今日の産経ニュース(9/5、6分)(追記・修正あり)

パラグアイ、在イスラエル大使館を再移転へ
https://www.sankei.com/world/news/180906/wor1809060031-n1.html

 南米パラグアイは5日、イスラエル西部の商都テルアビブからエルサレムへ移転した在イスラエル大使館をテルアビブに戻すと発表した。カルテス前大統領が任期満了直前に移転を強行したが、8月に就任したアブド・ベニテス大統領は不快感を示していた。

 まあ当たり前の政治的判断ですね。「トランプ万歳」安倍ですら「エルサレムに大使館」なんてしませんから。ひとまずは素直に喜びたい。


■「G7で唯一の有色人種」 麻生太郎*1副総理が発言
https://www.sankei.com/politics/news/180905/plt1809050027-n1.html
 やはり「オバマ前米国大統領(黒人)は有色人種と違うのか!」「首相、大統領や大臣はともかく国民は明らかに有色人種(黒人など)おるやろ?。ワールドカップ優勝したサッカーフランス代表なんかそうやなかったんか?」「つうかなんでそんなことが自慢する内容になるん?。G7で唯一の有色人種だと偉いんか?」つう当然すぎる突っ込みが入ったようです。
 まあ、麻生的には「欧米=白人、日本=アジアの国=有色人種」で「アジアからG7に入ってるのは日本だけ!」と自慢したいのでしょうが、そんなんはG7が開始されたときから、そうだし、「アジアの国」中国や韓国、インドが政治力、経済力をつけてる今、「G7のアジアの国は日本だけ!」なんてどれほどの価値があるのか。
 これが財務相だというのだから頭痛がします。


コソボセルビア、領土交換案浮上
https://www.sankei.com/world/news/180905/wor1809050039-n1.html
 実際交換するかどうかはわかりません。交換することがいいかどうかも議論の余地があるでしょう。しかしここからは日本ウヨのように「竹島は日本の領土」「北方領土は(以下略)」と言いつのることが問題解決の道じゃないということがわかります。
 まあ日本においてこうした「領土交換的なことが可能かどうかはともかく」何も「妥協せずに自分の主張を相手に認めさせようとすること」だけが手段ではないでしょう。
 つうか日本も明治時代には「樺太・千島交換条約」を結んで領土交換していますが。

*1:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)などを経て首相。現在、第二〜四次安倍内閣副総理・財務相

今日の中国関係ニュースほか(9/4分)(追記・訂正あり)

 中国ネタを中心にいろいろ書いていくことにします。
■日経『日本と中国、なぜいま改善? 3つのポイント』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3526529012092018000000/
 詳しくはリンク先を見ればいいですが「3つのポイント」の答えは
1)なぜ中国は関係改善に乗り気か:中国企業が儲かるから
2)なぜ日本は関係改善に乗り気か:日本企業が儲かるから
3)関係改善の上で問題点はないのか:安倍の極右性
ということですね。
 まあ言わずもがな、当たり前の話ですが、俺的には2)を強調したいですね。というのも2)は産経ら反中国ウヨが徹底的に無視しようとする話だからです。


■石平のツイート

石平
 尖閣諸島が日本の施政下であることを強くアピールすべき。自衛隊は堂々と上陸し駐在すべき。尖閣は日本の領土だから自衛隊の上陸や駐在は問題ない

 イヤー安倍ですらそんなことはしないでしょうね。そんなことをしたら日中関係が悪くなる、つう意味でも、そんなことをしたら「竹島北方領土に軍が駐留しても批判しづらい」つう意味でも。

石平
 安倍総理リップサービス*1でも一帯一路の賛成は百害あって一利なし。欧米から裏切り者扱いされるしアジア諸国から不信感を抱かれるし、トランプ大統領も不信感を抱くので日米同盟にも隙間が出来る。ヤクザのサラ金に肩入れするようなもの。日中関係改善は良いが一帯一路は口にしないほうがいい。

石平
 (ボーガス注:中西経団連会長)『(ボーガス注:一帯一路は)我々にとって大きなチャンス』
 経団連会長は大馬鹿。一帯一路は世界中で袋叩きにされて、日本に協力してもらう、習近平の為に火中の栗を拾ってもらう。それを財界のトップが、罠にはまることをチャンスだと。

 石ですら「日中関係改善はいいが」と舌先三寸でも言うところが面白いですが、それはさておき。
 石が「一帯一路支持なんか安倍はするな!、経団連会長はするな!。中国の罠にはまるな!。罠にはまるなんて大馬鹿だ!」と今更言っても何もどうにもならないでしょう。安倍も中西経団連会長(日立製作所会長)も一帯一路参加発言を撤回したりしない。
 それにしても「欧米から裏切り者扱い」には吹き出しました。米国はともかく、「カナダ、英国、フランス、イタリア、ドイツ」はAIIBに加入してるし、一帯一路にはむしろ好意的立場でしょう。
 むしろ裏切り者云々つうなら中国よりも「安倍とロシア(プーチン)の付き合い」でしょう。
 クリミア併合問題や「リトビネンコ暗殺疑惑」などで欧米はロシアに制裁をかけてるからです。
 もちろん石は単に「中国に悪口したいだけ」なので、ロシアと安倍の付き合いについては何も言いません(なお、以上の指摘は「ただの事実」であって、「だから安倍は欧米のような態度をロシアにとるべきだ」とはいっていません。正直「北方領土の返還を目指す」のならば「安倍の対ロシア外交の是非」はともかく欧米のような態度はロシアにはとれないでしょう)。
 「アジア諸国から不信感」つうのも酷い話で、ほとんどのアジア諸国は一帯一路に参加してますし、一帯一路に距離を置いてるインドですらAIIBの融資は受けています。
 そして石以外の櫻井よしこだの島田洋一だの「日本ウヨの多く」は「安倍や中西経団連会長の一帯一路参加発言」は「見て見ぬふり」し続けるわけです。


■朝日『台湾「原発ゼロ」本格化 電力確保綱渡り、産業界は懸念』
https://www.asahi.com/articles/ASL804GW2L80UHBI00P.html
 蔡を「中国と戦う闘士」として持ち上げたいがために「原発推進派」産経が故意に無視してるのが「彼女が脱原発を掲げる政治家だ」ということです。
 蔡が「産経好みの反中国」でない限り産経は彼女を「非現実的な脱原発を放言する無能で無責任な政治家」とたたいていたでしょう。
 一方最近産経が「中国シンパだ」などと非難する最大野党・国民党は原発推進派です。


■リベラル21『暑苦しかったスポーツ界の夏』阿部治平
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-4493.html
 たった3日前に
■リベラル21『ある中国論:なんとも奇奇怪怪!』阿部治平
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-4490.html
なる文章を書いたばかりの「自称中国ウオッチャー」阿部がまた別の文章です。
 しかもその内容は「レスリングのパワハラ問題」「日大アメフト危険タックル」「ボクシング協会の不正(会長の利権あさりなど)」「居合道協会で金銭買収によるインチキ審査が発覚」「体操協会での体罰(宮川紗江選手の元コーチ)やパワハラ(塚原夫妻)」「アジア大会での日本代表バスケ選手の買春」など「今年に入ってから、スポーツ界で不正、不祥事が続いて残念だった。綱紀粛正に努めてほしい」という

「そんなことはスポーツライターとかスポーツ評論家とか専門家に書かせろよ。阿部はその問題の専門家と違うじゃん」
「書いてる内容も素人の俺でもかけるレベルだし。そもそも阿部も素人だしな」
「どんだけお前らリベラル21は阿部を特別扱いしてるんだよ!。もっとほかの人間に書かせろよ!。あほか!」

とあきれる代物です。


■リベラル21『ある中国論:なんとも奇奇怪怪!』阿部治平*2
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-4490.html

 7月26日付朝日新聞朝刊に、元中国総局長藤原秀人氏の「"礎"失い、迷走続く日中*3」と題する論評が掲載された。中国の大国主義を指摘し、民主化の課題と日中関係改善の困難を論じたものである。私は、この主旨におおむね納得した。

 「読者無視」という「悪い意味で」阿部治平とリベラル21らしいですね。
 普通の人間なら藤原コラムの引用をした上で論評するなり、せめて読者の便宜を考えてリンクを張るなり(リンクする記事があればですが)するでしょうが、ただ「俺は藤原に賛成した」だそうです。
 「バカか、手前?」「手前らは『私たちは藤原に賛成です』といえば『天下のリベラル21様と阿部治平様が褒めてるから間違いない』と思ってもらえると、思い上がってるのか?。調子のってんじゃねえよ」と説教したくなります。

 ところが、浅井基文氏*4が自身のブログで、藤原秀人氏の見方を厳しく批判し、習近平政権に対する絶大な支持を表明した。

 俺の理解では浅井氏は「隣国で経済大国でもある中国とは仲良くやっていくしかない。敵視なんかできない。習指導部も日本の反中国分子(例:阿部治平)が罵倒するほど話のわからない連中ではないと思う。人権面で中国に問題があるのは確かだが、そうした国は「軍事政権のタイやエジプト」など中国だけではないし、日本や欧米の反中国分子(例:リベラル21)がそうした『中国以外の人権に問題がある国』を軒並み批判してるわけでもない。大体一気に民主化なんて無理だ、漸進的民主化が現実的だ」などといっているだけで「絶大な支持」など表明してないのですが、それはさておき。
 この阿部記事の何が酷い、って浅井批判をしながら、浅井氏の記事を紹介しないのがすごすぎます。記事文章の引用もないし、リンクも張ってない。
 「記事名を書いた藤原氏と違い」ブログ記事題名すら書かないのだから、読者には浅井氏の主張が「阿部氏が要約して紹介し、批判するようなものなのか」どうか確認することが「浅井ブログ記事を何らかの形で探し出さない限り」不可能です。
 疑えば、要約に当たって阿部氏が「浅井主張を産経のようにデマ中傷してる」かもしれませんし、そこまで酷くなくても「誤読の可能性」は否定できません。
 もし「俺は誤読なんか常にしないし、読者もそんな俺を信用してるはずだ。だからこれでいいんだ」と阿部氏が思ってるなら思い上がりも甚だしい。
 それとも、まさか『「浅井基文、藤原秀人」などで読者が検索しろ』とでも言う気でしょうか?。冗談ではありません。
 確かにそれで検索すれば、幸いにも
■浅井基文ブログ『中国をどう見るか』
http://www.ne.jp/asahi/nd4m-asi/jiwen/thoughts/2018/1045.html
という浅井コラムがヒットしますが、「阿部氏が浅井記事の題名を書けばすむこと」でなんでそんな手間のかかることを読者がしないといけないのか。
 こういうのがまともな批判だと思えるのが阿部氏とリベラル21のようです。もはやなんと言っていいのか言葉もありません。阿部氏はともかくなぜリベラル21は、彼に「読者が確認できるようにせめて浅井記事の題名くらい書いてください。あなた藤原記事は題名を書いてるじゃないですか?」と彼に原稿を突っ返さないのか。
 そういうことが言えないほど「阿部大先生には逆らえない」や「阿部さんは友達だから批判的なことが言えない」なんて上下関係やゆがんだ「なれあい、もたれあい、かばいあい関係」なのか。
 それともリベラル21は原稿をまともにチェックしてないのか。
 これと同じこと(記事題名の紹介も論文引用もされずに勝手に要約した文章で非難する)をされてリベラル21や阿部氏は納得できるのか。納得できるというならそれまでの話ですが、たぶん「結果的に批判が正しくても」、

