三浦小太郎に突っ込む(2020年3月21日分)

映画「フォレスト・ガンプ」見直そうかな | 三浦小太郎BLOG Blue Moon
 三浦の文章を読んでも「町山*1の批判の方が正しい」ように俺は思いますね(なお、俺は「フォレスト・ガンプ*2」は見ていません)。
 俺が思うに
1)町山の主張の方が正しいのを三浦が詭弁で反論しようとしたが見事に失敗(町山に対し善意に解釈した場合)

2)三浦の主張の方が正しいが、説明能力がお粗末なので町山の方が正しく見える(三浦に対し善意に解釈した場合)
かどっちかでしょう。
 まあ、俺は1)だと思いますが。
 何せ

フォレスト・ガンプウィキペディア参照)
 タイトルの「フォレスト・ガンプ」は主人公の名前。「フォレスト」は白人至上主義団体であるKKKクー・クラックス・クラン)の結成者として知られるネイサン・ベドフォード・フォレストからとられてる。

そうで、主人公のフォレストはもちろん批判されてるわけではない。
 例えるなら、映画で「ヒトラー*3」「ムソリーニ*4」「スターリン*5」「トロツキー*6」「土肥原*7」「牟田口*8」なんて名前の主人公が登場して、好意的に描かれて、それで「イヤー、これにはそんな政治的な思惑はないんです」で通用するかって話です。だったら最初から主人公にそんな名前付けるなって話です。
 「フォレスト」なんておそらく「日本における鈴木や佐藤」ほど多い名前でもないでしょうし。
 しかも監督ロバート・ゼメキスは有名な保守派で、映画内で「右派を美化し、左派、リベラル派を矮小化するような描写」がされれば「右翼監督ゼメキスによる左派、リベラル派に対するあてこすりじゃねえのか、ふざけんな」という町山のような批判が出るのは当たり前の話です。まあ、町山的には「こうした右翼映画などによってアメリカ社会が右傾化した結果がトランプ大統領だ」と言う危機意識があるのでしょうね。
 なお、ここまでの文で分かるように三浦は明らかに極右であり、一方、町山は左派ではない*9としても「極右に批判的なリベラル保守」ではあるでしょう。 

*1:著書『USAカニバケツ:超大国の三面記事的真実』(2011年、ちくま文庫)、『キャプテン・アメリカはなぜ死んだか』(2011年、文春文庫)、『アメリカは今日もステロイドを打つ:USAスポーツ狂騒曲』(2012年、集英社文庫)、『底抜け合衆国:アメリカが最もバカだった4年間』(2012年、ちくま文庫)、『アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない』(2012年、文春文庫)、『トラウマ映画館』(2013年、集英社文庫)、『99%対1%:アメリカ格差ウォーズ』(2014年、講談社文庫)、『トラウマ恋愛映画入門』(2016年、集英社文庫)、『アメリカ人もキラキラ★ネームがお好き:USA語録2』(2016年、文春文庫)、『映画と本の意外な関係!』(2017年、集英社インターナショナル新書)、『〈映画の見方〉がわかる本:ブレードランナーの未来世紀』(2017年、新潮文庫) 、『マリファナも銃もバカもOKの国:USA語録3』(2017年、文春文庫)、『「最前線の映画」を読む』(2018年、集英社インターナショナル新書)、『トランプがローリングストーンズでやってきた:USA語録4』(2018年、文春文庫)、『最も危険なアメリカ映画』(2019年、集英社文庫) など

*2:監督ロバート・ゼメキスがアカデミー監督賞を、主演トム・ハンクスがアカデミー主演男優賞を受賞

*3:ナチスドイツ総統

*4:イタリア首相

*5:ソ連共産党書記長

*6:ソ連防相、外相など歴任。スターリンと対立し国外追放され、最終的には暗殺された。

*7:A級戦犯として死刑判決

*8:もちろんインパール作戦で悪名高いあの人

*9:俺個人は町山は「左派ではないだろう」と見ています。

「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2020年3/21日分:荒木和博の巻)

DNAとは言えない【調査会NEWS3215】(R02.3.20): 荒木和博BLOG

 「3月10日政府回答」の8番目は皆様よくご存じの山本美保さんの事件です。この回答で「警察において、これまでの捜査結果などから昭和59年当時山形県で発見された御遺体が山本美保さんと同一人物であったと判断しております」と書いてある部分が注目されます。要は「DNA鑑定の結果」とは書けなかったということです。

