野原燐&三浦小太郎に突っ込む(2019年6月17日分)

■野原のツイートに突っ込む

野原燐がリツイート
・Gavin Chan
‏ 私に香港独立応援していますというリプライ、引用リツイートはやめてください。(ボーガス注:現実的でないので)香港民主派の中で独立を主張するものは少数派です。

 まあ、確かにそうなんですけどね。
 ちなみに、野原が交遊している三浦小太郎は東京オリンピック2020 選手行進で観たいのはウイグル、チベット、モンゴルの旗 | 三浦小太郎BLOG Blue Moon*1なんて書いてますが、これは野原的にどうなのか。
 チベットウイグル内モンゴルの民族活動家がそんな主張(自分たちの旗で五輪参加したい)してる事実はないと思うんですけどね。
 しかも、この三浦の文章は単に「旗が見たい」つうんじゃなくて「チベットなどの独立をみたい」といってることは明白でしょう。
 しかしチベットその他において独立論は決して主流派ではない。
 とはいえ、「香港独立とか気軽にいうな、つうならチベット独立とか気軽に言うな、と三浦批判したらどうですか?」といっても野原は「何で、俺がそんなことしなくちゃいかん!」と逆ギレるだけでしょうねえ。
 以前、「野原さんが、自分はネトウヨが嫌いだ、河野談話支持者だつうなら、三浦小太郎氏が右翼団体新しい歴史教科書をつくる会』の理事に就任し南京事件否定論河野談話否定論(慰安婦違法性否定論)の流布に加担していることを批判したらどうですか?」と聞いたら「何で、俺がそんなことしなくちゃいかん!」と逆ギレしたのが野原ですから。 
 そんな野郎が「朝鮮総連幹部は北朝鮮批判したらどうなのか」というんだから呆れます。
 「世間的にはただのチンピラ右翼でしかない三浦小太郎」すら「何らかのしがらみで非難できないような、しかもそのことを俺に指摘されると逆ギレするようなデタラメ人間」がふざけるなと言いたいですね。
 まあ、そういう意味で言えば「元東電社員なのに今は脱原発を訴え東電批判する」蓮池透*2や、「元文科事務次官なのに朝鮮学校無償化除外を批判する」前川喜平*3は偉いです。
 それやると確実に古巣の反感を買う上に、世の中は優しい人ばかりじゃない。
 「お前そんなこと言うなら、東電社員時代や文科省官僚時代にそう言えよ。バカだから自分のやってる愚かさに当時は気づかなかったというのか、それとも保身でだんまりだったというのか知らないけど*4」つう批判は「原発推進派や朝鮮学校無償化除外支持者」から当然出るでしょう。
 俺が彼らの立場だとして同じ事がやれるかと言ったら正直な話、多分やれませんね。そういうストレスフルなことがやれるほど俺は勇敢ではない。
 もちろん前川氏も蓮池氏も「完全無欠な人間ではなく」、いくらでも批判すべき所はあるでしょう。
 また俺が「脱原発派」「朝鮮学校無償化除外批判派」なのでどうしても彼らに対する評価が甘くなることも否定しません。しかし、それを割り引いても彼らは「偉いな」と思います。
 一方でそういう意味では「クズだな」つうのが野原です。三浦小太郎との間に「三浦批判を躊躇する」どんなしがらみがあるのか知りませんけど、偉そうなことほざきながら「三浦ごときただのチンピラ右翼を何一つ批判できない」わけですから。
 それにしても「前川さんの奥さんが中曽根*5元首相の娘(ウィキペディア前川喜平』参照)」つうのは「安倍批判を躊躇する」しがらみになりそうですがそうでもないんですかね。

野原燐
・43事件*6体験者としても知られる詩人金時鐘*7についての講演と、本人のスピーチなどが今日、阪大中之島センターでありました。
・駐大阪大韓民国総領事のひとが来賓挨拶
・スピーチも好感を持てた。
・大統領が偉いと、部下も良い人がいるのだなと感心しました。

 文大統領を「大統領が偉いと、部下も良い人がいるのだなと感心しました。」と野原君が高評価するとはねえ(まあ金時鐘氏を尊敬すると公言する野原君的には「来賓挨拶に来ただけ」で「総領事はよい人、上司の文大統領もよい人」なんでしょうが。つうか、野原君は『太陽政策には否定的だった』と思うんですが違うのかしら?)。
 で、一方、三浦が事務局長を務めるアジア自由民主連帯協議会が文大統領についてなんと言ってるかというと

【動画あり・報告文】主催講演会(19年4月20日)高在雲氏「自由民主主義を破壊する文在寅政権の実態」 | 一般社団法人 アジア自由民主連帯協議会
 「自由民主主義を破壊する文在寅*8政権の実態」と題して、高在雲氏(アジアの自由を守る日韓会事務局長)の講演会が開催されました。
 高氏は1920・30年代のイタリアの共産主義者、アントニオ・グラムシ*9の「陣地戦」という概念を紹介、このグラムシの思想と戦略に、現在の文在寅政権の本質はすべて根差していると述べました。グラムシは、先進国では労働者が蜂起して革命を起こすことは難しく、革命家たちは、行政、立法部に浸透してそこに「陣地」「基地」を建設し、そこを中心として社会主義革命に向かうヘゲモニーを拡散させるべきだ*10と説きました。
 特に、労組、学会、言論界、文化芸術界、宗教界などを通じて、社会全体に浸透し、そこで資本主義を否定する理念を拡散させていくことによって、イデオロギー面で社会の主導権を握る、いわゆる「文化共産主義」を展開することがグラムシの戦略であり、韓国はこれが完ぺきなまでに成功してしまったと高氏は指摘しました。
 また、今回の朴槿恵大統領弾劾は完全に北主導であり、2016年3月、4月の段階で、既に北の労働党は労働新聞で朴槿恵弾劾を訴え、韓国内部の従北派に指令を出していた、その結果起きたロウソク民衆クーデター(高氏はあの運動は民衆の運動ではなく左翼クーデター*11だと述べました)によって成立した文在寅政権は、完全に韓国の自由民主主義の破壊を目指していると指摘しました。朴槿恵大統領弾劾は、まさに、ねつ造されたデマによるネットでの印象操作*12により始まったものである(中略)と高氏は述べました。
 文在寅政権を支える秘書室と大統領首席室のメンバーは、その65%がNL派*13であり、その象徴である秘書室長*14の任鐘ソク*15は典型的な北朝鮮崇拝者であり、今彼らが行おうとしているのは、三権分立の否定*16と、憲法を自由に改正することも、国会ではなく彼らの機関だけで進めようとしている*17と高氏は批判、韓国の民主主義の危機を訴えました。
 しかし、このような政権が韓国で誕生してしまい、今も一定の支持を受けているのは、韓国保守派にも大きな責任がある、韓国保守には、真の哲学も、国家意識も、自分たちが主権者として国家を守り民主主義を守るという信念も欠けていた。これが共産主義者に付け込まれてしまったことを、私たちは忘れてはならないとして、高氏は講演を結びました。
(文責:三浦小太郎)

です。三浦がアジア自由民主連帯協議会の事務局長である以上、そしてこの「文大統領を『北朝鮮の手先』『隠れ共産主義者』呼ばわりし『崔順実疑惑を理由に朴クネ下野を求める運動(いわゆるろうそく革命)』についても『北朝鮮の謀略』などと悪口*18する講演書き起こしの文責」が三浦である以上、こうした「文大統領全否定」は三浦の価値観でもあると見ていいでしょう。
 で「文大統領は偉い」という野原がこうした三浦の言動『文大統領を北朝鮮の手先呼ばわり』を批判するかと言ったら批判しないのでしょうねえ。本当に野原を見てると「野原さんは、何も言わずに黙ってれば。お前は何か言えば言うほど、自分が言ってることデタラメだと言うことが露呈されて恥をさらすぞ」「何であんた、そこまで三浦小太郎にへいこらせなあかんの?。三浦の子分なの?」といいたい。
 で、こういう俺の批判コメントが嫌なんでしょうね。noharra’s diaryへの俺のコメント投稿を拒否してるんだから本当に呆れます。「誠実ぶってるので、一見誠実そうに見えるが、実際は不誠実極まりないことが一寸したことで露呈する」野原ほどのクズもなかなかいない気がします。まあ、俺が知ってるのではMukkeがそういうクズですが。でも「はてな村からとんずらしただけ」、Mukkeの方が「まだいくらか、まともだった」とはいえるでしょう。

*1:「モンゴル」というタイトルですが「外モンゴルの旗」はもちろん既にありますし、文脈から見て内モンゴルですね。

*2:著書『私が愛した東京電力福島第一原発の保守管理者として』(2011年、かもがわ出版)、『13歳からの拉致問題』(2013年、かもがわ出版)、『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』(2015年、講談社)、『拉致と日本人』(共著、2017年、岩波書店)、『告発:日本で原発を再稼働してはいけない三つの理由』(2018年、ビジネス社)など

*3:元文科事務次官。著書『これからの日本、これからの教育』(共著、2017年、ちくま新書)、『面従腹背』(2018年、毎日新聞出版)、『前川喜平「官」を語る』(2018年、宝島社)、『前川喜平 教育のなかのマイノリティを語る:高校中退・夜間中学・外国につながる子ども・LGBT・沖縄の歴史教育』(共著、2018年、明石書店)、『前川喜平が語る、考える。:学ぶことと育つこと、在日とアイデンティティー、あなたと私。』(共著、2018年、本の泉社)、『ハッキリ言わせていただきます! 黙って見過ごすわけにはいかない日本の問題』(共著、2019年、集英社)、『同調圧力』(共著、2019年、角川新書)

*4:蓮池氏はともかく前川氏は「官僚当時から無償化除外は違法な差別でおかしいと思っていたが保身で言えなかった」とはっきり言っています。

*5:岸内閣科学技術庁長官、佐藤内閣運輸相、防衛庁長官、田中内閣通産相自民党幹事長(三木総裁時代)、総務会長(福田総裁時代)、鈴木内閣行政管理庁長官などを経て首相

*6:これについてはウィキペディア済州島4・3事件」を参照ください

*7:著書『「在日」のはざまで』(2001年、平凡社ライブラリー)、『猪飼野詩集』(2013年、岩波現代文庫)、『朝鮮と日本に生きる:済州島から猪飼野へ』(2015年、岩波新書)、『増補 なぜ書きつづけてきたか』(金石範氏との共著、2015年、平凡社ライブラリー)など

*8:盧武鉉政権大統領秘書室長、「共に民主党」代表を経て大統領

*9:著書として『革命論集』(講談社学術文庫)、『父から子どもたちへ』(晶文社セレクション)、『新編 現代の君主』(ちくま学芸文庫)、『グラムシ・セレクション』(平凡社ライブラリー)、『知識人と権力』(みすずライブラリー)など