『なぜ私の記事を読者が確認できるようにしないのか、なぜあなたは読者が公平に判断できるようにしないのか』
『確認されて「阿部さんの方、リベラル21の方ががあんたより正しいじゃん」といわれたくないからではないのか』
『仮に「俺にとって明らかに間違ってる阿部の文章など紹介したくない」とあなたが思ってるのだとしてもそんな感情論で批判対象を読者が確認できないようにするのは、読者や批判対象に対して不誠実だ。故意に曲解してたたいた上でそれがばれないようにしていると疑われても仕方がないのではないか』

などと批判してるんじゃないですかね。
 まあ、これで終わらせてもいいのですが、この後も阿部批判は続けます。
 なお、この、「浅井記事について引用も記事題名紹介もしないで批判するなんておかしい」という部分「だけ」は阿部記事のコメント欄に投稿しておきます(追記:阿部氏の批判した浅井コラムが■浅井基文ブログ『中国に関する私の見方:疑問・批判へのお返事』http://www.ne.jp/asahi/nd4m-asi/jiwen/thoughts/2018/1050.htmlだというとんちんかんな誤解をしていたので書き直しました。実際は■浅井基文ブログ『中国をどう見るか』(http://www.ne.jp/asahi/nd4m-asi/jiwen/thoughts/2018/1045.html)が阿部批判が対象とする浅井コラムです。なお、その誤解については後で阿部記事のコメント欄に『誤解なので訂正しておきます』と投稿しておきます)。阿部氏がこの俺のコメントを掲載するか、掲載しないまでも「浅井記事をきちんと紹介するか」楽しみにしたいと思います。この「記事題名紹介しないのはおかしい」はこの後、俺がする予定の「浅井氏の中国認識の方が阿部氏の認識より正しいと思う」という価値観の問題とは違い「浅井氏でなくむしろ阿部氏の中国認識に賛同する人間も含めて」まともな人間なら「ほとんど誰もが賛同する阿部批判」かと思います。
 阿部氏の浅井批判のやり口は明らかに不誠実で不自然で異常ですから。論争態度として明らかにまともではない。
 そうしたものを投稿すれば阿部氏も「掲載拒否はしづらい」でしょうし、こうした俺の批判を阿部氏が受け入れて、浅井記事を紹介すればそれは意義のあることだと思います。
 とはいえ、正直なところ、たぶん、阿部氏は俺のコメントも掲載しなければ、俺の指摘を受けても「浅井記事を全く紹介しないだろう」つうことが現時点で「2万%(橋下風に)」確実に予想できますが。
 何せ「藤原記事の題名は紹介しながら浅井記事の題名は紹介しない」つうのは誰が考えても不自然で異常です。阿部氏をこの記事題名をまねれば「なんとも奇奇怪怪!」です。
 浅井記事の題名紹介など手間がかかることでも何でもない。正直、「こうした批判」は俺がせずとも、阿部氏がまともな人間なら当然に予想します。予想できないなら感覚が狂ってる。
 そしてそういう予想をした上で「あえて浅井記事の題名紹介をしなかった、批判があっても無視するつもりだった」のだとしたらこれまた感覚が狂ってます。
 「俺は浅井の文章など紹介したくない。あいつは異常な中国びいきだからだ」なんて理由が記事題名すら紹介しない理由だとしてもそんな感情論でこんな無礼なことを浅井氏にするなど全く常識外れです。論評するときに「論評相手の主張内容が読者に確認できるようにする」なんて当たり前の話です。その「当たり前のこと」を阿部氏が、浅井氏相手にしないことを正当化できうる理由はどこにもないでしょう。何せ藤原氏については記事題名を紹介しているわけですし。
 阿部氏と言い、id:Mukkeと言い、I濱女史と言い「一部のチベット支持者」は本当に「悪い意味で」常識外れで人間性を疑います。とはいえ正直な話、阿部氏やリベラル21がここまで「だめな人間」とは思ってもみませんでした。
 まあ、「それなりの著名人である浅井氏相手」にこんな無礼な態度をとるのだから、過去に阿部氏が俺のコメントを平然と掲載拒否したのも「有る意味当然」なのでしょう。
 さて阿部氏の論争態度への批判はこれくらいにして「彼の浅井記事論評」について話を進めます。なお、ここまで「氏」と敬称をつけましたが、俺は彼のことを人間として信用も評価も尊敬もしてないので以下は「阿部」と呼び捨てにします。

私はあまり浅井氏を知らないが、一時期は中国問題の専門家として泰斗と称えられたかたである。

 本当に「あまり知らない」のか、「浅井氏の中国認識に『中国びいきが酷すぎる』と憤激して故意に小物扱いしようとしてるのか*5」知りませんが、「あまり知らない」と公言するあたりがすごいですね。
 これが「浅井氏と個人的交際がない」レベルならまだしも、護憲派を自称する阿部が「浅井氏の本を全然読んだことがない」つうなら一寸呆れますね。正直、まともな人間なら恥ずかしくてこういうことはあまり書かないんじゃないか。
 それにしても「一時期は中国問題の専門家として泰斗と称えられたかた」て。今は違うとでも言うんでしょうか?。「こんな悪口を書く必要はどこにもない」のに阿部も全く失礼な男です。
 俺なら

 一時期は、なんてのは『今は違う』といってるようで失礼ですね。そうした見方は必ずしも一般的見解じゃないでしょう。一方、彼は専門家であっても泰斗(日本を代表する専門家、いわゆる大御所)かどうかは意見が分かれるでしょう。ここは『私はあまり浅井氏を知らないが、中国問題の専門家として知られる方である』くらいに無難に書けませんか?。そもそも「一時期」とか「泰斗」とかこの話の本論に関係ないでしょう?

といいますがそういう忠告はリベラル21からなかったんですかね。まあ、そういう忠告しても阿部は聞きそうにありませんが。
 一方で

 一時期はノーベル平和賞受賞者として世界から注目を集めたダライ・ラマ

なんて誰かが書けば「一時期とは何だ!。ダライ猊下は今でも世界が注目してる!」とマジギレするのが「ダライ盲従分子」阿部でしょう。なんともでたらめな野郎です。

 浅井氏は、習近平外交の本質は、その最大のポイントが脱パワー・ポリティックスを目指すことにある。

 これについては
■浅井基文ブログ『中国をどう見るか』
http://www.ne.jp/asahi/nd4m-asi/jiwen/thoughts/2018/1045.htmlでは、

 私はすでに7月8日のコラムで、習近平外交の本質について、その最大のポイントが脱パワー・ポリティックスを目指すことにあることを指摘しました。

と書かれていますので、7月8日付けコラム
■浅井基文ブログ『脱パワー・ポリティックスを志向する習近平外交』
http://www.ne.jp/asahi/nd4m-asi/jiwen/thoughts/2018/1050.html
を紹介しておきます。
 『脱パワー・ポリティックスを志向する習近平外交』といっていいかはともかく阿部や藤原氏のように「中国の脅威」ばかりを云々するのは浅井氏が言うように適切ではないでしょう。
 たとえば一帯一路は「一定の協調関係が必要」であり単純なパワーポリティクス(政治力、経済力、軍事力などをバックにした中国のごり押し)でどうにかなるもんじゃないからです。そもそも「中国に限らず」単純なパワーポリティクスが押し通せる国などあえていえば「超大国アメリカ」くらいでしょう。
 そしてNATOなどの軍事同盟の存在を考えれば、欧米諸国も大なり小なりパワーポリティクスです。
 個人的には浅井氏のいう『脱パワー・ポリティックスを志向する習近平外交』とは『脱パワーポリティクス』というよりは

NATOやG7を中心とする欧米型パワーポリティクス(欧米型軍事外交)に、一帯一路など非軍事的手法(経済的手法)*6で対抗する中国

とでも理解すると適切なのかなと思います。
 欧米型パワーポリティクスを手放しで支持するのでない限り、また「中国以外にこれこれこうした欧米型パワーポリティクスへの現実的対抗がある(だから中国の一帯一路などに何ら期待しなくていい)」と理解しない限り、俺個人は浅井主張にある程度共感、同意せざるを得ないと思います。つうか俺個人は「手放しの賛同ではない」にせよある程度浅井氏に同意、共感しますね。
 ふと思ったのですが、浅井氏は「中国が脱パワーポリティクスだ」と本心思ってると言うよりは「中国をパワーポリティクス、大国主義と非難する人間(例えば藤原氏や阿部、リベラル21)に聞きたいが、ならば米国をリーダーとするNATOやG7はパワーポリティクス、大国主義ではないのか。米国主導の大国主義、パワーポリティクスはいい大国主義だなどというのは米国側に立つことを日本の国益に資するとする立場によるものに過ぎないのではないか。そんな人間に中国を大国主義などと批判する資格などない」という皮肉なのかもしれません。

 この8月20日中国を公式訪問したマレーシアのマハティール首相は、李克強首相に前政権が中国政府系企業と契約した「東海岸鉄道」の工事の中止を通告した。そのうえで首脳会談後の共同記者会見で、「われわれは新たな植民地主義が生じる状況を望んでいない」と発言したのである。

 なぜか阿部やリベラル21は軽視してるようですがマハティールが「われわれ(中国&マレーシア)」としている点が重要ですね。マハティールは「鉄道契約をごり押ししたらそれは新植民地主義ではないか」と中国を牽制したわけですが、その牽制において「建前に過ぎない」としてもマハティールは「中国は新植民地主義に反対の立場のはずだ」と主張したわけです。これは阿部の主張とは違いむしろ「中国は脱パワーポリティクスを目指してる(少なくとも建前上は)」という浅井主張を裏付ける事実ではないのか。

 旧聞かもしれないが、2017年中国はスリランカのハンバントタ港を租借地とした。

 別記事でも書きましたがハンバントタにおいて中国がリースを受けたのは「港の運営権」です。
 つまり「是非はともかく」、「中国企業が港を運営し、その上がりを収益としていただく」という話にすぎません。
 その地区一帯の行政権限など握っていないのだから「香港(英国統治)やマカオポルトガル統治)」「返還前の沖縄(米国統治)」などと違い、全然租借地ではない。
 それが租借地なら例えば、翁長県政下においても「返還後の沖縄米軍基地」なんかも租借地になるでしょう(米軍基地での米軍の振る舞いのひどさはひとまずおきます)。
 従ってこの駄文以降の

