「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2020年9/21日分:荒木和博の巻)

「栄光の瞬間」【調査会NEWS3336】(R02.9.20): 荒木和博BLOG

 金正恩ないしその周辺の人間は米国とくっつきたくて仕方がないのでしょう。この点は父親金正日から受け継いでいるように思います。

 まあ当たり前の話ですよね。現在、朝鮮戦争終戦していません(建前では停戦)。38度線は建前では停戦ラインで国境では無い。
 米朝間にも南北朝鮮間にもは国交も無い(つまり米国も韓国も建前では北朝鮮を国家扱いしてない)。
 つまり建前の上では「いつ米国(在韓米軍など)が北朝鮮に侵攻してもおかしくない」。である以上、北朝鮮が「可能な限り米朝関係を良くしよう」と思うのは当然です。もちろん「ベスト」は朝鮮戦争正式終戦米朝南北朝鮮国交樹立ですね。正直な話、朝鮮戦争正式終戦米朝南北朝鮮国交樹立が実現すれば、北朝鮮も警戒心を解き「拉致解決にも資する可能性がある」と思いますが、もちろんそう言う方法論を「打倒北朝鮮」の右翼集団救う会は絶対に採用しません。

 逆に中国は米国につこうとする北朝鮮に様々な形で介入しているのでしょう。

 介入というのが「北朝鮮と米国の関係」を「中国に都合がいいようにしたい」というのならともかく、荒木の場合そうじゃないですからね。
 「北朝鮮と米国がズブズブになって北朝鮮が中国と縁切りしたら困る」ので「米朝接近を妨害する」という与太が荒木の言ってることです。もちろん、中国に米朝接近妨害をする動機は無い。「米朝関係が円満になり米国の北朝鮮侵攻の危険が減る」のなら中国にとってもこんなにいいことは無い。
 もちろん「米朝接近」が中国の希望しない形でも困るので、事前に「どんな風に米国と付き合う気なのか?」を北朝鮮に確認はするでしょうが、米朝接近それ自体を妨害するわけも無い。
 一方で、北朝鮮も「遠い将来」はともかく、中国と縁切りする気なんか無いでしょう。
 まあ、日本や韓国、欧米だって「中国との関係」をいい加減に扱うことなど到底できない「経済大国」が中国ですが、北朝鮮の場合、国連安保理制裁などで苦しいところ、かなりの部分を「朝鮮戦争時から深い付き合いのある中国、ロシア」の経済支援に支えられてるのだから、なおさら中国との関係を粗略に扱えるわけが無い。米国にせよ韓国にせよ日本にせよ「よほど太い関係」でもできない限り、「米国、韓国、日本のと関係があるから中露なんてどうでもいい」なんて態度を北朝鮮がとるわけも無い。

 ならば日本の出番もあるかと。大事なのはチャンスを逃さず食らいつく意思でしょう。金正恩の言葉を借りれば「栄光の瞬間」を迎えるために。

 やれやれですね。今一体どこに「日本の出番」なんかあるのか。あえて言えば「小泉訪朝」のときに「米朝、中朝、露朝(ロシアと北朝鮮)、南北朝鮮」の政治状況を上手く分析し、「チャンスを逃さず食らいつく」ことで「拉致被害者救出」という「栄光の瞬間」を迎えたわけですが、それを言いがかりを付けてぶち壊しにしたのが荒木ら巣くう会一味です。小泉訪朝の挫折は害悪があまりにも大きすぎたと言えるでしょう。


金正恩のトランプへのヨイショについて(9月21日のショートメッセージです): 荒木和博BLOG

 令和2年9月21日月曜日のショートメッセージ(Vol.171)。メルマガ「調査会ニュース」に2回掲載しましたが、米国で出版された本の中に出てくる金正恩からトランプへの手紙はヨイショの連発でした。考えてみれば金正日も(ボーガス注:金大中大統領や小泉首相の訪朝で?)同じようなことをやっていました。北朝鮮というのは結局そういう国ではないかというお話しです。

 7分程度の動画です。
 率直に言って「それがどうかしたのか?」ですね。荒木ら巣くう会の建前である「拉致被害者救出」という点においてそんなことがどう意味があるのか。
 といったら「拉致被害者救出」という点においては別に意味は無いでしょう。
 じゃあこんなことを荒木が言うことに何の意味があるのかと言えば、アンチ北朝鮮の荒木が「米国ヨイショして北朝鮮だせえ」と小バカにしてるというのが一つ。
 二つ目は「そんな北朝鮮は体制が揺らいでる」といういつもの「北朝鮮崩壊するする詐欺」ですね。ばかばかしい話です。そんなことを言って北朝鮮を小バカにしたところで拉致が解決するわけでもなんでもない。

今日の朝鮮・韓国ニュース(2020年9月21日分)

菅首相が文氏に返書「日韓は重要な隣国」 - 産経ニュース
 第一に何も送らないのよりはましですが「送ったところで」ホワイト国除外などの無法を放置したままでは意味に乏しい。
 第二にこの発表が「韓国側であり、日本側で無いこと」が気になります。菅側に「さすがに社交辞令として返書は返すが、ウヨ支持層の反発が怖いから返書内容どころか、返書を送付したかどうかも公表はしない」という考えがあるのでは無いか。
 菅政権の今後の韓国外交に注目する必要があります。