*10:グラムシの主張はある意味当たり前ですし、そうした「陣地戦」をやってるのは何も「左翼や共産主義者」だけではありません。わかりやすい例で言えば「米国のFOXニュース」「日本のチャンネル桜」なんぞはそうした運動の一種の訳です。しかし、「レーニンロシア革命」が絶大な権威を持つ時代には衝撃的主張だったわけです。

*11:参加者には保守派もいますので左翼クーデターなどと言うのは明らかにデマです。

*12:崔順実疑惑批判は「新聞、テレビといったマスコミでも行われ、その中には朝鮮日報のような保守マスコミもあった」のだから完全なデマです。

*13:北朝鮮シンパのこと

*14:日本で言えば官房長官に当たる重要ポスト。普通に考えて、韓国においてそんなポストの人間が北朝鮮シンパの訳がないでしょう。「太陽政策支持者は北朝鮮シンパだ」といういつもの言いがかりです。

*15:ソウル市副市長など経て大統領秘書室長(ウィキペディア「任鐘ソク」参照)

*16:むしろ「徴用工判決」に「文政権はなんとかしろ」と無茶苦茶なことを言い「三権分立だから何も出来ない」といわれたら逆ギレした三浦のような日本ウヨの方が「三権分立否定」でしょうよ。

*17:憲法を自分たちだけで好き勝手に改正したい」てそれむしろ、三浦のような日本ウヨのことでしょうよ。

*18:俺も文批判はしてはいけないとか、文氏には何の問題点もないとは言いませんが『北朝鮮の手先』『隠れ共産主義者』呼ばわりは明らかに「事実に反する異常な誹謗」でしょう。もちろん『ろうそく革命は北朝鮮の謀略』なんてのは完全なデマです。

今日の中国ニュース(2019年5月20日分)

「突然連行、小部屋に40人」ウイグル族迫害の実態訴え:朝日新聞デジタル
 一部ウヨの「朝日は中国びいき」という嘘が分かる記事ではあります。

 トルコ政府は2月、自国でウイグル族への同情論が広がったこともあり、「中国の組織的な同化政策*1は人類の恥」とする声明を発表した。トルコはウイグル族と民族・宗教的に近く、1950年代以降、数万人規模の亡命ウイグル族を受け入れてきた歴史がある。
 それでも、近年は中国が進めるシルクロード経済圏構想「一帯一路」など対中経済関係の深化を背景に、批判は低調だ。2月の声明も、エルドアン*2大統領や外相ではなく、外務省報道官名義にとどまった。
 トルコの東アジア政策に詳しいコチ大学のアルタイ・アトル講師は、「トルコのメッセージは『ウイグル族すべてがテロリストではない』ということだ。政府はウイグル問題で中国との関係を悪化させることは望んでいない」と指摘する。
 人権を重視*3してきた欧州でも事情は同じだ。
 マクロン*4仏大統領が3月に訪仏した習近平*5(シーチンピン)国家主席と会談した際、パリ中心部ではチベットウイグルの人々が集まり、ウイグル族の救済を求めてデモ行進。首脳会談でウイグル問題を取り上げるよう迫った。
 マクロン氏は習氏との共同宣言で「中国での基本的人権の尊重に、フランスと欧州が懸念」を抱いていると指摘。一方で、ウイグルチベット問題には直接言及せず、「いくつかの個別の(人権問題の)事例を取り上げた」と述べるにとどめた。この会談では、中国側が仏エアバスの航空機300機を購入するなど、計400億ユーロ(約5兆円)以上の契約が締結された。
■中国による「経済的圧力」の主な例
2009年
 サルコジ*6仏大統領(当時)とチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世との会談に反発し、温家宝*7首相が欧州訪問で仏に寄らず、欧州企業との商談でも仏を除外
2010年
 尖閣諸島沖で中国漁船と海上保安庁の巡視船が衝突した事件後、事実上の対日レアアース禁輸を実施
 ノルウェーノーベル賞委員会が中国の人権活動家・劉暁波*8に平和賞を授与したことに反発し、ノルウェー産サーモンの通関規制を強化
2012年
 フィリピンが南シナ海の領有権をめぐって中国漁船を取り締まろうとしたことに反発し、フィリピン産バナナに「害虫が出た」として事実上の禁輸
2017年
 韓国が米軍の高高度迎撃ミサイルシステムを配備することに反発し、韓国の映画やドラマの流入、中国人旅行者の訪韓を制限

という事実をコメント抜きでひとまず紹介しておきます。Mukke風に言えば「霞を食えとは言えない」つう話です。


風刺の笑いに「国を侮辱」の声 中国漫才、ネットで炎上:朝日新聞デジタル
 最近の日本メディアを見てると「中国を非難することは無条件で良いことだ」「中国は問題だらけだが日本は立派だ」的なゆがみ、偏見を感じることが多いですがこの朝日記事も俺的にはその一つです。

 中国の伝統話芸「相声(シアンション)」(中国漫才)に逆風が吹いている。軽妙な掛け合いと風刺を織り交ぜた内容が売りだが、地震の被災地や抗日戦争に触れた内容がネット上で「国を侮辱している」と炎上したのをきっかけに、「道徳を学べ」と批判にさらされている。
 きっかけは、今月12日、ネット上に投稿された人気の若手、張雲雷さんの漫才動画だった。相方とテンポ良く自己紹介をする中で、張さんが2008年に発生した四川省地震震源地をネタに会場の笑いをとった。
 漫才自体は18年12月に上演したものだったが、5月12日は四川大地震から11年となる日で、この動画がネット上で一気に拡散。「死者に失礼だ」などの批判が相次ぎ、張さんは13日、中国版ツイッター・微博(ウェイボー)で「同胞の死に対して考慮を欠いていた。社会の皆さまにおわびしたい」と謝罪した。
 この騒動を機に、批判は過去のベテランたちの漫才にも飛び火。日本公演の経験もあり、中国で最も人気があるとも言われる郭徳綱さんも、抗日戦争を戦った兵士らを登場させた過去の漫才が取り上げられ「英雄を嘲笑している」「祖国への敬意がない」などと問題視され、批判された。
 中国共産党機関紙・人民日報は13日、微博の公式アカウントで「国難をネタにする相声は喝采に値しない。芸の前に道徳を学べ」とする文章を掲載した。

 これだけでは「どのようなネタなのか」わからないので、批判が正当なのか、不当なのかはなんとも評価できませんね(朝日は不当だと言いたげな口ぶりですが)。
 たとえば日本だって、欧米だって「災害や戦争、犯罪被害」などというセンシティブな問題は下手な取り上げ方をすれば「被害者に失礼だ」と非難されるでしょう。
 日本において「日中戦争、太平洋戦争」「阪神大震災東日本大震災」などをお笑いネタにする芸人がどれほどいるのか(ほとんどいないだろう)という話です。


日米比印が南シナ海を航行 初の訓練、中国牽制 - 産経ニュース
 どんなもんなんですかね。この演習は中国に敵対的なものなのか。
 「敵対的なもの」だとして、未だに安倍は中国敵視が捨てられないのか。はたまた「安倍の考え」というより「近年、中国への対決姿勢を深める親分様・トランプの意向に従ってるだけ」なのか。
 まあ産経らウヨが「この演習は安倍総理のリーダーシップで実現した。安倍総理を国際社会が支持している。そしてこの演習は中国封じ込めが目的だ。訪中しようが、安倍総理は我々ウヨを裏切ってなど居ないし、中国封じ込めは世界の共通認識だ。我々の反中国こそが世界の常識なのだ」と強弁することだけは間違いないですが。


首相、豪首相続投に「祝意」 電話で協議 :日本経済新聞

 両首脳は「自由で開かれたインド太平洋」を実現するため、引き続き協力していくことでも一致した。

 まあ豪州も安倍に調子を合わせてるだけでしょう。「自由で開かれたインド太平洋構想(安倍流中国封じ込め)」なんてもんに実態があるとはとても思えません。


コロンボ港、日印などで共同開発 中国にらみ :日本経済新聞

・政府はインド、スリランカと共同で、スリランカにあるコロンボ港を共同開発する。夏までに3カ国で覚書を交わし、2019年度中にも工事に着手する方針だ。コンテナの取扱量を増やし、南アジア地域の物流拡大につなげる。広域経済圏構想「一帯一路」を進める中国の動きをにらみつつ、日本が唱える「自由で開かれたインド太平洋構想」を後押しする。
 スリランカ西部に位置するコロンボ港は同国の海運貨物の9割を扱う。欧州や中東、アフリカ地域とアジアを結ぶ海上物流の一大拠点だ。
・南西アジア地域の経済成長で取扱量は年々増えており、同港の処理能力は限界を迎えている。
・中国はインド洋やその周辺で影響力を強めている。中国からの巨額融資で整備されたスリランカ南部のハンバントタ港は融資返済の見通しが立たず、99年間にわたって港湾や周辺用地が中国に貸与されることが決まっている。日本政府関係者は「コロンボ港の整備が遅れると、その分の積み荷はハンバントタに移ることになりかねない」と指摘する。
 日本にとってシーレーン海上交通路)に位置するインド洋沿岸国の港湾機能が充実すれば海上保安能力も向上し、タンカーや商船の安全確保につながる。太平洋からインドにまたがる地域で経済や安全保障の協力を進める日本政府の「自由で開かれたインド太平洋構想」とも合致する。

 「赤字&太字強調」は俺がしました。吹き出しました。まあコロンボ港の開発でも何でも「やることが日本とスリランカ双方の国益につながるならば」やればいい。
 しかし「中国牽制」「一帯一路牽制」「自由で開かれたインド太平洋構想の一環」て(苦笑)。日経は安倍の東欧訪問の時も「中国牽制」「一帯一路への対抗」なんて言ってましたが本気なのか、安倍への忖度で嘘を垂れ流してるのか。
 はたまた「中国牽制って言えば政策が日本ウヨに受け入れられてメリットやから。嘘も方便や」なのか。
 どっちにしろ東欧諸国やスリランカは「安倍に調子を合わせて適当なことを言ってる」かもしれませんが、本音は「中国への牽制?。そんなことわしらがしたいわけないやろ。何のメリットもないやないか。中国の反発を買って実害が出ない程度で安倍総理に調子あわせてるだけやがな」でしょうね。


<自動車強国に挑む 豊田の中国戦略> (1)井戸を掘る:一面:中日新聞(CHUNICHI Web)

