今日の産経ニュース(3/22分)(追記・訂正あり)

■「中国色」濃く…ハリウッド大作映画が中国にひよった 日本に出てきた影響とは?
http://www.sankei.com/entertainments/news/160322/ent1603220002-n1.html

 公開中の「オデッセイ」などハリウッドの大作映画で、中国のキャストや風景などの“中国色”が目立つ作品が増えてきた。背景には、中国の巨大な映画市場とその特殊性がある。
 「オデッセイ」は、火星にたった一人残された男のサバイバルを描いたSF作品。その作品で、中国は救出計画の鍵となり、プロジェクトの成否を心配そうに見守る中国人群衆の姿が何度も映し出された。
(中略)
 こうした傾向は数年前から続いている。中国製の宇宙船が活躍する「ゼロ・グラビティ」(2013年)のほか、「トランスフォーマー/ロストエイジ」(14年)、「X−MEN:フューチャー&パスト」(同)など舞台に中国が登場したり、中国人キャストを起用したりする作品が増えた。
 特に「アイアンマン3」(13年)では、中国公開用に中国人女優、ファン・ビンビンの出演場面を追加した限定版も製作。今夏公開予定の「インデペンデンス・デイ:リサージェンス」の予告編では、中国人モデルのアンジェラベイビーが印象的に登場する。
 この背景には、急成長を続ける中国の映画市場の存在がある。
(中略)
 中国台頭の影響は日本にも出ている。ハリウッドスター来日の激減だ。昨年公開の「007 スペクター」のダニエル・クレイグや「オデッセイ」のマット・デイモン*1らはキャンペーンで訪中はしたが、来日はなし。「ハリウッドは、かつてのように“日本第一”ではなくなった」と感じている映画関係者は多い。

 前も似たり寄ったりの駄文を「トランスフォーマー/ロストエイジ(だったと思います)」をネタに産経は書いて小生も「アホか」と産経に突っ込んだ記憶がありますけどまた突っ込みます。前も書きましたが「中国は巨大市場」なんだから中国向けに色々やるのは当たり前でしょう。
 じゃあ「中国批判映画なんか米国の映画人は作らないのか」といったらまあハリウッドはそう言うのを作らない*2のかも知れませんが、いわゆる独立系なら作るでしょうし、産経はまったくアホだなあ、つう話です。


■【米大統領選】「トランプ政権」の核に? 外交・安保チーム公表 不法移民強硬派など足場固めも資質には疑問符
http://www.sankei.com/world/news/160322/wor1603220053-n1.html

 トランプ氏は21日、2012年大統領選の共和党候補指名争いで敗れたニュート・ギングリッチ元下院議長を交え、セッションズ氏を含む上下両院議員と首都ワシントンで会談し、政策や今後の選挙戦をめぐり意見交換した。

 この記事でびっくりなのは「2012年共和党大統領選予備選挙にも出馬したギングリッチ元下院議長」というかなりの大物がトランプにすり寄ってるということでしょう。「もうトランプブームは止められないから、トランプでの大統領選勝利を目指そうぜ。お前らがトランプにすり寄らないなら、俺はトランプ大統領の時のポスト狙いですり寄るから(ギングリッチ)」つうことでしょう。まあギングリッチは元共和党幹部とは言え、議員も今は辞めてるし、ここで一発逆転ねらって大ばくち売ってるのかも知れませんが。
 ここに来てトランプも「必死の多数派工作に出てきた」ということでしょう。トランプも思ったほどにはバカではないようです。
 これからもトランプは可能な限りこういうこと(「可能な限り大物」である共和党現役議員やOB議員の「複数」の取り込み、懐柔)するんでしょうし、こういう事をされると共和党としても困るでしょう。
 いかに「議員を引退した人」とはいえ下院議長までやった人間ギングリッチが公然とトランプにすり寄るようでは批判もしづらい(まあ、それでもトランプとセットでギングリッチ批判せざるを得ないんでしょうけど)。
 下手に共和党反トランプ派がトランプ&ギングリッチ批判すれば「ギングリッチ共和党の元幹部だろ?。それならギングリッチを下院議長にしたお前ら共和党反トランプ派もろくでもないのか?」といわれると「俺はギングリッチを批判してきたぞ!」つう人間でないと言葉に詰まるでしょう。)「第2、第3のギングリッチ*3が今後出たら困る」「色物だったはずのトランプが本命扱いされてしまう!」が共和党反トランプ派の本音でしょう。

