三浦小太郎に突っ込む(2019年9月16日分)

9月21日、日本ウイグル協会学習会でしゃべります | 三浦小太郎BLOG Blue Moon

 9月21日、日本ウイグル協会の学習会でしゃべらせていただきます。
 ウイグルの運動は多少してきたけど専門家でもなんでもないので、多少学んできたソ連の収容所の問題や、特にソルジェニーツィン*1が何を告発し、西欧に亡命してから何を訴えたか、と言うあたりをテーマにしゃべろうと思います。

 ウイグルと関係ない「旧ソ連のこと」を「強制収容所つながり」でこじつけて話すというのだから、あきれてものも言えませんね。
 「ソルジェニーツィンの発言なんかより、ウイグル関係者の証言でも紹介したら?」と思うのは俺だけではないでしょう。
 三浦に頼む日本ウイグル協会もバカなら、引き受ける三浦もバカです。『中国を追われたウイグル人:亡命者が語る政治弾圧』(文春新書)という著書を持つM谷N子明治大学准教授のようなウイグル専門家、研究者に依頼すればいいものを。もちろん講演内容が問題ではなく「三浦のようなウヨに媚びること」が目的だからこうなるわけですが。

 これ実は私のミスでして、30人くらいの部屋を取ろうとしてかなり大きいところ取ってしまいました。この前、福島香織*2先生の学習会を開催した会議室。福島先生なんでほぼ満員となったが、私で入るわけない。しかしキャンセルは逆にお金かかるので、もう強行してしまいました。

 誰が考えてもそんな不自然なミスはないでしょう。「かなり大きいところ」がどの程度のキャパか知りませんが。
 まあありうるのは「日本ウイグル協会側が十分客を集めることができると自分たちの政治力を過信してでかいキャパの会議室をとった(しかし集客に失敗)」あるいは「日本ウイグル協会側が福島と三浦の違いを無視し、三浦でも客が集まると勘違いして(以下略)」つうところですかね。で三浦が「あんなでかいキャパの部屋をとるなんて三浦も自分を過大評価してるな。福島と三浦じゃ全然違うだろ(苦笑)」とウヨ仲間に陰口たたかれて必死に言い訳してるといったところでしょうか。

 この日は、頑張れ日本も香港支援街宣をする予定のようで、これはますます人来ないと思います

 「頑張れ日本」などというウヨ団体と客層がかぶると平然と公言するのだから全く呆れます。

 今回は私が役不足ですがしゃべらせていただきます。

 「役不足」とは「俺には主役とか準主役とかそれなりの役をくれ。こんな端役なんかふざけてる」という意味、つまり「こんな役じゃ俺には不足だ」という意味なのでこの三浦の文章は誤用ですね。この場合は「力不足」と書くのが正しい。なお、「役不足」と「力不足」の誤用はよくある誤用でググるとそういう指摘をする記事もいくつか見つかります。


拉致問題の映画を撮ろうとした監督 須藤久さんのこと | 三浦小太郎BLOG Blue Moon

 映画「めぐみへの誓い」クラウドファンディングは目標額に達しました。

 まあ、ばかばかしいですね。もちろん「拉致問題のまともな映画などつくれるメンツなのか、つくってもろくに話題にならないんじゃないか(要するに三流だということ)」「そもそも本当に作る気があるのか(単に話題作りで映画作りをぶち上げてるだけで、まともな計画などないので最終的には挫折にならないか)」つう意味でも「ばかばかしい」ですが、それ以前に「小泉訪朝から16年もたってそんな映画作って意味があるのか」という意味で「ばかばかしい」ですね。
 当たり前ですがいまさら「北朝鮮は酷い」なんて映画を作っても何の意味もありません。
 問題はそういう北朝鮮非難で解決する話ではない。仮に映画を作るとしたら「どうやって拉致を解決するのか」を真摯に考える映画であり、その場合「蓮池透氏、和田春樹氏」など救う会、家族会とは異なる立場の方への取材も不可避でしょう。
 まあ三浦らウヨ連中にそんな映画を作る気はないわけですが。

 以前、拉致問題を映画にしようと頑張ってくれた人に須藤久という映画人がいました。

 なお、須藤某氏(映画監督)や彼の映画「斬殺せよ」については以下の記事を紹介しておきます。まあはっきり言ってほとんど彼についての記事はヒットしません。もはや忘れられたご仁と言っていいでしょう。酷なことを言えば「要するに才能がなかった」のでしょう。

■須藤久(1933年10月18日~2017年1月2日、ウィキペディア参照)
 映画監督、脚本家、評論家。
■解放同盟の糾弾
 1971年、映画『歴史よお前は誰のために』における「穢多」の語の多用のために部落解放同盟から糾弾される。須藤は「断じて差別映画ではない」と抵抗したが、最終的に自己批判を余儀なくされた。その反省の証として監督させられたのが狭山事件をテーマとした『狭山の黒い雨』であった。
■作品
■映像
・1967年(昭和42年):TBSドキュメンタリー・現代の主役「室原さん、あなたはなぜ?。蜂の巣城主 その後」
・1970年(昭和45年):映画「歴史よおまえは誰のために」
・1973年(昭和48年):映画「狭山の黒い雨」
・1975年(昭和50年):ドキュメンタリー「矢田教育差別事件」
・1977年(昭和52年):映画「続・狭山の黒い雨」
・1980年(昭和55年):ドキュメンタリー「部落の母の証言」
・1990年(平成2年):映画「斬殺せよ!切なきもの、それは愛」
■著書
・『須藤久評論集 破邪顕正の浪曼』(1974年、三一書房
・『現代暴力考』(1978年、仮面社)
・『須藤久評論集 輪廻への予感』(1981年、現代評論社
・『右に傾くとはどういうことか』(1984年、かのう書房)
・『鶴田浩二が哭いている:野坂昭如氏への決闘状』(1988年、二十一世紀書院)
・『任侠道 叛逆者の倫理』(1989年、二十一世紀書院)