・中国国家主席習近平(しゅうきんぺい)の母校として知られる清華大(北京市)の講堂。四月二十一日、トヨタ自動車社長の豊田章男*9は約六百人の学生らにこう語りかけた。
 「トヨタは百年近く*10の車づくりの経験を持っています。そして私たちは、中国の新たな発展の機会を手助けしたいと思っています」
 スマートフォンで学生と「自撮り」し、中国語も交えてざっくばらんに接した豊田。中国政府が最近、力を入れ、トヨタが得意とする燃料電池車(FCV)分野での貢献を念頭に「持続可能なエネルギー源を創出して、車だけでなく、中国の生活のあらゆる面に利用していく」と力を込めた。
 トヨタは、二〇二五年をめどに中国での現地生産を現状の二倍以上の二百八十万台に引き上げる計画だ。
・今回の講演のきっかけは昨年五月にさかのぼる。北海道にあるトヨタの拠点を訪れた中国首相の李克強*11(りこくきょう)は「究極のエコカー」と呼ばれるFCVに関心を示し、技術援助を要請。豊田は講演で、李の訪問を「光栄だった」と振り返った。
・積極姿勢の背景には、過去の教訓がある。トヨタは一九七〇年代後半、産業の育成を目指していた中国政府に進出を請われたが、貿易摩擦の渦中にあった米国での現地進出を優先。逆にいち早く要請に応じた独フォルクスワーゲンは優遇策で躍進し、中国での販売シェアは約14%で一位を誇る。トヨタは約5%にとどまり、副社長の小林耕士ら*12も「周回遅れ」と認める。
・FCVは構造が複雑で、短期間で技術力は向上できない。だからこそ、北京汽車集団傘下の商用車メーカー関係者は「燃料電池の安定性などトヨタの技術力は高い」と期待を寄せる。
「人口が十三億人の中国は、紆余(うよ)曲折はあるが、(今後も販売の)数は増えていく。こつこつとやっていく」。
 小林の言葉には、米中貿易摩擦で減速感が漂う中でも、中国にかけるトヨタの意欲が込められている。

 中国市場の重要性を示す話です。こうした状況で産経らウヨの中国敵視は全く非現実的です。

*1:一応、指摘しておけば「実態がどうかはともかく」中国は少なくとも建前では「同化政策などない」としています。

*2:イスタンブル市長、首相を経て大統領

*3:まあ欧州が過去において「世界中の反民主的国家」に厳しい態度をとってきたかと言えば明らかにそうではないですが。

*4:オランド政権経済相を経て大統領

*5:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席を経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*6:シラク政権財務相、内務相などを経て大統領

*7:共産主義青年団中央書記処第一書記、党中央弁公庁主任、党中央書記処書記、副首相などを経て首相(党中央政治局常務委員兼務)

*8:著書『現代中国知識人批判』(1992年、徳間書店)、『天安門事件から「08憲章」へ』(2009年、藤原書店)、『「私には敵はいない」の思想』(2011年、藤原書店)、『最後の審判を生き延びて』(2011年、岩波書店

*9:トヨタ自動車常務、専務、副社長を経て社長。トヨタグループ創業者(豊田紡織創業者)豊田佐吉のひ孫。トヨタ自動車創業者・豊田喜一郎の孫。

*10:ウィキペディアトヨタ自動車」によればトヨタ自動車の創業は1936年です。ただし「トヨタ自動車のルーツである」豊田紡織(現・トヨタ紡織)の創業は1918年なのでここから数えると約100年になります。

*11:共産主義青年団中央書記処第一書記、河南省長・党委員会書記、遼寧省党委員会書記、第一副首相などを経て首相(党中央政治局常務委員兼務)

*12:トヨタ自動車販売部長、デンソー常務、専務、副社長などを経てトヨタ自動車副社長

「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」を笑おう(2019年5/3分:三浦小太郎の巻)

今年中に歴史書「ウイグル人」(ドルクン・アルマス)を出版する | 三浦小太郎BLOG Blue Moon
 ウイグルの専門家でもない三浦が何でここまで「ウイグルの専門家面してるんだ(呆)」つう話です。これがM谷N子・明治大准教授*1とかなら分かりますが。

・本書は1989年、今から30年前に中国で出版された
・残念なことに本書は未完の歴史書で、ウイグル史の全貌がわかるわけではない。おそらく著者のドルクンもまた出版社も、もうこの時期を逃しては本書を世に出すことはできないと思い、未完でも無理やり出版した可能性もある。

 まあドルクン某がそう思って1989年に未完で出版するのは別にかまわない。しかし1989年から30年が経った今、「増補改訂もしないで」そのまんま出版するのは能がなさ過ぎでしょう。

 1989年は、ご存知天安門事件の年。中国の「改革開放」は、民主化を導くのではないかという幻想が、人民解放軍の暴力によって崩壊した年。

 そもそもそんな幻想は最初からないでしょう。改革開放は「中国の経済が発展し国民の生活が豊かになることはいいことだ」とか「中国経済の発展にコミットしてもうけよう」とか言う理由で欧米や日本に支援されたわけです。まあ、とはいえ、「長い目で見れば」中国は民主主義的観点で昔よりは良くなってると思いますが。
 そもそも「経済発展が民主化を(例:台湾や韓国)」云々という主張にしても「経済発展によって生じた中産階級民主化運動を起こし、それに抵抗しきれなくなった権力(台湾の蒋経国や韓国の全斗煥)が渋々民主化運動に妥協する」という話であって、権力側が自主的に民主化をすることは想定していません。

*1:著書『亡命者が語る政治弾圧:中国を追われたウイグル人』(2007年、文春新書)など

今日の産経ニュースほか(2019年4月7日分)(追記あり)

■N原さんのツイート

野原燐
‏ 投票あまり行きたくないが行こう。

 イヤー良かったですね、いけて。4/7は埼玉県議選(そして統一地方選前半):ただし小生(埼玉県民)は残念ながら無投票区です(追記あり) - bogus-simotukareのブログで書きましたが、小生は無投票区なんでいけないんですよ。埼玉は無投票区が過去最悪だし、そういう自治体は他にもあるみたいだし、無投票区の大きな理由(全てではありません)が「民進党の分裂」で無投票当選はやはり自民系が多いらしいとか正直、8時の開票前からへこみますね。とりあえず大阪ダブル選で1勝出来れば*1野党共闘候補が北海道知事選で勝利*2できれば、そして共産党が「我が埼玉県はもちろん」各地において1議席でも議席を増やせればひとまず御の字ですね。
 「以上の願望も一定の現実性はあるとは言え、簡単に実現できることではない」のであまり高望みはしません。
 地方選で国政が直接関わってこないので、安倍政権へのダメージつう話にはあまりなりそうにない。沖縄県知事選ほどの「国政に関わる選挙」は今回ないですから。あえて言えば「野党共闘VS自公」の北海道知事選と、「維新の政治力を潰すこと」が期待される大阪ダブル選くらいですね。ただ大阪ダブル選は仮に「反維新が2勝しても」、反維新の擁立候補が自民である以上、安倍は「自民が支持された」というでしょうからそういう意味では安倍にダメージはない*3。北海道知事選で野党共闘が勝てれば、俺的に御の字ですが「ダブルスコアの勝利」てこともないでしょうから一気に安倍が追い込まれるつう事もない*4
 まあ、「安倍打倒の決戦は7月の参院選」つうことにならざるをえないですね。選挙以外で、何らかの疑惑や失政で安倍政権の支持率がた落ち*5すれば話は別ですが。

野原燐さんがリツイート
fujinori
 東京新聞の本音のコラム日曜日、今月から、山口二郎先生に代わって、前川喜平さんが書くのね。山口先生の降板は残念だったけど、前川さんならこれから楽しみです。

 やれやれですね。以前も指摘しましたが「朝鮮学校無償化除外なんて差別だ。即刻無償化すべきだ」と書いたら「北朝鮮シンパ」云々とN原さんに悪口雑言された俺からすれば「前川さんだって除外に反対してるだろ!。お前、前川さんも俺同様、批判するなり、逆に過去の自分の主張を撤回して俺にわびるなりしたらどうなんだよ!。本当にお前デタラメだな!」つうN原さんへの怒りを禁じ得ません。
 何せ以前、俺が「前川さんの無償化除外批判をどう思う?」と聞いたら「興味ねえ」だの「ノーコメント」だの抜かして逃げた卑怯者がN原さんですし。


「少数民族から臓器摘出」福岡でウイグル出身医師講演 - 産経ニュース
 産経もよくこんな信憑性のまるでない怪しい話を垂れ流せるもんです。産経以外はさすがにこんな話は報じませんが。


衆院大阪12区、沖縄3区補選 9日に告示 投開票は21日 - 産経ニュース
 大阪補選は正直、宮本氏を本当に立てるとしたら当選は厳しいんじゃないか。小生も共産支持者ですが無責任に当選可能性を楽観的に語ることなんかとても出来ません。支持者だからこそむしろそういうことはできない。
 「宮本氏を評価する人間」としては、ここは現職落選のリスクを冒さずに「共産新人」か「野党共闘候補(旧民進あたりから)」でよかったと思います。何せ共産が「野党共闘としての宮本擁立」を主張してもそれに応じたのは自由だけで国民民主、立民は自主投票ですからね。
 「当選可能性をあえて無視して」、野党共闘と反維新のムードを大阪で高めるという意味でも果たして意味があったかどうか。
 とはいえ、共産支持者として「あまり否定的なことばかり言うのもどうかと思う」のでこれ以上は特に言いません。ベストが当選であり、セカンドベストが「善戦である」とだけ書いておきます。そして不幸にして宮本氏が落選したとしても再起を期待したい。
 小池晃氏なんかは一時、参院議員を落選*6し、都知事選候補になったこともありましたが今は参院議員に返り咲き、書記局長として復権してますからね。最悪、宮本氏が落選してもそうした早期の返り咲きを希望したい。
 沖縄について言えば、ひとまず「野党共闘候補一本化」ができたようなので勝利を期待したい。


【酒呑み鉄子の世界鉄道旅】えっ、ニッポンは大好きなお隣さん? キャビアにキュウリ? 意外すぎる親日国ロシアに行ってみた - 産経ニュース

・実はロシアは親日国。夏休みの旅行先としても日本が人気とか。
「ロシア人は日本が大好きなのに、日本人はロシアのこと全然知らないでしょう。ロシアのワンウェイラブ(片思い)なのよ」。
 友人は可愛く表現してくれた。

 外部筆者による記事であり、かつ「シベリア抑留」「北方領土」といった厄介な問題は避け「ロシア食文化(キャビアなど)オンリーの記事」ですが、普段の産経と違い大変ロシアに好意的です。


「奈緒がいたから挑戦できた」平昌五輪の小平と李相花に「韓日友情賞」 - 産経ニュース
 以前から分かってることですがこうしたことでも分かるように韓国は「反日」ではありません。問題は日本人一般ではなく安倍のような「極右排外主義・嫌韓国日本人」「戦前美化・歴史修正主義日本人」のわけです。
 もちろん「安倍が首相である以上」、安倍の言動は「日本人代表の言動と見なされ」非難されますが。当然ながら「安倍が首相を辞めれば」状況は変わります。


【書評】『素顔の美智子さま 11人が語る知られざるエピソード』 - 産経ニュース

「なぜ皇后陛下のような方がこの世に存在するのか分からない」
「私たちは本当に良い皇室を持った」
「日本の国の母」

 この種の本では仕方がないのでしょうが「気持ち悪い」という感想ですね。
 まあ皇后は悪い人でないと思います。良い人ではあるでしょう。とはいえ「なぜ皇后陛下のような方がこの世に存在するのか分からない」て神様、仏様、皇后陛下様でしょうか?(苦笑)。
 「国の母(国母)」てのも「戦前ならまだしも」今時非常識でしょう。国母でググってヒットするのはむしろスノーボーダー国母和宏です。
 そして