 仮に「書けなかった」のだとしても、それは荒木の言うような「我々のDNA鑑定捏造説に一定の道理があるからだ」などという話では勿論ありません。
 はっきり「DNA鑑定の結果」と書いた場合の「荒木ら救う会」や「荒木らの言いなりになっている美保さんの遺族」が逆ギレすることを恐れただけでしょう。
 そもそも前後の文脈から「はっきり書かなくても」、捜査結果がDNA鑑定を含むことは明白なわけです。
 前後の文脈から日朝平壌宣言

・互いの安全を脅かす行動
・日本国民の生命と安全にかかわる懸案問題
・日朝が不正常な関係にある中で生じたこのような遺憾な問題

拉致問題を指すのと同じ話です(北朝鮮の面子に配慮して曖昧に書いた?)。

 ちなみに元警察の鑑識の専門家で「明らかにこの鑑定はおかしい」と言っていた人がいたのですがあるときを境に突然私たちとの接触を断ちました。

 まあ荒木のデマ話でしょうね。具体的なことを聞いても荒木は「その元鑑識に迷惑がかかる恐れがあるから」などといってごまかすだけでしょう。

 ところでこの山本美保さんのDNA偽装事件について、その隠し方とか情報の出し方は35年前、昭和60年8月12日に日航ジャンボ機が群馬県上野村御巣鷹山に墜落した事件での事故調査委員会の発表の仕方となぜか似ています。どうしてなのでしょう。

 荒木の言いたい意味がさっぱり分かりません。日航ジャンボ機の墜落について「日本政府の隠蔽や捏造があった」とでも言いたいのか。
 もしそう言いたいならそれはどんな隠蔽や捏造(WHAT)で誰が(WHO)、何のために(WHY)隠蔽、捏造したのか言って欲しいところですね。
 しかし「美保さんのDNA鑑定は故意の捏造」だけでも「荒木は常軌を逸しています」が日航ジャンボ機墜落についてまで「政府の隠蔽、捏造などの謀略があったかのように放言」とはまさにキチガイです。
 大体、日航ジャンボ機墜落など北朝鮮拉致問題と何ら関係ない(公式見解はボーイングの整備不良による圧力隔壁破壊説)。まさか荒木もあの日航機事故を「実は大韓機爆破事件のような北朝鮮の爆弾テロなのに、政府が隠蔽した」と言うわけではないでしょう(なお、青山透子*1など一部の陰謀論者は日航機事故について「全日空雫石事故パターン説(雫石事故のように自衛隊機の過失で墜落したが、雫石事故で増原惠吉*2・佐藤内閣防衛庁長官、上田泰弘・航空幕僚長引責辞任したような政府の責任問題になることをおそれて隠蔽)」という陰謀論を唱えてるようですが勿論デマです)。
 事故調査委員会も「運輸省の下部組織」で警察は関係ありません。

*1:青山『日航123便墜落の新事実』(2017年、河出書房新社

*2:防衛庁次長から政界入り。池田、佐藤内閣行政管理庁長官、佐藤、田中内閣防衛庁長官など歴任。佐藤内閣防衛庁長官時代に雫石事故で、田中内閣防衛庁長官時代にいわゆる「増原内奏問題」でいずれも長官を引責辞任

黒坂真に突っ込む(2020年3月21日分)

黒坂真リツイート
 吉岡正史さん。日本共産党東京大空襲朝鮮半島出身者に犠牲者が出たことも、日本の責任にしたいのですね。

 吉岡氏がツイートで紹介する赤旗記事朝鮮人犠牲者 無念の思い伝える/東京大空襲 追悼式は「東京大空襲では朝鮮人の犠牲者もいました」と指摘しているだけで「日本が悪い」とは一言も書いてない*1のですがそれはさておき。
 「昭和天皇ハルノートを受諾し、無謀な太平洋戦争をしなければ」「東京大空襲(1945年3月)の前に日本の敗戦は確実だったので、大空襲前に降伏してれば」、東京大空襲の悲劇はあり得なかった以上、その点について「昭和天皇のせいで、東京大空襲の悲劇が起こった」といっても何ら問題はないでしょう。
 それは米軍の空襲責任を免罪すると言うこととは違います。

黒坂真リツイート
・増子典男さんは、安倍総理のために命を奪われた、と明言しています。週刊誌に出た遺書には、私が見た限りそんな記述はない。
・増子典男さん。お亡くなりになった方は残念ですが、それを安倍総理のせいだ、と宣伝する日本共産党は異様です

