後長い年月*48がたっているロシア人作曲家の楽曲演奏も、引き続き可能となる。
 ロシアによるウクライナ侵攻を非難しているロシア人アーティストは、ウクライナの保安当局に対して適用免除を申請することができる。

についても「そんなこと(ロシア人作曲家の音楽の演奏原則禁止→例外的に許可を得たときのみ演奏可能)がウクライナ戦争解決に何の意味があるのか」「狭量なナショナリズムへの悪しき迎合」とウクライナ国会を批判しています。俺も「サイモン・ラトルやウラジーミル・ユロフスキーらのボイコット批判派」や「彼らに賛同し、またウクライナ国会を非難する小村氏」と同意見です。
【3】
 また

曲に罪はないはずだが…チャイコフスキー大序曲「1812年」演奏中止相次ぐ : 読売新聞オンライン2022.3.15
 ロシア人作曲家チャイコフスキー(1840~93年)の大序曲「1812年」の演奏を取りやめる動きが国内で相次いでいる。ナポレオン率いるフランス軍による1812年のロシア遠征で、露軍が仏軍を撃退する様子を表現し、日本でも親しまれているが、露軍がウクライナへの侵攻を続ける現在の状況で、演奏するのはふさわしくないとの判断があるようだ。
 明石フィルハーモニー管弦楽団兵庫県明石市)は、21日の演奏会の最後にこの曲を予定していたが、急きょ外した。担当者は「ロシアが他国の侵攻に打ち勝ったという意味を持つ曲の演奏は、好ましくないと判断した」と説明する。
 東京都立白鴎高・付属中(台東区)の吹奏楽部でも顧問と生徒らが話し合い、来月4日に開催予定の定期演奏会での演奏を取りやめた。生徒からは、現地の状況を心配する声が上がり、「曲に罪はない」という意見もあったという。宮田明子校長は「これまで一生懸命練習してきた生徒たちが話し合って決めたこと。尊重したい」と語る。
 中部フィルハーモニー交響楽団(愛知県小牧市)は26日の演奏会で演奏を取りやめ、代わりにフィンランドの作曲家シベリウス交響詩フィンランディア」を披露する。「フィンランディア」はロシアの圧政に抵抗する人々への思いを込めて作られた曲で、今月1日にフィンランドの首都ヘルシンキの露大使館前であった抗議集会では、数百人の市民らがウクライナへの連帯を示そうと歌い上げた。中部フィルの担当者は「ウクライナを応援する意味で選んだ」と語る。ただ、「チャイコフスキーの音楽を否定することはない」として、バレエ音楽くるみ割り人形」を演目に追加するという。音楽評論家の石田一志さん*49は「本来、芸術は政治に左右されるべきではない。ただ、露軍の侵攻が世界に衝撃を与える中で大序曲を演奏するのはあまりにも生々しく、演目から外す動きも致し方ない*50」と話している。

音楽祭でロシア戦勝曲の変更相次ぐ 芸術監督「いまやるわけにはいかない気がする」 - サンスポ2022.3.12
 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール大津市)は12日、今春開催するクラシック音楽祭で予定していたロシアの作曲家チャイコフスキーの大序曲「1812年」の演奏を見送り、曲目を変更すると発表した。
 代わりにレスピーギ交響詩「ローマの松」を演奏する。
 同ホールの芸術監督の沼尻竜典さんは2月末の記者会見で「チャイコフスキーに罪はないが、いまロシアが勝つ曲をやるわけにはいかない気がする」と話していた。

「1812年」九響も演奏中止 チャイコフスキー作曲「嫌悪感抱く聴衆も」:地域ニュース : 読売新聞オンライン2022.3.19
 九響は、9月24日の北九州市、翌25日の福岡市で演奏を予定していた。指揮者の現田茂夫氏と協議し、演奏曲目から外すことを決めた。同曲の代わりとして、同じチャイコフスキーの「イタリア奇想曲」を演奏する。九響の柴田耕志・専務理事は、「ロシア音楽自体は否定すべきものではない。ただ『1812年』については、今の時期、嫌悪感を感じる聴衆もいると思われ、変更することにした」としている。

