今日の産経ニュース(2025年8/9分)

スターリンソ連プーチンロシアを同一視する「アホの産経」
 勿論「スターリンソ連」と「プーチンロシア」、「スターリン北方領土侵攻」と「プーチンウクライナ侵攻」は色々と違いがあるので、同じロシア民族だとして「本性が変わらぬ」云々というのは明らかに不適切です。
 そうした物言いは「秀吉の朝鮮侵略」と「明治新政府朝鮮侵略」を並べて「(朝鮮侵略という)本性の変わらぬ国、日本」と言うくらい不適切でしょう。
 勿論「秀吉時代」と「明治新政府」は色々と違いがあるので「(朝鮮侵略という)本性の変わらぬ国、日本」云々というのは明らかに不適切です。
 つうか本性云々というなら「未だに侵略戦争日中戦争、太平洋戦争など)と植民地支配(台湾、韓国など)を美化する靖国神社」と「そんな右翼神社が一定の政治力を保有する国・日本(安倍首相の靖国参拝など)」の方がよほど「(侵略主義という)本性の変わらぬ国、日本」でしょう。
 ついでにいえば、ソ連のやったこと(北方領土侵攻など)は法律上、あるいは道義上、許されることではないですが「日本が米国相手に無謀な戦争をやらなければ」ソ連北方領土に侵攻することも無かったんですけどね。ソ連が侵攻した満州国に至っては「そもそも満州事変などやるべきで無かった。満州国など作るべきで無かった。満洲に大量の日本人移民など送り込むべきで無かった(戦後、多くの日本人が殺害されたり自決したりした)」でしょう。
 この点は「ロシアの方から一方的にウクライナに攻めてきたウクライナ戦争」とは「戦前日本(ソ連満洲北方領土への侵攻)」は大きく違います。ウクライナには非があるとは言えないが、戦前日本には大いに非があった。
 「戦前日本のバカさ」を完全に棚に上げて、ソ連だけ非難する辺りが産経らしいバカさです。

<産経抄>本性の変わらぬ国、ソ連の対日参戦80年 - 産経ニュース
 戦地では辱めを受けるのを恐れ、捕らわれる前に自ら命を絶った日本人女性も少なくない。

 これについては新刊紹介:「歴史評論」2025年8月号 - bogus-simotukareのブログ

ソ連占領下の「満洲」で(平井和子*1

を紹介した際に、真岡郵便電信局事件(女性電話交換手9名がソ連軍による性暴力を恐れ、青酸カリを服毒し、死亡。映画では二木てるみ(1949年生まれ)、藤田弓子(1945年生まれ)などが女性交換手を演じた。なお、真岡事件以外にも、そうした女性の自決は色々とあったとされる)を描いた映画『樺太1945年夏 氷雪の門』を紹介しました。
 一方、開拓団幹部が女性を人身御供に送り出し、ソ連軍を性接待した事実について、最近、取り上げられるようになったことは新刊紹介:「歴史評論」2025年8月号 - bogus-simotukareのブログ

NHKETV特集取材班『告白:岐阜・黒川満蒙開拓団73年の記録』(2020年、かもがわ出版
◆平井美帆*2ソ連兵へ差し出された娘たち』(2022年、集英社
◆現在公開中の映画『黒川の女たち』(松原文枝*3監督)

を紹介しました。
 「日本は無罪、全てソ連が悪い」と言いがたいがために『開拓団幹部が女性を人身御供に送り出し、ソ連軍を性接待した事実』について触れない産経の下劣さには心底呆れます。
 「元女子アナへの性加害は中居正広が全て悪い。フジテレビ幹部(後に引責辞任した当時の港社長、大多専務など)は悪くない」のと言えない(中居正広・フジテレビ問題 - Wikipedia参照)のと同様、「ソ連軍への性接待(日本人女性への性加害)はソ連軍が全て悪い。開拓団幹部は悪くない」とは言えず、「ソ連軍を性接待した開拓団幹部」には明らかに罪があります。

<主張>ソ連の対日参戦 露の不法行為を忘れるな 社説 - 産経ニュース
 日本が条約を守ったからこそ、ソ連ナチス・ドイツとの激突に集中し、勝利できた。

 関東軍特種演習(関特演)の存在を無視できる産経には心底呆れます(関東軍特種演習 - Wikipedia参照)。
 日本は「条約遵守」でソ連に侵攻しなかったわけではない。
 「ソ連侵攻」主張もあったものの、
1)ノモンハン事件(1939年)で大敗した日本(関東軍)がソ連に勝てるか分からないと判断
2)ソ連相手に戦争した場合、ソ連が完全に日本の敵に回る上に、「ドイツとの共同作戦」と見なされ、反ドイツの立場の「米英」との関係が悪化することを恐れた
にすぎません。

*1:一橋大学ジェンダー社会科学研究センター客員研究員。著書『日本占領とジェンダー:米軍・売買春と日本女性たち』(2014年、有志舎)、『占領下の女性たち:日本と満洲の性暴力・性売買・「親密な交際」』(2023年、岩波書店

*2:1971年生まれ。著書『あなたの子宮を貸してください』(2006年、講談社:いわゆる代理母問題がテーマ)、『イレーナ・センドラーホロコーストの子ども達の母』(2008年、汐文社)、『獄に消えた狂気:滋賀・長浜「2園児」刺殺事件』(2011年、新潮社)、『中国残留孤児・70年の孤独』(2015年、集英社インターナショナル

*3:1966年生まれ。2016年、テレビ朝日報道ステーション」の特集「独ワイマール憲法の教訓」でギャラクシー賞テレビ部門大賞を受賞。2021年11月28日、テレビ朝日テレメンタリー」枠で、松原がディレクターを務めた『ハマのドン "仁義なき闘い"』を放送。2023年5月5日、初めての監督作品となるドキュメンタリー映画『ハマのドン』が公開された。2025年7月12日、第2作目となるドキュメンタリー映画『黒川の女たち』が公開された。著書『ハマのドン:横浜カジノ阻止をめぐる闘いの記録』(2023年、集英社新書)。