 トランプ氏はワシントンで開かれた在米イスラエルロビー団体、米国イスラエル公共問題委員会(AIPAC)の年次総会で同国への支持を強調したが、パレスチナ問題で「中立」だと述べたことは今後の論戦に尾を引きそうだ。
 これに先立ち年次総会に出席したクリントン氏は、トランプ氏を念頭に「イスラエルの安全保障と生存に関し、米国が中立でいることはできない」と訴え

 「何だかなあ」と思いますね。まあ、トランプの「中立」とは
1)トランプの支持層にユダヤロビーがいない
2)トランプが(平和主義と言うよりは対外戦争にカネかけるのはカネの無駄だという意味で)パレスチナ紛争に深入りすることに乗り気じゃない
程度の話だと思いますが小生みたいな「イスラエルに批判的な人間」からすると「クリントンよりトランプの方がまともに見えてしまう」のは否定できません。


■政府が「共産党破防法調査対象」と答弁書閣議決定
http://www.sankei.com/politics/news/160322/plt1603220039-n1.html
 こんなあほな質問をしたという「鈴木宗男*4の娘(オヤジと共に自民入党がほぼ確実)」もどうしようもないですが、それに対して「破防法適用対象」とか平気で答えられる安倍政権にも本当に呆れます。
 「自民党大阪府連が大阪都構想住民投票で共産と共闘したこと」「陸前高田市長選で『アンチ小沢』で過去に自民党共産党が共闘したこと」とか「過去の自共共闘」をどう説明する気なんでしょうか。
 産経『加藤*5、古賀*6、野中氏*7…元自民幹部 宿敵「赤旗」に続々登場で首相批判』(http://www.sankei.com/politics/news/140518/plt1405180001-n1.html)などで分かるように、赤旗に自民関係者が登場したことはどうなるのか。
「地方支部が勝手にやったことだから、元幹部が勝手にやったことだから、俺達は知らない(安倍や谷垣)」とか言うのか。本気で共産がそんなにやばいと党中央が思ってたら大阪自民も陸前高田自民も「加藤、古賀、野中氏」もとっくの昔に党除名でしょう。
 「何か分からないけど共産が俺達と手を組んでくれるつうのならその方がいいんじゃね?」「小沢や橋下を倒すためには仕方ないといえば自民支持者も納得するだろ」と思うから大阪自民や陸前高田自民は当時手を組んだわけです。
 「色々な事情があるとは言え」自共共闘が成立する以上「共産党は暴力革命なんか目指してない」し「それを自民党も分かってる」わけです。
 にもかかわらずこんな事を今頃言い出すというのはよほど「最近の共産の選挙での躍進(とはいえささやかなもんですが)」「共産が京都三区補欠選挙で独自候補を出さず自主投票にするなど野党共闘をかなり重視してること」にびびってるんですかね。
 まあ、「約20年前の」細川政権の頃は「細川政権の一角をしめる公明党」への嫌がらせとして「池田大作証人喚問」「公明党政教分離原則違反」を叫んでた*8癖に今や公明党と仲良しこよしで池田氏創価学会に対してもへいこらしてるのが「論理的一貫性など皆無の自民党」ですからこうしたアホ答弁書も「ある意味」意外ではないんですが。こんなんが与党なんですから日本人として本当に恥ずかしい。
 それにしても「ムネオ&宗男の娘」も「野党時代は共産党との事実上の共闘*9を何ら問題にしてなかった」癖に「自民党に戻れるかも知れない」「民主党にいてもおいしくない」と思うやここまで掌返しするのには人として呆れます。まあ自民党サイドも自分でこういう質問をするのは恥ずかしくて「ムネオ親子の忠誠心」を確かめる意味でも出来レース質問させたのでしょうが「ここまでやらされる」とは何とも哀れなムネオ親子です。まあ、権力さえ手に入れれば「信頼とか常識とかどーでもいい」のがムネオ親子なんでしょうけど。さすがムネオ疑惑野郎と言うべきか。
 なお、「敵の出方論」というのは「ナチスドイツが行ったような無茶苦茶な弾圧を党が受けた場合には、反撃は合法手段に限定されるいわれはない」つう話です。つまりは「日本が恐怖の独裁国家全体主義国家」にでもならなければあり得ない話です。当然「共産党では毎日軍事訓練をやってます」なんて話じゃない。かつそんな「恐怖の独裁国家」状態になったら何も「敵の出方論」なんて今言ってなくても、また共産党に限らずとも「武力闘争に移行する政治活動家が出ること」は何ら不思議じゃないでしょう。共産党がこんなふざけた答弁書に抗議するのは当たり前の話です。個人的には「党の公式文書から、敵の出方論なんていっそ削除したらどうか」とは思いますが、もちろん「敵の出方論の是非」と「安倍政権のふざけた答弁書の是非」は関係ない話です。
 しかし今時こんな答弁書を支持する人間が自民党支持者にいるんですかね。最近の自民党の極右化を考えれば「いてもおかしくない」のかもしれませんが。


