今日の産経ニュースほか(2021年3月25~27日分)

安倍氏、改憲に重ねて意欲「自衛隊違憲論に終止符」 - 産経ニュース
 安倍がどこまで本気か、それとも支持層である改憲ウヨへのリップサービスなのかはともかく心底呆れますね。
 安倍が退陣したのは「コロナ禍による支持率低迷で政権維持が困難」「無理して首相の地位に居座っても改憲は困難。むしろポスト安倍が石破になり、退陣後に三木政権によってロッキード逮捕された田中前首相のようなことにモリカケ、桜疑惑でなりかねない」「ならば子飼いの菅に禅譲しよう」ということだったのにねえ。
 もちろん「菅に改憲意欲があるから応援してる」のではなく、「コロナ対応でそれどころではない菅」に不満を感じての言動でしょう。
 とはいえ、安倍だって政権末期は「コロナ対応で改憲どころでは無かった」のですが。


敵基地攻撃議論を-岸田氏 総裁選へ保守系支持狙う - 産経ニュース
 彼が派閥ボスを務める「宏池会大平正芳鈴木善幸宮沢喜一河野洋平など)」は左派ではないにせよ、そうした「右翼路線からは距離を置いていた」のですがねえ。正直「そうした右翼路線」を打ち出したところで「右翼路線の老舗・清和会(岸信介安倍晋太郎・晋三親子など)」に勝てるどころか「従来の宏池会支持層」が離反する羽目にしかならないでしょう。
 「日中関係を配慮して菅が敵基地攻撃論について曖昧な態度でごまかす今」、こんなことを言うのでは俺のような人間ですら「岸田がそんなんじゃ菅のママの方がまし」と思いますね。


首相、NPOから意見聴取 子供の孤独や教育支援 - 産経ニュース
 菅も相当「コロナによる支持率低迷でよほど精神的に追い詰められてるんだろうなあ(だからコロナ対策アピールをしたい?)」とは思います。もちろん「動機が何でアレ」、「子どもの貧困対策」など、コロナ対策として、成果を出せばそれはそれとして菅を評価しますが。


リベラル21 緊急事態宣言は新型コロナへの無理解が生んだ大失政だ!(岡田幹治*1
 正論と暴論がワンセットになった「何だかなあ」な文章です。
 まず正論。
 「(ボーガス注:コロナを危険な病気と前提するとしても)緊急事態宣言だけでは感染予防や『コロナ感染で生じる医療崩壊の危機』は解決しない。PCR検査の拡充と医療体制の整備(病床の増加など)が必要だ」
 「緊急事態宣言で生じる弊害(外食産業の深刻な不況、外出自粛によるコロナ鬱)に対して経済支援などの手を打つべきだ」
 「そう言う意味でそうした手をまともに打たなかった安倍、菅政権の緊急事態宣言は失政だ」
 次に暴論。
 「新型コロナは高齢者と基礎疾患患者以外は大して死なない怖くない病気だ(いわゆる「コロナはただの風邪」論)。だから安倍、菅政権の緊急事態宣言は失政だ」
 正論には俺は異論は無いのですが、暴論には「大あり」ですね。この種の暴論は「トランプや、ブラジルの右派大統領」「荒木和博、島田洋一」などウヨに多いのですが残念ながら「リベラル21にもそんな馬鹿がいた」わけです。しかもその根拠として

 日本を含む東アジアの国々の新型コロナの人口当たりの死者数が欧米諸国に比べて二けたも少ないことはよく知られている。
 森田医師はその点も踏まえ、日本人は新型コロナに「強い」のだと述べている(「医療は英国のNHSを学べ」=『WiLL』4月号)。

ですからね。「リベラル21はウヨ雑誌ウィルなんか引用するなよ、お前ら自称リベラルとして、ウィルを批判する立場じゃ無かったのか(呆)」「おそらく、そんなコロナ軽視論はウィルや週刊新潮と言ったトンデモウヨ雑誌にしかないのだろうが(呆)」です。