大 愚 言 ・馬鹿がまた逝ってしまった 大愚叢林庵主 大愚東洋 - 花房東洋情報 大愚叢林
・この一月二日、四十年来交誼のあった映画監督・須藤久が享年八十歳*3で急逝した。死因は風邪を拗らせての急性肺炎だった。
・彼は処女作「歴史よお前は誰のために」や「狭山の黒い雨」など一貫して、部落差別の問題を深く掘り下げて、世に問うていた。
・彼は東映のプロデューサー・俊藤浩滋*4、俳優・鶴田浩二と義兄弟の盃を交わしていた。
 その兄弟分だった鶴田の死後、まもなく、野坂昭如が鶴田批判をする文を週刊誌に発表した。
 そのことに対して、彼は野坂に公開決闘状を突きつけた。
 馬鹿仲間の竹中労*5野村秋介*6、僕が仲裁・奔走して事なきを得た。
 また、その野村とも、映画「斬殺せよ」(平成二十八年八月六日付「大愚言」参照)の製作過程において、プロデューサーの野村と監督の須藤の関係が悪化して、僕は間に立ってとても苦労したこともあった。
 常に喧嘩ネタの尽きない始末に負えない「監督馬鹿」であったが、今となればそれもよき思い出である。

大 愚 言 「馬鹿をやらなきゃ映画は変わらない」 大愚叢林庵主 大愚東洋 - 花房東洋情報 大愚叢林
 たけしといえば、盟兄・野村秋介がプロデュースした「斬殺せよ」(監督・須藤久)に出演してくれたことがあった。
 あるテレビ番組で問題発言をして、その詫状代わりの出演ではあったが、彼が出てくれたお蔭で、今でもDVDレンタルの売上げが好調だ。
 主役は須藤監督の兄弟分であった鶴田浩二が決まっていたが、鶴田の急逝により相手役であった若山富三郎が演ることになった。
 その若山の代役がたけしであった。

『映画評論・入門!』番外編「映画評論事件史 淀川長治差別発言事件」 - 新映画をめぐる怠惰な日常
 糾弾会で「①この差別事件の分析と責任と今後の決意を表明せよ②『狭山の黒い雨』を部落問題の観点から批評せよ③これまでの一連の差別評論を明らかにし、分析せよ」との要求が出され、淀川も同意した。
 『狭山の黒い雨』(73年)とは部落解放同盟が製作した劇映画で、1963年に埼玉県狭山市で起きた女子高生への強盗強姦殺人事件、いわゆる狭山事件の映画化である。被差別部落出身の男が犯人として捕らえられ、一審では罪を認めて死刑判決となったものの、その後冤罪を主張して無期懲役が確定した。この映画が製作された当時は一審判決後の控訴期間中である。
 そして、1974年3月4日付の『解放新聞』には、同意通り、淀川による『狭山の黒い雨』批評が掲載されている。
 一方、後にこうした糾弾への批判も出てきた。『差別用語』(汐文社)では、「ここまでくると、淀川氏の知名度を計算に入れ、弱みにつけ込んだ“おどし”といわれてもしかたがない」と記され、『表現の自由と部落問題』(成沢栄寿*7編著/部落問題研究所)でも「七十年余り前、全国水平社設立前に部落差別を不合理だと見た少年の心は一顧だにされず、エセ・ヒューマニズムだと追及され、『解同』理論に立つ自己批判を迫られるとともに、『解同』制作映画を批評することを約束させられた。(略)この高名な映画評論家の個性を無視し、自分たちの理論・思想に追随・同調を求めたのである。」と批判した。
 この批評は、単行本にも収録されておらず、淀川自身この事件のことには終生、触れることはなかった。
 『狭山の黒い雨』は現在では観る機会も限られており、筆者自身も未見なので、淀川の批評を読んで、いっそう観たいと思うようになった。映画自体にも興味はあるのだが、淀川がこの作品を、映画は映画として批評を書いたのか、それとも、(ボーガス注:解放同盟の恫喝に屈服して)指示されるままに書いたのか、映画を観ない限り判断がつかないからだ。
【コメント欄】
・sanach
 淀川さん*8が本心から『狭山の黒い雨』を褒めたのか、それとも解放同盟に要求されて嫌々褒めたのか、映画を観れば果たしてわかるものでしょうか?
1)ほかにも執筆の舞台はいくらでもあるのに、よりによって『解放新聞』という解放同盟内部の機関紙(もともと発行部数が少ない上、同盟員以外はほとんど読まない)に当該批評文を発表したこと
2)当該批評文を単行本に一切収録していないこと
3)解放同盟から糾弾された体験を自伝その他で一切黙殺していること
 この三点が淀川さんの本音を物語っているのではないでしょうか。
・molmot (id:molmot)
 おっしゃっていることは、文中に引用した『差別用語』『表現の自由と部落問題』他でも指摘されていることですので、最初にも書きましたように、〈映画と批評〉の視点からこの問題を見るというのが私の意図です。とはいえ、この批評が書かれるに至る事情が特殊な事件ですので、その過程を抜きにすることは出来ないので、改めて調べて過程を記したわけです。
 その上で映画も批評も一顧だにされないことへの疑問から、埋もれていた批評を見つけてきました。
 この批評が淀川長治がかつて執筆した(ボーガス注:冤罪・八海事件をテーマとした今井正の映画)『真昼の暗黒』の評にも通じるものがあるだけに、書き流したものなのか、実際にそう思ったのかを判別するには、私の能力では実際に作品を観て判別するしかありません。

