新刊紹介:「前衛」2023年1月号(副題:改めて高世仁、勉誠出版、三浦小太郎に悪口する)

 「前衛」1月号について「興味のある内容」のうち「俺なりに何とか紹介できそうな内容」だけ簡単に触れています。「俺の無能」のため「赤旗記事の紹介」でお茶を濁してる部分が多いです。
実体経済の立て直しへ:日本経済を壊したアベノミクス大門実紀史*1
(内容紹介)
 金融緩和ばかりに力を入れ「10%消費増税」など国民負担増で内需を冷やした安倍政権を批判しています。


◆ 岸田政権を脅かすアベ政治の遺産:「安倍の祟りが岸田を呪う物語」続編(二宮厚美*2
(内容紹介)
 予想はつくでしょうが安倍の祟りとは1)山上の安倍暗殺で表面化した統一協会と自民の癒着、2)安倍の不適切なコロナ対応によって今も続くコロナ禍、3)岸田がぶち上げた「新しい資本主義」が安倍派のくびきもあって事実上雲散霧消してスローガンにならなくなったことといったところです。
 二宮氏は「敵基地攻撃論」「大幅軍拡」は「安倍の祟り」を「安倍的な物を廃棄する」のではなく「むしろ安倍派に依存すること」で乗り切ろうとしているからではないかと見なし、「安倍亡き後も続く安倍政治」の一日も早い終了を訴えています。
 またそうした安倍政治終了の妨げになっているのが「泉立民と維新の野合(枝野時代は維新と立民は対立関係だったので、立民や維新のコアな支持者以外からは野合としか見られておらず自民を利している)」であり「共産、社民、れいわ、市民連合」などの野党共闘派がこれにどう立ち向かっていくのかが問われているとしています。
 まあ俺からすれば「泉を早く立民代表から引きずり下ろし、まともな人間を代表にして、維新との野合*3はやめ、共産を含む野党共闘を再建しろ」ですが、前衛ではさすがに「泉を辞めさせろ」とまで言えないでしょう。
 なお、二宮氏も主張していますが維新の目的は「自己の利益の最大化」であってそれ以上でもそれ以下でもないでしょう。
 自己の利益になると思えば「自公連立政権への参加」も維新は辞さないでしょうし、場合によっては「党まるごと自民入党」もありうる。
 それとは逆に自己の利益になると思えば「第三勢力」アピールで自民とも立民とも距離を置く可能性がある。その点「何があろうが維新は立民に逆らえない」とでも勘違いしてるのか、泉立民には心底呆れます。


自民党統一協会の癒着:統一協会の教義が示す反社会的カルト集団の本質(下)(小松公生*4
(内容紹介)
 新刊紹介:「前衛」2022年12月号(ボーガス注:長井彬『原子炉の蟹』の一部ネタばらしがあります) - bogus-simotukareのブログで紹介した(上)の続き。12月号が刊行された11月上旬以降のネット上の記事をいくつか紹介しておきます。
共産党県委「旧統一教会関連会合に自民県議が政活費使い参加」|NHK 長野県のニュース2022.11.11
赤旗徹底追及 統一協会/自民 土井元国交副大臣が韓総裁を称賛/「真のお母様」2022.11.15
秋葉復興相が代表の自民支部 旧統一教会関連団体に会費支出か | NHK | 旧統一教会2022.11.25
赤旗秋葉復興相の自民支部、統一協会系に会費/21年政治資金収支報告書で判明/これまで関係否定2022.11.26
旧統一教会との接点 都道府県議334人が「ある」 自民が8割超 | 毎日新聞2022.12.4
都道府県議、旧統一教会側と334人接点 共同通信調査: 日本経済新聞2022.12.5
旧統一教会と自民党 「草の根」で結びついている | | 宮本徹 | 毎日新聞「政治プレミア」2022.12.7


◆日本を戦場にする南西諸島の基地増強、馬毛島新基地建設は許されない(林竜二郎)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
主張/馬毛島基地建設/日米の軍事拠点化許されない2020.12.4
馬毛島に基地いらぬ/鹿児島・西之表 建設強行反対の集会2022.9.5
馬毛島への米軍施設計画/白紙撤回を求める/市民団体が防衛省交渉2022.12.2


福島原発事故汚染水の海洋放出方針を撤回し根本的対策を(柴崎直明*5
(内容紹介)
1)アルプスで除去したのでトリチウム以外の放射性物質はない、2)トリチウムの有害性は低いという国の主張が正しいといえるかは疑問として海洋放出方針を批判している。
参考 
主張/原発汚染水/海洋放出方針を撤回すべきだ2021.4.14
汚染水海洋放出は撤回を/共産党議員団が経産相に要請2022.8.5


◆ 保育事故をどうなくすのか:研修と配置基準の拡充こそが求められている(猪熊弘子*6
(内容紹介)
 最近の送迎バスでの置き去り死亡事故が取り上げられています。
 他にも「へえ?、そうなんや」という指摘があり勉強になります。
◆最近の保育園では節分の豆まきはやらない
 勘の鋭い人、この問題に詳しい人(保育士など)、幼児の親御さんなら分かるでしょうが何故かというと
もうすぐ「節分」… 豆まきの「豆」が窒息事故につながる恐れ 子供は気管が狭い (1/3ページ) - 産経ニュース2017.1.24
節分の豆をのどに詰まらせ4歳園児死亡 松江のこども園:朝日新聞デジタル2020.2.13

節分でまく豆「5歳以下に食べさせないで」 のどに詰まらせる恐れ:朝日新聞デジタル2022.1.31
 全国の地方議員らでつくる「子どもの事故予防地方議員連盟」は昨年12月、教育・保育施設における節分行事の実態を調査するよう求める要望書を内閣府消費者庁などに提出した。これを受け内閣府は全国の保育園や幼稚園、子ども園などを対象に「節分で乾いた豆を提供したか」「豆の誤嚥について、行政から助言や指摘を受けたことがあるか」などを尋ねる調査を開始。3月中にまとまる予定で、担当者は「結果を見てより効果的な対応を考えたい」と話す。
 豆まきで使う豆の危険性が強く認識されるようになったのは、2020年2月に松江市認定こども園で4歳の男児が、いり大豆をのどに詰まらせて死亡した事故がきっかけだ。消費者庁は昨年、「豆やナッツは食べさせないで」としていた注意喚起の対象年齢を「3歳ごろまで」から「5歳以下」に引き上げた。

また節分の豆で幼児が窒息死 〜 いつまで死亡事故が繰り返されるのか! 〜(山中龍宏) - 個人 - Yahoo!ニュース2020.2.14
というリスク(豆が幼児の気道に詰まって窒息死する)があるからです。保育事故をなくすためにはこうした「保育知識のアップデートが必要だ」と猪熊氏は指摘しています。
 そして「節分の伝統よりも子どもの命が大事だ」と言う猪熊氏の指摘は「感動」とは安全に優先するものではないと思う(そもそも「組み体操」で「感動」なんか私はしない)(2) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)と言う指摘を思い起こさせます。
 id:Bill_McCrearyさん風に書けば「「伝統(節分の豆まき)」とは安全に優先するものではないと思う」ですね。
 勿論園児送迎バス置き去り死/再発防ぐ装置義務付け 人員増を/野党国対ヒアリング 政府側に提案(2022.9.10)、主張/園バス放置死事件/悲劇繰り返さない対策を急げ(2022.9.15)等も指摘するように、「保育士の待遇の悪さによる人員不足」「そもそもの保育基準の低さ(定められた人員基準が低い)」→「幼児の世話をする保育士が少ないから事故が起きる」という「法制度の改革(保育士の待遇改善、配置基準の拡充)」が必要な物はありますが、一方でこの「豆まき中止」や「うつぶせ寝禁止(例えば「うつぶせ寝」禁止 徹底を/保育事故防止 遺族ら提言(2016.9.13)参照)」のように「個々の努力で対応できる物はある」し、そういう物は個々の努力で対応してしかるべきです。
 そういう意味で猪熊記事は大きな枠組みに目を向けさせないようにする - 紙屋研究所(2020.11.13)とは逆の話をしています。「法制度の改革(保育士の待遇改善、配置基準の拡充)」という「大きな枠組みに目を向けること」を猪熊氏は勿論否定しません(猪熊論文の副題も『配置基準の拡充』とはっきり書いてあります)が、それに必要以上に固執することで「個々の努力で対応できる物」が見落とされることを彼女は懸念しています。まあ要するにバランス、程度問題ですね。
 なお、「話が脱線しますが」以前も別記事で書きましたが大きな枠組みに目を向けさせないようにする - 紙屋研究所(2020.11.13)が取り上げてる「日本のSDGs」については(特にマスコミの取り上げ方がそうだと思いますが)、岸田政権に忖度してるのか「戦争反対」の色合いが弱いことに俺は以前から疑問を感じています。
 「戦争」ほどの「環境破壊行為」はどこにもないでしょうに。


◆障害者権利条約 初めての日本への勧告(佐藤久夫*7
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

障害者権利条約 国連勧告で問われる障害者施策 NHK解説委員室2022.9.30
 私はネット中継で審査を見ていたのですが、質問と回答がかみ合わない場面が多く見られました。象徴的だったのが障害のある人が施設を出て地域で暮らすことや精神科病院の退院支援について問われたときの厚生労働省の回答です。
 「日本の施設は高い塀や鉄の扉で囲まれてはいない。桜を施設の外や中で楽しむ方もいる」。
 「障害による差別を受けることなく、好きな場所で暮らせる」ことを保障する条約の趣旨とはかけ離れていました。現地では日本から詰めかけたおよそ100人の障害のある人と家族が傍聴していましたが、彼らに話を聞くと失笑も漏れたといいます。
 権利委員会のキム・ミヨン副議長は閉会の挨拶で「(ボーガス注:日弁連や障害者団体が作成した)パラレルレポートが示す実状と、政府報告書に大きなギャップが見受けられる」と述べ、日本の課題が浮き彫りになったといえます。

 「施設から出して地域で受け入れろ(勧告)」を「施設にいるが地域と交流がある、外出もできる(日本政府)」というのは話のすり替え、詭弁でしかない。

きょうの潮流 2022年10月3日(月)2022.10.3

<社説>障害者の権利 改善勧告を受け止めよ:東京新聞 TOKYO Web2022.10.12
 所見は強制入院を障害を理由とする差別と断定し、制度を認める全ての法律の廃止を要請した。大胆な提案のようでもあるが、先進国ではすでに在宅医療が主流であることを想起すべきだろう。
 障害者教育についても、特別支援教育を分離教育と懸念し、中止に向けて障害のある子とない子が共に学べる「インクルーシブ(包摂)教育」に関する国の行動計画を採択するよう求めた。
 政府は通常教育と特別支援教育の選択は本人と保護者の意思によるとするが、教育委員会特別支援教育を強く勧めた例は多い。永岡桂子文部科学相も「特別支援教育を中止する考えはない」と述べた。勧告を一蹴していいのか。

