今日の産経ニュースほか(7/3分)(追記・訂正あり)

■ちきゅう座『醍醐聡さんの「安倍政治批判、野党共闘」ブログに思うこと』(澤藤藤一郎)
http://chikyuza.net/archives/64364

 今回選挙に、市民主導で野党共闘が実現したことは、「ようやく間に合ってよかった」と、明文改憲阻止のために積極評価したいと思う。醍醐さんが提唱される「市民が主体的に無党派の候補者を擁立し、それを既存の野党も共同推薦するという形」は、(ボーガス注:そのような事が現実的に可能なのかとか、政党所属・支持の市民は市民ではないのか、それは歪んだ市民理解ではないのかなどという意味で)やや違和感を否めない。
(中略)
 私は(ボーガス注:醍醐氏が好意的な)小林節グループの運動には(ボーガス注:政権批判票を分散しただけではないのかという)批判的な意見をもっている。
 選挙は勝たねば意味がないという面を否定し得ない。私は自衛隊違憲論だし、共産党もそのはず。それでも、「安保関連法の違憲性を主張しながら、法を施行する際に武力行使の中核を担う自衛隊違憲性は棚上げするという議論」は、あり得ると思う。
 私は、(中略)「共産党の理性はどこまで劣化するのか、計りかねます」と(ボーガス注:醍醐氏が)いうほどには悲観的でない。

 まあ、そういうことですね。確かに「民進党には松原仁のような極右がいる」。
 確かに「民進党の護憲は信用できない」。そんな「民進党と共闘する共産党の将来が不安だ、自社さ政権を機に支持者に見捨てられた社民党のようにならないか」。「アンチ松原仁」の小生にとっては誠に醍醐氏のおっしゃるとおりです。
 とはいえ「だから野党共闘しないのが筋のとおった考えだ、松原仁なんか幹部にする政党とつきあえるか、松原なんか都連会長にするな、話はそれからだ」と言えるのかどうか。
 そんな事は俺は言えないと思いますね。今回野党共闘したことは良かった。まあ、あまりよい選挙予測ではなく悲観的結果になるかも知れませんがそれは「野党共闘が充分だったか」という話ではありえても「野党共闘しない方が良かった」という話ではないでしょう。
 とはいえ「望ましい結果が出れば」言うことはないですが「悲観的結果が出たとして」どう動くかが問われてることは確かです。醍醐氏のような人に「野党共闘なんて意味がなかった」といわれない選挙後の努力が必要なわけです。
 とともに、醍醐氏も安倍批判派にとって悲惨な結果が出ようとも「野党共闘は無意味だった」などという生産性のない発言に終始するのではなく、「建設性のある言葉」に務めて欲しいですね。もちろんそれは野党各党におべんちゃらを言えという意味ではないです。


■ちきゅう座「安倍政治批判、野党共闘日本共産党の政治姿勢について思うこと」(醍醐聡*1
http://chikyuza.net/archives/64300

(ボーガス注:極右以外の)安倍支持者の主な支持の理由は、次の2つではないかと思います。
 ①安倍(自民党)政権に代わり得る受け皿が見当たらない。
 ②(ボーガス注:アベノミクスなど)安倍政治に幻想を持っている。

 まあ、そう言う人間に対してどう対応していくかというのはなかなか難しいでしょう。「安倍を全く評価しない」小生には「①や②と思うこと自体理解が困難」なので、正直答えはありません。なお、①も②も俺は大して違わないと思います。②だからこそ①と考えるわけです。
 「安倍がどーしよーもない」と思ってるのに①ということはあり得ない。

②が主であれば*2、安倍政権を徹底的に批判することが重要ですが、その場合も、安保関連法を、誰もに自明のように「戦争法」と呼称してかかるやり方では、「幻想」を解くのにほど遠く、逆に決めつけに対する反感を買うおそれもあると思います。

 なるほどその理屈だと、批判派が「小渕政権時代の電話傍受法」を「盗聴法」と呼んだのも、「第一次安倍政権時代のホワイトカラーエグザンプション(あるいは今の安倍政権が前回のホワエグ法案を手直し、今後の導入を画策する、いわゆる高度プロフェッショナル制度)」を「残業代不払い法案」と呼んだのもよろしくなかったのでしょうか?(皮肉のつもり)。そもそも野党は「戦争法と呼んでそれで終わり」なんて態度ではありませんが。「醍醐氏の主観はともかく」客観的には言いがかりもいいところでしょう。

 「立憲主義を取り戻す」という点も大きな「共通公約」となっていますが、内容はいかにも曖昧*3です。というより、特段、縛られることもない曖昧な内容だからこそ、「共通公約」になったというのが実情ではないでしょうか?
 「立憲主義」の中身は「個人の尊厳を大切にすることだ」という説明がされています。それなら、共産党は、従軍「慰安婦」の尊厳に再度、塩を塗るような昨年末の「日韓合意」をなぜ前進と評価するのでしょうか? 