映画『狭山の黒い雨』と淀川長治
 字面だけ見れば「特殊な部落」との表現は不穏当かもしれないが、全体としてはむしろ差別を批判する趣旨の発言というべきである。これを差別発言としか受け取れない(ボーガス注:当時の解放同盟の)僻み根性の浅ましさと見苦しさ、情操の貧しさには憐憫を禁じ得ない。
 部落解放同盟大阪府連合会の副委員長(当時)の西岡智*9らは、淀川長治を糾弾会に呼び出してつるしあげ、西岡らの製作によるプロパガンダ映画『狭山の黒い雨』を批評するよう要求した。西岡らは「差別糾弾」を口実にして有名な評論家を屈服させ、自作の映画の宣伝に利用しようとしたわけだが、(中略)当時の映画雑誌を調べてみると、淀川が『狭山の黒い雨』を絶賛した痕跡はどこにも見当たらない。それどころか、淀川がこの作品を批評した形跡さえ発見できなかった*10
(中略)
 『淀川長治自伝』でも解同との一件は完全に黙殺されている。『狭山の黒い雨』なる作品そのものも、解同による強引な宣伝にもかかわらず、今日では全く評価されていないようである*11

 「三浦が持ち上げる須藤氏」の「過去の部落解放同盟との関係」は相当に問題があるように思いますがこの点を「多分、部落解放同盟が嫌いなウヨ」の三浦に聞いたら何と答えるんですかね?。「解放同盟との関係には何の問題もない」とも言えず、とはいえ、須藤批判もできず三浦はしどろもどろになるのか。
 それにしても「部落解放同盟の指示で映画を作った人間」が「右翼の野村の指示で226事件美化映画作成」ですか。須藤氏は信念も何もない「ただの映画職人」だったんですかね。それとも権力者(?)にへいこらする日和見なのか。

*1:1918~2008年。1970年のノーベル文学賞受賞者。著書『イワン・デニーソヴィチの一日』(岩波文庫新潮文庫)、『ガン病棟』、『収容所群島』(新潮文庫)など(ウィキペディアソルジェニーツィン」参照)

*2:最近、『ウイグル人に何が起きているのか:民族迫害の起源と現在』(PHP新書)という著書を出版した。

*3:原文のまま。ウィキペディア「須藤久」を信じるならば享年は84歳

*4:1916~2001年。『昭和残侠伝シリーズ(1965~1972年まで全9作、主演・高倉健)』、『極道シリーズ(1968~1974年まで全11作、主演・若山富三郎)』、『緋牡丹博徒シリーズ(1968~1972年まで全8作、主演・藤純子富司純子))』などを次々ヒットさせ、任侠映画で一時代を築いた。著書『任侠映画伝』(講談社)(ウィキペディア俊藤浩滋」参照)。

*5:著書『完本 美空ひばり』、『決定版ルポライター事始』、『断影 大杉栄』(ちくま文庫)、『聞書アラカン一代:鞍馬天狗のおじさんは』(徳間文庫→のちにちくま文庫)など

*6:1963年7月15日、河野一郎邸焼き討ち事件を起こし、懲役12年の実刑判決。出所後の1977年3月3日、経団連襲撃事件を起こし懲役6年の実刑判決を受け再び服役。

*7:部落問題研究者。「国民融合をめざす部落問題全国会議」事務局長、東京部落問題研究会事務局長、部落問題研究所理事長などを歴任。著書『表現の自由と部落問題』(編著、1993年、部落問題研究所)、『歴史と教育:部落問題の周辺』(2000年、文理閣)など

*8:著書『淀川長治の活動大写真』(朝日文庫)、『淀川長治 究極の映画ベスト100』(河出文庫)、『淀川長治映画塾』(講談社文庫)、『ぼくが天国でもみたいアメリカ映画100』(講談社プラスアルファ文庫)、『淀川長治シネマパラダイス』(集英社文庫)、『私の映画教室』(新潮文庫)、『私のチャップリン』(ちくま文庫)、『映画のおしゃべり箱』、『淀川長治自伝(上)(下)』、『私の映画遺言』(中公文庫)、『わが映画人生に悔なし』(ハルキ文庫)、『映画が教えてくれた大切なこと』(扶桑社文庫)、『私の映画の部屋』(文春文庫)、『淀川長治のシネマトーク(上)(下)』(マガジンハウス文庫)など

*9:1931~2018年。部落解放同盟大阪府連書記長、副委員長など歴任。著書『荊冠の志操:西岡智が語る部落解放運動私記』(2007年、柘植書房新社)(ウィキペディア「西岡智」参照)

*10:まあ、『映画評論・入門!』番外編「映画評論事件史 淀川長治差別発言事件」 - 新映画をめぐる怠惰な日常によれば解放新聞にしか掲載されなかったようですからね。

*11:むしろ評価されてるのは解放同盟が差別映画呼ばわりした今井正の『橋のない川』でしょう。解放同盟が今井映画を非難したのは彼が「映画公開当時、解放同盟と政治的に対立していた日本共産党」の党員だったが故の嫌がらせにすぎず今では解放同盟も「今井映画を非難したこと」はあまり口にしたくない黒歴史のようですが。

今日の産経ニュースほか(2019年9月14~16日分)

進次郎氏「次の首相」3位 国民的な人気まざまざと 産経・FNN合同世論調査 - 産経ニュース

 第4次安倍晋三改造内閣で最も活躍を期待する閣僚を聞いたところ、小泉進次郎環境相が48.9%に上り、トップ

 あきれて二の句が継げませんね。政治家として何の実績もなければ、環境問題に見識があるとも聞かない男に何を期待するのか。
 環境問題で具体的に何をしてほしいのか。
 たぶん「イケメンだから」「話題性があるから」程度の話に過ぎず「環境問題ではこれをすることを小泉jrに期待している、なぜなら」といえるまともな内容(温暖化対策にせよ、プラスチックごみ問題にせよ、何にせよ)は何もないのでしょうが。
 極端な話、小泉jrがどんな大臣ポストに就こうとも関係ないのでしょう。たとえば「ありえないこと」ですが麻生を首にして後釜の財務相に小泉JRをつけても「期待する」と回答して「じゃあ麻生前財務相の政治に不満があったのですか?」「小泉新財務相にどんな財政政策をしてほしいのですか?」などと聞かれても、まともに答えられないようなのが「小泉JR支持」といっちゃうような連中でしょう。
 そして「政治家として一応実績がある人々(麻生*1副総理・財務相、菅官房長官、前外相である河野防衛相、総務相に再任された高市厚労相に再任された加藤)」よりも実績のない小泉JRが上というのも「日本政治の劣化以外何物でもない」でしょう。