 インドの手前、中国は軍事利用はしないとされているが、程度の差こそあれ租借国は租借地の管理統治権をもつのが通例である。
 「99年租借」は、1898年イギリスが弱体化しつつあった清朝を脅して香港北部の九龍半島を租借したのと同じ長さである。帝国主義にやられたことを「大国主義」でないはずの大国中国がやっているのだが、浅井氏はどうお考えか。

は端的に言って間違いです。そもそも租借地ではありませんので。浅井氏もこれを読んだら「阿部やリベラル21のバカさ」に呆れるんじゃないか。
 事実認識がここまで間違ってるつうのも酷い話です。阿部の個人ブログならまだいい。
 これを「リベラル21サイトに掲載したリベラル21運営者は何を考えてるのか」つう話です。
 「阿部の原稿をまるきりチェックしていない」のか。はたまた「港の運営権リース」と「租借地」の区別もつかない「法律や政治に無知な」バカが原稿をチェックしてるのがリベラル21なのか。
 「阿部先生の原稿にはどんな形であれ口出しなんかできない。我々にとってあまりにも偉大なお方だから」という阿部治平真理教、阿部治平崇拝、阿部治平盲従がリベラル21なのか。
 いずれにしろ馬鹿げた話です。
 何が

http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-4490.html
 私たちは護憲・軍縮・共生を掲げてネット上に市民のメディア、リベラル21を創った

か、笑わせるな、租借地云々とデマ垂れ流す「産経レベルの反中国」は黙ってろって話です。

 朝日の藤原氏は、王毅*7外相の「日本側がこの現実を率直に受けとめないと、中日関係を発展させるのは難しい」ということばを引いているが、この意味するところは「日本は中国の目下の位置にあることを認識せよ」ということである。

 そんなことは言ってないでしょう。どこの世界に「お前は俺より格下だ」なんて公言する人間がいるのか。
 王氏の言ってること「この現実」とは「日中両国はもはや密接な経済関係があり日本が中国を敵視できる関係ではない」「また日中国交正常化当時(1970年代)はともかく中国は今や経済大国、政治大国であり、日本に一方的に目下の存在として見下される存在ではもはやない」「もちろん安倍自民を支持する極右層(例:産経)の南京事件否定論や首相靖国参拝支持など論外だ」つうことです。
 つまりは「対等な立場での日中友好以外に日中関係の発展はあり得ない(王外相)」つうある意味当たり前の話です。中国に限らず、どこの世界に「うちの国を敵視してもかまいません、見下してもかまいません」なんて国があるのか。

「中国は鋭意絶対的貧困の解消に取り組んできたが、今日なお5500万人の絶対的貧困層を2020年までに貧困から抜け出させることを国策として取り組んでいる現実もある。このような国にあって、個々人の政治的市民的権利の無条件な実現を要求することには無理があることを認める必要がある」というのである。

 まあ小生もそう思いますね。そうした事実(今の中国において民主主義面で問題がある)を是とは思いません。浅井氏も是とは思ってないでしょう。しかし現実的でない主張「今すぐ中国民主化」を主張しても意味がないわけです。浅井氏もそうでしょうが、小生も「それで中国に甘いだの中国シンパだの阿部や阿部のお仲間(リベラル21)が言いたいなら勝手に言ってくれ」つう立場ですね。

 中国より貧困なモンゴルなどいくつかの旧ソ連圏国家、インドやネパール、ギリシャなどをご覧なさい。完全ではないにしても、「欧米的モノサシ」でいうところの政治的市民的権利と普通選挙が実現しているじゃないか。

 で本当にそれらの国は「政治的市民的権利」が実現してるんでしょうか?。阿部やリベラル21には「カースト制って知ってますか?。インドの身分差別制度なんですが?」と聞きたくなります。
 そして「中国よりこれらの国が貧困であるらしいこと」は阿部的には「どうでもいいこと」なんでしょうか?
 あげく、中国が豊かになったことを

 改革開放以来すでに40年近い。どんな国だって毛沢東流のでたらめな政権でなければ、40年もたてば民衆の生活は多少は向上するものだ。

というのだから恐れ入ります。
 「なるほど、ということは中国より貧乏らしいモンゴルやインド、ネパール、ギリシャは過去40年間、よほどでたらめな政権なんですね?」「それとも大嫌いな中国は『中国が豊かになったことはたいしたことじゃない。40年もたてば成長するのは当然だ。一方で民主主義が不十分だ』と小馬鹿にするくせに、モンゴルやインドなどは『中国より貧乏でも民主国家だ、すばらしい』と言い出すご都合主義があなたですか?」と聞かれたら阿部はどう答えるんでしょうか?
 やはり逆ギレでしょうか?

 浅井氏は、自分のことについては「正直言って、私のような者は中国社会では生きていけないだろう。なぜならば、私のような発想・考え方のものが中国社会で自らを貫ける自信はないからだ」という。
 えっ、なぜだ?。実に奇奇怪怪!
 この疑問への浅井氏の回答は、「今日の日本を前提とするとき、市民的政治的権利も経済的社会的文化的人権もすべての国民に保障されるべきであると確信するものであり、したがって、(浅井氏は)中国における『体制批判』者と同列・同質であるから、中国社会では生きていけない、という判断を述べたものです」というものだ。
 精一杯善意に解釈しようとしたが、私にはどうしてもこの理屈がわからなかった。

 え、なんで理解できないの?ですね。浅井氏は「中国が今すぐ民主化するとは思ってない、それは非現実的だと思う。残念ながら長い目で見ないといけないと思う」が、だからといってそれを積極的に是と肯定はしていない(やむを得ない現実として受け入れている)からこそ「リベラルを自認し、政治的民主化を日本で目標とする自分が中国で、自分らしく生きられるとは思えない」と誠実に回答しただけでしょうに。
 むしろ「積極的に是と思ってない」のに「中国に住んでも自分らしく生きられると思う」という方がよほど「理解できませんが」。
 そして「ただただ中国に悪口するだけ」で「日中友好関係を築く気もなければ」、現実的な「中国の政治改革を目指す気もないらしい」、阿部とリベラル21の方にむしろ呆れます。
 「ホニャララ(例:中国の民主化)が理想だ!」ですべてが解決するなら誰も苦労しません。現実世界は勧善懲悪ではない。「理想が常にすべてかなう」わけではない。
 中国についての言説も「理想と現実をどう折り合いをつけるか」が大事です。もちろんそうした考えは往々にしてただの現実追認になりやすい。
 また「浅井氏の態度が100パー正しい」とまでは「浅井氏を支持する」俺もさすがにいいません。批判は当然あっていい。
 しかし阿部やリベラル21のような「現実無視の空想的理想論」に何の意味があるんでしょうか?

 日本人には自由権社会権も保証されてしかるべきだが、中国人にはそのようなものは必要ないといいたいようだ。

 「社会権って日本語知ってるの?」と阿部には言いたいですね。
 浅井氏は「まずは中国では豊かになること(つまり社会権の充実)が必要だと思う」としているのだから、「社会権は必要ない」などとは言ってないでしょうに。自由権にしても浅井氏は「必要ない」としてるのではなく「残念だが中国での政治改革は漸進的にすすめるしかない」としているだけです。

 浅井氏の議論が中国の医療制度の向上、貧困人口の著しい減少などを高く評価したくだりに至って、私にもようやくわかった。氏は中国民衆の現実生活をまるで知らないまま、民主だとか人権について発言しているのだ。改革開放以来すでに40年近い。どんな国だって毛沢東流のでたらめな政権でなければ、40年もたてば民衆の生活は多少は向上するものだ。

 「中国の現実生活を浅井氏なりに理解してる」からこそ「今すぐの民主主義は無理だ」「一方で経済や福祉の面は昔に比べれば大分良くなった(もちろん北欧の福祉国家などと比べればまだまだですが)」と判断してるんじゃないですかね?。
 そして

中国の医療制度の向上、貧困人口の著しい減少などを高く評価

することが何か問題なのか。「40年たてば多少は向上する」などと言い出す阿部の方こそ「反中国共産党の立場」による現実無視でしょう。
 そして繰り返しますがその「中国共産党をおとしめる屁理屈」だと阿部は「貧乏な発展途上国」は軒並み「毛沢東流のでたらめな政権だ」とでもいう気でしょうか?。まあ多分そこまでの度胸は阿部にもなく、単に中国の経済発展を不当におとしめたいだけでしょうが。

 浅井氏の議論の仕方には遠い昔の記憶があった。50年前文化大革命を熱狂的に支持した日本文化人、マスメディアの論理である。曰く、盲従。浅井氏は私よりも数年若いらしいが、こういうかたがまだいるのだ。

 馬鹿馬鹿しい。浅井氏の中国認識を「中国に不当に甘い」と阿部や阿部のお仲間「リベラル21」が考えるのは彼らの勝手です(俺個人はむしろ浅井氏に共感しますが)。
 浅井氏の主張をどう理解すれば「文革支持の論理」「中国盲従」になるのか。
 阿部の馬鹿野郎に対しては「手前の方こそダライラマ盲従だろうが。一度でも『オウム麻原からの多額の金銭受領』『日本ウヨとの醜い野合』とかダライの不祥事を批判したのか、手前!」と怒鳴りつけたくなります。
 そもそも「浅井氏の主張」を仮に「中国共産党全面支持」「一党独裁支持」と認識*8したところで当然ながら「中国共産党イコール文革」でも「独裁イコール文革」でもありません。そもそも「トウ小平の改革開放」を評価する浅井氏のどこが「文革の論理」なのか。
 「文革を否定したトウ小平」を受け継ぐ今の中国政府のどこが「文革の論理」なのか。
 つうか、こういうことを抜かす阿部やリベラル21は「安倍自民党政権が日本財界の要望に応えて、ついに一帯一路参加を表明する」など、事情はともかく中国に今すり寄ってる事実をどう思うんでしょうか?
 むしろ「中国を極端に敵視する」阿部やリベラル21の主張こそ「冷戦下の反共右翼の論理」でしょう。これが「自称リベラル」だというのだから呆れて二の句が継げません。
 まあこう書くと阿部は「団塊ジュニアだというボーガス氏は私よりももちろん何10年も若いらしいが、こういうかたがまだいるのだ。」とか悪口してくれるんでしょうが。


■産経【野口裕之の軍事情勢】「神対応」が「死に神対応」へと豹変する中国の途上国援助 対中債務一斉繰り延べで世界は平和になる
https://www.sankei.com/premium/news/180910/prm1809100006-n1.html

