今日の産経ニュース(11/2分)(追記・訂正あり)

■【日中韓首脳会談】会談場所のホテルめぐり激烈攻防 「会談してあげた」メンツ重視の中国、自身の宿泊先を強要
http://www.sankei.com/world/news/151102/wor1511020062-n1.html

 ソウルで1日に行われた日中首脳会談の前に、会談場所をめぐって双方の間で激しい駆け引きがあった。安倍晋三首相と李克強首相が初めて会談する場となっただけに、両国がそれぞれの首脳の宿泊先を会談場所にするよう要求、最後は「安倍首相の決断」(関係者)で(ボーガス注:李首相の宿泊先での会談で)決着が図られた。
 安倍首相の宿泊先はソウル中心部にある「ウェスティン朝鮮ホテル」。
(中略)
 一方、李首相はソウル東部の「ソウル新羅(シルラ)ホテル」。
(中略)
 首脳会談が第3国で行われる場合、会談場所をどこにするかでもめるケースは少なくない。
 特にメンツを重んじる中国は「相手国の求めに応じて会談してあげた」というスタイルを好み、今回も新羅ホテルでの開催を強く要求。結局、予定されていた会談時刻が迫る中で日本側が折れた。
 安倍首相はこの日午後6時過ぎに新羅ホテルに到着。会談を終えて同7時過ぎ、晩餐(ばんさん)会の会場に向かうためホテルを後にした。しかし同じ晩餐会に出席する李首相は正面玄関を使わず、わざわざ裏口から出て会場に向かった。
 中国の外交関係者によると、会談後、李首相が安倍首相と同じ場所から出ていくと、ホストとゲストの区別がつかなくなる。裏口を使って「自らがホストであることを示した」という。
 華僑向け通信社、中国新聞社は「李首相は自身のホテルで安倍首相と会談した」と冒頭で場所を明示し、「安倍首相が訪ねてきたこと」を強調した。

 興味深いのは産経が「中国の野郎、日本をバカにしやがって!」という主旨の事は言っても「安倍の野郎、何で新羅ホテルに行った!、何故自分から折れた!、何故『会談は是非、ウエスティン朝鮮ホテルでやりたい』と言わなかった!、この腰抜けが!」とは言わない点でしょう。
 これが「安倍以外なら」『中国に舐められた、どうしようもない総理』と糞味噌でしょうが安倍ならそう言わないんだから全くご都合主義です。


■中国、仏原子力アレバへ出資で合意 英国に次いで仏事業にも攻勢
http://www.sankei.com/world/news/151102/wor1511020074-n1.html

 フランス原子力大手アレバは2日、中国の原発大手「中国核工業集団」(CNNC)と資本関係を含む協力強化を図ることで合意したと発表した。中国を訪問中のオランド大統領と中国の習近平国家主席の立ち会いの下で覚書に調印した。
 発表によると、CNNCは少数株主としてアレバに出資することやウランの採掘、核燃料のリサイクルといった広範な分野での協力強化を目指す。アレバは声明で「中国のパートナーとの協力強化は将来の成功に欠かせない」と強調した。
 アレバは東京電力福島第1原発事故後の世界的な原発市場の減速などを受け、経営が深刻化。原子炉建設を手掛ける子会社「アレバNP」のフランス電力(EDF)への売却を決めるなどしており、CNNCとの協力強化も経営のてこ入れが目的とみられる。
 中国は習氏が訪英中の10月下旬、英国が進める原発事業への投資など協力強化で合意。経済関係だけでなく、原子力分野でも欧州諸国との結び付きを強めている形だ。

 「英国(習主席の訪英&経済交流進展)、ドイツ(メルケル首相の訪中&経済交流進展)」そして「フランス(オランド大統領の訪中&経済交流進展)」と日夜進展する中国と欧州各国との友好関係です。産経の「孤立する中国」がいかにデマかよく分かります。そして「性格の歪んでる小生」としては、id:MukkeさんやI濱女史には「ねえ、今、どんな気持ち?(毒)」と聞きたくなります。
 また、ここからは「福島事故以降の反原発運動の世界的高揚で原発事業が苦境に立たされ、中国でもどこでも支援してくれるなら大歓迎」という事情があるとはいえ「原発の是非*1はひとまず置くとして」、中国の原発技術が相当のレベルに達してることが伺えます。産経なんかは「中国原発は危険」と言いたがりますけど、まあ、「原発そのものの危険性*2はさておき」、産経が言うほど中国原発は危険ではない、「欧米や日本の原発と大して変わらない」とは言えるのでしょう。


■過剰生産能力問題で早期の対応求める 財界訪中団 世界経済に多大な影響と
http://www.sankei.com/politics/news/151102/plt1511020033-n1.html
 「過剰生産能力」云々書く辺りが「中国のあら探しをしたがる産経らしい」とは思います。
 いずれにせよ、こういう訪中団を送って「景気後退を中国が克服するためには過剰生産能力を何とかすることが大事だと思う」と日本財界が言うと言うのは「中国経済が日本財界にとって大事なこと」の表れのわけです。


■【日々是世界】「(ボーガス注:英国訪問時の)習近平氏の(ボーガス注:ために英国が敷いた)赤絨毯はウイグル人の血で染まっている」 カーディル議長が悲痛な訴え
http://www.sankei.com/premium/news/151102/prm1511020001-n1.html

 英紙ガーディアン(電子版)によると、キャメロン氏の戦略アドバイザー*3を務めたスティーブ・ヒルトン氏(46)は英BBCの番組に出演し、中国指導者への待遇に対して「1970年代に英国が国際通貨基金IMF)に救済されたとき以来の国家の恥だ」と批判。「実際のところ中国はイランやロシアと同程度の“ならず者国家”であり、中国に対して立ち向かうどころか、なぜおべっかを使うのか理解に苦しむ」と発言し、「われわれは中国に対してレッドカーペットを敷くのではなく、制裁を科すことを考慮すべきだ」と訴えた。

 「中国、イランやロシアをならず者国家呼ばわりした」あげく「中国に経済制裁」て(苦笑)。相当の反中国極右ですね。産経ももう少しまともな人間を持ってきたらどうなんでしょうか。つうか産経の記事が事実*4なら、BBCもよくこんな極右を番組に呼ぶよな(苦笑)。むしろBBCの常識が疑われるんじゃないですかね。

 また、カーディル氏は中露と中央アジア4カ国*5で構成する「上海協力機構」について「中央アジアに居住するウイグル人への対応」が目的だと主張した。

 そういう要素がないとはおそらく言えないでしょう。でも主目的はどう考えても「経済交流」でしょう。
 この産経の記事だとラビアが「上海協力機構の在り方、現状を批判した」のではなく、「その存在自体を否定した」かのようですがどうなんでしょうか。もし「存在それ自体を否定した」のなら「非現実的主張」であり馬鹿げてるとしか言いようがないですね。


■「日本の存立かかる」「最後のチャンス逃すな!」田久保忠衛*6ら指摘 美しい*7日本の憲法をつくる福岡県民の会設立
http://www.sankei.com/west/news/151102/wst1511020013-n1.html

会の共同代表には、松尾新吾*8日本会議福岡会長と、蔵内勇夫・自民党福岡県連会長が就任した。

 「極右団体・日本会議」と「自民党福岡県連会長が公然と野合する」とはもはや福岡の自民党は「一線を越えた」と言っていいでしょう。少なくとも福岡に限れば「自民党支持日本会議支持」といっても過言ではないでしょう。いや「今の安倍自民」では「どこの自民支持でも日本会議支持と同じ」かもしれません。少なくとも「昔の自民」はここまで危ない団体ではなかったと思うんですけどねえ。


