高世仁に突っ込む(2020年10/9日分)

菅政権の「チャーハン論法」を許すな - 高世仁の「諸悪莫作」日記
 高世仁に突っ込む(2020年10/8日分)(追記あり) - bogus-simotukareのブログで紹介した恐山からイタコが消えたわけは - 高世仁の「諸悪莫作」日記
の続きです。
 まずは菅の「例の任命拒否」への批判です。

 上西さんは菅政権での答弁を「チャーハン論法」と名付け、これはすでにニュースで報じられている。

 「菅の説明とやらはエビチャーハンを注文したのに卵チャーハンを出して、『卵チャーハンの方が美味しいから食え。料理人の俺の言うことが信用出来ないのか』というようなもんで何の説明にもなってない」だそうです。
 前回の「ごはん論法」と韻を踏んでるのでしょうが、まあ、このたとえなら

◆カレー論法:「チキン」カレーを注文したのに「ビーフ」カレーを出して
◆ラーメン論法:「醤油」ラーメンを注文したのに「味噌」ラーメンを出して
◆うどん論法:「きつね」うどんを注文したのに「たぬき」うどんを出して
◆カツ丼論法:「チキン」カツ丼を注文したのに「豚」カツ丼を出して
◆天丼論法:「かき揚げ」天丼を注文したのに「穴子」天丼を出して

などといってもいい。いずれにせよ、菅の無法は徹底的に追及すべきです。その点、明らかにテレビ局が逃げ腰なのが腹立たしい。

 きのう、仏教では「死後の世界」は重要ではなく、どっちでもいい話と書いたら、こんな反論が・・
 それはおかしい、仏教といえば輪廻転生が前提で、死んだあとの極楽・地獄を説いてるし、浄土系宗派では念仏を唱えれば、死後「西方浄土」に行けるというではないか。

 高世の反論の「具体的な紹介」は省略しますが、彼の反論は以下のようなもんです。
 まず第一に高世が言ってることは「輪廻とはブッダ死後の後付けに違いない」「ブッダは多分そんなこと言ってない」「だから輪廻否定こそが真の仏教なんだ」つう話です。
 第二に「仮にブッダがそう言ってるとしても、重要な部分を守ればいいのであってどうでもいい部分まで後生大事に守る必要は無い」つう話です。
 わかりやすい例を挙げれば、高世批判者の理屈だと「キリスト者は聖書に書いてあるという理由で天地創造説やマリアの処女懐胎、イエスの復活を事実だと考えるのか。進化論を否定するのか」。
 そんな人間はまともなキリスト者では居ないわけです。処女で子どもが産まれるわけが無いし、死んだ人間は復活しない。どう見ても後世につくられた伝説でしょう。
 あるいは高世批判者の理屈だと「日蓮がそう言ってるから」と言う理由で日蓮系列の宗教門徒伝統仏教だけで無く、創価学会立正佼成会のような日連系列の新宗教を含む)は国立戒壇を目指さないといけない。しかし「そんなことをすべきことなんですか(政教分離に反する)。そもそも可能なんですか(日本国民大多数が日蓮信者にならないと無理だがまずありえない)」「それは日蓮門徒にとってそんなに大事な話なんですか」という話です。今時まともな日蓮系列の宗派ではどこも「国立戒壇の実現」なんて言わない。

 お釈迦様は、対機説法といって、相手の状況や性格などに応じて道を説いた。輪廻を信じている人にはそれがあるとして、別の人には輪廻を前提にせずに説法した。
 医師が患者の病気に応じて薬を投与する「応病与薬」のようなイメージで、とにかくその人が治ればよいのである。現世の悩みが軽くなり、前向きに生きられるよう臨機応変に対応することが大事だと、お釈迦様は考えていた。そう私は理解している。つまり輪廻転生するかどうかも、どっちでもいいのだ。
 ある人が「厚く毒が塗られた箭(や)をもって射られた」らどうするかと問う。釈尊の答えは・・
 わたしを射た者の身分が何なのか、クシャトリアなのかブラーフマンなのか、あるいはシュードラなのか、その者は背が高いか、低いか、村の人か、都会の人か、どんな弓で射たのか、箭の羽が鷲のか、鷹のか・・
《「それが判らないうちは、この箭を抜いてはならない」といったとするがよい。それでは、マールンクヤプッタよ、その人は、それらのことが知られないうちに、そのまま命終しなければならないであろう》
 つまり、釈尊が死後の世界を含む問いの数々を説かなかった理由は・・・
 《それは、他でもない、なんの利益(りやく)もなく、清浄の行のはじめにもならず、厭離・離貪・滅尽・寂静・智通・正覚・涅槃にも役立たないからである。その故にわたしはそれらのことを説かなかったのである》(『阿含経典』3 ちくま学芸文庫 P57~67)
 釈尊は明快にこう言っている。
 死後の世界があるかどうかなんて、どうでもいいことだから、今ちゃんと修行しなさい、と。