【主張】拉致と菅政権 好機を主体的に生み出せ - 産経ニュース
 当たり前ですが「小泉訪朝」を除けば「小泉政権も含めて」「小泉以降の歴代政権(小泉、第一次安倍、福田、麻生、鳩山、菅、野田、第二~第四次安倍)」が拉致被害者救出という意味で「成果を上げられなかった」以上
1)日本政府が今までとは違った方向性を打ち出すか(内在的要因)
2)北朝鮮国内、あるいは北朝鮮周辺諸国(中国、韓国、ロシア)で拉致問題に影響するような形での政治的変化があるか(外在的要因)
でない限り、拉致解決の展望などありません。
 で2)についていえばそんな見通しはどう見てもないし、そもそも、それって日本がどうこうできることでは無く完全な他力本願です。
 従って1)を考えるのが「本道、正道」でしょう。
 で、その「本道、正道」といったら「経済支援とのバーター取引」による「拉致被害者帰国」という「小泉訪朝で成功した方策(ただし小泉氏はその後、約束した経済支援を事実上反故にし、拉致被害者帰国は5人にとどまりますが)」以外に何があるのか。
 「何もないだろう」と言うのが俺の理解です。しかし、未だに産経などウヨは「圧力の強化」しか言わないのだから呆れます。それ単に北朝鮮に嫌がらせがしたいだけでしょうに。
 お断りしておきますが俺は「日本の経済支援で北朝鮮を豊かにしたい」とは言っていません。
 まあ「豊かにすること」で「北朝鮮国民の生活がよりましになる」「(失うものができたので)北朝鮮も軍事的暴発*1がしにくくなる」「北朝鮮が日本にとって有力な金儲けの場所になるかもしれない」と言う意味で「豊かにすること」はいいことだと個人的には思います。
 そう言う意味で「中国が豊かになったこと」もいいことだと俺は思っていますがそれはさておき。
 ここでの「経済支援」はあくまでも「それとのバーター以外に拉致被害者救出は無理だろう」と言う話「限定」です。もし「バーター」以外に「経済支援を嫌うウヨが呑めて、小生のような人間も『現実的解決策』と思える」そんな方策があるのなら拉致被害者救出という限りでは「俺はそれを支持します」。
 そう言う方策があるのに「経済支援」に固執する必要は「拉致被害者救出」と言う限りでは俺には無い(ただし、既に述べたように拉致被害者救出以外にも支援する意義があると思うので、支援自体は『支援すべき』と主張しますが)。
 でも現実問題そんな策は無いでしょう。小泉訪朝後、今まで18年間、ウヨ連中は馬鹿の一つ覚えのように「制裁すればいいんだ」しか言ってこなかったわけです。
 また俺の言う「経済支援による拉致解決」は「拉致が解決しなくてもいい。とにかく経済支援なんかできない」と言う立場に立てばもちろん支持は出来ないでしょう。しかし、「少なくとも建前」においては産経らウヨはそんな立場では無いわけです。実際には「拉致が解決しなくてもいい。とにかく経済支援なんかできない」と言う立場が産経らウヨの本音でしょうが。

 拉致被害者の帰国に向けて、あらゆる手立てを講じてほしい。

 しかし産経が言う「あらゆる手立て」には「平壌への常駐事務所設置」「制裁解除や経済支援によるバーター取引」が含まれないことはいつもの話です。
 産経の言う「あらゆる手立て」とは「あらゆる手立てを使って日米開戦を回避したい。しかし中国大陸から日本軍は撤退できない」という「戦前日本(その結果、『中国大陸からの日本軍撤退*2』を求めるハルノート受諾を拒否)」みたいなもんです。それ全然「あらゆる手立て」じゃない。

 菅首相自民党総裁として公明党山口那津男代表と交わした新たな連立政権を樹立する上での合意文書には「拉致問題」解決の文言が盛り込まれなかった。前回衆院選後の政権合意には明記されていた。
 与党関係者は、合意文書で前回の合意を「継承」と明記しており「拉致問題を軽視しているわけではない」と説明したが、これを北朝鮮はどう受け取るか。余計な予断を与える合意文書を交わした真意がわからない。

 「北朝鮮がどう受け取るか」以前の話ですね。拉致被害者家族や日本国民がどう受け取るか、と言う話です。
 で菅らは「拉致被害者家族や日本国民が『政府、与党の熱意が薄れた』と判断しても構わない」と思ったのでしょう。
 実際、こんなことはほとんどのメディアが無視しています。菅関係ではやれ「デジタル庁」「携帯電話料金の値下げ」です。拉致なんかほとんど誰も注目していない。拉致被害者家族会もろくに非難しない。今まで通り「安倍官房長官だった菅氏を信頼しています」の一点張りです。

 圧力の徹底で金正恩朝鮮労働党委員長を直接対話の場に引き出すという安倍晋三前政権の企図以外に、拉致被害者を救う道はないはずだ。

 「圧力の徹底で交渉」と言うのが意味不明ですね。それ小泉訪朝後18年間続けて失敗してきた道でしょうよ。むしろ「経済支援とのバーター」で交渉の場に出すべきでしょうよ。
 そもそも「あらゆる手段を講じて欲しい」と前半で書きながら、後半で「拉致被害者を救う道はないはず」とは話が明らかに矛盾しています。

 北朝鮮は困窮している。8月の労働党中央委員会総会では金正恩委員長が「計画された国家経済目標の未達成」と「人民の生活が向上していない」ことを認めた。9月の党中央軍事委員会では「経済計画の全面見直し」に言及した。制裁による圧力と国際包囲網の成果であるともいえる。

 産経には「やれやれ」ですね。「北朝鮮が経済的に困窮している」ならばそれこそ「経済支援とのバーター」が効果的では無いのか。

 機会は、日本側が主体的に作り出さなくてはならない。そのためにはまず、新政権が拉致問題解決への決意と熱情を北朝鮮に突き付けなくてはならない。

 昔のスポ根ドラマじゃあるまいし「決意と熱情」なんかで問題は解決しません。
 そんな精神論しか言えないなど全く産経はふざけています。そもそもそれならば「小泉訪朝」と言う成果がある小泉政権以外の歴代政権は「産経絶賛の極右・安倍」も含めて「小泉政権に比べて決意と熱情が足りなかった」から成果が無かったのか。もちろんそう言う話では無くあくまでも問題はもっと「合理的、論理的に考えるべき」です。
 単に「問題解決に辺り小泉政権は適切な手を打ったが、他の政権は打たなかった」だけの話にすぎません。

 拉致被害者横田めぐみさんの母、早紀江さんは新政権に対し、「一刻も早く被害者全員を救う具体的な動きにつなげていただきたい」と話した。この母の思いにこたえることが政権の、政治の責務である。

 5人の帰国にとどまるとは言え「思いに応えた」小泉首相に「たった5人か」と悪口した分際で早紀江もよくもふざけたことがいえたもんです。恥を知れと言いたい。
 しかし拉致の風化ってその一因は明らかに「異常な横田一家プッシュ」ですよねえ。確かに「中学生少女の拉致」は衝撃的でしたが、そればっかプッシュすることによって「あれ、横田めぐみ以外って誰が被害者なんだっけ?」状態になってしまったわけです。
 しかもプッシュした横田一家は「父・滋氏」はともかく「母・早紀江と二人の息子」は明らかに思い上がってますからねえ。
 視聴率や部数がとれた時代はともかくとれなくなると「あんな高飛車で不愉快な母子の相手なんか誰ができるか!(マスコミ記者)」になってしまったんでしょう。売れっ子芸能人が高飛車な態度をとって、落ち目になったら反動が来るような話です。

