「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(6/21分:荒木和博の巻)&北朝鮮・韓国ニュースほか(追記・訂正あり)

 荒木への批判以外にも色々書いています。
■国基研『安倍総理から祝辞、「第5回 国基研 日本研究賞」授賞式』
https://jinf.jp/news/archives/23161
 こんな極右団体に祝辞を送るのだからいつもながら安倍も全く非常識な男です。


■産経【激動・朝鮮半島】集団脱北は韓国による拉致? 国連報告者が文政権に調査要求
https://www.sankei.com/world/news/180710/wor1807100046-n1.html

北朝鮮の人権問題を担当する国連のキンタナ特別報告者が10日、ソウルで記者会見し、2016年に中国の北朝鮮レストランから集団亡命した女性従業員ら13人の一部が「どこに行くか知らされないまま韓国に来ることになったと話した」と明らかにした。
・キンタナ氏は2日からの韓国滞在中に女性らの一部と面談。「本人の意思に反して拉致されたなら、犯罪とみなすべきだ」と述べ、韓国政府に真相究明に向けた徹底調査を求めた。「だまされて来た」との前提の下、女性らを「被害者」とも表現し、韓国にとどまるか、別の決定をするかは「本人たちの意思が尊重されるべきだ」と強調した。
 レストランの元支配人男性が5月、「韓国情報機関から指示され、従業員らを脅して亡命させた」などとメディアに証言し、亡命は強制されたものだったとの疑惑が拡大

 ということは「北朝鮮側の言い分が正しいかどうかはともかく」当時の韓国政府が甘言で亡命をそそのかした相当に政治的、道義的に問題のあるケースが見つかったということでしょうか?
 なお、一方でキンタナ氏は

 キンタナ氏はまた、4月の南北首脳会談で北朝鮮住民の人権状況への詳しい言及がなかったと指摘し、「人権問題を解決する意志や戦略が不在だ」と、北朝鮮を刺激しないよう人権侵害の解決に及び腰な文在寅ムン・ジェイン)政権にも苦言を呈した。人権状況調査のための自身の訪朝を拒んできた北朝鮮にも改めて協力を迫った。

と主張しているので、彼の主張の是非はともかく「亡命が自由意志か疑問」とする彼は別に北朝鮮シンパではないわけです。
 なお「朴クネのやらかしたこと」だし、ダメ出ししてるのは国連ということで素直に非を認めるかと思いきや今のところ文在寅政権は非を認めていません。


■産経『朴槿恵氏弾劾の集会鎮圧目的で韓国軍が戒厳令検討か 文書見つかり文在寅大統領が調査指示』
https://www.sankei.com/world/news/180710/wor1807100028-n1.html
 事実ならば朴という人間に改めて呆れます。


■産経『韓国単独の戦時演習も中止』
https://www.sankei.com/world/news/180710/wor1807100026-n1.html
 こうして緊張緩和が直実に進んでいくことを期待したいですね。


■国基研『米国は合同軍事演習を再開せよ』(西岡力
https://jinf.jp/weekly/archives/23147
 そんなことはすべきではないですが、さすがにトランプもしないんじゃないか。
 「米朝交渉を円滑にするために当面演習しない」とした米朝首脳会談後、記者会見(6/12)からまだ1ヶ月もたっていません。これで再開なんぞといったら「朝令暮改だ」という批判は避けられないし、そんなことをトランプもする気はないでしょう。
 仮に再開するとしてもそれは当分先のことでしょう。


■産経【野口裕之の軍事情勢】台湾駐屯を探る米軍の本気度 在韓米軍撤退で困るのは中国だ!
https://www.sankei.com/premium/news/180709/prm1807090004-n1.html
 在韓米軍が撤退してくれたら「米国の北朝鮮侵攻の可能性が低くなる」「結果、北朝鮮が核廃棄するかもしれない(現時点でも一応、核廃棄約束はしてるのですが少々怪しいので)」つうことで中国的には万々歳でしょう。
 「撤退した在韓米軍をそのまま、台湾に駐屯されたら中国はかえって困る」てそんなことあり得ませんし。

朝鮮半島の非核化》とは、核兵器を韓国に持ち込める在韓米軍の「漸減→撤退」を意味する。

 必ずしもそうではないでしょうね。「在韓米軍が核持ち込みをしないことを6カ国協議参加国による条約の形で約束する、そして実際に持ち込みがされてないことを確認できるシステム構築をする」というレベルでも北朝鮮的にはOKかもしれません。まあ、そのレベルでも産経は反対するのでしょうが。

 「赤い怪物」の出現は、日米を含め西側が「無害な新興国家」だと対中評価を誤り、貿易・金融などを通して中国の発展を手助けすれば国際秩序を守る民主国家となると信じ、過去40年近くにわたり採用してきた《関与戦略》の成れの果てだ。

 そもそもそんな理解で中国支援してきたわけじゃないですからねえ。


文化放送「くにまるジャパン極(きわみ)」『拉致問題、北への「伝言」をトランプに頼んだのは大失敗だった可能性:日朝首脳会談でカバーするしかない』(佐藤優
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/56315

野村邦丸*1(くにまるジャパン極(きわみ)司会):
 そうした状況下で、日朝首脳会談が行われる。安倍さんと金正恩さんが1対1で話し合う。そのときに必ず出てくるのが拉致被害者の問題です。
 佐藤さんに伺いたかったのは、拉致被害者のご家族の高齢化が言われていますが、拉致被害に遭われて北朝鮮内にいらっしゃるであろう方々も、高齢化が進んでいるんですね。
 拉致被害に遭われた方々が今、生存されているのか。もうお亡くなりになっている可能性もあるわけですが、これを日本政府は受け入れることができるか。ご家族にどうやって伝えられるか。

 まあ、野村氏の言うとおりですよね。
「高齢化が進んでいる」「もうお亡くなりになっている可能性もある」わけで無責任に横田めぐみ生存説なんか唱える高世はどうしようもないバカです。
 「野村アナの爪の垢でも煎じて高世は飲め」ですね。
 なお、これに対する佐藤氏の回答。

佐藤優
 そこは、外交的には少し問題の立て方が違ってくると思います。
(中略)
 仮に考えうる中で「(ボーガス注:政府認定拉致被害者は全員死亡という)最悪の回答」を北朝鮮が出してきたとしても、日本側はそれを受け取らないで、「もっときちんと調べろ。お前らが言っていることは信用できない」という話になるんです。

 つまり野村氏の疑問に対して、「死亡回答を出してきたら、どんな回答であっても、家族会の反発を恐れて『生きてるはずだ』で多分突き返す」というのが佐藤氏の見方です。
 まあ野村氏の発言レベルでも横田の奥さんとか「野村は北朝鮮に加担するのか」とマジギレでしょうからねえ。文化放送の人気MC・野村氏が北朝鮮シンパとかあり得ないんですが。安倍が死亡回答を受け入れるとは確かに考えがたい。

佐藤:
 しかしそうすると、ここで面倒なのは、トランプ大統領を噛ませたことなんです。
邦丸:
 今回、トランプさんが仲介したわけですね。
佐藤:
 トランプさんが拉致問題に関して話をした。そこで金正恩が「私のほうから日本に何度も打診しているんだけど、日本側がなかなか答えを受け取ってくれないので、トランプさん、あなたから安倍さんに渡してくれませんか。これがその回答です」と紙を渡されたら、どうしますか。そこに書かれているのが、日本としては到底受け入れられない内容だったら。
 アメリカがその回答を受け取って、トランプが「オレはさ、金正恩と十分な信頼関係ができているし、あいつがウソをついているとは思えないんだけどな。シンゾー、金正恩がこういう答えをくれたよ」と持ってきたら、どうなりますか?
 日本が「拒絶する」と答えたら、「いやトランプさん、あなたは金正恩に騙されていますよ」と言うことになる。そうすると、「お前は、アメリカ合衆国大統領がそう軽々に騙される人間だと思っているのか!」という話になるでしょう。ですから、日本は北朝鮮の回答を受け取らざるを得なくなる。
(中略)
 それほど、トランプと金正恩の信頼関係が確立されてしまった。ここのところは、日本政府も意外に思っていると思います。
(中略)
 要するに、トランプは「オレが金正恩に騙されて、小僧の使いみたいなことをするはずがない」と言うでしょう。もし日本が受け取るのを拒否したら、「おい、日本という国はどういう国なんだ。オレに頼んでおいて拒否するなんて。オレは誠実にやっているぞ。オレは金正恩がウソをついているとは思わないんだ。オレの目を信用しないのか。核廃絶だってちゃんとまとめたじゃないか」
 こういう風にトランプがキレる可能性があるでしょ。

 まあ、「そうなるかわかりません」。「いかなる形であっても」拉致問題にそこまでトランプは深入りしないんじゃないかと思いますが、そうなった方がいいんじゃないですかね。いつまでも突き返していてもらちがあきませんし。
 かつ本当に「生きてる可能性があるのか」といったらそんな保証はないわけです。

邦丸:
 だから、そうならないために、日朝首脳会談を9月の国連総会の前の7月・8月にやろうと。
佐藤:
 電撃的に行う可能性はありますよ。極端な形だと、相互訪問も十分あり得ます。まず安倍さんが平壌に行って、その直後に金正恩が東京に来る。

