澤藤統一郎の「河瀬直美」非難に「現時点では」反対する(2022年4/14分)(追記あり)

澤藤統一郎の憲法日記 » 河瀬直美が東大入学式で口にした曖昧模糊
 例のNHKの件は確かに「河瀬の態度は最悪」ですが、それに引きずられて澤藤が河瀬に言いがかりをつけてるようにしか見えませんね。
 「あれ(NHKの件)はあれ、これ(東大での祝辞)はこれ」です。是々非々の評価をしないといけない。
 「ロシアを悪扱いすることは簡単(河瀬)」とは、澤藤の引用した文章を読む限り「戦前日本が明成皇后暗殺、満州国建国などロシアと似たり寄ったりの侵略を中韓などに対してしたこと」「その侵略を安倍晋三などが平然と正当化しようとしていること」などを棚上げしてロシア国民と違い、「プーチンの迫害を受ける恐れのない」日本人が「ロシアは悪!(そして俺たち日本は善!)」と安全地帯からいうのは「簡単だ(しかしそんなことに意味があるのか)」という主張と「理解可能だと思う」ので俺は河瀬を現時点ではこの祝辞で批判する気はありません。
 つまりは例の「凡庸な悪(悪の凡庸さ:アドルフ・アイヒマン)」つう話ですね。
 自分も「場合に寄ったら、アイヒマンになるかもしれない」可能性を無視して安全地帯から「アイヒマンを非難すること」は「簡単」であるが「意味があるのか」。
 河瀬の文を「ロシア擁護」と決めつけるのは「少なくとも現時点においては」不当な言いがかりではないのか*1
 河瀬に「どういう意味か詳しく問いただす」のならともかく(とはいえ、NHK問題での態度を考えると、問いただしたら、「非難されてはかなわない*2」と河瀬は逃げ腰になりそうですが)。
 と書いて「俺が反吐が出るほど大嫌いな、狭量な性格(不愉快になると思うので、面と向かって澤藤と会いたいとはかけらも思わない*3)」の「老害」澤藤(1943年生まれ、今年で79歳)の「反応」は果たしてどうなるか?(俺の記事に気づかない、あるいは気づいた上で応答しないで無視の可能性も当然ありますが)。また「悪い意味での弁護士根性(要するに上から目線)」を発揮して澤藤統一郎の憲法日記 » これが、法輪功を邪教と決め付ける根拠?のように俺に悪口雑言してくれるんですかね?(苦笑)
 たまには、「俺の賛同できる」まともな記事も書くが基本的には「思い込みが激しい、頭のおかしいバカ野郎、会わない方が精神衛生にいい人間=澤藤」「おそらく謝ったら死ぬ病気にかかってる独善主義者=澤藤」というのが俺の澤藤理解です。

【追記】

河瀬監督の式辞のこと - ペンは剣よりも強く2022.4.13
 後半の「人間は弱い生き物です」以下の話がわかりにくい感じです。もし、自分の国がロシアのように侵略戦争をすることになったら、自分はそれを拒否したいと言いたいのでしょうか。あるいは、ロシアの侵略戦争を「悪い」「悪い」と非難している自分の国だって、侵略戦争をするかもしれないぞ、だから?(自制心をもってそれ?を拒否する?)、用心せよ、ということなのでしょうか。
 ジャーナリストのおおたとしまさ氏*4は、
 「ロシアが悪い」「プーチンが悪い」と決めてしまえば、それ以上考えなくていいので、楽になるけど、それは思考停止で、いまの「構造」がそのままなら、誰かがプーチンになり*5、どこかの国がロシアの役回りを演じていたはずで、「構造」を変えないと、「悪」は生まれるのだから、「悪」になってしまったものを批判するだけでは「構造」は変えられないと、河瀬さんは言っていると思う。<要約>
とコメント(解釈)しています。
 転記補足した増谷文生氏(ボーガス注:朝日新聞論説委員)は、
 ウクライナ情勢を受けて、日本にいるロシア人への中傷など心ない言動をする人が増えているので、河瀬さんは冷静になるよう呼びかけたのだと思う。…批判すべきは批判しつつも、なるべく冷静に、客観的にウクライナ情勢を見ていこうという河瀬さんのお考えに、賛同したいと思う。<要約>
 とまとめています。 
 とりかたは人それぞれだなと思いますが、小生はどちらのコメントにも共感しかねます。あえて、言うなら、これは(ボーガス注:河瀬ファンとしての?)願望込みですが、「悪」を存在させることで、安心してはいけないし、それを自身に問うたからといって、それで「安心」できるわけでもないのだと、そういう趣旨の話を河瀬氏はしたかったのだと解釈したいと思います(後半は除きますが)。
<追記>
 HUFFPOSTに河瀬氏の式辞に対する「批判」記事河瀨直美監督の東大入学式での祝辞、国際政治学者から批判相次ぐ。「侵略戦争を悪と言えない大学なんて必要ない」 | ハフポスト NEWSが出てたので読みました。ごもっともです。ごもっともだと思うのですが、プーチンが悪いと責めるだけで、現実問題として停戦交渉がまとまるだろうか、ということです。停戦にもっていかないかぎり、ウクライナの人はまだ殺され、街はなおも破壊され続ける。河瀬氏が停戦問題を念頭に「『ロシア』という国を悪者にすることは簡単である」と言ったかどうかはわかりませんが、こうした協議で、仲裁役が一方だけが悪いと断罪して、話がまとまった例はあるのでしょうか。

