今日の産経ニュース(2025年9/24~9/28分)

牧島かれん元デジタル相が小泉進次郎陣営の「総務・広報班」班長辞任 ステマ要請巡り引責 - 産経ニュース
 全てを牧島*1個人のせいにする気なのかと呆れます。とはいえそれでも「排外主義極右の高市*2」よりは小泉*3の方がましだと思いますが。
 いずれにせよ「ビジネスエセ保守に負けるな(前後の文脈から見て高市のこと)」という小泉陣営のステマ(やらせ行為)は「小泉陣営が高市をどう評価しているか」が窺え興味深い。


共産・田村委員長、自民総裁選候補を「トランプ氏の言いなりで排外主義」と批判 - 産経ニュース

 外国人政策厳格化の主張に懸念を表明。「政党や政治家が言い立てることで差別や分断を生み出し、日本に暮らす外国人に大きな不安をもたらしている」と語った。物価高など生活苦の原因は外国人でなく大企業を優遇し、富の分断を招いた自民政治にあると非難した。

 全く同感なので紹介しておきます。


<正論>「戦時内閣」の基本方針を立てよ 笹川平和財団常務理事 麗澤大学特任教授・兼原信克 - 産経ニュース
 タイトルが「はあ?」ですね。「戦時」とは「ウクライナ戦争のことか?」と思ったら起きてもいない、起きる可能性も低い「台湾有事、朝鮮有事」だそうです。


欧米にも堂々と主張 『一比較文学者の自伝 上・下』平川祐弘著 <書評>評・西原大輔(東京外国語大教授) - 産経ニュース

 鷗外を論じた平川氏*4の著書『和魂洋才の系譜*5』を読んだ作家の中野重治は、たいそう腹を立てた。この革新派の大御所にとっては、自らの世界観が否定される、痛切な読書体験だったのだろう。

 西原*6が「平川(学問上の師匠?)を持ち上げ、中野をけなしたいこと(平川や西原が右翼*7で、中野が左翼だから?)」は分かりますが、中野がどんな平川批判をしたのか、西原がまともに説明しない(そもそも、中野の平川批判をまともに読んでない?)ので「中野がどんな平川批判をしたのか」は意味不明で「西原が、平川(学問上の師匠?)を持ち上げ、中野をけなしたいこと」以外は何一つ分かりません。「中野の平川批判」について、西原は「中野の論文名」「中野の論文が収録された中野の著書」なども紹介しないので、この西原文章だけでは批判内容を確認することも出来ません。読み手がわざわざ調べないといけない。
 というか、これ以外の西原文章も平川について「欧米に対し、日本を堂々と主張する気骨ある学者」など極めて情緒的な文章が多く「文学研究者としての平川の業績」を西原がどう評価してるのかおよそ分かりません。気骨などというのは「学問的評価」ではない。
 文章としてあまりにレベルが低すぎる。もしかして平川著書自体が「自らの学問的業績」について学術的に論じるのではなく「気骨」云々と情緒的に論じる駄本なのか?


<産経抄>「尖っていない」5人の候補、総裁選に不安あり - 産経ニュース
 タイトルが「はあ?」ですね。「尖る」とはどういう意味なのか。
 問題は「政策として適切かどうか」であって「尖ってるかどうか」ではない。そもそも産経が支持、評価する「尖る(急進的な政策の意味か?)」はあくまでも「大軍拡」など「産経好みの政策」にすぎず、尖っていても(急進的な政策でも)、「移民を大幅に増やす(産経は勿論、排外主義の立場から移民には反対)」などではないわけですし。

 有事の足音がいつ台湾海峡朝鮮半島で響いても不思議はない。

 産経は感覚が完全に狂ってます。
 例えば「中国の台湾侵攻」「北朝鮮の韓国侵攻」は確実に「米国(韓国や台湾を支援)と中国や北朝鮮との戦争」を、「韓国の北朝鮮侵攻」は「中国、ロシア(北朝鮮を支援)と米国との戦争」を招くでしょう。そんな危険な行為を中国、北朝鮮、米国がするとは思いません。
 「1980年代のソ連のアフガン侵攻」をネタにした「何時ソ連が日本に侵攻するか分からない(アフガンと日本を単純比較できるわけもなく、勿論日本侵攻など無かった)」という与太を知ってる俺からすれば「また、軍拡正当化の与太かよ。お前らだって内心では嘘だと分かってるだろ?」感しかない。
 そもそも中国は「台湾が独立宣言しない限り侵攻しない(但し、独立宣言すれば侵攻がありうる)」と表明している。「中国の表明」を無視して台湾が「中国の侵攻の危険性を覚悟して」独立宣言することも、国際公約を反故にして、独立宣言もないのに中国が台湾に侵攻することも考えがたい。
 また、北朝鮮

金正恩氏、トランプ大統領に「非核化放棄」迫る 韓国との統一否定 - 日本経済新聞2025.9.22
 北朝鮮金正恩キム・ジョンウン)総書記は21日、最高人民会議(国会に相当)で演説し南北統一については「統一は不要」と主張した。

等が報じるように「統一方針の否定」をしています。
 これを
【1】統一を口にすることで『東ドイツ型の吸収統一』を助長することを恐れてる
【2】統一を口にすることで、北朝鮮の軍事侵攻の危険性があるとして在韓米軍や韓国軍が軍拡の口実にすること(そして米韓が『拡大した軍事力』によって、かえって北朝鮮を先制攻撃する危険性)を避けたい
【3】統一を口にしないことで北朝鮮には「韓国への軍事侵攻の意図はない」と認識されたい
と評価するか、どう評価するにせよ「統一方針を否定」した以上、軍事侵攻する口実がない。

*1:岸田内閣でデジタル相

*2:第一次安倍内閣沖縄・北方等担当相、第三次安倍内閣総務相、岸田内閣経済安保等担当相、自民党政調会長(第二次安倍、岸田総裁時代)等を歴任

*3:第四次安倍、菅内閣環境相自民党選対委員長(石破総裁時代)を経て石破内閣農水相

*4:東大名誉教授。著書『漱石の師マードック先生』(1984年、講談社学術文庫)、『西欧の衝撃と日本』(1985年、講談社学術文庫)、『夏目漱石』(1991年、講談社学術文庫)、『ラフカディオ・ハーン』(2004年、ミネルヴァ書房)、『アーサー・ウェイリー:「源氏物語」の翻訳者』(2008年、白水社)、『ダンテ「神曲」講義』(2023年、河出文庫)、『西洋人の神道観』(2024年、河出文庫)等

*5:1971年、河出書房新社→2006年、平凡社ライブラリー

*6:著書『谷崎潤一郎オリエンタリズム:大正日本の中国幻想』(2003年、中公叢書)、『橋本関雪』(2007年、ミネルヴァ書房日本評伝選)、『日本人のシンガポール体験』(2017年、人文書院)、『室町時代の日明外交と能狂言』(2021年、笠間書院)等

*7:西原はともかく平川は「国家基本問題研究所理事」という右翼活動家