国連勧告逆行 見直せ/障害者総合支援法等改定案 宮本徹議員批判/衆院厚労委2022.11.12
 国連の障害者権利委員会は9月9日、障害者権利条約に基づき、日本政府の取り組みについて総括所見・改善勧告を公表。勧告で、障害者の強制入院の法的規定の廃止を求めています。
 宮本氏は、同法案は医療保護入院の適用拡大で不要な強制入院が増えると指摘し、「(ボーガス注:国連勧告が強制入院廃止なのに法改正で強制入院増加方向とは)法的対応の要請をまったく無視したものになる」と批判。厚労省が当初、有識者検討会で「医療保護入院の将来的な全廃を視野に縮小」を掲げていたと強調し、「そこに立ち戻っての検討をするべきだ」と迫りました。
 また、日本の精神障害者の強制入院の比率が49・7%とEU諸国の10%台と比べ格段に高いことや、入院日数も諸外国の10~40日に対し日本は294日と長いことをあげ、「なぜ日本は非自発的入院が多いのか」と質問。加藤勝信厚労相は「退院支援を支える仕組みが必ずしも十分ではない」と述べました。
 宮本氏は「日本の医療保護入院の制度は十分ではないところだらけだ。一つ一つ見直していこうというのが国連の総括所見の中身だ」と主張し、法案の出し直しを求めました。

障害者権利条約 国連勧告で問われる日本の障害者施策 - 記事 | NHK ハートネット2022.11.18

「障害者総合支援法改定案」/倉林議員の質問(要旨)/参院本会議2022.12.7
 障害者権利条約の初の日本審査が行われ、「総括所見」では、わが国の障害福祉法制等について人権保障の立場から厳しい勧告がなされました。「総括所見」が特に焦点を当てたのが、国際的に大きく立ち遅れている精神科医療です。強制的扱いを正当化する法的規制、無期限入院の廃止、入院している全てのケースの見直しを日本政府に要請しました。これらの勧告は、先送りが許されない課題との認識はありますか。
 本法案は、強制入院である医療保護入院について、市町村長同意の範囲を拡大し、入院期限についても無期限に繰り返すことを容認しています。「家族の負担軽減」のためとも答えていますが、そもそも医療保護入院は家族同意を前提とし、家族間に不信と分断をもたらします。家族に同意を求める強制入院である医療保護入院は、廃止すべきです。

優生思想残っている/障害者支援 倉林氏に参考人2022.12.8


◆すべての水俣病被害者救済のために:大詰めを迎えたノーモア・ミナマタ第2次国賠訴訟(寺内大介)
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

ノーモアミナマタ第2次提訴~すべての水俣病被害者救済めざす:|NetIB-NEWS|ネットアイビーニュース2013.6.20
 特措法には、「対象地域」(熊本、鹿児島両県の場合、不知火海沿岸の9市町の全部または一部)や、1969年11月末までに生まれたとする年代による「線引き」により、水俣病でありながら救済が受けられない患者が多数存在する。

 「1969年12月以降出生なら(そんなに数ヶ月の違いが重視できるのか)」あるいは「対象地域外なら(隣町でも)」水俣病でないと本当に言えるのか、不当な過小評価ではないかというのが原告の主張です。

裁判早期終結・救済を/ミナマタ訴訟原告ら チッソ・国に要請/各党に申し入れ2021.11.25
ノーモア・ミナマタ被害者・弁護団「一人残らず救って」/仁比氏「切り捨て 許さない」/共産党議員と懇談2022.12.14

県内57人が追加提訴 ノーモア・ミナマタ2次訴訟:朝日新聞デジタル2022.7.14
 長兄、次兄が特措法で救済されたことを知ったが、すでに申請期限は過ぎていた。
「それまで特措法のことは知りませんでした」。
 その後、不知火患者会の検診で水俣病と診断され、提訴に加わった。

 「国や県が十分な広報を行ったと言えるのか」「申請期限が切れたとして機械的に切り捨てていいのか」というのが原告の主張です。

ノーモア・ミナマタ第2次訴訟/勝利判決をめざす/熊本・水俣で決起集会2022.8.28
「ノーモア・ミナマタ訴訟」で不知火海を視察 大阪地裁の裁判官2人:朝日新聞デジタル2022.9.26


通州事件、85周年目の真実:『通州事件―憎しみの連鎖を絶つ*8』を執筆して(笠原十九司*9
(内容紹介)
 架空問答で書くことにします。

 何故、通州事件について書くことにしたのですか?
A
 私は南京事件について長年ライフワークとしてきましたが、右翼の南京事件矮小化の手法には「どっちもどっち」があります。
 「中国だって通州事件をやった」「米国だって原爆投下した」「ソ連だってシベリア抑留した」「日本だけが悪いのか」等の居直りですね。
 通州事件について言えば具体的には

藤岡信勝*10通州事件:目撃者の証言』(2016年、自由社ブックレット)
藤岡信勝『日本人が知らなくてはいけない通州事件:80年目の真実』(2017年、英和ムック)
◆皿木喜久*11『通州の奇跡:凶弾の中を生き抜いた母と娘』(2017年、自由社ブックレット)
藤岡信勝、三浦小太郎*12通州事件:日本人はなぜ虐殺されたのか』(2017年、勉誠出版
加藤康男*13通州事件の真実:昭和十二年夏の邦人虐殺』(2019年、草思社文庫)
藤岡信勝、三浦小太郎『新聞が伝えた通州事件 1937ー1945』(2022年、集広舎*14

ですね。どうも「更木、藤岡(副会長)、三浦(理事)」といったつくる会人脈がそうした行為に熱心なようです。
 酷い右翼になると「どっちもどっち」どころか「日本は南京事件などやってないのに通州事件をごまかすために蒋介石がでっち上げた」という人間すらいる。むしろ「通州事件の後、南京事件」なので「通州事件への反発」で南京事件が助長されたとみるべきでしょう。
 こうした居直り、デマについては広中一成*15『増補新版 通州事件』(2022年、志学社選書)といったまともな研究書も既にあります。しかし、まだまだ研究は少ないし、南京事件研究者として右翼の居直り、デマに対しきちんと自分の考えを示す必要があると思いました。
(以上)
 以上で架空問答は終わりですが、以前も書きましたが「自由社やワックはともかく」勉誠出版には絶句ですね。勉誠も、もともとはまともな国文学関係の出版社だったのに、ウヨ商売に転落とは哀れなもんです(例えば勉誠出版がネトウヨ化しているという悲報に接したあと自省した夜 - 日比嘉高研究室(2018.8.10)参照)。
 何せ今回紹介した藤岡信勝、三浦小太郎『通州事件:日本人はなぜ虐殺されたのか』(2017年、勉誠出版)以外にも

勉誠出版
加瀬英明昭和天皇の戦い』(2015年)
加瀬英明/マンリオ・カデロ*16神道が世界を救う』(2018年)
加瀬英明『フーバー大統領が明かす日米戦争の真実:米国民をも騙した謀略』(2019年)
 「ハルノートで挑発された」「ルーズベルトは事前に真珠湾攻撃を知っていた」などルーズベルトが日本をはめて太平洋戦争が起こったという例の陰謀論。加瀬には『なぜアメリカは、対日戦争を仕掛けたのか』(2014年、祥伝社新書)の著書もある。
 ルーズベルト陰謀論については例えば陰謀論もこじらせるとあまりに荒唐無稽な話になり始末に負えない(ルーズヴェルトはそんなすごい戦略家でもないし、米国だってそこまでひどい国ではないだろう) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)参照。
◆北影雄幸*17三島由紀夫切腹:よみがえる葉隠精神』(2018年)
◆鈴木荘一*18日中戦争スターリンが仕組んだ:誰が盧溝橋で発砲したか*19』(2018年)、『日中戦争の正体:中共ソ連・ドイツにだまされた』(2020年)
◆鈴木敏明*20大東亜戦争は、アメリカが悪い』(2015年)
田中英道天孫降臨とは何であったのか』、『日本人を肯定する:近代保守の死』(以上、2018年)、『邪馬台国は存在しなかった』(2019年)、『発見!ユダヤ人埴輪の謎を解く』(2019年)、『日本神話と同化ユダヤ人』(2020年)
 赤字部分はいわゆる「日本・ユダヤ同祖論*21」という陰謀論の一種。田中は元「新しい歴史教科書をつくる会」会長。
 『戦後日本を狂わせたOSS*22「日本計画」』(2011年、展転社)、『戦後日本を狂わせた左翼思想の正体:戦後レジームOSS空間」からの脱却』(2014年、展転社)、『日本人にリベラリズムは必要ない。 「リベラル」という破壊思想』(2017年、ベストセラーズ)、『左翼グローバリズムとの対決』(2020年、育鵬社)、『京都はユダヤ秦氏*23がつくった』(2021年、育鵬社)、『日本にやって来たユダヤ人の古代史』(2022年、文芸社)などのトンデモ極右著書(一部が日本・ユダヤ同祖論)がある。
◆矢野義昭*24『軍拡中国に対処する』(2018年)、『世界が隠蔽した日本の核実験成功:核保有こそ安価で確実な抑止力』(2019年)、『核拡散時代に日本が生き延びる道:独自の核抑止力の必要性』(2020年)、『核抑止の理論と歴史』(2021年)
 赤字部分は日本核武装論。
林建良*25『中国癌との最終戦争:人類の未来を賭けた一戦』(2020年)
 題名からして明らかに中国へのヘイト本

ですからね。まともな本も出てるとは言え、もはや「まともな研究者」は「ウヨ商売」勉誠から本を出すのはやめた方がいいのではないか。
参考

「憎むべきは戦争」(22日の日記) | より良い明日をめざして - 楽天ブログ2017.9.22
 通州事件を実証的に研究し、昨年末に著書「通州事件日中戦争泥沼化への道」(星海社新書)をまとめた愛知大非常勤講師*26の広中一成氏(中国近現代史)は、ことさら感情的に事件の残虐性を強調する姿勢を疑問視する。
 広中氏によると、事件直前、保安隊に反乱の予兆があったが、現地の日本軍は見過ごした。事件後も軍部は当初、事件を隠蔽しようとしたが、一転して大々的な報道を容認し、反中感情をあおったという。広中氏は「事件は日中戦争で日本軍最初の失敗だったが、それを覆い隠すため、中国への敵対心をあおり、憎しみの連鎖を生んだ。それによって、当時の戦争支持の世論は揺るぎないものになったと言える。事件は歴史的な文脈で捉えるべきで、日本人が無残に殺害されたことばかりにこだわっては、事件の実像を捉えることはできない」と主張する。
 久子さんと節子さんの姉妹も「憎むべきは戦争」という思いで一致する。
 節子さんは言う。
 「中国人に対して憎しみなんてない。要するに戦争は駄目*27」。
 久子さんも「保安隊に狂気をもたらしたものはいったい何だったのか。その歴史をひもとく必要がある」と強調し、歴史を直視するよう訴える。
 「憎しみをあおり立てる愚かなことをもう二度としては駄目です。そうした行いが、もはや戦争の一部に違いないのですから」