■【正論】「台風を放棄する」と憲法に書けば台風が来なくなるのか? 危惧抱く教養主義の衰退 平川祐弘*9(東大名誉教授)
http://www.sankei.com/column/news/151102/clm1511020001-n1.html
 「まともな」九条護憲派はそんな事は言ってないので「平川によれば」このような事を言ったという田中美知太郎*10は「バカバカしい言いがかりをつけたバカ」としか言いようがないですね(もちろん田中の言葉を得意げに紹介する平川もバカです)。田中がギリシャ哲学研究者として立派かどうか知りませんがそんな事とは関係なく田中はバカです。早稲田大学のI濱Y子女史が「チベット学者として立派かどうか知りませんがそんな事とは関係なく『沖縄に米軍がなければ中国が攻めてくる』などと放言するバカ」なのと同じ事です。
 九条護憲派が問題にしてるのは「日本が攻められること」ではなく「日本が戦前のように攻めること」です。それをさせないための「九条擁護」であって「九条を擁護すれば外国が攻めてこない」なんてことは一言も言ってない。
 そして「戦前を反省してない産経のような九条改憲派」では「戦前のような侵略は日本は2度としない」などとは残念ながらとても言えないでしょう。
 「産経のような九条改憲派」がきちんと戦前を反省すれば「まだマシ」なのですが、そうでない以上、俺はとても九条改憲論に与することはできませんね。「戦前の侵略を反省すれば九条改憲していい」とは「ハト派」の俺個人は「実は思わない*11」のですが少なくとも「戦前の侵略を反省もせずに九条改憲など話にならない、そんなん侵略被害国(中国、韓国、東南アジアなど)は反対して当然だ」「ドイツもナチ犯罪を反省しなかったら近隣諸国(フランス、オランダ、東欧など)の反対で再軍備はとてもできなかったろう」とは思っています。


■【北朝鮮拉致】同時期に10〜20代の女性13人が不明 「若い女性連れてこい」との指示か 
http://www.sankei.com/affairs/news/151101/afr1511010024-n1.html
 そもそもこの「13人の女性」とは全員、例の「特定失踪者」なんだから全然拉致じゃありません。
 ばかばかしくて話にもなりません。タイトルの「指示か」というのは荒木和博の与太話に過ぎません。


拉致被害者「北から絶対に救出する!」世論必要…河合さん母も登壇 福井・おおい町で集会
http://www.sankei.com/west/news/151102/wst1511020018-n1.html 
 記事タイトルに名前が出てくる「河合さん」というのは「特定失踪者」ですから全然拉致じゃありません。
 ばかばかしくて話にもなりません。


■「ハヤテのごとく!」声優の松来未祐さん死去、38歳 「這いよれ!ニャル子さん」のクー子なども担当
http://www.sankei.com/entertainments/news/151102/ent1511020006-n1.html
 松来氏ファンらしいMukkeさんがはてブでやたら騒いでたので気付いたのですが(苦笑)。
 近年「声優草創期の大ベテラン(多くは新劇出身者でアニメだけでなく洋画の吹き替えもしている)」がどんどんお亡くなりになってますが、今回は「38歳という早世」ですね。ウィキペディア松来未祐」を見ればわかりますが「声優になりたくて声優の勉強を専門学校でして、デビューも声優(おそらく新劇経験はないのでしょう)、洋画の吹きかえよりもアニメの仕事が多い」というのは「草創期とはやはり時代が違うのだな」と思いますね。
 まあ、「人生80年時代」では明らかに早死にでしょう。つうか、「サザエさんでは『一応』若手の富永みーな」ですら、もう49歳ですからねえ。富永みーながガン病死でもしたらやはりびっくりしますよねえ。
 小生、アニメは「サザエさんドラえもんなど一部を除いて」全然見ないのでこの方の「声が分からない」のですが、ご冥福をお祈りしたいと思います。


■【野口裕之の軍事情勢】中国というフランケンシュタインを造ったニクソン&ヴォルデモートの魔力を授けたオバマ米大統領の対中大錯誤
http://www.sankei.com/premium/news/151102/prm1511020005-n1.html
 タイトルだけで「開いた口がふさがらない」ですね。
 まさか今時「中国というフランケンシュタインを造ったニクソン」と言ってニクソン訪中を批判する人間が「産経記者とは言え」、いるとは思っても見ませんでした。
 「オバマは中国に甘い」という人間なら「主張の是非はともかく」まだ理解できるんですけどね。

*1:小生個人は反原発派、脱原発派ですが

*2:小生は産経と違い「中国は危険、欧米や日本は安全」ではなく「全ての原発が危険で早急に廃炉にすべき」つう考えですが

*3:こんな反中国極右とキャメロンはつきあってたなんて、一体、何の戦略アドバイザーだったんですかね?

*4:産経は平気でデマ記事書くから困りますが。

*5:カザフスタンキルギスタジキスタンウズベキスタン

*6:日本会議会長、国家基本問題研究所副理事長

*7:憲法」に「美しい」という修飾語をつける神経は分かりませんね。どんな憲法が美しいのか?。

*8:ウィキペディアに寄ればこの松尾氏、『九州電力会長』だそうです。「国内だけが市場の電力企業」とはいえ九州電力ほどの大企業の幹部が『日本会議福岡会長』とは何とも絶句しますね。まあ、過去にもワコールの塚本とか「大企業幹部なのに非常識右翼」という信じられない人間はいますが。

*9:著書『日本語は生きのびるか:米中日の文化史的三角関係』(2010年、河出書房新社)、『西洋人の神道観:日本人のアイデンティティーを求めて』(2013年、河出書房新社)、『竹山道雄と昭和の時代』(2013年、藤原書店)、『日本人に生まれて、まあよかった』(2014年、新潮新書)、『日本の正論』(2014年、河出書房新社)、『日本語で生きる幸福』(2014年、河出書房新社)など

*10:著書『哲学初歩』(2007年、岩波現代文庫)、『ロゴスとイデア』(2014年、文春学藝ライブラリー)など

*11:その理由の一つは日米安保です

今日の産経ニュース(8/1分)(追記・訂正あり)

■【サッカー東アジア杯】なでしこ、北朝鮮に2−4 初戦黒星発進!
http://www.sankei.com/sports/news/150801/spo1508010050-n1.html
 「北朝鮮が意外と強いのか」、はたまた「なでしこの力が落ちてるのか」、何なんでしょうね?。
 まあ少なくとも「この間の米国戦敗北」といい「なでしこも強豪(米国、北朝鮮)相手には絶対的に有利なわけではない」のでしょう。


■【北京冬季五輪】開催決定は「プロパガンダのための贈り物」 チベット支援団体、IOCを批判
http://www.sankei.com/world/news/150801/wor1508010041-n1.html
 「平和の祭典」とかデマるからこういう批判が出るんであってもうIOCは正直に「うちはただのスポーツ興業屋ですから」「他のスポーツ大会と変わらないんです」て言えばいいんじゃないですかね。大体IOCがそんなに人権にセンシティブなら「人権面で批判されるロシア」なんかでソチ冬季五輪(2014年)やるわけないし。つうか「軍事独裁時代韓国でソウル夏季五輪(1988年)」「アフガン戦争やってる米国でソルトレーク冬季五輪(2002年)」やってる時点で「何が人権だ、何が平和だ」て話じゃないですかねえ。
 しかしこんなコトして何か意味があると思ってるんですかねえ、チベット関係者や自称人権活動家連中は。バカというか何というか(つうとほぼ確実に例のid:Mukkeさんとか大激怒でしょうが)。
 こんなん言ったって北京開催が変わるわけないし。既に夏季五輪を2008年に北京でやってるわけですから。「立候補国が2カ国だけで、カザフと中国の一騎打ち」の時点で中国勝利なんか予想の範囲内ですよ。今さら何言ってるのか。
 人権つう意味ではカザフは「人権重視です」なんて言える国じゃないし。何せ1990年から現在までの約25年間にわたってナザルバエフ大統領の独裁体制ですからね。
 一方「予算面」でいったら「貧乏なカザフ」は「豊かな中国」と違って不安があるわけです。チベット連中とか自称人権活動家(例:id:Mukkeさんが支持してるらしいヒューマンライツウオッチ*1とか)とかは「中国は嫌だ」てどこにしてほしいんですかね。いっそ「北京以外でやる場所がないなら、2022年に冬季五輪をやるな」と思ってるのならそうはっきり言ってください、チベット関係者や自称人権活動家連中は。
 多分、世間に支持されないと思いますけど。