「つうことは産経的には天皇が国父なの?」
「アレアレ、産経新聞北朝鮮をネタに最高指導者の妻を国母と呼ぶのは時代錯誤だと言ってた様な?」
「国父についても、ソ連レーニン、中国の毛沢東*7北朝鮮金日成*8などをネタに国父*9とは時代錯誤(以下略)」
「日本の国父、国母はきれいだが、共産圏のものは汚いんですか?」 

つう話です。なお、「国母→国父」で「話が脱線しますが」中国には建前上「建国の父・毛沢東より偉い人」がいてそれが「中国民族活動家という意味で毛沢東の先輩である孫文*10」で「毛沢東率いる中国共産党こそが真の孫文の後継者、蒋介石*11など裏切り者」つう話の訳です(まあ事情はともかく孫文存命時は国共合作をしていたつうこともあります)。
 だからこそ孫文未亡人である宋慶齢は「どこまで実質的権限があったか」はともかく、中国において「全人代副委員長」「国家副主席」の要職を歴任するわけです。

【参考:中国、台湾と孫文

人民日報社論:辛亥革命百周年記念--人民網日本語版--人民日報
 辛亥革命を起点に、中国共産党は、今では「革命の父」と呼ばれる孫文が起こした革命事業の最も確固とした支持者、最も親密な協力者、最も忠実な後継者として、中国の国民を奮闘させ続け、新しい民主主義革命の勝利へと導き、国民が主人公となって政治に参与できる中華人民共和国を設立、その後新民主主義から社会主義への移行を果たし、大規模な社会主義国の構築を展開し、改革開放や社会主義の現代化という偉大な事業を推し進めて来た。

海外各地で孫文生誕150周年記念行事--人民網日本語版--人民日報
・在米国中国大使館は11日、孫中山先生生誕150周年記念座談会及び写真展「孫中山と華僑・華人」開幕式を行った。
 参加者は孫中山先生の愛国主義思想と偉大な歴史的勲功を学び直し、次々に孫中山先生の愛国精神を継承すると表明し、中国の平和的統一の大業を断固支持し、団結して心を一つにし、自らの実際の行動によって奮闘目標「2つの百年」と中華民族の偉大な復興という中国の夢の実現のためにたゆまず努力するとした。
・在英国中国大使館は12日、孫中山先生生誕150周年記念行事を行った。
 劉暁明大使は「孫中山先生は偉大なドリームメーカーであり、早くも100年以上前に『中華振興』のスローガンを打ち出した。われわれが孫中山先生を安心させられるのは、孫先生が大変憂慮していた旧中国の貧しく弱い状況はすでに過去のものとなり、中国国民の生活にも天地を覆すような変化が生じたということだ」と述べた。

孫中山氏生誕150周年記念大会 習近平総書記が重要演説--人民網日本語版--人民日報
 習近平*12中共中央総書記(国家主席、中央軍事委員会主席)が重要演説を行い、「中国共産党孫中山氏の革命事業の最も堅固な支援者であり、最も忠誠な協力者であり、最も忠実な継承者だ。私たちが孫中山氏に対して行える最もよき記念は、すべての団結可能なパワーを団結させ、すべての動員可能な要素を動員し、孫中山氏をはじめとするすべての革命の先達たちがそのために奮闘した偉大な事業を引き続き前進させることであり、近代以降のすべての仁人志士たちがそのために奮闘した偉大な事業を引き続き前進させることであり、近代以降の中国国民と中華民族がそのために奮闘した偉大な事業を前進させることだ」と強調した。
 習総書記は、「孫中山氏は一貫して揺らぐことなく国家統一と民族団結の方針を維持し、旗幟を鮮明にして国を分裂させたり民族を分裂されたりするすべての言論と行動に反対した。国の主権と領土の保全を維持し、国家分裂という歴史的悲劇が再演されることを絶対に容認しないのは、私たちが歴史と国民に対して行った厳粛な約束だ。国を分裂させるすべての活動は必ず中国国民全体の断固たる反対に遭うことになる。私たちはいかなる人、いかなる組織、いかなる政党が、いかなる時に、いかなる形式で、いかなる中国の領土の一部でも中国から分裂させようとすることを絶対に認めない」と強調した。
 また習総書記は、「孫中山氏は緊迫する革命の活動に従事する過程で、いつも中国建設の問題を考えていた。古い中国の政治経済社会の条件下では、孫中山氏のこうした広大な構想は実現が難しかった。今日、中国共産党の指導の下、全国各民族の国民のねばり強い奮闘の下で、孫中山氏がかつて描いた青写真はすでに実現し、孫中山氏が建設に尽力した、独立の、民主的で、強く豊かな国家はすでに世界の東方に高々とそびえ立っている」と指摘した。

「孫文の継承者は国民党」 台湾・洪氏、習氏発言に反論 (写真=共同) :日本経済新聞
 台湾の国民党の洪秀柱*13主席は12日、中国の習近平国家主席清朝を倒した辛亥革命を主導した孫文生誕150年を記念した演説で「中国共産党孫文の最も忠実な継承者だ」と発言したことについて「真正な継承者は当然、国民党だ」と反論した。

台湾独立派、孫文像を引き倒す 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
 台湾独立派の急進的組織「公投護台湾聯盟」は23日、「中華民国の父」と呼ばれる孫文銅像を引き倒したと発表した。
 倒されたのは台湾南部の台南市の公園にあった孫文像。半世紀以上にわたってこの公園に立っていたが、独立派組織の活動家数十人が襲撃し、ロープを使って重さ600キロの像を引き倒した。像には赤いペンキがかけられ、「ROC中華民国)は出て行け、打倒KMT(国民党)」との抗議スローガンが書かれた。


【日本の議論】新元号「令和」 磯田氏「新たな段階へ」 八木氏「独自文化を再認識」 - 産経ニュース
 内容の是非はともかく議論などどこにもありません。2人の産経文化人がてんでんばらばらに「令和は素晴らしい」といってるだけですので。

歴史家の磯田道史*14
 有史始まって以来、国内の書物から出典とした元号を定めたことは賛成だ。

 まあ馬鹿馬鹿しいですね。出典が漢籍で何か悪いのか。
 しかも

中国の詩文集『文選(もんぜん)』に収められた張衡(後漢時代の政治家、詩人)の『帰田賦(きでんのふ)』に似たものがある。

というのだから「万葉集の出典がおそらく帰田賦」のわけで「国内ガー」というのは嘘も甚だしい。なお、俺的には出典は別にどうでもいいですね。よほど変な出典でもない限り批判する理由がない。一方で褒める理由もない。

麗澤大教授の八木秀次*15
 「序文が書かれた時代の日本は、朝鮮半島百済(くだら)を助けるために参戦した663年の白村江(はくすきのえ)の戦いで、唐と新羅の連合軍に敗れ、国家存続の危機に立たされた。だが、戦争を教訓に防衛を含めた改革を進めた結果、国家の体制基盤が強固となった。外患も少なくなり、高い文化が花開いた。国土防衛のために派遣された防人(さきもり)も停止できる平和な時代が訪れ、穏やかでのんびりした中で酒を飲み、和歌を詠じることが可能になった。新元号には、当時の状況とも重なる今日の中国や朝鮮半島の情勢を踏まえ、外患がなくなり、平和が訪れ、薫り高い文化が花咲く時代になってほしいとの願いが込められているように思う」

 安倍が言ってもいないこと「当時の状況とも重なる今日の中国や朝鮮半島の情勢」を勝手に読み込むのだからいい度胸です。
 まあ、そもそも「唐と新羅の連合軍に敗れ、国家存続の危機に立たされた」なんて状況では今はないですが。まあ、安倍のせいで日中、日韓関係が良くないなどの問題点はありますが。

中国の一部メディアは、新元号が中国の古典(漢籍)に由来しなかったことに(ボーガス注:安倍政権の反中国的政治姿勢の表れではないかと)反発も示す
 「批判はあたらない。典拠となった序文が、『文選』にある『帰田賦』の影響を受けた可能性を指摘する声が、日本の漢文学の専門家からあがっている。有名な漢詩を踏まえて似たような表現の漢文を書くのが、当時の文人のたしなみだったことを踏まえれば自然なことだ。新元号は結果的に、日中両国の古典を典拠にしている」

 「おやおや」ですね。八木のことだから「漢籍が出典でなくて何が悪い!」「仮に安倍政権の反中国姿勢の表れだとして何が悪い!」というかと思いきや「文選ガー」だそうです。
 しかしそれだと安倍が自慢していた「出典は万葉集」が「嘘も甚だしい」事になると思うのですが。

 中国で発祥した元号は朝鮮、ベトナムにも存在したが、いずれも廃止されている。今は日本でのみ使用されている独自文化だ。

 要するに不便だからやめたわけです。そして「ルーツは中国」なのだから「独自文化ではない」でしょうよ。
 たとえば「今後、中国や台湾で漢字を使わなくなり*16」日本だけが漢字を使うようになったら「漢字は日本の独自文化だ!」になるのか。ならないと思いますね。

 今回の新元号の出典が万葉集で、日本人にとって親しみのある文献だった点が大きい。

 いやぶっちゃけた話、俺は「万葉集」という名前は知っていても読んだことはなく全く親しみはありませんが。ほとんどの日本人がそうではないか。正直「令和」という元号に「敵意や反感といったネガティブな感情もない」が、一方で親しみも別にない。まあ、「強い元号愛があるわけではない」が「一方で強固なアンチ元号でもない(不便なので進んで使用する気はないが、元号反対運動を展開するほどの思いもない)」のでどうでもいいですね。

*1:追記:残念ながら連敗でした。ひとまずは「都構想をどうやって阻止ししていくか」ということですね。

*2:追記:残念ながら敗戦でした。

*3:維新が勝っても「維新(国政での自民党の仲間)を改憲に利用したい」安倍にとっては別に無問題でしょう。「大阪自民が悪い」「二階幹事長が悪い」で居直って終わりでしょうね。

*4:「俺の願望込み」ですが、もちろん不幸にして野党側が負けてもそれで「野党共闘が崩壊」つうこともないでしょう。

*5:本来モリカケリクルート疑惑当時の竹下内閣並みに支持率が落ちて「海部内閣登場」のような「石破内閣」でもおかしくないのですが。「マスコミがまともに安倍批判報道しないこと」や「野党(特に最大野党だった民進党や最大野党である立民)の力不足」を割り引いても安倍長期政権を許す日本人の馬鹿さには心底うんざりし、げんなりします。

*6:まあ従来、比例上位だったところ、落選時は「田村智子氏が比例で小池氏が選挙区」に回り、ちょうど、みんなの党が勢いがあった頃なので、みんなに敗れたという話ですが。その後の当選時は比例上位に戻しています。

