黒坂真に突っ込む(2020年4月17日分)

黒坂真
 山下芳生議員。安倍総理は独裁者ではありえない。自民党若手議員と公明党が強く意見具申*1したら、(ボーガス注:10万円支給に)政策を変更するのですから。和をもって貴しとなす*2日本には昔から独裁政権など、殆どできていない*3
山下芳生*4
公明・山口代表「届く範囲が極めて限られる30万円の給付をやっても、どれだけの国民の支持が得られるのか。もっと広く対応できる一律10万円の給付を補正予算案を組み替えて実行すべきだ」
 国民の強い不満と切実な願いが政権与党を揺り動かしています。
公明 山口代表 現金10万円の一律給付実現を安倍首相に再要請 | NHKニュース
 新型コロナウイルスの感染拡大を受けた経済対策で、公明党の山口*5代表は安倍総理大臣と電話で会談し、現金10万円の一律給付を、補正予算案を組み替えて実現するよう改めて求めました。これに対し、安倍総理大臣は「引き取って検討する」と述べました。
 このあと、山口氏は党の中央幹事会で「今回の補正予算案で、届く範囲が極めて限られる30万円の給付をやっても、どれだけの国民の支持が得られるのか。もっと広く対応できる一律10万円の給付を補正予算案を組み替えて実行すべきだ」と述べました。

 拙記事黒坂真に突っ込む(2020年4月12日分)(追記あり) - bogus-simotukareのブログで以前ふれた「10万円支給論」話の続きです。
 安倍ですら「10万円支給論の広がり」に抵抗できなかったと言う話は「他の件」、具体的には

・谷垣*6総裁時代に『総裁気取りの安倍(当時は無役)の勝手な行為』を批判した溝手氏*7を逆恨みし、彼を落選させるために河井案里参院選候補に強行擁立したこと
・総裁選に立候補した石破*8を干してること
・野党の反対を無視して特別秘密保護法や安保関連法を可決したこと
モリカケ桜を見る会検事長定年延長といった無法

などでの「安倍の独裁的な行為」を「独裁でない」と正当化できる話では全くない。それにしても「共産党など野党が10万円支給論」を主張し、それを安倍が飲まなかったときはさんざん「10万円支給論は悪しきポピュリズムだ」「財政危機を真面目に考えてない、財源をどう考えてるのか、国債発行するのか、臨時増税するのか」などと共産党に悪口していた男が安倍が「10万支給する」と言い出すや批判を止める。
 あげく「もともとの10万円支給論の主張者は共産党など野党であること」を無視*9して「自民党若手議員と公明党が強く意見具申したら」とはいつもながら呆れます。
 黒坂の「10万円支給論は悪しきポピュリズムだ」「財政危機を真面目に考えてない、財源をどう考えてるのか、国債発行するのか、臨時増税するのか」という当初の立場なら「安倍や公明党自民党若手議員グループも批判してしかるべき」ですが
1)黒坂は単に安倍万歳、反野党(特に反共極右)の立場から
2)また、「安倍が10万円支給論を受け入れることはないだろう」との読みから「共産党などの10万円支給論」に悪口していただけなので、公明党自民党若手議員グループが「10万円支給論」を主張し、安倍が「10万円支給論」を受け入れるとこういう醜態をさらすわけです。人間としてここまで無様な生き方はしたくないもんです。
 大体、なんで山下氏へのリツイートが「安倍総理は独裁者ではない」なのか?。
 山下氏は「我々野党の10万円支給論を政府も受け入れた。これは我々の意見が正しいことの証明だ」「たとえ安倍政権でも、このように野党の批判で政権の方針を変えることが出来る。与党でなければ何も出来ないわけではない」と言ってるのだから「全くそうですね、同感です*10」であれ、「いや政府が野党の方針を受け入れたのは間違いだ。10万支給などすべきでない*11」であれ、「野党の主張と政府方針の変更と関係ない*12」であれ、かみ合ったリツイートをしろと言うことです。
 山下氏は「安倍の独裁」云々なんて話は最初からしていない。

黒坂真
 小池晃書記局長。感染推計の根拠となる数式と外生変数の値公開要求は学術的には面白いと私も思いますが、暫くは可能な限り接触を控えるという結論は変わらないでしょう。
小池晃*13日本共産党
 昨日の記者会見で、クラスター班が示している感染シミュレーション結果のグラフについて、その根拠であるモデル式とパラメータの公開を求めました。このグラフが8割接触制限の根拠であり研究者の公開議論を可能にすることが国民が正確な認識を共有するうえで必要。昨夜の「報道1930*14でも主張しました