 小泉氏は14.3%で3位。トップは安倍首相の17.3%で、石破茂*2元幹事長が16.0%で続いた。

 まあ完全に「どんぐりの背比べ」ですね。あえて言えば「石破プラス小泉>安倍」であり「安倍が大人気というわけでは全くないこと」が改めて分かったということでしょうか。「安倍の総裁復帰当初」はともかく今や自民支持層ですら「自民党が安倍を総裁にしてるから俺も支持する」「石破が総裁なら石破支持でもいい」程度の支持でしかないということです。それにしても石破や小泉JRの支持率は「安倍への不満の表れ」でしょうに、それが「自民党内の安倍おろしに現時点ではつながらないこと」や「最大野党党首の枝野*3の支持率アップにはつながらないこと(枝野は岸田政調会長(前外相)などほかの自民政治家よりも下)」が何ともかんともです。


武田国家公安委員長が元暴力団関係者から献金 竹本科学技術担当相が暴力団幹部と撮った記念写真 を入手 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)
 今の自民党では予想の範囲内の疑惑、不祥事ですが非道すぎるとしか言いようがないですね。ひとまずは週刊朝日をほめておきます。野党各党や他マスコミがどれほど追及できるかでしょう。まあ、正直、「産経、読売(自民応援団)」はもちろん、テレビ局各局にはあまり期待していませんが。


【産経・FNN合同世論調査】進次郎効果? 内閣改造4割「評価」 - 産経ニュース
 ただし

支持政党別に「評価する」との回答割合をみると、自民63.1%▽公明63.9%▽維新43.0%▽立憲民主23.6%▽無党派層27.9%

ですからね。「自民、公明支持層以外はほとんど評価していない」「その自民、公明ですら3~4割は支持していない(不支持だけでなく無回答、わからないを含む)」ともいえるわけです。産経が自画自賛するほどの成果では全くないでしょう。


ソロモン諸島が台湾と「断交」 中国と国交 - 産経ニュース
 また「断交」だそうです。「反中国」蔡英文政権誕生後、中国の外交攻勢で「断交する国(エルサルバドルパナマブルキナファソなど)」が相次ぎ、ソロモン諸島にも「国交継続の依頼」にいったのにこれです。もはや蔡英文政権の対中国外交は「いたずらに中国を敵視することでかえって国益を破壊した」「馬前総統時代の外交成果をすべて破壊した」といっていいでしょう。


【昭和天皇の87年】窮乏する国民生活 日米は危険な「無条約時代」に突入した - 産経ニュース

 (ボーガス注:阿部*4内閣外相の)野村が心を砕いたのは、日米通商航海条約の維持だ。日中戦争に反対するアメリカは7月、同条約を翌年1月に廃棄すると通告しており、これを回避しなければ石油、資材、原料を輸入する保証がなくなってしまう。
 野村は対米宥和のため、日本軍の勢力下にある揚子江の南京下流を経済開放しようとした。米大使のグルーや英大使のクレーギーとも会談を重ね、12月18日にはグルーに、南京下流の開放を約束する。野村の誠意はアメリカ本国にも伝わり、12月22日の会談では、米大統領の緊急措置により日米貿易の現状を維持する案がグルーから示された。
 ところが、南京下流の開放に現地の日本軍が反対。現地軍がアメリカの経済活動を妨害したこともあり、日米交渉は成立の一歩手前で破断した。弱体の阿部内閣に、現地軍の手綱を引く力はなかったのだ。野村はのちにこう語っている。
 「揚子江開放どころか上海に入って来るアメリカの艦船などは、日本の現地軍がジャンクをコントロールして妨害したのだから話にならぬ、全く何も彼もぶち壊されてしまったという感じであった。私一個人の名声などはどうでもよいが、あの時せめて揚子江の開放だけでも実行していたら、また道は通ずるものがあったのではなかろうかと、国家のために残念で堪らぬ」
 明くる15年1月26日、日米通商航海条約が失効。両国はこれより“安全ロック”のない無条約時代に突入する。

 いつもの「日本悪くない、米国がすべて悪い」とはなぜか論調が違う産経です。
 なお、「確かに現地軍の態度とそれを抑制できない中央政府の無力」は対米関係を悪化させたでしょうが、「中国との戦争」をやめない限り、事態は本当の意味では解決したとはいえず、「対英米戦争」という結末は変わらなかったんじゃないか。


【昭和天皇の87年】短命に終わった「重臣の切り札」 次期首相はこの人しかいないのか - 産経ニュース

 7月16日、陸相の畑*5が辞職し、内閣は瓦解する。
 ところで米内*6内閣が退陣した背景には、欧州の戦乱という国際情勢に加え、政党の変革という国内問題があった。元首相の近衛文麿*7を担ぎ出し、全国民的な新党をつくろうという、新体制運動の盛り上がりである。
 米内内閣は、内大臣の湯浅倉平*8らが後ろ盾となって発足した。全体主義的な風潮が強まる中で、自由主義的な米内内閣は「重臣の秘めた切り札」だったと、当時の新聞が書く(※3)。その切り札への揺さぶりは重臣にも向けられ、湯浅は健康を悪化させて15年6月1日に辞職した。後任の内大臣は近衛の盟友、木戸幸一*9である。
 7月17日、米内内閣が瓦解し、昭和天皇から後継首班の下問を受けた木戸は、宮中に首相経験者ら7人を集めて重臣会議を開き、わずか30分ほどで近衛の推薦を決めた。新体制運動が盛り上がる中、近衛以外では国民の支持は得られず、何より陸軍によって潰されてしまうと考えたのだ。
 近衛の人事は良くも悪くも斬新だ。昭和天皇から「特に慎重すべき」と指示された外相には、国際連盟脱退で名を売った元外交官の満鉄総裁、松岡洋右を起用した。軍部統制のカギを握る陸相は、統制派を束ねる航空総監、東条英機*10である。
 この2人を、新聞各紙は「登場した両巨星」などともてはやし、こぞって歓迎した(※5)。
 だが、近衛も新聞も、見る目がなかったといえよう。この2人が、やがて近衛が命がけで取り組む和平工作をぶち壊してしまう*11のだ。