 赤字部分は笠原氏も指摘しており、道義的、法的問題は無論「政治的な意味」でも反乱はともかく、女子どもまで中国側が手にかけたことは「日本の反中国感情を助長し、好戦意欲を助長した」と言う意味でやはり「愚策」というべきでしょう。勿論1)日本が中国を侵略しなければ通州事件は起きなかった、2)おそらく通州事件がなくても日本は泥沼の日中戦争に突入していったであろう、3)通州事件があろうとも日本は中国から撤退すべきであったということを押さえた上での話ですが、「通州事件がなかったら(日本は泥沼の戦争に突入しなかったのでは?)」という感が禁じ得ません。
 そして通州事件的な「通州事件がなかったら」感と言えば「日本人拉致がなかったら(日朝国交正常化は既に実現していたのでは?)」感も禁じ得ませんね。
中国への敵対心をあおり、憎しみの連鎖を生んだ。それによって、当時の戦争支持の世論は揺るぎないものになったと言える。をもじれば、当時の日本軍と全く同様に拉致を使って北朝鮮への敵対心をあおり、小泉訪朝の成果を無にし、現在に至る拉致敗戦を生んだ(勿論国交正常化どころの話ではない)のが救う会と「救う会の言いなりと化した家族会」です。
 今も救う会、家族会が北朝鮮への憎悪を煽るのは「拉致敗戦」をを覆い隠すためではないのか。
 いずれにせよ、道義的、法的問題は無論「政治的な意味」でも拉致、それも横田めぐみ氏のような女子中学生まで拉致したことは「日本の反北朝鮮感情を助長し、国交樹立に障害を生んだ」と言う意味でやはり「愚策」というべきでしょう。勿論1)広中発言をもじれば事件は歴史的な文脈で捉えるべきで、日本人が無残に拉致されたことばかりにこだわっては、事件の実像を捉えることはできない北朝鮮を免罪する気はないが、当時は韓国側も金大中拉致事件など拉致行為を行っており、北朝鮮ばかり非難するのは片手落ちではないか等*28)のではないか、2)北朝鮮拉致がなくても日本ウヨは大韓機爆破など別の件を持ち出して妨害に励み、それに日本政府、社会も同調し、今も国交樹立は実現していなかったかもしれない、3)拉致があろうとも日本は北朝鮮と国交樹立すべきである*29ということを押さえた上での話ですが、「日本人拉致がなかったら」という感が禁じ得ません。
 いずれにせよ、日本人拉致について、いい加減「バーター取引による拉致被害者帰国」を目指すと共に「早期の国交樹立を目指す」べきでしょう。

81年前、中国で親と妹を殺された 私を助けた可さんは:朝日新聞デジタル2018.7.23
 81年前の7月29日、中国・北京近くの小都市・通州で、日本人と朝鮮人の居留民200人以上が中国人部隊の保安隊に殺害された。「通州事件」は当時、日本国内の反中感情をあおり、軍部への支持を決定づけたと言われる。いまも「中国人による残虐行為」として右派に言及されるが、肉親を亡くした姉妹は「憎しみをあおり立てるのは意味がない」と語る。
 櫛渕久子さん(90)=大津市=と鈴木節子さん(84)=東京都足立区。開業医をしていた父・鈴木郁太郎さん(当時35)と看護師をしていた母茂子さん(同31)、妹の紀子さん(同1)が事件で殺された。
 節子さんは当時3歳。後から聞いた話では、住み込みで仕事をしていた中国人看護師の可鳳岐*30(コーフォンチー)さんが保安隊に手をかけられた節子さんを「私の子です」と言って奪い返し、命がけで守ってくれたという。
(以下は有料記事です)

<書く人>恨みを乗り越える 『通州事件 憎しみの連鎖を絶つ』 都留文科大名誉教授・笠原十九司(とくし)さん(78):東京新聞 TOKYO Web2022.11.6
 日中戦争の当初に中国で、日本人と日本統治下の朝鮮人、二百数十人が、中国人に虐殺された。悲劇が起きた場所から「通州事件」と呼ばれる。当時の報道機関は中国人の残虐さを強調して戦意をあおった。今でも、右派の論客が過去の戦争を正当化するために事件を持ち出すことがある。
 笠原さんも「虐殺は決して許されることではない」と思う。でも、嫌中の文脈で事件を語ることに両国の未来はあるのか。そこで同書でたどったのが、すでに高齢の被害者の娘二人が「中国人への憎しみを絶つ」に至る戦後の歩みだった。
 通州は北京の東にある都市で、当時は「冀東(きとう)防共自治政府」と呼ばれる、日本が親日の中国人に首班を担わせたかいらい政権が支配していた。虐殺に手を染めたのは、同政府の警察組織で、中国人の隊員らでつくる「保安隊」だった。
 保安隊は、日本軍が華北で総攻撃を開始した翌日の一九三七年七月二十九日に通州で挙兵。日本軍の守備隊のほか料亭や家屋を襲撃し、日本人と朝鮮人を、残忍な方法を含めて殺害した。
 なぜ、保安隊は残虐行為に及んだのか。「日本人や朝鮮人の商人が、アヘンの密輸や密売で現地の社会を破壊し、暴利をむさぼっていた。現地の人々の恨みを買っていた」と説く。日本を批判する論調の当時の中国紙などを読み込み、事件が日本側の不正への怒りを背景に起きたことを確認した。
 聞き取りに協力した被害者の遺族二人の姉妹のうち、妹の鈴木節子さん(89)は、事件の当時に三歳だった。医師の父鈴木郁太郎さんと母茂子さんら家族が虐殺されたが、中国人の看護師、何鳳岐(かほうき)さんの機転でかくまわれて逃げ延びた。
 事件当時は日本にいた姉の櫛渕久子さん(94)は、胸には長年、犯人への「マグマのような怒りや恨み」が渦巻いた。中国人の何さんへの恩義に加えて、近代の日中関係の歴史を学んだことが、激情を「理性」で抑えることにつながった*31という。
 笠原さんは「櫛渕さんは長らく、事件を戦争孤児としての体験の枠内で考えてきた。でも日本の中国侵略の歴史の中で捉え直すことで、恨みを乗り越えることができた」と強調する。
 ロシアのウクライナ侵攻や米国の対テロ戦争など、世界では今も争いが絶えない。「大切なのは、戦争がなぜ起きたのか、ということを学ぶこと」と力を込める。
 「互いへの憎悪の連鎖を断つ道筋は、その先に続いているはずです

 ウクライナ戦争が「現在進行形」なのでそうした認識は正直、俺にはなかったのですが「ブチャの虐殺」のような悲劇を前提にした上で「将来のロシア、ウクライナ友好関係をどう築くか(勿論、その前に終戦ないし停戦でしょうが)」「互いへの憎悪の連鎖を断つ道筋をどう築くか」ということは「いずれは考えるべき事」でしょう。
 「ブチャの虐殺」などが、ウクライナにおいて「日本ウヨの通州事件・政治利用」のような「ナショナリズムや排外主義の扇動」に使われるのは回避しなければならない。

憎しみの連鎖は絶てるのか 日本人虐殺「通州事件」をどう見る | 毎日新聞2022.11.13
 「通州事件」をご存じだろうか。日中戦争開始直後の1937年7月、中国人が日本人居留者らを殺害した事件である。この事件について、日本軍が多くの中国軍民を殺害するなどした「南京大虐殺」(南京事件)研究の第一人者で都留文科大名誉教授の笠原十九司さん(78)が今夏、遺族への聞き取りを基に著書「通州事件 憎しみの連鎖を絶つ」(高文研)にまとめた。二つの虐殺事件から何が見えるのか。笠原さんに聞いた。【聞き手・吉井理記】
◆吉井
 「通州事件」は37年7月29日、日本が中国北部(華北)を影響下に置くために樹立させた傀儡政権「冀東(きとう)防共自治政府」(冀東政権)の保安隊の中国人が反乱を起こし、北平(現在の北京)の東にあった都市・通州の日本軍守備隊や日本人、朝鮮人の居留民ら二百数十人を虐殺した事件です。なぜこの事件を?
◆笠原
 2017年に「日中戦争全史」(高文研)を出したのですが、通州事件で父母と2歳の末妹を失った遺族の櫛渕久子さん(94)が本を読み、手紙を書いてくれたことがきっかけです。久子さんの次妹の鈴木節子さん(89)にも聞き取りを重ね、資料を集めて事件の全容を明らかにしました。姉妹の「憎悪の連鎖から平和は生まれない」という思いに打たれたのです。
(以下は有料記事です)

通州事件85周年、専門家に聞く“悲惨な歴史”との向き合い方(高口康太) - 個人 - Yahoo!ニュース2022.7.31
◆高口
 事件の発端は?
◆広中
 諸説あります。当時、日本側関係者から指摘されていたのは「国民党が中国北部をまもなく奪回するとのデマに扇動された」「日本軍航空機が通州の保安隊を誤爆した」という説です。中国側からは「国民党の謀略」「共産党の謀略」という資料が両方あります。そうした謀略自体は実際にありましたが、何が決定打になったかまでは現時点では明らかになっていません。
 1937年時点で通州事件の評価はゆれていました。これだけの犠牲者が出た大事件ですから大々的に報じられたわけですが、当初は現地の悲劇的な状況が新聞で報じられていました。軍関係者も責任回避は難しいと考えていたほどで、メディアに事件を報じないよう抑えこもうとしていたくらいでした。
 ところがしばらくすると、中国憎しという、いわゆる暴支膺懲(ぼうしようちょう)の論調へと統一されていきます。日中戦争の起点とされる盧溝橋事件が起きたのが7月7日ですが、その後は日本側も積極的に停戦交渉に取り組んでおり、中国との対立ムード一辺倒ではありませんでした。多数の死者と悲惨なエピソードがある通州事件は、中国との対立を煽る「暴支膺懲」の空気感を作る原動力となったわけです。つまり、日本国内向けの世論工作、反中プロパガンダという側面がありました。
(中略)
 二次大戦後に一時は忘却されていた通州事件ですが(中略)通州事件への注目度を高めたのが世界記憶遺産関連の動きです。国連教育科学文化機関(ユネスコ)が南京大虐殺に関する資料を世界記憶遺産に認定したことに反発し、ある日本の民間団体*32通州事件の資料を世界記憶遺産に申請しました*33。申請は却下されましたが、中国が南京大虐殺を持ち出してくるなら日本は通州事件で対抗するという構図がはっきり固まりました。ツイッターで「通州事件」と検索すると、中国人は残虐だとか、中国を蔑視するコメント*34がいくつも現れます。ヘイトスピーチの点から見て問題ではないかと思います。