 いやー、その可能性があるようにはとても見えないですけどねえ。

佐藤:
 いずれにしても「戦争が起きない」ということが確保されているのは、(ボーガス注:米朝首脳会談の)ひとつの大きな成果ですよ。

 まあ、その通りだと思いますね。


■TBS『自民・岸田氏、北朝鮮問題「何も変わっていない」』
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3416397.html
 「状況が変化した」「いやまだ変化してない」という議論の余地がある核廃棄問題はともかく日本人拉致という意味ではもちろん「何も変わっていません」。
 なぜなら当事者である日本が動かない限り拉致は動くわけがないからです。


■日経『米国務長官北朝鮮ベトナムをモデルに」 非核化へ行動促す』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32749880Z00C18A7000000/
 まあ北朝鮮が目指してるのは確かにドイモイベトナムでしょう。
 そして、いくら過去にベトナム戦争で対決したからと言って、今、現在、米国が「ベトナムの政権転覆などすること」はまず考えられない。
 とはいえ、北朝鮮からすれば「『核廃棄すれば制裁解除でベトナムのようになれるから核廃棄しろ(米国)』というが本当に俺がベトナムを目指すことをお前ら認めるのか。イラクフセイン政権のように政権転覆しないのか」つう疑心があるでしょう。この疑心が溶けない限り核廃棄はないでしょうね。


■武力
http://araki.way-nifty.com/araki/2018/07/news27733078-99.html

 一昨日予備役ブルーリボンの会ではシンポジウムを開催しました。その前に会の総会も行ったのですが、総会の中では「自衛隊拉致被害者救出に使うべきではない」という立場の人ともっと議論をすべきではないかとの意見が出ました。

 「お前ら、今頃そんなこと言ってるのか?(呆)」ですね。
 つうか「制裁解除も考えていいと言った、蓮池透氏を家族会から除名させた」荒木らに議論する気があるとはとても思えませんよねえ。議論つうのは「僕らが間違ってると思ったら自衛隊活用論は撤回します」つうのが議論ですから。
 「お前ら活用論反対派を論破してやる」「反対派を説得してやる」つうのが荒木らの態度でしょうから。それは創価学会草創期に行われたような「折伏」ではあるでしょうが「議論」ではない。
 「折伏」を受けたがる人はあまりいないでしょう。荒木らの「折伏」を受ける義務もない。

 また、シンポジウムの登壇者の一致した意見としては、拉致被害者の救出には武力を使うべきというものでした。

 そりゃそういう意見に一致するでしょうね。むしろ「自衛隊を上陸させるが武力は使わないようにしたい」なんて意見に一致したらその方が驚きです。
 自衛隊を送るときは当然武装させるでしょう。丸腰で行かせるわけもない。
 救出時に「武力を活用しないですめばいい」ですがそういうことは、まあ無理でしょう。
 そして「自衛隊北朝鮮を軍事攻撃してでも救出すべき」という意見を非常識と多数の人が思うからこそ、荒木らは支持されないわけです。
 それ国際法的には侵略ですからねえ。いや、拉致被害者の居場所がわかっててそこ限定で救出に向かうのなら「自国民救出限定の作戦だから、侵略ではありません」つう言い訳もできるかもしれない。荒木らの場合「居場所もわからないのに上陸する」んだから侵略にならざるを得ない。
 かつ居場所がわかったって「イラン駐在米国大使館人質事件」での救出作戦が失敗したように作戦が成功する保証もない。単に失敗しただけならまだいいですが、

・救出作戦中の軍事衝突によって拉致被害者が死亡した
・激怒した北朝鮮拉致被害者を酷い目に遭わせた
・酷い目には遭わせなかったものの「救出など到底無理な場所に拉致被害者を移した」あげく今後、外交交渉には一切応じないと言い出した

なんてなったら目も当てられません。

 この場合の「武力」とは戦争をするといった狭い意味ではなく、例えば日朝交渉が行われるならその場に制服の自衛官を同席させるだけでも北朝鮮に対するメッセージになるとか、情報収集とか、もちろん北朝鮮体制急変時の邦人保護も含め様々な意味を含みます。

 酷い詭弁ですね。「自衛官同席」に意味があるとは思いませんが、それは通常「武力」とはいわないでしょう。つうか荒木らにおいて自衛隊活用が「情報収集でも何でも可能な範囲で自衛隊を活用すればいい」ではなく「自衛隊拉致被害者救出」を意味してる以上、「戦争という意味」での武力行使は必然です。

 この場を借りて提案なのですが、拉致被害者救出に自衛隊を使うべきではない、あるいは使えないというご意見の方、私たちと公開の場で議論をしてもらえないでしょうか。

 まあ、そんなことに応じる方はまずいないでしょうね。何度も言うように荒木らは議論したいわけじゃないからです。
 まあ、荒木らはあまりにも自分らの主張が支持されないことに慌てて「宣伝活動をしよう」「そのために自衛隊活用反対論者をだしに使おう」「公開討論で、俺たちが勝てれば御の字(まあ無理でしょうが)。負けても『その場にいるのは俺たちの支持者ばかり』だからいくらでも大本営発表ができる。反対派の方が議論に応じたこと自体が俺たちの主張に一定の合理性があることの証明だと宣伝すればいい」と思ったのでしょう。
 ただ「だしに使われたがる人」もあまりいないでしょう。
 まず第一にそんな議論をしても荒木たち救う会やその支持者(家族会、拉致議連など)が意見を変えることはほとんど期待できない。荒木らがそういう目的で「討論会」といっていないことはモロバレです。
 第二に別に荒木と議論しなくても「自衛隊活用論」なんてもんは政府の立場じゃないし、世間的にも支持されてない。これが「政府の立場」「世間の支持」があれば反対派も対応が必要ですが、今現在はそうじゃないのだから荒木らの主張など無視して全く問題ない。
 第三に対応する場合も「討論会」である必要はないわけです。著書などで荒木批判すればそれでいい。
 大体この荒木らが呼びかける討論会って「主催・特定失踪者問題調査会」でしょうからねえ。荒木らに都合のいい運営がされるであろうアンフェアな場に出席したがる物好きはいないでしょう。
 まあ俺が仮に討論会出席を呼びかけられて仮に出席を決意したら「中立公正な運営」を最低限要求しますね(その前に「断る」とは思いますが)。そのためには司会は荒木派でない公正中立な司会要求ですね。まあ誰でもいいんですがキャスターの久米宏氏とか田原総一朗氏とか。
 討論会メンバーも「反対派と賛成派の同数」を要求と。たとえば賛成派が二人なら反対派は二人。反対派をそんなにそろえられないというなら賛成派は一人にしてくれと(ほかにもいろいろ要求すべきことはあるでしょうが)。
 まあその時点で荒木の方から「じゃあご出席しなくて結構です」でしょうが。

 軍事問題の著書を出している元幕僚長クラスの人でも自衛隊拉致被害者救出に使うことに否定的な人はいます。

 そりゃまともな人間なら否定的でしょう。荒木が想定している「軍事問題の著書を出している元幕僚長クラスの人」てのが誰かわかりませんが。

 国会で拉致被害者救出に自衛隊は使えないと答弁している安倍総理

 こうした安倍に荒木は憤慨するわけですがそれでも「モリカケ追及などするな」と言い出すのだから意味不明です。

 あらためて言います。拉致被害者救出には武力の存在、必要であれば使用が必要です。

 そんなことは全く現実的じゃありません。ワームビア君など自国民を拘束された「世界最強の軍事大国」米国だって解決方法は外交交渉でした。

特定失踪者データ(11)
◎氏   名:斉藤四郎
◎よみかた:さいとう・しろう
◎生年月日:昭和13(1938)年11月23日
◎当時の年齢: 17歳
◎失踪年月日: 昭和31(1956)年3月18日
◎当時の身分: 板金工見習い
◎最終失踪関連地点: 札幌市
◎当時の居住地:北海道
◎失踪の状況:昭和29年春から板金見習として住込みで働いていた。当時板金組合で冬季講習があったので、朝会社の人と一緒に出かけたが、講習会場には出席しておらず会社にも帰ってこなかった。
 会社の同僚の話では前夜に布団をかぶって泣いていたという。警察にも家出人として届け、新聞のたずね人の広告も出した。

 こんなんを特定失踪者認定なんて無茶ですね。年齢、職業から考えて「板金見習いの仕事が思っていたほど魅力的でないので会社を辞めたが、自暴自棄になっていたのでやめますと告げずに失踪してしまった。17歳という若さで独身だったことも失踪を後押しした」と考えるのが一番自然でしょう。
 「前夜に布団をかぶって泣いていた」というのもおそらくそういう文脈で理解されたわけです。


■朝鮮新報『民族経済に多大なメリット/北南鉄道・道路協力事業が再開、ロードマップ示す』
http://chosonsinbo.com/jp/2018/07/yr20180707-6/

 板門店宣言1項⑥で明記された朝鮮東海・西海線鉄道と道路を連結・現代化し、活用するための事業がスタートする。北南は板門店宣言履行のために、6月26日に鉄道協力分科会談を、28日に道路協力分科会談を行い、今後の鉄道・連結事業におけるロードマップを示した。

 もちろん現時点では非常に大雑把なロードマップですが、それでもこうした動きが着実に進んでいくことを期待したい。
 なお、この記事でも「シベリア鉄道とつないだ場合のメリット」が簡単に触れられていますが、「難しいことはわかってはいますが」確かにそこまで行ってほしいもんです。