 いやー産経のスタンスが実にわかりやすいですね。「陸軍と同調した近衛と木戸、松岡が悪い、陸軍の東条が悪い、昭和天皇悪くない」と。
 「いや、事情がどうあれ、近衛首相、木戸内大臣、松岡外相、東条陸軍大臣(のちに首相)の行動を認めたのは国家元首昭和天皇だろ。そんな言い訳通用するか」て話です。
 しかしここまで産経が東条と松岡に悪口しながら、彼らが靖国に合祀されてるのを容認しているのはどういうことでしょうか。
 なお、米内は確かに「英米との戦争には否定的」ですが、とはいえ中国との戦争について和平派というわけでもありません。彼が首相として仮に辣腕をふるっても「中国との戦争」を継続する限り「対英米戦争」という結末は変わらなかったんじゃないか。


【産経抄】9月14日 - 産経ニュース

 任期制自衛官も失業保険に入れない。

 ググったところ「任期制自衛官」つうのは「正式な自衛官になる前の試験採用」みたいなもんらいしいので、通常は
1)試験採用期間中によほど箸にも棒にもかからないダメ人間であることが発覚し「自衛隊としてとても正式採用できない」という判断をするか
2)やっぱ自衛官でなくて他の場所(企業や地方自治体など)で働きます、と任期制自衛官のほうから辞退
でもしない限りほぼ確実に自衛隊に採用されるわけです。つまりは失業保険に加入させる必要性に乏しい。いずれにせよこんなことは九条改憲云々とかけらも関係がない。そして「6年にも及ぶ長期政権の安倍*12」が決断すればすぐにでもできることでしょう(すべきかどうかはひとまずおきます)。

 公務員宿舎削減で緊急参集要員住宅が確保できない。

 公務員宿舎を削減してるのは何も自衛隊だけではありません。「国のほかの役所」もそうだし地方自治体もそうです。そして「仮に自衛官のための緊急参集要員住宅とやらが本当に必要ならば」だれも反対などしません。いずれにせよこんなことは九条改憲云々とかけらも関係がない。そして「6年にも及ぶ長期政権の安倍*13」が決断すればすぐにでもできることでしょう(すべきかどうかはひとまずおきます)。

 頻繁に異動があるのに引っ越し費用は半額自己負担

 産経の言う「引っ越し費用」が何を意味するのか知りませんが、「国のほかの役所」も、地方自治体も、民間企業も普通は「引っ越し費用全額負担」なんかしないでしょうよ。小生も仕事の都合で引っ越したことはありますが、引っ越し費用なんか会社から出てなかったと思いますね。いずれにせよこれも九条改憲云々とかけらも関係がない。安倍が「全額引っ越し費用を国で負担する」とすれば終わる話です(すべきかどうかはひとまずおきます)。

・ジャーナリスト、小笠原理恵氏の新著『自衛隊員は基地のトイレットペーパーを「自腹」で買う』(扶桑社)
・予算不足で隊員も制服も装備も弾薬も足りず、十分な射撃訓練もできずにいる隊員らの窮乏ぶり

 まあ産経が持ち上げるつうことは小笠原某氏も産経と同ベルのウヨなのでしょう。そもそもこの本「月刊スパ(扶桑社)の連載」が元だそうですし。
 それはともかく、仮に「職員宿舎のトイレットペーパー」ならともかく、「オフィスのトイレットペーパー」を職員に自腹で買わせたらそれは自衛隊でなくて「国のほかの役所」でも、地方自治体でも、民間企業でも問題でしょう。そんなんは福利厚生費として雇用主(?)が持って当然の経費です。日本共産党の「軍縮主張」だって「高額兵器を買うな」であって「トイレットペーパーを職員に自腹で買わせろ」云々なんて話ではない。というか「高額武器を買って史上最高金額の軍拡をしてる」のに「トイレットペーパーを自衛隊員に自腹で買わせてる安倍」「予算不足→弾薬不足で自衛隊員が十分な射撃訓練ができない*14状況にしてる安倍」がすべて悪いのであって、こんなことは九条改憲云々とかけらも関係がない。
 なんで「安倍はトイレットペーパーを自衛官に自腹で買わせるようなせこい真似をするな、きちんと国の予算で買え」「そんなことをするくらいなら高額兵器の購入などやめろ」と産経は言わないのか。護憲派に因縁をつけられるような話では全くありません。むしろ「安倍は高額兵器を爆買いしながらトイレットペーパーの自腹購入なんかやらせてるのか」と安倍批判にしかならない話でしょう。まさか「長期政権の安倍」なのに産経は「安倍政権の前の野田政権が悪い」という気なのか。

 今年2月13日の衆院予算委員会では、涙を浮かべた息子に「お父さん、憲法違反なの」と問われた自衛官のエピソードを講演で紹介した安倍晋三首相に対し、立憲民主党議員が問い詰める場面があった。
「これは実話か」「何県でいつごろどういう方から聞いたのか」。

