「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2022年8/28日:島田洋一の巻)

島田洋一
 「曽我さんのお母さんは年寄りで使い道がないからすぐ殺された」と不見識な発言をした政治家が何人か*1いた。
 私は、(ボーガス注:拉致被害者曽我ひとみさんの母)ミヨシさんは存命と考えている。
曽我ひとみさん 蓮池薫さんが講演 “母の顔分からなかった” | NHK | 拉致

 根拠レスでデタラメなことがよくも言えたもんです。「20年前の小泉訪朝当時」ならともかく、ミヨシ氏の年齢(1932年生まれ、今年で90歳)と「北朝鮮の食料事情、医療事情」を考えれば彼女が現在も生存している可能性は正直高くはないでしょう。
 さてNHK記事にも突っ込んでおきます。

 20年前に日本政府の関係者から示されたミヨシさんの写真が当初、誰なのか分からず、「あれほど恋い焦がれた母の顔が分からなかった」と振り返り、「90歳となった母の顔や姿をどうやって思い描けばいいのか分かりません」と、離れ離れになった44年の歳月を語りました。

 つまり前も「砂の器」雑感(ネタバラシあり) - bogus-simotukareのブログで書きましたが「砂の器」は明らかに設定がおかしいですね。
 子どもの頃の顔しか知らない三木謙一元巡査(緒形拳)や父親・本浦千代吉(加藤嘉)が成長した大人「和賀英良こと本浦秀夫(加藤剛)」の顔を見て当人だと気づくわけがない。

 大雪の寒い日、保育園の帰り道で迎えに来てくれたミヨシさんが防寒具の「角巻」の中で、温めてくれたエピソードを涙ながらに話しました。

 こういうことを言うと一部から「冷酷な男」「人でなし」と非難されるであろう事は自覚した上で書いていますが、「くだらない」ですね。
 彼女にとっては「重要な思い出」でしょうが「ミヨシ氏の帰国」には関係ないし、正直、俺のような第三者にとってはどうでもいい話です。まあ、このくらいのことは大抵の親ならするでしょうし。

 曽我さんとともに講演した柏崎市蓮池薫さんは、北朝鮮が死亡したとしている8人*2拉致被害者について「北朝鮮の墓は山の頂上や尾根に作られ、洪水で墓が流されるなどありえない」と話し、被害者全員の一刻も早い帰国の実現を訴えました。

 蓮池薫氏には「やれやれ(呆)」ですね。蓮池氏の言うように「北朝鮮の主張が仮に嘘だ」としても、それは「発表した死亡理由が嘘だ」ということでしかない。
 生きてる人間を「経済制裁を食らってまで」死んでると言って「小泉訪朝から20年間も隠す」理由があるとも思えないので「死亡理由が何か」はともかく死亡してるとみる方が自然ではないか。いずれにせよ「生きてると見なせるまともな根拠」は何もありません。

 講演のあと曽我さんは記者団に対し、横田めぐみさんの母親の早紀江さんから今月、「めぐみのことで何か思い出したら小さなことでもいいので教えてほしい*3」と記された手紙を受け取ったことを明らかにし、「いろいろなことをできるだけ思い出して返事を書きたい」と述べました。

 単なるリップサービスでしょう。人情として「知ってることは何もありません*4」と言って早紀江を突き放すこともしづらいでしょう(狭量な早紀江だとマジギレして、ひとみ氏に悪口雑言しかねませんし)。おそらく知ってることは帰国直後に「(家族会や救う会、マスコミなどに話さないにしても)日本政府にはほとんど全て話した」でしょう。隠す理由があるとも思えませんので。まあ、「帰国から20年も経ったら多くのことは忘れてしまうこと」でしょう。仮に20年後に「政府に初めて話すこと」や「(政府には既に話したが家族会や救う会、マスコミなど)政府以外に初めて話すこと」があったとしても、それは「ある理由から(政府にも、あるいは政府には話したが家族会や救う会、マスコミなどには)隠していたが、隠す理由がなくなったので話すことにした」つうことでしょうね。そんなことが果たしてあるのか分かりませんが。

島田洋一
 「うそを土台にした表現まで尊重される資格はない。(慰安婦)少女像は平和ではなく対立と葛藤だけを引き起こしている」と撤去を訴える韓国の良識派たち。
 慰安婦問題も、虚偽拡散の発生地点は朝日新聞や福島"現実を"みずほ*5ら日本の化石左翼だった

 河野談話や米国下院慰安婦決議、国連「クマラスワミ報告」「マクドガル報告」全て「日本の化石左翼」のせいだと強弁する気なのか。
 島田のような「化石極右」には心底呆れます。
 しかし韓国のこの種のデマ極右には心底呆れます。日韓友好とやらのためには、同胞である慰安婦を嘘つき呼ばわりして、名誉を汚して恥じないとはどれほどクズなのか。
 勿論「少女像は日韓間に対立葛藤」というのは「原爆ドームは日米間に対立葛藤」と言うくらいの暴論です。

*1:俺の知る限りそんな政治家は故・石原慎太郎都知事以外にいないのですが他に誰かいるのか?。それとも「石原しかいない」のに「何人か」と書いて「石原以外にもそうしたゲスはいた」とすること(完全な事実捏造ですが)で石原のイメージを少しでも良くしようとしているのか?(石原発言については例えば、朝日新聞「田中審議官、万死に値する」 石原都知事が議会答弁』、『石原都知事、曽我さんの母親めぐる発言を陳謝』参照:しかし石原もよくもまあ田中氏に無礼な誹謗ができたもんです)。なお、島田が具体的な名前を出さないのが滑稽です。おそらくウヨ仲間・石原の名前を出したくないからでしょうが。

*2:政府認定の拉致被害者|外務省によれば横田めぐみ田口八重子、市川修一、増元るみ子、石岡亨、松木薫、原敕晁(ただあき)、有本恵子

*3:そもそも仮に「何かめぐみ氏について話したところ」でそれは「現在の彼女の所在」など帰国につながる情報でなければ意味がない。そして残念ながらそんな情報は恐らくないでしょう。こんなことを小泉訪朝から20年経ってやってる早紀江には「アホか?」と心底呆れます。

*4:とはいえ後述するようにおそらく「ない」でしょうが

*5:左翼限定ですら、慰安婦問題を追及したのは社民党の福島氏だけでなく辻元清美氏、日本共産党などあるわけですが、何故か島田は特に福島氏を敵視しているらしい。なお、朝日新聞は左翼などと呼べる新聞ではありません。そもそも「慰安婦の違法性を認めた河野談話」が宮沢内閣、「慰安婦の違法性を前提としたアジア女性基金」が村山自社さ内閣という「自民党も参加した内閣」によって実現したこと、また河野談話がとにもかくにも宮沢内閣以降の歴代内閣が踏襲したことで分かるように慰安婦の違法性を認めることは左翼でも何でもない。