■読売新聞『拉致40年「今も強い憤り」 地村さん夫妻』
https://www.yomiuri.co.jp/local/fukui/news/20180707-OYTNT50050.html

 16年の定年退職を機に、拉致問題解決に向けた署名活動などに積極的に参加するようになり、先月からは市内の学校で、拉致された状況などを子どもたちに直接語り継いでいる。

 言葉を選ばずいえば「地村はバカか?」ですね。
 社会に対する影響力に乏しい子どもにそんなもん語っても意味はないでしょう。語るのなら蓮池兄弟のように「社会に対する影響力のある大人に向かって」自らの考える拉致問題の解決方向を語るべきでしょうねえ。そういえば蓮池兄弟はあまり子ども相手には講演をしていなかったような気がします。

 2人が拉致された展望台は、天井が雨漏りしたり、壁の表面が大きく剥がれたりと老朽化が目立ち、訪れる人も少ない。
 しかし、小浜市によると、最近になり、拉致問題への理解を深めるため、全国の教員らに現場を視察してもらおうという動きが出てきたという。一帯を管理する市は、展望台を保存する方針だ。担当者は「地村さん夫妻の気持ちを考えると、正直、いつまで残すべきなのかと悩むこともある」と複雑な思いを明かした。

 地村夫妻の気持ちに関係なく、そんなもんを残すことに意味はないし、ましてやそんなもんを教員が視察して拉致解決なり、教育なりで、何の意味があるんでしょうか?。拉致問題&教育をおもちゃにするのも大概にしてほしい。


時事通信北朝鮮の核、本質はテロ=石破氏』
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018070700539&g=prk
 モリカケの様な疑惑が「将来はともかく、今のところは表面化していない」だけ石破の方が安倍よりましだと思いますが、こういうあほ発言をきくと「石破より石原伸晃や岸田の方がましじゃないか」どころか、「いやもしかしたら北朝鮮認識に話を限れば安倍の方が石破よりましかもしれない」という気にすらさせられますねえ。
 「北朝鮮に限らず核保有はテロも同然だと思う」つうならともかく、

 自民党石破茂元幹事長は7日、新潟県南魚沼市で講演し、オウム真理教について「民主主義では議席は取れず、武力で警察にも自衛隊にも勝てない。だからテロを起こして社会を乗っ取ろうとした」と指摘した上で、「北朝鮮の核問題の本質はそれだ」と語った。

なんてのは「はあ?」「ちょっと言ってる意味がわからない(サンドイッチマン富澤たけし風に)」ですね。
 賛成するしない以前に石破の主張の意味「北朝鮮の核問題の本質はそれだ」がさっぱりわかりません。まさかとは思いますが「オウムテロの目的は日本社会の乗っ取り」という前振りからすると「北朝鮮の核は韓国社会の乗っ取りが目的だ」と救う会のような与太「北朝鮮の南侵論」を飛ばす気なのか(まさか「北朝鮮の核は日本社会の乗っ取りが目的」ではないでしょう)。
 もちろんそんなことはありえない。イランやリビアの核開発と話は同じで、北朝鮮の核開発も「米国への牽制が目的」でしょう。つうかそもそも北朝鮮オウム真理教と全く関係ないでしょうに。
 かつ「オウムのテロ認識」としても石破はおかしいですね。
 テロを起こしたって社会を乗っ取ることなんかできません。
 テロを起こして社会を乗っ取れるのはそのテロリストが「政府の武力組織(今の日本だと警察や自衛隊)」にテロ(というか武力闘争)で勝利し権力を奪取できるときだけでしょう。例えば、「薩長江戸幕府を武力で打倒したケース」「国共内戦での中国共産党の勝利」なんかがそうです。
 しかし石破曰く「オウムは武力で警察にも自衛隊にも勝てない」わけで「石破の脳みそってどうなってるんだろう?」ですね。
 そもそも地下鉄にサリンまいたって日本乗っ取りなんぞできません。
 安倍だけでなく「元幹事長、元防衛相の石破まで」ここまであほかと思うと頭痛がしてきます。


■産経『ゆかりちゃん不明22年 両親らチラシで情報求める「なぜ、あの時…」』
https://www.sankei.com/affairs/news/180707/afr1807070013-n1.html
 「幼稚園児・松岡伸矢君」「小学1年生・佐賀直香さん」の失踪すら特定失踪者認定した荒木和博へ話を持って行けば、ほぼ確実に特定失踪者認定がされたでしょうね。
 「群馬県太田市のパチンコ屋で幼稚園児を拉致する北朝鮮工作員なんかいない」という常識は荒木には通用しません。

群馬県太田市のパチンコ店で平成8年7月、当時4歳だった横山ゆかりちゃんが行方不明になってから7日で22年を迎え、両親や群馬県警太田署員、ボランティアら計約70人がチラシ約2千枚を市内のショッピングセンターで配り、情報提供を求めた。
・父親の保雄さん(51)は「22年も見つけてあげられず、ゆかりに申し訳ない。なぜあの時パチンコ店に行ってしまったのか。これほどつらいことはない。協力を頂きたい」と語った。
 ゆかりちゃんは8年7月7日午後、両親と来ていたパチンコ店で行方が分からなくなった。店内の防犯カメラに、ゆかりちゃんに話し掛ける不審な男が写っており、県警は重要参考人として行方を捜査している。須永盛男署長は「捜査を継続する。情報をお願いしたい」と強調した。

 正直な話をすればこれはもうどうにも手がつけられないでしょう。せめて生きていてほしいところですが、「変質者に殺害されて死体が発見されないだけ」だとしても不思議ではありません。


■産経【北朝鮮拉致】「日朝会談で拉致解決」 安倍晋三首相、曽我ひとみさんに決意
https://www.sankei.com/politics/news/180705/plt1807050018-n1.html
 会談が正式に決定したわけでもないのよくもこんな無責任な放言ができるもんです。


■日経『北朝鮮、一部鉱物に大きな供給能力 活用消極論根強く』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32710890W8A700C1QM8000/
 活用消極論と言ってもそれはあくまでも「米国の経済制裁」という問題です。「鉱物の質が低い」という話ではないので、米朝交渉が進展すれば、活用積極論が台頭することは十分あり得るでしょう。


■産経【劇場型半島】北の「独島戦術」にからめ捕られる文在寅政権 アジア大会の統一旗に竹島を描く?描かない?
https://www.sankei.com/premium/news/180706/prm1807060002-n1.html
 「竹島を描くな、描くことは北朝鮮への迎合と反日だ」と騒ぐ前に「まあ、そんなことで竹島問題がどうこうなるわけではないですから。無意味に騒ぐことはしません」とどーんと構えることができないんですかね。
 できないんでしょうね。産経にとっては日韓友好などどうでもいいことなんでしょう。


■産経【主張】米国務長官の訪朝 まだ何も進んではいない
https://www.sankei.com/column/news/180706/clm1807060001-n1.html
 もちろん、まだまだ具体的には問題は山積みです。
 そもそも米朝首脳会談まで「お前が先に核廃棄しろ(米国)」「お前の方こそ先に体制保障しろ(北朝鮮)」をずーっとやってきたのですぐにすべてが解決するつうことはないでしょう。
 まあ「過大評価はしないが、対立を続けてきた両国が和解に踏み切った米朝首脳会談をそれなりに評価し、それをどう今後につなげていくか」つうのが今後の課題でしょうね。産経のように北朝鮮に悪口雑言することは全く建設的ではない。

 警戒すべきは、米朝会談の「大成功」を理由に、中国などが制裁を緩めようとしていることだ。
 国連安全保障理事会で、中国とロシアは米朝会談の「完全な非核化」合意を歓迎し、対北制裁緩和を求める声明案を配布していたことが明らかになった。
 安保理決議が求めているのは、核を含む大量破壊兵器とあらゆる弾道ミサイル*2の廃棄であり、それが実現されない限り、制裁の緩和は認められない。米国が声明案を拒否したのは当然だ。

 何のメリットもなければ北朝鮮も動く動機にかけますから制裁緩和を考えてもいいと思いますね。
 もちろん米国内のタカ派などの存在を考えれば大幅緩和は難しいでしょう。それは中露もおそらく理解している。話的には「小幅緩和→北朝鮮がそれなりの非核化対応→さらに小幅緩和(以下、同じ)」で徐々に「制裁緩和と非核化を進めていく」つうのが現実的ではないか。米朝双方の一定の譲歩が必要でしょう。
 なお、「ほかの論者はともかく」産経のような右翼について言えば「核を含む大量破壊兵器とあらゆる弾道ミサイルの廃棄」つうのは単に「北朝鮮が飲めないだろう」と思っての因縁に過ぎません。
 産経のようなウヨは何があろうと制裁解除する気はないでしょう。


櫻井よしこ『拉致解決を国交正常化に優先せよ』
https://yoshiko-sakurai.jp/2018/07/05/7509
 もちろんよしこらウヨは「拉致を国交正常化妨害に利用してるだけ」です。
 むしろ「国交正常化を先行させた方が拉致が解決する」のではないか。
 もちろん小生はよしこら右翼のような無責任人間でもなければ、北朝鮮シンパでもないので「先行させた方が絶対に解決する」と無根拠に断言するようなことはしませんが。