*7:中国共産党主席。ただし「建国の父」ではなく「改革開放の父」という意味なら「トウ小平」が国父でしょうが。

*8:北朝鮮国家主席朝鮮労働党総書記、朝鮮人民軍最高司令官

*9:まあ他にも思いつくのでは「ベトナムホーチミン」「シンガポールリー・クアンユー」「トルコのケマル・アタチュルク」「イランのホメイニ」なんかが国父的扱いでしょう。

*10:中国国民党主席。もちろん「共産党だけでなく」今の中国国民党も一応孫文は「国父扱い」でしょう。一方、台湾民進党などはそれほど孫文を評価してないと聞きます。

*11:中国国民党主席、台湾総統

*12:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*13:副首相、国民党副主席、主席を歴任

*14:著書『武士の家計簿:「加賀藩御算用者」の幕末維新』(2003年、新潮新書)、『殿様の通信簿』(2008年、新潮文庫)、『近世大名家臣団の社会構造』(2013年、文春学藝ライブラリー)、『龍馬史』(2013年、文春文庫)、『天災から日本史を読みなおす:先人に学ぶ防災』(2014年、中公新書)、『「司馬遼太郎」で学ぶ日本史』(2017年、NHK出版新書)、『徳川がつくった先進国日本』(2017年、文春文庫)、『江戸の家計簿』(2017年、宝島社新書)、『素顔の西郷隆盛』(2018年、新潮新書)など

*15:元「つくる会」会長。日本教育再生機構理事長。第二次安倍政権で中教審とは別に設置された首相の私的審議会「教育再生実行会議」委員。著書『明治憲法の思想』(2002年、PHP新書)、『日本国憲法とは何か』(2003年、PHP新書)、『本当に女帝を認めてもいいのか』(2005年、洋泉社新書y)、『憲法改正がなぜ必要か』(2013年、PHP研究所)など

*16:そういうことはないでしょうが

今日の中国ニュース(2019年3月19日分)

河野外相「必要あれば問題提起」 中国の「テロリスト」拘束に - 産経ニュース
 記事を信じれば、つまりは河野曰く
「現段階では問題提起する必要があるか即答できないんですよねえ。」
「問題提起しないとは言ってませんよ?」
「いつ提起するかどうかの判断がつくのかって?。だからそれは即答できませんよ。これから中国の言い分について、各方面から情報収集して検討しますから」て話です。
 M谷N子*1先生あたりは河野発言に憤激してるのではないか?


習主席、6月「国賓」見送り 政府、米中対立に配慮 (写真=共同) :日本経済新聞
 こうなると「国賓扱いでないのなら、6月の日本訪問は李*2首相にする」つうことになるかもしれません。


習氏、法王と会談か バチカンとの国交正常化に意欲
 うかつにも気づきませんでしたがなるほど確かに「イタリア訪問」で、バチカン訪問があるかもしれません。


習近平国家主席がイタリア、モナコ、フランスを国賓訪問--人民網日本語版--人民日報
習主席がイタリア・モナコ・フランス歴訪へ 欧州重視の姿勢鮮明に - 毎日新聞
習氏、欧州3カ国歴訪へ 一帯一路で関係強化模索 :日本経済新聞

習近平国家主席がイタリア、モナコ、フランスを国賓訪問--人民網日本語版--人民日報
 外交部(外務省)の陸慷報道官は18日、イタリアのセルジョ・マッタレッラ*3大統領とモナコ公国アルベール2世大公、フランスのエマニュエル・マクロン大統領の招きを受けて、習近平国家主席が3月21日から26日にかけてこの3ヶ国を国賓訪問することを明らかにした。

 「一帯一路関係の中国・イタリア間条約」調印が予想されるイタリアのコンテ首相はもちろん、フランスのマクロン*4大統領とて「中国とそれなりの友好関係をアピールするため」に習*5主席に会うのであって「ウイグル問題などで一定の苦言を呈する」としても、「批判一辺倒」なんてことはないでしょう。結局、産経などがどう強弁しようともEU諸国は「中国との経済関係」を完全に否定など出来ないわけです。
 しかしこういうのをI濱女史やMukke、阿部治平は「フランスのマクロン大統領とイタリアのコンテ首相は許せない!」と憤激するんでしょうか?
 はたまたMukkeなどは「フランス・マクロンとイタリア・コンテに霞を食えとは言えない」というのか?(もちろん皮肉)。


【第580回・特別版】少数民族弾圧と中華思想 « 今週の直言 « 公益財団法人 国家基本問題研究所
 「国基研サイトに寄稿するとは楊も落ちるところまで落ちた」と思いますね。
 それはともかく「中華思想」なんてもんを持ち出す必要はどこにもないでしょう。
 「明治日本のアイヌ同化」「アメリカにおけるインディアン(ネイティブアメリカン)差別」「トルコにおけるクルド差別」「ミャンマーロヒンギャ問題」など、古今東西の「少数民族への差別的問題」を「中国に限らず」軒並み「中華思想」と楊が呼ぶのなら話は別ですが、おそらくそうではないでしょう。


台湾若者、薄れる対中警戒感 若者の経済不安背景に :日本経済新聞

 背景には経済問題に不満を抱える若年層が多いことがある。18年平均の失業率は20~24歳は12%と、2%前後の40歳以上に比べ高い。若者の低収入は社会問題化しており、蔡政権の経済政策への不満の反動で中国へ目が向いている。

 まあ普通に考えて「中国が軍事侵攻してくる」とかありえないですからねえ。中国ががちでそういう軍事攻撃をやっていたのは1950年代まででそれ以降は「軍事征服なんか諦めた。諸外国が台湾を国扱いしなきゃとりあえずいいや」つう「一つの中国路線」ですから。
 一方で中国との貿易を全否定したら台湾は経済が回りません。結果「中国は一党独裁だから中台統一したいとは思わないけど、それなりの付き合いは必要だよね。独立宣言して敵対しても意味ないよね」「就職先が台湾にないなら中国で働いてもいい」つうことになる。

「台湾はかつてない苦境にある。抵抗する意欲や能力が失われることが最も心配だ」。
 6日、台北市内で開かれたヒマワリ運動をテーマにした講演会で、当時リーダーを務めた林飛帆氏(30)は危機感をあらわにした。

なんてのはとんちんかんな反中国にもほどがあるでしょう。

*1:著書『亡命者が語る政治弾圧:中国を追われたウイグル人』(2007年、文春新書)など

*2:共青団共産主義青年団)中央書記処第一書記、河南省長・党委員会書記、遼寧省党委員会書記、第一副首相などを経て首相(党中央政治局常務委員兼務)

*3:教育相、国防相、副首相、憲法裁判所判事などを経て大統領

*4:オランド政権経済相を経て大統領

*5:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

今日の中国ニュース(2019年3月16~17日分)

ボーイング機墜落、中国が対米交渉カードに 大量購入を左右 - 産経ニュース
 「他の問題はさておき」ボーイングについて言えば

ボーイング737MAX運航停止が広がる EU、中国、東南アジアでストップ、米国へも追随の圧力 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
・欧州航空安全機関(EASA)は12日、エチオピア航空が運航する米ボーイングの最新鋭旅客機「737MAX8」の墜落事故を受け、欧州連合EU)域内における737MAX8型機および同9型機の運航を一時停止すると発表した。
・10日の墜落事故以降、同型機に運航を停止する動きが相次いでおり、この日は英、ドイツ、フランス、アイルランドオーストリアノルウェー、オーストラリア、シンガポール、マレーシア、オマーンなどが運航停止を発表。これまでにエチオピア航空保有する737MAX8全機の運航を停止。インドネシア、中国の当局も737MAXの運航を停止
・米国内でも、共和党の重鎮ロムニー*1上院議員と2020年米大統領選への出馬を表明している民主党のウォーレン上院議員がこの日、同型機の運航を一時停止するよう、米連邦航空局(FAA)に要請した。

米政府、ボーイング737MAXの運航停止を決定 安全性巡る懸念で | ロイター
 米政府は13日、エチオピアで墜落事故を起こしたボーイングの旅客機737MAXの運航を一時停止すると発表した。安全性に対する懸念を理由に挙げた。欧州連合(EU)や中国など各国の間で運航停止の動きが広がるなか、米国も同様の措置に踏み切った。

ということで運行措置停止を実施してるのは中国だけではありません。しかもその「運行停止国家」には米国も含まれています。
 ボーイング機の墜落が2件続けて起こり「発生原因が不明」という時点では「ボーイング機それ自体の設計ミスや製造ミス」の疑いが否定できず、運行停止されるのは当然でしょう。「交渉カード云々」という話ではない。中国も「諸外国が運行停止にしたから」ためらいなく停止にしただけでしょうし、そんな代物をまさか安易に運行再開にするわけにもいかないし、購入約束も当面「停止状態」でしょう。他の件はともかく、この件を交渉カードにする気はおそらくないでしょう。


【主張】ウイグル人弾圧 中国の言い逃れは通じぬ - 産経ニュース
 ダライ・ラマを批判したら、ダライ盲従分子のMさんに「中国シンパ」呼ばわりされた過去がありますので、一応お断りしておきますが俺は「中国のウイグル統治」を容認してはいません。ただし以下はその部分にはほとんど触れません。もっぱら産経批判です。

 この問題は昨年来、国連人種差別撤廃委員会や国際人権団体*2が取り上げ、民族的に近いトルコ*3も非難の声を上げている。
 驚かされるのは、ウイグル人の置かれた状況について、国際社会の認識と中国側の説明が、かけ離れているということだ。

1)国連人種*4差別撤廃委員会が「慰安婦問題」「沖縄基地問題」を「人種(民族)差別(朝鮮・韓国人や沖縄人への差別)」として日本に是正を勧告したり、国連女性差別撤廃委員会が「女性天皇が認められていないこと」を「女性差別ではないか」と日本に勧告しようとしたとき*5
2)ユネスコが「南京事件資料」を世界記憶遺産登録したとき
3)ICJが日本の南氷洋捕鯨を違法判断したときなど
はさんざん「国連は、国際社会は反日だ」「沖縄基地辺野古移転に問題などない」「慰安婦は公娼だ」「女帝など実施したら日本の伝統が破壊される。女帝否定を女性差別というのは日本の伝統文化への認識に欠けている」「南京事件なんか捏造だ」「南氷洋捕鯨して何が悪い、捕鯨は日本の伝統文化だ」などと抜かしていた産経が今回は「国際社会の批判ガー」だそうです。
 自分が国際社会から批判されると居直って、「大嫌いな中国」が国際社会から批判されるとどや顔とはどれほど恥知らずなのか。

 習近平*6指導部は「宗教の中国化」を掲げる。だが、ウイグル人の文化、宗教を消すことなどあってはならない。他の少数派のイスラム教徒やチベット*7についても同様である。

