転落分子・紙屋研究所を批判する(2025年11/21日分)

『小学館版 学習まんが 日本の歴史12 開国と幕末の動乱 江戸時代Ⅳ』 - 紙屋研究所
 もともとは転落分子・紙屋研究所を批判する(2025年11/18日分) - bogus-simotukareのブログに書いていましたが、長くなったのでこちらに移しました。

 高校生の娘に依頼されて『山川*1一問一答・日本史』から問題を出して答えさせるということを時々やっているのだが、幕末から近代*2にかけてが本当に細かくて覚えることが多くてややこしすぎるのである。ぼくも知らない用語が腐るほどあるし、問題出しながら「よくわからん」と思ってしまう。
 娘自身が「ややこしい」と嘆いている。

 というなら「細かくてややこしいこと」「知らない用語」の具体例を挙げればいいのに。
 「党に悪口するときだけ」は長々と書くのにねえ(紙屋への嫌み、皮肉のつもり)。
 後でこの拙記事で紹介(?)する

文久の改革 - Wikipedia
 いわゆる江戸時代の三大改革(将軍・徳川吉宗の「享保の改革」、老中・松平定信の「寛政の改革」、老中・水野忠邦*3の「天保の改革」)に比べ知名度が劣る
小松帯刀
 薩摩藩幹部だが西郷や大久保に比べ知名度が劣る
薩土盟約
 薩長同盟に比べると知名度が劣る

とか?

 娘は受験生であるから、日本史については、何十年もまともに更新していないぼくなどよりすでに知識量としては凌駕している。しかし、日本史自体にはあまり興味もない。

 俺も「そんなに日本史に興味はない」ですが、歴史評論を毎月読んで、駄記事(紹介記事)を書くくらいの興味はあります(歴史評論 カテゴリーの記事一覧 - bogus-simotukareのブログ参照)。
 月刊「歴史評論」は、月刊「日本歴史*4」(吉川弘文館)と違い「日本史限定ではない(外国史を扱うこともある)」ですが、日本史を取り上げることが比較的多いです。
 もしかしたら「神谷」や「神谷の娘」よりは俺の方が「日本史に興味がある」かもしれない。
 ただしこれは「大学受験じゃないから」という面は明らかにありますね。
 「試験=歴史的用語を覚えなければいけない」となった途端に俺にとって日本史は「非常につまらなくなる」と思います。なお、俺個人(1970年代生まれ)は大学入試(1990年代)は「当時、一番、入試科目として大学に採用されていた世界史」を選択しました。
 今はどうか知りませんが当時(1990年代)の入試科目は社会科は「世界史」「日本史」「地理」「政治経済」だった気がします。
 まあ、「日本史が好きな人」は比較的多いんじゃないか。
 「フィクション要素が多い」とはいえ、「日本史上の偉人(織田信長*5豊臣秀吉*6徳川家康*7伊達政宗*8上杉謙信*9武田信玄*10毛利元就*11など戦国武将が多い)」が登場するNHK大河ドラマが放送されるのも「日本史が好きな人」が比較的多いからでしょう。
 漫画でも「武将ものが多い」とはいえ日本史をネタにした作品もいくつかあります。