 (ボーガス注:国交正常化議連には)与党からは、議連会長の衛藤征士郎氏と共に、石破茂*3が出席していた。北側一雄*4竹下亘*5両氏らも与党議員だ。

 「あれ、なんで自民党出席議員の二階*6幹事長、岸田*7政調会長、塩谷*8選対委員長、石原*9元幹事長、額賀*10政調会長の名前がないんですか?*11」ですね。
 よしこが「理由はともかく」、自民議員としては石破氏、竹下氏「だけ」を非難したいが故に彼らの名前「だけ」を出してるのが明らかです。よしこが石破を敵視するのはよくわかります。しかし、よし子的には「派閥として安倍支持を明言しない」竹下氏は敵扱いなんでしょうか?
 石破が旧竹下派出身ということで「竹下は石破支持に違いない、許せない」とでも思ってるのか?
 そして「安倍と距離を置いてる」というなら、岸田氏や石原氏もそうですが名前を出さないのはどういうことでしょうか?。
 いずれにせよ、いつもながら卑劣な野郎のよしこです。
 公明党についてはなぜか「井上*12幹事長」の名前は出てこず、北側元幹事長のみ名前をあげるよしこです。

 社民党福島瑞穂*13又市征治*14両氏が、立憲民主党阿部知子*15生方幸夫*16両氏らが、共産党からも複数が出席した。

 ほかの党の議員と違って名前なしで「複数」て(苦笑)。共産議員の名前を出されなかったことを「特定の議員がウヨの攻撃対象にならなくてよかった」と喜ぶべきか、それとも「よし子に馬鹿にされてる」と怒るべきなのか、それが問題だ(ハムレット風に)。
 また国民民主からも増子輝彦*17が出席しているのに、名前を挙げないよし子は実に卑怯者です。国民民主批判をしたくないのでしょう。

 金丸氏*18が訪朝した当時、拉致問題はようやく明らかになりはじめていたが、氏は金日成主席に拉致に関して何も質さなかった。

 証拠がなければただせないでしょうねえ。なお、金丸訪朝で、北朝鮮に拿捕、身柄拘束されていた「第18富士山丸船長、機関長」が日本に帰国できたことを触れておきます。よし子らウヨは故意に「こうした金丸訪朝の成果」を無視しますが。


朝日新聞田中均氏、対北朝鮮「各国に圧力の網、芸ない」講演概要』
https://digital.asahi.com/articles/ASL735JJ9L73UTFK00Q.html

 安倍(晋三)首相という人は北朝鮮に対する強い姿勢を前面にかざして首相への階段を上っていった。北朝鮮が脅威であるということを前面にかざして選挙に勝った。これは国内政治としては分かる。でも国内に威勢のいいことを言うのが外交じゃない。国益にかなう結果を作ることだ。
 「拉致問題を自分の内閣で解決する」と言って、なぜ解決できていないのか説明しているか。

 全くその通りですね。「外交を党利党略的に利用して、ポピュリズムをあおり選挙に勝つというのは国内政治としてはありかもしれないが、それは外交じゃない」。
 まあ、田中氏もずいぶんと安倍に厳しく言ったもんですが、安倍のせいで外務省を追放されればこう言いたくもなるでしょう。奴は何の外交成果もあげてないわけですからね。
 しかしこういう田中氏を敵視して安倍だの救う会だのにのめりこみ、あげく蓮池透氏除名ですから家族会のバカさには心底呆れます。

 北朝鮮との外交で一番大事なのは、相手を信じられないので、ありとあらゆる手立てを打ち、真実を突き止めることだ。だから北朝鮮との合同調査団を作り協力させる。平壌に日本政府の連絡事務所を作り、恒常的な仕事として拉致被害者の捜索にあたるべきだ。

 おっしゃるとおりで救う会、家族会がそんなに北朝鮮を信用できないのならそれこそ「合同調査委員会でリアルタイムで北朝鮮に突っ込む」「その前提として常駐事務所を置く」つう話に賛成すべきですよね。反対する意味がわからない。

 北朝鮮は一夜にして非核化することはない。核の切り売りで核兵器を少なくし、核施設を廃棄していくことで、米国の安全を買っていくプロセスに入っている。だから米国も日本も北朝鮮との国交正常化にはすごく時間がかかる。

 だからこそ「時間を大切に使うべき」なのに小泉訪朝後の15年間を無駄に空費した以上もはや「拉致は諦めた方がいいんじゃないか」「家族会の自業自得だから仕方がない」とすら思います。
 まあ、田中氏は「だからこそできるだけハイペースで外交しよう」といってるのに当の家族会が「功を焦ってはいけない」なんてぼけたこと抜かしてるんだからどうしようもない。

 俺の言ってた北朝鮮への圧力が効果を上げたんだ、といまだに各国を回って圧力の網を作るのはあまりに芸がない。

 圧力なんてもんにこだわってるのは米国くらいのもんですよ、米国以外はどうでもいいと思ってるし、中露に至っては経済支援してる。そういう状況を無視して「日本はすごいんだ」といっても何の意味もない、て話です。
 まあ、安倍的にはそれで家族会連中をだまくらかして、あの連中を「安倍親衛隊に使えればそれでOK」なんでしょうが。


産経
■【激動・朝鮮半島平壌で南北バスケ大会、金正恩氏の姿はなく… 板門店では山林復興を協議
https://www.sankei.com/world/news/180704/wor1807040028-n1.html
■【激動・朝鮮半島北朝鮮が卓球の韓国オープンに選手ら25人派遣 北選手の韓国オープン参加は初
https://www.sankei.com/world/news/180706/wor1807060054-n1.html
 まあ、書くことが「いつもの繰り返し」で新味がなく恐縮ですが「こういうことで南北緊張緩和が進むといい」、そう思います。


■日経『生物・化学兵器も廃棄を 河野外相、対北朝鮮で』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32560550T00C18A7PP8000/
 「何だかなあ」ですね。非核化も進んでいない今、こんなことを言うのは「日本は『非核化が実現するかもしれない』となったら、制裁を正当化するためにハードルをどんどん動かして行く国だ、日朝交渉もやる気がないのだ」と疑われても文句は言えないでしょう。なんとも政治センスがない。

 河野氏は「北朝鮮の核保有に何のおとがめもないと『じゃあうちも核を持とう』という国が出てきて世界が不安定化する」とも強調。核不拡散体制の維持を訴えた。

 「インドとパキスタンの核保有に事実上、おとがめがないこと」や「なぜそもそもいわゆる核保有五大国(米英仏中露)ならもっていいのか」を考えると「北朝鮮が核保有していい」とはいいませんが、素直にはうなずけない言葉です。
 むしろ「インドやパキスタンにおとがめがないこと」が北朝鮮に「じゃあうちも核を持とう」と思わせたんじゃないのか。


■産経【異論暴論】正論8月号好評発売中 米朝首脳会談の真実 米に代わる朝鮮半島覇者は
https://www.sankei.com/column/news/180703/clm1807030006-n1.html
 「米に代わる」も何もいつ「朝鮮半島覇者」なんてもんが生まれたのか。
 韓国にしても北朝鮮にしても他国(米中露など)の属国ではないでしょう。

 大特集「ここでしか読めない米朝首脳会談の真実」では、元外相で自民党副総裁の高村正彦*19と杏林大名誉教授の田久保忠衛氏、ジャーナリストの櫻井よしこ氏、福井県立大教授の島田洋一氏が、激しい討論を繰り広げた。

 高村もよくこんな非常識右翼連中と対談できるもんです。安倍が高村を重用するのもよくわかります。
 これが福田康夫*20河野洋平*21なら「彼らが対談を引き受けない」以前にそんな話が産経から来ないでしょう。
 なお、高村派というのは「人脈的には三木武夫*22派に当たる」のだから絶句します。三木はこんな右翼ではないのですがねえ。
 それにしても産経が田久保らの肩書きを「日本会議会長(田久保)」「国家基本問題研究所理事長(よしこ)」「救う会副会長(島田)」などと書かずに「右翼隠ししてる点」が滑稽です。


■大森勝久ブログ『お願い:私のブログ掲載文の入力をしてあげましょうという方、ご連絡いただけないでしょうか』
https://ameblo.jp/omorikatsuhisa/entry-12386408494.html

 私の主張に共鳴されて、共に戦っていきましょうと思ってみえる方はいらっしゃると信じています。
 お願いがございます。そのような人で私の論文のパソコン入力とそのファイルをブログ(「新・大森勝久評論集」)の管理者(荒木和博様)へ送信する作業をやってあげましょうという方は、以下のところへご連絡いただけないでしょうか。
 政治論文の執筆は月に1度です。まれに裁判(再審請求)やそれ以外の随筆(このふたつは短い文です)を書くこともあるかと思います。
・ご連絡先 kumoha551@mac.com (荒木和博)
2018年5月30日記
大森勝久