 クロをシロと堂々と言える「中国人になりたい」と、たまに危ない妄想をし、慌てて我に返る。

 産経も野口も「南京事件は中国のでっち上げ」など、「黒を白と堂々と言ってる」と思うのですがねえ(呆)。

 件の女性報道官は、米トランプ政権が追加関税を課す22兆円相当の中国製品リストを公表後の7月11日、定例記者会見でニコリともせず言い切った。
 「典型的な貿易覇権主義だ。中国は正当で合法的な権益を断固守る。一国主義と多国間主義、保護主義自由貿易、強権とルールの戦いだ。中国は国際社会と共に歴史の正しい側に立ち、多角的貿易体制とルールを守る」
 「各国経済が相互依存し、盛衰を共にしている。時代遅れの『ゼロサムゲーム思考』を固守し、貿易戦争を仕掛けるのなら勝者はいない」

 これに対し「お前が言うな」で片付ける野口です。日本も「米国の保護貿易主義の被害者」であることを考えれば「他の件はともかく」むしろこの件では中国と共闘すべきでしょうに。

 現代版シルクロード=巨大経済圏構想《一帯一路》は、もっとおっかない。途上国や貧困国を相手に、最初は「大型インフラの整備をお手伝いしましょう」と「互恵」を看板に仕立てて、篤志家の如き神々しさをもって近づく。
 だが、設計・工事発注先や機器・機材購入先は中国企業限定。労働者は中国から引き連れ、援助額の10倍から十数倍もの収益を自国へと環流させている。

 と悪口したところで世界各国が一帯一路を受け入れてるわけです(なお、こうした野口の悪口がどれほど正しいのかは俺は無知なためわかりません)。安倍政権も「一帯一路参加」を表明しました。

 スリランカが中国資本を借りて建設した港は経営に行き詰まり中国は昨年、借入金とバーターで99年間の運営権を取得。

 「対等な交渉」によるスリランカと中国の合意に基づく行為なら外部がぐちゃぐちゃ言う話では全くありません。借金を棒引きしない限り何らかの形で返してもらうほかないわけです。

 港は、今後1世紀の長きにわたり「中国の飛び地」と化す。

 「港の運営権のみ」が貸与されるのであって別に港が治外法権になるわけではありません。そういう意味ではこの件は香港やマカオの租借とは全然違います。

 英国は香港を99年租借した後、条約通りに返還したが、中国が契約を守るかは「?」。

 普通に考えて守るでしょうねえ。まあ「期間延長」の可能性もゼロではないでしょうが、対等な交渉による延長なら外部がどうこう言うことでもない。

インド洋の島国モルディブも1600億〜2200億円もの大金を借りたが返済が滞り、2019年中に中国への領土割譲が待ち受ける。パキスタンギリシャも「債務のワナ」にはまり、港湾の運営権を奪われた。

 どんな返済計画になるかはともかく、もちろん今時「領土割譲」なんかできるわけもない。
 それにしても「返せるかどうか甘い判断で貸した」らしい「貸す側(中国)に問題がない」とはいいませんが、「貸す側が中国と言うだけ」で、「安易な返済計画で借りる側(スリランカモルジブパキスタン)を100パー免罪し、中国の取り立て(?)を悪口する産経」にも困ったもんです。

麻生太郎*9副総理兼財務相も昨年、麻生節を炸裂させた。
 「(悪徳)サラ金にやられたようなもの」

 「安倍10月訪中」が予定される今、麻生が今もこういうバカを言うのか気になるところです。

 中国の“対外援助”は世界第4位の日本(168億ドル)に匹敵する。経済・軍事・政治といった、あらゆる正面で米国に取って代わろうとする野望への「投資」戦略なのは間違いない。

 中国もさすがに「遠い将来(50年後など)はともかく」近未来(5年、10年のスパン)においては「米国に取って代わろう」などとは思ってないでしょう。

 アフリカ53カ国の首脳が集結した3〜4日の《中国アフリカ協力フォーラム》で、習国家主席は、今後3年間をメドに6兆6千億円の援助をすると発表した。しかも、今年末までに償還期限を迎えながら返済不能の無利息借款に債務免除を認めた。

 「取り立てがきつい」というぼやきにある程度配慮したというわけです。とはいえさすがに全額棒引きはしないわけですが。

 欧州列強の植民地だったアフリカ諸国は覚醒し、中華帝国による「植民地支配」に抵抗すべきだ。筆者は「債務解放闘争」を提案する。中国による借金地獄に苦しむアフリカはじめ全当該国が一斉に債務繰り延べに走れば、中国で進む「財政破綻」に拍車が掛かる。すなわち侵略性を濃厚にする中国の超異常な軍事膨張を鈍化させ、世界平和に資する一大効果を生み出す。世界経済への連鎖を危惧する専門家も多いが、経済は立て直せる。

 正気じゃないですね。そんなバカなことをしてアフリカ諸国が中国を憤激させても意味はない。
 欧米各国も「中国経済がやばくなっても困る」つう意味でも「欧米の債務もむやみやたらに繰り延べされても困る」つう意味でもそうした動きを認めたりはしないでしょう。しかし「中国経済が衰退すれば、世界が平和になる」とか「日本が中国経済で儲けてること」を無視して良くも寝言が言えたもんです。


■産経【主張】アフリカ支援 「中国の罠」に警戒強めよ
https://www.sankei.com/column/news/180909/clm1809090003-n1.html
 産経らしい実にくだらない反中国記事です。

 天然資源に恵まれ、潜在的な巨大市場でもあるアフリカを、巨額のインフラ投資をテコに囲い込もうという戦略である。

 「中国に限らず」、基本、欧米や日本の経済支援も「アフリカ支援に限らず」そういう要素は「大なり小なり」あるでしょう。全くないわけもない。

 警戒すべきは、債務返済に窮した国々が中国の政治、軍事的要求をのまされる事態である。

 「そういう事態が生じてから言え」つう話です。

 支援の背後には勢力圏拡大や拠点構築の狙いがあるのではないか。

 「勢力圏」「拠点」の定義がわからないので「はあ?」です。
 まあ「非常に広い意味」でなら「中国に限らず」、こうした支援は「何らかの勢力圏や拠点の構築」ではあるでしょう。別にそれは悪いことでもない。
 一方、もっと狭い定義、例えば「アフリカへの軍事基地構築」などなら話は別ですが、そのあたり、繰り返しますが産経の定義が不明なのでなんとも議論に困ります。

インド洋の島国、スリランカの事例を教訓とすべきだろう。中国の支援で港湾施設を建設しながら債務返済に窮し、99年間の運営権貸与を余儀なくされた。

 こんなん基本的にはスリランカと中国の二国間問題でしょう。スリランカから「中国に港の運営権貸与したくない。日本が借金肩代わりしてくれないか。その見返りとして日本に港の運営権貸与をしてもいい」とか言う話でもない限り「日本がどうこう言う話ではない」。

 国内の人権侵害が国際的に問題視されたとき、中国はこれを無視するように接近した。

 人権無視してアパルトヘイト南アと付き合い名誉白人の称号までもらった国のマスコミ(もちろん産経はそのとき日本政府批判などせず)がこんなこと言っても説得力皆無です。現在だって日本の支援が人権重視と言えるかは甚だ疑問でしょう。

 日本が目指す支援は、中国とは違い、質が高く、透明性が確保され、持続的な成長に寄与する。

 そのように産経が主張する根拠は何でしょうか?。ただの願望?


櫻井よしこ『人権は軽視されるのか改善に向かうのか 目が離せない中国共産党内の権力闘争』
https://yoshiko-sakurai.jp/2018/09/08/7620

産経新聞」外信部次長の矢板明夫氏が、ノーベル平和賞受賞者で中国政府に弾圧され、昨年7月に事実上獄死した劉暁波*10について『私たちは中国が世界で一番幸せな国だと思っていた』(ビジネス社)で書いている。
(中略)
 劉氏も親戚中からおカネを掻き集めて200元もする高級時計を村長に贈ったというので、あの劉氏も賄賂を使ったのかと、私は意外の感に打たれた。ところが、許可をもらい、全ての荷物を馬車に積み込み、出発する段になって、劉氏は村長の家に取って返し、斧を手に村長に迫った。
「あなたには3つの選択肢がある。1つ目はこの斧で私を殺す。2つ目は私がこの斧であなたを殺す。3つ目は時計を返せ」(『世界で一番幸せ』)
 感動した。この烈しさ、芯の強さ。劉氏のかもし出すおだやかな人物像とはまた別の姿がある。

 「賄賂を使わないと戻れない」のなら使うでしょうね。「下放時代の劉」と「天安門事件後の劉」とでは、「当人の価値観」も「当人の置かれた環境」も違うから、別に俺的には意外じゃない。
 むしろ斧の話は「ホンマかいな?」ですね。おそらく「時計を返した」という落ちなのでしょうが、マジギレした村長やその取り巻きが「手前ふざけんな!」と逆襲してきたら、本当の殺し合いになってしまいます。
 事実だとしてもあまり賢明な態度とも思えません。「それで取り返したところで」賄賂を渡したという事実がチャラになるわけでもないし、「200元ははした金ではない」にせよ命かけるほどの話なのか。
 「斧を手に持ち村長を恫喝する姿に感動した!(小泉元首相風に)」というよしこの発言が本心かどうかはともかく俺は感動しませんね。つうかこれ劉だからこう持ち上げてるだけで、他の人間なら「野蛮」とか罵倒してるのがよしこじゃないか。

 天安門事件後、厳しく弾圧され始めた一群の民主化リーダーの中で劉氏が突出して人々の支持を得ている理由は、単に彼がノーベル平和賞を受けたからではない。彼は決して中国から逃げ出さず、現場で闘ったからだ。

 突出して支持を得てるんですかねえ?。「結局釈放されずムショで病死した」のに。
 そもそもよしこがここまで劉を持ち上げるのって「単に彼がノーベル平和賞を受けたから」でしょうし。

 劉氏にも海外に逃避する機会は幾度もあった。中国当局はむしろ、劉氏を海外に追い払いたいと考えた時期もあった。だが、劉氏は拒否し続けた。矢板氏はあるときなぜ逃げないのか、尋ねたそうだ。
 「子供たちが殺されたのに、ヒゲの生えたやつが生き残っているのは理不尽だ」と、劉氏は答えたという。

 まあ事実だとしても「あえて言えば」くだらない感情論ですね。「それがあなたのいいところ(山口智子の昔のCM風に)」かもしれませんが、政治的には賢明な態度とは言いがたいでしょう。結局、ムショで病死したわけですから。