 広中氏の言う諸説については以下を紹介しておきます。

「通州事件」の引き金から一部引用
 大きく分けて、「誤爆説」「ラジオ放送説」「事前密約説」があります。
※ここではあえて「通州事件の直接の契機となった出来事」に焦点を絞っていますが、その背景には、当時の「冀東自治政府」における日本の政策、そしてそれに対する中国側の反発が存在することは 、言うまでもありません。
誤爆説>
 日本軍による「誤爆」が、「叛乱」の契機となった、とする見方です。通州事件の現地解決にあたった外交官、森島氏の記述などに見られます。
◆森島守人*35「陰謀・暗殺・軍刀*36」より
 中国部隊を掃蕩するため出動したわが飛行部隊が、誤って一弾を冀東防共自治政府麾下の、すなわちわが方に属していた保安隊の上に落すと 、保安隊では自分たちを攻撃したものと早合点して、さきんじて邦人を惨殺したのが真相で、巷間の噂と異り殷汝耕*37には全然責任がなく、一にわが陸軍の責任に帰すべきものであった。
(P127~P128)
 「誤爆説」に対して、当時「北京特務機関補佐官」の地位にあった寺平氏は、このようなコメントを残しています。
◆寺平忠輔「盧溝橋事件*38」より
 保安隊誤爆事件
 細木機関長はこの報を聞くと直ちに自動車をとばして、冀東政府に殷長官を訪ね、陳謝するとともに爆死者の遺族に対しては、 日本軍として、最善の方法を尽し、負傷者に対しても同様、十二分に療養と慰謝の方法を講ずる旨を申し出た。
 そして二十七日、機関長自ら現場の視察、遺族の弔慰に奔走した。 さらに翌二十八日、教導総隊幹部一同を冀東政府に招集し、機関長は誤爆に関して説明を加え、彼等の慰撫に努めた。
 そのかいあってか、保安隊員は心中の鬱憤を軽々に、表面立って爆発させる事はしなかったのである。

(P369)
 「誤爆」は現地の速やかな措置により解決し、「叛乱」の原因とはならなかった、ということであるようです。
 しかし、森島氏・田中氏の記述も、このような「現地解決」の事情を知った上でのものであると推定されますし、また、この「解決」の事実が下級兵士にまで浸透していたかどうかも不明です。 現段階では、「誤爆が原因ではない」という即断は避けておいた方が無難かもしれません。
 むしろ、寺平氏が「保安隊員」の「心中の鬱憤」に言及していることからもわかるように、ひとつの「遠因」として作用した、 という見方も可能でしょう。
<ラジオ放送説>
 「誤爆説」を否定した寺平氏は、代わって、「ラジオ放送説」を唱えます。
 国民党の「中国有利」の謀略ラジオ放送を聴いた「保安隊」兵士が、このままでは自分も危ない、と保身のために叛乱を起こした、という説明です。
 戦前においては、この見方が結構ポピュラーなものであったようです。陸軍省新聞班・陸軍砲兵少佐であった岩崎春茂氏も、同様の見方を示しています。
<事前密約説>
 1986年、反乱の首謀者だった張慶餘の回想記が公表されました。その中に、盧溝橋事件以前から、「日本打倒の密約」があったことが述べられているようです。
 ただし張慶餘の回想は、「抗日」のスタンスを強調する方向での一定の「脚色」がある可能性は否定できません。例えば、秦氏は、このような見方をしています。
秦郁彦「盧溝橋事件の研究*39」より
 張慶餘は、回想記のなかで久しく以前から抗日を決意し、冀察幹部と通謀して反乱の機会を狙っていたと主張するが、二十七日早朝の戦闘で傳営 (ゆう注:「傳営長」の誤植と思われます。中国側第ニ九軍)と共に戦う機会を見送っている点からみても、説得力は乏しい。 むしろ保身に徹するか、勝ち馬に乗ろうとして形勢を観望していたと思われる。
(P316~P317)
 以上をまとめると、「密約」が存在したのは事実だが、張慶餘自身はその「密約」の実行をためらっており、最終的に実行に踏み切らせた材料としては「誤爆」なり「ラジオ放送」なりの要因もあったのかもしれない、 ということになりそうです。

通州事件 - Wikipedia
日本軍誤爆への報復説
 北平駐在大使館附武官補佐官今井武夫は、保安隊員が「たまたま28日関東軍飛行隊から兵舎を誤爆されて憤激の余り、愈々抗日戦の態度を明かにした」と回想している。北京大使館参事官森島守人も、日本軍機が華北の各所を爆撃した際に、通州の保安隊兵舎を誤爆したことへの報復だったとして事件の責任は日本陸軍にあるとする。関東軍参謀田中隆吉は「この事件の発端は、当時承徳に在つた日本軍の軽爆撃隊の誤爆からである」と戦後書いている。
冀東保安隊隊長・張慶余の回想録
 1986年、事件に関与した冀東保安隊長張慶餘が回想録を発表した。回想録には張慶餘と張硯田の両隊長は、中国国民党第29軍とかねてから接触し、「日本打倒」の事前密約をし、これが「通州決起」と関係していると記されているという。

邦人多数虐殺「通州事件」 中国共産党の扇動判明 蜂起部隊に工作員接触(1/2ページ) - 産経ニュース2017.1.4
 共産党の関与を示す研究は、党史や地方史に関する報告として、河北省唐山市の機構が運営する研究サイト「政協唐山文史網」や、歴史専門誌「国家人文歴史」などで、近年相次ぎ公表された。
 それによると、河北省周辺での地下活動を統括した共産党北方局(劉少奇*40書記)の下で、「黎巨峰(れい・きょほう)」「王自悟(おう・じご)」という工作員が、35年の冀東防共自治政府の成立直後から、保安隊の張慶余(ちょう・けいよ)第1総隊長、張硯田(ちょう・けんでん)第2総隊長と関係を構築した。
 この接触で、共産党は「抗日救国に一致団結する大義」を張らに植え込んだほか、保安隊内への浸透も進めた。
 張慶余らは、盧溝橋事件(37年7月7日)で日本軍と衝突する二十九軍の軍長などを務めた国民党の宋哲元*41らと事前に通じ、資金を供与されていたとされる。
 共産党が蜂起計画に直接関与したのか、あるいは一般居留民の被害まで想定していたのかはなお不明だ。
 蜂起を指揮した張慶余らは通州事件の後、国民党軍の中将となり、戦後まで生存。中国では「抗日将領」として評価されている。

 産経記事なので信用性に難がありますが一応紹介しておきます。なお、興味深いのは産経が中国共産党だけでなく「蒋介石中国国民党」も敵視していることです(赤字部分が国民党への非難)。日中国交正常化に反対しながらも産経が内心では蒋介石を敵視していたことが窺えます。

【正論】通州事件はなぜ防げなかったのか 新しい歴史教科書をつくる会副会長・藤岡信勝 - 産経ニュース2020.7.28
 事件は2年前から計画され、首謀者の保安隊第一総隊長・張慶余は国民党軍から資金を受け取り、反乱の機会をうかがっていた*42。保安隊の中には中国共産党の活動分子が潜り込み細胞組織ができていた。
 反乱の兆候はあった。事件の以前から日本人への殺意を煽(あお)る反日宣伝が強力に組織されていたのだ。中国人の妻として通州の中国人社会に住んでいた日本人女性・佐々木テンは、こう語った。
「日に日に日本に対する感情は悪くなり、支那人たちの間で、『日本人皆殺し、日本人ぶち殺せ』という世論が高まってまいりました。その当時のよく言われた言葉は、『日本人は悪魔だ。その悪魔を懲らしめるのは支那だ』という言葉でした」(『通州事件 目撃者の証言』)
 5月に東京で、佐々木テンを主人公とする通州事件を題材にした演劇が初めて上演された。勇気を持って観劇したある女性は次の感想を書いている。
日本人の優れた人間性がアダになるとは! 世界にも稀(まれ)な心優しき日本人・日本民族を守る手段をどこに見いだせばよいのか。抑止力としての核武装しかないのでは

 藤岡らしいですが通州事件をネタに「日本核武装まで放言」とは完全に気が狂っています。
 なお、江口圭一氏*43や笠原氏が指摘していることですが「阿片の売買で中国人の反感を買っていた」のに「日本人の優れた人間性がアダになる」とはよくもふざけたことが抜かせたもんです。江口氏の指摘については例えば

通州事件への視点
江口圭一「十五年戦争研究史*44」より 
補論 通州事件について
 中国の抗日は日本の侵略にたいする反撃であり、正当・当然であるからといって、通州保安隊その他による日本人・朝鮮人女性・幼児にいたる無差別虐殺は容認できるものではない。 しかし通州事件の評価・位置づけには少なくとも以下の三点への留意が必要である。
 第一は、事件が中国で、それも日本のさらなる中国侵略の拠点とされた通州で発生したという単純な事実である。 中国軍が日本へ侵攻し、たとえば九州で引きおこした日本人虐殺事件ではないのである。異なる次元・地平に属するものを相殺のためにもち出すことはできない。
 第二は、中国側にとってもある意味で「魔の通州」と呼ぶべき事情が存在していたことである。 通州は冀東政権の本拠地であり、華北併呑の舌端であるとともに、アヘン・麻薬の密造・密輸による「中国毒化」の大拠点であった。
 ヘロイン製造にあたった山内三郎は「冀東地区から、ヘロインを中心とする種々の麻薬が、奔流のように北支那五省に流れ出していった」と記し、 中国の作家林語堂は「偽冀東政権は日本人や朝鮮人の密輸業者、麻薬業者、浪人などにとって天国であった」と書いた。
 信夫信三郎*45通州事件」は「日本の中国『毒化政策』に恐怖し憤激した通州の市民が保安隊反乱の混乱に乗じて日本の居留民―および朝鮮人に―に報復した抗日事件」として通州事件をとらえた。
 第三は、日本軍の守備責任の問題である。通州の日本軍主力は北平総攻撃にむかっており、反乱に対応できなかった。
(中略)
 軍司令官は「天災」といってのけたが、山中恒*46はこれを「初めから日本人居留民などを切り捨てていた」と断ずる。
 いずれにせよ通州事件は日本を逆上させ、 「暴支膺懲」を加速し増幅させた。中国は通州での非行について高すぎる代償を支払わされることとなる。
(P239~P241)