曲に罪はないが…チャイコフスキー名曲、演奏見送りの動き - 産経ニュース2022.3.8
 ロシア音楽に詳しい大阪大大学院の高橋健一*51准教授(ロシア文化)は「この曲に関しては、演奏自粛も仕方ないと思える事情がある*52」と理解を示す。曲のテーマでもある1812年の戦争はロシアでは「祖国戦争」とも呼ばれ、ロシア人の「自分たちは西側世界の被害者だという意識の原点の一つになっている」(高橋氏)。
 立命館大の宮本直美*53 教授(音楽社会学)も、反ユダヤ主義者として知られるワーグナーの楽曲がイスラエルでほとんど演奏されないこと*54*55などを挙げ、「音楽は無色透明ではない以上、聞く人の心情を思いやることも必要だ*56」とする。その一方で「配慮が過度に拡大することも心配だ」として、「線引きは難しいが、個々の事情を丁寧に検討し説明することが重要ではないか」と話した。

という日本での動きについても「気持ちは分かる」としながらも懐疑的です。
 俺個人は小村氏以上にこうした態度には否定的で「ロシア軍の勝利を称えると言っても今のプーチンロシア軍ではなくナポレオン戦争だ。時代背景が違いすぎてこじつけにもほどがある*57ナポレオン戦争はフランスによるロシア侵略)」「過剰反応が過ぎるのではないか」と思っています。
 なお、

ロシアが生んだチャイコフスキーの序曲「1812年」は、ナポ…:東京新聞 TOKYO Web
 モスクワで開くイベントのためにと依頼されて作ったが、知人への手紙に「何か祝典のために作曲するほど気乗りのしないことはありません」と書いている。生活のために受けた仕事のようだ。音楽之友社の名曲解説に教わった

だそうです。 
【4】
 今やウクライナ戦争について「飽きたのか」、ブログkojitakenの日記の日記に何も書かなくなった「ゼレンスキー礼賛しか能のないバカ」id:kojitakenには「サイモン・ラトルらボイコット派を支持するのか、はたまた反ボイコット派を支持するのか」「ウクライナ国会を支持するのか、はたまた批判派を支持するのか」聞きたいところです。多分「俺とは違い」ボイコット派支持,ウクライナ国会支持なのでしょうが。
 いずれにせよ、こういう所が俺が「ウクライナを手放しで支持できない理由」です。
【参考:ワーグナーイスラエル

イスラエル公共ラジオ、「タブー」のワーグナーの曲放送し謝罪 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News2018.9.3
 イスラエル公共放送協会Kanは2日、同国でタブーとなっている反ユダヤ主義のドイツの作曲家リヒャルト・ワーグナーの曲がラジオで放送されたことについて、「ミス」だったと謝罪した。
 Kanのクラシック音楽専門局「ボイス・オブ・ミュージック」は先月31日、ワーグナーの歌劇「神々の黄昏」の一部を放送。
 ワーグナーが19世紀に制作した民族主義的要素を含んだ壮大な文学・音楽作品には、反ユダヤ主義ミソジニー(女性への嫌悪や蔑視)、民族純化といったナチス・ドイツの原思想が含まれるという見方があり、アドルフ・ヒトラーが愛好した作曲家がワーグナーだった。
 イスラエルにはワーグナー作品の演奏を禁止する法律はないが、過去に演奏が試みられた際に国民が反発や不快感を示したことから、オーケストラや会場側が演奏を自粛している。
 Kanの広報は2日、ホロコーストユダヤ人大量虐殺)の生存者への配慮からワーグナーの音楽は放送しないという長年の方針に変更はないと強調した上で、「聴取者に謝罪する」と述べた。
 イスラエルワーグナー協会会長で弁護士、父親がホロコースト生存者のヨナタン・リブニー氏は、ワーグナーの曲が公共ラジオで流れたことを「歓迎」。放送されたのはワーグナーの思想ではなく、ワーグナーが生み出した優れた音楽であって、聞きたくない人はいつでもラジオのスイッチを切れると指摘した。