 もちろん安倍は何の根拠も提出できませんでした。一説によると櫻井よしこら「ウヨの与太話」をうのみにしたという恥ずかしい話のようです。
 それでも「首相が根拠を出せなくても、そういう事実がなかったとはいえない(だからお前らが根拠出せよ!)」「事実でないという根拠を批判派は出せるのか(根拠出すのは、お前らだろ!)」と「何人国内で発見者が出ようとも『ほかの失踪者は北朝鮮拉致かもしれない』として特定失踪者を正当化する荒木並の詭弁」が始まるのが産経と「安倍イエスマン集団の今の自民」ですから心底呆れます。
 そもそも「安倍の改憲」が目指すものは「自衛隊の海外での武力行使(米軍との共同軍事作戦)」「専守防衛方針の放棄」なので、こんな話をするのは詐欺も甚だしいですが。「自衛隊員の子どもがかわいそうだから改憲する」なんて目的では全くないわけです。

*1:麻生の場合「第一次安倍内閣総務相」「第二~四次安倍内閣官房長官」(つまり安倍内閣での閣僚経験)しか閣僚経験のない菅などと違い、「橋本内閣経済企画庁長官」「森内閣経済財政担当相」「小泉内閣総務相」「第一次安倍内閣外相」として閣僚経験も豊富なわけです。

*2:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相など歴任

*3:鳩山内閣行政刷新担当相、菅内閣官房長官、野田内閣経産相民主党幹事長(海江田、岡田代表時代)、民進党代表代行(前原代表時代)を経て立憲民主党代表

*4:陸軍省軍務局長、陸軍次官、台湾軍司令官、首相、朝鮮総督など歴任

*5:台湾軍司令官、陸軍教育総監、中支那派遣軍司令官、侍従武官長、米内内閣陸軍大臣支那派遣軍総司令官など歴任。戦後、終身刑判決を受けるが後に仮釈放。

*6:林、第一次近衛、平沼内閣海軍大臣、首相、小磯、鈴木、東久邇宮、幣原内閣海軍大臣など歴任

*7:貴族院議長、首相を歴任。戦後、戦犯指定を苦に自殺。

*8:警視総監、内務次官、会計検査院長宮内大臣内大臣など歴任

*9:第一次近衛内閣文相、厚生相、平沼内閣内務相、内大臣など歴任。戦後、終身刑判決を受けるが後に仮釈放。

*10:関東憲兵隊司令官、関東軍参謀長、陸軍次官、陸軍航空総監、第二次、第三次近衛内閣陸軍大臣、首相など歴任。戦後、死刑判決。のちに靖国に合祀。

*11:「民間人外相」松岡外相はともかく、「陸軍幹部(元陸軍次官)の東条」が陸軍大臣になるのはごく自然ですし、そもそも陸軍は東条以外も「ほとんどがイケイケどんどん」ですからね。東条陸軍大臣は非難されるいわれはないでしょう。

*12:安倍批判派として実に屈辱ですが

*13:「繰り返しますが」安倍批判派として実に屈辱ですが

*14:実際「予算不足→弾薬不足で十分な射撃訓練ができない」のか知りませんが産経曰く「そうなんだ」そうです。

高世仁に突っ込む(2019年9/14分)

周庭さん香港の闘いを語る3~香港の良さを守りたい - 高世仁の「諸悪莫作」日記

《日本の大学の理系論文数が、政府による研究予算の抑制や競争原理拡大と軌を一にして2000年ごろから伸びが止まり、20年近く頭打ちの状態になっていることが分かった。世界では米国や中国の論文数が飛躍的に伸びており、質の高い論文数を示す国別世界ランキングで日本は2000年の4位から16年は11位に低下。研究活性化策として導入した競争原理*1の拡大が奏功しなかった形で、政策に疑問の声も出ている。》(東京新聞8日)
 日本のノーベル賞受賞者たちも、政府の学術政策が日本の研究機関や研究者をだめにしているとこぞって非難している。科学研究の分野での日本の凋落はなんとか食い止めたい。

 「ビバ、香港デモ」という中国叩き記事で「このままでは日本は中国に科学技術分野で追い越されてしまうんや!」ということを書くとは高世も面白い男です。
 いやーもう「すでに凋落してる(時、すでに遅し?)」でしょうよ。これからはもはや「アジアを代表する科学技術立国=中国」でしょう。
 「科学技術立国を目指す偉大な政治家・習近平*2主席&彼をトップとする中国共産党」と「そんなことは頭の片隅にもない、あほなクズ政治家・安倍晋三*3首相&そんなあほをトップに担ぐ自民党&そんなあほを支持する選挙民」の違いですね(自嘲)。
 「習近平氏のような偉大な政治家」をトップとする中国国民が本当にうらやましい(改めて自嘲)。
 香港デモをネタに「中国は独裁だ」と悪口雑言して調子こいてる場合じゃないわけです。後でも触れますが安倍だって立派に独裁体質ですし(三度、自嘲)。
 「選挙民がバカなら民主主義はろくな成果を生まない」ということを実感します(四度、自嘲)。あほな日本国民が科学技術立国に興味がないんだから仕方がない(五度、自嘲)。我々あほな日本国民は「偉大な中国様の研究成果を、物欲しげに遠くから眺めてればいい」、そう思います(六度、自嘲)。
 まあ「一応、選挙で選ばれた」とはいえ「沖縄基地問題(沖縄の民意無視)」「NHKクローズアップ現代・国谷*4キャスター(当時)を降板に追い込んだこと」「東京新聞・望月*5記者への不当な態度」「反主流派・石破を干し続けてる事」などで示される「独裁体質」の安倍政権を「民主主義」とは呼びたくないし、呼べないとは思いますが。
 なお、こうした「中国の科学技術はすごいですねー」話は以前、俺も
新刊紹介:「前衛」7月号 - bogus-simotukareのブログ
幻の科学技術立国:第4部 世界の潮流/4 トップの頭脳、中国へ招致 「千人計画」の実態 任期なく桁違い年俸提示 - 毎日新聞
中国の科学論文シェア急上昇 米国と「2強」に 日本は急落、3位が2領域だけ - 毎日新聞
などを紹介しました。