を紹介しておきます。また江口氏には「日中戦争での日本の阿片政策」を取り上げた『日中アヘン戦争』(1988年、岩波新書)の著書があります。また「阿片、日本軍」等でググればわかりますが、日本の阿片政策については近年、

【刊行年順(刊行年が同じ場合は著者名順)】
◆朴橿*47『日本の中国侵略とアヘン』(1994年、第一書房
◆倉橋正直*48『日本の阿片王:二反長音蔵とその時代』(2002年、共栄書房)
◆山田豪一『満洲国の阿片専売』(2002年、汲古書院
◆倉橋正直『日本の阿片戦略』(2005年、共栄書房)
佐野眞一『阿片王:満州の夜と霧』(2005年、新潮社→2008年、新潮文庫
◆倉橋正直『阿片帝国・日本』(2008年、共栄書房)
◆朴橿『阿片帝国日本と朝鮮人』(2018年、岩波書店
◆山田豪一『続・満洲国の阿片専売』(2021年、汲古書院
◆栗原純『日本帝国と阿片:台湾総督府・専売局文書にみる阿片政策』(2022年、研文出版)

といろいろと著書が出ています。

弁護士会の読書:阿片帝国日本と朝鮮人
 日本は満州国の支配力確立に必要な財源(ボーガス注:の一部)(全体の16%)をアヘンの収入に依存していた。満州と中国本土に駐屯した日本軍は、機密費・謀略費・工作費をアヘン収入から調達していた。

「王道楽土」の夢を支えたのは「アヘン」だった 『阿片帝国日本と朝鮮人』 | BOOKウォッチ
 本書『阿片帝国日本と朝鮮人』(岩波書店)は戦前、日本が関わった海外のアヘン問題を扱っている。
 当時の満州国では、歳入予算6400万円のうちアヘン専売による収入が1000万円を占めていたというから凄い。
 政府予算の20%以上をアヘン収入で支えた。日本軍部の特殊工作の資金も、アヘン利権を通じて生み出された。
 以上の記述からわかるように、アヘンはごく一部の裏世界の人々が関わっていたというのではない。アヘンを軸にした財源づくり、公的なシステムが出来上がっていた。
 本書の訳者で「解説」を担当している小林元裕*49東海大教授によると、外地における日本人のアヘン・麻薬関与が学術的に取り上げられるようになったのは戦後30年以上たってから。東京裁判の記録などがもとになっていた。その後、江口圭一・愛知大教授によって第一次資料が発掘され、1988年には江口氏の『日中アヘン戦争』(岩波新書)が出版された。

だそうです。
 また調査報告 日本軍と阿片 - NHKスペシャルと言う番組もあります。
 また阿片については

中国侵略に加担した贖罪意識。岸田総理は大平正芳の哲学を学べ<東京工業大学教授・中島岳志氏> | 日刊SPA! | ページ 2
◆中島 
 大平*50のベースにあったのは、戦前、大蔵省から中国の興亜院に出向した経験です。興亜院は対中国占領政策を扱っていた中央機関で、(ボーガス注:大蔵官僚だった)大平はその連絡部の一つである内蒙古の張家口に赴任しました。
 しかし、ここは大平にとって居心地のいい場所ではありませんでした。大平は中国で強大な権力を握っていた軍部とまったく話が合わず、厄介者扱いされていました。また、張家口周辺は農業地帯で、アヘンを大量に輸出していたことから、大平は日本政府が占領支配にアヘンを利用した「アヘン政策」に関わらざるを得ませんでした。大平はのちに嫌な経験だったと話していたそうです。
 日本が敗戦を迎えたあとも、大平は自分が侵略の一端を担ったという自覚と内省を持ち続けていました。この贖罪意識を抜きにして、大平の政治を語ることはできません。

と言う逸話もあります(以前、拙記事宇都宮太郎と宇都宮徳馬(追記あり:大平正芳と阿片) - bogus-simotukareのブログでも触れましたが)。

中国人の邦人惨殺、通州事件を学べ | 櫻LIVE - 櫻井よしこ | 言論テレビ
 中国人は長い時間をかけて歴史を書きかえつつあるのだ。彼らは、恐らく人類史上最も残虐な民族である。だからこそ、(ボーガス注:南京事件を捏造し?)日本人を中国人よりも尚残虐な民族に仕立て上げ、免罪符を得ようとしているのではないか*51
 当時の歴史を振りかえると中国側が如何に対日戦争に向かって走っていたかがよく分かる。戦争をしたかったのは中国であり、日本ではなかった。このことは立命館大学の北村稔*52教授*53が林思雲氏と共著で出版した『日中戦争:戦争を望んだ中国 望まなかった日本』(PHP研究所)にも詳しい。
 昭和12年7月7日夜、北京郊外で勃発した盧溝橋事件は、国民党の宋哲元軍長麾下の第29軍が日本軍に発砲したことが契機である。日本政府はいち早く事件の不拡大を決定*54したが、中国側の挑発は続いた。10日には中国人斥候が日本軍将校を銃撃、13日には日本軍のトラックが爆破され、4名が死亡する「大紅門事件」が起きた。
 こうした歴史を日本人は余りにも知らない。意識しない。中国の歴史捏造に反論しないのは、そもそも、このような歴史を知らないからだ。

 「国家基本問題研究所理事長」という「プロ右翼活動家」櫻井らしいですが通州事件をネタに「戦争をしたかったのは中国*55であり、日本ではなかった」とは完全に気が狂っています。こんなのは中国共産党どころか、国際社会に通用する発言ではない。「当時、蒋介石を支援した米国や英国」「蒋介石の流れをくむ台湾の国民党」等だって不快でしょう。岸田は勿論、「故・安倍」ですらこんな事は公言できないでしょう。
 それにしても櫻井(過去には日テレニュースキャスター)も藤岡(過去には日本共産党員)も昔はここまで酷くないので「本心」というよりは「商売右翼ではないか」と疑います。いずれにせよ、この二人はクズですが。
 なお、彼らは、恐らく人類史上最も残虐な民族である。については

通州事件への視点
秦郁彦中村粲氏への反論 謙虚な昭和史研究を』より 
 アジアでもっとも温和な仏教徒との定評*56があったカンボジアポル・ポトの大虐殺が起きたように、残虐性と民族性を結びつける議論は成り立たぬし、不毛だと筆者は考える。
(『諸君!』 1989年11月号 P216)

と言う言葉を紹介しておきます。
 「日本:関東大震災での朝鮮人虐殺、731部隊の細菌兵器人体実験、九州大生体解剖事件」「ドイツ:ホロコースト」「ロシア(旧ソ連含む):カチン虐殺」など「残虐行為の歴史を持つ民族」はいくらでもあるので、通州事件をネタにした櫻井の放言はただの中国ヘイトでしかない。秦の言うように「特定民族」について残虐性を云々することは全く馬鹿げている。
 「河野談話否定論を主張した功績で、正論大賞受賞のデマ右翼」秦もこういうまともなことだけ言ってれば誰も批判しないのですが。
 ちなみに秦が批判した中村とは以下のようなプロ右翼活動家です。

中村粲 - Wikipedia
 1934~2010年。獨協大学名誉教授。憂国忌発起人、「日本李登輝友の会」発起人、違法教科書訴訟(教科書の南京事件慰安婦記述の訂正を求める訴訟)原告団代表、青年学生セミナー(靖国神社に集団参拝する組織)代表、「昭和の日」ネットワーク代表委員、大東亜聖戦大碑建立委員会副委員長などを歴任。1995年『東京裁判却下未提出辯護側資料』(東京裁判資料刊行會編、全8巻、国書刊行会)を共同編集し刊行したことにより、第43回菊池寛賞を受賞。著書『大東亜戦争への道』(1990年、展転社)、『インドネシア紀行:親日の炎の中へ』(編著、2001年、展転社)、『教科書は間違っている:沖縄「集団自決」・シンガポール「虐殺」の真相』(2005年、日本政策研究センター
【エピソード】
◆1996年に文部省が検定した中学校の歴史教科書すべてに慰安婦の記載があることが発表され、中村らは激しく抗議、小杉隆文部大臣(橋本内閣)と直談判するが、話し合いは決裂し、翌年、中村は違法教科書訴訟原告団を組織、団長となり、国、教科書会社7社、計88の自治体、中学校社会科教科書執筆者全員を被告として提訴。
◆1998年、左翼偏向報道ならびに虚偽放送を行っていると長年批判し続けてきたNHKを提訴。
◆『正論』2001年5月号で、「朝日は銃弾を撃ち込まれ、その後暫くは大人しくしてゐた*57やうだが、昨今の朝日の傍若無人とも思へる偏向紙面を見ると、まだお灸が足りないやうだ」と執筆、テロ(朝日新聞阪神支局襲撃事件)を美化したと非難される。中村は10月号の「NHKウオッチング」で「朝日新聞売国偏向報道の累積が銃撃事件の引き鉄になつたと、因果関係を示唆したに止まる」と反論した。なお、『正論』編集部は「誤解を招く表現だった」として、6月号で謝罪文を掲載している。

 こんな人間に菊池寛賞をやるのだから「文春ってウヨなんだなあ」と改めて実感します。
 もちろん菊池寛賞 - Wikipediaを見れば分かるように

第18回(1970年)
松本清張
第20回(1972年)
山田洋次
第23回(1975年)
萱野茂
第47回(1999年)
井上ひさし
第57回(2009年)
佐野洋*58
第69回(2021年)
仲代達矢

といったまともな受賞者、左派の受賞者(松本、山田、井上、佐野、仲代は共産党支持者、萱野氏は晩年、社民党参院議員)もいますが、一方では

第29回(1981年)
山本七平
第32回(1984年)
山本夏彦
 『週刊新潮』に「夏彦の写真コラム」を没時まで連載
第41回(1993年)
上坂冬子
第46回(1998年)
櫻井よしこ
第47回(1999年)
産経新聞毛沢東秘録」取材班
第48回(2000年)
佐々淳行
第53回(2005年)
黒田勝弘
第55回(2007年)
阿川弘之
第60回(2012年)
曾野綾子

と言った「中村のようなウヨ」もいます。ちなみに山本七平の受賞に抗議して、菊池寛賞を返上したのが本多勝一氏(第12回(1964年)受賞者)です。
 なお、他にもネット上にはいろいろ通州事件を取り上げたまともなサイトはあるかもしれませんが、ゆうさんのサイトを引用させてもらいました。御礼を申し上げます。
【追記】
南京大虐殺の日本人研究者・笠原十九司氏「嘘の歴史がまかり通ってはいけない」--人民網日本語版--人民日報2022.12.14


