今日の産経ニュースほか(2019年12月5日分)(追記あり)

【正論】日韓関係悪化を止める唯一の道 麗澤大学客員教授・西岡力 - 産経ニュース
 勿論先ずやるべきことは「ホワイト国除外などの無法行為を安倍がやめること」です。
 それだけで全てが解決するわけではありませんが「無法な行為はすぐさまやめる」なんてのは最低限必要で、今すぐ出来ることです。しかし「日本政府は悪くない、全て韓国が悪い」という暴論をはく産経や西岡はもちろんそう言う立場ではありません。

・「安倍政権の言い分を全て韓国が受け入れればいい」という「是非*1以前にありえない馬鹿げたこと」
・「ロシアが今すぐ無条件で北方領土を返せばいい。そうすれば領土問題は解決」「北朝鮮が今すぐ無条件で拉致被害者を帰せば(以下略)」なみの「馬鹿げたこと」

を言い出すわけです。「産経、西岡、お前らは真面目に日韓関係を考えてるのか?。いやその前にお前らにはまともな脳みそがあるのか?。脳に障害でもあるのか?」と問いただしたくなるレベルです。


山口の失踪者家族会、解散へ 県人権調査に拉致項目なく…存続断念 - 産経ニュース

 (ボーガス注:特定失踪者)家族会は、県が実施する人権意識の調査に拉致問題を盛り込むよう求めてきたと主張しているが、今年7月の調査では設問はなかった。家族会代表で特定失踪者問題調査会が「拉致濃厚」とする山口県下関市の河田君江さん=失踪当時(23)=の母、奈津江さんは取材に「県の対応は不誠実で、これ以上活動をしても仕方がない」と話した。

 特定失踪者なんてもんは拉致ではないので「解散して良かった」のであり、大変嬉しいニュースです。
 しかし「安倍の地元・山口」なのに、特定失踪者家族の要請を断るとは意外です。断って当然だと思いますが。一般的な人権意識調査に拉致なんて項目をつくる必要はどこにもないでしょう。
 なお、解散理由は明らかに山口県への責任転嫁でしょう。本当は「(山口県に限らず)世間は特定失踪者なんて相手にしてない」「家族が高齢化している」などが本当の理由でしょうが、それを表向きの理由にしたくなかったのでしょう。山口県がどんな立場だろうが社会が支援してくれれば普通やめないでしょうからね。こういう責任転嫁をして恥じない辺り、救う会界隈も全くろくでもない連中です。


改正捕鯨法が成立 給食でのクジラ利用促進へ - 産経ニュース
 「全会一致って日本共産党も賛成したの?」「他の政党(自民、公明、立民、国民民主、社民、維新、れいわ)には期待してないからどうでもいいんだけど」とげんなりです。「学校給食での鯨肉利用の推進」とは事実ならば呆れて二の句が継げません。
 もちろん相対的には「日本共産党が一番まとも」というのが支持者としての俺の共産党評価ですが。


「市民感覚の軽視」 裁判員の死刑判断破棄6件目 熊谷6人殺害で無期懲役 - 産経ニュース
 埼玉県熊谷でのペルー人の「例の6人殺害」ですが、また産経の死刑万歳論です。別記事でも触れましたがこんなことに「市民感覚」なんてもんは必要ありません。
 そもそも「一審は心神耗弱を認めず死刑にしたが、二審は認めて無期懲役減刑したこと」のどこが「市民感覚」云々なのか。
 心神耗弱を認めて減刑するかどうかは「医学的診断を元に客観的に判断すべき」であって「一般的な量刑判断」とはまるで違います。
 「厳罰にしたいから心神耗弱を認めない。精神科医の判断なんか無視する」なんて馬鹿な話がどこにあるのか。

 1審はナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン被告の統合失調症による妄想の影響は限定的とみて完全責任能力を有していたと認定したのに対し、2審は統合失調症の影響で心神耗弱状態だったと判断した。
 東京工業大の影山任佐*2(じんすけ)名誉教授(犯罪精神病理学)は「市民感情からすれば1審は当然の判断かもしれないが、精神科医や法律の専門家から見れば、完全責任能力があったというのはあり得ない判断」とみる。

という影山教授の主張通りですね。死刑を求める遺族の気持ちは分からないでもないですが感情論で法制度は曲げられない。

 常磐大の諸沢英道元学長(刑事法)は「確かに裁判員は素人だが、法廷で精神科医の解説を聞き、目の前の被告と向き合い、被告は善悪を見極めることができたと判断した。その判断は尊重するべきだ」と指摘する。