■「犬神家の一族」の俳優、加藤武さん死去 86歳、スポーツジムのサウナで
http://www.sankei.com/entertainments/news/150801/ent1508010016-n1.html
 「文学座代表を務める演劇界の重鎮」でもある「名優がまた一人なくなったか」て感じですね。まあ86歳という年齢はいつなくなってもおかしくない年齢ですが。つうことで「82歳と79歳」という「いつなくなってもおかしくない横田夫妻」はもう「孫との生活」を考えた方がいいんじゃないですかね。
 そしてダライも例の「転生廃止の件」については早く片つけた方がいいでしょうね。いつ死ぬかわかんないし。
 個人的には加藤氏というと
市川崑版・金田一耕助の「よし、わかった*2(等々力警部ほか)*3
・「仁義なき戦い*4」の打本組組長・打本昇*5
のイメージが強いですね。要するにコミカルな印象が強い。追悼映画でも流れるんですかね、どうでしょうか。
 それにしても「仁義なき戦い」で
打本と対決する事になる「山守組組長・山守義雄(金子信雄)」 や
打本と手を組み山守と対決する「広能組組長・広能昌三(菅原文太)」なども、もはやこの世の人じゃないわけです。

*1:どうせアフガン戦争の時はHRWの奴らは「御仲間のメリケン連中が怖くて」、「戦争やってる米国で平和の祭典・五輪とか偽善だ」なんて言ってなかったんでしょうしね。HRWて、単に「中国やカザフだけは批判する」ヤンキーの偽善集団じゃないですか。「美味しんぼ捕鯨編」に出てくる「戯画化された自称環境保護活動家」みたいなゲスい連中の集まりなんでしょうね。

*2:原作にはこういうセリフはありませんし原作にせよ「加藤氏ではない、映像化作品の等々力警部にせよ」加藤版のようなコミカルなキャラではありません。むしろ原作での等々力警部は「金田一の意見を聞かない限り軽率には動かない」慎重派です。その辺り加藤氏の演技は評価は分かれるでしょう。

*3:全部等々力警部かと思ってましたが、「犬神家の一族」(1976年)のときは「橘署長」なんですね。ちなみに出演作品は『犬神家の一族』(1976年及び2006年のリメイク版)、『悪魔の手毬唄』(1977年)、『獄門島』(1977年)、『女王蜂』(1978年)、『病院坂の首縊りの家』(1979年)

*4:正確には第三作「仁義なき戦い・代理戦争」(1973年)、第四作(最終作品)「仁義なき戦い・頂上作戦」(1974年)

*5:優柔不断な性格で山守にさんざんバカにされる

今日の産経ニュースほか(5/20分)(追記・訂正あり)

朝鮮学校補助金「政府方向性と異なる」 拉致問題関係者ら批判 千葉
http://www.sankei.com/region/news/150520/rgn1505200065-n1.html
 拉致の解決に「朝鮮学校いじめ」がどう役立つのか。巣くう会と家族会はいい加減にしろと言いたいですね。


■【党首討論 安倍VS志位(1)】安倍首相「村山談話、小泉談話を全体として受け継いでいく」 志位委員長「間違った戦争との認識あるか?」
http://www.sankei.com/politics/news/150520/plt1505200051-n3.html

志位
ポツダム宣言は日本の戦争について、第6項*1と第8項*2の2つの項で、間違った戦争だという認識を明確に示している。首相にお尋ねする。ポツダム宣言のこの認識を認めないのか。端的にお答えください」

 この志位質問に

安倍
「私はまだその部分をつまびらかに読んでおりませんので、承知はしておりませんから、ここで直ちにそれに対して論評することは差し控えたいと思う」

などと答え志位氏から「ポツダム宣言の認識を認めないようで国際社会でやってけるのか」とやり込められた安倍です。
 まさか「本当に読んでない」わけもないでしょう。「ウヨ支持層の手前」、ポツダム宣言の認識と同意見と言えず、とはいえ国際社会(特に米国)の事を考えれば「違う意見」とも言えず、こうなったのでしょうが詭弁にしてもレベルが低すぎます。
 ちなみに質問翌日の赤旗記事。
赤旗『“「ポツダム宣言」を読んでいない”、首相の資格なし、党首討論後 志位委員長が会見』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-05-21/2015052102_01_1.html
 本当に読んでないにせよ「読んでるのに読んでないと詭弁で逃げた」にせよ、およそ首相の言う言葉じゃないという当然の批判です。まあ、さすがに安倍も読んでるでしょうし、志位氏も「ただの詭弁」だと思ってるでしょうが。

【追記その1】
 さて安倍が「ポツダム宣言についてよく知らないので答えられない」という無様な逃げをしたので、志位氏も彼をやり込めたわけですが、もし安倍が「もちろん私はポツダム宣言の内容を正当な物と認めます」と答弁していたら志位氏はどう追及したのか。
 それが想像できる記事が以下の記事です。

http://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000050916.html
 共産党が明らかにしたところによりますと、2005年発行の雑誌の対談で、安倍総理は「ポツダム宣言というのはアメリカが原爆を落とし、日本に惨状を与えた後、『どうだ』とばかりにたたき付けたものだ」と語っていました。そのうえで、「あたかも自分自身が戦勝国であるかのような態度で日本の総理を責め上げる。大変な違和感を覚えました」と述べています。志位委員長は、「戦勝国が勝手に突き付けたものであって、破り付けたいというのが安倍氏の本心だ」と指摘しました。

 安倍が「もちろん私はポツダム宣言の内容を正当な物と認めます」と答弁していたら、志位氏は「あなた、2005年の雑誌*3ではポツダム宣言に悪口雑言じゃないですか。2005年の認識と今答弁された認識は矛盾しないのか。2005年の認識を今でも保持してるのか。お答え下さい」とでも言っていたんでしょうね。


【追記その2】

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-05-22/2015052202_02_1.html
 志位委員長は21日の記者会見で、安倍首相が自民党幹事長代理だった2005年当時、『Voice』7月号の誌上対談で「ポツダム宣言というのは、アメリカが原子爆弾を二発も落として日本に大変な惨状を与えたあと、『どうだ』とばかり叩(たた)きつけたものです」とのべていたことを示し、「政治家として根本的な資質が疑われます」と語りました。
 問題の発言は、「ポツダム宣言」にふれて小泉純一郎首相(当時)の靖国神社参拝をただした民主党衆院議員を批判するくだり。「ポツダム宣言」について先のようにのべたあと、「そんなものをもちだし、あたかも自分自身が戦勝国であるかのような態度で、日本の総理を責めあげる。大変な違和感を覚えました」と語っています。
 こうした発言について志位氏は「事実誤認があります」と指摘しました。「ポツダム宣言」が発せられたのは1945年7月26日、日本が受諾通知したのは8月14日、公式調印したのは9月2日です。他方で原爆投下は8月6日と9日だからです。
 志位氏はこの時系列を端的に示し、「二つ原爆が落ちたあとに叩きつけたものではありません。一連の発言をみると本当に(ポツダム宣言を)読んでなかったことがうかがわれます」とのべました。
 「彼にとっては、(ポツダム宣言は)戦勝国が勝手な要求を突きつけたものであって、『破り捨てたい』というのが本心だと思います。それを言うわけにいかず、あのような(=読んでいない)答弁になったのかなと思います」とのべました。