 日本国内の韓国学校朝鮮学校に対して敵対的、差別的な産経(例:朝鮮学校無償化除外支持、桝添*8都知事韓国学校への都有地貸与方針に悪口雑言した上、小池*9都知事が方針を白紙撤回したら歓迎)がよくも言ったもんです。あるいは北海道のアイヌ文化はどうなのか。「中国の民族問題がー」という前に少しは日本の民族問題、外国人問題を考えたらどうなのか。
 「ウイグルチベットの民族文化は大事です。でもアイヌの民族文化なんかどうでもいいです(産経)」なんて態度に何の説得力があるのか。
 「それ、少数民族について良心的なんじゃなくて、ただのげすな中国叩きやないか」「この件では国際社会が中国批判ならやっとるし、日本国内でも朝日やNHKなど他のメディアも中国批判しとるから産経は黙ってろ」て話です。
 なお話が脱線しますが

アイヌ支援法案を閣議決定 「先住民族」と明記 - 産経ニュース
 菅義偉官房長官は15日午前の記者会見で「アイヌの方々が民族としての名誉と尊厳を保持し次世代に継承していくことは、多様な価値観を共生し活力ある共生社会を実現するために必要だ」と意義を強調した。

「アイヌ新法」案 当事者の意見反映を/宮本岳志・はたやま氏が懇談/北海道
日本共産党宮本岳志衆院議員と、はたやま和也前衆院議員(参院北海道選挙区予定候補)らは4、5両日、北海道千歳と苫小牧両市、白老町を訪ね、「アイヌ新法」案について、当事者のアイヌの人たちから意見や要望を聞き、懇談しました。
 アイヌ新法案は、現行のアイヌ文化振興法(1997年制定)に代わるアイヌ施策の根拠法案。政府は「先住民族であるアイヌの人々」と初めて明記したとし、今国会での成立をめざしています。
・千歳アイヌ協会、千歳アイヌ文化伝承保存会、少数民族懇談会、白老アイヌ協会と懇談した宮本氏は「貧困や差別の実態を知ることができました。みなさんの意見が法案に反映されるべく、参考人質疑や公聴会を実現させたい」と話しました。

『ゴールデンカムイ』アイヌ文化の解説本発売 「オソマ」など漫画の名場面も説明 | オリコンニュース | 岩手日報 IWATE NIPPO
 人気漫画『ゴールデンカムイ』でアイヌ語監修を務める文化研究の第一人者・中川裕氏*10が、漫画の名場面を引用しながらアイヌ文化の解説を行った同作の公式解説本『アイヌ文化で読み解く「ゴールデンカムイ」』*11が15日、発売された。同作の作者・野田サトル氏によるオリジナル描き下ろし漫画も掲載している。
 『ゴールデンカムイ』は明治時代の北海道を舞台にし、アイヌが遺したという大金を手に入れるため、元兵士の杉元佐一がアイヌの少女・アシリパと行動をともにし、一攫千金を夢みるサバイバル漫画。2014年から『週刊ヤングジャンプ』(集英社)で連載がスタートし、その後(ボーガス注:東京MXテレビなどで)アニメ化もされ、『マンガ大賞』など数々の漫画賞*12を受賞している。

ということで「過大評価など出来ませんが」、「中曽根*13首相の単一民族発言があった昔に比べれば」アイヌを巡る状況は良くはなっています。
 その一方で

【有本香の以毒制毒】「アイヌ支援法案」は憲法違反? 半世紀前に中国と接触資料も (1/3ページ) - zakzak
・「アイヌ民族は『先住民族』」。
 15日、こう明記された法律案が閣議決定され国会に出された。
・法案の内容をざっくり言うと、「アイヌ民族の差別禁止を定め、アイヌ文化の維持、観光や産業の振興を支援する新たな交付金制度創設を盛り込んだ」ものだ。
・「今どき、アイヌ差別などあるのか?」「この人はアイヌ民族だと、どうやって決めるのか?」
 いずれももっともな疑問の声だが、これらをよそに、法案は今月末*14にはすんなり衆院を通過するだろう。与野党ともに「差別はダメだし、観光振興につながるならいいんじゃない」という軽いノリで賛成する議員ばかりだからである。
・日本国民を分断へ導くトバ口となるかもしれないこの法案に、国会で切り込んだのは、日本維新の会丸山穂高衆院議員、ただ一人だった。
 丸山議員は今月5日の衆院予算委員会で、これが憲法(第14条=法の下の平等)が禁じる「門地差別」(=生まれによる差別)*15になるのではないか、という点などをただした。
・70年代前後のことを調べると、恐ろしい資料が出てきた。71年、当時の日本社会党の2人の議員の手引きで、アイヌ青年らが中国当局者と日本国内で接触し、74年にはアイヌの訪中が実現したときの記録群である。
 訪中・交流の目的は「アイヌは、(ボーガス注:チベット自治区新疆ウイグル自治区などをもうけ、少数民族に一定の配慮をする)中国の民族政策に倣(なら)って日本における少数民族としての諸権利を展開させていこうとした」と書かれてあるが、当時の中国ではすでに何百万のチベット人らが虐殺されていた。わが国のアイヌの人々*16は、この中国の「政策」の果たしてどこに倣おうとしたのか。
 中国共産党が半世紀も前に「アイヌ」にまいた「日本分断の種」が、今日、しっかりと根付こうとしているのである。

アイヌを利用した差別利権の温床になる――「アイヌ新法」はなぜ問題なのか? | 日刊SPA!砂澤陣*17
という酷い夕刊フジや日刊スパ(扶桑社)の「アイヌ差別記事」も未だにあるわけです。安倍政権が政府法案として提出して全会一致で成立するとみられるアイヌ法案の何が「中国がまいた日本分断の種(有本香*18」なのか。「全会一致が予想される」のに何が分断なのか。フジサンケイのようなアイヌ差別者が因縁つけてるだけの話です。
 しかし以前も批判しましたが「例の砂澤氏」もどうしようもないバカですね。

 安倍晋三*19首相は、(ボーガス注:昨年5月の李克強*20首相訪日や、10月の安倍首相訪中などで)日中関係は「完全に正常な軌道に戻った」と繰り返している。そういうなら、中国政府に対し、(ボーガス注:ウイグルチベットなど)人権問題で率直に注文をつけてはどうか。

 安倍にはそんなことは期待するだけ無駄でしょう。
 産経もせいぜいこの程度の安倍批判が関の山です。結局「改憲が大事だからー」で安倍批判をうやむやにしてしまう。
 なお、M谷N子氏*21はさすがに「ウイグル問題」での過去の安倍への好意的評価を撤回しましたが、例のNさんは未だに「公式には撤回しない」んだから心底呆れます。

*1:マサチューセッツ州知事(2003~2007年)。2012年大統領選挙共和党候補。2019年よりユタ州選出の上院議員

*2:例えばアムネスティ

*3:「自国がクルド問題で国際社会から批判されてるのに良くもこんなことが言えたもんだ」と感心(?)します。もちろん褒めていません。むしろ、トルコのエルドアン政権に呆れています。

*4:国際法での人種は「民族を含む概念」のようです。

*5:経緯は知りませんが結局勧告はなし

*6:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*7:ここで「産経文化人・楊海英」の出身地「内モンゴル南モンゴル)」が出てこない理由は何でしょうか?

*8:第一次安倍、福田、麻生内閣厚労相を経て都知事

*9:小泉内閣環境相、第一次安倍内閣防衛相、自民党総務会長(谷垣総裁時代)を経て都知事

*10:著書『アイヌの物語世界』(1997年、平凡社ライブラリー)など

*11:2019年、集英社新書

*12:ウィキペディアゴールデンカムイ」によれば「コミックナタリー大賞」2位、「このマンガがすごい!2016オトコ編」2位、「北海道ゆかりの本大賞」コミック部門大賞、Japan Expo Awards 2018マンガ部門・脚本賞手塚治虫文化賞マンガ大賞

*13:岸内閣科学技術庁長官、佐藤内閣運輸相、防衛庁長官、田中内閣通産相自民党幹事長(三木総裁時代)、総務会長(福田総裁時代)、鈴木内閣行政管理庁長官を経て首相

*14:「今月末」とは2月末のことですが、3月16日現在、まだ成立はしていません。

*15:アイヌ支援に限らず、いわゆるアファーマティブアクション(米国の黒人支援、過去の日本における被差別部落地区(同和地区)支援など)に対して常に出てくる悪口雑言です。

*16:そもそも「すべてのアイヌ」が当時、こうした訪中を支持していたわけでもないでしょうに、良くもこんなことが言えたもんです。

*17:著書『北海道が危ない!』(2016年、扶桑社)

*18:著書『中国はチベットからパンダを盗んだ』(2008年、講談社プラスアルファ新書)、『なぜ、中国は「毒食」を作り続けるのか』(2009年、祥伝社新書)、『中国の「日本買収」計画』(2011年、ワック文庫)など

*19:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官を経て首相

*20:共青団共産主義青年団)中央書記処第一書記、河南省長・党委員会書記、遼寧省党委員会書記、第一副首相などを経て首相(中国共産党中央政治局常務委員兼務)

*21:著書『亡命者が語る政治弾圧:中国を追われたウイグル人』(2007年、文春新書)など

「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」を笑おう(2019年2/26分:三浦小太郎の巻)

雑誌アエラ3月14日号にウイグルのいい記事が載りました ただ、末尾が残念 | 三浦小太郎BLOG Blue Moon

 皮肉でもなんでもなく、中国政府が痛いのは産経新聞に書かれる以上に朝日新聞系のメディアが中国の実情を伝えること。

 そりゃ「南京事件否定論河野談話否定論」「ミンダナオ島日本兵が発見された(実際には発見などなかった)」「北海道が危ない、中国が狙ってる」「対馬が危ない、韓国が狙ってる」など、デマ記事常習、信憑性ゼロ、全然売れてない産経より「少なくともそこまで酷くはない」朝日に書かれる方が痛いでしょうね(なお、後述しますが朝日以外にもNHKなどもウイグル問題を報じています)。
 そしてそうした発言は三浦の主観に関係なく「見事に、信憑性ゼロ、デマ記事常習、全然売れてない産経への皮肉」になっています。まあ三浦が言いたいことはそういうことではなく「朝日は中国シンパ」という決めつけによる言いがかりでしょうが。実際には昨今の朝日は中国シンパどころか、安倍にびびってるのか、はたまたアンチ中国なのか、「中国政府の安倍靖国参拝批判」のようなまともな中国の主張すら、必ずしも積極的には取り上げないひどさですが。

「彼らが(在日ウイグル人が)声を上げづらい理由は、本国で家族を人質に取られていることに加え、別な要因もある。
『日本国内にあるウイグル族の民族運動組織は、反中国的な理由で接近した国内の右翼、保守勢力や新宗教団体*1との関係が深いこともあり、万人が安心して近寄れるとは言い難い状況にある』ウイグル問題に詳しいルポライター安田峰俊さん*2はそう指摘する。」(後略)