 「遺書で非難されてるのは佐川*2元理財局長だけだ、安倍首相の名前はない」とはあまりにも低レベルな詭弁です。
 大体、「遺族が民事訴訟において国も訴えてること」や「遺書の内容について『調査する気は無い』と安倍政権が公言してること(どう見ても、下手に佐川の調査をすることで、反発した佐川が安倍を告発することなど『いわゆる藪蛇』を明らかに恐れている)」は黒坂的にどう理解されるのか。
 つうかこの件で「安倍のせいで自殺に追い込まれた」と主張してるのは、増子氏のような共産党員、支持者だけでない*3のでこんなことで共産党に因縁を付けるのも無茶苦茶な話です。
 つうか、櫻井よしこ島田洋一などは「遺族を馬鹿にするのか!」と言う非難を恐れてかこの件にツイートせず逃げてるのに、こんな非常識ツイートをする黒坂もなかなかのキチガイです。

*1:ただし「日本が植民地支配しなければこうした犠牲者は出なかった」という日本批判が存在することは一応指摘しておきます。

*2:財務省関税局長、理財局長、国税庁長官など歴任

*3:そもそも共産主義に関係ない話なので当たり前ですが

今日の産経ニュース(2020年3月20、21日分)

「K-1」自粛、主催者に促すよう要請 西村担当相、埼玉知事に - 産経ニュース

 さいたま市で22日に開催予定の格闘技イベントを巡り、西村康稔経済再生担当相は21日、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、主催者側に自粛を促すよう埼玉県の大野元裕*1知事に要請した。県関係者が明らかにした。
 イベントは「K-1 WORLD GP」で、県が保有する、さいたまスーパーアリーナが会場。
 県関係者によると、県はこれまでも(ボーガス注:県の外郭団体である)アリーナの管理団体を通じて自粛を求めてきたが、主催者側は「来場者へのマスク配布など万全の対策を取る」として、応じない方針を示しているという。
 アリーナでは2月以降、歌手、米津玄師さんの公演など多くのイベントが中止や延期になっている。

 そんなに止めてほしいなら「大野県知事」なんてワンクッション置かずに「西村自らが主催者に自粛要請すべき」ではないのか。
 しかも埼玉県が公表するまで、国が「県への要請の事実を明らかにしない」とはどういうことなのか。
 「国はこの件での責任問題から逃げようとしている、卑怯だ」と疑われても文句は言えないでしょう。
 まあ、県がこうした公表をしたのは「自衛策」でしょうね。「国も自粛要請しろと言うから、県も自粛要請しました。それでもK-1側が自粛しないなら何も県に出来ることはないと思います」「国も『県はK-1にアリーナを貸すな』とまでは我々には言っていません。貸出拒否を強行した場合、裁判沙汰(県への賠償請求訴訟)になる危険性がある。その場合、国も『貸出拒否しろとはいってない(裁判になっても県の責任だ)』と言うでしょうからご容赦下さい」つう話でしょう。


自粛要請もK-1開催 埼玉県知事「残念」 - 産経ニュース
 ということで結局K-1は自粛しませんでした。自粛した場合の経済的ダメージを考えればそう安易に批判も出来ません。
 いい加減、自粛要請するなら、「それで生じる金銭的被害」について国が「全額補償はさすがに金額的に無理としても」一定程度補償することを安倍政権は表明すべきでしょう。
 「自粛要請はする、しかし自粛で生じた被害は全部、企業が負担しろ。国は一切補償しない」なんて馬鹿な話はないでしょう。
 とはいえ、元K-1プロデューサーの本を読んで、「どうもなあ」と思ったこと - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)が触れる曙に対する酷い態度を考えると「K-1主催者たちってカネのことしか考えてねえんじゃねえの?」感はあります。

 同県川越市から観戦に訪れた30代の男性会社員は「払い戻しができないと聞いて来場した。試合は楽しみだが、多くのイベントが中止になる中、特別扱いのようにも感じる」と複雑な表情を見せた。

 「特別扱い」ではないですね。そもそも中止されたイベントについても国や自治体の対応は「自粛勧告、自粛要請」でしかありません。強権が発動されたわけではない。是非はともかくK1のような実施強行という選択肢はありました。


子供たちの「食」を守る 開け続ける子供食堂のいま (1/3ページ) - 産経ニュース
 産経には珍しく「子ども食堂への支援を訴えるまともな記事」ですが、そもそも「子ども食堂があること自体」が「政治の貧困」といっていいでしょう。「子ども食堂の存在だけ」でも安倍政権は批判されてしかるべきです。