ポツダム宣言を無視→原爆投下→受諾」と言う流れを安倍がネグるのは「無視しなければ原爆投下はなかった」という批判をかわしたいからでしょう。さすが河野談話を否定しようとする歴史捏造主義者です。
 まあ、安倍が宣言を読んでないというのはさすがにないでしょうが、あの無様な答弁を見るに、「志位氏のようにきちんと突っ込まれたときに反論出来るほど考えをまとめてない、その場の感情で物をいってる」てのもまた事実なんでしょうね。


■【主張】維新の党 再出発へ鮮明な旗掲げよ
http://www.sankei.com/column/news/150520/clm1505200002-n1.html
 維新が橋下の市長辞任表明、江田の代表辞任でどうなろうと、「維新機関紙ではないはず」の産経にとってどうでもいいはずですが、「安倍同様」維新に自民応援団を期待していた産経にとっては今後の維新の動向が不安なんでしょう。

 注目したいのは、維新の会当時からの憲法改正路線を堅持するかだ。
(中略)
 自民党や次世代の党など他の改憲勢力との連携を模索する路線をとってほしい。

と露骨に「維新への要望(今後も安倍応援団でいてくれ)」を書いています。


■【産経抄】けったいな連れ合い 5月20日
http://www.sankei.com/column/news/150520/clm1505200004-n1.html
 産経コラムには「作家・車谷長吉氏(享年69才)の死因」は書いてありませんが、報道に寄れば「誤嚥による窒息(食べ物が気管に詰まったと言う事でしょう)」だそうです。年齢が「横田夫妻くらいの高齢」なら充分あり得ることでしょうがやはり「69才で誤嚥」というのは相当体調が悪かったんでしょうね。何とかならなかったんだろうかとは思います。


■【主張】被爆地訪問 中国の横やりにあきれる
http://www.sankei.com/column/news/150520/clm1505200003-n1.html
 もちろん中国のこの行為に俺も賛同はしません。ただ「中国の要望だけでこうなった」のか。そうではないでしょう。
 核保有国にとってはおそらく中国の提案は「万々歳」であったのであり、「中国批判だけする」というのもあまり建設的じゃありません。

中国は先の大戦を持ち出し、日本を「侵略国家」と誹謗(ひぼう)する歴史戦を執拗(しつよう)に仕掛けている。

 やれやれですね。誹謗じゃなくて事実じゃないですか。この産経の文章、どう見ても「過去は侵略国家だったが今は反省した」と言う文章ではなくて「そもそも侵略してない」と言う居直りとしか読めません。

米露中英仏の5つの核兵器国のうち、核戦力の増強を進めているのが唯一、中国であることも併せて認識しておきたい。

 この産経の指摘が事実か知りませんが、「一番核保有数が多いのは米露で数1000発単位」「中国は数百発単位」ということ(たとえばウィキペディア「核保有国の一覧」参照)を考えれば産経が言うほど中国を脅威視するのはどうなんですかね。

*1:『吾等ハ無責任ナル軍国主義カ世界ヨリ駆逐セラルルニ至ル迄ハ平和、安全及正義ノ新秩序カ生シ得サルコトヲ主張スルモノナルヲ以テ日本国国民ヲ欺瞞シ之ヲシテ世界征服ノ挙ニ出ツルノ過誤ヲ犯サシメタル者ノ権力及勢力ハ永久ニ除去セラレサルヘカラス』という文。

*2:『「カイロ」宣言ノ条項ハ履行セラルヘク又日本国ノ主権ハ本州、北海道、九州及四国並ニ吾等ノ決定スル諸小島ニ局限セラルヘシ』と言う文。なお、カイロ宣言は『日本国ヨリ千九百十四年ノ第一次世界戦争ノ開始以後ニ於テ日本国カ奪取シ又ハ占領シタル太平洋ニ於ケル一切ノ島嶼ヲ剥奪スルコト並ニ満洲、台湾及澎湖島ノ如キ日本国カ清国人ヨリ盗取シタル一切ノ地域ヲ中華民国ニ返還スルコトニ在リ。日本国ハ又暴力及貧慾ニ依リ日本国ノ略取シタル他ノ一切ノ地域ヨリ駆逐セラルヘシ。朝鮮ノ人民ノ奴隷状態ニ留意シヤガテ朝鮮ヲ自由且独立ノモノタラシムルノ決意ヲ有ス』としている

*3:どうもウヨ雑誌『Voice』(PHP研究所)のようです

今日の産経ニュースほか(3/29分)(追記・訂正あり)

■【歴史戦】「韓国軍が慰安所設置」 ベトナム戦争時 米公文書に記述
http://www.sankei.com/politics/news/150329/plt1503290011-n1.html
 仮にこの記事が事実だとしても「だから何?」て話でしかありません。韓国人の元「旧日本軍慰安婦」にとっては「そんなん知らんがな、何で韓国政府がベトナム戦争慰安所設置したらワシらへの日本軍の違法行為がチャラになるんや、理屈がおかしいやろ」「韓国政府がベトナム戦争の元慰安婦に謝って償い金払うべき、て話と違うのか?」て話でしかない。大体「一番数が多いのは韓国人慰安婦」ですが「東南アジア人(例:フィリピン、インドネシア)の慰安婦」もいて、アジア女性基金も償い金を渡してるのに産経は何抜かしてるんでしょうか?


■【書評】ケント・ギルバートが読む 『「正義」の嘘 戦後日本の真実はなぜ歪められたか』
http://www.sankei.com/life/news/150329/lif1503290018-n1.html
 ケント・ギルバートもウヨ商売に乗り出すとは落ちるところまで落ちたなという気がしますね。自称「カリフォルニア州弁護士」ですがまあ、まともな弁護士稼業で食えない結果がこの醜態なんでしょう。


■総連トップ次男、正恩政権「密使」 本国送金・秘密資金運用も担う
http://www.sankei.com/affairs/news/150329/afr1503290014-n1.html
 「匿名の関係者情報」、つまり公安リークによる思わせぶりなネガキャン記事でしかありません。「公安リーク」なので裏の取りようがなく「ふーん、そうなの(棒)」「でそれで結局何がどうなるの?」で終わってしまう記事です。


■【リー・クアンユー氏死去】難しさ増すシンガポールのバランス外交、中国にらみ日本に期待も
http://www.sankei.com/world/news/150329/wor1503290028-n1.html

 リー氏死去の際、中国から何通も届いた弔電のうち1通は習近平*1国家主席のものだった。シンガポールの主要英字紙、ストレーツ・タイムズによるとリー氏は1990年代初め、地方幹部に過ぎなかった習氏の将来性に目を付け、シンガポールにきた際に食事に誘い、関係を構築してきた。

 まあ、習氏一人だけに目をつけたと言うよりは「複数の若手・中堅幹部に目をつけててそのうち大当たりしたのが習氏」てことでしょうし、そういうのは「中国限定でなくて他の国でもたくさんある」んでしょう。とはいえ「さすがリー・クアンユー」と言うべきでしょうか。「1990年代初め」といったらまだ「江沢民*2国家主席時代」で「習氏がどこまで出世するか」なんて全然分からないでしょうしね。


日本テレビ福田元首相「参加反対する理由なくなった」』
http://www.news24.jp/articles/2015/03/29/10271934.html