◆美術『「鴻池朋子展」で思う』(朽木一)
(内容紹介)
 みる誕生 鴻池朋子展|高松市美術館公式サイトの紹介。
参考
鴻池朋子の個展から考える、美術館で「みる」行為|美術手帖2022.7.25

美術よ、自然にかえれ 鴻池朋子、価値観問う個展:朝日新聞デジタル2022.8.16
 石やコンクリートで固められた堅牢で清潔な美術館。そこに作品と並んで「動物の糞*58」が置かれていたとしたらどうだろう。美術家・鴻池朋子の問いかけは、人間中心の世界観と硬直した美術制度を根底から揺さぶる。

美術館に「糞」を置く。鴻池朋子が問い直すものとは?高松市美術館「みる誕生 鴻池朋子展」レポート|Tokyo Art Beat2022.8.29
 普通は絶対に展示室内にはないものがある。あってはいけない、と言ったほうが正しいかもしれない。動物の糞だ。「ツキノワグマ」「イタチ」「ニホンザル」など糞の主の種の名前が添えられていて、「ニホンザルのウンチはやっぱり人間と似ているんだな……」などと思う。
 糞だけではない。続く展示室でも、作家は美術館という制度に疑問を投げかけ、その表と裏を混ぜ返し、タブーを解禁するようなことを次々とやってのける。
 たとえば、普段は人目に触れない展示壁の後ろにある小空間に作品を配置したり、個展という大仕事の裏で積み重なる作品輸送箱をあえて展示室の真ん中で見せたりする。
 「触ったらダメ」が美術館の基本ルールだが、本展は《触れるインスタレーション》を用意。ここでは鑑賞者が触れて作品を鑑賞できるようになっている。


◆演劇『こまつ座「紙屋町さくらホテル」、トラッシュマスターズ「出鱈目」』(寺田忠生)
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介等で代替。
芝居の役割 問い直す こまつ座「紙屋町さくらホテル」 劇場は「現実を超えてつながる場所」:東京新聞 TOKYO Web2022.6.23

紙屋町さくらホテル - Wikipedia
 井上ひさしの戯曲。1997年10月22日に初演。終戦間近の1945年5月の広島の小さなホテルを舞台に、素人を寄せ集めて臨時の劇団を組織し『無法松の一生*59』を上演*60する顛末を描いた喜劇を通じて、「天皇の戦争責任」を問う。