 「はあ?」ですね。
 こんなん荒木が自分で責任を持ってやるべき話でしょう。当初はそうしていたわけですし。
 こんな不特定多数に呼びかける必要なんかどこにもない。荒木本人が自分で入力をやるか、それが多忙で無理というなら、荒木が知り合い全てに声を掛けて頼むか、あるいはいっそ荒木が「そういう入力作業をしてくれる業者でもカネで雇って入力してもらう」なりして。まあ、この程度の作業ならおそらくカネも大してかからないでしょう。
 というかいったん大森氏の依頼を引き受けた以上、途中で「荒木の自分勝手な理由」でサイト更新を停滞させるなんてとんでもない話です。そんなんだったら最初から依頼を受けるべきではない。
 そもそも、こんなことしても応じる人間が出てくる可能性は低いでしょうねえ。何せこの文面では「作業に対していくら払います」「入力を依頼する論文の分量はこれくらいです(例:400字詰め原稿用紙四枚分など)」など具体的なことはほとんど何一つ書いてない。
 「仕事の内容も詳しく説明しない上に、金の支払いについても書いてない。馬鹿にしてるのか!」「まさかただでやらせようと思ってるのか!」「そういう入力業者に金を払って頼めばいいじゃん!」と思うのが普通の人間です。
 結局、「荒木本人が入力したか、他に頼んだか」はともかく、当初は大森氏の論文とやらを入力していた荒木も「理由はともかく」考えが変わり「大森のくだらない論文なんか、俺は忙しいのに入力してられるか!」「こんなん誰か知人友人に入力を頼んだり、金払って業者に入力頼むのも面倒くさいわ!」に変わってしまった。まあそう考えるのが一番自然でしょうねえ。荒木も全く無責任な男です。
 で荒木がまるで入力しないことに、さすがに大森氏も「いつ入力するのか!」と問いただした。
 それで今回の呼びかけでしょう。まあ、大森氏もさすがにこんな呼びかけに意味があるとは思ってないんじゃないか。思ってたらただのバカです。
 とはいえ、死刑囚で獄中にいて移動の自由がない彼にとっては荒木に「うるさいわ、そんなにぐちゃぐちゃ言うならお前なんかと誰が付き合うか!」と居直られたら打つ手がない。再審請求が通らない限り外に出られませんから。荒木以外に彼とつながりがある人間などおそらくほとんどいない。
 でこの荒木の「呼びかけ」についても「そんな呼びかけに意味があるんですか!」などとはいえず「よろしくお願いします」になってしまったと。まあ、なんとも哀れな御仁です。
 それにしても「2018年6月26日日付の記事」に

2018年5月30日記

と書いてあるのも酷い話です。つまり荒木はこの程度の短い文章を載せるのに約1ヶ月も放置したわけです。どんだけ不誠実なのか。
 つうか俺ならこの「2018年5月30日記」なんてのは削りますよ。こんなもん掲載したら「俺は2018年5月30日記の文章を、それも大して長くもない文章を、相手が死刑囚で獄中にいて抗議しづらいのをいいことに、すぐに掲載しないで約1ヶ月も放置する無責任男です」と自白してるのも同然ですから。
 しかし、「獄中にいて移動の自由がない」立場の弱い大森氏が荒木と付き合うのはまだわかりますが、家族会が荒木と付き合うのはさっぱりわかりません


■大森勝久ブログ『最大の脅威は中国とロシアであり北朝鮮ではない』
https://ameblo.jp/omorikatsuhisa/page-2.html

李克強*23中国首相が5月8〜11日訪日したが、安倍氏は李首相のほぼ全ての訪問活動に同行する厚遇ぶりを示した。安倍氏は中国の尖兵である。
・5月10日の日中首脳会談では、安倍氏は「日中はこの日をもって協調の時代に入った」と述べた。安倍氏はこのようにして日本の「対中」国防を解体しているのである。彼は中国の世界戦略のひとつの「一帯一路」に、日本が協力することを表明した。
・日本国家の危機が深く進行している。私たちは反日安倍氏を批判し打倒していかなければならない。

 「李首相訪日での安倍の振る舞いについて大森氏はくそみそに罵倒してくれるはずだ」という期待を裏切らない大森氏の悪口ぶりです。
 ただし、正直、「反中国右翼」なら、大森氏のような態度が本来普通で、福田康夫氏や河野洋平氏を中国にこびてるなどと悪口しながら、「安倍の態度については、だんまりで逃げ出す島田洋一福島香織」などが卑怯者の訳です。

・私たちは反日安倍氏を批判し打倒していかなければならない。「法の支配」を守り正義を貫くとは、そういうことだ。

 「法の支配を守るために安倍を打倒する」が「森友加計のような無法を認めない、許さない」という意味なら正しいのですがね。


ランボー
http://araki.way-nifty.com/araki/2018/06/news276530625-9.html

 拉致被害者救出に自衛隊を、というと映画の「ランボー」のようなことをイメージする人がときどきいます。

 ランボーと言っても最近の若者は知らないでしょうね。下手したらスタローンも知らないかもしれない。彼の全盛期って明らかに1980年代でしょうからねえ。
 ランボーとは「1980年代を代表するアクション映画スター」シルベスター・スタローンが一躍有名となったアクション映画作品の一つで「ランボー」(1982年)、「ランボー/怒りの脱出」(1985年)、「ランボー3/怒りのアフガン」(1988年)、「ランボー/最後の戦場」(2008年)と四作あります(以下、全て、ウィキペディアランボー」参照)。
 まあスタローンの出世作と言えば「ロッキーシリーズ」もありますがこれも最近の若者は知らないでしょう。
 ロッキーは「ロッキー」(1976年)、「ロッキー2」(1979年)、「ロッキー3」(1982年)、「ロッキー4/炎の友情」(1986年)、「ロッキー5/最後のドラマ」(1990年)、「ロッキー・ザ・ファイナル」(2006年)と六作あります。
 また現役引退後のロッキーがトレーナー(指導者)としてボクサーを育てるスピンオフ作品として「クリード:チャンプを継ぐ男」(2015年)、「クリード2」(2018年)があります(以上、ウィキペディア「ロッキー」参照)。
 第一作のランボーは「ベトナム帰還兵のランボー」が帰還後、戦争トラウマもあって人付き合いがうまくいかず、差別的な扱いを受ける中、怒りを爆発させ、警察や軍相手に暴れまくるつうだけの話です。別に救出作戦とか何もない。
 第二作「ランボー/怒りの脱出」はベトナム戦争・米軍捕虜救出話です。もちろん実際には交渉で取り戻したわけでランボー的な作戦なんかありませんが。
 第三作「ランボー3/怒りのアフガン」では「アフガンでのイスラムゲリラ」を支援していたランボーの元上官がソ連軍にとらわれたと聞き、ランボーが救出に向かうつう話です。
 第四作「ランボー/最後の戦場」ではミャンマー軍事政権に不当に拘束されたキリスト教NGOアメリカ人を救出しに向かいます。

 一方で「情報がないのに救出に行けるわけがない」とか「自衛隊法に定められていないから」という人も少なくありません。
 現実はそのどちらでもない、両者の間にあります。多数の、なおかつあちこちに分散していると思われる拉致被害者をまとめて取り返すことなど米軍でもできないでしょう。さらに彼らには家族がいる可能性もあります。

 「情報がないのに救出できるわけがない」で終わりですね。「自衛隊法に定められていないから」とかそう言う話ではない。世界最強の軍事大国米国ですら、北朝鮮に身柄拘束されたワームビア君を救出するのは軍事作戦ではなく外交交渉でした。
 そもそも「情報があっても救出できるか疑問」ですが。
 大体「あちこちに分散していると思われる拉致被害者をまとめて取り返すことなど米軍でもできないでしょう」と書きながら「救出作戦」を口にするのだから荒木も変な人間です。
 いずれにせよあの荒木ですら「ランボー的な作戦なんか考えてない」と言い訳するわけです。しかし実際には本当に救出作戦などしたら「ランボー的な戦闘」は不可避ですし、自衛官に死亡者が出る可能性も高いでしょう。

 何が起きるか分からない状態の北朝鮮から拉致被害者を連れて帰るのは現実問題自衛隊以外にはできません。

 いやだから戦争になったら救出のしようなんかありませんよ。拉致被害者の居場所がわからないんですから。
 そこで「やる気になれば情報もとれる、救出もできる」「やる気がないからそういうこと言うんだ」「やる前から失敗すること考えるバカがあるかよ(「勝つ自信がありますか」と聞かれ「戦う前から負けること考えて戦うバカはいない」と啖呵をはいたアントニオ猪木風に)」などといったところで何もどうにもなりません。そういう精神論でどうにかなる問題じゃない。
 精神論でどうにかなるなら「やる気があれば日本サッカー代表も、優勝候補(ドイツ、ブラジルなど)を倒して今開催中のW杯で優勝できる」でしょう。もちろんそんなことはない。優勝するにはそれなりの強化策が必要です。日本が「優勝できないとはいえ、ワールド杯グループリーグには進出できる」程度には強くなったのも強化策の成果です。
 つうか「やる気を出す」ならそんなことではなく外交による救出にやる気を出すべきでしょう。
 ところが一番現実性が高い外交での救出については「北朝鮮が外交に応じる可能性が低い」などと荒木は言い出すのだから呆れます。

 予備役ブルーリボンの会(私が代表を務めています)では先日元自衛官予備自衛官だけで下記のような署名を集め防衛大臣はじめ関係各方面に送りました。これについて7月7日にシンポジウムも都内で開催します。
拉致被害者救出への自衛隊の活用を求める元自衛隊員・予備自衛官等の署名