東京五輪、中止なら損失4・5兆円 延期は6400億円と試算 - 産経ニュース
 この「関西大の宮本勝浩*2名誉教授」の試算」については安易に鵜呑みは出来ません。「この試算が予定通り実施した場合の、コロナ蔓延による経済リスクの危険性をどう評価しているか」と言う問題があるからです。もし「全く評価してない」というトンデモ試算(予定通り実施することにはメリットしかない)ならば当然ながら、到底信用できません。


【産経抄】3月21日 - 産経ニュース

 天皇陛下の次は秋篠宮さま、その次は悠仁さまという皇位継承順位は揺るぎようがない。皇室が歴代天皇126代にわたり守り抜いてきた男系(父系)継承という伝統上も、皇室典範という法律上もとうに決まっている。
▼ところが、いまだに「安倍政権が封印 愛子天皇論」(週刊朝日3月6日号)などと蒸し返すマスコミがあるからあきれる。中身は(ボーガス注:第二次安倍内閣の設置した『天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議』で議員を務めた)東大先端科学技術研究センターの御厨貴*3客員教授と(ボーガス注:女帝容認の答申を出した小泉内閣の「皇室典範に関する有識者会議」で座長代理だった、女帝容認派の)園部逸夫*4最高裁判事の対談記事だったが、そのやりとりにさらにあきれた。
▼御厨氏が「いまの野党は、女性・女系論者が多い。(中略*5政権交代の意味はそういう変化を起こせることにある」と述べると、園部氏はこう返していた。
「男女同権、平等が、憲法だけでなく、現実に根差して日本に浸透してほしい」。
▼御厨氏は「新しい皇室の議論は、政権交代と若い世代の新しい風による変化を期待したい」と締めくくっていた。皇位継承という国の根幹にかかわる重要事が、政権交代待望論や男女平等を求める一般論にすり替わっている。

 「天皇制維持に興味のない人間(廃止派を含む)&女帝否定に固執する人間」以外にとっては「蒸し返す」のはある意味当然でしょう。現天皇が死去した場合、天皇候補者は「天皇の弟=秋篠宮」「秋篠宮の息子=悠仁君」しかいません。
 現天皇夫妻(夫60歳、妻56歳)、秋篠宮夫妻(夫54歳、妻53歳)である以上、年齢的にもはや「悠仁君以外の男性皇族」が生まれることはあり得ません。
 つまり現状では「悠仁君が元気に成長し、結婚し、妻が男性皇族を産まない限り」皇位継承者が「増えない」という危機的状況にあります。
 これを一番手っ取り早く解消する方法が女帝容認のわけです。女性皇族ならたくさんいますので。
 「国民世論多数は女帝を容認している」「海外では英国のエリザベス女王など女帝は珍しくない」「日本でも数は少ないとはいえ推古天皇など過去に女帝はいた」「男女平等の観点からも女帝が望ましい」となれば「天皇制支持者だと言いながら」女帝否定にこだわる産経の方が時代錯誤でしょう。
 なお、御厨氏の「政権交代云々」が産経の言うとおり事実*6ならば、全くもって「蛇足」ですね。産経も「政権交代などまっぴらごめん、民主党政権時代は暗黒時代だった」と悪口してますが、「他の件はともかく」そもそも女帝容認論政権交代とは全く関係ない。
1)そもそも女帝容認の答申を出した審議会「皇室典範に関する有識者会議」は「小泉*7内閣が設置したものであること(つまり小泉首相は女帝容認論であること)」
2)この審議会メンバーには「奥田碩(当時、日本経済団体連合会会長、トヨタ自動車会長)、古川貞二郎*8(元厚生事務次官、元官房副長官)のような自民党に近いとみられる保守派がいること」
3)『愛子さまが将来の天皇陛下ではいけませんか』(2013年、幻冬舎新書)を出版し、女帝容認派であることを公言した田中卓皇學館大学名誉教授。元皇學館大学学長という極右派)の存在
などを考えれば自民党支持層ですら今や女帝容認派の方が多いのではないか。
 「悠仁君誕生」「彼の誕生を追い風とした安倍*9自民党内極右派の反対」もあり、小泉氏は答申実施を諦めますが、おそらく「悠仁君の誕生」がなければ答申はとっくの昔に「女帝を容認する皇室典範改正」で実現していたでしょう。


河井陣営公選法違反 克行氏、投票を再三指示 選挙戦主導か - 産経ニュース

 ある陣営関係者は「克行氏の指示がないと決められないことは多かった」と指摘。克行氏の政策秘書だった高谷真介容疑者(43)が実質的に事務を取り仕切っていたとし、「彼(高谷容疑者)が克行氏に報告していた」と語った。

 河井夫婦が安倍によって見すてられつつあると言うことでしょうか?