こまつ座『紙屋町さくらホテル』が今、この時代に伝える舞台の魔力と人間の強さ(中本千晶) - 個人 - Yahoo!ニュース2022.7.13
 時は終戦直前の1945年5月、広島の「紙屋町さくらホテル」には、「新劇界の団十郎」の異名をとる俳優・丸山定夫高橋和也)が率いる移動演劇隊「さくら隊」が宿泊していた。「さくら隊」は、宿で働く人や泊まっている客を巻き込みながら、2日後に迫った公演の準備に余念がない。日系二世の神宮淳子(七瀬なつみ)、淳子の従姉妹で生粋の広島っ子の熊田正子(内田慈)、言語学者の大島輝彦(白幡大介)、ピアノの得意な浦沢玲子(神崎亜子)、そして、淳子を「敵性外国人」として監視する任務を負った特高警察の戸倉八郎(松角洋平)までも加わって、稽古は進んでいく。
 この宿には傷痍軍人の針生武夫(千葉哲也)と、薬売りの長谷川清*61(たかお鷹)も宿泊し、稽古に参加している。だが、二人ともいわくありげで、どうやら陸軍と海軍、それぞれの密命を負っている様子である…。
 度重なる空襲警報の中で続けられる「無法松の一生」の稽古が楽しい。築地小劇場に思いを馳せる丸山定夫が舞台にかける思いから、初めて演じる面白さを知った神宮淳子の喜びまで、とにかく皆、心から芝居が好きなのだという気持ちが伝わってくる。
 とりわけ、最初はまったくの無理解だった特高警察の戸倉八郎が、強面な表情を少しずつ崩していき、最後には一番の理解者となっているさまは痛快だ。
 「役者なんて、生きていくのに必要な何物も生み出せない存在じゃないか」と罵倒する戸倉に対して、丸山は「いや、百姓でも漁師でも、何にでもなれるのが役者だ。そのために、役者は常に宝石のような心を持っていなくてはならない」と言い返す。
 そして、タカラヅカを愛する私としては、園井恵子(松岡依都美)はやはり特別な存在だ。戦前の宝塚少女歌劇で男役スターとして活躍し、その後、新劇に転じた人である。菊田一夫*62もその演技力を絶賛したという園井だが、この作品に登場する彼女はどこかユーモラスでお茶目だ。園井がオーバーでわざとらしい「タカラヅカ流演技術」を披露してみせるくだりも、前回より圧倒的にパワーアップしていた気がした。
(なお、この作品では笑いのネタにされている「タカラヅカ流演技術」だが、園井だけではなく戦後の宝塚歌劇でも大きな課題とされ、その克服のために努力が重ねられた歴史があることは付記しておきたい)

<演劇パラダイス>トラッシュマスターズ 社会派劇で現代を問う:東京新聞 TOKYO Web2022.7.14
 駄作と見えるような作品でも面白いものを探せる。「皆が捨てていったものを拾い集める、ごみ箱をあさるような作業」と、トラッシュマスターズを主宰する中津留章仁(49)は劇団のスタイルを表現する。劇団名を日本語訳するなら「駄作の達人」か。
 2000年に俳優養成所出身の男性4人で結成。当初はコメディーを作っていた。中津留が座長を継いでからは「その時に面白いもの」を取り上げた。核のゴミ、過疎地、IR計画。「社会派劇をやる、という皆さんの期待に乗っている感じ」と中津留は言うが、一方で「今、この社会でこれを考えてほしいと僕が選んで提示している」と語る。
 今作「出鱈目」は、表現の自由がテーマだ。あいちトリエンナーレの企画展「表現の不自由展・その後」などを題材とした。迫真の会話劇で、表現の自由を抑圧する権力に正当性があるのか否かを問いかける。

中津留章仁が書き下ろす「表現の自由」についての新作『出鱈目』7 月に上演! | えんぶの情報サイト 演劇キック
《企画意図》
 2021 年9月に行われた福井県演劇コンクールのケーブルテレビ放映に伴う、福井農林高校「明日のハナコ」の放送中止*63、及びそれに付帯する処置をはじめ、あいちトリエンナーレの「表現の不自由展・その後」の中止*64や、映画「狼をさがして」の上演中止*65などを取り上げた作品『出鱈目』を企画しております。
 本作では、表現の自由の必然性や尊さについて観客と共に再認識し、それらを抑圧する存在を「現代の検閲」と称し観客とその問題点について考えることを目的とします。本作で取り扱われる事柄の中でも、特に福井農林高校の例では、我々のいる演劇の世界においての「表現の自由」が脅かされる時代になってきたと感じ、危機感と共に怒りを感じています。

*1:日本共産党社民党は癒着していないので正確には「右派政党(自民、維新、国民民主など)」、特に政権与党自民との癒着ですね。

*2:衆院議員。日本共産党中央委員

*3:柿田論文に関係なく俺の考えを言えば正体・本質は「文鮮明(教祖)一族の利権あさり」でしょう。反共も「自称・キリスト教」も「韓国中心主義(韓国はアダム国家)」も全て「利権あさりのための手段」にすぎず、正体・本質ではないと俺は思っています。