*1:ここでの軍事的暴発とは「天安撃沈」「ヨンビョン島砲撃事件」程度の小競り合いを想定しています。

*2:この米国の求める『撤退』が「関東軍の関東州からの撤退を意味しない」のはもちろんとして、「満州国建国否定」を意味するかどうかには争いがあります。いずれにせよ当時の日本軍は「蒋介石政権転覆否定(ただし満州国建国は容認)」でも撤退する気は皆無でしたが。

今日の朝鮮・韓国ニュース(2020年9月20日分)

米、北朝鮮に核兵器で報復案か 著名記者が明らかに :日本経済新聞

 ウッドワード氏は情報源には触れておらず、使用検討を疑問視する声もある。

 少し古い記事ですが確かににわかには信じられませんね。


中国 朝鮮戦争記念館をリニューアル 北朝鮮との友好関係強調か | 北朝鮮情勢 | NHKニュース
 確かに「老朽化したからリニューアルしました」という単純なテクニカルな話では無く政治的な思惑があるかもしれません。なお、朝鮮戦争開戦は1950年なので今年は「開戦から70年という切りのいい年」になります。


【めぐみへの手紙】菅首相は必ず行動してくれると期待します(1/3ページ) - 産経ニュース

・国民の皆さま。どうか今一度、捕らわれた子供たちの姿を思い描き、救出へ声をあげてください。
・そして政治家、官僚の皆さま。与野党の違い、さまざまな立場の違いを越えて、議論を交わし、知恵を絞り、被害者を帰国させるため、全身全霊を尽くしてください。
拉致事件について菅義偉首相は「解決に全力を傾ける」と誓われました。拉致問題担当大臣に再び就かれた加藤勝信官房長官も「あらゆるチャンスを逃さず、1日も早い帰国につなげていく」と約束なさいました。必ず行動に移していただけると強く期待します。
・まずは、日本国が一丸で立ち向かわないと、高い壁を突き破ることはできません。

 こんなことを横田奥さんが産経に書いたところで、菅の方は「適当にあしらっておけばいいや。小泉訪朝からもう18年も経ってるのに今更、向こうも半ば諦めてるだろ」「こういうことを政府にいうならもっと早く言うべきだよな。第二~四次安倍政権では合計7年も経ってるわけだし」位にしか思ってないでしょう。
 マスコミも騒いでるのは「菅政権関係」では菅がぶち上げた「デジタル庁」「携帯電話料金値下げ」、菅政権以外では新型コロナであって拉致のことなんか全く報じてない。今更横田奥さんが何言おうが誰もろくに相手にしていない。
 そもそも「こういう方向で動いて欲しい」という具体案も出さずに抽象的に「頑張って欲しい」などと言われても菅も動く気にならないでしょう。

 私たちはこれまで、十数代にわたるすべての政権を心の底から信頼し、被害者救出を託してきました。

 「小泉訪朝」で頑張った小泉総理や田中均氏に「たった5人の帰国か」と罵倒した分際で

十数代にわたるすべての政権(小泉、第一次安倍、福田、麻生、鳩山、菅、野田、第二~第四次安倍、菅の11代?)を心の底から信頼

とはよくもふざけたことがいえたもんです。

・年を重ねると、老いや病と直面します。食べることさえ、しんどく感じることがあります。
・立派に闘い抜いたお父さんを、明るく天に送りましたが、あなたと再会するため病室で必死に命の炎を燃やした心中を思うとき、体の真ん中をもぎ取られたような寂寥感(せきりょうかん)が漂ってきます。
新型コロナウイルスの災禍で、世界は大きな打撃をこうむっています。拉致問題をはじめ、さまざまな外交の動きがむなしく感じられ焦りが募ります。街頭での署名活動、人を集めた集会を開けず救出運動も厳しい現実に直面しています。

 こんなお涙頂戴を今更したところで「今頃泣き言かよ、田中均氏を退官に追い込むような馬鹿が手前だからそうなるんだろ、同情なんかするか、バカ。笑わせるな」としか思いませんね。
 なお「新型コロナガー」の早紀江ですが、正直「新型コロナ」がなくても拉致は既に風化しています。署名活動も集会も「縮小再生産」「いつもの固定メンバー」になっていることは明白です。

 首相の職を辞された安倍晋三さんも、必ずお体を回復され、再び私たち家族とともに力強く取り組んで頂けることを祈っています。

 首相時代、成果を上げられなかった安倍に今更何を期待するのか。首相時代に何もできなかった男が「首相を辞めてから何かできる」と思うのは正気の沙汰では無い。

 拉致事件から長すぎる時間が過ぎ、被害者も家族も年老いて、残された時は本当にわずかです。だからこそ、私たちには「結果」がすべてなのです。

 「結果が全て」といいながら
1)「拉致被害者5人帰国」という結果を出した小泉首相や田中アジア大洋州局長を罵倒する一方で、何の結果も出さない安倍を称える
2)「結果が全てだ。だから結果さえ出れば制裁解除して、バーター取引してもいいと思う」「制裁を続けても解決しないじゃ無いか」といった蓮池透氏を家族会から追放した
のはどういうことなのかと問い詰めたくなります。どこが「結果が全て」なのか。「アンチ北朝鮮右翼団体救う会の決めたことが全て」じゃないのか。「救う会の言いなり=早紀江ら家族会」じゃないのか。

 同じような惨劇が起こらないと言い切れるのでしょうか。

 「同じような惨劇=北朝鮮拉致」なら小泉訪朝後にそんなことが起きるわけも無い。ばかばかしくて呆れて二の句が継げません。

今日の中国ニュース(2020年9月20日分)