◆『アンゴルモア 元寇合戦記』(たかぎ七彦
 『サムライエース』(角川書店)でvol.5(2013年2月26日発売)よりvol.10(2013年12月26日発売)まで連載されたのち、同誌の休刊に伴い『ComicWalker*12に移籍し2014年7月11日よりweb連載され、完結した。元寇文永の役、1274年)における対馬の戦いを描く。2018年7月から9月までサンテレビTOKYO MXなどでアニメ放送された。
◆『新九郎、奔る!』(ゆうきまさみ
 『月刊!スピリッツ』(小学館)で、2018年3月号(2018年1月27日発売)から2019年12月号(2019年10月27日発売)まで連載された後、『週刊ビッグコミックスピリッツ』(小学館)へ移籍して、2020年7号から隔週で連載中。
 室町時代から戦国時代前期の人物で、後世「北条早雲戦国大名『後期北条氏』の創始者)」の名で知られる伊勢新九郎盛時(出家後の名として伊勢宗瑞)が主人公。北条早雲については素浪人から戦国大名にのし上がった下剋上の典型とする説が風聞され、長く通説とされてきた。しかし、近年の研究では室町幕府政所執事を務めた名門武士・伊勢氏を出自とする考えが主流であり、ゆうきマンガもその立場に立っている。
◆『センゴク』(宮下英樹
 『週刊ヤングマガジン』(講談社)に2004~2022年まで連載。戦国大名小諸藩藩主となった仙石秀久が主人公。漫画タイトルの「センゴク」は「戦国時代」の「戦国」と、「仙石秀久」の「仙石」をかけている(いわゆるダブルミーニング
◆『逃げ上手の若君』(松井優征
 『週刊少年ジャンプ』(集英社)で2021年8号から連載中。鎌倉時代から室町時代にかけて、北条時行鎌倉幕府最後の得宗北条高時の遺児)の生涯を描く歴史漫画。足利尊氏によって鎌倉幕府が滅ぼされた後、尊氏の手から逃げ延び、諏訪頼重*13らとともに再起を期す時行の物語が展開される。テレビアニメ第1期が2024年7月から9月までTOKYO MXなどで放送された。
◆『バンデット:偽伝太平記』(河部真道)
 『モーニング』(講談社)で2016年45号(2016年10月6日発売)から2017年48号(2017年10月26日発売)まで連載。南北朝時代鎌倉時代後期から室町時代初期)の騒乱を記した『太平記』を題材にした漫画。バンデット (bandit) は山賊の意味だが、本作では『太平記』の時代に見られる悪党を指している。
◆『ワールドイズダンシング』(三原和人)
 『モーニング』(講談社)で2021年から連載し全6巻で完結。能の創始者世阿弥が主人公。

 以前、拙記事新刊紹介:「歴史評論」2022年10月号 - bogus-simotukareのブログでもこれらの漫画に簡単に触れました。

 ぼく自身の徳川慶喜*14のイメージが大きく変わった。「相当有能な人間」というイメージになった。なんで最後、大政奉還しちゃうの? というくらい結構やり手だったんだなという感じ。

 文久の改革 - Wikipedia将軍後見職として徳川慶喜が関わった幕政改革)等を評価すると言うことなんでしょうが、紙屋は「どういう意味で有能だと思ったのか?」詳しく書けばいいのに。
 「党に悪口するときだけ」は長々と書くのにねえ(紙屋への嫌み、皮肉のつもり)。
 さて大政奉還ですが、その前の「第二次長州征伐の失敗(幕府側が敗北)」が大きかったかと思います。
 また

大政奉還 - Wikipedia参照
 薩摩藩小松帯刀*15も、土佐藩後藤象二郎*16が主張する大政奉還論に同意し、6月22日に薩土盟約が締結された。

というウィキペディアの記述だけでも分かるように、薩摩藩幹部でも「小松帯刀」は当初は「大政奉還支持(内戦回避路線)」でした。
 大久保*17、西郷*18と言った「薩摩藩内の武力討幕派(内戦を起こしてでも、幕府勢力を完全に政治から排除する)」が小松のような主張を押し切って、武力倒幕で薩摩藩をまとめたわけです。「最初から薩摩藩は武力倒幕一色」と考えたら間違いになります。
 一方で、慶喜は先手を打つ形で、大政奉還で、西郷、大久保らが企む「武力倒幕」の口実をなくそうとしますが
1)薩摩藩が、いわゆる御用盗で幕府を挑発
2)その挑発に乗った形で江戸薩摩藩邸の焼討事件 - Wikipediaが発生し、薩摩と幕府の武力衝突は「薩摩のもくろみ通り」不可避*19になります。
 そして「幕府軍薩摩藩に敗れたこと」で幕府崩壊に至るわけです。
 「ハルノートで米国が日本を挑発するから太平洋戦争になった」は明らかに「日本ウヨの居直り(ハルノートを受諾し、日本軍が中国や仏印から撤退し、蒋介石政権打倒を諦めることは対米戦争の危険を犯すことに比べれば、何ら問題なかったし、そもそも米国は日本を挑発して戦争にするためにハルノートを出したわけではない)」ですが、薩摩と幕府の武力衝突(内戦)は「御用盗で薩摩が幕府を挑発するから内戦(戊辰戦争)になった(戦争に持ち込む意図で薩摩が幕府を挑発した)」と言って何ら問題ないでしょう。