特集「危険盛土・有害残土から住民を守る」
◆実効性ある盛土規制と建設残土の処理適正化のために(寺下真)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介などで代替。
熱海土石流を受け、国民のいのち、財産を守るため、危険な盛土等の規制及び建設残土の適正処理をより実効あるものに/日本共産党国会議員団│公共事業│日本共産党の政策│日本共産党中央委員会2022.6.14
盛土規制法の成立を受け、見直し検討に向けての提案 |高橋ちづ子(日本共産党衆議院議員)2022.6.14

残土適正処理へ提案/国交省に共産党議員団2022.6.15
 日本共産党国会議員団は14日、国土交通省を訪れ、同省に対し、盛土規制法の成立を受け、建設残土の適正処理を実効あるものにするための提案を申し入れました。


◆千葉「不備ある盛り土は329箇所、全国の3割:実効性ある対策が急務に」(木幡充*59
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

重機置くはずが、一気に土砂の山 市は27回対応を要請、聞かぬ業者:朝日新聞デジタル2022.9.28
 千葉県野田市内の休耕地などに市に無許可で土砂を搬入して盛り土をしたとして、千葉県警は28日、ともに「竹内興業」共同代表の男2人を野田市残土条例違反(無許可特定事業)の疑いで逮捕したと発表した。

なぜ危険な盛り土が集中?千葉県に全国の3割 対策なかなか進まず…関係者の特定が難題:東京新聞 TOKYO Web2022.10.22
 国土交通省などは熱海の被害を受け、全都道府県を対象に盛り土を総点検。結果、災害防止措置が確認できないなど不備のある場所が1089カ所あった。千葉県に全体の約30%の329が集中。
 県担当者は「千葉は高速道路などの交通網も発展し、都心から残土を持ち込みやすい。県全体の土地面積が大きいことや、高い山が少なく、盛り土をしやすいことも影響している」と分析する。

“危険な盛り土”千葉に集中する理由 崩落事故も…住民「泣き寝入りするしかない」2022.12.6


◆長野「リニア工事・残土から自然環境、暮らし守るために住民運動と協力、調査進め」(山口典久*60
(内容紹介)
 赤旗記事などの紹介で代替。
リニア残土からヒ素/岐阜の処分場 環境基準の2.1倍2022.3.17
リニアの工事残土置き場候補地 19か所が土砂災害の危険個所|NHK 長野県のニュース2022.6.27
【独自】リニア残土置き場・候補地で土砂災害の恐れ、新たに9カ所開示 長野県内の計18カ所判明 残り1カ所の地名黒塗り|信濃毎日新聞デジタル 信州・長野県のニュースサイト2022.12.1


◆京都「京都市の土砂問題:調査、住民要求に基づき論戦重ね成果」(西野さち子*61
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。
山頂に高く積まれた”建設残土”度重なる土砂崩れで『全量撤去』を求めるも京都市は『是正工事』を指導の対応に地元住民の不安や怒りの声 | 特集 | MBSニュース2021.11.16


◆暮らしの焦点『民営化も広域化も止めた奈良市の水道を守るたたかい』(井上昌弘*62
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。なお、井上論文は奈良市限定ですが広域化は奈良市だけの問題ではないことは奈良県水道一体化に不参加を 生駒市の水道を考える会が要望書|奈良新聞デジタル(2022.11.16)、大和郡山市「前向きに参加検討」 月内に可否判断 - 奈良県域水道一体化|奈良新聞デジタル(2022.12.6)等で分かります。

奈良市 県の水道事業一体化計画に参加せず “メリットない”|NHK 奈良県のニュース2022.10.4
 奈良市の仲川市長は、県が進めている県内の水道事業の一体化計画について、水道料金が安くならないおそれがあるなど今の県の案では奈良市民にメリットがないとして、計画に参加しないことを明らかにしました。
 仲川市長はその理由として、奈良市の試算では、市単独で事業を行ったほうが水道料金が安くなることや県の試算のデータが共有されなかったこと、そして、市が求めていた下水道事業を一体化の対象にしなかったことなどをあげたほか、回答を引き延ばすとほかの市町村に迷惑をかけると説明しました。

奈良市長 水道事業の一体化不参加 “選択と集中で市単独で”|NHK 奈良県のニュース2022.12.5
 奈良市の仲川市長は5日の市議会で、県が進める水道事業の一体化計画に参加しなくても、市単独で事業を継続できるという認識を示しました。県が進める水道事業の一体化計画には参加しないとしたものの、材料の調達など効率化につながる部分については、一体化計画で立ち上がる企業団と連携を進める考えを示しました。


文化の話題
◆音楽:カルーシュ・オーケストラを聴く(小村公次*63
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。
欧州の歌合戦「ユーロヴィジョン」、ウクライナ代表が優勝 - BBCニュース2022.5.16
ウクライナのラップ・バンド、カルーシュ・オーケストラがユーロビジョン・ソング・コンテストで優勝 | Musicman2022.5.16
欧州歌合戦ユーロヴィジョン優勝のウクライナ代表、トロフィー売却 軍支援のため - BBCニュース2022.5.30


◆演劇:表現する力を味わう:劇団民芸『忘れてもろうてよかとです:佐世保Aサインバーの夜』、文学座欲望という名の電車』(寺田忠生)
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。
劇団民芸『忘れてもろうてよかとです:佐世保Aサインバーの夜』
劇団民藝『忘れてもろうてよかとです』~演出家・丹野郁弓と俳優・日色ともゑに聞く | SPICE - エンタメ特化型情報メディア スパイス2022.9.19
劇団民藝公演『忘れてもろうてよかとです―佐世保・Aサインバーの夜―』 - 因幡屋ぶろぐ2022.9.23


文学座欲望という名の電車

文学座・代表作「欲望という名の電車」35年ぶり上演 主演・山本郁子「出演者のエネルギー感じて」:東京新聞 TOKYO Web2022.10.20
 杉村春子主演での日本初演(一九五三年)から約六百回上演した文学座の代表作の一つ。文学座として三十五年ぶりの上演となる今回は、杉村に憧れ文学座に入った山本郁子が主演を務める。 

文学座「欲望という名の電車」開幕、高橋正徳「新たなるブランチの誕生を感じております」(舞台写真 / コメントあり) - ステージナタリー2022.10.29

文学座公演 『欲望という名の電車』 - 因幡屋ぶろぐ2022.10.29
 山本郁子は『女の一生』の布引けいに続いて、劇団の財産演目であり、杉村春子の当たり役のブランチを継承したことになるが、新しい翻訳と演出、新しい座組のなかで、伝統に縛られない生き生きした造形が魅力的であった。思い出すのは、『女の一生』について、「次にけいを演じたいと思う人が出てくるような舞台にするのが目標です」と語ったことである(2018年10月18日朝日新聞記事)。

参考

欲望という名の電車 - Wikipedia
 テネシー・ウィリアムズ*64による戯曲。1947年にブロードウェイで初演。本作品は、性に関していまだ保守的だった当時のアメリカ社会の倫理観に照らし、同性愛、少年愛、レイプといったきわめて衝撃的な内容を含んでいた。そのため大きな話題となり、1951年に同名で映画化、1998年にオペラ化されている。映画化の際には多くの自主規制が加えられ、ストーリーも改変されている。
◆ストーリー
 かつて南部の大地主だった家柄の、若い未亡人のブランチ・デュボア。彼女は夫の死後、諸事情から故郷を離れ、兵隊あがりの工場労働者スタンリー・コワルスキーと結婚した妹のステラの下に身を寄せる。気位の高いブランチと粗野なスタンリーはそりが合わず、しだいに衝突するようになる。ブランチはスタンリーの同僚のミッチと知り合い、彼と結婚して人生を立て直すことに望みをかける。しかしスタンリーはブランチが故郷を離れた理由が、同性愛者だった夫の死後に精神の安定を失い、多くの男たちと淫蕩な生活を送った挙句、少年を誘惑したことで街にいられなくなったことを知り、ミッチにそれを暴露する。ブランチはミッチに罵られて捨てられ、スタンリーにレイプされる。そしてブランチは発狂し、施設に入れられる。
◆ブロードウェイ初演時のキャスト
ブランチ・デュボア(ジェシカ・タンディ*65
【以下は1951年の映画版でも同一人物が演じた】
スタンリー・コワルスキー(マーロン・ブランド*66
ステラ・コワルスキー(キム・ハンター)
ハロルド・ミッチェル(カール・マルデン

欲望という名の電車 (映画) - Wikipedia
 この作品でヴィヴィアン・リー*67がアカデミー主演女優賞とヴェネツィア国際映画祭女優賞、カール・マルデンがアカデミー助演男優賞、キム・ハンターがアカデミー助演女優賞ゴールデングローブ賞女優賞を受賞している。
◆ストーリー
 港湾都市ニューオーリンズのうらぶれた下町。Desire(欲望通り行き)と表示された路面電車から、孤独な未亡人ブランチ・デュボワ(ヴィヴィアン・リー)が降り立った。南部の町の傾きかけた名家に生まれたブランチは、家族の看護やその葬儀などで財産を使い果たし、身一つで妹のステラ(キム・ハンター)を頼って来たのだ。だが、妹の夫スタンリー(マーロン・ブランド)は貧しい職工で、家もたった二間のアパートだった。
 ブランチの言動は情緒不安定な上にお嬢様気取りで、それがいちいち気に障るスタンリー。ブランチも、粗野で暴力をふるうスタンリーを嫌い、共に家を出ようとステラに訴える。だがステラは、それなりに自分を愛してくれるスタンリーから離れられず、子供も身ごもっていた。
 心の平静を失いかけながらも、スタンリーの同僚であるミッチ(カール・マルデン)との結婚に望みをかけるブランチ。だが、ミッチに荒んだ過去を知られ、更にスタンリーに襲われたことで、ブランチの精神は崩壊する。

映画 『欲望という名の電車』 (1951年)ー 浅ましき欲望の成れの果て… ー 20世紀・シネマ・パラダイス
・映画化に際し、ワーナー・ブラザース社がブランチ役に知名度の高いスター女優の起用を要請。オリヴィア・デ・ハヴィランド*68が辞退し、ロンドンの舞台(1949年、監督:ローレンス・オリヴィエ*69)で ブランチを演じたヴィヴィアン・リーが起用された。
・当時の映画製作倫理規定(=ヘイズ・コード) に抵触する内容があったため、脚本の変更を余儀なくされた。大きな変更は次の2点。まず、ブランチの死んだ夫が同性愛者だったという設定が削除された。そして、物語の最後の方でブランチがスタンリーにレイプされるシーンは、強姦をほのめかす程度にとどめられた。