中国、台湾での森元首相発言に説明要求 菅首相の意向めぐり - 産経ニュース

 中国外務省の汪文斌(おう・ぶんひん)*1報道官は19日夜、台湾の蔡英文総統と18日に会談した森喜朗*2元首相が、菅義偉*3首相が「機会があれば蔡氏と電話で話ができれば」との意向があると表明したことについて、日本に説明を求めたとする談話を発表した。汪氏は「日本側は、メディアが報道していることは絶対に起こらないと明確に述べた」と説明している。

 「森元首相菅首相の特使として、蔡英文総統への菅のメッセージを伝えた。菅からは電話会談の意向が伝えられたらしい」なんてマスコミ報道が出れば「本当なのか?」「そのような行為は台湾を独立国扱いする行為で認められない」という抗議が中国から日本政府に来るのも当然でしょう。中国側発表に寄れば日本政府からは「心配しているようなことは起きない」という釈明があったそうですが。


台湾総統、菅首相と電話会談予定せず 森元首相発言に中国が懸念 | ロイター

 台湾を訪問した森喜朗元首相が、蔡英文総統との電話会談に前向きな姿勢を示す菅義偉首相の言葉を伝え、中国が懸念を示したことを巡り、蔡氏は20日、菅氏との電話会談は予定していないと述べた。

 ということで蔡英文の方もその事実を否定しました。


対中国「人権より大局重視」 民主化弾圧も「温かく見守る」―天安門事件外交文書:時事ドットコム
流血当日「対中非難限界」 人権意識低い外交―天安門事件文書:時事ドットコム

対中国「人権より大局重視」 民主化弾圧も「温かく見守る」―天安門事件外交文書:時事ドットコム
・外務省が時事通信の開示請求に対し天安門事件外交文書ファイル9冊(計3123枚)を公開した。
・事件5日後の6月9日、北京の日本大使館は外相宛ての大至急電報で、「諸外国の対中圧力」は「逆効果となり(中国は)ますますその対外態度を硬直化する危険がある」と指摘。
・6月22日に作成された極秘文書「わが国の今後の対中政策」には、「わが国が有する価値観(民主・人権)」より「長期的、大局的見地」を重視し、中国の改革・開放政策を支持すべきだと明記。
・6月26日にワシントンで行われた三塚博*4外相とベーカー*5国務長官(共に当時)の会談に向けた「中国情勢―日米外相会談大臣発言要領」と題した極秘文書では、「我々は、過度に反応したり、いたずらに感情的になったりすることを避け」、「息長く」「温かい目」で中国側の状況を見守っていくと記載した。
 外務省は6月21日、対中新規援助の延期などを記した極秘文書の中で「人道、人権上の問題をわが国の対中経協(経済協力)政策の基本政策そのものにこれを反映させることは、長期的な対中関係の見地から行き過ぎ」と指摘し、ODAと人権問題を絡ませない方針を示した。

流血当日「対中非難限界」 人権意識低い外交―天安門事件文書:時事ドットコム
・サミットに出席する宇野宗佑*6首相は7月6日、外務事務次官らに対して「中国は、言葉とメンツを重んじる国であるから、下手をすると逆効果である。EC(欧州共同体)、米と日本は違う、これが、文章や表現上、どこかににじみ出るようにしたい」と指示した。
三塚博外相のサミット発言案(7月11日)には、直前に会談したシンガポールリー・クアンユー首相の「“怒って、いらだった中国”よりも、平和的な隣国としての中国であった方が良い」という発言が盛り込まれた。
 結局、7月15日に発表された「中国に関する宣言」では、日本が希望する「中国の孤立化を避け」という文言が入った。北京の中島敏次郎*7大使は宇野首相の指示で、同18日に中国外務次官と面会した。次官はサミットでの中国に関する討議に「非常に不満」と述べつつ「日本は他の西側諸国よりも慎重な態度をとっている」と言及した。
 日本の対中姿勢を評価した中国政府は日本を「突破口」に国際的孤立からの脱却を狙い、日本もこれに応じた。91年8月に西側首脳として天安門事件後初めて海部俊樹*8首相が訪中し、92年10月には天皇訪中も実現した。(肩書は当時)。

 予想の範囲内ではありますが、この時期に公開に応じた政府の意図が何かは気になるところです。
 それにしても当時大して、日本政府の対中国外交を批判しても無いのに時事通信もよくもまあ「人権感覚が低い」などと抜かせたもんです。昨今の「反中国の風潮」に時事通信が媚びてるようにしか見えませんね。大体人権云々言うなら例えば「最近のサウジの件(反体制派ジャーナリスト暗殺疑惑)」「エジプトの軍事独裁」なんかも日本政府はろくに批判していませんがそれはどうなのか。
 「お前ら単にアンチ中国なだけだろ」「天安門事件は30年前だから非難できるだけだろ」という「不快感」しか時事通信にはありませんね。
 ちなみにこの報道に対する島田洋一のツイート。

島田洋一
 当時の米ブッシュ父政権も同様の宥和的態度だった。天安門事件後、すぐにスコウクロフト*9安保補佐官とイーグルバーガー*10国務副長官を極秘訪中させた

 まあ、そういうことですね。

【参考:スコウクロフト、イーグルバーガーの訪中】

岸田対中「気弱外交」に沈黙する野党 島田洋一(福井県立大学教授) « 国基研ろんだん 国基研ろんだん « 公益財団法人 国家基本問題研究所
 1989年の天安門事件後、米議会は「政府高官同士の接触禁止」を含む制裁措置を議決し、大統領も同意したが、その裏で当時のブッシュ父政権は、スコウクロフト国家安全保障担当大統領補佐官とイーグルバーガー国務副長官を密かに中国に派遣し、制裁は一時的で米中関係を早期に正常化したい旨伝えていた。

【真・人民日報】天安門事件直後に極秘訪中実施… 利害で対中政策を変更する米国 (1/2ページ) - zakzak
 日本政府は、中国が国際社会で孤立することは、かえって世界にとってマイナスだと最も早く制裁解除に動いたといわれている。
 後の天皇陛下の中国ご訪問と合わせ、日本の失敗と位置付ける声は国内に多い。
 だが、日本が制裁解除に踏み切るはるか前、ブッシュ政権の下で大統領補佐官だったブレント・スコウクロフトは密かに中国を訪問して、中国のリーダーたちと制裁解除に向けて接触を始めているのだ。

