西尾幹二さんの「労働鎖国論」についてYOUTUBEで簡単に紹介しました。|三浦小太郎
西尾『「労働鎖国」のすすめ:外国人労働者が日本を滅ぼす』(1989年、光文社カッパ・ビジネス→1992年、PHP文庫)が刊行された1980年代ですら「ただの排外主義(そもそも西尾の専門は一応は*1ニーチェ研究*2であり、彼は移民問題については素人であり、移民受け入れに関する学問的検討からされた移民反対論ではない)」でしかなかったでしょうが、「2018年の入管法改定(第四次安倍内閣)など政財官界が移民受け入れの方向にシフトし、実際に外国人が大きく増え、1980年代とは大きく状況が変化した2020年代」において、西尾『「労働鎖国」のすすめ:外国人労働者が日本を滅ぼす』(1989年、光文社カッパ・ビジネス→1992年、PHP文庫)という西尾の「移民反対論」に何の意味があるのかと、三浦には心底呆れます。
そもそも「2024年に死去」して以降「右翼業界限定」ですら西尾はそれほど高く評価されておらず、もはや「過去の人」扱いでしょう。
1980年代末には「国際化」の名のもとに、外国人労働者の受け入れはむしろ積極的に行うべきだといった論議がなされていました。その時、ほとんど孤軍奮闘というべき姿勢で、外国人労働者の受け入れは国益にかなわないばかりか人道的でもない、また世界は「国際化」よりも、むしろ鎖国に向かいつつあると主張し続けたのが西尾幹二でした。
孤軍奮闘とは、嘘も甚だしいですね。移民反対論自体は1980年代において、西尾以外にもいくらでもあったでしょう。
単に「ウヨ仲間の西尾」を「ウヨの三浦」が持ち上げてるに過ぎません。
*1:「一応は」と書いたのは、『歴史を裁く愚かさ:新しい歴史教科書のために』(1997年、PHP研究所)『国を潰してなるものか:憲法・台湾・教科書問題』(2001年、徳間書店)、『民族への責任:皇室・領土・企業買収・歴史教科書』(2005年、徳間書店)、『国家と謝罪:対日戦争の跫音が聞こえる』(2007年、徳間書店)、『GHQ焚書図書開封:米占領軍に消された戦前の日本』(2008年、徳間書店)等、ある時期から西尾はニーチェ研究よりも右翼言説の方が明らかに著書として増えてるからです(西尾幹二 - Wikipedia参照)。なお、ニーチェでググれば、竹田青嗣『ニーチェ入門』(1994年、ちくま新書)、永井均『これがニーチェだ』(1998年、講談社現代新書)、清水真木『ニーチェ入門』(2018年、ちくま学芸文庫)、仲正昌樹『ニーチェ入門講義』(2022年、作品社)等がヒットすることで分かるように何も「ニーチェの研究者」は西尾だけではありません。
*2:著書として『ニーチェとの対話:ツァラトゥストラ私評』(1978年、講談社現代新書)、『ニーチェ』(2001年、ちくま学芸文庫)