◆美術:現代の写実と「リアル」を考える(朽木一)
(内容紹介)
 巡回展「リアル(写実)のゆくえ 現代の作家たち 生きること、写すこと」の紹介。
参考
平塚市美術館:2022年4月9日(土曜日)~6月5日(日曜日):既に終了】
市制90周年記念 リアル(写実)のゆくえ 現代の作家たち 生きること、写すこと 2022年4月9日(土曜日)~6月5日(日曜日) | 平塚市美術館
リアル(写実)のゆくえ 現代の作家たち 生きること、写すこと | 平塚市美術館 | 美術館・展覧会情報サイト アートアジェンダ
【展覧会】リアル(写実)のゆくえ気配や記憶、写し取る - アートの森
足利市立美術館:2022年6月12日(日)~7月21日(木):既に終了】
展覧会- 足利市立美術館
足利市立美術館で「リアルのゆくえ」展 日本独特の写実表現を紹介
「リアル(写実)のゆくえ」 足利市立美術館 - はろるど
高岡市美術館:2022年7月29日(金曜日)~8月31日(水曜日):既に終了】
リアル(写実)のゆくえ 現代の作家たち | 展覧会 | アイエム[インターネットミュージアム]
【ふくやま美術館:2022年9月23日(金・祝)~ 11月20日(日曜日)​:既に終了】特別展「福山城築城400年記念事業 リアル(写実)のゆくえ 現代の作家たち 生きること、写すこと」 - 福山市ホームページ
新潟市美術館:2022年11月29日(火)〜2023年1月29日(日)】
企画展「リアル(写実)のゆくえ」新潟市美術館で - 生人形や現代美術工芸など、日本の写実表現を紹介 - ファッションプレス


スポーツ最前線
◆サッカー・カタールW杯に見る人権問題(和泉民郎)
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。
澤藤統一郎の憲法日記 » 「W杯・開会式放送せずのBBC」と「大はしゃぎのNHK」、どうしてこんなに違うのか。2022.11.22
「カタールW杯のために6500人超が死んだ」英国『BBC』は開会式放送を“拒否”…日本人が知らないカタール人権問題 FIFA会長は怒り「説教するな」 - 海外サッカー - Number Web - ナンバー2022.11.22
ワールドカップ人権問題に抗議 “今は好ましくない” 田嶋会長 | NHK | サッカーW杯 カタール大会2022.11.22

W杯カタール大会 開会式に思う/「距離縮める」テーマは人権2022.11.22(ドーハで和泉民郎)
 カタールでは外国人労働者にたいする過酷な労働や性的少数者(LGBTQ)、女性にたいする制約など、多くの課題を抱えています。
 選手やチームがこれらの問題で批判の声を上げているのは、スポーツの本質を示しています。人権なきところにスポーツは成り立たないからです。

カタール発鼓動/選手の見せた二つの抗議2022.11.23(和泉民郎)
 国際サッカー連盟(FIFA)の愚かな決定です。
 それは、欧州の数カ国のキャプテンにたいするもの。彼らは、同性愛を禁じているカタールの人権侵害行為などに抗議するため、虹色のハートマークに「ONE LOVE」と書かれたキャプテンマークを巻く計画を持っていました。
 しかし、FIFAは大会直前になって、このバンドをつけた選手に警告を出すとしました。そのため、計画は断念せざるを得なくなりました。反差別はFIFAも推進してきたはずにもかかわらず。
 この日、虹色のバンドをするはずだったイングランドのハリー・ケーン主将の腕にそれはありませんでした。
 スポーツのフェアな役割を見失ったFIFAにこそイエローカードを付すべきです。

サッカーW杯カタール大会に付きまとう人権問題 抗議の姿勢明確な欧州、初戦勝利に沸く日本は?:東京新聞 TOKYO Web2022.11.25

*1:参院議員。党中央委員。著書『「属国ニッポン」経済版』(2003年、新日本出版社)、『新自由主義の犯罪:「属国ニッポン」経済版2』(2007年、新日本出版社)、『ルールある経済って、なに?』(2010年、新日本出版社)、『カジノミクス』(2018年、新日本出版社)、『やさしく強い経済学』(2022年、新日本出版社

*2:神戸大学名誉教授。著書『生きがいの構造と人間発達』(1994年、労働旬報社)、『現代資本主義と新自由主義の暴走』(1999年、新日本出版社)、『自治体の公共性と民間委託:保育・給食労働の公共性と公務労働』(2000年、自治体研究社)、『日本経済の危機と新福祉国家への道』(2002年、新日本出版社)、『構造改革とデフレ不況』(2002年、萌文社)、『構造改革と保育のゆくえ』(2003年、青木書店)、『憲法25条+9条の新福祉国家』(2005年、かもがわ出版)、『ジェンダー平等の経済学』(2006年、新日本出版社)、『福祉国家の姿とコミュニケーション労働』(2007年、文理閣)、『格差社会の克服』(2007年、山吹書店)、『新自由主義破局と決着』、『保育改革の焦点と争点』(以上、2009年、新日本出版社)、『新自由主義からの脱出』(2012年、新日本出版社)、『橋下主義解体新書』(2013年、高文研)、『安倍政権の末路:アベノミクス批判』(2013年、旬報社)、『終活期の安倍政権』(2017年、新日本出版社)など

*3:正直、あれほど立民に悪口していた維新が「参院選議席増」が「衆院選ほどではなかった」とはいえ立民にすり寄るとは思いませんでした。立民の維新すり寄りだけでなく「維新の立民すり寄り」も「ある種の混迷」ではないか。

*4:著書『原発にしがみつく人びとの群れ』(2012年、新日本出版社)、『政党助成金に群がる政治家たち』(2015年、新日本出版社

*5:福島大学教授

*6:朝日新聞出版の育児雑誌AERA with Baby』編集統括などを経て現在、名寄市立大学特命教授。著書『死を招いた保育:ルポルタージュ上尾保育所事件の真相』(2011年、ひとなる書房)、『「子育て」という政治:少子化なのになぜ待機児童が生まれるのか?』(2014年、角川SSC新書)など

*7:日本社会事業大学名誉教授。著書『共生社会を切り開く:障碍者福祉改革の羅針盤』(2015年、有斐閣

*8:2022年、高文研

*9:都留文科大学名誉教授。著書『アジアの中の日本軍』(1994年、大月書店)、『日中全面戦争と海軍:パナイ号事件の真相』(1997年、青木書店)、『南京事件』(1997年、岩波新書)、『南京事件三光作戦』(1999年、大月書店)、『南京事件と日本人』(2002年、柏書房)、『南京難民区の百日:虐殺を見た外国人』(2005年、岩波現代文庫)、『南京事件論争史』(2007年、平凡社新書→増補版、2018年、平凡社ライブラリー)、『「百人斬り競争」と南京事件』(2008年、大月書店)、『日本軍の治安戦』(2010年、岩波書店)、『第一次世界大戦期の中国民族運動』(2014年、汲古書院)、『海軍の日中戦争:アジア太平洋戦争への自滅のシナリオ』(2015年、平凡社)、『日中戦争全史(上)(下)』(2017年、高文研)、『憲法九条と幣原喜重郎日本国憲法の原点の解明』(2020年、大月書店)など

*10:新しい歴史教科書をつくる会副会長。著書『自由主義史観とは何か』(1997年、PHP文庫)、『「自虐史観」の病理』(2000年、文春文庫)、『教科書採択の真相』(2005年、PHP新書)など

*11:新しい歴史教科書をつくる会副会長。元・産経新聞論説委員長。産経新聞時代には、藤岡の『教科書が教えない歴史』シリーズを担当。著書『子供たちに伝えたい日本の戦争・1894~1945年:あのとき なぜ戦ったのか』、『「令和」を生きる人に知ってほしい日本の「戦後」』(以上、2019年、産経NF文庫)

*12:新しい歴史教科書をつくる会理事。著書『渡辺京二』(2016年、言視舎評伝選)、『ドストエフスキー戦争論』(2019年、萬書房)、『なぜ秀吉はバテレンを追放したのか:世界遺産潜伏キリシタン」の真実』(2019年、ハート出版)、『漢民族に支配された中国の本質:なぜ人口侵略・ジェノサイドが起きるのか』(2021年、ハート出版:題名からして完全に中国へのヘイトスピーチです)など。以前も小生の別記事で批判しましたがこの三浦を三浦小太郎が斬るNY平壌公演1 - 高世仁のジャーナルな日々(2008.3.12)、嘘の人権 偽の平和 - 高世仁のジャーナルな日々(2010.12.26)、2019年に読んだ10冊の本 - 高世仁のジャーナルな日々(2019.12.31)で「畏友」とまで礼賛したバカが高世仁です。

*13:著書『謎解き「張作霖爆殺事件」』(2011年、PHP新書張作霖爆殺は関東軍の犯行ではないとする陰謀論本、これに対する批判としては例えば河本大作と張学良とソ連諜報機関の共謀? −加藤康男氏『謎解き「張作霖爆殺事件」』①「張学良・楊宇霆・常蔭槐犯行説」をめぐって−加藤康男氏『謎解き「張作霖爆殺事件」』②「爆薬の位置」の謎−加藤康男氏『謎解き「張作霖爆殺事件」』③参照)、『関東大震災朝鮮人虐殺」はなかった!』(2014年、ワック文庫)、『八月十五日からの戦争:「通化事件」日本人が知らない満洲国の悲劇』(2018年、扶桑社)など

*14:文春や新潮ではなくマイナーな出版社ばかりなのが意外ですね。

*15:愛知学院大学准教授。著書『ニセチャイナ:中国傀儡政権』(2013年、社会評論社)、『冀東政権と日中関係』(2018年、汲古書院)、『牟田口廉也』(2018年、星海社新書)、『傀儡政権:日中戦争、対日協力政権史』(2019年、角川新書)、『後期日中戦争:太平洋戦争下の中国戦線』(2021年、角川新書)など

*16:この御仁については【話の肖像画】駐日サンマリノ大使、マンリオ・カデロ(1) 駐日大使は靖国神社に行ってほしい(1/2ページ) - 産経ニュース(2017.1.16)参照。著書『だから日本は世界から尊敬される』(2014年、小学館新書)、『世界で一番他人(ひと)にやさしい国・日本』(加瀬英明との共著、2016年、祥伝社新書)、『世界が感動する日本の「当たり前」』(2018年、小学館新書)、『「靖國」は世界中にあります:日本のみなさま、堂々と英霊に感謝してください』(2022年、ワニブックスPLUS新書:多分アーリントン墓地などを靖国と同一視するデマでしょう)