天安門事件30年 米中対立の“原点”と“開戦直前”警告 | 日曜スクープ | BS朝日
◆春名幹男*11
 私は、天安門事件のときは、ちょうど共同通信のワシントン支局にいたんですが、もう、あれから30年経つんですけれども、この30年間、自分たちがしてきたことについて、アメリカ国内では相当、反省も出ているわけなんですね。と言いますのは、天安門事件が起きたときにアメリカ国内でも中国に対する非難が高まったんです。それで何をやったかと言うと、中国とアメリカの高官交流禁止、あるいは軍事交流の禁止などを決めたんですが、実はその翌月、7月にブッシュ*12大統領(H.W.ブッシュ)は密使を送っています。それは(当時)スコウクロフト大統領補佐官とイーグルバーガー国務副長官なんですが、鄧小平さん*13接触させているんですよ。つまり、天安門事件にもかかわらず関係を保ちたい。さらに12月にもう一度同じ顔ぶれで密使として中国を訪問している。
(中略)
 それから何をしたかと言うと、アメリカは中国に対する経済的テコ入れをするわけなんですよ。アメリカの工場をどんどん中国に移転していくわけです。中国側もアメリカからの直接投資をどんどん受け入れるわけです。それで2001年に中国はWTOに加盟をして、中国は世界の工場になるんです。結果的にどうなったかと言うと、アメリカのものづくりが中国に相当移転をして、さらに技術まで移転するという形で、白人労働者の反発が高まり、トランプ政権が結局誕生する形になったわけなんですね。

*1:ブラジル・マナウス総領事、チュニジア大使などを経て外務省報道官(汪文斌 - Wikipedia参照)

*2:中曽根内閣文相、自民党政調会長(宮沢総裁時代)、宮沢内閣通産相、村山内閣建設相、自民党総務会長(橋本総裁時代)、幹事長(小渕総裁時代)などを経て首相

*3:第一次安倍内閣総務相、第二~四次安倍内閣官房長官を経て首相

*4:中曽根内閣運輸相、竹下内閣通産相、宇野内閣外相、自民党政調会長(海部、宮沢総裁時代)、幹事長(河野総裁時代)、橋本内閣蔵相など歴任

*5:レーガン政権大統領首席補佐官、財務長官、父ブッシュ政権国務長官、大統領首席補佐官などを歴任

*6:田中内閣防衛庁長官自民党国対委員長(三木総裁時代)、福田内閣科学技術庁長官、大平内閣行政管理庁長官、中曽根内閣通産相、竹下内閣外相などを経て首相

*7:シンガポール大使、駐オーストラリア大使、駐中国大使、最高裁判所判事など歴任

*8:自民党国対委員長(三木総裁時代)、福田、中曽根内閣文相を経て首相

*9:フォード政権、父ブッシュ政権で国家安全保障問題担当大統領補佐官

*10:レーガン政権国務次官、父ブッシュ政権国務副長官、国務長官など歴任

*11:共同通信ワシントン支局長、論説副委員長、名古屋大学特任教授、早稲田大学客員教授など歴任。著書『ヒバクシャ・イン・USA』(1985年、岩波新書)、『秘密のファイル(上)(下):CIAの対日工作』(2003年、新潮文庫)、『仮面の日米同盟:米外交機密文書が明かす真実』(2015年、文春新書) など

*12:国連大使、CIA長官、レーガン政権副大統領などを経て大統領

*13:副首相、党副主席、人民解放軍総参謀長、党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席、党中央顧問委員会主任など歴任

高世仁に突っ込む(2020年9/20日分)

大坂なおみとタイの若者の「同盟」 - 高世仁の「諸悪莫作」日記
 「大坂なおみも参加するBLM運動」と「タイの民主化運動」には「若者の政治的異議申し立て」と言う意味では確かに共通点がありますが、「BLM運動(あるいは大坂)とタイの民主化運動」が実際に具体的な政治同盟を組んでるわけでは無論ありません。
 高世の記事タイトルは俺的には「はあ?」ですね。
 高世的には「文学的な格好いいこと言ってやった」と鼻高々なのでしょうが。
 まあ、実際に「具体的な政治同盟を結んでるのならともかく」、何ら直接的つながりの無い政治運動を「民主化や人権擁護、環境保護などという点では共通点がある」などとこじつけ「同盟云々」と言うのには全く同意できませんね。

 きょうは畑仕事。
 のらぼう菜を植えるそうだ。のらぼう菜はアブラナ科で「江戸東京野菜」の一つ。東京多摩地区から埼玉県の一部*1の特産で、とても美味しい。

 ウィキペディアのらぼう菜 - Wikipediaにも書いてあるし、高世も書いていますが「埼玉県でも栽培されている」上に「小松菜(東京都江戸川区小松川)」「練馬大根」等と違い東京の地名も入ってない物を「江戸東京野菜」と呼ぶのはどうも納得いきません。
 のらぼう菜 - Wikipediaによればアブラナの仲間だそうなので食べ方も同じような食べ方となり、おひたしやごま和え、炒め物や味噌汁の具などで使われるようです。
 なお、「江戸東京野菜」というと「日本古来の野菜」ぽいですがそうではなく、のらぼう菜について言えば、オランダ原産で、江戸時代に長崎出島から普及したようです。

【参考:のらぼう菜】
川崎の伝統野菜「のらぼう菜」、収穫ピーク | 話題 | カナロコ by 神奈川新聞
「のらぼう菜」ブランド化後押し 川崎市 農家収入増、農業活性化に期待 (1/3ページ) - SankeiBiz(サンケイビズ)

川崎の伝統野菜「のらぼう菜」、収穫ピーク | 話題 | カナロコ by 神奈川新聞
 川崎市内で受け継がれてきた伝統野菜「のらぼう菜」の収穫が最盛期を迎えている。
 のらぼう菜は、約800年前から同地区に伝わるアブラナ科の野菜。菜の花より甘みが強く、おひたしやゴマあえ、天ぷらにするとおいしいという。