 「8割接触制限論」によって「営業自粛」だの「在宅勤務奨励による7~8割出勤削減」だのが主張され「多くの人間が不利益を被っている」以上、この小池発言は当然の指摘でしょう。
 もちろん「根拠を示せ」は「8割削減に反対だ」と言う意味ではない。
 ところが黒坂は
1)どんな内容でアレ共産党に因縁を付けずには居られないのか
2)今の時点では詳しいデータを公表しない安倍政権や「政府のコロナ有識者会議」を擁護したいのか
3)情報公開によって「8割削減では足りない、9割削減が必要」、あるいは逆に「8割削減など不要、5割削減でいい」などの批判が出ることを恐れてるのか
とにかく、こんなリツイートするのだから呆れます。
 「8割削減」と「それ以上の削減(例:9割5分、9割9分9厘)」「それ以下の削減(例:6割、7割)」を「どうせ削減するのだからどっちでもいい」なんてそんな馬鹿な話はない。
 「可能な限り接触を減らす」なんて曖昧な抽象的な話ではなく、「8割削減論」を根拠に「出勤を7~8割減らしてくれ」という具体的な要望まで安倍によってされてるのに何を言ってるのか。
 つまりは黒坂が勤務している「大阪経済大学」だって、安倍の要請を素直に受け入れれば「黒坂も含む教職員2~3割だけが大学に出勤し、残りの7~8割は在宅勤務か、勤務なしの自宅待機になる」わけです(実際に大阪経済大学がそうしてるのか知りませんが)。それでいいのか、「コロナ感染防止のために授業はやってない、学生はキャンパスに一人も居ない」とはいえ、それで大学業務(勿論企業や自治体も同じですが)が回るのか、そうしないと本当にコロナ感染爆発が防げないのか、という話なんですが。
 黒坂はこんなアホツイートをするよりも「大阪経済大学は安倍の要請を受け入れて教職員の出勤を2~3割まで制限しているのか、そこまでは制限していないが5~6割など、一定の制限はしているのか、それとも全く制限していないのか」「それについて黒坂はどう思うのか」「制限を行っている場合、黒坂自身は出勤を減らしてるのか、それとも今まで通りなのか」をツイートした方がいいでしょう。もし「大阪経済大学が何の出勤制限もしてないし、黒坂個人も何ら出勤を減らしてない」というなら「それで良く安倍を擁護できるな」という話です。
 それはともかく、ならば黒坂においては「政府発表が3~4割の接触削減だろうと、5~6割の削減だろうと、7~8割の削減(これが実際の政府目標ですが)だろうと、9割5分や9割9分9厘の削減だろうとどうでもいい」のか。そんな代物なら最初から数字など発表しない方がいい。黒坂も詭弁を吐いてるだけでしょうが、あまりにもレベルが低くて呆れます。

*1:マスコミ報道に寄れば「二階幹事長」も同様の意見具申をしてるのに、黒坂が二階氏に触れないのは「二階氏を嫌ってるから」でしょうか。

*2:「和をもって貴しとなす」は単に「17条憲法に書かれた政治スローガン」にすぎず事実ではありません。しかもこの場合の「和」とは「朝廷に刃向かうな」程度の意味にすぎず、民主主義でもなんでもない。その上、この「和をもって貴しとなす」の出典は儒教経典、つまり中国です。日本オリジナルではない。

*3:イヤー、前近代の「織田政権、豊臣政権、徳川政権」などは充分独裁的政権でしょうよ。明治以降でも「大久保政権(当時は国会もなかった)」や「山縣有朋政権(国会はあったが、いわゆる超然主義を唱え国会を無視しようとした(ただし挫折))」は独裁的でしょう。

*4:参院議員。日本共産党書記局長代行、書記局長などを経て現在、副委員長

*5:参院議員。公明党参院国対委員長公明党政調会長を経て公明党代表

*6:小泉内閣国家公安委員長財務相自民党政調会長(福田総裁時代)、福田内閣国交相自民党総裁、第二次安倍内閣法相、自民党幹事長(第二次安倍総裁時代)など歴任

*7:第一次安倍内閣国家公安委員長(防災担当相兼務)

*8:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相など歴任

*9:まあこれは黒坂だけでなく読売、産経など安倍礼賛の輩は同じように「野党の提言の存在を無視」しようとするのでしょうが。

*10:もちろん安倍万歳、反野党、反共のウヨ黒坂がそんな「野党・共産党への好意的評価」をいう事はあり得ませんが。

*11:もちろん安倍万歳のウヨ黒坂がそんな安倍批判をいう事はあり得ませんが。

*12:とはさすがにいえないでしょうね。「自民党若手議員と公明党が強く意見具申したら」といって野党の提言を無視しようとする黒坂ですら「野党は関係ない」とははっきり明言できないわけです。

*13:参院議員。日本共産党政策委員長、副委員長などを経て、現在、書記局長

*14:BS-TBSのニュース番組(19:30~21時まで平日に放送)