*4:著書『統一協会』(1992年、かもがわブックレット)、『霊・因縁・たたり』(1995年、かもがわ出版)、『自己啓発セミナー』(1999年、新日本新書)、『現代葬儀考 』(2006年、新日本出版社)、『悩み解決!これからの「お墓」選び』(2013年、新日本出版社)、『創価学会の「変貌」』(2018年、新日本出版社

*5:中央大学教授。著書『国葬の成立』(2015年、勉誠出版)、『戊辰内乱期の社会』(2016年、思文閣出版)、『天皇陵と近代』(2018年、平凡社

*6:参議、大蔵卿、内務卿を歴任

*7:外務卿、右大臣を歴任

*8:外国事務総督、右大臣、太政大臣内大臣を歴任。公爵

*9:薩摩藩の国主。薩摩藩士である大久保や西郷の上司。明治新政府で一時、左大臣を務めたが実質的権限はなかったとされる。公爵。香淳皇后昭和天皇の皇后)の曾祖父、明仁上皇の高祖父。

*10:薩摩藩主。薩摩藩士である大久保や西郷の上司。薩摩藩国主である島津久光の子。公爵。上皇明仁の曾祖父、天皇徳仁の高祖父

*11:長州藩最後の藩主。長州藩士である木戸孝允伊藤博文らの上司。公爵。

*12:参議、近衛都督、陸軍大将を歴任

*13:参議、内務卿を歴任

*14:参議兼工部卿、内務卿、宮内卿宮内大臣、首相、貴族院議長、枢密院議長、韓国統監を歴任。公爵

*15:陸軍卿、第一次伊藤、黒田、第一次山県、第一次松方、第二次伊藤、第二松方内閣陸軍大臣内大臣など歴任。公爵

*16:陸軍卿、内務卿、第一次伊藤、黒田内閣内務相、首相、第二次伊藤内閣司法相、枢密院議長など歴任。公爵

*17:大蔵卿、第一次伊藤、黒田、第一次山県、第二次伊藤内閣蔵相、首相、内大臣など歴任。公爵

*18:第二次伊藤、第三次伊藤内閣文相、首相など歴任。公爵

*19:第一次伊藤内閣農商務相、首相、第二次伊藤内閣逓信相、枢密院議長など歴任

*20:第一次伊藤内閣外相、黒田内閣農商務相、第二次伊藤内閣内務相、第三次伊藤内閣蔵相など歴任

*21:第一次山県、第一次松方内閣内務相、第二次伊藤、第二次松方、第三次伊藤、第一次大隈内閣海軍大臣など歴任。西郷隆盛の弟

*22:参謀総長日清戦争において、参謀総長として広島大本営に下るが、この地で腸チフスを発症し死去

*23:第六師団長、第四師団長、近衛師団長を歴任。近衛師団長として台湾征服戦争に出征するが、現地でマラリアに罹り病死

*24:近衛師団長、参謀総長を歴任

*25:日露戦争では連合艦隊司令長官として日本海海戦に勝利し英雄視された。日露戦争後は海軍軍令部長東宮御学問所総裁を歴任。侯爵。死後、東郷神社が建立された

*26:太平洋戦争では連合艦隊司令長官として真珠湾攻撃を成功させ英雄視された。

*27:参謀総長。戦前最後の国葬(1945年)となった人物

*28:大久保が暗殺された前後には横井小楠(参与)、大村益次郎(兵部大輔、長州藩出身)暗殺(1869年)、広沢真臣(参議、長州藩出身)暗殺(1871年)、岩倉具視(右大臣)暗殺未遂(1874年、喰違の変)、森有礼文相暗殺(1889年)など明治新政府関係者の暗殺や暗殺未遂が多数あったことを指摘しておきます。