【政界徒然草】復権目指す稲田朋美氏 女性活躍にシフトも保守層は困惑 - 産経ニュース

 平成29年に南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報問題で辞任して以降は存在感が薄れていたが、最近はシングルマザーなど未婚の一人親を支援する税制改正を進め、選択的夫婦別姓の実現にも前向きな姿勢を示した。周囲は「ポスト安倍」候補として稲田氏に再び期待を寄せるが、党内の保守層は、伝統的家族観を重視してきた立場を変えたのではないかと冷ややかな声も漏れる。

 稲田*10を「ポスト安倍」として期待してるのは産経のようなウヨだけでしょうが、その産経も稲田が「選択的夫婦別姓への理解を示す」などウヨ色を以前より薄めていることに不満と不安があるわけです。


【主張】川内原発停止 理にかなった処分なのか - 産経ニュース
 国が定めた新基準を達成できなかったから停止しただけの話です。
 「新基準が厳しすぎる」というならともかくそうでないなら新基準を守れなかった電力会社が悪いだけの話にすぎません。
 というか今必死に「新基準を達成しようとしてる電力会社」からすれば産経の主張はありがた迷惑でしかないでしょう。

*1:参院議員(民主党)。野田内閣で防衛大臣政務官。大野元美・元川口市長(自民党)の孫。

*2:著書『移行経済の理論』(2004年、中央経済社)、『「経済効果」ってなんだろう?』(2012年、中央経済社

*3:政治学者。著書『近現代日本を史料で読む:「大久保利通日記」から「富田メモ」まで』(2011年、中公新書)、『知の格闘:掟破りの政治学講義』(2014年、ちくま新書)、『後藤田正晴と矢口洪一:戦後を作った警察・司法官僚』、『宮澤喜一竹下登:戦後保守の栄光と挫折』(以上、2016年、ちくま文庫)、『戦前史のダイナミズム』(2016年、放送大学叢書)、『さかのぼり日本史政党政治はなぜ自滅したのか?』(2017年、文春文庫)など

*4:著書『現代行政と行政訴訟』(1987年、弘文堂)、『最高裁判所十年』(2001年、有斐閣)、『皇室法概論』(2006年、第一法規)、『皇室制度を考える』(2007年、中央公論新社)、『皇室法入門』(2020年、ちくま新書)など

*5:中略というのが怪しいですね。「御厨氏に政権交代論者、野党支持者」のレッテルを貼るために都合の悪い箇所を故意に省略した疑いがあります。

*6:産経だとデマの疑いが否定できませんが

*7:宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相を経て首相

*8:村山、橋本、小渕、森、小泉内閣官房副長官

*9:小泉内閣官房副長官自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官を経て首相

*10:第二次安倍内閣行革相、自民党政調会長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣防衛相など歴任

高世仁に突っ込む(2020年3/20日分)

公開された近財局職員の「手記」 - 高世仁の「諸悪莫作」日記
 遺族からすれば安倍や佐川、安倍を支持する自民党幹部連や自民党支持層、佐川とともに安倍の言いなりである財務省、捜査を結局躊躇した検察への恨みは相当なものでしょう。
 文春への告発手記掲載と国家賠償訴訟は当然の話です。
 これを契機に森友問題の報道や国会での追及に期待したい。そして裁判所での勝訴判決も期待したい。
 しかし、この自殺で思ったことは、まず「告発しなくてもいい、せめて生きてほしかった」ですね。
 そしてこの自殺で俺は

