今日の産経ニュース(2021年2月25日分)

国民民主、「政策先導」で自信 孤独相新設など実現も支持率は伸びず - 産経ニュース

 国民民主党は、孤独担当相の新設をはじめとした政策提言が菅義偉政権下で相次いで実現し、昨年9月の結党以来進めてきた「政策提案型」路線に自信を深めている。ただ、政党支持率は伸び悩んでおり、永田町での「成果」を、認知度や支持率の向上につなげられるかが、衆院選までの大きな課題となっている。
 「政策提案型の改革中道政党だと掲げてスタートしたが、今国会からは進化させて、『政策先導型』でやっている。われわれが提案したものは、比較的、実現している確率が高いと自負している」
 国民の玉木雄一郎代表は、菅政権が今月、「孤独・孤立対策担当相」を新設したことを受けて、こう語った。国民は旧国民時代から「孤独担当相」の必要性を訴えていた。菅政権が進める政策の中には、他にも国民が独自または先駆的に提言してきたものが少なくない*1
 玉木氏は代表例として、妊孕(にんよう)性(妊娠する力)保存治療の保険適用化や「不育症」への公的支援の拡充、新型コロナウイルス禍で失業した人らに月最大20万円の生活再建資金を無利子で貸し付ける「総合支援資金」の期間延長などを挙げる。
 特に「総合支援資金」の期間延長は、オンラインで一般有権者から募った意見を踏まえた政策提言で、玉木氏は「国民の声を集めてニーズに応じた提案をしているからこそ、(提案の)実現確率が高い」と分析する。
 今後は新型コロナ対策として、事業者の規模に応じた支援枠組みの創設や人権外交*2をめぐる提言、性犯罪で処分を受けた教員の職場復帰条件を厳格化する法律の議員立法などで、政府や他党を「先導」したい考えだ。
 ただ、活発な政策提言活動とは裏腹に、支持率は低迷が続いている。

 菅と「自民党応援団の国民民主・玉木」をセットで持ち上げよう*3とする産経の露骨さに呆れると共に思わず吹き出しました。と同時に「立民党内の右派議員(野田元首相、福山幹事長など)」に「玉木のように現実化しろ」「共産と野合するな」と煽って野党共闘破壊をもくろんでるのでしょう。過去の「希望の党騒動」でわかるようにその点では立民が全く信用できない点がなんともかんとも。


政府「孤独・孤立」対策急ぐ 緊急フォーラム開催、自民も特命委 - 産経ニュース
 産経記事にはそのフォーラムの出席者として「タレントの中川翔子*4の名前しか出てきません。正直「そんなにNPO関係者(産経はそうした団体を明らかに敵視しているので)の名前を書きたくないのか」と疑いたくなります。
 これが東京新聞毎日新聞だと、産経と異なり

コロナで深まる「孤独感」 政府が孤独・孤立対策担当室を新設、25日に緊急フォーラム:東京新聞 TOKYO Web
 24時間チャット相談窓口を運営するNPO「あなたのいばしょ」(東京)の大空幸星代表は、2018年に孤独担当相を置いた英国の事例を踏まえ「まずは孤独・孤立の明確な定義と、孤独感を測る指標の開発が必要。対策が精神論だけで動くことがないようにしてほしい」と話す。

政府、孤独対策フォーラム開催 関係省庁の連絡調整会議設置へ | 毎日新聞
 フォーラムには自殺防止に取り組むNPO法人自殺対策支援センターライフリンク清水康之*5代表、社会活動家の湯浅誠*6さん、タレントの中川翔子さん、学校法人服部学園服部幸應*7理事長らが出席。

ということでNPO関係者の名前が出てきます。
 なお、ググったところ、「産経、東京、毎日が名前を挙げた人間」以外では

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kodoku_tsunagaru_forum/dai1/attendees.pdf
池田昌弘
 NPO 法人全国コミュニティライフサポートセンター理事長
・奥田知志*8
 NPO 法人抱樸理事長
・栗林知絵子
 NPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク理事長
・橘ジュン*9
 NPO 法人 BOND プロジェクト代表
・米山広明
 一般社団法人全国フードバンク推進協議会事務局長

だそうです。
 過大評価する気は全くありませんが「ホームレス支援(奥田氏)」「自殺対策支援(清水氏)」「子ども食堂(湯浅氏)」「フードバンク(米山氏)」などといったNPOの名前が出てくる辺り菅も「コロナ失政や総務官僚接待問題への批判」「『菅は社会的弱者に冷たい』という批判(そして支持率低迷)」に菅なりに焦っているのでは無いか。
 特に湯浅氏など「民主党政権で一時、内閣参与を務めた人間」ですしねえ。
 まあ、安倍の場合、「パフォーマンスですら」こんなことはしなかったと思うのでその辺りは良く言えば「菅の方がいくらかまし」ではあるのでしょう。悪く言えば「狡猾」ともいえるかもしれませんが。


《独自》軍艦島「朝鮮人少年虐待」描く韓国絵本 無関係資料から作画 作者認める - 産経ニュース
 もちろんその絵本に事実面での問題があれば批判されて当然ですが、そのことと「徴用工の強制労働が違法行為かどうか」は全く関係が無い。「徴用工の強制労働が違法行為」であることにはまともな人間なら何ら異論は無いわけです。産経など歴史修正主義ウヨだけが因縁を付けている。


共産・志位委員長、7万円超接待の山田内閣広報官「辞めるべきだ」 - 産経ニュース
 志位氏が言うまでも無くまともな首相なら更迭してるでしょう。


育鵬社教科書に山田氏掲載 「初の女性首相秘書官」 - 産経ニュース
 菅に媚びてるのでしょうが、呆れて二の句が継げませんね。


【主張】那覇の孔子廟判決 「違憲」の独り歩き避けよ - 産経ニュース
 「敗訴した被告側・那覇市オール沖縄が与党」「原告側弁護士は在特会徳永信一」ということで大喜びしてるかと思いきや

「観光目的の孔子廟支援(孔子廟は一般には宗教施設扱いはあまりされない)」で「政教分離原則に抵触」認定なら、日本会議が主張する「神道国教化」目当てでの首相・閣僚や天皇、皇族の靖国参拝なんか「当然抵触する」と批判されるんじゃ無いか?