 中国を訪問している福田康夫*3元首相は29日、習近平国家主席と会談し、アジアインフラ投資銀行について、「参加を反対する理由がなくなった」などと評価した。

 福田氏の動きは「安倍の要請を受けてのもの」なのか、今後の安倍政権の動向が注目されます。しかし谷垣*4幹事長や二階*5総務会長が訪中しても習氏はあってくれない*6のに福田氏なら会うという態度はどう見ても「安倍政権執行部の人間なんかと政治的に危なくて会えるか、中国が安倍に屈服したなんて宣伝されてはかなわん」「福田氏みたいな非主流派の大物と会うのが当面は政治的に無難だ」と言う意思表示でしょうね。


■【ボアオフォーラム】アジア向け投資で存在感誇示した中国

http://www.sankei.com/world/news/150329/wor1503290029-n1.html
【ボアオ(中国海南省)=山本秀也
 首脳級を含むアジアなどの官民要人が参加して、当地で開かれていた「ボアオアジアフォーラム」年次総会は29日、閉幕した。会期中、中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加表明が相次ぐなど、経済を前面に立ててアジアの新たな秩序構築をめざす中国にとり、総会は存在感を誇示する場となった。
(中略)
 総会に出席したオーストラリアのコールマン金融相は、「こうしたメカニズム(AIIB)がインフラ資金の需要を満たすと確信し、重視している」と発言。タイのタナサック副首相兼外相は中国の経済圏構想とAIIBが、「貧困の解消や機会の創造に役立ち、地域の平和と安定につながる」と論評した。

 つうことで「アンチ中国」産経の願望に反し、AIIBへの評価は今のところ、おおむね肯定的なようです。


■【お金は知っている】親中派メディアの無知露わ「AIIB報道」 融資どころではない中国事情
http://www.sankei.com/premium/news/150329/prm1503290015-n1.html
 AIIBを評価するメディア(例:日経)を「親中派」「無知」だの罵倒するんだから産経の反中国ウヨぶりは半端ありません。批判する場合でも少しは冷静な言葉遣いをしたらどうなんですかね。こういうビッグマウスはかえって記事の信頼性を落とすでしょう。
 つうか日経のどこが「親中派」なんでしょうか(まあ、その立場上、中国ビジネスを否定できるわけがないという意味では日経は「親中派*7」ですが、別に親中派だからAIIBを評価してるわけじゃないでしょう)。そして「英仏独伊、韓国、台湾などと言った経済先進国・地域が参加表明してるんだから日本も参加した方がよくね?。アジアインフラ投資銀行で『アジアの大国・日本』が蚊帳の外はまずいんじゃね?」のどこが「親中派」「無知」なんでしょうか。
 つうかこの産経の物言い「参加表明した国は馬鹿の集まり、AIIBなんて中国一人が美味しい思いするだけで他の国はやらずぼったくり。ろくな成果でないに決まってる、参加しない*8日本はお利口ちゃん」と言ってるも同然のビッグマウスですが、どれほど産経は自信過剰なんでしょうか。まあ、産経は「中国批判出来ればそれで御の字」であって「予想通り失敗*9すればホラ見たことかと大喜び」、成功したらしたで「卑怯にも黙り」、別の中国非難ネタを追いかけてるからそれでいいんでしょうけど。


■【日曜経済講座】インフラ銀…その正体は「共産党支配機関」 参加論を斬る 編集委員・田村秀男*10
http://www.sankei.com/economy/news/150329/ecn1503290012-n1.html

 中国主導で設立準備が進められている「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」はどうか。中国は当初から資本金の50%出資を表明し、今後出資国が増えても40%以上のシェアを維持する構えだ。総裁は元政府高官、本部も北京、主要言語は中国語。AIIBは中国財政省というよりも、同省を支配する党中央の意思に左右されるだろう。今後、何が起きるか。
 例えば、党中央が必要と判断したら、北朝鮮のAIIB加盟がただちに決まり、同国向け低利融資が行われ、日本の経済制裁は事実上無力化するだろう。

 だから参加するなと言う産経です。が「経済素人の俺ですが」産経の主張はとんちんかんきわまりないと思いますね。 
 先ず第一に日本が参加しようとすまいと、もはや「AIIB設立」はほぼ確実なわけです。「英仏独伊、韓国、台湾」などといった経済先進国・地域が参加表明した以上、もう「設立自体は動かない」わけです。
 であるなら「むしろ参加して中から日本の意見を通すべき」じゃないのか。「外からああだこうだ」言っても意味がないんじゃないのか。あとでも触れますがたぶん「アジア開銀との競争に負けてAIIBは消滅」とでも思ってるから「不参加でOK」なんでしょうけど。
 第二に「日本の対北朝鮮経済制裁」なんてAIIBの設立に関係なく既に無力化しています。ロシア、中国が北朝鮮を公然と経済支援してるからです。「AIIBを設立するとより北朝鮮支援が本格化するかも知れない」としてもせいぜい「今まで10だった中国の支援が15に増えた、20に増えた」程度の話であって「全くのゼロが突然10に増えた、15に増えた」なんて話じゃないでしょう。

反論もあるだろう。「AIIBは英独仏など欧州主要国も参加するではないか、党に支配されるはずはない」という具合に。

 そもそもAIIBの詳しい事は今後話し合いで決まりますからね。まあ、「AIIB発案者で最大の出資者である中国の意向は非常に重視されるが、産経が『中国共産党直結の出先機関も同然』『中国共産党支配』云々と言うほどストレートには反映されない」と言うのが一番あり得る話じゃないですかね。
 中国も「発案者で最大の出資者」なんだから自分の意見が重要視される事は希望するでしょうが、参加国の反発を買ってまで「党直結の下部機関扱いするほど」無神経、無謀じゃないでしょう。

仮に日本がマイナーな出資比率で参加したところで、党中央政治局に伺いを立てるAIIB総裁に影響力を持てるはずはない。

 じゃあ不参加で影響力を及ぼせるかといったら及ぼせるわけもないでしょう。結局産経は「日本は、日本の影響力が強い既存の国際金融機関・アジア開発銀行*11に全力投球すればいいんだ」「AIIBなんていずれアジア開銀との競争に敗北して消えてなくなるさ」とでも思ってるようですが問題は「どこにもAIIBがそうなる保障はない」てことでしょう。「AIIBが今後一定の政治力を持った場合」、どうするのかて事です。産経だと「何年かけてもAIIBは潰す」とか言いそうですが。
 まあ、「あとからAIIBに入れてもらう」て手もないわけじゃないでしょうけど。ただそれじゃ入れてもらえるにしても「中国や既存のAIIB参加国に足下見られて日本の待遇が悪くなる」可能性があるわけです。だから日経なんかは「参加してもええんと違うか」と言い出すわけです。