*1:こういえば聞こえはいいですが「超がんばらない限り金は出さない」「普通に頑張ったんじゃ金は出さない」「金儲けに直結しそうにない研究は金を出さない」という「競争原理を口実にした予算カット」ですからね。潤沢に金を出す中国に負けるのは当然です。

*2:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*3:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官を経て首相

*4:著書『キャスターという仕事』(2017年、岩波新書

*5:著書『武器輸出と日本企業』(2016年、角川新書)、『新聞記者』(2017年、角川新書)、『追及力:権力の暴走を食い止める』(共著、2018年、光文社新書)、『安倍政治 100のファクトチェック』、『権力と新聞の大問題』(以上、共著、2018年、集英社新書)、『同調圧力』(共著、2019年、角川新書)、『「安倍晋三」大研究』(2019年、ベストセラーズ)など

「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2019年9/13分:荒木和博の巻)

悪くするのが目的【調査会NEWS3072】(R01.9.13): 荒木和博BLOG
 「我々巣くう会の目的は、拉致解決ではなく、日朝関係の悪化です」と荒木が自白しているわけではありません(苦笑)。
 「日韓関係の悪化はすべて反日の文政権が悪い。安倍政権は悪くない」という「嫌韓国」「安倍信者ウヨ」の荒木ですが、「主張の是非以前に*1」、『拉致の解決とかけらも関係ねえだろ?』つう話です。

*1:もちろん俺にとって非ですが

「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2019年9/13日分:高英起の巻)

韓国バカ売れ本「反日種族主義」に北朝鮮が猛反発(高英起) - 個人 - Yahoo!ニュース
 アンチ北朝鮮で「日本ウヨのオナペット」「名誉日本人」高英起らしくて吹き出しました。別に北朝鮮でなくてもまともな人間ならこんな「戦前日本の韓国植民地統治全面正当化」本は批判するでしょう。つうか「戦前日本の朝鮮支配を批判する」北朝鮮や韓国に限らず「旧宗主国の植民地統治を全面肯定」する「元植民地(今は独立国)の政府首脳」なんてどこに存在するのか。例えばインドやマレーシアは英国の、フィリピンは米国の、ベトナムアルジェリアはフランスの、インドネシアはオランダの植民地統治を全面肯定しているのか。
 普通に考えてそんな政府首脳は存在しないでしょうよ。それだったら独立する必要がない。


「日本の収奪はなかった」韓国“禁断のベストセラー”の核心部分(高英起) - 個人 - Yahoo!ニュース
 河野談話を否定するわ、「植民地化で韓国は近代化した」と植民地支配を美化しかしないわ、高英起の紹介が事実なら李某については「そんなんが元ソウル大教授なの?」とびっくりですね。もちろんそうした主張は明らかに事実に反するでしょう。
 ちなみにこの李某については以前
新刊紹介:朱宗恒「植民地近代化論批判」(光陽出版社)(追記・訂正あり) - bogus-simotukareのブログで批判的に紹介しています。もちろん「日本ウヨのオナペット」「名誉日本人」高英起が李某を何一つ批判しないことはいつものことです。

今日の産経ニュース(2019年9月13日分)

【正論】皇位の安定継承は「氏の論理」で 国士舘大学特任教授・日本大学名誉教授・百地章 - 産経ニュース
 女帝導入のほかに現実的解決策はないのにいつまでも「女帝反対」と言い続ける困った産経です。

 奥平康弘東大教授は次のようにいう。女系天皇は「天皇制そのものの正当性根拠であるところの『万世一系イデオロギーを内において浸蝕(しんしょく)する」(「憲法天皇制」、『世界』平成16年8月号)。

 ここで大事なのは奥平氏の言う「万世一系イデオロギー」とは天皇制とはイコールではなく、当然ながら「万世一系イデオロギーの否定」は「天皇制否定」とは違います。仮に奥平氏個人が「万世一系イデオロギーを否定したら天皇制は崩壊する」「天皇制は英国やオランダの王室とはそういう意味で違う」という価値観だとしても*1、それは「奥平氏個人の価値観」にすぎません。
 それは「女帝を認める王室が世界中にあること」で明白でしょう。
 まあ産経らウヨにとっては「奥平氏とは違う意味」ですが、「万世一系イデオロギーの否定(女帝導入)」は「天皇制否定」なのでしょうが。

 「愛子天皇」論の背景にあるのは、「愛子さま天皇陛下のお子さまであり、男女を問わず直系継承が望ましい」とか、「国民にとって身近な方が天皇になられるべきだ」といった素朴な国民感情であろう。

 そりゃ今の天皇家から遠く離れた人間なんか天皇にしても敬意は持ちにくいでしょう。ましてや元皇族を「皇室に復帰させる」というのでは。


「岸田幹事長」阻止した菅氏 「ポスト安倍」見据え権力争い激化 - 産経ニュース
 岸田に幹事長になってほしいわけでは全くありませんが、産経記事を読んでも
1)「いい加減、二階も幹事長が長いし、80超えた爺で健康面に問題があるから俺に幹事長やらせてよ。俺は石破みたいに造反しないから安心してほしい。あんたの念願である九条改憲も頑張るから*2」「二階は副総裁という名誉職でいいじゃん」と岸田が安倍に要請したが
2)「アンチ岸田なのか」、はたまた「二階が好きなのか」菅が反対したのでぽしゃった(まあ反対しなくても安倍は岸田を幹事長にしなかったでしょうが)
3)それを産経は喜んでるらしい
という以外には何もわかりません。

*1:そういう価値観かどうか知りませんが。

*2:宮澤喜一元首相、加藤紘一官房長官河野洋平自民党総裁などを輩出し、リベラルとされる宏池会の人間がそこまで安倍に媚びるかとあきれますが。

高世仁に突っ込む(2019年9/13分)