と思ったのか、「これは首相など公人の靖国参拝玉串料とは関係ない」と必死に言い訳し出す産経です。澤藤氏は「『違憲』が独り歩きしては困る」という産経「主張」の煩悶 | ちきゅう座でそうした産経の滑稽さを皮肉っていますが、俺も同感です。

 平成22年に北海道砂川市の「空知太(そらちぶと)神社訴訟」で最高裁は、市有地を神社に無償提供したことを違憲とした。だが、このとき合憲とした裁判官の反対意見が「神社は地域住民の生活の一部になっている」などと指摘し、違憲とした多数意見について「日本人の一般の感覚に反している」と述べていたのはうなずける。
 首相ら公人の靖国神社参拝や真榊(まさかき)奉納に「政教分離」を持ち出す愚も避けるべきだ。

 「神社は地域住民の生活の一部になっている」「首相の靖国参拝、真榊奉納は政教分離原則に抵触しない」て、「神社は宗教ではない」とでも言う気でしょうか。いつもながら産経には「やれやれ」ですね。
 それを言うなら今回の孔子廟だって「地域住民の生活の一部」ではないのか。


【阿比留瑠比の極言御免】迫りくるリベラル全体主義 - 産経ニュース
 「リベラル=寛容」なので「全体主義」とは真逆な上に、トランプにせよ、安倍、菅にせよ、他の人間にせよ「独裁的政治家」と評価される人間はおよそ「リベラル」とは「自他共に認めてない」「それどころかリベラルを敵視している」のに「はあ?」ですね。
 有料記事なのでほとんど読めず、阿比留が何を言いたいのかさっぱり分かりませんが。

*1:「なら菅政権のままでいいじゃん(自民支持層)」「なら玉木じゃダメだ、自民と違いが無いのでは論外だ(立民、共産支持層)」となって「余計支持率が沈没する」ということに考えが及ばない点がさすが玉木です(勿論褒めていません)。

*2:と言えば聞こえはいいですがウヨ政党・国民による「ただのアンチ中国(チベットガー、ウイグルガー)」にすぎません。賭けてもいいですが「ミャンマーロヒンギャ問題」「トルコのクルド問題」などは完全にネグレクトでしょう。

*3:とはいえ産経の玉木持ち上げは「豚もおだてりゃ木に登る」的な物、つまり「自民党に都合よく玉木を利用しよう」という話にすぎないでしょうが。

*4:著書『「死ぬんじゃねーぞ!!」 いじめられている君はゼッタイ悪くない』(2019年、文藝春秋

*5:NPO 法人自殺対策支援センターライフリンク代表。著書『闇の中に光を見いだす:貧困・自殺の現場から』(湯浅誠氏との共著、2010年、岩波ブックレット)、『「自殺社会」から「生き心地の良い社会」へ』(共著、2010年、講談社文庫)など(清水康之 - Wikipedia参照)

*6:年越し派遣村」村長、反貧困ネットワーク事務局長などを歴任。現在、NPO 法人全国こども食堂支援センター・むすびえ理事長。著書『反貧困:「すべり台社会」からの脱出』(2008年、岩波新書)、『活動家一丁あがり! :社会にモノ言うはじめの一歩』(2011年、NHK出版新書)、『なぜ「活動家」と名乗るのか:岩盤を穿つ』(2013年、ちくま文庫)、『正社員が没落する:「貧困スパイラル」を止めろ!』(共著、2014年、角川oneテーマ21)、『ヒーローを待っていても世界は変わらない』(2015年、朝日文庫) 、『「なんとかする」子どもの貧困』(2017年、角川新書)など(湯浅誠 - Wikipedia参照)

*7:「いじめ問題(?)(中川)」「ホームレス支援(奥田氏)」「自殺対策支援(清水氏)」「最下層女子高生(?)の支援(橘氏)」「子ども食堂(湯浅氏)」「フードバンク(米山氏)」などの中で、「調理師学校理事長」服部だけは明らかに浮いています。

*8:日本バプテスト連盟東八幡キリスト教会牧師。NPO法人抱樸(旧称:NPO法人北九州ホームレス支援機構)理事長。公益財団法人共生地域創造財団代表理事。著書『「助けて」と言える国へ:人と社会をつなぐ』(共著、2013年、集英社新書)など。貧困と自殺に取り組む僧侶たち - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)をもじれば「貧困と自殺に取り組む牧師=奥田氏」なのでしょう。そして「神道関係の人たちは、日本の貧困問題や自殺問題にどれくらいコミットしているのかなという疑問(貧困と自殺に取り組む僧侶たち - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)参照)」をやはり感じますね。(奥田知志 - Wikipedia参照)

*9:著書『最下層女子校生:無関心社会の罪』(2016年、小学館新書)