 長い獄中生活で癌を患う中、劉氏はそれまで拒絶していた海外行きを当局に訴えるようになる。それはずっと自宅で軟禁されている妻の劉霞さんを自由にするためだった。

 という要素がないとは言いませんが「戦争責任問題について死ぬ直前にぼやいた昭和天皇」同様「精神的に弱っていた」のでしょう。がん病死が間近でこのままムショにいても政治的展望がない、ただ病死するだけというのであれば、「死ぬ前に家族と会いたい。ムショから出たい。海外に行けというなら行ってもいい」と思うのは人間として当然の感情です。

 暁波氏の死から約1年、今年の7月、劉霞さんは突如、出国を許されドイツに渡った。両親は亡くなっているが、弟の劉暉氏は北京にとどめられ逮捕された。劉霞さんの出国で、人質にされたのはほぼ間違いない。
 矢板氏は言う。
「いま、中国は米国との貿易戦争の真っ只中です。以前から人権問題に強い関心を示していたドイツに譲歩し、関係を深めることで、対米関係を有利に進めたいという思惑でしょう。加えて習主席の力が少し弱まり、李首相の立場が少し強まっています。つまり、中国共産党の内部の権力争いが劉霞さんへの出国許可の背景にあるのです」
 習氏が勢力を盛り返せば、人権は軽視される。李氏が力を手にすれば、中国の人権状況も少しは改善される。この意味からも中国共産党内の権力闘争から目が離せない。

 少なくとも「習氏云々」、「李氏云々」の部分は「習氏罵倒のネタに過ぎず」ろくな根拠はないでしょう。単に「国外で政治運動を組織できるほどのタマじゃない」と劉霞の能力を中国政府が見切ってるだけの話でしょうね。今のところそうした中国政府の読みは裏切られてないようです。まあ、国外で政治活動する「権利はあっても義務はない」以上、彼女が政治活動する「必要はない」わけですが。


■産経『パキスタンと中国、経済とテロ対策で協力合意』
https://www.sankei.com/world/news/180909/wor1809090005-n1.html
■日経『中国とミャンマー、経済回廊建設へ覚書署名』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35225820R10C18A9FF2000/
 パキスタンのテロ対策はともかく経済は一帯一路ですね。
 ミャンマーの「中国・ミャンマー経済回廊」ももちろん一帯一路です。
 一帯一路はもちろん「すべてがバラ色ではない」ものの、「先日のアフリカ首脳訪中」でわかるように、失敗しているとの福島香織櫻井よしこらの主張は明らかなデマです。


■浅井基文ブログ『「大国」中国の自己認識・自己規定のあり方』
http://www.ne.jp/asahi/nd4m-asi/jiwen/thoughts/2018/1061.html

 9月3日から4日にかけて、中国・アフリカ協力フォーラムが開催されました。2006年、2015年に次いで第3回目ですが、今回はアフリカのほとんどの国が参加(半数近くは首脳級です)し、習近平が自ら主催する点で最大規模のものです。中国は改革開放以前からアフリカ諸国との経済協力に注力してきましたが、本格的にとり組み始めたのは改革開放政策が軌道に乗った今世紀に入ってからであり、これまでの実績を踏まえ、今後はさらにきめの細かい経済協力を推進することを目指すのが今回のフォーラムの目的であると言っても良いでしょう。また、一帯一路を掲げる習近平外交の新たな出発を内外に明らかにするものであるとも思います。
 日本を含む西側メディアは、中国のやることについては、何事につけてもケチをつけ、あら探しをすることに余念がありません。すなわち、中国のアフリカ諸国に対する経済協力について「新植民地主義」というレッテルを貼るとか、受け入れ国に膨大な債務負担を押しつける結果になっているとかの、マイナス・イメージを植え付けることです。これはつまるところ、「No.2の経済大国として世界的に台頭する中国」がこれまでの西側主導の国際関係に関する既成概念からするとどうしても素直に受け入れられず、したがって、中国のやることなすことの何事につけても否定的評価を下すことによって、西側諸国の優越性という今や急速に瓦解しつつあるイメージを守ろうとするあがきと言っても良いでしょう。

 浅井氏の主張には概ね同感ですね。
 もちろん中国に人権問題において問題がないわけではない。
 もちろん一帯一路がバラ色で問題がないわけではない。
 しかしそれでも欧米の中国批判に説得力がないのはまず第一に「彼らがエジプトやタイの軍政など別の人権問題の多くは容認してるから」でしょう。
 第二に一帯一路を全否定するのは非現実的である。 
 第三に「欧米のODAなどアジアアフリカ途上国に対する経済支援、経済進出がバラ色だったわけではない」。そもそもは「新植民地主義」「覇権主義」とは「中国ではなく」欧米のアジアアフリカ途上国への経済支援、経済進出に対し、批判的な立場からなされた批判です。
 にもかかわらず中国に対し「人権問題」だの「一帯一路に問題ガー、新植民地主義ガー」だのいうのは浅井氏が言うように「大国として成長する中国への不安と警戒」、つまりは1980年代の「いわゆるジャパンバッシング(日本たたき)」と同類の自分勝手なものにすぎないのではないか。
 しかし先日のアフリカ首脳の訪中にはびっくりしましたねえ。「高度経済成長時代のニッポンってこんな感じだったんだろうな」感が半端ない。


■日経『日中友好ムード、経済・技術交流うたう中国の本音』(広州=中村裕
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3501569005092018FFE000/

 米中貿易摩擦エスカレートし始めた6月から中国株は下落。指標となる上海総合指数は節目の3000を大きく割り込み、足元では2700台で推移する。個人投資家が多い中国では今、「国民に最も恨まれている人物は、証券当局トップの劉士余主席」との声も挙がるほど、穏やかな状況ではない。習氏の人気にも陰りを感じる庶民は少なくない。
 そんな折り、関係の悪かった日本との間で、不自然なほど急に友好ムードがつくられ始めた。米中摩擦が白熱する最中の5月には、李克強*11(リー・クォーチャン)首相が日本を訪問。歓迎レセプションで自ら乾杯を呼びかけ、日中の友好関係と経済交流の重要性を訴えて見せるのに躍起となった。中国側の不自然な積極性に違和感を覚えたので周囲の中国人ビジネスマンにも理由を聞いてみた。
「今の日中友好ムードに違和感を感じますが、本物でしょうか?」。
 多くの中国人の答えもノー。
「貿易問題で、今は中国が大変な状況だから、技術がある日本を抱き込み、利用したいのでしょう」。
 何とも現実的な答えが相次いだ。
 友好ムードをなんとか演出し、日本との経済、技術交流でこの難局面を、少しでも乗り越えたい中国側の思惑が見え隠れする。
 過去にも中国は厳しい局面を迎えるたび、日本側に技術交流を持ちかけ、日中の友好ムードは不自然につくられて来た。だが、危機を乗り越えたのち、その後、いとも簡単に友好ムードが消えていったことは、もう忘れるべきではない。

 日経とは思えない産経テイストあふれる反中国記事です。何も、昔も今も「日中友好」は「中国が一方的に日本にすがりついてる」なんて関係ではなく「日本財界も中国ビジネスで儲けたい」つう関係なのですが。日本財界もそんなに「善意の塊」でも「中国にいいようにあしらわれるバカ」でもない。
 大体「いとも簡単に」て友好ムードが阻害されたのは「小泉*12靖国参拝」「野田*13内閣尖閣国有化」「安倍*14靖国参拝」などちゃんとした理由があるわけですが。中国も意味もなく日本批判なんかしない。


■人民中国『稲山嘉寛氏*15と鉄鋼協定』 (筆者は林連徳、元中国対外貿易部地区政策局副局長、元駐日中国大使館商務参事官。)
http://www.peoplechina.com.cn/maindoc/html/35year/caihong/ch-02.html

・1958年早春、私は広東省深せんの羅湖橋のたもとへ「日本鉄鋼代表団」を出迎えに行った。
・この代表団のリーダーが(ボーガス注:後に八幡製鉄社長、新日鉄社長となり?)「鉄鋼界の天皇」と称された、八幡製鉄常務取締役(当時)の稲山嘉寛氏(1904〜87年)であった。
・この年の春節旧正月)休暇には、北京飯店中楼会議室で昼夜を分かたず中日双方の鉄鋼取引が行われた。しかし一週間がたっても、取引価格を互いに譲らない膠着状態が続いていた。日本側が断念の色をにじませ、商談はもはや決裂寸前といった様相だった。
 この時、稲山氏が私に話しかけた。「周恩来総理にあてた高碕達之助氏(東洋製罐社長、後に岸内閣通産相)の推薦状を持参している。商談もどうやらまとまりそうにないので、周総理をお訪ねしたいのだが……」という。高碕氏と周総理は55年のバンドン会議インドネシアの都市バンドンで開かれたアジア・アフリカ会議)で知り合っていた。
 私は驚き、急いで指導部に報告した。取引の指揮をとった廖承志氏(周総理のもとで対日政策担当、後に中日友好協会会長、全人代副委員長)はそれを聞くとすぐにホテルにやって来て、日本側に政府の意向を伝えた。温厚な廖氏の人柄もあってかそれまでの険悪なムードが一変し、穏やかな雰囲気となった。そして迅速な手配により、全員が中南海の紫光閣で周総理と会見することができたのである。
 周総理との会見は長時間にわたって行われ、これにより期限を五年とする長期鉄鋼協定がついに落着した。中国は砂鉄と石炭(原炭)を日本の鋼材とバーターする。輸出総額は双方ともに一億英ポンド。一行は破格の扱いを受けて早朝、中南海での協定調印式に臨んだ(『中日鉄鋼長期バーター協定』締結)。稲山氏一行はその後すぐに空港へ向かい、空路広州へと旅立った。インドでの商談に出席するためだった。同協定締結の電撃的なニュースは、日米の各メディアに大々的に報道された。
・72年の中日国交正常化後、彼は日中経済協会会長に就任。またすぐ後に「財界総理」と称される経済団体連合会経団連)会長の任に就き、ほとんど毎年のように日本財界名士の訪中団を組織した。
 長年の交渉と熟考を経てついに七八年、中国の石油と石炭を日本のプラント、建設機材と交換する大規模な『中日長期貿易協定』が調印された。それは中国の改革開放や外資導入、共同開発、経済協力の拡大を促す第一歩となっている。
・稲山氏に最後に会ったのは86年、『中日長期貿易協定』のための定期会合の折だった。私は中国中日長期貿易協議委員会の劉希文主任らを伴って、彼と昼食を共にした。同席したのは、斎藤英四郎(新日本製鉄会長)、平岩外四東京電力会長)、河合良一*16(日中経済協会会長)諸氏だ(斎藤、平岩両氏はその後、稲山氏の後任としてそれぞれ「財界総理」のポストに就いた)。

 国交のない時代(1958年)ですらこうして日本財界人(この場合、稲村氏ら鉄鋼業界関係者)は中国との友好関係構築に努めていたわけです。


■山岡淳一郎*17『気骨:経営者 土光敏夫の闘い』(2013年、平凡社)』から:『中ソ訪問で起きた経団連襲撃事件』
http://webheibon.jp/dokotoshio/2012/09/post-13.html