「のらぼう菜」ブランド化後押し 川崎市 農家収入増、農業活性化に期待 (1/3ページ) - SankeiBiz(サンケイビズ)2018.3.13
 「都市農業」の活性化を目指す川崎市は郷土野菜「のらぼう菜」に注目し、普及に力を入れている。市は県や大学とともに進めてきた栽培研究の結果をまとめた「栽培マニュアル」を発行。のらぼう菜の生産を拡大してブランド化を目指す方針だ。
 市がのらぼう菜の普及を後押しする背景には、▽栽培が容易で高齢農家でも参入しやすい▽休耕期に栽培できるため収入増につながる▽都市農業の活性化に寄与する-など、さまざまなメリットを見いだしているためだ。
 青菜類の少ない時期に旬を迎えることも強みだ。9月に種をまき、11月に定植、2月後半~4月中旬に収穫する。栽培から収穫まで、害虫の少ない寒い季節に完結するため、無農薬で栽培できる。
 一方、のらぼう菜の弱点は保存性。収穫後はしおれやすく、日持ちしづらい。販売は狭い地域にとどまらざるを得ず、保存長期化が課題となっている。その点で市内は消費地が近いため、日持ちの弱点を補いやすく、栽培に向いた土地ともいえそうだ。
 2月28日には研究に携わった大学や農業関係者らが市役所を訪れ、福田紀彦市長に収穫したての、のらぼう菜とマニュアルを贈呈した。おひたしを試食した福田市長は「甘くておいしい。苦みもなく、これならきっと子供も食べやすい。川崎の郷土野菜として、一層の知名度向上に期待している」と関係者らを激励した。

 ウィキペディア「のらぼう菜」には栽培地に「東京(多摩地区)と埼玉(飯能市比企郡小川町)」の名は出てきても「神奈川の名前」は出てこないのですが、「東京や埼玉での、のらぼう菜宣伝の成功(?)」から「その存在が忘れ去られていた」川崎でも「再発見された」ということなんでしょうね。そのうち、ウィキペディア「のらぼう菜」の記載も修正されるかもしれません。

東京野菜「のらぼう菜」に大手外食が注目 | PlusParavi(プラスパラビ)
※この記事はテレビ東京「ゆうがたサテライト」(2019年4月3日放送)の内容を配信用に再構成したものです。
 アメリカ発祥のレストラン「シズラー」が、東京都内にアジア最大級の店舗をオープン。シズラーといえば旬の野菜たっぷりのサラダバーが売りで、野菜のメニューが充実していることでも有名なレストランです。この新店舗では東京でとれた"東京野菜"を提供します。
 看板メニューのサラダバーに並ぶのが、「のらぼう菜」という東京伝統の野菜。そんな「のらぼう菜」を作ったのは、都内の生産者グループ「東京ネオ・ファーマーズ」。メンバーは皆、農家出身ではなく、新しく農業を始めた人ばかりです。

*1:ウィキペディア「のらぼう菜」によれば埼玉県飯能市、埼玉県比企郡小川町。ただし比企のらぼう菜|とれたて大百科|野菜のチカラをもっと知る|JAグループなどによれば現在は「比企のらぼう菜」のブランド名で、小川町だけでは無く比企郡全域で栽培されているとのこと。

今日の産経ニュース(2020年9月20日分)

照ノ富士、快勝で2敗守る 攻めの姿勢貫く - 産経ニュース

 大関から序二段まで転落して幕内に復帰。さらに先場所は幕尻で復活優勝を遂げた。角界の長い歴史で誰も通ったことがない道だった。今場所は、過去に貴闘力、徳勝龍ら幕尻優勝を果たした力士が翌場所で大負けする「ジンクス*1」も破ろうとしている。
 両横綱が休場した今場所は2敗で9人が並走する大混戦となっている。

 正直、照ノ富士が優勝できるとは思ってない(かなり難しいと思っている)のですが、小生も判官贔屓の人間なので「優勝は無理でも最後の最後まで優勝争いに絡んで欲しい」、そして「可能ならば三役(大関、関脇、小結)昇進や三賞(殊勲賞、技能賞、敢闘賞)獲得。あるいは昇進か獲得でもおかしくないと評価されるような好成績で終わってほしい」とは思います。


少年隊の錦織と植草、年内でジャニーズ事務所退所 グループは存続 - 産経ニュース
 ジャニー喜多川(2019年7月死去)死後の、中居正広退所発表(2020年2月)、TOKIO解散発表(2020年7月、また、メンバーの長瀬智也が退所予定)ともあわせて考えれば、やはり「創業者・ジャニー喜多川の権威は大きかった」ということなんでしょうね。もちろんだからといってジャニーズが大手芸能事務所の地位から転落するようなことは無いでしょうが。


【日曜に書く】沖縄で久松五勇士を踊ろう 論説委員・川瀬弘至(1/2ページ) - 産経ニュース
 「久松五勇士」については以前
今日も「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(7/26分)(追記・訂正あり) - bogus-simotukareのブログ
新刊紹介:「歴史評論」2月号 - bogus-simotukareのブログ
で採り上げたことがあるので改めて紹介しておきます。


【新聞に喝!】安倍政権支えた「若者の勝利」 作家・ジャーナリスト・門田隆将(1/2ページ) - 産経ニュース

 朝日新聞が12日付で〈若者が見た安倍さんの7年8カ月〉という興味深い記事を掲載した。安倍政権の政権支持率は平均で44%。だが、18~29歳男性の支持率に限ると実に57%だった。まさに安倍政権を支えたのは、若者層だったのだ。その最大支持層の話を集めた記事である。記者はモリカケ・桜への批判を若者から聞き出そうとするが、ほとんど出てこない。

 それが事実ならびっくり仰天ですね。
 若者の倫理観が崩壊してるのか、はたまた朝日の取材方法が悪い(実際には安倍に批判的な若者も多数いる)のか。
 どっちにしろ、それは「モリカケ、桜」のような不正を容認していいという話では全くありません。不正というのは「モリカケ」であれ「ウォーターゲート」であれ、なんであれ「国民が容認すれば問題ない」と言う類の話では無い。
 たとえば「韓国・秋美愛法相の不正疑惑」について、実際がどうなのか分からないのでコメントは控えますが、「国民が容認すれば問題ない」という門田の理屈であれば「秋法相の不正疑惑」にしても仮に「国民大多数が秋氏が大臣であることを容認する」のであれば、彼女が引責辞任する必要も、文大統領が彼女を更迭する必要も無いわけです(ただしアンチ文政権の産経がそんな立場を採用することはあり得ませんが)。
 なお、ここで「ネットガー」と強弁する門田ですが嘘も甚だしいですね。
 ネット上においても安倍批判記事はいくらでも存在したわけです。
 門田が「オールドメディア」と誹謗する既存メディア(新聞、雑誌、テレビ、ラジオ)のみに安倍批判があったわけでは無いし、そもそもそんなこと言う門田自身が、「オールドメディア(新聞や雑誌)」を活動場所にしているのだから大笑いです。
 かつ、門田の紹介する「朝日記事」のどこにも「若者はネットメディアの方を信用してる」だの「ネットに安倍擁護記事が多く新聞などより説得力があった」だの評価できるような部分はどこにもありません。
 「若者はネットメディアの方を信用している」などという「根拠の薄い俗説」を門田が振り回してるにすぎません。
 門田が紹介する「朝日の記事」も「若者の発言」としては