*29:但しその後も「李奉昌による桜田門事件(1932年、昭和天皇暗殺未遂、李に死刑判決)」「尹奉吉による上海天長節爆弾事件(1932年、上海派遣軍司令官白川義則が死亡し尹に死刑判決)」が発生している(李、尹は韓国で義士として評価されている)。

*30:一橋大学名誉教授。著書『日本国憲法「改正」史』(1987年、日本評論社)、『現代日本の支配構造分析』(1988年、花伝社)、『憲法はどう生きてきたか』(1989年、岩波ブックレット)、『戦後政治史の中の天皇制』(1990年、青木書店)、『「豊かな社会」日本の構造』(1990年、労働旬報社)、『企業支配と国家』(1991年、青木書店)、『政治改革と憲法改正』(1994年、青木書店)、『現代日本の政治を読む』(1995年、かもがわブックレット)、『日本の大国化は何をめざすか』(1997年、岩波ブックレット)、『日本とはどういう国か、どこへ向かって行くのか』(1998年、教育史料出版会)、『企業社会・日本はどこへ行くのか』(1999年、教育史料出版会)、『憲法「改正」は何をめざすか』(2001年、岩波ブックレット)、『日本の大国化とネオ・ナショナリズムの形成』(2001年、桜井書店)、『「構造改革」で日本は幸せになるのか?』(2001年、萌文社)、『構造改革政治の時代:小泉政権論』(2005年、花伝社)、『安倍政権論』(2007年、旬報社)、『憲法9条と25条・その力と可能性』(2009年、かもがわ書店)、『渡辺治政治学入門』(2012年、新日本出版社)、『安倍政権と日本政治の新段階:新自由主義・軍事大国化・改憲にどう対抗するか』、『安倍政権の改憲構造改革新戦略:2013参院選と国民的共同の課題』(以上、2013年、旬報社)、『現代史の中の安倍政権』(2016年、かもがわ出版)、『戦後史のなかの安倍改憲』(2018年、新日本出版社)、『安倍政権の終焉と新自由主義政治、改憲のゆくえ』(2020年、旬報社)、『「平成」の天皇と現代史』(2021年、旬報社)など

*31:弁護士。明治大学名誉教授。「希望のたね基金」顧問。著書『性の法律学』(1991年、有斐閣選書)、『性差別と暴力:続・性の法律学』(2001年、有斐閣選書)、『性と法律』(2013年、岩波新書

*32:著書『人権は国境を越えて』(2013年、岩波ジュニア新書)、『ファストファッションはなぜ安い?』(2016年、コモンズ)、『なぜ、それが無罪なのか!?:性被害を軽視する日本の司法』(2019年、ディスカヴァー携書)

*33:従来「膣へのペニス挿入」のみが強姦、それ以外は一律に強制わいせつとされていたところフェラチオやアナルセックスの強要なども強制性交罪(強姦罪から改称)となりました。

*34:親告罪でなくなったと言うことです。

*35:これについては例えば週刊SPA!編集部「女性をモノとして扱う視点があったと反省」 署名を集めた大学生らと直接対談 | ハフポスト NEWS(2019.1.14)、「ヤレる」特集、SPA!が謝罪掲載 尊厳に配慮欠いた:朝日新聞デジタル(2019.1.22)、「言いたいこと我慢したくない」SPA!抗議の女子大生:朝日新聞デジタル(2019.2.4)、「ヤレる女子大学生ランキング」に声を上げた女子大生 「あの日を境に人生が180度変わった」(1/2)〈AERA〉 | AERA dot. (アエラドット)(2020.11.1)参照

*36:著書『アメリカ病』(2003年、新潮新書)、『ひとりで死んでも孤独じゃない:「自立死」先進国アメリカ』(2012年、新潮新書)、『日本より幸せなアメリカの下流老人』(2016年、朝日新書)、『大統領を裁く国アメリカ:トランプと米国民主主義の闘い』(2018年、集英社新書)、『アメリカ白人が少数派になる日』(2020年、かもがわ出版)など