【追記】
1)AIIB構想について思うことは「マハティール(マレーシア首相)のEAEC構想(1990年代)」との違いですね。このEAEC構想は「米国外しではないか」と疑う米国の反発で事実上挫折しますが、今回は米国が反発しても実現の見込みの訳です。そこは「1990年代のマレーシア」と「2010年代の中国」の経済力の違いというのも大きいのでしょう。
2)ちなみに産経が「親中派」「無知」と罵倒する日経社説は以下の通りです。

http://www.nikkei.com/article/DGXKZO84622300Q5A320C1EA1000/
■日経社説『中国が主導するインフラ銀に積極関与を』
 中国主導で創設するアジアインフラ投資銀行(AIIB)に、欧州の主要国*12が相次いで参加意思を表明した。日本はどう向き合うべきか。欧州の先進国が加わり、広がりのある国際金融機関がアジアに誕生する以上、目をそむけ続けるわけにはいかない。
 AIIBの現時点の構想は、意思決定の仕組みや審査基準などに不透明な点が多い。資本金の過半を拠出する中国が強大な発言力を持ち、巨大なインフラ需要に応える資金の流れに支配的な影響を与える可能性もある。
 さらに安全保障上の警戒感もあり、日米両国は参加に否定的だ。だが対中貿易・投資の実利を追う英国、ドイツ、フランス、イタリアの加入で主要7カ国*13(G7)のうち4カ国が構想支持に回り、先進国の日米欧と中国が対峙するという構図は完全に崩れた。
 流れが変わった以上、現実的な目線で中国の構想と向き合うべきではないか。AIIBの否定や対立ではなく、むしろ積極的に関与し、関係国の立場から建設的に注文を出していく道があるはずだ。
 AIIBを「中国の銀行」ではなく中立性の高い「多国籍機関」に導いていく努力を、怠るべきではない。創設メンバー国となる欧州各国やニュージーランドは、内部から透明性の確保を働きかけていく構えだ。中国側も新銀行が国際的な信認を得るために、耳を貸さないわけにはいかない。
 欧州各国が中国陣営に取り込まれ、G7に亀裂が入ったとの見方はある。だが、AIIB設立協定の締結に向けた協議や設立後の運営への発言権を確保し、内外からAIIBへの関与が可能になったと考えることもできるはずだ。
 好むと好まざるとに関わらず、AIIBは年内に発足する。中国の独走を防ぐためには、まず公平で透明な統治の機構を設計することこそが肝要である。そのための条件が満たされるならば、日本が資金を拠出して構想に参加する選択肢も排除すべきではない。
 AIIBが中国の意のままに動く銀行となり、環境に配慮しないインフラ開発*14や持続不能な事業への融資が横行するのではないかとの疑念も広がる。非参加国の企業が入札に加われないなど、不利な条件を恐れる日本企業も多い。AIIBを健全に育てるためにも、日米中心のアジア開発銀行(ADB)は資金力を増やし、競争と協調の両面で関与を深めるべきだ。

*1:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て国家主席、党総書記、国家中央軍事委員会主席、党中央軍事委員会主席

*2:電子工業大臣、上海市長・党委員会書記を経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*3:森、小泉内閣官房長官を経て首相

*4:小泉内閣国家公安委員長財務相自民党政務調査会長(福田総裁時代)、福田内閣国交相、第二次安倍内閣法相などを経て自民党幹事長。

*5:小渕内閣運輸相、小泉、福田、麻生内閣経産相などを経て自民党総務会長

*6:序列4位の兪正声全国政治協商会議(政協)主席があった

*7:ただそう言う意味では一部極右メディアを除いて日本中、親中派メディアですが。「中国ビジネス全否定」なんて非常識ですからね。

*8:少なくとも現時点では参加方針ではありません

*9:まあ、何をもって成功、失敗と評価するかて問題がありますけど。少なくとも不良融資で銀行が倒産するような大失敗はないと思います。

*10:著書『人民元、ドル、円』(2004年、岩波新書)、『経済で読む「日・米・中」関係:国際政治経済学入門』(2008年、扶桑社新書)、『日経新聞の真実』(2013年、光文社新書)、『アベノミクスを殺す消費増税』(2013年、飛鳥新社)、『消費増税の黒いシナリオ:—デフレ脱却はなぜ挫折するのか』(2014年、幻冬舎ルネッサンス新書)など

*11:日本の発案であり、歴代総裁も日本人。出資比率も日本が一番多い。

*12:英国、フランス、ドイツ、イタリアのこと

*13:米国、カナダ、英国、フランス、ドイツ、イタリア、日本

*14:ただし世銀やアジア開銀が環境に配慮してるかといえばはなはだ疑問です。

今日の産経ニュース(3/24分)(追記・訂正あり)

■NHK会長のハイヤー問題 経営委「再発防止策遂行を」
http://www.sankei.com/entertainments/news/150324/ent1503240014-n1.html
 再発防止策も何も「籾井個人が非常識なだけ」でしょう。籾井が辞めればいい問題だと思いますが。
 籾井は「NHKの外部の人間」だし、こんなのはNHKの体質の問題とはとてもいえないでしょう。


■【ソウルから 倭人の眼】「日本は金ばらまき米国で歴史修正ロビー活動」と喧伝 また韓国の困った“思い込み”
http://www.sankei.com/premium/news/150324/prm1503240002-n1.html
 思い込みではないですね。広報予算が増えてるのは事実だし、産経などが「広報予算で慰安婦問題などでの中国、韓国の誹謗に対抗しろ」と吠えてること、それを安倍政権が黙認してることも事実です。もちろん「増えた広報予算全額がそれ関係」てこともないでしょうが、「かなりの部分がそうではないか」と疑われても仕方がない言動を産経や安倍政権はしてきた。
 であるなら「思い込みだ」と逃げずに「確かにその通りだ、だがそれは正当な歴史広報であり歴史修正主義ではない」とでも言えばいいのに都合が悪くなると「広報予算は色々あるんだ、歴史問題オンリーじゃない」「中韓の被害妄想だ」と逃げてしまうんだからまあいい加減です。内弁慶というか何というか。
 国内では「広報活動で慰安婦などでの誹謗に勝ってみせる」と吠えながら国外で問題視されると、言い訳に走るわけです。


■【産経抄シンガポールそのもの 3月24日
http://www.sankei.com/column/news/150324/clm1503240004-n1.html

 シンガポールでは、小学校から英語に加えて、中国語、マレー語、タミル語のいずれかを選ぶ、2カ国語教育を実施している。
(中略)
 最近は、特に中国語教育に力を入れてきた。世界第2位の経済大国となった中国との関係が、シンガポールの将来を左右すると確信しているからだ。

 阿比留などの異常な反中国極右がいる産経ですが「シンガポールリー・クアンユー氏が親日派とされていること」「シンガポールには華僑*1が多いこと」もあってか「シンガポールは中国に媚びてる」などと言わないのは興味深い。

23日に91歳の大往生を遂げたリー氏は、まさに、長男で現首相のリー・シェンロン氏がテレビで述べたように、「シンガポールそのもの」だった。

何せリー・クアンユー氏は
・「1965年の建国から1990年まで首相」「首相退任後も上級相(1990〜2004年)、内閣顧問(2004〜2011年)を歴任」
・2代首相ゴー・チョクトン氏*2は「クアンユー内閣副首相という子飼い」、3代首相「リー・シェンロン氏*3」は「自分の息子」というわけで死ぬまで一定の政治力を保持したわけです。
 「建国の1965〜現在の2015年」まで約50年間、リー氏の政党が政権を保持し続けたわけで「半分独裁」みたいなもんです。


■アキとカズ・第296回(喜多由浩)
http://www.sankei.com/life/news/150324/lif1503240002-n1.html

“官邸の主”の指示で都心のホテルにひそかに集まったのは連立政権を組む与党の党首・代表、そして、最大野党、友愛党の党首であった。
「お呼び立てして申し訳ありません。『緊急事態』なのです。ぜひとも力をお貸し願いたい」
 それだけいうと、“官邸の主”はおもむろに「あの映像」を映し出させた。
 元外交官の石山が命がけで撮影した、中学1年のときに北朝鮮に拉致されたままの、美しい女性によるメッセージである。
《もう一度、お母さんに会うため…生き抜いてきました。どうか皆さんの力で助けてください…》
「関係機関に精査させた結果、ご本人の可能性が極めて高い、と判断しました。救出のために自衛隊の部隊を出動させたいと思う。そのために、関係法令を急ぎ改正させたい。ご協力願えませんかっ」