 ばかばかしい。こんなもん安倍も相手にしないでしょう。


■国基研『最善シナリオでも中国の属国出現―朝鮮半島非核化』西岡力
https://jinf.jp/weekly/archives/23052

 私なりにこの取引を解説すれば、トランプは金正恩に対する斬首作戦(軍事攻撃)を、金正恩が完全な非核化を実行する間は控えるということだ。

 もはやトランプは斬首作戦なんてもんは考えてないでしょう(いやそもそも最初からそんなもんを考えていたのか自体疑問ですが)。
 現実問題、そんなことはできるわけがない。

 核ミサイルの開発を続けてきた目的は、韓国を赤化併呑することだった。

 何度も「そんなこと、北朝鮮の今の国力でできるわけねえだろ」と書いていますがよくもまあこんなモロバレのデマがほざけるもんです。まあこの種の与太は西岡だけでなく高世仁など他の連中も言っていますが。
 もちろん多くの人間が指摘するように目的は「体制保障のため(米国の侵攻を防ぐため)」ですね。
 イラン、イラクリビア、中国の過去の核開発計画と話は同じです(このうち中国のみが核保有に成功)。中国の場合はソ連との対抗という要素もあるでしょうが。決して「台湾侵攻のため」ではない。
 そもそも「赤化統一のため」なら「残留放射能で自軍の兵士が被害を受ける上、国際的非難も浴びる」核兵器程それに不適切な兵器はない。
 赤化統一したいなら通常兵器を強化するでしょう。米国への対抗だから核になるわけです。通常兵器で米国に対抗することなんて、北朝鮮のような小国にはまず無理ですから。

 金日成は連邦制による南北統一の前提条件として、①「南朝鮮」の民主政府樹立*24、国家保安法廃止、共産党合法化、②在韓米軍撤退、米韓同盟解消―を挙げてきた。①は文在寅政権の登場でほぼ実現した。

 国家保安法廃止も共産党合法化も実現していないのにどこが「ほぼ実現した」のか。

 金正恩がそれを実行すれば、米国は北朝鮮と平和条約を結び、国交を正常化する。それが実現したら、左傾民族主義が支配する韓国では、国民の支持を得て米軍撤退、米韓同盟解消を実行するだろう。だから、金正恩はトランプにそれを求める必要がない。

 まあ、「米国との国交樹立が実現すれば在韓米軍の性格も大分変わる(脅威でなくなったとまではいえないだろうが脅威度は下がるから撤退を求めなくてもいいのではないか?)」とか「米国との国交樹立すら実現しないのに在韓米軍撤退を求めても実現しないだろう」とか言う判断はあるでしょうね。だから現時点で在韓米軍撤退なんか主張しない。
 ただし「国交樹立すれば当然に在韓米軍が撤退する」なんてことは彼も考えてないでしょう。


■安上がり
http://araki.way-nifty.com/araki/2018/06/news276430623-4.html

 昔から「自主防衛はコストがかかりすぎる。米国との同盟関係で防衛した方が安上がりだ」との話がありました
 しかし最近、私はこの理屈には疑問を禁じ得なくなってきました。

・「日米安保は安上がりではない」と珍しく荒木が「まとも」です。
 とはいえ拉致問題日米安保は関係ないのに「米軍は高い米国製武器を自衛隊に購入させるばかりで、なぜ米軍で拉致被害者を救出しないのか」などとバカを言い出す前振りが「日米安保は安上がりではない」であることを考えると「カギ括弧付きのまとも」ですが。
・日米同盟の是非はともかく現実問題、軍事費は安上がりにはなっていません。理由は簡単で米国と同盟した場合、米国から軍事費増加要求をされてそれに応じた場合、どんどん軍事費がふくれ上がっていくからです。実際に日米同盟で起こったことは「米軍の軍拡要求に日本が応じる歴史」でした。まあ日米安保がなければ軍事費が安く済んだ保障はありませんが、日米安保が軍事費増加を助長したことは確かです。
 そもそも戦前の日英同盟にせよ日独伊三国同盟にせよ、あるいは「旧東側のワルシャワ条約機構」や「米国中心のNATO」にせよ軍事費軽減には役立ってないでしょう。それどころか日独伊三国同盟に至っては「ドイツがいるから怖くない」と米国相手の日本の開戦を助長すらしました。

平本敏昭
◎失踪年月日: 昭和25(1950)年9月21日
・母親の墓が北朝鮮にあったので遺骨を持ち帰るために何らかの方法で北朝鮮に渡った可能性もある。

 呆れて目が点になりました。それ、果たして事実だとして自分から訪朝したのに拉致といえるのか。
 しかも「1950年9月」といえば朝鮮戦争の真っ最中です。戦争に巻き込まれて命を落とした「だけ」ならばそれこそ拉致とはいえないでしょう。
 いやもちろん「訪朝した」という保証はどこにもないのですが。そもそも朝鮮戦争中に訪朝してわざわざ命の危険を冒すとも思えませんので。


ミウォド タシハンボン
http://araki.way-nifty.com/araki/2018/06/news276330621-9.html

◎氏   名:平本和丸
◎失踪年月日:昭和23(1948)年7月

 呆れて目が点になりました。北朝鮮の正式な建国が「1948年9月」ですから荒木は「建国前から拉致があった」といってるわけです。しかももちろん根拠レス。


櫻井よしこ米朝山場、日本は官民あげて拉致解決を』
https://yoshiko-sakurai.jp/2018/06/21/7492

 6月10日、交詢社の第10回オープンフォーラムの基調講演で河野太郎外務大臣が語った。
「日本には多くの誤解に基づく解説が溢れています。トランプ政権内にポンペオ国務長官ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)の、対北朝鮮宥和派と強硬派の対立があるなどと言われていますが、それはありません。米国政府内で基本方針は共有されています。最大限の圧力という言葉をトランプ大統領が使わなくなったので宥和策に傾いているとの指摘も間違いです。北朝鮮が核を放棄しない限り、現行の制裁は緩めない。ただ、交渉のテーブルにつこうとしている今だから、『最大限の圧力』と言わないだけです」
 12日からの米朝首脳会談の行方は、会談前日の段階でも予測困難な面はあるにせよ、河野氏の見通しは日本にとって心強い。

 6/12の会談結果(例えばトランプが米韓軍事演習の当面の中止を発表など)はこうした河野の発言「トランプは融和策ではない」が事実に反することを証明したと言っていいでしょう。
 というか

(ボーガス注:首脳会談という)交渉のテーブルにつこうとしている今だから、『最大限の圧力』と言わない

というのは融和策その物ではないのか。週刊新潮6/21号コラム、つまりトランプの交渉結果がわかる前のコラムとはいえ、こんなもんを交渉結果判明後「何の補足説明もしないで」自ブログに掲載するよし子もなかなかの非常識です。
 なお、ポンペオが融和派で、ボルトンが強硬派で、お互い対立しているかどうかはともかく、融和派と強硬派の対立それ自体はあるでしょう。今回はその中でトランプが一定の融和策をとったと言うことです。

トランプ氏は「拉致問題は、首相にとって重要なことだと理解している。首相の望みに沿って、絶対に、絶対に北朝鮮との議題にする」と強調した。

 議題にはするでしょう。ただし「一応安倍の要望を金正恩に伝えました」程度のものでしかないでしょう。

客観的に見て、私たちはいま、拉致の解決に最も近づいている。

 いやいや小泉訪朝直後が一番近づいたときですね。しかしそれは反北朝鮮世論を煽る救う会とそれに加担する家族会、およびそれに踊らされた国民世論によって、「政権支持率低下」を恐れる小泉氏が日朝交渉の意欲を失い、挫折しました。今はそれに比べたら少しも近づいていない。もちろんトランプが融和外交に乗り出したことで、安倍の北朝鮮強硬論が維持しがたくなったと言うことはありますが。

 1977年から78年にかけて、久米裕さん、横田めぐみさん、増元るみ子さんらが次々に拉致された。それから41年、ご両親や兄弟姉妹、多くの日本人がどれ程心を焦がしても、被害者を取り戻せなかった。

 「おいおい、蓮池夫妻、地村夫妻、曽我さんは取り戻してるだろ!」「蓮池夫妻、地村夫妻、曽我さんのご両親や兄弟姉妹(例:蓮池透氏)の存在はどこ行ったんだ?」ですね。まあ、よしこが言いたいことはなんとなく解ります。「5人以外は返ってきてない」つうことでしょうが、それを

 ご両親や兄弟姉妹、多くの日本人がどれ程心を焦がしても、被害者を取り戻せなかった。

と表現するのはおかしいでしょう。
 よしこが「蓮池夫妻らの帰国」を「本当に良かった」と思っていればいくら何でも

 ご両親や兄弟姉妹、多くの日本人がどれ程心を焦がしても、被害者を取り戻せなかった

などとは誤記(?)しないでしょう。
 少なくとも

 ご両親や兄弟姉妹、多くの日本人がどれ程心を焦がしても、蓮池夫妻、地村夫妻、曽我さんを除いて被害者を取り戻せなかった

とでも書いたはずです。
 この一文でよしこが拉致問題を真面目に考えていないことがモロバレです。こういうのを「問うに落ちず、語るに落ちる」といいます。しかし週刊新潮の編集も何で俺みたいな事を指摘して書き直すように言わないんでしょうか?。それとも「書き直してくれ」といったのによし子が無視したのか。