 「尊王攘夷」というイデオロギーの解像度が解説的にグッと上がった。

 というなら、紙屋的にどう「解像度が上がった*20」のか詳しく書けばいいのに。
 「党に悪口するときだけ」は長々と書くのにねえ(紙屋への嫌み、皮肉のつもり)。

*1:山川出版社のこと

*2:この場合の「近代」とは「明治初期(あるいは明治45年までの明治)」とは違うんですかね?。違うとしたらいつまでなのか?。「現在(2025年)まで含む」のか、はたまた「19世紀末(1900年)まで」「大正時代まで」「昭和戦前まで」のように「現在は含まない期間」なのか?

*3:奏者番寺社奉行大坂城代京都所司代、老中を歴任

*4:タイトルで分かるように「ペリー来航への対応など(米国)」「日英同盟締結など(英国)」「大津事件(ロシア皇太子襲撃事件)への対応、日ソ国交正常化など(ロシアや旧ソ連)」「日清戦争日中戦争日中国交正常化など(中国)」「韓国併合、日韓国交正常化など(韓国)」など「外国が関わる日本史」以外では月刊「日本歴史」では外国は取り上げられません。一般向けの「歴史評論」と違い、かなり難しい(大学学部生向け?)ので「日本歴史」は俺は読んでいません。

*5:国盗り物語」(1973年、司馬遼太郎の同名小説のドラマ化)、「信長 KING OF ZIPANGU」(1992年)

*6:太閤記」(1965年)、「秀吉」(1996年)、「豊臣兄弟!」(2026年予定)

*7:徳川家康」(1983年)、「葵 徳川三代」(2000年)、「どうする家康」(2023年)

*8:独眼竜政宗」(1987年)

*9:天と地と」(1969年、海音寺潮五郎の同名小説のドラマ化)

*10:武田信玄」(1988年)

*11:毛利元就」(1997年)

*12:2014年からKADOKAWAが運営している無料コミックポータルサイト

*13:中先代の乱において自刃したとされる。

*14:将軍後見職禁裏御守衛総督(摂海防禦指揮を兼務)を経て征夷大将軍。ちなみに1998年のNHK大河ドラマ慶喜を主人公とした『徳川慶喜』です(司馬遼太郎の小説『最後の将軍:徳川慶喜』のドラマ化)

*15:明治に入ってすぐの病死(明治3年死去)だったため、その後に同じ薩摩出身で、明治新政府で参議、近衛都督、陸軍大将として活躍した西郷隆盛明治10年死去)や参議、大蔵卿、内務卿として活躍した大久保利通明治11年死去)の知名度に隠れがちであったが、近年、高村直助『小松帯刀』(2012年、吉川弘文館人物叢書)等、その事績の研究と再評価が進んでいる(小松清廉 - Wikipedia参照)

*16:明治新政府で参議、工部大輔、黒田、第一次山県、第一次松方内閣逓信相、第二次伊藤内閣農商務相等を歴任

*17:明治新政府で参議、大蔵卿、内務卿を歴任

*18:明治新政府で陸軍大将、近衛都督、参議

*19:とはいえ、それは裏返せば「御用盗による挑発」という「汚い手段」を薩摩が使わなければ、つまり「通常の合法的な政治手段」では「慶喜大政奉還」による「倒幕阻止」が実現しそうだったと言うことでもあります。薩摩もできればそうした「汚い手段」はやりたくはなかったでしょう。

*20:「理解が進んだ」の意味か?