*37:奈良女子大学教授。著書『検証 大阪のプロジェクト』(1995年、東方出版)、『行政の不良資産』(1996年、自治体研究社)、『公共事業依存国家』(1998年、自治体研究社)、『地域経済は再生できるか』(1999年、新日本出版社)、『公共事業改革の基本方向』(2001年、新日本出版社)、『地域社会と経済の再生』(2004年、新日本出版社)、『子育て支援システムと保育所・幼稚園・学童保育』(2005年、かもがわ出版)、『よくわかる子ども・子育て新システム』(2010年、かもがわブックレット)、『人口減少時代のまちづくり』(2010年、自治体研究社)、『人口減少と地域の再編』(2016年、自治体研究社)、『人口減少と公共施設の展望』、『人口減少と大規模開発』(以上、2017年、自治体研究社)、『人口減少時代の自治体政策』(2018年、自治体研究社)、『だれのための保育制度改革:無償化・待機児童解消の真実』(2019年、自治体研究社)、『子どものための保育制度改革』(2021年、自治体研究社)など

*38:著書『自治体民営化のゆくえ』(2020年、自治体研究社)、『水道の民営化・広域化を考える(3版)』(編著、2020年、自治体研究社)など

*39:中曽根内閣文相、宮沢内閣通産相自民党政調会長(宮沢総裁時代)、村山内閣建設相、自民党総務会長(橋本総裁時代)、幹事長(小渕総裁時代)を経て首相

*40:第四次安倍、菅内閣文科相、岸田内閣経産相を経て現在、自民党政調会長

*41:都議(共産党

*42:著書『徹底検証・日本の軍歌』(2011年、学習の友社)

*43:2002年9月~2018年6月までベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者兼芸術監督を務めた。2017年9月からロンドン交響楽団音楽監督を務める。

*44:ロシア国立交響楽団芸術監督

*45:2002年よりロンドンのロイヤル・オペラ・ハウス音楽監督を、2005年より聖チェチーリア国立音楽院管弦楽団音楽監督に就任している。2012年にイタリア大統領ナポリターノよりイタリア共和国功労勲章を受け、英国のエリザベス女王よりナイトに叙せられている。

*46:ロシア出身。1974年にソ連から米国に亡命。2017年からチェコ・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者に就任

*47:ロシア出身。1980年にヘルシンキでのシベリウス国際ヴァイオリン・コンクールで、1982年にチャイコフスキー・コンクールで優勝。1983年にフィンランドでの演奏旅行中に米国に亡命。

*48:チャイコフスキー1893年に、ショスタコーヴィチは1975年に死去

*49:著書『モダニズム変奏曲:東アジアの近現代音楽史』(2005年、朔北社)、『シェーンベルクの旅路』(2012年、春秋社)

*50:俺は全然「致し方ない」とは思いません。こういう「過剰な自重(被害者の気持ちを考えよう:今回はウクライナ人)」の最悪の一例が名古屋闇サイト事件における被害者の母親の主張を批判する(1) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)(2011.5.4)、そこまで「闇サイト事件」というのは、遠慮しなければいけないものなのか(そうなのだろうが、そこに合理性や妥当性はないだろう) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)(2019.10.14)でしょう。ウクライナ人だろうが闇サイト被害者の遺族だろうが無茶な主張に同調する必要はないでしょう。つうかそんなことより日本社会は「旭日旗問題」のことで韓国側に配慮でも示したらどうなのか。

*51:著書『アレンスキー:忘れられた天才作曲家』(2011年、東洋書店ユーラシア・ブックレット

*52:俺は全然「仕方ない」とは思いません(以下略)。

*53:著書『教養の歴史社会学:ドイツ市民社会と音楽』(2006年、岩波書店)、『宝塚ファンの社会学』(2011年、青弓社)、『コンサートという文化装置:交響曲とオペラのヨーロッパ近代』(2016年、岩波現代全書)、『ミュージカルの歴史:なぜ突然歌いだすのか』(2022年、中公新書