モリカケ桜を見る会の問題は「国家予算からしたら大きな話ではない*2」としか思えない
◆小中学生のころは、首相がコロコロと交代していた印象がある。在任7年8カ月は長いと思うけど、安倍さんは外交などで行動力もあって信頼していた

等という言葉しか出てこず「疑惑は事実で無い、安倍首相は清廉潔白だと思っていた」と言う言葉はどこにも出てきません。
 「行動力もあって」云々という言葉はどう見ても「行動力があるから大目に見てもいいと思った」、つまり「地元に新幹線や高速道路を引っ張ってきたからロッキード事件も大目に見る(田中角栄支持層)」という類の言葉としか理解できないでしょう。
 なお、もしそうであるなら1)「行動力があれば不正してもいい」という倫理観の崩壊といい、2)安倍に「いい意味での行動力がある」と思ってるらしい政治感覚といい、安倍批判派の俺的に非常に嘆かわしい言葉ですがそれはひとまずおきます。
 であるのなら「マスコミ虚偽情報をネットの真実の情報で見破った若者ガー」などという門田の主張は嘘も甚だしい。
 そうではなく「不正が事実であろうが別に構わないという若者ガー」であり、門田が紹介する朝日の

・記事は「ここ5、6年は特に、学生が妙に大人びていてまじめ*3」との大学教授のコメントを紹介し、東日本大震災の影響などで、若者は将来の生活や経済に不安を感じており、〈変化*4を求めず、与党である自民党を支持する学生が多い〉

という分析の方がおそらく正しいでしょうが、「本音はともかく」建前では、さすがに門田もそこまでは居直れないようです。

 政権発足前から実に250万部以上も部数を激減(ABC公査)させた朝日。軍配(ぐんぱい)は明確に安倍首相と若者の側に上がったのである。

 くだらない印象操作も大概にして欲しいですね。
 ならば安倍政権を礼賛してきた読売や産経は「部数を大幅に増加させてきた」のか。そんな事実はどこにも無いでしょう。
 ちなみに

スクープ! 朝日新聞が遂に500万部割れ 実売は「350万部以下」か:FACTA ONLINE
日本ABC協会のまとめによると、朝日新聞の8月の販売部数は499万1642部で前年同月比43万部の減少となった。
・他の全国紙も苦しい状況に変わりはない。今年8月の販売部数は読売新聞742万3千部(前年同月比52万1千部減)、毎日新聞209万7千部(同23万3千部減)、日経新聞206万5千部(同22万7千部減)、産経新聞124万3千部(同11万8千分減)

だそうで、「朝日に限らず」全国紙はどこも軒並み部数を減らしています。
 そもそも、今や新聞、雑誌の部数自体が「日本だけで無く世界的に見ても」減少傾向にあります。その結果、英国のフィナンシャルタイムズは経営悪化から日経に買収され子会社にされています。そして、多くの新聞社、雑誌社が「電子媒体」に力を入れるなど新たな経営方法を模索しているわけです。
 なお、予想の範囲内ですがどう見ても「一番経営がやばい全国紙は産経」でしょう。

*1:ジンクスでは無く「ある意味必然」ですね。優勝すれば上位に上がり、対戦力士も軒並み強くなる(幕尻優勝の場合は、優勝の可能性が濃厚になるまでは当然ながら下位の力士ばかりと闘いますが、優勝して番付が上がれば最初から上位の力士とぶつかるわけです)。その結果、精神的プレッシャーも強くなるわけです。

*2:そんなことはなく充分巨額ですし、当然ながら「仮に少額だとしても」そうした不正を認めればどんどん「巨額の不正」に突き進んでいくことは分かる道理です。

*3:「大人びていて真面目」というよりも「体制順応型」であり自分の意見を表に出す事への恐怖があるのでは無いか。

*4:自民党政治のままで若者にとっていいことがあるとは限りませんし、仮に自民党政治を支持するにせよそれは「安倍政治支持」とは限りませんが、『変化することへの恐怖』がそこまで「安倍のままでいい」になってるんでしょうか?

「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2020年9/20日分:荒木和博の巻)

1:56 / 9:29 いのちについて(9月20日のショートメッセージです): 荒木和博BLOG

令和2年9月20日日曜日のショートメッセージ(Vol.170)です。あまりまとまりのない話ですが、いのちについて。

 9分30秒程度の動画です。
 「拉致に関係ない話をするな」「この動画はお前のファンクラブなのかよ?」ですよねえ。
 荒木(1956年生まれ)曰く
「私の同世代の知人で自殺、病死、事故死とか、結構死ぬ人間がいました」
「その時思ったのは、自殺や他殺はそうそうないと思うが、事故死や病死はいつあってもおかしくない。そしてどんなに長生きしてもせいぜい100歳前後で大抵の人間は死ぬということですね」
 まあ確かにその通りで「世界最高齢」でもせいぜい117歳とかですから。
 ただし「それ拉致と関係ねえだろ」て話ですが。
 まあ、
「だからこそ、いずれ拉致被害者家族も死にます。最近も横田滋氏が死にました。横田早紀江氏もいずれ死ぬでしょう。北朝鮮にいる拉致被害者もいつ死ぬか分からない。私、荒木もいつ死ぬか分からない」
「だからこそ、拉致解決を最優先で、何でもやるつもりです。制裁解除や経済支援とのバーター取引もタブーにすべきで無い」つうならともかく。
 で最後に「私はそう言う事を考えれば、とにかく長生きすればいいとは思っていません。時と場合によっては命を賭ける必要があると思ってる(奥歯に物の挟まった物言いですが要するに『自衛隊北朝鮮突入論』でしょう)」ですから、まあ、心底呆れますね。
 「お前は命賭けないんだろ!。安全地帯から他人の命を危険にさらすんじゃ無い!」ですね。まあ、荒木も一緒に北朝鮮に突入して命を賭ければ北朝鮮突入論を放言していいわけではないですが。