*17:著書『特攻隊員語録:祖国に殉じた若者たちの真情』(2011年、光人社

*18:著書『日本征服を狙ったアメリカの「オレンジ計画」と大正天皇東京裁判史観からの脱却を、今こそ!』(2012年、かんき出版)、『アメリカの罠に嵌まった太平洋戦争:東京裁判史観を超えて』(2016年、自由社)など

*19:こうした盧溝橋事件陰謀論への批判については例えば盧溝橋事件 「第一発」問題盧溝橋事件 拡大への道程参照

*20:著書『原爆正当化のアメリカと「従軍慰安婦」謝罪の日本』(2006年、展転社

*21:「青森にイエス・キリストの墓がある」などという例の与太です。

*22:CIAの前身にあたる諜報機関

*23:勿論秦氏ユダヤ人ではないので絶句ですね。

*24:2006年(平成18年)12月に陸上自衛隊小平学校副校長(陸将補)を最後に退官。2022年9月の安倍晋三国葬儀」では、高池勝彦新しい歴史教科書をつくる会会長)などと共に、賛成声明発起人の一人となった(矢野義昭 - Wikipedia参照)

*25:台湾独立建国連盟日本本部委員長、日本李登輝友の会常務理事。著書『日本よ、こんな中国とつきあえるか?』(2006年、並木書房)、『中国ガン』(2012年、並木書房)

*26:当時。現在は愛知学院大准教授

*27:拉致に関係ない朝鮮学校まで敵視する「低レベルな」横田早紀江とは人間のできが違うようです。俺は早紀江が大嫌いなので折に触れてこのように悪口します。

*28:救う会、家族会」は勿論「俺を北朝鮮シンパ呼ばわりした」id:kojitakenにとってもこうした記述は「北朝鮮シンパ」なのでしょうが俺はそうは思っていません。なお、これは「広中氏、笠原氏の発言」から連想した俺の私見であり、両氏の主張ではないことを断っておきます。

*29:そのように俺は認識しています。「救う会、家族会」は勿論「俺を北朝鮮シンパ呼ばわりした」id:kojitakenにとってもこうした記述は「北朝鮮シンパ」なのでしょうが俺はそうは思っていません。

*30:<書く人>恨みを乗り越える 『通州事件 憎しみの連鎖を絶つ』 都留文科大名誉教授・笠原十九司(とくし)さん(78):東京新聞 TOKYO Web及び前衛・笠原論文の記載は「何鳳岐」で微妙に違うのでどちらかが誤記(恐らく朝日が誤記)でしょうが、そのままにしておきます。

*31:田中均氏や蓮池透氏に対して無礼極まりない」横田早紀江や「名古屋闇サイト事件における被害者の母親(例えば名古屋闇サイト事件における被害者の母親の主張を批判する(1) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)参照)」などにも激情を「理性」で抑えてほしいもんです。俺は「あの種の感情的な人間」が大嫌いなので折に触れてこのように悪口します。

*32:なでしこアクションなどの右翼団体のこと

*33:これについては例えば「通州事件」日本などの民間団体がユネスコ記憶遺産に登録申請 - 産経ニュース(2016.6.3)、200人以上の日本人居留民が中国人部隊などに虐殺された…「通州事件」から80年、集会に300人参列「事件をユネスコ『世界記憶』に」 - 産経ニュース(2017.7.29)、【ニュースの深層】「世界の記憶」は不公正? 却下される日本側申請→「南京」◎「通州・チベット」×(1/6ページ) - 産経ニュース(2017.11.18)参照

*34:この広中氏の指摘で分かるようにウヨ連中の中国非難は「反共(反中国共産党)」と言う要素は無論ありますが明らかに「反共に留まらない中国人蔑視」があります。仮に国共内戦蒋介石が勝利してもウヨ連中の反中国は変わらなかったのではないか。

*35:1896~1975年。戦前、ハルビン総領事、ドイツ大使館一等書記官、外務省東亜局長、北京・上海大使館参事官、米国大使参事官、ニューヨーク総領事、ポルトガル公使を歴任。1946年に外務省を退官。1955年に神奈川3区から日本社会党左派で衆議院議員に初当選。統一後の日本社会党では党国際局事務局長、外支部長、政策審議会外務部長を歴任

*36:1950年、岩波新書

*37:冀東防共自治政府政務長官。戦後、戦犯として死刑判決

*38:1970年、読売新聞社

*39:1996年、東京大学出版会

*40:新中国で全人代委員長、国家主席など歴任

*41:1885~1940年。陝西省政府主席、察哈爾(チャハル)省政府主席、河北省政府主席等を歴任

*42:ということでここでも毛沢東共産党だけでなく、蒋介石・国民党にも悪口する産経です。

*43:1932~2003年。愛知大学名誉教授。著書『日本帝国主義史論』(1975年、青木書店)、『都市小ブルジョア運動史の研究』(1976年、未來社)、『盧溝橋事件』(1988年、岩波ブックレット)、『1941年12月8日:アジア太平洋戦争はなぜ起こったか』(1991年、岩波ジュニア新書)、『日本の侵略と日本人の戦争観』(1995年、岩波ブックレット)、『日本帝国主義史研究』(1998年、青木書店)、『まぐれの日本近現代史研究』(2003年、校倉書房)など

*44:2001年、校倉書房

*45:1909~1992年。名古屋大学名誉教授。著書『ラッフルズ伝:イギリス近代的植民政策の形成と東洋社会』(1968年、平凡社東洋文庫)、『「太平洋戦争」と「もう一つの太平洋戦争」:第二次大戦における日本と東南アジア』(1988年、勁草書房)、『聖断の歴史学』(1992年、勁草書房)など

*46:著書『子どもが<少国民>といわれたころ:戦中教育の裏窓』(1982年、朝日選書)、『子どもたちの太平洋戦争』(1986年、岩波新書)、『ボクラ少国民と戦争応援歌』(1989年、朝日文庫)、『暮らしの中の太平洋戦争』(1989年、岩波新書)、『新聞は戦争を美化せよ!:戦時国家情報機構史』(2001年、小学館)、『すっきりわかる「靖国神社」問題』(2003年、小学館)、『戦争ができなかった日本:総力戦体制の内側』(2009年、角川oneテーマ21)、『戦時児童文学論』(2010年、大月書店)、『少国民戦争文化史』(2013年、辺境社)、『靖国の子:教科書・子どもの本にみる靖国神社』(2014年、大月書店)、『アジア・太平洋戦争史』(2015年、岩波現代文庫)、『「靖国神社」問答』(2015年、小学館文庫)、『戦時下の絵本と教育勅語』(2017年、子どもの未来社)、『山中恒と読む修身教科書:戦時下の国体思想と現在』(2019年、子どもの未来社)など

*47:釜山外国語大学教授

*48:愛知県立大学名誉教授。著書『島原のからゆきさん』(1993年、共栄書房)、『従軍慰安婦問題の歴史的研究』(1994年、共栄書房)、『北のからゆきさん』(2000年、共栄書房)、『従軍慰安婦公娼制度:従軍慰安婦問題再論』(2010年、共栄書房)、『戦争と日本人:日中戦争下の在留日本人の生活』(2015年、共栄書房)

*49:著書『近代中国の日本居留民と阿片』(2012年、吉川弘文館

*50:池田内閣官房長官、外相、佐藤内閣通産相、田中内閣外相、蔵相、三木内閣蔵相、自民党幹事長(福田総裁時代)などを経て首相

*51:櫻井のこの文は反中国共産党などという甘い物ではなく、完全に中国人へのヘイトです。

*52:国家基本問題研究所理事。著書『「南京事件」の探究』(2001年、文春新書)で南京事件否定論を展開。

*53:櫻井の文章当時。現在は名誉教授

*54:当時の近衛政権が不拡大といったところでそれが疑わしいことについては盧溝橋事件 拡大への道程参照

*55:盧溝橋事件で日本軍と激突したのは国民党軍なのでここで櫻井が非難する「戦争したがった中国」とは「毛沢東中国共産党」ではなく「蒋介石中華民国」であることを指摘しておきます。日本ウヨが内心では蒋介石を敵視してきたことがよく分かります。

*56:この定評が当初「そんな民族が虐殺をするわけがない、米国のデマ宣伝」という虐殺否定論を当初生みました。この人たち(本多勝一氏と進藤栄一氏)大丈夫かと本気で思った(デマ本を真に受けて、ルーズヴェルト陰謀論を本気で信じている馬鹿な人たち) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)も指摘するように、1)最終的には本多『検証・カンボジア大虐殺』(1989年、朝日文庫)でわかるように虐殺否定論批判に転じ、また、2)「当初は情報が錯綜していた」面に同情すべきとは言え、残念なことに本多氏も当初は虐殺否定論に同調的でした。

*57:小堀桂一郎などもそうですが一部のウヨはこのように「ゐ」などの歴史的仮名遣いを使いたがります。

*58:1928~2013年。本名は丸山一郎。1958年、『週刊朝日』と『宝石』の共催コンクールで短編『銅婚式』が入選しデビュー。1964年、長編『華麗なる醜聞』で第18回日本推理作家協会賞受賞。1973年から6年間にわたり日本推理作家協会理事長を務めた。1973年より「小説推理」誌(双葉社)に「推理日記」を連載。ベテランの実作者による推理小説時評として、さまざまな反響や議論も呼びつつ執筆は2012年7月号(5月発売)まで、39年に及んだ。実弟の丸山昇(1931~2006年)は中国文学者で東京大学名誉教授。兄弟ともに日本共産党の支持者として知られる。「マスコミ九条の会」呼びかけ人を務めていた。(佐野洋 - Wikipedia参照)

*59:日本共産党千葉県議団事務局長

*60:長野県議(共産党

*61:京都市議(共産党

*62:奈良市議(共産党

*63:著書『徹底検証・日本の軍歌』(2011年、学習の友社)

*64:1948年に『欲望という名の電車』で、1955年に『熱いトタン屋根の猫』でピューリツァー賞を受賞

*65:1947年に『欲望という名の電車』でトニー賞を受賞。1989年『ドライビング Miss デイジー』で80歳という最高齢でアカデミー主演女優賞を獲得

*66:1954年に『波止場』で、1972年に『ゴッドファーザー』でアカデミー主演男優賞を獲得

*67:1939年に『風と共に去りぬ』のスカーレット・オハラ役でアカデミー主演女優賞を受賞

*68:『遥かなる我が子』(1946年)、『女相続人』(1949年)で、アカデミー主演女優賞を受賞。2017年6月、史上最高齢の101歳で大英帝国勲章(DBE)を受章。妹のジョーン・フォンテインも女優で『断崖』(1941年)でアカデミー主演女優賞を受賞

*69:ハムレット』で1948年のアカデミー主演男優賞を受賞