黒井文太郎&常岡浩介に突っ込む(2019年10月12日分)

常岡浩介がリツイート
・Hirano Takashi(元在ウクライナ日本大使館専門調査員*1
‏ 地方紙とはいえ、日本でロシアの工作がこれほどきれいに成功した事例*2は珍しいのでは?
<社説>米軍基地と日ロ関係 対米自立に転換すべきだ - 琉球新報 - 沖縄の新聞、地域のニュース

 やれやれですね。安倍が「分かりました、北方領土には在日米軍基地は置かないし、在日米軍基地にはロシアをターゲットとする中距離ミサイルはおきません」ですむことで何でこういう理解になるのか。ロシアも琉球新報も「日米安保を辞めよう」とは言ってないのに。
 何でこういう理解になるのかというと「北方領土には在日米軍基地は置かないし、在日米軍基地にはロシアをターゲットとする中距離ミサイルはおきません、そうロシアにいったら日本の負けで国益が害されると思ってるから」「負けだと思わない奴(例:琉球新報や俺)は『ロシアにだまされてるバカ』か『ロシアの飼い犬、売国奴』だと思ってるから」なんでしょうねえ。「いや北方領土に米軍基地を本気で置く気なの?」「本気でロシアをターゲットとする中距離ミサイルなんか在日米軍基地に置く気なの?」つう話ですが。

常岡浩介がリツイート
クリミア半島エリカちゃん*3@名古屋
‏ もちろん沖縄の基地負担は地方自治の問題として軽減されるべきだし、日米地位協定は二国間問題として見直されるべき。一方、北方領土は「法と正義の原則」に基づいて日ロ間で解決されるべき全くの別問題。この2つを混ぜるのはさすがに論理が破綻している。
<社説>米軍基地と日ロ関係 対米自立に転換すべきだ - 琉球新報 - 沖縄の新聞、地域のニュース
 沖縄の米軍基地問題の解決は、平和条約締結などロシアとの関係を改善へと切り開く鍵も握っている。
 ロシアのプーチン大統領の経済分野ブレーン、セルゲイ・グラジエフ氏は本紙の取材に対し、日ロ関係の改善には日本の対米従属からの脱却が不可欠だとして、その重要なポイントに沖縄の米軍基地を挙げた。
 プーチン氏も同様の認識だ。昨年12月、辺野古新基地建設を念頭に「地元知事が反対し、住民も撤去を求めているにもかかわらず整備が進んでいる」と述べた。
 その後、事態は悪化した。米国が中距離核戦力(INF)廃棄条約の破棄を表明して以降、ロシアは日ロの平和条約交渉で「日米同盟は脅威で、日ロ関係改善の障害だ」と態度を硬化させた。交渉は一層難航し、北方領土の帰属を巡る具体的な協議は事実上、頓挫している。
 8月2日にINF廃棄条約が破棄されて以降、日ロ関係はさらに悪化し、日本にも影響を及ぼしている。エスパー米国防長官が中距離ミサイルのアジア配備を表明したことで、ロシア側は日本に配備される可能性が高いとみている。
 ロシアのモルグロフ外務次官は、日本に配備されれば、ロシアの安全保障の脅威となり「日ロ平和条約締結の新たな障害になる」と述べている。
 これらロシア政府の首脳や高官らに共通した日本への要求は、公式の確約だ。それは、米国による基地建設やミサイル配備を日本が統制する―との約束を意味する。日本側は日米安保条約などを理由に約束を拒んでおり、日ロ関係は厳しい状況に陥っている。
 プーチン氏が国の経済を担うキーマンとして公に評価するグラジエフ氏の今回の発言は、政治問題にとどまらず、今後の日ロの経済交流にも、沖縄の米軍基地が深い影を落とすことを示している。
 米軍基地が過度に集中する沖縄の人々は、新基地建設や日米地位協定などの問題を巡り、日本政府の対米従属姿勢に何度も直面してきた。姿勢を改めなかったつけが北方領土問題にも及んでいる。
 南の米軍基地問題が北の領土問題に影響を及ぼす事態は、日本の対米従属からの脱却が全国的な重要課題であることを国民に突き付けている。対米自立へと転換すべきだ。