 核・ミサイル問題が正しい方向で解決に向かうとき――このこと自体を確認するのにかなり難しい作業が必要で容易ではないが、それが担保されたとして――国際社会は北朝鮮への制裁緩和に向かうだろう。
 トランプ氏はすでに、北朝鮮が戦略的に完全非核化の道を選べば、繁栄する未来が開ける、北朝鮮には支援が与えられるが、その資金は米国ではなく、韓国や中国、日本が払うだろうと語っている。米国のみならず、中国、ロシア、韓国も含めた国際社会は日本に支援せよと迫るだろう。そのとき、しかし私たちは拉致被害者全員を帰さない限り、資金は出さないと、声をひとつにして主張すべきだ。

 ばかばかしい。そんなことを言っても何がどうなるもんでもない。
 仮に非核化が進んで、北朝鮮に見返りに経済支援しようという場合、その態度では、米国、中国、韓国、ロシアは「ああ、そうですか。じゃあ日本は出さなくていいですよ。我々で出しますから。ただし今後一切、非核化問題で口出ししないでください。」となるでしょう。
 そして北朝鮮は「結局日本は拉致問題が解決したいんじゃなくてそれ口実に制裁したいだけだ」と思って日本との交渉意欲を失うでしょう。まあ、それでいいってのがよし子なんでしょうけど。

 これまでの日本の世論、朝日新聞をはじめとするメディア、野党や親北朝鮮の人々の主張を思い出せば、このような場面になると必ず、彼らは「日本だけが取り残される」と批判し、だから早く援助の輪の中に入れと言うであろう。いまでも「圧力と言い続ける安倍政権は蚊帳の外」「北朝鮮に会ってももらえない」という批判がある。

 いや実際「蚊帳の外」「取り残されてる」でしょうし、それはいいことではないでしょう。もちろんそうした主張は親北朝鮮でも何でもない。現状においてよし子のような主張には何の説得力もありません。トランプが北朝鮮強硬論ならまだ説得力もあったでしょうが、「将来はともかく」少なくとも現時点では彼は融和策に傾いています。

 正恩氏を対話の席に導いたのは、斬首作戦もあり得ると、正恩氏に認識させた米国の圧力戦略である。その必要性を繰り返し、トランプ氏に説いたのが安倍晋三首相である。蚊帳の外というより、対北朝鮮戦略の重要な部分を担ってきたのが安倍政権だ。

 やれやれですね。当初、米朝首脳会談に消極的、否定的だった安倍が「米朝交渉の立役者」だそうです。デマも甚だしい。米朝の交渉の立役者は誰が見ても文在寅大統領でしょう。
 もしかしたら、習近平国家主席プーチン大統領も「金正恩を説得する」という形で貢献したかもしれない。少なくとも安倍なんか貢献していません。
 そもそも米朝首脳会談後、トランプが「米韓合同軍事演習の当面の中止」を発表したように米国がよし子が言うような「脅し路線一辺倒」ではありません。

 2002年9月、小泉純一郎首相(当時)が金正日国防委員長と発表した右の宣言は、実は「拉致」には直接触れていない。
 ただ、第3項に日本国民の生命と安全にかかわる懸案について、北朝鮮側は、「日朝が不正常な関係にある中で生じたこのような遺憾な問題が今後再び生じることがないよう適切な措置をとることを確認した」と書いてあるだけである。

 こう言うのを詭弁と言います。
 日朝平壌宣言http://www.kantei.go.jp/jp/koizumispeech/2002/09/17sengen.html)のこの部分は、前後の文脈から「日本国民の生命と安全にかかわる懸案問題」「このような遺憾な問題」が拉致を指すことは前後の文脈から明白です。単に北朝鮮のメンツに配慮して遠回しに表現しただけです。まあよしこは「そんな配慮必要ない」というのでしょうが。

この部分は拉致被害者を指しているとも解釈できるが

 いやそれ以外に解釈しようがないでしょう。他にどんな「日本国民の生命と安全にかかわる懸案問題」「このような遺憾な問題」があるのか。

もう拉致はしないというだけでは不十分で、被害者は全員返してもらわなければならないという世論をこそ盛り上げたい。

 これまた詭弁ですね。
 「このような遺憾な問題が今後再び生じることがないよう適切な措置をとる」に拉致被害者帰国が含まれないわけがない。

「全員」とは何人か。帰国した人々が全員かどうかをどう確認できるのかと問う声もある。

 常識的に考えれば「政府認定拉致被害者全員」でしょうね。
 政府が拉致と認定していない人間を全員に含めることは異常です。ただし政府認定拉致に限っても「実際問題、全員帰国はない」でしょう。小泉訪朝時点で死んでる拉致被害者もおそらくいる。それはもうしょうがないでしょう。
 正直、小泉訪朝時の路線「北朝鮮は生存拉致被害者は5人しかいないという主張を覆す材料もないから、ひとまず受け入れる」「日朝国交正常化交渉を進める」「北朝鮮の『5人しかいない』という発表を覆す材料が出てきたらそのとき改めて交渉する」を採用し続ければ、小泉訪朝(2002年)後、15年もの歳月を無駄に空費することもなかったでしょう。

 帰国者全員から聞き取り調査をして、拉致された被害者の情報を収集することで、「全員」帰国を北朝鮮が誠実に実施したかどうかは検証できる。

 それを蓮池氏ら帰国時にやったのが小泉政権じゃないんですかね。とはいえその結果は「北朝鮮の主張には疑問もあるが、覆すだけの材料もないから死亡発表をひとまず受け入れる」だったのでしょう。

 そのことを確認した後、初めて私たちは国交正常化交渉に入れる、それまでは入らないという国民の意思が、ここでも大事である。

 下にも「小此木政夫氏意見へのコメント」として書きましたがむしろ拉致問題解決より国交正常化を先行させるべきではないか。
 なお、よしこらが「拉致ガー」というのは単に

・生存拉致被害者はもはやいない(あるいはいても『重病でとても帰国できない』)
・しかし『粛清した』『ひどい生活環境で病死した(あるいは帰国できないレベルの重病になった)』などの問題があり、死亡理由や「生きていても帰国できない理由」を詳細に説明すると拉致被害者家族や日本国民の反発を買う恐れがあるため、北朝鮮は死亡理由や帰国できない理由を詳細に発表しないだろう

との憶測を元に「北朝鮮拉致被害者帰国も、拉致被害者の帰国できない理由(死亡や重病など)の詳しい説明もできない」と判断したよし子らが国交正常化妨害のネタとして持ち出してるに過ぎません。
 正直よし子らは拉致被害者が全員生存していて帰国可能とは少しも思ってないでしょう。


■私はだまされない
http://araki.way-nifty.com/araki/2018/06/news276230620-e.html
 NHK首都圏ネットワーク・ストップ詐欺被害(http://www.nhk.or.jp/shutoken/stop-sagi/)みたいなタイトルですが、それはさておき。

 安倍総理は家族会の方々に「私は北朝鮮にだまされない。1994年から拉致問題に取り組んできたが、何度もだまされてきた。北朝鮮のだましの手口は分かっている」と語ったそうです。

 むしろ北朝鮮の方が「拉致を認めれば国交正常化の用意があると言うから応じたのに日本にだまされた」「日本のだましの手口はよくわかった。二度と騙されるか」であり、また、安倍こそが「拉致解決するする詐欺」で家族会を長年騙してきたのですが、それはさておき。
 交渉相手に「騙す」云々と言うこと自体交渉する気が疑われますが、それがよりにもよって北朝鮮を騙した安倍です。向こうが交渉意欲を大いに失ってることは間違いないでしょう。


■国基研『拉致めぐる北の謀略戦に勝ち抜け』西岡力麗澤大学客員教授モラロジー研究所歴史研究室長)
https://jinf.jp/feedback/archives/23029

 2002年、当時の小泉純一郎首相訪朝時に外務省は、秘密協議で国交正常化後に提供できる経済協力の規模を100億ドル(約1兆1000億円)と伝えていた。これは当時、平壌の中枢部にいて、現在韓国に亡命した複数の元高官らが口を揃えて証言している。

 政府、外務省、与党、小泉氏など日本側は皆否定してるし、一方、脱北者北朝鮮などへの敵意から当然あることないこと言うでしょうから真偽は不明です。
 まあ真実だとしても俺は小泉氏らを非難したりはしませんが。むしろ「そこまで政治的覚悟してくれたのか」と思い感激するとともに「やっぱバーター取引しか現実的手段ねえんじゃん」「1兆1000億円で戻ってくるのなら別にそれでいいんじゃねえの?。韓国との国交正常化時にカネ出してる以上北朝鮮相手に一切出さないなんて無理だし。大体そのカネの一部は、日本企業が後で仕事を北朝鮮政府から受注するんでしょ?」と思うだけですが。
 まあ今だと物価上昇でもっと高くなるのでしょうが。

 小此木政夫*25慶応大学名誉教授と中西寛*26京都大学教授による6月14日付毎日新聞の識者座談会での発言だ。
 小此木氏は、日本政府の「拉致と核ミサイル問題が解決した後、国交正常化をする」という方針を批判して、北朝鮮が主張するより前に国交正常化を持ちかけるべきだとして、以下のように述べている。そこでは、拉致問題を「家族の要請」の問題と矮小化し、国家犯罪による主権と人権の侵害という本質を無視している点も見逃せない。
 ≪小此木氏 今の日本は、拉致問題、核とミサイル問題を解決してから国交正常化という方針だ。核・ミサイルは北朝鮮が行動に移さないと解決にはならない。拉致問題は被害者家族の要請が非常に強い。間違いなく難しい状況になってゆく。北朝鮮は、日本と優先順位が逆で、国交正常化をまず先に要求する。日本が優先順位を再調整するくらいの覚悟が必要だ。≫