周庭さん香港の闘いを語る2(暴力の責任は) - 高世仁の「諸悪莫作」日記

 トランプ大統領は10日、「狂犬」と言われたボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)をクビにし、翌11日、ボルトン氏について、北朝鮮政策で大きな失策があったと批判した。(ロイター)
 金正恩をやたらと持ち上げている最近のトランプ大統領を見ていると、北朝鮮に対して無原則な妥協*1を重ねないか心配になる。ボルトン氏を私はインタビューしたことがあり、すぐに武力行使を(とくにイランに)口にする強硬派ぶりには辟易したが、今の米国の戦略なき外交のストッパーになっていた。トランプ氏が暴走しないといいが。

 ボルトンのような極右が政権を去ったことは喜ぶことであり、高世のように嘆くことではないでしょう。
 つうか「アンチ北朝鮮なら打倒イランを叫ぶ極右でもいい」とは「アンチ北朝鮮」高世らしいあほさです。

 日韓を嗤(わら)うが如く飛翔体*2兵庫県 横山閲治郎)

 まあ、日韓対立については「安倍が100パー悪い」わけですがこの横山某氏や朝日川柳選者、そして高世にそういう認識があるかどうか。

 ひたすらに祈りの中の拉致家族*3(福岡県 河原公輔) 朝日川柳11日
 今の朝鮮半島情勢のなかで、拉致問題は忘れ去られてしまったかのようだ。

 「かのようだ」いらんでしょう。拉致は完全に「忘れ去られました」。
 だって拉致被害者帰国に一生懸命頑張った田中均氏を「たった5人しか帰国しないのか」と悪口したあげく、外務省退官に追い込んだり、仲間だったはずの蓮池透氏を不当にも除名するようなバカが家族会ですよ。
 拉致が風化したのは家族会の自業自得であり俺は彼らにかけらも同情しません。むしろ家族会を軽蔑し憤慨し、憎悪すらしている。
 そして拉致の風化は「米国や韓国の対北朝鮮外交」とは全く関係ありません。文政権が太陽政策を実施する以前から拉致は風化していました。

周庭
「日本には民主主義のある国なので、例えば、国会議員の資格が政府に取り消されたということは、なかなかたぶん日本人は想像できないと思います」

 いやいや「国会が除名すれば」日本でも議席は取り消せますのでねえ(そして国会の多数議席を占めるのは与党ですから「政府が取り消したようなもん」です)。まずありえないことですが。
 なお、ウィキペディア「除名」「川上貫一」によれば、1951年、レッド・パージの嵐が吹き荒れていたころ、「川上貫一・日本共産党代議士」が除名処分を食らっています。
 そして、お隣の韓国でも「統合進歩党の議員」が国家保安法違反(朴クネ政権のでっちあげ冤罪の疑い濃厚)で議席を取り消され、統合進歩党を強制解散されたあげく、刑務所にぶち込まれましたのでねえ。ある程度は想像ができます。
 それはともかく、俺はそういう意味では「韓国民主主義には非常に問題がある」と思っています。早く元議員氏は釈放されるべきでしょう。そして国家保安法も早く廃止すべきです。

参考

川上貫一代議士の国会除名とは?
〈問い〉
 メール問題で民主党永田寿康衆院議員が懲罰委員会にかけられていますが、過去に国会除名された中に、共産党の川上貫一議員がいますが、なぜ除名されたのですか?(東京・一読者)
〈答え〉
 1951年の日本共産党・川上貫一議員の国会除名と今回の民主党・永田議員の偽メール質問に対する懲罰とは、問題の性質がまったく違います。
 1951年当時、日本はまだアメリカ占領軍の支配下にあり、共産党は占領軍総司令官マッカーサーの指令(1950年6月6日)で党幹部が公職追放され、36人いた党議員団も20数人になっていました。しかし、世論は単独講和でなく全面講和を求める動きが大きくなっていました。
 そういうなかで同年1月27日、衆議院本会議で川上氏は、「…国民の大多数は単独講和に反対しておる。…再軍備に反対しておる。同時に占領軍の早期撤退を望んでおります。…ここに日本国民の名において、かような政治を即時中止して、日本国憲法を守って、ポッダム宣言に基づく全面講和を実現するいっさいの政策を実行することを要求するものであります」と1時間近い代表質問に立ちます。〈このいわゆる「除名演説」全文は川上著『たたかいの足おと』(新日本出版社)にあります。衆院会議録ではかなり削除されています〉
 これにたいして自由党民主党(後に合同して自由民主党になる)の一部が「不穏当な表現」で「議院の品位」を傷つけたとして、懲罰動議を提出しました。川上氏は「この質問はごうも威信を傷つけておりません。品位を傷つけていない。一体、国会の威信とは何であるか。戦争に反対し、再軍備に反対し、平和と民族独立のために忠実なことが威信である。…私は、この威信、この品位を完全に守っておると思うております」(同年1月31日衆院本会議の「一身上の弁明」)とのべ、屈しませんでしたが、動議は可決され懲罰委員会にかけられます。
 その後、同委員会は川上氏の反論をうけ、「演説内容は問題にしない。ただ、その表現が不穏当である。…よって、本会議で陳謝すべし」とし、本会議に付託。「陳謝」を拒否したことで「国会除名」という暴挙が強行されたのです。
 今回のように、民主党自身が本物でないことを認めたメールについての懲罰問題とはちがって、川上氏の国会除名は、現憲法下ではあってはならない、国会での発言にたいする言論抑圧そのものです。
 川上氏の質問は、日本共産党が占領下でも国民の利益を代弁し平和と民主主義のために不屈にたたかった誇るべき党の歴史の1ページといっていいものです。

*1:もちろん「アンチ北朝鮮」高世において「原則ある妥協」はありえません。すべての妥協が「無原則な妥協」として否定されるわけです。

*2:北朝鮮が実験発射したミサイルのこと

*3:これ川柳っていうんですかね。面白くもないし意外性もない。