赤旗で連載していた王谷晶氏が英国ダガー賞に候補入り&赤旗が「外国特派員協会から賞授与」(2025年5月30日記載)

本紙に「報道の自由賞」/外国特派員協会/裏金報道「政治体制揺るがした」
本紙に「報道の自由」賞 外国特派員協会/授賞理由 権力監視で重要な役割
本紙に「報道の自由」賞 外国特派員協会/衝撃スクープ なぜ「赤旗」が/小木曽局長のスピーチ
 まずは素直に喜びたい。まあ、松竹や紙屋と言った反党分子連中は喜ばないし、そもそも「触れることすらしない」のでしょうが。


柚木麻子さん「BUTTER」、王谷晶さん「ババヤガの夜」 英ダガー賞の最終候補に - 産経ニュース
 王谷氏と言えば以前、今日のしんぶん赤旗ニュース(2024年3/28~3/31日分)(副題:赤旗の連載小説『他人屋のゆうれい』の紹介ほか) - bogus-simotukareのブログ(2024.3.28)で

小松立騎
◆「赤旗」連載の『他人屋のゆうれい』めちゃくちゃ面白い。王谷晶は筆力のある作家だと思ってはいたけど、今のところ期待以上。直木賞を取ってほしい作家の一人である。

というXを紹介しましたが、赤旗(平日版)で『他人屋のゆうれい』を連載していますね(日曜版はともかく、平日版は、失礼ながら一般の商業新聞、商業雑誌ではあまり見ない作家の連載が多いのですが)。
 残念ながら『他人屋のゆうれい』が書籍化されたのは新日本出版社など共産と近い出版社ではなく、朝日新聞出版*1ですが。
 また今回の候補作は『ババヤガの夜』(河出文庫)であって『他人屋のゆうれい』ではない。
 いずれにせよ、赤旗に連載した作家が話題になると、共産支持者としても「そんな素晴らしい作家が赤旗に連載してくれた」ということで「何だか嬉しい」。

「共産党躍進に期待します」/各界著名53氏メッセージ2022.6.7
島田雅彦*2(作家)
山中恒(作家)

等という作家と違い、「共産への支持表明」はしてないが「百田尚樹(保守党党首)」などと違い「反共右翼」ではない作家ということでしょう。
 しかし俺は無知なので「ダガー賞」というのは今回初耳ですね。
 日本では「外国人が受章しても話題になるノーベル賞」ほどの知名度ではないが「日本人(今回、王谷氏と柚木氏*3(『BUTTER』(新潮文庫))が候補。インターナショナル・ダガー賞 - Wikipediaによれば、受章しなかったが、2016年に『64』(文春文庫)で横山秀夫*4が、2019年に『新参者』(講談社文庫)で東野圭吾*5が、2022年に『マリアビートル』(角川文庫)で伊坂幸太郎*6が候補*7)が候補になれば、受章しなくても話題になる程度の賞」がダガー賞(英国推理作家協会)なのでしょう。
 正確には「インターナショナル・ダガー賞(翻訳小説が対象:英国の国内小説はゴールド・ダガー賞で扱いが別)」のようですが(インターナショナル・ダガー賞 - Wikipedia参照)。
 なお、ダガー賞に限りませんが、海外の賞の場合「現地で翻訳出版されてない」と候補にならないことが多い点に注意が必要です。
 なお、

「日本文学」女性作家が英語圏で躍進 背景に出版界の潮流変化 - 産経ニュース2022.4.29(約3年前の古い記事ですが)
 昨年(2021年)には松田青子さん(42)の短編集(ボーガス注:『おばちゃんたちのいるところ』(中公文庫))が米国の世界幻想文学大賞(短編集部門)を受賞し、柳美里さん*8(53)も(ボーガス注:『JR上野駅公園口』(河出文庫)で)一昨年(2020年)の全米図書賞(翻訳文学部門)を受けた。

と言うことで昔に比べれば「海外翻訳も増え、その結果、海外の賞を受賞する、あるいは受賞しないまでも候補になる日本人作家も増えた」ようです。

*1:まあ、過去にもそういう「赤旗連載だが、一般出版社から刊行」はいろいろありますが。

*2:1984年、『夢遊王国のための音楽』で野間文芸新人賞受賞

*3:2008年、『フォーゲットミー、ノットブルー』でオール讀物新人賞を、2015年、 『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞を受賞

*4:1998年に『陰の季節』で松本清張賞を受章し作家デビュー。2000年に『動機』で日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞

*5:1985年、『放課後』で江戸川乱歩賞を受賞し、作家デビュー。1999年に『秘密』で日本推理作家協会賞(長編部門)を、2006年に『容疑者Xの献身』で直木賞を受賞

*6:2004年に、『死神の精度』で日本推理作家協会賞(短編部門)を、2008年に『ゴールデンスランバー』で山本周五郎賞本屋大賞を受賞

*7:但し、過去の日本人のダガー賞候補作家達が「ミステリ作家」なのに対し、今回の柚木氏、王谷氏は「ミステリも書く作家」であってミステリ専業ではない。

*8:1997年、『家族シネマ』で芥川賞受賞