■【産経・FNN合同世論調査】安保関連法「必要」57%に野党幹部は「対案ある」「聞き方による」「法知らない人いる」…と強弁
http://www.sankei.com/politics/news/160322/plt1603220037-n1.html

 一方、自民党谷垣禎一*10幹事長は北朝鮮弾道ミサイル発射を念頭に「わが国周辺がどういう状況にあるかとの理解は進んだ」と述べ

 やれやれですね。「そんなことをしたら自衛隊在日米軍の反撃で国が滅びてしまう」ので、日本に向かって北朝鮮がミサイルをぶち込むことなどまずないでしょうが、仮にぶち込んだとしてその場合「日本が攻撃されてる」わけですから個別的自衛権の問題であって集団的自衛権の問題では全くない。
 韓国に向かってぶち込めば*11集団的自衛権」という話も出てくるかも知れませんが、その場合だって「韓国軍&在韓米軍」で十分対処できるでしょう。自衛隊がでる必要など恐らくない。
 要するに集団的自衛権の本丸はそんなことではない。イラクであり、シリアであり、アフガンであり、「場合に寄ったら日本がPKOに行ってる南スーダン(最近治安の悪化が危惧される)」のわけです。
 結局、「国民の反発、批判が怖くて」デマカセを強弁しないとならないような代物が安保法(戦争法)のわけです。
 正直、谷垣など自公幹部が北朝鮮云々などとデマカセ言わずに「日本は米国の同盟国なんだから、米軍が展開してる場所、たとえばイラクやアフガンで、『一緒に活動してくれ』といわれたら断れませんよ。自衛官が死んでも仕方がない。それが安保法の重要な目的なんです」といったら「必要」という回答の%は「谷垣らが危惧するように」かなり減るでしょう。
 まあ、「この種のデマが見抜けない国民の愚劣さ」「この種のデマを批判しないマスコミの愚劣さ」にもうんざりしますが、それはともかく。デマに基づいた回答のわけですから「デマが暴露されれば」%が落ち、野党に有利になる可能性は高いわけです。
 安倍や谷垣としては「参院選前まではその辺りごまかしたい」でしょうが、一方で「米国がイラク派兵とか何か要求したらどうしよう」「南スーダンで治安が極度に悪化したらどうしよう」という恐怖もあるわけです。
 もちろん「安保法(戦争法)反対派」なら「南スーダンからの撤退」「米国の要求には応じない」つう答えしかないわけですが、その点、安倍らは違うわけです。


■【政界徒然草】予算の年度内成立の舞台裏で繰り広げた民主党民進党)のトンデモ要求の数々 これでは政権復帰は遠のくばかり
http://www.sankei.com/premium/news/160322/prm1603220004-n1.html
 「産経にとってはトンデモ要求だ」つうだけの話に過ぎません。たとえば「保育園落ちた日本死ね」のフリップを質問時に出したいという民主党・山尾議員の要求(自民党の反対で実施されず)はトンデモ要求なのか。小生は「出せばいい、出すことに問題があるのか?」としか思いませんけどね。単に自民党が「この問題が騒がれるのが嫌」なだけじゃないですか。結局「フリップを出さなくても」騒がれたわけですが。他も似たり寄ったりで「どこがトンデモなの?」「トンデモ要求といいながらどれ一つトンデモではない」という代物しかありません。さすが「下野ナウ」産経です。