 ばかばかしいですね。そもそも「中学1年のときに北朝鮮に拉致された女性(横田めぐみさんの事)」が生きて北朝鮮にいることが確実な証拠で判明したなんて事実自体ないわけですがそれはともかく。
 安倍だってさすがに「自衛隊で救出しよう」なんて思わないでしょうよ。
 何故か、この小説では「めぐみさんの居場所が確実に分かっていて*4」「自衛隊で簡単に助け出せる、作戦失敗による死亡の危険性は低い」「北朝鮮の反撃や中国、ロシアの軍事介入で恐ろしいことになるなんて事はない」という「ご都合主義設定」になってるようですが、そんな都合のいい展開する保障はどこにもないわけです。「そんな危ないことには賛成できない」と「小説内の首相」に「小説内の公明党民主党」が反対するのも当然です。
 仮にまあ、めぐみさんでも誰でもいいですが「帰国した5人以外に生存してる拉致被害者がいる」という確実な証拠が出たらどうするか。これは外交しかないでしょう。
 「確実にいるじゃないか、返してくれ」と。まさかそれに対して「殺害してしまう」ほど北朝鮮も野蛮じゃないでしょう。でまあ北朝鮮の面子の問題もあって、「いるんだから返せ」で話が片付くとも思えないのでそこは「第三国で発見されたことにする」とかいろいろと寝技立ち技でしょうがまあ、そこが日朝両国の外交力の見せ所でしょう。

“官邸の主”の不退転の決意…。だが、問題は簡単ではない。北朝鮮に近い中国やロシアだけでなく、アメリカや韓国まで反対する可能性があった。

 変な所でまともな産経です。確かにおっしゃるとおり自衛隊突撃なんて中露どころか米韓だって賛成しないでしょう。だったら最初から「自衛隊突撃なんて言うな」て話ですが。


■アキとカズ・第297回
http://www.sankei.com/life/news/150325/lif1503250006-n1.html

「リークさせたな。世論を沸騰させるために…」
 拉致被害者の女性の映像メッセージがネットに流出したことを知って外務省幹部の福田は唇を噛んだ。
 自衛隊部隊の派遣を巡っては、連立与党内でさえ意見が割れている。世論も賛成ばかりではない。とりわけ、与野党の秘密会談を新聞にすっぱ抜かれて*5からは「左側」からの巻き返しが激しさを増している。

 変な所でまともな産経です。確かに自衛隊出撃論なんて極右以外は支持しないでしょう。
 「小説内の安倍」だって「自衛隊出撃を考えてるがどうか」と公明党に相談するものの「ちょっとそれは賛成できない」と言われれば強行突破するほどの極右ではありません。
 まあ、そもそも「映像メッセージ」なんてどこにもないのでこんな話をすること自体馬鹿げていますが仮に映像メッセージが出たとしても自衛隊出撃論が沸騰することはさすがにないんじゃないか。

これまで拉致問題にさほど関心を示さなかった世界が「怒りの声」を上げ始めたのである。
北朝鮮の人権抑圧問題を許すな!》
《中露は拒否権を行使すべきでない》
 ニューヨークの国連本部の前は、世界各国の人権団体などが掲げる抗議のプラカードで埋まった。

これはないでしょうね。世界は拉致問題に関心などあまりないでしょう。産経はそうあって欲しいのでしょうが。

「王朝」そのものの退場を迫ることまで視野に入れているのだ−−。
「そうすることでしか日本人全員を取り戻すことはできない…。韓国国民も思いは同じじゃないか」

 何故か産経らウヨは「拉致問題の解決のためには北朝鮮民主化北朝鮮金正恩政権転覆)が必要」と考えてるようで理解に苦しみます。

*1:リー氏も華僑ですが

*2:首相(1990〜2004年)、上級相(2004〜2011年)を歴任

*3:ゴー内閣副首相を経て首相(2011年〜)

*4:実際にはそんなことないわけです

*5:右側(例:産経)がすっぱ抜いたのか、左側(例:赤旗)がすっぱ抜いたのかはこの小説内の記述では分かりませんが。少なくとも「官邸の主が自らリークした」わけではなさそうです。

今日の産経ニュース(3/23分)(追記・訂正あり)

■谷垣*1幹事長、中国共産党序列4位*2兪正声*3と会談 両国関係改善へ努力
http://www.sankei.com/politics/news/150323/plt1503230021-n1.html
 まあ安倍らしいですね。中国や「日中関係改善を望む財界辺り」には「谷垣は我が党のナンバー2(幹事長)で元総裁です、私の名代と思ってくれていい」「公明党の幹事長も谷垣に同行してる」とでもいい、一方「中国嫌いのウヨ」には「谷垣と公明党が勝手にやってること」とでもいうんでしょう。


スパイ疑惑の中国人 処分保留で釈放
http://www.sankei.com/west/news/150323/wst1503230069-n1.html
 まあ、そんな事になるだろうとは思ってました。こんなん最初から産経しか騒いでないですし直接の逮捕理由はスパイじゃないですからね。


■【名言か迷言か】民主の「報復」国会 マスコミ報道に飛びついて一喜一憂
http://www.sankei.com/premium/news/150323/prm1503230005-n1.html
 疑惑を追及するのは野党として当然の話です。古今東西どこでもそうだし、野党時代の自民党だってそうだった。「そんな事より政策論争を(産経や自民)」なんてのは居直りでしかない。


■【地方再考】全国唯一の議員報酬「日当制」 福島県矢祭町議会で賛否真っ二つ
http://www.sankei.com/politics/news/150323/plt1503230005-n1.html
 まあ、「日当でやりたい」というならそれは町の自由ですが俺は賛同できませんね。議員の仕事とは「議会で質問すること」オンリーじゃないからです。「質問する」には事前の準備がいるわけでそれにだって金はかかる。もちろん「お手盛り報酬」でも困るので「じゃーどうするか」と言ったらなかなか難しいでしょうけどね。適正な額なら月給制に戻すべきだと思いますね。


■【産経抄】死者を大事にする習慣 3月23日
http://www.sankei.com/column/news/150323/clm1503230004-n1.html

今回はあり得ない、と共同通信に代わって断言しておこう。

 当事者でもないのになんで産経が「朝日のいわゆるサンゴ事件とは違う」「共同の捏造ではない」と断言できるんですかね。まあ、仮に「共同の捏造ではない」としても「中国の反日はこんなに酷い」と産経が吹き上がる話でもないんですが。
 誰がなんのためにやったか今の時点では全く分からないからです。つうか記事にするような話か、これ。


■【野口裕之の軍事情勢】近代海軍史のレアもの 敵前逃亡艦を展示する中国の度胸
http://www.sankei.com/premium/news/150323/prm1503230007-n1.html
 何が言いたいんだかさっぱりわからない、産経の珍記事です。
 「日清戦争での敵前逃亡艦が軍事博物館に展示されてる」と聞けば大抵の人間は「二度とこういう敵前逃亡が起きないようにしよう、という戒めだな」としか理解しないでしょう。
 で、別にそれは「変な事」でもなければ、「日本にとって困ったこと」でもない。ぶっちゃけどうでもいい話です。「日清戦争の話だから反日宣伝だ」などと意味不明な理解をするのは産経だけでしょう。


シンガポール初代首相、リー・クアンユー*4が死去
http://www.sankei.com/world/news/150323/wor1503230010-n1.html
 この間の桂米朝の死去と言い、一つの時代が終わったという感じがしますね。

*1:小泉内閣国家公安委員長財務相自民党政務調査会長(福田総裁時代)、福田内閣国交相、第二次安倍内閣法相などを経て現在自民党幹事長

*2:第1位が習主席、2位が李首相、3位が張・全人代常務委員長

*3:青島市長・党委員会書記、建設相、湖北省党委員会書記、上海市党委員会書記などを経て現職

*4:シンガポール初代首相(1965〜1990年)。首相退任後も上級相(1990〜2004年)、内閣顧問(2004〜2011年)を歴任

今日の産経ニュース(3/19分)(追記・訂正あり)