・政治で国交回復の「井戸を掘った人」は田中角栄*18元首相だが、経済界で真っ先に中国の扉を叩いたのは土光敏夫*19であった。 
・土光は、中国の経済発展の役に立ちたいと願い、まずは石油や石炭など中国の天然資源を日本に輸入し、それに見合うプラントを中国に立ち上げて、産業の近代化を図ろうと考えた。その方向で関連大企業の首脳に参加を呼びかける。訪中団は随員を含めて総勢50人ちかくに膨らんだ。
・日中の経済界に新たなパイプを通した土光は、翌76年8月、こんどはソ連へと足を向け、したたかな近隣外交を展開した。
・モスクワでソ連商工会議所会頭らと科学技術や原発関連の協力について話し合った後、避暑地のヤルタに滞在中のブレジネフ書記長に会いに行った。
・エネルギー資源をめぐる経済協力の重要性を語り、日本の経済界は前向きだと伝えた。
・土光とブレジネフがくつろいだ雰囲気で談笑している写真が新聞に掲載された。
・帰国した土光を待っていたのは非難の嵐だった。「経済優先のために、北方領土をないがしろにするのは許せない」と糾弾されたのだ。横浜市鶴見の土光の自宅に2日間にわたって右翼グループが押しかけた。
・そして1977年3月3日、事件は起こった。
 午後4時、東京・大手町の経団連ビルに散弾銃や日本刀を持った背広姿の4人の男が押し入った。「新右翼」といわれる民族派右翼のメンバーたちだった。
・だが、土光は自らの信念を曲げはしなかった。経団連襲撃事件からひと月も経たないうちに、またも経団連訪中団を組織して中国を訪れた。新日鉄会長の稲山嘉寛ら8人の副会長も同行している。中国の工業化を懸命にサポートした。そうした流れから、1977年12月、上海に国策の製鉄所「宝山鋼鉄」が設立され、新日鉄が全面的に支援をする形が生まれていく。
 かくして歴史の紆余曲折を経て、日中の経済パイプはつくられたのだった。

 いわゆる「土光臨調」「めざしの土光*20」で知られる土光敏夫を描いた山岡氏の著書『気骨:経営者 土光敏夫の闘い』(2013年、平凡社)の一部が本の広報宣伝として平凡社サイトに掲載されたのを紹介しました。
 「国交正常化後」真っ先にたたいたのは土光かどうかはひとまずおきます(なお、この記事の筆者・山岡氏はそうした土光をもちろん日中友好に貢献したと褒めてるわけです)。
 まあ財界なんてのは昔からこんなもんです。ソ連だろうが中国だろうが金儲けになるなら付き合うわけです。「櫻井よしこのような右翼とは違う」わけです。まあよほどの極右でもない限り、大物財界人・土光を「中国の飼い犬呼ばわり」はできないでしょうけど。よしこも多分そこまで乱暴じゃないでしょう。


櫻井よしこ*21『「中国は世界一」の幻想を脱した二人』
https://yoshiko-sakurai.jp/2018/09/06/7605
 本当に石平*22矢板明夫*23が子どもの頃そんなことを考えていたのかは知りません。
 しかし「中国は世界一を脱した」というこの二人は今やプロ右翼活動家となって「日本は世界一だ。だから日本を非難する奴は間違ってる。南京事件なんか中国のでっち上げだ」などとデマ飛ばしてるのだから話になりません。まあそういうデマを飛ばしてるのは櫻井よしことよしこが理事長の右翼団体・国基研もそうですが。

 習近平*24国家主席の甘い罠に誘われ、前のめりになっている日本の政治家や経営者全員に読んでほしい警告の書が、『私たちは中国が世界で一番幸せな国だと思っていた』(石平、矢板明夫著、ビジネス社)である。

 「甘い罠って一帯一路のことですか?。前のめりになってる日本の政治家って安倍自民党ですか?。経営者って日本経団連とか経済同友会とかの大企業ですか?」と聞きたくなります。おそらくその通りなのでしょうが、「安倍自民万歳」のためそうはっきり書けないよしこも哀れです。つうかウヨの中国悪口本なんか読んでも誰も考えなんか変えません。よしこですらそんなことはわかってるでしょう。

 毛沢東の死で文革が終わり訒小平の時代になると、公開処刑は一旦中止された。だが矢板氏はそれが習政権下で復活していると指摘する。

 「中国、公開処刑」でググってもいい記事がヒットしないので「中国が現在、公開処刑してるのか」「公開処刑してるとしてそれは習政権になってから復活されたのか」はなんとも評価できません。何かいい情報がある方はご教示いただければ幸いです。もちろん小生は公開処刑など支持しません。小生はそもそも「死刑えん罪の観点などから」死刑反対の立場ですが、死刑支持の立場でも公開処刑を支持する人はまずいないでしょう。
 「マフィア犯罪が蔓延して犯罪撲滅に手段を選んでられない」的なアナーキーな状況でもない限り公開処刑なんか支持はできません。
 よしこらの指摘が事実ならその限りにおいて中国政府を批判しますが、それと一帯一路参加はまた別問題でしょう。
 大体「日本が経済、文化交流のある国は公開処刑してる国は中国以外全然ありません」なんてこともないでしょうし。

 矢板氏は幼い頃から国際政治に興味があったという。1979年のイランの米大使館人質事件、その翌年のイラン・イラク戦争、80年のジョン・レノン射殺事件などを、氏は中国で見ている。中国当局の色メガネを通しているため、中国共産党と同じ見方になる。
 それは「どんどん中国が強大化する一方で、米国が駄目になっていく」という感覚だったという。

 「どんどん日本が立派になっていく一方で中国はだめになっていく」というデマを「石らお仲間ウヨ」と一緒に垂れ流してる奴がよくもいったもんです。
 なお、レノンの死はともかく「イランでの出来事」は「米国がだめになっていく」かはともかく中東での米国に対する「イスラム思想に立脚した大規模な異議申し立て」ではあったわけです。

 フィリピンの訴えを仲裁裁判所が全面的に支持し、中国の領有権を否定したとき、判決を「紙クズ」だと斬り捨てた。

 といったところで実際には「紙くずだ」ですむ話でもないので

https://www.sankeibiz.jp/macro/news/180428/mcb1804280500015-n1.htm
・ドゥテルテ*25大統領が就任した16年、中国からの対フィリピン直接投資は約20倍の水準に膨れ上がった。
・フィリピン財務省によれば、中国は今、マニラの橋2本のプロジェクトを含む、さまざまなインフラ事業向けに73億4000万ドルの融資・援助を約束している。

などでわかるように中国はドゥテルテ大統領を懐柔するために多額の経済支援を行ったわけです。
 「紙くず」呼ばわりしていい訳ではありませんが、あれは「ある種の虚勢、強がり」であって本当は「紙くずですまないこと」位は中国も理解しています。ドゥテルテ大統領の側もそれを理解して判決を利用して中国から経済支援を引き出したわけです。
 判決を振り回しても中国に憎まれるだけなので、『判決は塩漬けにするからその代わりに経済支援してください。そうすれば判決を理由に中国に悪口するようなフィリピン人も大多数は支援を喜んで、中国への悪口は辞めるでしょう。支援を機にフィリピンに進出すれば中国も金儲けができるしマイナスではないはずです』とうまく中国から金を引っ張ってきたわけです。まあドゥテルテという人間も「人間性はともかく」その政治手腕はなかなか侮れません。
 なお、フィリピン判決では「人が住めないような島*26国際法上の島に当たらない。それは島と違い法的権利の発生しない岩礁(岩)でしかない」という論理が展開されてますので矢吹晋*27横浜市立大学名誉教授(中国近現代史)が
■21世紀中国総研『南シナ海におけるフィリピンと中国との仲裁裁判所「仲裁判断」の功罪:内閣機密費に酔い痴れる新聞記者たちの判決誤解』
http://www.21ccs.jp/china_watching/DirectorsWatching_YABUKI/Directors_watching_89.html
■ちきゅう座『南シナ海判決と沖ノ鳥島の運命』
http://chikyuza.net/archives/69262
などで指摘するように、「少なくとも日本にとっては」この判決は手放しで喜べる判決ではありません。
 日本は「人が住めない島・沖ノ鳥島*28」を理由に「領海や排他的経済水域」を主張し、一方、中国、台湾、韓国などは「沖ノ鳥島なんか国際法上の島じゃない、だからあんなもんで日本の領海や敗退的経済水域は広がらない」としているからです。
 論理上は矢吹氏が指摘するように「フィリピン判決を認めるなら沖ノ鳥島は島ではない」し、「沖ノ鳥島が島だと日本がいうなら、『紙くず呼ばわりはできない』にしても、中国のように何らかの形でフィリピン判決を批判せざるを得ない」。矢吹氏は「フィリピン判決をすべて認めた上で沖ノ鳥島は島というのは無理だろう。どちらかを否定せざるを得ない」としていますが俺も同感です。
 そして、「反中国だけで話を進め、この件で中国非難しかしない安倍政権とそれにおつきあいするマスコミには呆れる、沖ノ鳥島とフィリピン判決の関係についてどう考えてるのか?」という矢吹氏には全く同感です。よしこも含めウヨ連中も「沖ノ鳥島とフィリピン判決の関係についてどう考えるのか」まともな主張は結局しません。今のところ「沖ノ鳥島は訴訟に至っていません」が、だからといって今のようにすっとぼけていい話ではないでしょう。

 昨年秋の共産党大会では、世界に君臨するのは中国だと事実上宣言した。

 そんなことはさすがに言ってないと思いますが。よしこが具体的発言を引用できない上「事実上の宣言」としてる点が実に怪しいですね。

 中国経済が確実に悪化し、一帯一路に代表される大戦略もほころび始めた

 安倍が「5月の李首相訪日」で一帯一路支持を表明し、先日は大挙して訪中したアフリカ諸国首脳が一帯一路支持を表明したのに良くもデマが飛ばせるもんです。

 経済回復が不可能なら、民族主義が次なる求心力にならざるを得ない。それは自ずと対外拡張路線につながる。石氏は、習氏が「国内矛盾を克服するためにも、戦争を仕掛ける可能性がある」と指摘し、矢板氏は、台湾がターゲットだと断言する。台湾奪取のシナリオのために、習氏は、専門家をロシアに派遣し、2014年にロシアが如何にしてクリミア半島を奪ったか、詳細に研究中だと明かす。

 ばかばかしい。ウクライナ、ロシア関係と中台関係と全然違うでしょう。そもそも「台湾侵攻など欧米の批判を浴びて政治的に無理(それ以前に軍事的に可能かも微妙)」つう理解から、中国は「台湾とブルキナファソなどとの断交作戦」など非軍事的手法で台湾を締め付けてるわけです。