などという諸沢某の方が間違っている。どうせ諸沢も産経と同類の「死刑愛好家」、常磐大学拓殖大学國學院大學などと同類のウヨ大学なのでしょうが。なぜ専門家の影山氏の主張よりド素人の判断の方が信頼出来ると強弁するのか。
 諸沢みたいなバカが大学教授の看板で

被害者学入門』(1998年、成文堂)
『被害者支援を創る』(1999年、岩波ブックレット)

なんて本を出してるようですから絶句しますね。
 この産経での酷い物言いからして「『被害者支援=厳罰論』つうクズ本なんだろう」つうことが予想できますが。しかしこんな奴の本を岩波が出してしまうのか(唖然)。
 それはともかく、そんなことを言うのでは「心神喪失で無罪」「心神耗弱で減刑」と言う制度自体が成り立たない。というか産経、諸沢、日本検察のような厳罰愛好家は「心神喪失心神耗弱」と言う制度をおそらく廃止したいのでしょうが。


【経済対策】「金額ありき」で策定 13兆円超の財政措置で“巨額対策”アピール(1/2ページ) - 産経ニュース
【経済対策】菅長官「思い切った財政政策講じる」 - 産経ニュース
 「思い切った財政政策」を叫べば叫ぶほど「アベノミクス失敗や消費税増税が契機に悪影響を与えてること(つまり安倍の経済失政)を事実上認めてること」になるのですが「景気悪化の危険性」を前にそんな面子を気にしていられる状況でないのでしょう。もちろん「桜を見る会疑惑」での支持率低下をこうしたばらまきでごまかしたいという思惑もあるでしょう。

【追記】
 予想の範囲内ですが12/6のテレビワイドショーは大々的に報じていますね。
 もちろん「政府の大規模経済対策を全く報じない」というのは不自然だから報じていい。
 しかし、それならば
1)桜を見る会疑惑など政権の問題点もきちんと報じる
2)今回の経済対策について多面的な観点(もちろん景気対策として効果が無いと思うなど、批判意見含む)から報じる
 それなしで経済対策について「政府がこういう経済対策を発表しました」という「ただの客観報道(?)」では「政府の宣伝」も同然でありマスコミワイドショーにはいつもながらげんなりです。


「 国会議員は中国の香港弾圧に物申せ 」 | 櫻井よしこ オフィシャルサイト
 記事タイトルが「日本政府は」でない点が安倍*3信者のよしこらしい。
 今が「細川*4、羽田*5の非自民連立政権」「鳩山*6、菅*7、野田*8民主党政権」「自民党政権でもよしこが嫌ってる福田康夫*9政権」なら、ためらいなくタイトルを「日本政府」にしたのでしょうがね。
 「習主席訪日を要請する安倍政権も問題だが、それを批判しない大多数の国会議員も問題だ」という腰の引けた形でしか安倍批判できないよしこです。

*1:勿論俺は是だと思いませんが。悪いのは安倍の方です。

*2:著書『フランス慢性妄想病論の成立と展開』(1987年、中央洋書出版部)、『「空虚な自己」の時代』(1999年、NHKブックス)、『犯罪精神医学研究』(2000年、金剛出版)、『自己を失った少年たち:自己確認型犯罪を読む』(2001年、講談社選書メチエ)、『「誰でもよかった」無差別殺傷になぜ走る:希薄な人間関係にもがく「青少年」たち』(2009年、ごま書房新社)、『罪と罰と精神鑑定:「心の闇」をどう裁くか』(2009年、集英社インターナショナル)、『犯罪精神病理学』(2010年、金剛出版)、『犯罪学と精神医学史研究』(2015年、金剛出版)、『犯罪学と精神医学史研究Ⅱ』(2018年、金剛出版)など

*3:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官を経て首相

*4:熊本県知事、日本新党代表を経て首相

*5:中曽根、竹下内閣農水相、宮沢内閣蔵相、細川内閣副総理・外相を経て首相

*6:細川内閣官房副長官新党さきがけ代表幹事、民主党幹事長、首相など歴任

*7:社民連副代表、新党さきがけ政調会長、橋本内閣厚生相、鳩山内閣副総理・財務相を経て首相

*8:鳩山内閣財務副大臣菅内閣財務相、首相、民進党幹事長(蓮舫代表時代)を歴任

*9:森、小泉内閣官房長官を経て首相