 安田は

日本で「ウイグル問題を報じづらい」3つの深刻な理由 | 文春オンライン
・正直に言ってウイグル問題に言及するのは気が重い。その理由は、日本国内でこの問題を語ったり調べたりする行為が、極めて面倒くさい事態を引き起こしがちだからだ。これは筆者に限った話ではなく、過去にウイグル報道に関係したテレビ関係者や新聞記者に尋ねても、似たような感想を述べる人が何人も見られる。
 ここでいう「面倒くさい」事態とは、中国当局の妨害や圧力だけではない。
・おおまかに言えば、以下のような問題が存在しているのだ。
 1.中国政府からの取材妨害や情報の制限
 2.在日ウイグル人民族運動と支援者の問題
 3.他の日本人のウイグル・チャンネルの問題
・まず「1.中国政府からの取材妨害や情報の制限」は想像が付くだろう。
ウイグル問題を取材しようと新疆に入る記者(報道ビザを持たない場合も含む)は行動を徹底的にマークされる。
・街のあちこちにある監視カメラの画像も、顔認証技術を応用して解析されている可能性が高い。現代の新疆で、外国人の取材者が当局に捕捉されずに誰かと会って話を聞く行為は事実上不可能に近い(ボーガス注:ので取材に応じてくれるウイグル人を探すのが難しいし、応じてくれても本心を吐露してくれるかは疑問。取材後に、取材相手が当局の取り調べを受けるかもしれないとなれば記者の方も取材を躊躇する)。
・加えて言えば、中国当局を過度に刺激するような取材をした場合、大手メディアの記者の場合はビザの延長が難しくなったり、中国支局に(ボーガス注:取材拒否などの)圧力が掛かったりする。フリーランスの場合は今後の入国自体が禁止される可能性も出てくる。当然、他の問題と比べて、日本のメディアがウイグル問題を取り扱うハードルは高い。
・もっとも、中国当局による妨害は想定内の話だ。むしろ、次に紹介する「2.在日ウイグル人民族運動と支援者の問題」のほうが、現実が想像の斜め上を行っているという点で、心理的負担が大きい問題だとも言える。
・一部の(ボーガス注:在日ウイグル人の)組織には、ごく少数のウイグル人活動家を除けば、実質的にメンバーの大部分が保守系の思想を持つ日本人で占められるものもあった。こうした日本側の支持者の影響は、ウイグル民族運動の上位団体であるWUCまで及んでいる。2012年5月にWUCの総会が東京で開かれた際、WUC総裁(当時)のラビア・カーディルを登壇させてシンポジウムを開いた団体「世界ウイグル会議を応援する日本人の会」には、平沼赳夫*3石原慎太郎*4加瀬英明*5藤井厳喜ら保守界隈の大物の名前が並んだ。同日には藤井らが付き添う形で、イスラム教徒であるラビア氏による靖国神社への昇殿参拝*6もおこなわれている。
・2013年には宗教保守系新宗教の傘下政党*7の党首がラビア・カーディルと会談し、彼らのメディアで大々的にそれを報じる事件も起きている。
・現在、日本国内でのウイグル人民族運動の主流は2012年当時とは別の団体に移り、彼らがWUCの事実上の出先機関になっているが、やはり右翼系の勢力との関係は確認できる(ちなみにウイグル人は、世界組織のWUCも日本国内の民族運動関係者も離合集散が激しく、お互いに足を引っ張ったり誹謗中傷を繰り返すような傾向も強いため、こちらもかなりウンザリする)。
・日本でのウイグル人の民族運動の多くは、2008年の発足当初から「反中国」を理由に右翼・保守勢力と共闘する形を取っている。こうした団体に関係している在日ウイグル人活動家には、日本人支援者への忖度もあるのか、ウイグル情勢について(ボーガス注:中国の弾圧が酷いと)過剰に話を演出したり、(ボーガス注:靖国参拝をするなど)日本国内の特定の政治思想におもねるような言説を繰り返す例も少なくない。
・(ボーガス注:日本でのウイグル)報道が極端な(ボーガス注:反共・反中国の右翼)イデオロギー新宗教思想*8の宣伝につながることを懸念する一般メディアや記者が取材を手控えるのも納得できる話ではある。
・数年前まではツイッターで、旭日旗アイコンを掲げながら野党批判や「反日マスゴミ」への批判をウイグル問題に結びつける投稿が大量に流れるという、意味不明な状況すら生まれていた
・最後に「3.他の日本人のウイグル・チャンネルの問題」は、様々な事情からあまり詳しく言及できないが、やはり浅からぬ問題が存在する。
 そもそもウイグル問題は中国についての一般的な理解に加えて、中国国家の少数民族政策・宗教政策やユーラシア史への理解、世界の民族問題への基本的なリテラシーイスラム・トルコ文化への理解といった膨大な基礎知識がないと、なかなか全貌をつかめない。言語も中国語・英語・ウイグル語だけではなく、トルコ語アラビア語ぐらいはできないと第一線の情報が入ってこない。
 なのでウイグル問題は、普通の「中国通」の人(筆者自身も含む)ではまず歯が立たない分野だ。中国の国土は広大で、北京や上海と新疆との距離は2000キロ以上も離れている。欧州でいえばパリ~モスクワ間にほぼ匹敵する距離だ。仮に北京や上海に詳しい人であっても、彼らが新疆を理解するのは、フランス在住者がチェチェンモルドバの事情を理解するぐらい大変なのである。
 むしろ「中国通」の人のほうが、身近な中国人のウイグル人への偏見(テロリストや泥棒が多い、犯罪をしても逮捕されない特権を持っている、中国国家が新疆を発展させてあげているのに騒乱を起こすウイグル人は恩知らずであるなど)からダイレクトな影響を受けているので、認識をミスリードされやすいという問題すらある。
 いっぽう、たとえ中東やイスラム文化に精通した人でも、中国はイスラム圏全体から見れば辺境にあたるため、やはりウイグル問題については縁遠くなりがちだ。東西をつなぐシルクロードの民の問題は、日本人にとってかくも理解が難しいのである。
 ゆえにウイグル問題について、極端な(ボーガス注:反共・反中国の右翼)政治勢力新宗教勢力*9との関係を持たず、さらに現地情勢への文化圏規模での理解を持っていて人脈的なコネもある日本人の専門家は、人数がかなり限定されることになる。
 南米やアフリカの小国や、現地の特定の少数民族について詳しい日本人が少ないのと同様の問題が存在するわけだ。
・もちろんウイグル問題は深刻で、広く報じたほうがいい問題だ。だが、日本国内の極端な政治勢力と距離を置くことや、さまざまな関係者とのコミュニケーションを取ることなどへのコストが大きすぎるとすれば、やはり報じるトピックとしての優先順位は下がり得る。中国は他にも多数の問題を抱えており、他に伝えるべきことも数多くあるからだ。
・国内外のウイグル人活動家が離合集散を繰り返したり、日本の政治勢力新宗教勢力がウイグル問題を利用したり、その他もろもろの面倒な問題がグダグダと起き続けている間にも、新疆の人権状況は加速度的な悪化を続けている。

として以前もそう言う指摘&批判「ウイグルと日本ウヨの野合」をしていますが、もちろん「国内の右翼、保守勢力」の一員である三浦としては安田の非難を認めることはできないわけです。
 まあ、でもそう言う認識をしてるのはもちろん安田だけじゃないですけどね。俺の知ってる人間ではウイグル研究者で大学講師のM谷N子氏*10がそうした批判をしていますね(もちろんM谷氏の他にもいますが)。
 なお、俺が「ウイグルチベットのウヨとのこうした野合」を「ウイグルチベットの言動は見苦しい、そんなことでよく中国批判が出来る」と悪口したら「ウイグルチベットに失礼だ」といいだした馬鹿者が「ノルウェーに霞を食えとは言えない」とのたまった「例のM君」です。まあ、M君も今ではとんずらしましたが。
 それにしても安田も「ウヨがウイグルを政治利用して困る。例えば三浦小太郎とかいうデマ右翼野郎には呆れる」などとは三浦を一言も批判してないのに「不当な認識だ!」て(苦笑)。
 「それは安田氏が批判的に評価する右翼や保守団体にあなたとお友達が該当してると自覚してるつう事ですよね」と苦笑せざるを得ません。まさに「語るに落ちています」。ただし三浦先生のお友達の「守る会会員・N(野原某)さん」は「守る会や会幹部の三浦が右翼であること」をついに最後まで認めようとはしませんでしたが。三浦の「安田への反発」をどう思うか聞きたいところではあります。まあNさんは自ブログのコメント欄で俺のコメントを拒否設定にしていますので聞けないのですが。彼の「俺に対する逃げ腰ぶり」は本当に滑稽だと思います。不誠実の極みですね。

 私は「反中国的な理由でウイグルに興味を持った日本の右翼」であると言われればそれは受け入れます。その面はあるから。これまでのウイグル運動に何の問題もなかったともいわない。しかし、昨年から、ウイグル人主体のデモ行進が何度も行われ、「運動組織」に参加しようとするウイグル人はこれまでとは比べ物にならないほど集まるようになった。私たち日本の支援者も、自分たちの(日本人としての)主義主張や運動のやり方をウイグル人に押し付けるのはできるだけやめようと意識しているつもり。今の運動団体には近づきたくないというウイグル人もいることも認めますが、ずいぶん状況は変わりつつあること*11も取材してくれれば理解できる*12と思う。

 「右翼であること」をはっきりと認めた*13上で、「できるだけやめよう」つうのがすごいですね(呆)。
 普通の人間なら「凡人なので無意識のうちに押しつけてることがあるかもしれない*14が、意識的に押しつけることは絶対にしていないつもりだ」と言ってるところでしょうにね。

 昨年から、ウイグル人主体のデモ行進が何度も行われ、「運動組織」に参加しようとするウイグル人はこれまでとは比べ物にならないほど集まる*15ようになった。

てじゃあ「それ以前は三浦ら日本人がウイグルを命令して駒として動かすようなデモ」で「だからこそ参加者も少なかった」のか(苦笑)
 こういうのを「語るに落ちる」といいます。
 三浦は安田に反論してる気のようですが、「昨年から、ウイグル人主体のデモ行進」「できるだけやめよう」「状況は変わりつつある」では何の反論にもなっていません。