【現実の事件:ウィキペディア参照】
◆山城屋和助事件での山城屋自殺
 この事件では疑惑の官僚として、長州出身の山縣有朋・陸軍大輔(陸軍次官)の名が上がり、山県は「刑事責任は追及されない」ものの「反長州派(薩摩、土佐、肥前)」の批判もあって一時、無役となります。しかし、後に山県の能力を買う大久保利通・内務卿*1(薩摩出身)の引きにより、「陸軍卿(陸軍大臣)」として出世した形で復帰。その後、山県は内務大臣(第一次伊藤、黒田内閣)、司法大臣(第2次伊藤内閣)、首相、枢密院議長など要職を歴任し、元老にまでなります。 
◆ダグラス・グラマン事件での日商岩井・島田三敬常務自殺
 島田は「日商岩井の皆さん。会社の生命は永遠です。その永遠の為に私たちは奉仕すべきです。私達の勤務はわずか20年か30年でも会社の生命は永遠です。今回の疑惑、会社イメージダウン、本当に申し訳なく思います。責任とります。」という遺書を残して自殺。
 この事件では安倍の祖父・岸*2元首相の名前が浮上。岸は議員引退を余儀なくされます。
【フィクション】
松本清張『点と線』、『ある小官僚の抹殺』や黒澤明『悪い奴ほどよく眠る』での官僚の自殺(に見せかけた他殺)
 清張や黒沢の場合は「自殺に見せかけた他殺」ですし、実際の自殺事件でも、疑惑追及を逃れるための「自殺に見せかけた他殺」や「自殺教唆」の疑惑は良く指摘されます。
山崎豊子不毛地帯』での主人公の友人でもある自衛隊幹部の自殺

を連想しました(他にもこの種の自殺事件はありますが)。

 きょう、ある出会いがあった。
 西サハラ問題を扱かったドキュメンタリー『銃か、落書きか』を観ようと渋谷の映画館に行った。ところが、間抜けなことに、上映時間を間違えて、着いたら映画は終わっていた。
 さてどうしようか、と受付の前の長椅子に座っていたら、隣の男性二人が(ボーガス注:森友事件で自殺した元近畿財務局職員)赤木さんについて議論している。
 ふと見ると、(ボーガス注:そのうちの一人は)元文科省事務次官前川喜平さんだった。
 尊敬している人でもあり、ご挨拶させてもらった。
 前川さんは夜間中学でボランティアで教えているのを知っていたので、私も夜間中学の番組制作にかかわったことなどお話した。
 おもしろいご縁を感じた。
前川前次官の出会い系バー通いの真相 - 高世仁の「諸悪莫作」日記

 「朝鮮学校無償化除外支持」のid:noharraや高世が「加計告発などで前川氏を尊敬してる」という一方で、「前川氏が無償化除外について『無法な差別行為である』として批判的なこと」について完全にネグってしまうのが滑稽ですね。
 しかし

・本来、上下関係にないはずの救う会や家族会にへいこらして、特定失踪者というデマまで容認する高世

天下り問題で引責辞任*3したものの、その後は、『加計告発』『朝鮮学校無償化除外批判』など、政府批判を行い『在任時は保身から物が言えなかった』と自らの非もはっきり認める前川氏

では「月とすっぽん」ですね。高世の下劣さ、愚劣さにはいつもながら呆れますし、「天下り辞任」を割り引いても俺は前川氏を尊敬しています。
 前川氏のような官僚は「奇特な人物」かもしれませんが。

【参考:松本清張

余録:福岡・香椎海岸の男女の情死体… - 毎日新聞
 福岡・香椎(かしい)海岸の男女の情死体の謎を追う松本清張(まつもと・せいちょう)の「点と線」は、アリバイ崩しの傑作ミステリーであるとともに戦後の社会派推理小説の誕生を宣言する作品だった。それが権力悪の犠牲となる官庁の課長補佐の死を描いていたからだ
▲清張はその後も官庁の小官僚が巨悪の捨て駒にされる作品群で、このジャンルを確立する。実際に当時、汚職事件の捜査が実務をになう中間管理職の自殺でうやむやになる例が相次いでいたのである。
▲「最後は下部がしっぽを切られる。なんて世の中だ」。
 森友問題で財務省公文書改ざんが発覚した直後に自殺した近畿財務局の赤木俊夫(あかぎ・としお)さんの遺書や手記である。そこには改ざんに抵抗したのに作業を強いられた苦衷が記されていた
▲改ざん指示の元は当時の理財局長・佐川宣寿(さがわ・のぶひさ)氏だったと明記し、省幹部の国会答弁は「嘘(うそ)に嘘を重ねる」ものと指弾している。遺族は赤木さんが改ざんの苦痛と過労でうつ病を発症し、自殺に追い込まれたとして国と佐川氏を提訴した
▲佐川氏ら高級官僚が守ろうとしたのは何だったのか。裁判での謎解きが待たれる「点と線・2020」である。