 この話、高世はよほど好きなようでブッダは心の医師 - 高世仁の「諸悪莫作」日記でもしています。 
ブッダは心の医師 - 高世仁の「諸悪莫作」日記については俺は

「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(11/24分:高世仁の巻)&北朝鮮最新ニュースその他色々(追記・訂正あり) - bogus-simotukareのブログ
・「死後の世界があるか、生まれ変わりがあるか知ること=矢を射た犯人が誰か知ること」「現実世界で幸せになること=矢を抜いて毒を吸い出し命を救おうとすること」というのはたとえが変な気がしますが、それはさておき。
 この例え話、「北朝鮮拉致問題」を考える上で大変面白い材料を提供しているかと思います。
 要するに「優先順位を考えろ。優先順位の低いもんは後回しでええ」つう話です。
 仏陀が言うように「毒の矢で射られた人が死なないようにすること」、つまり「治療だけ考えれば」犯人が誰かなんかどうでもいい*1。犯人が誰かなんて事は「刑事処罰の時だけ」問題になる話です。「犯人が誰か分からないと治療できない」なんて馬鹿なこと言ってたら死んじゃう。
 でこれは拉致も同じで「拉致被害者の帰国」だけ考えれば『拉致実行犯は誰なのか、それが分からないウチは拉致問題は解決しない』『そもそも北朝鮮のような独裁国家が存在していいのか』とかそういう話ではないわけです。
 ブッダが「犯人が誰かとか、とりあえず後でええ。まず治療が大事や。死んでもええんか。優先順位を考えろ」つうのと同じで「犯人が誰かとか、北朝鮮みたいな独裁国家が存続してええのかとか、とりあえず後でええ。拉致被害者の帰国が一番大事と違うのか。拉致被害者が死ぬまで帰国できなくてもええんか。優先順位を考えろ」つう話です。
 まあ巣くう会が「拉致被害者の帰国を口実にした、ただの反北朝鮮右翼団体」てのはわかってますが、それに引きずられる家族会は本当にバカだと思います。
・高世の指摘が事実ならブッダは完全なリアリズムです。
 「今のつらさの原因を突き止めそれを克服するのが私の教えだ」。
 「今克服するのだから、死んだ後、生まれ変わって幸せになっても『今とは関係ない』。そもそも生まれ変わりがあるかどうかもわからない。仮に生まれ変わりがあっても、生まれ変わったときにどんな風に生まれ変わるかも分からない。当然、今の時点で『生まれ変わりの準備』なんか出来ない。だから生まれ変わりのことなんか、考えても無駄だ」
 なるほど全く道理です。
・しかしこの「高世が紹介する」仏陀の考え「結果が大事だ」は「中国最高指導者だったあの人(故人)の考え」によく似ています。
 そう「黒猫でも白猫でもネズミをとるのが良い猫だ(いわゆる黒猫・白猫論)」といって文革終了後、改革開放を推進したトウ小平です(黒猫、白猫は資本主義、共産主義のたとえで、『ネズミを捕る』が経済成長のたとえ、です)。
・それはともかく、ということは

 「拉致の解決」も「仏陀的にはすべては方便であり、拉致被害者帰国という結果さえ出ればいい」。
 だから仏陀的には「拉致被害者が帰国するなら経済支援でバーター取引してもいい」「蓮池透さんを家族会から除名した連中は間違ってる」と思うんですがどうなんすか、高世さん?。
 少なくとも仏陀的には「16年(ボーガス注:「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(11/24分:高世仁の巻)&北朝鮮最新ニュースその他色々(追記・訂正あり) - bogus-simotukareのブログ当時。現在は2年追加されて18年)やって効果のなかった制裁はやめた方がいい」と思うんすけど、どうなんすか、高世さん?

 そういう意味では「よど号事件」「ダッカ事件」で犯人と取引したことも、仏陀的には「被害者解放が実現できた。残念ながらあの時点ではあれ以外に方法がなかった」つうことで問題ないすよね?
 で「よど号ダッカ」での犯罪者との取引を認めるなら、国連加盟国・北朝鮮と取引しても問題ないすよね?

 そういう意味では仏陀的には横田奥さんはウンギョンさんともっと会うべきですよね。
 「輪廻の存在は分からない、分かったところで対応のしようがないから意味がない」のと同じ(?)で「めぐみさんが生きてるか分からない。ウンギョンさんに会わなければめぐみさんの生死が分かるわけでもない」ですから。つうか「輪廻の存在が分からない(あるという根拠がないから)」のと同じ(?)で「生きてるつう根拠ない」んだから「めぐみさんの生死」なんか考えるだけ無駄ですよね。とりあえず「死んだつう最悪の想定」しといた方がよくないすか?

 そういう意味では太陽政策仏陀的ですよね。「戦争の脅威が避けられるなら北朝鮮に経済支援してもええやないか」つう話ですから。

て俺が聞いたらどう答えるんですかね、高世は。たぶんだんまりで逃げるんでしょうけど(苦笑)。

とコメントしました。
 やはり仏陀の紹介では「結果が大事だ、嘘も方便だという仏陀に共感する」という高世は、そのくせして「北朝鮮が拉致を金正日の命令だと認めず、末端の暴走と主張したこと、それを小泉政権が呑んだことが許せない(いや、だからそれこそが拉致被害者帰国を実現するための『嘘も方便』やろ?)」「たとえ拉致被害者が帰国しても北朝鮮への経済支援なんか出来ない(結果が一番大事じゃ無かったんかい?)」というんでしょう。全く、なんでこの男は北朝鮮問題ではここまで言うことがデタラメなのか。高世は全く恥知らずのクズだと思います。

*1:「使われた毒が一般に広く知られたものではなく、犯人しか知らない特殊な毒で、犯人を逮捕しないと治療できない」なんて特殊なケースはまた話が別ですが、このたとえ話は明らかにそういう状況ではないでしょう。