 家族会と救う会は小此木氏に悪口するだけでしょう。実際、この西岡の記事も「北の謀略戦に勝ち抜け」と、小此木、中西氏を「北朝鮮の走狗扱い」という酷い代物ですが、小生も同感ですね。国交正常化が先行した方がいいのではないか。それにしても毎日新聞にこんな記事が載るとは潮目は変わりつつあるようです。

 一方、中西氏は、政府が被害者の生存を前提としていることに疑問を呈し、死亡の証拠が何もない現段階で死亡を受け入れよと言っている。その上、拉致解決なしに経済支援しないという政府方針に反対し、非核化のための経済支援を拉致解決前に実施せよと迫っている。
 ≪中西氏 北朝鮮を信用できないから拉致被害者の生存を前提にする交渉手法も分からなくはない。だが不幸にも死亡していた場合はどう決着するか、日本の外交関係者は明確にする必要がある。結局、日朝平壌宣言の基本趣旨である、懸案を解決して国交を正常化するとの方針に立ち返ることになるだろう。国交正常化交渉と並行して、非核化で日本が一定の役割を果たすというのが、今考えられる最善ではないか。拉致の解決なしに経済支援をすれば世論の反発も強いが、非核化(ボーガス注:を理由とした経済支援?)は正当性があり、朝鮮半島に関わる重要なチャンネルになる。≫
 このような声が大きくなれば、来るべき日朝協議で、「拉致解決なしに支援はなし」「解決とは全被害者の即時一括帰国」と迫る安倍総理の立場が弱くならざるを得ない。重大な利敵行為ともいえる発言だ。

 なおこの中西寛という御仁は「高坂正堯*27・京大教授の弟子*28」で「第2次安倍内閣の『安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会』の有識者委員」という人物です(ウィキペ「中西寛」参照)
 また最近も

https://www.sankei.com/politics/news/180622/plt1806220030-n1.html
近現代史を検証する自民党の「歴史を学び未来を考える本部」は22日、専門家による講演録を今秋をめどに販売する方針を決めた。
・この日は京大大学院の中西寛教授が「ポスト平成に向けた歴史観の問題」をテーマに講演した。

だそうです。
 つまり、明らかに改憲右派であり左派ではない。そんな人物でも常識があれば「拉致被害者生存の保障はどこにもない*29」とか「トランプの非核化に日本は協力すべきだ」などというわけです。
 しかし「第2次安倍内閣の『安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会』の有識者委員」、つまり安倍に近いとみられる中西のこうした発言はもしかしたら安倍の意を呈したものかもしれません。
 そういう意味で西岡ら救う会は中西発言に「安倍の裏切りの危険」を感じておびえているのかもしれません。まあ安倍や菅も最近「IAEAの査察費用なら日本が支出してもいいと思う」と中西に近いことをいってますからね。


■トランプと金泳三
http://araki.way-nifty.com/araki/2018/06/news276130618-a.html
 今時、金泳三大統領の批判なんかしても全然現実的じゃないし、彼、荒木程の極右ではないとはいえ、金大中盧武鉉に比べたら全然北朝鮮に融和的じゃないんですが。

金泳三は前回、昭和62年(1987)の大統領選挙で盧泰愚に破れ、その後打倒すべきだったはずの盧泰愚と手を組み、やがてその党を乗っ取って大統領に当選しました。

 どういうことかというとこういうことです。

民主自由党ウィキペディア参照)
・民主正義党(以下、民正党)の盧泰愚大統領は、民主党の金泳三、平和民主党(後に、民主党)の金大中共和党金鍾泌と個別会談(1990年1月11日〜13日)を行った結果、金泳三、金鍾泌と党合同をすることに合意した。そして1990年1月22日に民正・民主・共和3党の合同を宣言、2月9日に合党大会を開催して民主自由党(以下、民自党)が正式に発足した。5月9日に全党大会を開催、総裁に盧泰愚、代表最高委員に金泳三を選出した。1992年の大統領選挙では、党内における主導権を確保した旧民主党の金泳三代表最高委員を候補者として擁立し、民主党金大中候補に200万票近くの大差をつけて当選することができた。
・結党当初から旧党派間での主導権争いが絶えず、金鍾泌は1995年2月に民自党を脱党して翌3月に自由民主連合(自民連)を結成した。

 なお、これに似た「昔の対立を水に流して協力」は金大中大統領でもあって彼は一時「朴チョンヒ政権で、KCIA部長、首相を務めた金鍾泌」を首相にしたことがあります。
 つまりは「金鍾泌首相任命の是非」はともかく、金大中氏は荒木らが言うような北朝鮮シンパじゃないと言うことです。もっと現実主義の政治家ですね。現実を見据えながら、理想(太陽政策)を打ち出すというスケールの大きな政治家です。

*1:文化放送アナウンサー(文化放送を定年退職し、現在はフリー)。本名・野村邦夫。現在は文化放送『くにまるジャパン 極』(月〜金曜、9:00〜13:00)、『MAX・邦丸 Ride on Boat』(日曜日、16:00〜16:55)の司会を担当。

*2:ICBMはともかく「あらゆる」ではないのではないか。

*3:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相など歴任

*4:公明党政調会長、幹事長、小泉内閣国交相などを経て公明党副代表

*5:第三次安倍内閣復興担当相、自民党国対委員長を経て総務会長

*6:小渕、森内閣運輸相、小泉、福田、麻生内閣経産相自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)を経て幹事長

*7:第一次安倍、福田内閣沖縄・北方等担当相、第二次、第三次安倍内閣外相を経て自民党政調会長

*8:麻生内閣文科相自民党総務会長(谷垣総裁時代)などを経て選対委員長

*9:小泉内閣国交相自民党政調会長(第一次安倍総裁時代)、幹事長(谷垣総裁時代)、第二次安倍内閣環境相、第三次安倍内閣経済財政担当相を歴任

*10:小渕内閣防衛庁長官森内閣経済企画庁長官、小泉内閣防衛庁長官自民党政調会長(小泉総裁時代)、第一次安倍、福田内閣財務相など歴任

*11:もしかして「出席しなかったが役員には選ばれた」つう話でしょうか。それにしても二階氏らに触れないよし子は明らかに異常です。

*12:公明党政調会長、副代表などを経て幹事長

*13:鳩山内閣少子化等担当相、社民党幹事長、党首などを経て副党首

*14:社民党幹事長、副党首などを経て党首

*15:社会民主党政策審議会長、みどりの風代表代行、日本未来の党代表、民進党副代表などを歴任

*16:野田内閣環境副大臣民主党副幹事長など歴任

*17:鳩山、菅内閣経産副大臣民進党幹事長などを経て国民民主党幹事長代行

*18:田中内閣建設相、三木内閣国土庁長官福田内閣防衛庁長官自民党国対委員長(大平総裁時代)、総務会長、幹事長(中曽根総裁時代)、副総裁(宮沢総裁時代)を歴任

*19:村山内閣経済企画庁長官、小渕内閣外相、森内閣法相、第一次安倍内閣防衛相、福田内閣外相を経て、自民党副総裁

*20:森、小泉内閣官房長官を経て首相

*21:中曽根内閣科学技術庁長官、宮沢内閣官房長官、村山、小渕、森内閣外相、衆院議長を歴任

*22:片山内閣逓信相、鳩山内閣運輸相、岸内閣科学技術庁長官(経済企画庁長官兼務)、自民党政調会長、幹事長(池田総裁時代)、佐藤内閣通産相、外相、田中内閣副総理・環境庁長官などを経て首相

*23:中国共産主義青年団共青団)中央書記処第一書記、河南省長・党委員会書記、遼寧省党委員会書記、第一副首相などを経て首相(党中央政治局常務委員兼務)

*24:この発言が出た頃の韓国は朴チョンヒの軍事独裁政権です。

*25:著書『朝鮮戦争:米国の介入過程』(1986年、国際書院)、『日本と北朝鮮これからの5年:南北統一への視点とシナリオ』(1991年、PHP研究所)など

*26:著書『国際政治とは何か』(2003年、中公新書)など

*27:中曽根康弘首相の私的諮問機関「平和問題研究会」で座長を務め、防衛費1%枠見直しの提言を行なった右派文化人。著書『世界史の中から考える』(1996年、新潮選書)、『現代史の中で考える』(1997年、新潮選書)、『海洋国家日本の構想』(2008年、中公クラシックス)、『文明が衰亡するとき』(2012年、新潮選書)、『世界地図の中で考える』(2016年、新潮選書)など

*28:ちなみに島田洋一も一応、高坂の弟子の一人です。まあ中西氏と島田では明らかに差がついていますね。まあ島田は「弟子としてはできが悪い方」なので中西氏のような「自分より優秀な高坂の弟子(つうか島田程できの悪い弟子も他にいないでしょうが)」には嫉妬心や憎悪が強いでしょうね。

*29:言ってることは全くの正論ですがこの発言「拉致被害者の生存の保障はどこにもない、死亡も覚悟すべき」をするとほぼ確実に家族会と救う会から敵視されます。中西氏も確実に敵視されますね。