ということで俺のように「河瀬発言はロシア擁護と言えるか疑問」という指摘(俺の河瀬理解とは違うようにも思いますが)が他に見つかったので紹介しておきます。なお、赤字強調とほとんど同じ事は、俺も

常岡浩介に突っ込む(2022年4月10日分) - bogus-simotukareのブログ
 「停戦のためにあえてロシア批判を自重する(ロシア相手に一定の妥協をする)」という選択肢それ自体を全否定*3するのは誤りでしょう。我々は安全地帯にいるのであり、無責任に抵抗戦争をけしかけるべきではない。とはいえ、一方で「停戦せよ」と「上から目線」で言うのも「傲慢」でしょう。

ということで書いていますし、常岡浩介に突っ込む(2022年4月10日分) - bogus-simotukareのブログコメント欄でも

id:Bill_McCrearyさん
 たとえばベトナム戦争時も、米国に手を引かせるためにあえて米国へのあからさまな批判は控えるということもあるわけですよね。めちゃくちゃに批判してかえって強硬派をさらに声高にしてもしょうがないという考え方もある。まあていうか、罵倒することによって特に侵略者側が停戦なり撤退に動くなんてことが、歴史上そうそうあるとも思いません。

という同様のご指摘があります。何で澤藤とか一部の人間はためらいなくロシア擁護と理解して河瀬に悪口するのか理解できません。
 それとも俺や「俺が紹介したおおた氏や増谷氏」などのような意見を
1)ロシア擁護、
あるいは
2)「ロシア擁護ではないが」河瀬との間にしがらみがあること、あるいは「河瀬の映画ファン」による無茶苦茶な河瀬擁護(高世仁救う会や家族会に対する太鼓持ち行為のようなもの)
3)「東大としがらみがあること」などによる「河瀬に式辞を依頼した東大」に対する無茶苦茶な擁護
と理解して悪口するのがやはり「澤藤らの考え」なのか。一応お断りしておけば、おおた氏や増谷氏(あるいは増谷氏が所属する朝日新聞)はともかく俺は1)でないのはもちろん、2)や3)でもありませんが。そもそも河瀬の映画など見たこともない。


【参考:俺の過去の澤藤批判】
澤藤統一郎の「常軌を逸したアンチ中国」を嗤う(2020年7/15日分)(副題:法輪功は間違いなく邪教ですよ!、澤藤さん)(追記あり) - bogus-simotukareのブログ
今日の中国ニュース(2021年11月30日分)(副題:澤藤統一郎の「非常識な反中国」に呆れる、ほか) - bogus-simotukareのブログ
澤藤統一郎の「非常識な反中国」に呆れる(2021年12/14分) - bogus-simotukareのブログ
澤藤統一郎の「非常識な反中国」に呆れる(2022年2/20分) - bogus-simotukareのブログ

*1:勿論ここで「NHK問題での態度」を持ち出すのは筋違いです。繰り返しますが「あれ(NHKの件)はあれ、これ(東大での祝辞)はこれ」です。是々非々の評価をしないといけない。なお、河瀬の祝辞については珍右翼・高世仁に突っ込む(2022年4/15日分)(副題:今日も高世に悪口する) - bogus-simotukareのブログでも取り上げました。

*2:ただし今回はNHK問題と異なり、河瀬を非難することが妥当か俺は疑問に思っています。

*3:まあ澤藤も俺に対してそのように思って敵視してるのでしょうが。

*4:著書『間違いだらけの中学受験』(2013年、ベスト新書)、『名門校とは何か?』(2015年、朝日新書)、『ルポ塾歴社会:日本のエリート教育を牛耳る「鉄緑会」と「サピックス」の正体』(2016年、幻冬舎新書)、『男子御三家』(2016年、中公新書ラクレ:なお、この御三家とは麻布、開成、武蔵高校のこと)、『「思春期男子」の見守り方』(2016年、PHP文庫)、『名門校「武蔵」で教える東大合格より大事なこと』(2017年、集英社新書)、『なぜ、東大生の3人に1人が公文式なのか?』(2017年、祥伝社新書)、『公立中高一貫校に合格させる塾は何を教えているのか』(2017年、青春新書インテリジェンス)、『中学受験という選択』(2017年、日経プレミアシリーズ)、『習い事狂騒曲』(2017年、ポプラ新書)、『地方公立名門校』(2018年、朝日新書)、『ルポ東大女子』(2018年、幻冬舎新書)、『受験と進学の新常識』(2018年、新潮新書)、『中学受験「必笑法」』(2018年、中公新書ラクレ)、『大学入試改革後の中学受験』(2019年、祥伝社新書)、『ルポ教育虐待:毒親と追いつめられる⼦どもたち』(2019年、ディスカヴァー携書)、『新・男子校という選択』、『新・女子校という選択』(以上、2019年、日経プレミアシリーズ)、『麻布という不治の病:めんどくさい超進学校』(2020年、小学館新書)、『なぜ中学受験するのか?』(2021年、光文社新書)、『ルポ・森のようちえん:SDGs時代の子育てスタイル』(2021年、集英社新書)、『超進学校トップ10名物対決』(2021年、日経プレミアシリーズ)、『ルポ名門校:「進学校」との違いは何か?』(2022年、ちくま新書

*5:「どこかの国がロシアになる構造」があるかどうかはともかく「プーチンが失脚しても、誰かがプーチンになるロシアの構造」はあるのではないか。トランプが大統領を辞めても「トランプ主義」が撲滅できない米国共和党大日本帝国が滅亡しても「靖国」などの「戦前の負の遺産」を完全には払拭できない日本のようなもんです。