今日の中国ニュース(2023年12月22日分)

台湾総統選前に高まる日中衝突リスク 「離島の避難訓練で強硬メッセージを」山下裕貴氏 - 産経ニュース
 そんな衝突が起こる可能性はどう見てもないのでデマも大概にしろと言いたい。


アルゼンチン BRICSに加盟しない方針 前政権の決定から一転 | NHK | アルゼンチン
 「加盟しない」としながらも「BRICS加盟国(ブラジル、ロシア、インド、中国、南ア等)と敵対する気はない」と釈明している点が重要でしょう。


リベラル21 動き始めたダライ・ラマ転生問題(阿部治平)

 中国「環球時報」は、12月7日「欧米では誤解が多いチベット仏教の輪廻転生」と題する論評を掲げた。

 確かにこの記事は阿部が言うように「高齢化したダライ14世(1935年生まれ*1)がいつ死去しても不思議でないこと」を前提とした中国側の牽制でしょう。とはいえ以前から「中国政府の主導で転生ダライは決める、亡命政府の勝手な決定は認めない」と中国は主張しており、内容に新味はない。
 また亡命政府の発表を信じるならば高齢化したとは言え「ダライが重病で死期が近い」わけでもない。
 「動き始めたダライ・ラマ転生問題」とは「嘘、おおげさ(JAROのCMコピー)」でしょう。
 転生問題は1)ダライ14世が生前に転生制度の廃止を実現*2するか(但し、亡命政府の表向きの言動を見る限りその可能性は低い)、2)ダライ14世が転生制度を廃止できないまま死去し、恐らく前例通り、亡命政府によって転生霊童が選ばれる(亡命政府の表向きの言動を見る限り、この可能性が高い)、その一方で「中国が恐らく別途、転生霊童を予定通り選ぶ」かしない限り「動いた」とは言えません。つまり1)がない限り、ダライの死去によって事態は動くわけです。
 なお、上記は阿部記事に投稿しますが掲載拒否でしょう。よくもそれで「リベラル」が詐称できたもんです。


ミャンマー 少数民族側が軍に一斉攻撃 “中国は黙認と認識” | NHK | ミャンマー

 TNLAの報道官はNHKのインタビューに対し一斉攻撃の目的について、市民の生命と財産の保護、軍の打倒、それに特殊詐欺の撲滅をあげました。
 特殊詐欺を巡っては、中国人の詐欺グループがシャン州の中国国境周辺に拠点を置いているとされ、中国政府は繰り返しミャンマーに取締りを求めていますが、軍には詐欺グループを保護する見返りとして金銭が流れていると指摘されています。
 一斉攻撃の目的の1つに特殊詐欺の撲滅を掲げたことについて、報道官は「もともとは中国が思いつき、われわれも実行することを決めた」と述べ、事前に中国側からの接触があったことを明らかにし、ミャンマー軍と友好関係にある中国が、少数民族の作戦を知りながら事実上、黙認していたという認識を示しました。

 少数民族武装勢力が「我々は中国と友好関係にある」として対立関係にあるミャンマー軍事政権を牽制するのは理解できます。
 問題は
1)そうした主張は事実なのか
2)中国はミャンマー政府とは一応友好関係にあるはずだが、武装勢力の主張が事実ならば、この点について中国とミャンマー政府はお互い今後どういう対応をしていくのか
ですね。このNHK記事だけではその点は不明です。


中国主席、台湾統一を明言 首脳会談で、「時期は未定」―米報道:時事ドットコム
 「独立宣言がなくても軍事侵攻がありうる」と従来方針(独立宣言がない限り軍事侵攻しない)を撤回、変更したのならともかく、「いずれ統一する」は鄧小平時代からの方針なので何ら驚きはない。
 むしろ「統一時期未定」は「平和統一を目指すのでそうした気運が高まらない限り未定」を意味し「独立宣言無しでの軍事侵攻の可能性」を改めて否定したと肯定的に評価すべきでしょう。


中国、台湾・南シナ海で米を牽制 軍高官の対話再開 - 産経ニュース

 米軍のブラウン*3統合参謀本部議長と中国軍の劉振立統合参謀部参謀長は21日にテレビ電話で会談

 対談したことそれ自体に意味があります。米中とも「全面対立」は避けたいのでしょう。

*1:存命の人間もいるが、羽田元首相(2017年死去)、 アニメ監督の高畑勲(2018年死去)、作家の大江健三郎畑正憲(以上、2023年死去)等は既に故人(1935年 - Wikipedia参照)

*2:この場合、1)単に「転生制度廃止」を表明する可能性(この場合、選出自体は従来通りダライ14世の死後に実施)と、2)それに留まらずダライ14世が生前に引退し、後継ダライを「ローマ法王のように高僧の互選で選出する」など、正式に選出する可能性の二つがあります。

*3:太平洋空軍司令官、空軍参謀総長等を経て統合参謀本部議長