 民事訴訟での謎解き以前に「国会での追及」「検察の捜査」「マスコミの報道」がまずはされるべきです。

(葦)清張が迫った闇、今も 多賀谷克彦:朝日新聞デジタル
 松本清張に「ある小官僚の抹殺」という小編がある。ある事業者と政治家とのパイプ役となった霞が関の課長が「自殺」を遂げ、汚職事件の捜査が行き詰まってしまう。自殺であったかどうかも疑わしい、というあらすじである。
 清張は他にも、権力と組織の板挟みになった役人の苦悩を書いている。社会派推理小説の代表作「点と線」も、その闇が背景にある。

『ある小官僚の抹殺』 | シピオンの日記
 昨夜の「相棒16」最終回の中で、「付き添って病院に行ったのは、因果を含めるため」という台詞が、サラッと右京の口から出ましたが、若い人は「因果を含める」なんて意味わかるのでしょうか。
 さて、「因果を含める」といえば、さまざまな松本清張の小説で、現場の官僚が上から自殺を説得される物語を思い出します。そのなかで私の本棚にあって、すぐ読める短編があったので、思わず読み返してしまいました。
「聞くところによると、事件が起こって課長補佐級が参考人として任意出頭して取り調べられ、役所に帰されると、今度は上役たちから、どんなことを尋問されたか、どういうふうに答えたか、などと鋭い目で見られてうるさく追及されるそうである。
 今まで笑いながらものを言ってくれた上役が急に恐ろしくなる。その追及は一種の拷問と同じ状態にその人間をおとしいれることになる。事件が急迫するにつれてそれは酷烈になる。彼は捜査当局の取調べと、上役の査問とで神経が消耗してしまうであろう。 もとより小心な人間と言ってよい。発狂に近い状態に追い込まれるかも知れない。 そこを上役からじゅんじゅんとさとされる。恩義を忘れてはならない。役所に迷惑をかけてはすむまい、と言うかも知れない。あるいは家族のことは心配するな、十分に考えている、と、遠まわしに言うかもしれない。要するに、さとすよりも、錯乱した彼の頭に《因果》をふくめるのである。私は疑獄事件で自殺した課長級の人たちは、精神的な他殺ではないかと思っている。他から圧力がなければ、とても自発的に死ぬ気持にはなれまい。」 
・『ある小官僚の抹殺』(新潮文庫松本清張傑作短編集⑥」所蔵)より
 今回自殺した近畿財務局職員は、さすがに因果を含められたとは思いませんが、組織による精神的な他殺である点は同じだと思います。

[大弦小弦]松本清張の初期の短編「ある小官僚の抹殺」は… | 大弦小弦 | 沖縄タイムス+プラス
 松本清張の初期の短編「ある小官僚の抹殺」は、汚職事件に関与したノンキャリア官僚の死の真相をめぐる推理小説。社会派と呼ばれた作家らしい筆致で、権力と職務のはざまで苦悩する役人の末路を描く
▼巻き込まれた下級官僚は死に追いやられ、政治家や高級官僚は巧みに追及を逃れる。半世紀以上前の作品の描写は「昭和」そのものだが、主題は古びていない。どこかで聞いた現在進行形の話のようで読後の味は苦い
加計学園問題で「首相案件」と書かれた文書が焦点となった11日の衆院予算委の集中審議。相手の自治体が面会記録を残しているのに官僚の答弁は「記憶にない」「すでに破棄」の連発だった
▼一流大学を出て各省庁で競争を勝ち抜き、国会答弁に立つまでに出世したキャリア官僚の仕事ぶりがそれほどいいかげんだと本気で信じる人がいるだろうか
安倍晋三首相は2014年、テレビ番組「笑っていいとも」に出演し、03年に当時の小泉純一郎首相が電話出演した際の会話内容を詳しく語って司会のタモリさんを驚かせた*4。「そういう記録は全部残ってるんですね、やっぱり官邸には」とうれしそうに語る様子がネット上に残っている
▼バラエティーの会話記録があるなら職務上の面会記録も残っているはずだ、やっぱり官邸には。心ある官吏は早く思い出してほしい。

*1:明治新政府では建前上は太政大臣(トップ)三条実美、右大臣(ナンバー2)岩倉具視が大久保より地位は上ですが、三条、岩倉は「良きに計らえ」で大久保に基本的に実務を任せていたので、大久保が事実上のトップとされます。

*2:戦前、満州国総務庁次長、商工次官、東条内閣商工相を歴任。戦後、日本民主党幹事長、自民党幹事長(鳩山総裁時代)、石橋内閣外相を経て首相

*3:もちろんこれも「文科省OB官僚(前川氏の先輩)や文科族議員、文教関係の民間団体(大学、特殊法人など)との間の長い間のしがらみ(天下りシステム)」に前川氏が従ったものであり、彼が「安倍のモリカケ」のように積極的に悪事に荷担したわけではないでしょうが。