 常岡と類友らしい馬鹿さですね。
 何かというとプーチンや彼の側近(たとえば琉球新報社説が紹介するグラジエフ)は「北方領土に米軍を置かないと約束できないなら島は返せない」「でも、まあ沖縄基地問題で米国の言いなりで負担軽減も地位協定改定も出来ない、安倍には期待してないけどね。米軍を置かないなんて、そんなこと米国が怖くていえないでしょ?(皮肉)」と言ってるわけです。
 最近はそれに上記のように「在日米軍基地にロシアをターゲットとする中距離ミサイルが配備されるなら、島なんか返せない」「まあ沖縄基地問題で米国の言いなりで負担軽減も地位協定改定も出来ない、安倍には期待してないけどね。米国に『置け』と言われたら従うんでしょ?(皮肉)」という主張がプラスされました。
 で、まともな人間なら「あんなことをプーチンや彼の取巻きに言われるなんて国辱だ。プーチンに返還しない言い訳をさせないためにも沖縄の基地負担軽減と地位協定改定をすべきだ」「日露関係を改善して島の返還を目指すというなら在日米軍基地に中距離ミサイルは配備させないと日本政府は確約すべきだ*4」となるでしょう(まあ琉球新報社説はそういう内容ですが)。
 しかし、そういう方向に動かない安倍政権をかばいたいのか、よほどロシア(沖縄も?)が嫌いで米国が好きなのか、「島の返還と在日米軍と関係ない」「プーチンは島を帰さない口実を持ち出してるだけ」「侵略したものは返すのが当然だ*5」、挙げ句の果ては「琉球新報プーチンシンパか」だから呆れます。「沖縄の負担軽減」など何一つ考えてないであろう、頭の中に「アンチプーチンしかない」であろう「常岡と類友」は死ねばいいのに。本当、常岡のようなクズは「戦地取材で鉄砲玉でも食らってめでたく死んでくれないかなあ」といつも思います。
 ああ、でもパスポートが発行されないんでしたっけ!。良かったですね、死ぬ危険性がなくて!。
 しかし最近の常岡も「ロシア通ぶってプーチンの悪口言う」「パスポートが発行されないと言って外務省の悪口言う」だけがお仕事なんだから楽な仕事ですね!。まあ、でも人間としては、長崎放送時代の事件報道の方が、常岡は今よりずっとまともだったと思いますが。

参考

プーチン大統領側近に独占インタビュー 沖縄の基地は「日ロ関係に障害」 対米従属の弊害を指摘 セルゲイ・グラジエフ氏 - 琉球新報 - 沖縄の新聞、地域のニュース
 プーチン・ロシア大統領の経済分野ブレーン、セルゲイ・グラジエフ氏は6日までに琉球新報の単独取材に応じ、日ロ関係の課題や展望、沖縄の可能性などについて述べた。グラジエフ氏は北方領土問題が日ロ関係にとって「大きな障害になっている」とした上で「現在の日本は自主独立した強力な国家であり、自国の国益に沿った独自の外交を追求できる」と指摘。それは「沖縄における米軍基地を含めた米国による占領の負の遺産から抜け出すことだ」として、日ロ関係改善には対米従属からの脱却が不可欠で、その重要な要素に沖縄の米軍基地を挙げた。
 これまでプーチン氏は北方領土問題や日ロ平和条約交渉に絡み、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設問題に言及した経緯がある。プーチン氏は「地元住民や知事が反対しているのに建設が進んでいる」と指摘し、(ボーガス注:返還後の北方領土など)日本の他の地域でも米軍施設が建設され、ロシアの安全保障に影響する恐れがあるとの懸念を示した。
 グラジエフ氏の見解はプーチン氏と同様の認識に基づいたものとみられる。

沖縄とロシアの関係は? 政府要人、州知事が相次いで〝ラブコール〟 - 琉球新報 - 沖縄の新聞、地域のニュース
 沖縄との経済交流を深めたいと、ロシアの政府要人や州知事が沖縄に“ラブコール”を送っている。今月、ユーラシア経済同盟の大臣に就任したセルゲイ・グラジエフ氏はロシアのサンクトペテルブルクで6月に玉城デニー知事と会談したことについて、9月下旬の琉球新報のインタビューに対し「非常に好印象を持った」と述べ、経済や人的交流を促進したい意向を示した。また同国南部のロストフ州は玉城知事に親書を送った。同州のアレクシー・イゾトフ副知事は取材に対し「姉妹県州を視野に交流したい」と強調、交流に強い意欲を見せた。
 一方、富川盛武副知事は9月3日から7日にかけてロシアを訪れ、極東ウラジオストクで開催された東方経済フォーラムに出席し、現地地方政府の副知事や商工会議所の理事長らと意見交換した。富川副知事は「ロシアの関係者は日本と沖縄に魅力を感じている」と好感触を強調した。その上で「まだお互い情報が少ないので、今後、情報交換を密にし、まずはウラジオストクなど極東沿岸の地域とMOU(協力の覚書)を結びたい。将来性のある地域なのでじっくり仕込めば経済交流を展開できる」と述べた。
 玉城知事は6月、サンクトペテルブルクで開かれた国際経済フォーラムに出席したほか現地の要人や企業と観光客や地域間交流について意見交換した。フォーラムの会場内ではグラジエフ氏と約30分間会談し、沖縄観光の魅力やロシアとの間で空手交流が拡大していることなどを説明、沖縄とのさらなる交流の拡大に協力を求めた。

 もちろんこうした沖縄県の動きにもアンチプーチンの常岡や類友は悪口するわけですが「じゃあ、手前らが沖縄に金出せよ!」て話です。

黒井文太郎
 「保護する責任」論が死んだのが残念でなりません。そんなに昔のことではなく、2011年のリビア紛争までは生きていた概念です。
 殺したのはプーチン*6オバマです。