 台湾の後には沖縄が狙われる。中国の沖縄に対する目論見は日本からの独立だ。沖縄を中国の朝貢外交に組み入れ、日本を牽制するためだと矢板氏は説明する。

 完全なデマですね。矢板もさすがに本気じゃないでしょう。これが外報部次長だというのだから産経も呆れた会社です。

 沖縄独立論を唱えるのは少数の日本人だ。彼らと中国側の連携で、中国や国連で「琉球独立」に関するシンポジウムや会見が行われていることを、本欄で私も報じてきた。

 「沖縄独立論者は中国の手先」だそうです。なるほど「沖縄独立論を唱えた」id:Mukkeさんは中国の手先だったわけです(よしこ、産経・矢板ら「反中国右翼」およびMukkeへの皮肉のつもり)。
 まあチベット問題で中国批判する彼が中国の手先の訳もないですが。
 つうか沖縄に限らず「独立論の是非や支持者の多い少ない」はともかく「チベットウイグルの独立論(中国)」「スコットランド独立論(英国)」「カタルーニャバスク独立論(スペイン)」「ケベック独立論(カナダ)」などと世界中に独立論はあるでしょうにねえ。よしこなんぞもチベット独立支持みたいなこと言ってるわけですがやはりそれは「中国への嫌がらせ」であり、だからこそ「沖縄独立論は中国ガー」ということでしょうか。
 いずれにせよあまりバカなことを言ってるとよしこらは沖縄独立論者や中国政府から名誉毀損で訴えられてもおかしくないでしょうね。
 大体、沖縄独立論の背景にあるのは基地問題ですからそれを解決すればいいのですが、まあよしこらウヨは「米軍が沖縄から撤退すると中国が攻めてくる」と言い出すのでしょうねえ。まあI濱Y子女史も以前そんなバカなことを言っていたことはid:Bill_McCrearyさん記事『I濱Y子*29のブログ記事がひどい』
https://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/934d9337690a36ae6111198cb3bc3ad2
を見ればわかりますが。

沖縄独立論者がごく少数派だからと言って過小評価していてはとんでもないことになる。

 もちろん「少数派」である以上、「日本からの独立」などという「とんでもないこと」には「遠い将来はともかく」当面は全然なりません。かつよしこの言うような「クリミアケース」なんか起きようもないし。
 「クリミア独立派(親ロシア派)にロシアが軍事支援して、独立宣言させて最終的にロシアのクリミア併合ガー、沖縄でも中国によって同じ路線ガー」なんて、よしこらの放言は「よしこですら信じてない」悪質なデマに過ぎません。大体どうやって沖縄住民に中国が軍事支援なんかするのか。ロシアにおけるクリミアと違って、中国と沖縄は地続きでもないのに。

 両氏は、中国にとっての日本を北京ダックにたとえている。皮は餅皮に包み少しタレをつけて、肉は炒めて、骨はスープにして食べ尽くす。三度満喫できる。その心は、第一に中国共産党は日本と国民党を戦わせて政権をとった。第二に改革開放で日本の資金と技術で中国の経済成長を支えさせた。最後に愛国反日教育を徹底して国民を束ねた。骨までしゃぶられてきたこと、現在も危うい情勢であることに、好い加減気づくべきだろう。

 ばかばかしい。第一について言えば別に「戦わせた」わけではありません。中国共産党の意思に関係なく「中国完全植民地化」を目指す日本が「蒋介石国民党完全打倒」を目的に戦争したに過ぎません。
 それが結果として「中国共産党を利した」としてもそれは結果論です。国交回復後の日中貿易にしても日本も大いに儲けたわけで「骨までしゃぶられてきた」なんて話ではない。
 例えばNHKテレビドラマ「大地の子」に出てくる「中国進出した製鉄企業の社長」のモデルは新日鉄の稲山嘉寛社長だというのは有名な話ですが、もちろん新日鉄だって「贖罪意識や日中友好意識はゼロではない」かもしれないがやはり結局は「金儲け」のわけです。
 反日教育にしてもよしこらが勝手に言ってることです。それが事実なら中国人観光客の爆買いだの、中国のドラえもん人気などあるわけがない。

 両氏の対話は米中の究極のディールにも及ぶ。米中間で台湾と北朝鮮の交換、即ち北朝鮮の核とICBMをやめさせる代わり、中国の台湾侵攻に米国は介入しないというものだ。

 もちろん「台湾侵攻」を米国が認めることは絶対にないでしょう。その前に「核とICBM」を中国が圧力をかければ北朝鮮がすぐ辞めるつう理解も間違いでしょう。ということでよしこの紹介を信じる限り読む必要のないクズ本ですね。


■産経『公明党山口那津男*30代表が中国訪問、習近平国家主席ら要人と会談へ』
https://www.sankei.com/politics/news/180905/plt1809050005-n1.html
■産経『公明・山口那津男代表、中国序列4位と会談 安倍晋三首相の親書手渡す』
https://www.sankei.com/world/news/180906/wor1809060023-n1.html
東京新聞『日中、9月下旬に初会合へ 「一帯一路」協力具体化』
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2018083001001976.html

https://www.sankei.com/politics/news/180905/plt1809050005-n1.html
 公明党山口那津男代表は5日午前、中国を訪問するため羽田空港を出発した。9日まで滞在し、習近平国家主席ら要人と会談し、習氏に宛てた安倍晋三首相の親書を手渡す。
 山口氏は出発に先立ち、「日中関係を万代の友好につながるよう固めたい。首相から関係改善の意気込みを親書にしたためたと聞いている。習氏にお会いして、直接、届けたい」と述べた。

https://www.sankei.com/world/news/180906/wor1809060023-n1.html
 中国を訪れている公明党山口那津男代表は6日、中国共産党序列4位の汪洋*31(おう・よう)人民政治協商会議主席と北京で会談し、習近平国家主席にあてた安倍晋三首相の親書を手渡した。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2018083001001976.html
 日中両政府は、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」を巡る協力について話し合う官民合同委員会の初会合を9月の最終週に北京で開く方向で調整に入った。両国企業が共に参入できる第三国でのインフラ整備案件の具体化を目指す。10月23日前後を見込む安倍晋三首相の訪中に向けた地ならしの一環。日中関係筋が30日、明らかにした。
 日本は習近平国家主席主導の一帯一路に協力する姿勢を示し、来年6月を想定する習氏来日へ日中関係改善の流れを加速させる。

 まあどう産経らウヨが強弁しようとも、明らかに安倍は「経済的利益(財界の要望)」からでしょうが、日中友好に舵を切っているわけです。


■産経『マレー半島高速鉄道、建設延期発表 日中の入札も取りやめ』
https://www.sankei.com/world/news/180905/wor1809050043-n1.html
 結局マレーシアの鉄道の話は「日本の入札もしません」ですから「一帯一路がどうこう」というのとは少し話がずれるわけです。結局「鉄道がペイしないからやりません」つう話の訳ですから。


■産経『陳水扁元総統の本紙インタビュー 台湾政界に波紋』
https://www.sankei.com/world/news/180905/wor1809050041-n1.html
 そりゃ刑期満了したわけではなく、病気治療を理由に仮釈放された奴がこんなことをやれば「病気じゃないじゃないか!。収監したらどうなんや!」つう声が「特に陳に批判的な国民党方面」からでるのは当たり前の話です。
 産経だって「お友達」陳だから大目に見てるだけで産経の気にくわない政治家がこんなことをやれば、「病気じゃないじゃないか!。収監したらどうなんや!」と言い出すでしょうね。


■中国「一帯一路」覇権街道の「いま」(下):タイ、マレーシア、ミャンマー、そして日本(樋泉克夫*32
https://www.jiji.com/jc/v4?id=foresight_00239_201809050001

 2017年にカンボジアに投じられた外資の53%は、中国資本が占める。「一帯一路」を掲げて嵩にかかってカンボジアに進出する中国からは、過去2年の間に官民合わせて30億ドル近い資金が投入されたとも伝えられる。カンボジア最大のシハヌークビル港の再開発のために2016年から今年3月にかけて投じられた13億ドルのうち、11億ドルは中国資金だ。
 フン・セン政権はシハヌークビル港周辺の広大な土地(バチカンの20倍に相当)で、2020年完成を期して経済特区の建設を進めている。さしずめ「カンボジア深圳」といったところだろうか。ここに中国から300余の製造業者が進出し、1万人余の雇用機会を創出するという。すでに100余の企業が進出し、一帯一路に沿ってカンボジアと周辺国、さらにヨーロッパ市場との中継基地化を狙っている。
 目下のところ中国が絡んだと伝えられているインフラ建設は、プノンペン*33シハヌークビル港間の幹線道路、発電所建設、海洋石油探査など総計42億ドル規模に達する。

 樋泉某は反中国右翼なので、「覇権」「嵩にかかって」などと全体の論調は中国への敵意むき出しですが、客観的記述は「中国の経済力を示すもの」としてそれなりに勉強になります。

*1:実際に日本企業が参加するでしょうからもちろんリップサービスではないわけです。

*2:著書『もうひとつのチベット現代史:プンツォク=ワンギェルの夢と革命の生涯』(2006年、明石書店)、『チベット高原の片隅で』(2012年、連合出版)など

*3:欧米やロシア、韓国、インドなど「他の国の対中関係」はさておき日中が迷走するのは「現首相・安倍が歴史修正主義極右だから」です。だからこそ日中だけでなく日韓も迷走していますが、そうした「日本人としての反省の心」は阿部治平にも藤原氏にもどうやらなさそうです。「民主化した韓国」と日本との関係がギクシャクしてることでもわかるように当然ながら「民主化云々」と日中関係は全く関係ありません。

*4:元外務省中国課長。日本大学教授、明治学院大学教授、広島市立大学広島平和研究所所長など歴任。著書『新ガイドラインQ&A』(1997年、青木書店)、『平和大国か軍事大国か』(1997年、近代文芸社)、『中国をどう見るか?』(2000年、高文研)、『集団的自衛権日本国憲法』(2002年、集英社新書)、『戦争する国しない国』(2004年、青木書店)、『13歳からの平和教室』(2010年、かもがわ出版)、『ヒロシマと広島』、『広島に聞く 広島を聞く』(2011年、かもがわ出版)、『すっきりわかる! 集団的自衛権』(2014年、大月書店)など

*5:もしそうなら阿部治平という男も本当に狭量なバカ男です。いや俺は以前から阿部がまともな人間だとはかけらも思ってませんが。

*6:もちろんそこには中国が欧米相手に軍事的に対抗しがたいという面もあるでしょうが。

*7:駐日大使、中国共産党中央台湾工作弁公室主任(国務院台湾事務弁公室主任兼務)などを経て国務委員(外交担当)兼外相

*8:俺はそうは認識しませんが

*9:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)を経て首相。現在、第二〜四次安倍内閣副総理・財務相