*4:どれほど成果があったかはともかく、こうした小泉や安倍の出演が「フジテレビ加担による人気取り工作」であることは言うまでもないでしょう。嘆かわしい話です。

「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2020年3/19分:島田洋一の巻)

【時局を斬る!:天下の大道】在日ウイグル人への「スパイ強要」 -島田洋一 - WiLL Online

 華報道官は一見、色白、ふくよかな年増風で、日本の政界にも隠れファンが多い。
 以前、河野太郎外相(当時)が、この女性報道官と並んで顔を寄せた「ツーショット」自撮り写真を「有名な中国の女性と共に!」とのコメント付きで自身のツイッターに載せたことがある(2018年1月29日)。私はその意識の低さに一驚した。
 もしアメリカの国務長官が、こうした軽薄な振る舞いに出たら、議会で大問題となり、恐らくは辞職に追い込まれるだろう。相手は、見た目はともかく、非人道的なファシズム*1政権の中堅幹部である。ところが日本では問題にならなかった。それどころか、河野氏はその後も、(ボーガス注:第3次安倍第3次改造~第4次安倍第1次改造内閣外相から第4次安倍第2次改造内閣防衛相(現職)に横滑りし)ポスト安倍の有力候補として名を挙げられ続けている。中共に関する日米政界の意識差を如実に物語るエピソードと言えよう。

 河野を「第3次安倍第1次改造内閣国家公安委員長」「第3次安倍第3次改造~第4次安倍第1次改造内閣外相」「第4次安倍第2次改造内閣防衛相(現職)」として重用し続け、「ポスト安倍の有力候補」としているのは安倍である以上、これは「一応安倍批判」なんでしょうね。
 なお、華春瑩氏に対し、それ相応の礼儀で応じるのはもちろん「隠れファン」と言う話ではありません。

*1:ファシズムナチスドイツ、ムソリーニ・イタリア、戦前日本など)の最大の特徴は「反共主義」とするのが通説なので、当然、共産国・中国はファシズムとは通常呼びません(左派独裁は通常スターリニズムと呼ぶ)。島田は1)スターリニズムという概念を採用しないのか、2)島田にとってファシズムとは何なのか、3)「旧ソ連・東欧」「ベトナムラオス北朝鮮キューバ」と言った他の共産党一党独裁国もファシズムなのか、聞きたいところですがまともに回答があるかどうか。

今日の朝鮮・韓国ニュース(2020年3月19日分)

拘置所の朴槿恵被告「巨大野党を中心に結集を」…文在寅政権を批判 : 国際 : ニュース : 読売新聞オンライン

 収賄罪などに問われ、ソウル拘置所に勾留されている韓国前大統領の朴槿恵被告(68)=ソウル高裁で公判中=は4日、弁護士を通じ、「既存の巨大野党を中心に一つになってほしい」とする支持者向けメッセージを出した。
 朴被告が2017年3月に逮捕されて以降、支持者にメッセージを伝えるのは初めて。自身への弾劾政局で(ボーガス注:朴支持派と朴批判派とに)分裂した保守勢力に、4月15日の総選挙に向けて最大野党「未来統合党」の下に結集するよう呼びかけたものだ。
 「未来統合党」は、朴被告と一定の距離を置く自由韓国党*1など3党*2が2月17日に合併して発足した新党で、朴被告を支持する自由共和党などの小政党は合流していない。

 「党内の一部の朴槿恵シンパ」を除けば、未来統合党(もともとは朴が党首だったセヌリ党がルーツ)からすればこれほど迷惑な話もないでしょう。 
 これではかえって「自由共和党は絶対に入党させない」と言う話になるでしょうし、与党支持者などからは「未来統合党は朴槿恵と縁切りしたことを改めて表明せよ」という批判を強めるでしょう。朴槿恵も本当に往生際の悪い馬鹿者です。そもそも朴が「韓国のモリカケ疑惑(崔順実ゲート)」をやらかしたことが、政権交代をもたらしたのに、未だに「政界の黒幕気取り」とは何様なのか。
 まあ、未だに「韓国の安倍晋三」「韓国のモリカケ疑惑」朴槿恵を支持する人間がいるというのも驚きですが。

*1:もともとは朴が党首だったセヌリ党がルーツ

*2:自由韓国党以外は、「新しい保守党」及び「未来に向けた前進4.0」