 興味のある方は「保護する責任」でググればよろしいですがググらなくてもなんとなく分かるでしょう。
 「保護する責任」とは「アバウトに言えば」要するに「軍事介入正当化の論理(直接的軍事介入だけでなく反体制派軍事支援のような間接的介入も含む)」ですね。ここで言う「保護」とは「中国残留日本人孤児」「ベトナムボートピープル」「北朝鮮からの脱北者」「シリア難民」などの生活を支援しましょう、などという「平和的な話」ではありません。
 「保護する責任」とは、何というか安倍の「積極的平和主義」みたいで欺瞞的な言葉の気がします。
 リビア紛争ではカダフィ*7政権と内戦状態に突入した反体制派をNATO側が「保護する責任」を掲げて軍事支援したわけです。でカダフィ政権は幸か不幸か転覆して反体制派が政権を握った(ただし、今はその反体制派の中で仲間割れで内戦だったかと思いますが)
 で「プーチンオバマが殺した」とはどういうことか。
 まあ、シリアで内戦が起こったわけです。反体制派とアサド政権ががちで戦争を始めた。
 で全国紙の国際面レベルで分かる話ですが、「アサド政権」についてはロシアやイランが、「反体制派」については米国やトルコ、サウジが支援した。もちろん反体制派支援の論理は今回も「保護する責任」です。
 しかしカダフィ政権が打倒されたリビア内戦とは話が違ったのは、リビア内戦ではほとんど無関心だったロシアが、「シリアによほど重要な権益でもある」のか、シリア内戦ではついにアサド政権への間接的支援だけでなく「ロシア軍」を軍事指導を理由に公然とシリア国内に投入したことです(実際には軍事指導だけでなくロシア軍自体が反体制派と戦闘しているという話もある)。
 とにかくマスコミ報道に寄れば、ロシアはシリア内戦ではアメリカ、サウジ、トルコよりもイランよりもどこよりも一番本腰を入れたと言えるでしょう。
 その結果、アサド政権が持ち直してしまった。もはや反体制派がアサド政権を倒すことは出来ないだろうと言われていますし、サウジもトルコもアメリカトランプ政権もアサド政権打倒をおそらく諦めてしまった。
 でそれを「アンチアサド」「アンチロシア・プーチン」「アンチイラン」黒井は「主としてプーチンオバマのせいで保護する責任が死んだ、アサド政権が打倒できなかった」「アフガンやイラクで軍を展開してるからもはやシリアでまで米軍展開なんか出来ない、といって介入がぬるかったオバマが悪い」「オバマが弱腰だから、アサドを支援するプーチンが好き勝手やってアサド政権が生き残ってしまった」と悪口するわけです。
 ただ簡単に分かることですが、この「保護する責任」つうのはすごく危ない概念の訳です。
 もちろん「カンボジアポルポト*8政権をベトナムが倒した、虐殺がなくなって良かったね」とはいえる。そういう意味で「保護する責任」はある種の魅力はあります。俺も「専守防衛以外は、国連安保理決議がないと軍事行動は原則違法だよね、だからベトナムカンボジア侵攻は違法の疑い強いよね」とはさすがに言わない。「ポルポトの無法」を前にそれでええんか、つう思いはある。
 ただいつもいつもそううまくいく保証がない。
 最悪の場合、「自国民」なり「独裁政権に酷い目に遭ってるその国の国民」なりの保護を口実に侵略戦争が行われかねないわけです。
 戦前の日本が中国を侵略した口実はまさに「蒋介石反日行為から自国民を保護する責任」ですが、まあ、そういう躊躇は黒坂にはないわけでうんざりします。
 「シリアアサド政権が打倒できればいい」で済む話じゃないでしょうよ。たとえば、この黒坂の理屈だと「イラクフセイン*9は独裁者だから打倒して何が悪い、保護する責任だ。大量破壊兵器なんかなくていいんだ」だの「北朝鮮強制収容所にいる人間を救うために保護する責任だ、北朝鮮を軍事攻撃しよう」つうやばい話になりかねません。

*1:ウクライナに住んでるとアンチロシア化しちゃうんですかねえ?。分からないでもないですが琉球新報への誹謗も大概にしてほしい。

*2:むしろ、「米軍基地周辺住民」などを除いて、ろくに在日米軍基地への反対がおこらないことの方が「米国の工作がここまで成功してる国も珍しい(そして恥ずかしい)」と思いますが、そういう認識はこういう米国の忠犬ポチにはないんだろうなあ。

*3:北方領土エリカちゃん (@hoppou_erika) | Twitterをパロってるつもりらしいが少しも面白くない。

*4:そもそも俺的には「平和主義」と言う観点でもそんな物を置くべきではないですが

*5:それで済むのなら誰も苦労しません。救う会、家族会の「拉致したのだから返すのが当然」レベルのアホ主張です。

*6:エリツィン政権大統領府第一副長官、連邦保安庁長官、第一副首相、首相を経て大統領

*7:首相、革命指導評議会議長、全国人民会議書記長など歴任

*8:首相、カンボジア共産党書記長

*9:首相、大統領