今日の産経ニュース(2021年1月5、6日分)

元慰安婦の訴訟「主権免除」適用が焦点 ソウルで8、13日に判決 - 産経ニュース
 「主権免除」という主張の是非はともかく、菅政権ですらさすがに「慰安婦はそもそも違法ではない」などとは言えないわけです。
 そのことが何を意味するか今更言うまでも無いでしょう。「慰安婦は違法ではない」などという与太は通用しないことを菅政権も内心では認めてると言うことです。


【主張】東京五輪 今こそ「聖火灯す」覚悟を 後世の指針となる足跡残そう - 産経ニュース
 コロナが終息してもいないのによくも脳天気なことが言えたもんです。


【産経抄】1月6日 - 産経ニュース

三船敏郎さんは、戦後すぐに東宝撮影所の門をたたいたとき、カメラマン助手を希望していた。俳優になったのは手違いからだ。昨日訃報が届いた福本清三さんも、役者になる気はなかった。
▼中学卒業後、京都市内の米屋で丁稚(でっち)奉公をしていたとき、仕事に嫌気がさして紹介されたのが東映撮影所だった。15歳の少年は、何をするところかわからないまま昭和33年に「大部屋」に入る。
▼通行人から死体まで、時代劇の端役を何でもこなしているうちに、「斬られ役を極めよう」と心に決めた。倒れ方や死に方に工夫を重ねて年月を重ねていくうち、気がつけば、ファンクラブまでできていた。60歳の定年を前に出した自伝『どこかで誰かが見ていてくれる*1』が役者人生の集大成となるはずだった。
▼やはり見ていた人がいたのである。いつのまにか福本さんの資料が米国に渡り、トム・クルーズさん主演の「ラストサムライ」でハリウッドデビューを果たす。福本さんは当時「神様からのプレゼント」と表現していた。実は「日本一の斬られ役」にはもう一つ用意されていた。
▼主演映画の企画に「ありえまへん」と何度も断ったが、製作側の熱意に押し切られた。「太秦(うずまさ)ライムライト」では、新人女優の殺陣(たて)の稽古をつける大部屋俳優という、まさにはまり役だった。福本さんの十八番である「えび反り」で斬られるシーンもあった。幸せな役者人生としかいいようがない。

 面白いエピソードだと思うので紹介しておきます。

参考

福本清三 - Wikipedia
・「知る人ぞ知る」人物であった福本の知名度を一気に高めるきっかけとなったのは、1992年6月5日の朝日放送のテレビ番組『探偵!ナイトスクープ』への出演である(2007年12月発売のDVD8巻に収録)。
 時代劇でいつも斬られ続ける福本の存在が非常に気になっていた視聴者から「あの斬られ役は誰? 出来れば『徹子の部屋』に出演させてあげたい!」という依頼が寄せられた。しかし、当時無名であった福本をいきなり番組に出演させることは無理がある。そこでスタッフは『徹子の部屋』のセットを借りて、探偵の落語家桂小枝黒柳徹子に扮して、福本を『偽・徹子の部屋』に“出演”させた。
 ところがそのロケ中、偶然「本物の」黒柳徹子が現場に現れ状況が一変する。「日本一の斬られ役」という裏方の仕事に興味を持った黒柳が、その場にいた福本に話を聞いているうちに、是非とも自分の番組内でこの人の話を聞いてみたいという方向に話が進む。こうして1992年9月24日に本物の『徹子の部屋』への出演を果たした。


緊急事態宣言7日に決定へ 時短要請応じぬ飲食店名の公表可能に - 産経ニュース
 「大事なこと」は「自粛と補償はセット」でしょう。
 営業している店の多くも「店がやっていけないから開けざるを得ない、補償があるなら自粛する」でしょう。
 店名公表をかりにやるとしてもそれは「一定の補償とセット」にすべきでしょう。「補償はしないが、店名公表はする」なんてのは無茶苦茶でしょう。


4月の衆院選「あるかもしれない」自民・下村氏 - 産経ニュース
 コロナが終息してもいないのによくも脳天気なことが言えたもんです。まともな人間なら「コロナが終息しても居ない今、そんなことは言えない」「解散云々と言うことで、4月までにはコロナが終息していると、政府が事態を甘く考えてるという誤解を生みかねない」というでしょうに。


神奈川、千葉を引きずり込んだ小池氏 西村経済再生相がターゲットに(1/2ページ) - 産経ニュース
 「引きずり込む」という小池への悪意、敵意むき出しの、そして神奈川の黒岩や千葉のモリケンを「小池に良いように操られたでくの坊扱い」する表現には思わず吹き出しました。せめて「神奈川、千葉と共同歩調を取った小池氏」など中立的な書き方が出来ないのか。
 「小池の緊急事態宣言要請→その後、菅が発令の意向を表明」で「小池の株が上がった(菅の株が下がった)」とアンチ小池(菅シンパ)として産経は悔しがってるようですが。


【正論】年頭にあたり 日本における神道の行方考える 東京大学名誉教授・平川祐弘 - 産経ニュース
 日本の神道が栄えようと滅びようと俺的には知ったことではない。しかし「A級戦犯昭和殉難者として合祀」し、未だに日中戦争、太平洋戦争を聖戦と美化し、「天皇、首相参拝」という「政教分離原則違反行為」を要望する「右翼の聖地」靖国が一番わかりやすいですが、「今後も日本社会で神道関係者が一定の地位を占めたい」というなら、「そうした異常な戦前美化」からは脱却する必要があるでしょう。そうした異常な戦前美化ははっきり言って社会にとって有害無益です(とはいえ神道の名誉のために断っておけば「そのように劣化してしまった」のは明治の国家神道以降の話ですが。「スターリン粛清が横行するソ連」以前の共産党、特に国家権力など握っていなかったマルクスエンゲルス時代の共産党にはその種の弊害は無かったのと同じような話かと思います)。もちろんこの駄文においてはそうした話からは完全に逃げ続け「日本人の心のふるさと=神社」的なきれいごとしか話をしないのが産経ですが。
 あの戦争について一定の反省をしている仏教業界やキリスト教業界と比べ「あの戦争に無反省(それどころか未だに美化している)」と言う意味では日本の神道業界ほど道徳的、倫理的な意味で「あきれ果てたゴミ以下の存在」もないでしょう。
 あるいは「ソ連崩壊後多くの、共産党が一定の反省を示して再出発した」のと比べても「日本を戦争で焼け野原にし、多くの死者を出しても何の反省もない神道業界」は「常軌を逸してる」「気が狂ってる」「倫理観が壊滅している」と罵倒して何の問題も無いでしょう。
 まあ、正直、仏教やキリスト教に比べ神道が社会で支持されてるとはとても思えませんが。
 釈迦やキリストの生前の言行などをまとめた「仏典」「聖書」などがある仏教やキリスト教と比較して、そうした「聖典がない神道」には高尚な精神性があるようにはとても思えません。
 だからこそ「いわゆる世界宗教となった仏教、キリスト教」と違い神道は「インドローカル宗教のヒンズー教」「イスラエルローカル宗教のユダヤ教」並に社会的広がりが無いわけです。日本限定でしか信者がいない。
 そして「葬式仏教」と言う言葉がある仏教ほどには「神道は日本に浸透してない」でしょう。神式で葬式をやる人なんかまず居ませんし。
 せいぜい「初詣」「七五三のお宮参り」「地鎮祭」程度では無いか。それだって「初詣」を除けば昔に比べ廃れてるのでは無いか。

*1:2001年、創美社→2003年、集英社文庫