米大統領、安倍前首相に祝電 「世界中で協力の進展助けた」米財団表彰めぐり - 産経ニュース
 リップサービスとは言え、「現役の首相ではない安倍」にこんな祝電を打つのはやめてほしい。現役ならまだ我慢もできますが。


森元首相、旧知のベテラン秘書に「女性と言うにはあまりにもお年」 - 産経ニュース

 森喜朗元首相は26日夜、東京都内で開かれた河村建夫*2官房長官のパーティーで、自身と親交の深い河村氏の事務所のベテラン女性スタッフに言及し、「河村さんの部屋に大変なおばちゃんがいる。女性と言うにはあまりにもお年だ」と述べた。

 例の女性差別発言で散々批判されたのにこれとはまさに「バカに付ける薬はない」ですね。「年をとったら女性じゃ無いのか?」「政治家にとって女性スタッフの役割は『若くて見てくれが良いこと』か?」という批判が何故予想できないのか(「女性と言うにはあまりにもお年」森喜朗元首相、再び女性蔑視発言:東京新聞 TOKYO Webと違い明確に批判してないとは言え、産経が記事にした理由もそういうことではないか)。しかしそう批判されると「言いがかり、揚げ足取りだ」「親しい仲の河村氏のスタッフを私が何故差別するのか、そんなわけがない(そう言う森氏の主観を誰も問題にしてないんですが)」「野党やマスコミは俺を女性差別していると叩けば国民に受けると思ってる」と逆ギレするのが恐らく森氏なんでしょう。


【産経抄】3月26日 - 産経ニュース

 さまざまな事情で親元を離れた多くの子供が海外の養親に引き取られている。昨年7月に事業を突然停止した東京都の一般社団法人「ベビーライフ」も国際養子縁組を手掛けてきた。
▼養子縁組については、かねて問題点が指摘されてきた。なかには法外な寄付金を要求する団体もある。「ベビーライフ」もその一つだった。現在103カ国が加盟するハーグ国際養子縁組条約にも、日本は批准していない。行政の無関心が国際社会で際立っている。
▼解散した「ベビーライフ」は、斡旋した子供の戸籍の写しなどを都に送り付けただけで、代表者は雲隠れしたままだ。子供たちが今どこで、どんな暮らしをしているのか、虐待の恐れはないか、調査を早急に進める必要がある。
▼彼らが日本という国から見捨てられたままで、いいはずがない。

 ということで26日の産経抄は珍しくまともです。特に批判すべき点がない。


【主張】河井被告辞職へ これが「他山の石」なのか - 産経ニュース
 と書いたところで「河井案里をごり押しした安倍への批判」からは逃げ「今の自民執行部(菅首相、麻生副総理・財務相、二階幹事長など)は問題だ」としか言わない辺り、産経らしいデタラメさです。


【阿比留瑠比の極言御免】捏造に捏造を重ねた朝日記事 - 産経ニュース
 「裁判所お墨付きの捏造記者」阿比留がこんな記事を書けるのだから良い度胸です。なお、植村氏について言えば「仮に事実誤認があったとしても」到底「故意の捏造」とはいえず、(また捏造と、西岡が思い込む正当な根拠があったとも言えず)裁判判決の方がおかしい。


【正論アフタヌーン】夫婦別姓をめぐる欺瞞 「容認が反対を上回る」危うさ - 産経ニュース
 つまりは「自民支持層ですら容認派がいる」わけですがそれでも「別姓反対」と言う連中は何が気にくわないのか。

*1:1940年生まれ。朝日新聞社でワシントン特派員・論説委員などを歴任。朝日新聞定年退社後は一時、週刊金曜日編集長を務めた。著書『アメリカ産牛肉から、食の安全を考える』(2007年、岩波ブックレット)、『ミツバチ大量死は警告する』(2013年、集英社新書)、『香害(こうがい):そのニオイから身を守るには』(2017年、金曜日)

*2:小泉内閣文科相麻生内閣官房長官自民党選対委員長(第二次安倍総裁時代)など歴任。