 まあ、「日韓合意をただ評価していいのか」と言う批判を共産党にすることは「共産支持者」の俺ですが、否定はしません。「安倍の従来の態度に比べたら」前進ではあるでしょうが「慰安婦本人やその支援団体・挺対協など」から「日韓合意を認めない」という声が出る代物をただ評価していいのか、とは俺も思います。
 ただ一方で「そう言う批判をして極右安倍政権を支持する今の極右化した日本人に対しどれほどの意味があるのか」「今、安倍政権なのに日韓合意を潰して何かいいものがでるのか」とも思います。
 日韓合意を手放しで評価する気はないが、とはいえ否定するのも躊躇する、つうのが俺の考えです。その意味では醍醐氏ほど共産党非難する気になれない。
 また、そんなことは「残念ながら」今の選挙と関係ない。まあ、醍醐氏が「選挙期間中だが、共産党の日韓合意に対する間違った態度を批判し、ただすことが今何よりも大事だ」と思うのなら彼の自由であり止めはしませんが。

私は野党共闘なり、共産党に他意、悪意を抱く動機をなんら持ち合わせていません。

 野党共闘はともかく共産党に対しては「醍醐氏の主観的」には「敵意はないのだろう」とは俺個人は思います(共産党側がどう理解するかはまた別の話ですが)。
 あの日韓合意を評価したのは共産党だけではないですがわざわざ醍醐氏が共産党を批判するのは「共産党なら俺の意見を聞き入れるかも知れないが他(民進、社民)はダメだ」と思ってるからでしょうし。


■【参院選・広島】「拉致問題が争点にすらなってない」調査会の荒木代表指摘…陣営で濃淡
http://www.sankei.com/west/news/160703/wst1607030044-n1.html
 何度も書いてますが今さらそんなことを愚痴ってもどうにもなりません。


■【北朝鮮問題】「朝鮮大学校」とは何なのか? 各種学校認可で恩恵を受ける組織を専門家は「革命の基地」と断じた
http://www.sankei.com/premium/news/160703/prm1607030030-n1.html
 内心、産経らウヨ連中は朝鮮大学校を以前から敵視していたでしょうが、こんな悪口雑言を始めたのは安倍政権誕生後ですからね。安倍政権がいかに有害かと言う事です。本当にうんざりします。なお、産経の言う「専門家」とは「極右活動家・三浦小太郎*4(守る会副代表)」であり産経記事に書かれてることも三浦が自ブログ(http://miura.trycomp.net/)や「守る会公式サイト(http://hrnk.trycomp.net/)」で常日頃書いてる悪口雑言と同じです。イヤー、「三浦先生を通じて」産経新聞と「在日差別仲間」「反共・反北朝鮮仲間」になれて良かったですね、守る会会員で「右翼活動家」のid:noharraこと八木孝三さん(毒)。しかし三浦も随分と右翼界で出世したもんです。うらやましいとは全く思いませんが。


■【加藤達也の虎穴に入らずんば】北朝鮮のスパイが「敵地」日本で接近した元首相、鳩山由紀夫氏の正体とは
http://www.sankei.com/premium/news/160703/prm1607030036-n1.html

 在日本朝鮮人総連合会朝鮮総連)の構成員だった康成輝(カン・ソンフィ)は、平成12年に警視庁公安部が摘発した北朝鮮工作機関によるスパイ事件の主犯である。筆者が15年に康を取材した際(中略)「工作対象は、どのような人か」と尋ねてみた。康が挙げた中に鳩山元首相の名前があった。
 その後、鳩山氏への工作がどうなったのか。康が平成16年4月、死去したため、今となっては確かめようがない。

 おいおいですね。タイトルで「鳩山氏がスパイに籠絡されたかのように印象操作しながら」オチが「康の発言の裏が取れず、康も今は故人のため今となっては真偽は分からない」てほとんど詐欺的なタイトルですね。この記事を最後まで読んでも「鳩山氏の正体」なるタイトルで産経が何を言いたいのかさっぱり分かりません。
 「記事を読まないでタイトルだけで誤解して鳩山非難する奴がいたら万々歳」というふざけたこと考えてるとしか思えません。およそまともな新聞社のやる事ではない。鳩山氏に対して無礼千万です。鳩山氏から名誉毀損で訴えられても文句は言えないでしょう。
 なお、この記事、鳩山氏に対して「北朝鮮スパイ」云々で非難したくてもまるでネタがないために