■「地獄から生還した」 殺人で逮捕、釈放の自治会元副会長が大阪市内で会見
http://www.sankei.com/west/news/150319/wst1503190088-n1.html
 「自白強要された」んだそうです。真偽は不明ですが日本警察は「過去に何度も冤罪をやらかしてる」上にまともな再発防止策をとりませんからね。こういう時に使う言葉が「疑われても警察の自業自得」でしょうね。


文化勲章上方落語家、桂米朝さん*1死去 89歳
http://www.sankei.com/west/news/150319/wst1503190087-n1.html
 年齢を考えたら「いつその日が来てもおかしくない」わけですが上方落語の超ビッグネームの訃報には「一つの時代が終わった」と言う気がします。


■台湾、中国主導の「AIIB」に参加の意向
http://www.sankei.com/world/news/150319/wor1503190055-n1.html
 まあ、隣国の訳ですし、「英国、フランス、イタリア、ドイツ」といった先進国も参加の意向なんですから自然な話でしょうね。


■【正論大賞】「北朝鮮と韓国、どちらが先に体制崩壊するか…緊迫」 西岡力氏が受賞記念大阪講演会で
http://www.sankei.com/west/news/150319/wst1503190073-n1.html
 西岡のあほさには頭痛がしてきますね。そういうことを言って何か意味があるのか。韓国、北朝鮮双方の反感を買うだけでしょう。まあ「韓国の体制崩壊」とやらが「朴政権終了」を意味するなら「韓国の方が体制崩壊は早い」でしょうね。任期5年で再選がなくて、既に任期もかなり過ぎてますからな。まあ、「朴大統領の任期内に北朝鮮崩壊」てのはちょっとないでしょうね。
 一方、西岡の言う「韓国の体制」が「朴政権を意味しない」場合、西岡の言う体制崩壊てのはちょっと意味がわかりません。現与党の下野(大統領選での敗北)のことか?
 「体制崩壊(現与党が下野)して太陽政策派が政権についたら嫌だ」とかそういうことですかね。


■【阿比留瑠比の極言御免】何が「メディアの萎縮」か 勝手な民主党の被害妄想
http://www.sankei.com/premium/news/150319/prm1503190009-n1.html
 被害妄想というなら「靖国参拝」「河野談話否定論」など無茶苦茶な事をやり非難されると本気か詭弁か知りませんが「日本叩きだ」とわめく産経らウヨの方だと思いますがそれはさておき。
 やれやれですね。「メディアの萎縮」は民主党以外からも指摘があるのですがそういうことは無視するいつもの阿比留です。「産経は萎縮してない」「むしろ民主党政権時代の方が俺達萎縮してた」てそりゃお前らが安倍翼賛メディアだからだろ、て話です。
 まあ、「俺は萎縮してない」「俺の知る限り誰も萎縮してない」なんて主観的な話しか言えない辺り、阿比留も自らの主張が詭弁だと内心では自覚してるでしょうけど。
 中国、韓国、ロシアとか阿比留が嫌いであろう国の首脳が「偏向報道はやめてほしい」云々とメディア相手に言えば「言論弾圧だ、恫喝だ」と糞味噌でしょうしね(笑)。
 なお、正確には産経も安倍に対して「多少萎縮」してます。安倍も産経の言いなりではなく「欧米の批判」などから靖国参拝は自重してますし、外務省の働きかけの成果か、産経を無視して日朝交渉に乗り出しました。そういうことでは産経も萎縮というか「安倍批判を自重」するわけです。

 民主党が問題視しているのは、首相が昨秋に民放テレビ番組に出演した際、放映された街頭インタビューがアベノミクスに否定的な意見ばかりだったことについて、「おかしいじゃないですか」と指摘した件だ。幹部らが相次いで次のように批判している。
 「(首相が)報道機関に対してクレームをつけて、それを言論の自由なんて言われたら、人権そのものに対する大変な侵害だ。実際に私も報道関係者と話しているが、この話になるとみんな口を閉ざすんですよ」(細野豪志*2政調会長
 「(首相は)相当考えて出演しないと、報道の自由言論の自由が萎縮してしまう」「やっぱり安倍政権になってメディアは萎縮している、完全に」(岡田克也*3代表)
 「私も官邸で(官房長官として)仕事をした経験を踏まえると、首相が強い調子でいろんなことを言えば、どういう威嚇効果があるか」(枝野幸男*4幹事長)

 そもそも「否定的意見ばかりだった*5」としてもまともな人間なら「アベノミクスが理解されるように頑張る」「アベノミクスの成果が行きわたってない方もいると言うことなのでしょう。そのために地方創生などの対策を打っていきます」などというべきところ「アベノミクスが分からない奴らはバカだ、そういう奴らは頭がおかしいとでも言いたい」のか、はたまた「メディアの偏向報道だ、メディアは安倍政権を潰そうとしてるんだ、もっとアベノミクス評価は高いはずだ、偏向報道をするメディアはおかしいとでも言ってメディアを恫喝したい」のか*6知りませんが「おかしい」と声を荒げる安倍が「おかしい」ことは常識人には言うまでもないでしょう。

「報道番組の人たちは、それぐらいで萎縮してしまう人たちなんですか。(そうだとすると)情けないですね。極めて情けない」
 首相は12日の衆院予算委員会で、細野氏の質問に対してこう反語表現を用いて反論した。

 恫喝した当人が「恫喝されても闘えばいいじゃないか」て無茶苦茶な居直りですね。安倍以外はなかなか言えるセリフじゃないでしょう。自民党もそして日本社会も落ちたもんだとつくづく実感します。


■アキとカズ・第292回(喜多由浩)
http://www.sankei.com/life/news/150319/lif1503190003-n1.html

 「サクラ」を主宰する元海将の上垣梓(うえがき・あずさ)は拉致被害者救出に自衛隊を出すことにこだわっていた。

 海将というと相当のお偉いさんですからモデルは田母神でしょうか。まあ、あちらは航空自衛隊ですけど。
 で今回は上垣なるウヨが「めぐみさん生存の確かな情報が得られた」「めぐみさん本人が救出を訴える動画が手に入った」「だから自衛隊の出撃を」と訴える設定です。
 まあ、ばかばかしい。先ず第一に「めぐみさんに限らず」今のところ「帰国した5人の拉致被害者(蓮池夫妻、地村夫妻、曽我さん)とその家族」以外にあの国に生存してる拉致被害者がいるなんて確かな情報は現実問題どこにもないわけです。
 第二にまあ、仮にそういう情報が幸いにして得られたとしましょう。じゃー、自衛隊を突撃させられるかといったらそんなリスキーなことはできるわけがないでしょう。仮に拉致被害者があの国にいたとしても彼らも「自衛隊出撃」なんてリスキーな手法は「ノーサンキュー」でしょうよ。

*1:著書『落語と私』(1986年、文春文庫)、『私の履歴書』(2002年、日本経済新聞社)、『米朝よもやま噺』(2007年、朝日新聞社)など

*2:野田内閣環境相民主党幹事長(海江田代表時代)などを経て民主党政策調査会長

*3:民主党幹事長(鳩山代表時代)、鳩山、菅内閣外相、野田内閣副総理・行政刷新担当相、民主党代表代行(海江田代表時代)などを経て民主党代表

*4:民主党政策調査会長(菅代表時代)、民主党憲法調査会長(岡田代表時代)、鳩山内閣行政刷新担当相、菅内閣官房長官、野田内閣経産相などを経て民主党幹事長

*5:実際どうか知りませんが。「世論も賛否両論だと思いますがここでは批判的意見を紹介して首相のコメントを求めたいと思います」なんて話でも逆ギレするのが、安倍でしょうから。

*6:民主党は「メディアへの恫喝」と見なしてるようですが。まあ、おそらくそうなんでしょう。