 安田氏は、日本ウイグル協会のイリハム・マハムティ氏をほとんど詐欺師のように書いたことがある

とまでいうならそれこそ三浦は安田がイリハムについて何と書いたのか具体的に書くべきでしょう。できれば裏取りが出来るように、安田が記事を書いた雑誌名や記事タイトル名を書いた*16り、リンクが張れるならリンクを張ればいい。
 しかしそういうことを三浦はしません。
 ここからは
1)本当にイリハムは安田に「詐欺師」扱いされても仕方がない無茶苦茶なことをやっており、安田が批判したのはむしろ当然。それがばれるとまずいから三浦は具体的に書けない
2)安田はイリハムを批判したことがあるが、それは「詐欺師でもない人間を詐欺師呼ばわりする」ような名誉毀損や誹謗中傷に該当するものではない。それがばれるとまずいから(以下略)
のいずれかではないか、つまり三浦の安田非難は「安田に対する誹謗中傷」ではないのか、と疑われても三浦は文句は言えないでしょう。
 なお、「安田峰俊、イリハム・マハムティ」でググったら以下を発見しました。

http://theuighur.blogspot.com/2015/07/2015.html
■日本ウイグル協会のイリハム・マハムティ
 最近会長を辞任、また、世界ウイグル協会の役員を解任されたイリハム・マハムティは日本人にウイグル人女性を2号に斡旋したことがあった。現在、ウイグルでは一夫一妻制であるが、イスラムでは4人まで妻を娶って良いとする古い!風習があるが、”妾”では不可だし、夫はモスリムでなければならない。日本人はモスリムでもなく”妻”でもないのだから、極めて不道徳な斡旋をしたことになる。不道徳なイリハム・マハムティは全く人望がない。
■日本の右翼や宗教団体と結託
 不道徳家イリハム・マハムティが代表を勤めることが出来た裏は、日本の右翼や宗教団体の支援があった。中国バッシングのネタに使われたのである。

https://twitter.com/aniotahosyu/status/603176045227810817
・古屋経衡
 今日のTFMで安田峰俊氏の『境界の民』(角川書店)を紹介しました。この作品の核心は日本の保守運動が境界の民、特に在日ウイグル人を都合良く利用してきた、という点。特に本の中では日本ウイグル協会のイリハム・マハムティなる人物の所業が明らかにされており、第一級のノンフィクションと言えます。

 ということで安田のイリハム批判は、彼の著書『境界の民』(角川書店)を読めば分かるようです。しかし三浦も『境界の民』という著書名を出さないとはねえ。「安田の批判は間違ってる」といいたいなら著書名を出せばいいのに(苦笑)。そしてあの「嫌韓国、反中国ウヨ・古屋」がイリハム批判するとはねえ(苦笑)。古屋ですらドン引きするほどイリハムの「所業(古屋の言葉)」は酷いのでしょう。まあ「行為」「言動」でなくて「所業」ですからね。
 「所業」なんて言葉は「褒め言葉では明らかにない」。例えばI濱女史やMさんは「中国のチベットに対する所業(例:ダライを事実上インドに追放)には怒りを感じる」とはいっても「ダライ猊下の所業が評価されてノーベル平和賞をもらったことが嬉しい」とはいわない。
 俺も「産経らウヨの朝鮮学校に対する所業には怒りを覚える」「拉致が風化してるのは家族会の所業(例:蓮池透氏の不当除名)の報いだ、自業自得だ」とはいっても、「前川・元文科次官の朝鮮学校に対する所業には感動した」「蓮池透氏の最近の所業(家族会、救う会批判)には共感する」とはいいません。
 プラス評価をする場合は「所業」とはいわない。
 古屋の「所業呼ばわり」は三浦のイリハム擁護が間違っており、むしろ安田のイリハム批判が正しいであろう事を伺わせます。
 しかし三浦は、安田の主張に賛同するという古屋を批判はしないのでしょうねえ。古屋が公然と三浦を非難しない限り。一方で古屋も「三浦らを公然と批判すること」は避けるのでしょう。ある意味どちらもデタラメです。まあ、それでも古屋の方がまだましですが。
 さて話を三浦の駄文への突っ込みに戻します。

 さらに言っておくと、北朝鮮拉致問題や人権問題*17について、私は複数の人から「右翼がかかわっているから近づきたくない」という言葉を何度も聞かされました。それはその人の自由。ただ、それならあなたは被害者や抑圧された人々をあなたの政治的立場のために見捨てるのですか*18、という言葉がのどまで出かかった*19こともある。安田氏の言葉を読むとそのことを思い出します。

 吹き出しました。まあ、普通の人間にとってはそりゃそうでしょうねえ。三浦のようなごろつき右翼と俺だって付き合いたくはない。いくら安倍批判者でも「穏健左派(社民、共産など)ならまだしも」、革マルや中核といった極左と付き合うのには躊躇する人が多いのと同じ事です。あるいはトランプ批判者でも「穏健イスラム」ならまだしも、イスラム過激派と付き合うのには躊躇する人が多いのと同じ事です。
 「拉致問題解決など、北朝鮮をテーマにした運動」のうち、少なくとも三浦らの運動「守る会」や荒木、島田、西岡らの運動「救う会」は北朝鮮叩きを目的にしたただの右翼運動です。例の「守る会会員・N(野原某)さん」はそれをついに認めようとはしませんでしたが、こうして三浦が事実上「自らが右翼であることを自白しています」。。
 結局Nさんは守る会について

「右翼がかかわっているから近づきたくない」

という価値観を持てない「三浦と同レベルの右翼」だったんでしょうね(ただしNさんご本人は「自分が右翼であること」を絶対に認めたくないようで、それについてしつこく聞いた俺に腹を立て、今では堂々と『ボーガスのコメントは拒否設定にしてる』と自ブログに書いて恥じない無様さです。)。しかし三浦のようなごろつき右翼相手に「右翼がかかわっているから近づきたくない」とはよくもいったもんです。勇気ある言動として褒め称えたい。俺だとあとで「ごろつき右翼三浦とそのお仲間」に報復されることを危惧して怖くて言えませんが(ただし参加を呼びかけられても、『意見が違うから』とさすがに断りますが)。
 なお、安田やM谷N子氏は三浦のようなウヨとは袂を分かっていますが彼らは彼らなりのやり方で「ウイグル支援をしています」。つまり安田もM谷氏もウイグルを見捨ててなどいません。
 三浦らウヨや「三浦らウヨと野合するウイグル」とつきあわずともウイグル支援は出来ます。
 安田は大手出版社から本を出してるし、M谷氏もNHKウイグル報道番組
中国でウイグル族大量拘束 今何が? | 国際報道2019 [特集] | NHK BS1
衝撃証言 ウイグル族“不当収容”の実態 | 国際報道2019 [特集] | NHK BS1
WEB特集 “100万人収容” ウイグルで何が起きているのか | NHKニュース
にコメンテーター(ウイグル研究者、ウイグル専門家)として出ています。むしろ彼らの方が三浦らウヨよりウイグルのためになってるんじゃないか(そもそも三浦らウヨはM谷氏などとは違い、中国叩きのだしにウイグルチベットを使ってるにすぎませんが。M谷氏なども批判していますが、三浦らに本当に人権意識があるなら南京事件否定論など放言しないでしょう)。
 北朝鮮とてウイグルと同じ事です。何も三浦のようなデマ右翼と付き合わずともいくらでも出来ることはあるわけです。三浦には「恥を知れ」という言葉を贈りたい。

*1:新宗教団体」とは、はっきり言えば右翼宗教「幸福の科学」のことです。

*2:著書『知中論:理不尽な国の7つの論理』(2014年、星海社新書)、『和僑:農民、やくざ、風俗嬢。中国の夕闇に住む日本人』(2016年、角川文庫)など

*3:村山内閣運輸相、森内閣通産相小泉内閣経産相、「たちあがれ日本」代表、維新の会代表代行、次世代の党党首など歴任

*4:福田内閣環境庁長官、竹下内閣運輸相、都知事、維新の会共同代表、次世代の党最高顧問など歴任

*5:日本会議代表委員、「史実を世界に発信する会」代表、「慰安婦の真実」国民運動代表などを歴任したプロ右翼活動家。

*6:ウヨに要望されなければ、ラビアも靖国参拝なんかしないでしょう。他にも彼女は尖閣献金もやらされています。それに応じる彼女も愚劣ですが、もちろん一番悪いのは「立場の弱い彼女にそれを強要する」日本ウヨです。

*7:はっきり言えば「幸福の科学」系列の「幸福実現党」です。

*8:繰り返しの指摘になりますが、幸福の科学のことです。

*9:繰り返しの指摘になりますが、幸福の科学のことです。

*10:著書『亡命者が語る政治弾圧:中国を追われたウイグル人』(2007年、文春新書)など

*11:本当に変わってるかは怪しいですが、「変わりつつある」というなら「昔は確かに酷かった」と三浦も認めてるわけです。つうか「朝鮮学校の変化は認めない」上に「朝鮮学校の取材もしない野郎」がよくもこんなことがいえたもんです。

*12:イヤー、多分取材しても安田の認識は変わらないし、それに三浦も逆ギレするだけでしょう。つうか「三浦ら右翼運動幹部に取材しないだけ」で「三浦の批判派や(逆に)三浦支持者」には取材してるんじゃないか。

*13:まあ「つくる会理事」なんて男・三浦が「僕は右翼じゃない」といったらただの虚言ですが。

*14:これは聖人君子でない限り、絶対にあり得る話です。「無意識の押しつけだってない」と言い切ったらその方がおかしい。

*15:とりあえず「増えた具体的な数」を教えてほしいですね。たとえば「10人が20人になったんですよ、2倍ですよ!」では大して意味もないでしょう。まあ、「多ければいい」つう単純な話でもないですが。例えば「週刊少年ジャンプは岩波世界より売れてるから価値がある」「AKBは演歌やオペラのCDより売れてるから(以下略)」といったら、ただのバカです。

*16:追記:ググったら安田の著書『境界の民』(角川書店)らしいことがわかりました。

*17:拉致問題や人権問題」て変な日本語ですね。三浦にとって「拉致問題」は人権問題ではないんでしょうか?。そもそも三浦の言う「人権問題」とは具体的になんなのか。まあそれが「拉致問題解決のためには後回しにしていい」と三浦らが放言する「日本人妻の帰国」や「邦人墓参問題」を指さないことだけは明白でしょうが。

*18:むしろ三浦らウヨの方こそ「何でそう言う声があるのに、拉致問題に右翼思想をぶちこむの?。拉致って右翼的アプローチしか出来ない問題じゃないでしょ?。あなたは自らの右翼思想にこだわって運動の広がりを犠牲にするのですか?」ですよねえ。なんで三浦らウヨではなく三浦らウヨを批判する側に「三浦ら極右の右翼性」を受け入れる義務があるのか。たとえば「広い意味では基地反対は左翼運動」かもしれませんが、日本共産党は沖縄基地反対運動に「日米安保反対(最終的にはそこまで行かないと基地反対運動は完結しないという立場が共産党の立場だと公言はしていますが、そう言う立場には立たない翁長氏などとも共闘する)」「天皇制反対(そもそも米軍基地と関係ない)」などの自らの左翼思想をストレートにぶち込んだりはしないわけです。そういう共産党的な常識がなぜ三浦らウヨにはないのか。

*19:「じゃあ口から出せよ、なんで出さないの?」ですよねえ。もちろん「そんなことだから手前らの運動が広がらないんだよ。そんなことだから、蓮池透氏のような当事者ですらお前らと袂を分かつんだよ。拉致被害者救出問題を何で右翼運動にする必要があるの?」と反論されるだけだと三浦が分かってるからですが。しかし「そのときに口から出さないのなら」、ずっと黙ってればいいのにねえ。三浦も無様な野郎です。