ロシア大使館の武官室は、オフィシャルカバーの巣窟だといわれる。
・2010(平成22)年、米連邦捜査局(FBI)がアンナ・チャップマンという当時28歳の女を中心とするロシアスパイグループを摘発した。女は「美しすぎるスパイ」と話題になったので記憶されている読者も多いと思う。

などタイトルの「鳩山氏」「北朝鮮」とまるで関係ない内容(ロシア大使館だのチャップマンだの)を無理矢理、大量にぶち込んで記事を水増ししてるという意味でもお粗末な記事です(勿論チャップマンが鳩山氏に接触したなんて事*5はありません)。産経以外のまともな新聞社なら速攻でボツでしょう。


■【iRONNA発】英EU離脱、金融パニックでも安倍叩き!「アベノセイダーズ」の正体 田中秀臣*6上武大学ビジネス情報学部教授)
http://www.sankei.com/premium/news/160703/prm1607030040-n1.html
 「アベノセイダーズ」とは言ってることが低レベルすぎて呆れますね。こんな駄文は産経でしか掲載されないでしょう。この田中という御仁も少しは常識を持ったらどうなのか。
 なお、「英国のEU離脱及びそれによる株価変動や為替変動」について誰も「安倍のせい」などとは言っていません。
「英国のEU離脱によって株価が下がったり、円高になったりしたことはアベノミクスが失敗していることの象徴ではないか」「本当にアベノミクスが成功して、効果を発揮して、景気が良くなって円安や株価高になってるのなら英国のEU離脱ぐらいでこんな事は起きないはずだ」「もはやアベノミクス円安や株価高には限界が来ている、今後は反動で円高や株価安が進むと考えた方がいいのではないか。アベノミクスという政策は大幅な変更が必要ではないか」と批判してるのです。こうしたアベノミクス批判を「アベノセイダーズ」と表現するのは言いがかりでしかありません。
 話をすり替えたり、詭弁を発動したりしている田中には心底呆れます。まあ田中も「アベノミクスは限界に来てない」とは言いづらいのでしょうが。
 田中がマジでそこまでバカとも思えませんので「安倍の提灯持ち」をしているのでしょう。別に田中は北岡伸一*7(東大教授)のように「JICA理事長」などの要職にも就いてないようなので理由はさっぱり分かりませんが。
 さて、田中はこんなことを言っています。

消費増税は二年半の先送りではなく、事実上の「凍結」を目指すべきだ。またベストは5%への消費税減税*8である。

であるならぜひとも田中には田中同様「消費税10%増税は凍結すべき」「ベストは5%への減税」という主張をしている「日本共産党」について

日本共産党アベノミクス(金融緩和やマイナス金利)批判をしていることには賛同できないが消費税についての認識は自民党政府よりも民進党よりも一番まともだ」
「私を安倍総理太鼓持ちとか、アンチ野党とか反共とか誤解している人がいるらしいのではっきりと、『消費税の議論は一番共産党がまともですよ』といいたい」

とでも言って欲しいですが所詮「安倍の太鼓持ち」にすぎないのでしょう。そんな事は田中は何一つ言いません。

*1:東京大学名誉教授(会計学)。また、NHK受信料支払い停止運動の会共同代表を務めるなど市民運動にも積極的に参加している。個人ブログ(http://sdaigo.cocolog-nifty.com/)。著書『労使交渉と会計情報:日本航空における労働条件の不利益変更をめぐる経営と会計』(2005年、白桃書房)、『消費増税の大罪:会計学者が明かす財源の代案』(2012年、柏書房)など。

*2:別に「②が主であろうがあるまいが」安倍政権の問題点を批判していくことは野党として当然の話です。

*3:というかひとまずは「安保法廃止」でしょうよ。

*4:「三浦のどこが専門家だ?」と言いたいですね。

*5:勿論そういう事実があったとしてタイトルで何ら触れないのは問題です。

*6:著書『経済論戦の読み方』(2004年、講談社現代新書)、『経済政策を歴史に学ぶ』(2006年、ソフトバンク新書)など

*7:著書『清沢洌』(1987年、中公新書)、『後藤新平』(1988年、中公新書)、『日米関係のリアリズム』(1991年、中公叢書)、『国連の政治力学』(2007年、中公新書)など

*8:つうかだったら8%増税前に共産党のように反対論ぶったらどうなんですかねえ?。「今さらかよ」ですね