*54:現在でもイスラエルではワーグナーの楽曲がタブー視されており、公に演奏されることはまずない。ユダヤ系指揮者ダニエル・バレンボイムは2001年にイスラエル音楽祭でベルリン国立歌劇場を指揮して、ワーグナートリスタンとイゾルデ』序曲を演奏し、騒ぎとなった。その後バレンボイムは、ワーグナーヒトラーのお気に入りの作曲家だったからといって、ワーグナーホロコーストの責任を押し付けるのは間違っていると主張した(リヒャルト・ワーグナー - Wikipedia参照)。

*55:まあ個人的にはイスラエルでの演奏拒否もどうかと思いますが、そもそも「イスラエルでのワグナー」と「日本でのチャイコフスキー1812年』」は同一視できる話なのか。日本での『1812年』演奏を聞いて『日本人がウクライナ戦争でのロシア勝利を願ってる』と思って怒る人間がどこかにいるのか?。

*56:「思いやり」てそういうことなんでしょうか?

*57:というか、クラシックを聴くときに「作成経緯」を気にする人ってあまりいないように思いますが。

*58:本物の糞ではなくレプリカだそうです。

*59:岩下俊作(1906~1980年)の小説。1938年(昭和13年)に『富島松五郎伝』の題名で『改造』の懸賞小説に応募して佳作入選。その後、1940年(昭和15年)に『オール讀物』6月号に掲載され、第10、11回直木賞候補作となった(但し、第10回は受賞作なし、第11回は堤千代『小指』が受賞)。1943年(昭和18年)に大映京都撮影所が『無法松の一生』の題名で最初の映画化(稲垣浩監督、阪東妻三郎主演)。その後、1958年(稲垣浩監督、三船敏郎主演)、1963年(村山新治監督、三國連太郎主演)、1965年(三隅研次監督、勝新太郎主演)にも映画化。またテレビドラマ(NHK、フジテレビ)や舞台(文学座新国劇宝塚歌劇団劇団青年座など)にもなっている(無法松の一生 - Wikipedia参照)。

*60:桜隊 - Wikipediaによれば実際に「桜隊」は「無法松の一生」を公演している。また映画「無法松の一生」(1943年版)で桜隊メンバーの園井恵子がヒロイン「吉岡よし子」を演じている。

*61:1883~1970年。横須賀鎮守府参謀長、第三水雷戦隊司令官海軍次官、第三艦隊司令長官、横須賀鎮守府司令長官、台湾総督など歴任

*62:1908~1973年。1955年(昭和30年)、東宝取締役(演劇担当役員)に就任。東宝演劇部の総帥としての仕事のかたわら、映画や帝劇、宝塚歌劇などの舞台の原作・脚本・演出をはじめ、小説の執筆にも精力的な活躍を続け、数々の名作を世に送り出した。1975年(昭和50年)、菊田の功績を記念し、東宝により菊田一夫演劇賞が創設された(菊田一夫 - Wikipedia参照)。

*63:これについては例えば演劇「明日のハナコ」の放送除外、撤回求め署名11849筆 元顧問ら福井県高校文化連盟に提出 | 学校・教育 | 福井のニュース | 福井新聞ONLINE(2022.2.12)、<社説>週のはじめに考える ハナコ 君は悪くない:東京新聞 TOKYO Web(2022.2.20)参照

*64:これについては例えば赤旗主張/表現の不自由展中止/芸術・文化への介入を許すな(2019.8.12)参照

*65:これについては例えば右翼の上映中止要求に監督が声明 劇場、観客に「感謝」:朝日新聞デジタル(2021.5.18)、街宣に屈せず上映続けた映画館 道理通らないこと、我慢できない:朝日新聞デジタル(2022.5.3)参照