■元慰安婦に関する日韓合意、夏から本格始動 日韓首脳が核安全保障サミットで確認へ
http://www.sankei.com/politics/news/160322/plt1603220002-n1.html
 「夏(8月)から」てあたりが本当にどうしようもなく情けない。「去年の年末に決めたことをそこまで放置する理由は何よ」て話です。おそらく「7月の参院選までは持ち出したくない、ウヨ支持者に叩かれたくない」つう安倍の個人的事情でしかないわけです(朴クネ政権側の都合もあるかも知れませんが)。およそまともな反省の態度じゃない。元慰安婦や支持者が安倍に激怒するのも当然でしょう。


■【主張】「1億総活躍社会」の看板に偽りか。外国人労働者の受け入れ拡大の前に、日本人が活躍できる社会に力を
http://www.sankei.com/column/news/160322/clm1603220002-n1.html
 「少子化対策としての外国人労働者受入論」が自民党から出てきた事への産経による批判です。
 タイトルで唖然ですね。小生は別に外国人労働者受入万歳論ではない。ただ「1億総活躍社会」と「外国人労働者受入の是非」と関係ないわけです。
 つうか「日本人が活躍できる社会に力を」という産経には「今日本に住んでる人間に外国人はいないんですか?」「1億総活躍は外国人は対象外なんですか?」と聞きたくなります。
 外国人労働者受入を「一部例外を除いて」原則していないため「外国人の数は少ない」とはいえ「外国人がいないわけでは勿論ない」。
 1億総活躍の具体化である「待機児童ゼロ」「介護離職ゼロ」なんかももちろん「外国人も対象」のわけです。除外する理由がないし、実際除外しない。産経って本当にアホだなといつもながら思います。単に「ヨーロッパでの移民との軋轢などを考えれば安易な外国人労働者受入論には賛同できない」なら小生も「まあ受け入れる場合はそれなりの制度設計とか覚悟とか必要だよね」と思って異論はないですが。
 まあ、産経の文にもまともなところはあるのでそこを紹介しておきます。

そもそも、外国人を「安価な労働力」と捉えているなら大きな間違いである。労働者として迎え入れる以上、社会保障最低賃金などの雇用条件を日本人と等しくしなければならない。

これは産経の言うとおりでそんな思惑では外国人労働者が来るか疑問ですし、来ても「日本社会との軋轢というヨーロッパの二の舞」になる危険性大でしょう。

*1:グッド・ウィル・ハンティング(1997年)でアカデミー賞脚本賞を受賞。

*2:つうかハリウッドって中国に限らずそんなに政治的映画をがんがん作ってるんですかね?

*3:可能性を無視すれば例えばロムニーとかマケインとかですね

*4:橋本内閣北海道・沖縄開発庁長官、小渕内閣官房副長官を歴任

*5:中曽根内閣防衛庁長官、宮沢内閣官房長官自民党政調会長(河野総裁時代)、幹事長(橋本総裁時代)などを歴任

*6:橋本内閣運輸相、自民党幹事長(森総裁時代)など歴任

*7:村山内閣国家公安委員長自治相、小渕内閣官房長官自民党幹事長(森総裁時代)など歴任

*8:なーんてことは「自公政権しか知らない」最近の若者は知らないでしょうね。自分がオッサンになったと思うのはこういう時です。

*9:まあ共産も「ムネオ疑惑野郎」とは積極的にはおつきあいしたくはなかったでしょうが、「ムネオが野党陣営にいる限り野党共闘しない」と民主党社民党などに言うのも大人げない(つうか、非支持者は勿論、支持者から「俺もムネオなんか大嫌いだが安倍打倒のためにはそのくらい我慢しろよ」と批判されかねない)という判断から「積極的にムネオ評価しないまでも」大人の態度でムネオ批判を自重していたわけです。でムネオの方も「俺を追及した共産なんかとつきあうなら民主党社民党とはつきあわない」と言える立場じゃないこともあって、共産批判なんかしてなかったわけです。

*10:小泉内閣国家公安委員長財務相自民党政調会長(福田総裁時代)、福田内閣国交相、第二次安倍内閣法相など歴任。

*11:これだって韓国軍や在韓米軍の反撃を考えれば、ないでしょうが