【参考:1956年生まれ】
 1956年 - Wikipediaによれば荒木と同じ1956年生まれの著名人としては、

【あいうえお順】
岡江久美子 - Wikipedia(1956~2020年):新型コロナウイルスによる肺炎
田中好子 - Wikipedia*1(1956~2011年):乳がん

が死去していますね。

【参考:長寿世界一】

ジャンヌ・カルマン - Wikipedia(1875年2月21日?~1997年8月4日)
 史上最も長生きをしたとされるフランス人女性で、存命時の本人の発言等から122歳164日間とされたが、疑義もある。
◆世界最高記録への疑義
 ジャンヌが122歳164日生存したという主張については、彼女の生存中より疑義が呈されてはいた。ジャンヌの没後間もなく、トム・カークウッドより、ジャンヌが娘・イヴォンヌと入れ替わっている可能性が示唆された(山本思外里の「老年学ノート」 : 『122歳』のウソ参照)。
 2019年に、ニコライ・ザーク、ヴァレリー・ノヴォセロフなどのロシアの研究プロジェクトが、生前のジャンヌ本人のインタビューにおける発言内容や周囲の人物の証言、またジャンヌに関する公的な書類などを検証した結果、「イヴォンヌが死亡する前と後で、ジャンヌの身体的特徴が大きく異なっている」ことを理由に、「ジャンヌ本人は1934年に58歳で死亡しており、娘・イヴォンヌが相続税の支払いから逃れる目的で、(母ジャンヌの死を娘・イヴォンヌが自分の死と偽装し)、母の戸籍を使用していた可能性が高い」とした上で、「1997年に死亡したのがジャンヌではなくイヴォンヌだとしたら、正確な没年齢が99歳である可能性がある」として、「ジャンヌとイヴォンヌがすり替わった」と結論付ける説を主張した。

病院坂の首縊りの家 (1979年の映画) - Wikipediaかよ!(映画では桜田淳子一人二役)」と言いたくなるびっくりの話です。

サラ・ナウス - Wikipedia1880年9月24日~1999年12月30日)
 フランスのジャンヌ・カルマンに次ぐ、史上2番目の長寿を保った人であり、アメリカで最も長く生きた人物(119歳97日)。
 2019年よりジャンヌ・カルマンの没年齢(122歳165日)に疑問が呈され始めており、ジャンヌ本人は1934年に58歳で死亡している可能性があると指摘されている。このため、もしジャンヌの没年が58歳である場合、確実な記録の残る歴代最長寿はサラ・ナウスということになる。

世界最高齢 田中カ子さん 117歳261日に 国内の最高齢記録更新 | NHKニュース2020/9/19
 ギネス世界記録で(ボーガス注:存命中の)世界最高齢に認定されている福岡市の田中カ子さんが19日で117歳261日になり、国内の歴代最高齢の記録を更新しました。
 福岡市の田中カ子さんは明治36年1月2日生まれで、19日で117歳261日になります。
 厚生労働省によりますと、現在確認できる国内の歴代最高齢で、おととし亡くなった鹿児島県の田島ナビさんの記録を更新したということです。
 福岡市内の高齢者施設で暮らす田中さんのもとには、19日午前、施設の職員を通じて福岡県の小川知事から祝い状と福岡県の伝統工芸、久留米かすりのひざかけが贈られました。
 田中さんはひざかけを広げて好物の炭酸飲料を飲み、カメラに向かってピースサインやバンザイをしたり炭坑節を踊ったりして、元気な様子を見せていました。
 田中さんは去年3月には「存命中の世界最高齢」としてギネス世界記録に認定されています。

 ちなみに田中カ子氏(1903(明治36)年生まれ、サラ・ナウスに次ぐ世界歴代3位の長寿)と同じ年に生まれた著名人としては

1903年 - Wikipedia
【あいうえお順】
嵐寛寿郎*2(1903~1980年、俳優)
小津安二郎*3(1903~1963年、映画監督)
小林多喜二*4(1903~1933年、作家)
林芙美子*5(1903~1951年、作家)
棟方志功(1903~1975年、版画家)
山本周五郎*6(1903~1967年、作家)

などがいます。
 逆に1903年に亡くなった著名人としては

1903年 - Wikipedia
【あいうえお順】
尾崎紅葉*7(1868~1903年、作家)
ゴーギャン(1848~1903年、画家)
◆瀧廉太郎*8(1879~1903年、作曲家)

がいます。

*1:1972~1978年までアイドルグループ「キャンディーズ」メンバーとして活躍。キャンディーズ解散後も芸能活動を続け、1989年(平成元年)の『黒い雨』で、日本アカデミー賞キネマ旬報賞ブルーリボン賞報知映画賞毎日映画コンクールで主演女優賞を受賞。

*2:時代劇映画『鞍馬天狗』シリーズ(1927~1956年)、『右門捕物帖』シリーズ(1929~1955年)で活躍。その後、現代劇にも進出し、1968年(昭和43年)、今村昌平監督映画『神々の深き欲望』で毎日映画コンクール男優助演賞を受賞(嵐寛寿郎 - Wikipedia参照)。

*3:1949年に『晩春』でキネマ旬報ベスト・テン第1位、毎日映画コンクール監督賞、脚本賞を、1951年に『麦秋』でキネマ旬報ベスト・テン第1位、ブルーリボン賞監督賞、作品賞を受賞(小津安二郎 - Wikipedia参照)。

*4:代表作『蟹工船』、『一九二八年三月十五日』、『党生活者』、『不在地主

*5:代表作『浮雲』、『放浪記』、『めし』

*6:代表作『赤ひげ診療譚』、『五瓣の椿 』、『樅ノ木は残った』

*7:代表作『金色夜叉

*8:代表作『荒城の月』『箱根八里』