*10:著書『天安門事件から「08憲章」へ』(2009年、藤原書店)、『最後の審判を生き延びて』(2011年、岩波書店)、『「私には敵はいない」の思想』(2011年、藤原書店)など

*11:共青団中央書記処第一書記、河南省長・党委員会書記、遼寧省党委員会書記、副首相などを経て首相(党中央政治局常務委員兼務)

*12:宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相を経て首相

*13:鳩山内閣財務副大臣菅内閣財務相、首相、民進党幹事長(蓮舫代表時代)を歴任

*14:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官を経て首相

*15:八幡製鉄社長、新日鉄社長、会長、経団連会長など歴任

*16:小松製作所(現コマツ)社長

*17:著書『医療のこと、もっと知ってほしい』(2009年、岩波ジュニア新書)、『国民皆保険が危ない』(2011年、平凡社新書)、『原発と権力』(2011年、ちくま新書)、『気骨:経営者 土光敏夫の闘い』(2013年、平凡社)、『インフラの呪縛:公共事業はなぜ迷走するのか』(2014年、ちくま新書)、『後藤新平:日本の羅針盤となった男』(2014年、草思社文庫)、『開成高校野球部の「弱くても勝つ」方法:限られた条件で最大の効果を出す非常識な考え方』(2014年、SB新書) 、『逆境を越えて:宅急便の父・小倉昌男伝』(2015年、KADOKAWA)、『長生きしても報われない社会:在宅医療・介護の真実』(2016年、ちくま新書)、『日本はなぜ原発を拒めないのか』(2017年、青灯社)など

*18:岸内閣郵政相、池田内閣蔵相、佐藤内閣通産相などを経て首相

*19:石川島播磨重工業社長、東芝社長、会長、経団連会長など歴任

*20:やはりあれはやらせのようですが。

*21:著書『GHQ作成の情報操作書「真相箱」の呪縛を解く:戦後日本人の歴史観はこうして歪められた』(2002年、小学館文庫)、『異形の大国 中国』(2010年、新潮文庫)、『中国に立ち向かう覚悟』(2012年、小学館)など

*22:著書『「日中友好」は日本を滅ぼす!』(2005年、講談社プラスアルファ新書)、『なぜ、日本人は日本をおとしめ中国に媚びるのか』(2009年、ワック文庫)、『なぜ中国から離れると日本はうまくいくのか』(2013年、PHP新書)、『中国崩壊カウントダウン』(2014年、宝島社)、『「全身病巣」国家・中国の死に方』(2014年、宝島SUGOI文庫)、『世界征服を夢見る嫌われ者国家 中国の狂気』(2014年、ビジネス社)、『なぜ中国人にはもう1%も未来がないのか』(2014年、徳間書店)、『習近平にはなぜもう100%未来がないのか』(2015年、徳間書店)、『狂気の沙汰の習近平体制』(2016年、ビジネス社)、『冗談か悪夢のような中国という災厄』(2017年、ビジネス社)、『習近平の終身独裁で始まる中国の大暗黒時代』(2017年、徳間書店)、『教えて石平さん。日本はもうすでに中国にのっとられているって本当ですか?』(2017年、SB新書) などトンデモ右翼本多数。

*23:著書『習近平』(2014年、文春文庫)、『習近平の悲劇』(2017年、産経新聞出版)など

*24:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*25:ダバオ市長を経て大統領

*26:この場合の「住めない」は単に「スペース的に狭すぎて住めない」という意味ではなく「自給自足できない」という意味のようです。従って「人が住んでいても外部から無理矢理補給してるだけで、自給自足してない」と認識されれば「住んでない」と評価されるわけです。その意味では竹島も「そもそも国際法上の島ではない」認定される可能性があるかと思います。

*27:著書『尖閣問題の核心』(2013年、花伝社)、『南シナ海領土紛争と日本』(2016年、花伝社)、『習近平の夢』(2017年、花伝社)、『中国の夢』(2018年、花伝社)など

*28:そもそもスペース的に狭すぎて、住もうとしても住めなかったかと思います。「何せ護岸工事しないと、波の浸食で島が水没する(日本の領海と排他的経済水域が小さくなる)」として日本がコンクリ工事したような島ですから。そんな小さな島に人が住めるわけもない。一方南シナ海で中国が領土だと主張する「島」は沖ノ鳥島より広い「島」もあります。

*29:伏せ字にしました。

*30:公明党参院国対委員長公明党政調会長などを経て代表

*31:重慶市党委員会書記、広東省党委員会書記、副首相などを経て人民政治協商会議主席(党中央政治局常務委員兼務)

*32:著書『華僑コネクション』(1993年、新潮選書)、『京劇と中国人』(1995年、新潮選書)など

*33:カンボジアの首都

今日の産経ニュース(9/3分)ほか(追記・修正あり)

■五十嵐仁*1の転成仁語『珍寿(95歳)をお祝いした畑田重夫*2先生は私を世に出してくださった大の恩人』
https://igajin.blog.so-net.ne.jp/2018-09-03

 昨日、「まだまだ元気 畑田重夫先生の『珍寿(95歳)』を祝う集い」に出席しました。日曜なのに予定はなく、空いていてラッキーでした。
 この会の通知を見て、95歳を「珍寿」というのだということを初めて知りました。グーグルで調べたら、「珍寿は、賀寿(年祝)の一つで、数え年で95歳のこと、またその祝い(儀礼)をいいます。これは、「珍」の左側の偏部(王)を「一」「十」「一」に分解し、右側の旁部を「八三」とすると、「1+10+1+83=95」となることから、95歳を意味するようになったそうです」と書かれていました。
 「へー、そうだったのか」と思いました。一つ、利口になりました。
 会では、牧野富夫*3日大名誉教授・全国革新懇代表世話人が呼びかけ人あいさつ、内藤功元参院議員・日本平和委員会代表理事が祝辞、乾杯の音頭が山田敬男*4労働者教育協会会長、お祝いの演奏がきたがわてつさん、お祝いの言葉が小森陽一*5東大教授・九条の会事務局長など6人、それに伊波洋一*6参院議員からのメッセージが紹介されるなど、畑田先生の長きにわたる活動と親交を反映して豪華なメンバーでした。
 100歳の方も珍しくなくなっている「高齢社会」の今日、95歳が「珍しいほどの長寿」と言えるかどうかは議論のあるところかもしれませんが、畑田先生のようにかくしゃくとされ今も短い講演などをこなされているのが「珍しい」ことは確かで、私など爪の垢でも煎じて飲ませていただきたいところです。
 畑田重夫先生は私にとっての大恩人ですが、このことはあまり知られていませんし、先生ご自身もそれほど自覚されていないかもしれません。
 先生と私が出会ったのは、私が法政大学の大学院を出て非常勤講師をしていた32年前にさかのぼります。このとき、私は畑田先生にお世話になり、先生のお陰で世に出ることができました。
 当時、私は35歳で非常勤講師として糊口をしのぎ、大原社会問題研究所の兼任研究員や法政大学社会学部・法学部、東京農工大学一般教育部などで労働問題や政治学の研究と講義に携わっていました。大学院は出たけれどまだ専任の職に就くことができず、最初の妻とも別れることになり、将来への大きな不安を抱えていたころのことです。
 そのとき、学習の友社から本を出すので手伝ったほしいという話が舞い込んできました。これは浜林正夫*7・辻岡靖仁監修の「現代の社会科学」全5巻の一冊で、畑田重夫編『現代の政治論』として出版されています。
 この話を紹介して下さったのは、法政大学大学院時代に政治学の手ほどきを受けた高橋彦博*8先生だったと思います。農工大での非常勤講師も高橋先生の紹介で、そこでの講義のために政治学のノートを作成していたのが大いに役立ちました。
 この本は畑田編で、執筆者は先生と私だけです。畑田先生は序章「現代と政治」、第3章「国際政治の基礎理論」、終章「戦後国際政治と核兵器廃絶」を書かれ、私は第1章「政治の基本的要素と政治制度」、第2章「現代日本の政治」を分担執筆しています。分量では約半分が私の執筆によるものでした。
 この本を執筆するために、私は畑田先生と2人だけで打ち合わせをする機会が何回かありました。その打ち合わせの際に、これまで書いてきた論文をまとめて出版したい旨、先生に相談しました。
 すると、知り合いの出版社を紹介して下さると仰るではありませんか。こうして、共著だけでなく単著も出版することができたのです。
 これが私の最初の単著として「ゆぴてる社」から刊行された『戦後保守政治の転換―「86年体制*9」とは何か』という本です。奥付を見ると、この本の刊行日は「1987年1月15日」で、畑田重夫編の共著の方は「1987年1月30日」となっています。
 2冊の本の刊行に向けての作業が、同時並行的に進められていたことが分かります。その結果、共著ではなく単著の方が15日早く出ることになりました。
 単著の「あとがき」に「本書を出版するにあたっては、畑田重夫先生にお世話になった。ここに記して、謝意を表したい」と書かれているのは、以上に述べたような事情があったからです。畑田先生との共著の執筆と、それをきっかけにした出版社の紹介がなければ、本書を刊行することはできなかったでしょう。
 そして、これらの共著や単著がなければ、大原社会問題研究所に専任研究員として採用されることはなかったかもしれません。幸いにも時を同じくして専任職の募集があり、86年5月1日付で助教授として大原社会問題研究所に採用されることになったからです。

 小生的に「珍寿なんて言葉があるのか」「畑田氏と五十嵐氏にはそんな関係があったのか」となかなか興味深い記事ですので紹介しておきます。
 しかしこうなると五十嵐氏が全国革新懇代表世話人になったのも、「以前、代表世話人を務めていた畑田氏の依頼」によるものかもしれません(そのあたりについては特に五十嵐氏は述べていませんが)。


【ここから産経です】
■【自民党総裁選】野田聖子*10総務相安倍晋三首相に直接支持を伝達
https://www.sankei.com/politics/news/180903/plt1809030020-n1.html
 出馬を検討していたのに支持表明とは実に無様な話です。「石破氏*11と比べれば共通点が多い」などと必死に言い訳してるようですが。


小川勝也*12参院議員の長男を再逮捕 強制わいせつの疑いで
https://www.sankei.com/affairs/news/180903/afr1809030010-n1.html
 さすがに心神喪失は認められないでしょうし、「病気だから法的に許される(つうか処罰されない)」つう話でもないですが、こういうのはもはや病気でしょう。治療が必要なレベルで「懲役や罰金」などの処罰「だけ」ではもはや何の意味もないかと思います。子育てがどうこう言うレベルを既に超えており、小川議員には同情しますね。


■「ちびまる子ちゃん」視聴率14・3% 訃報後初の放送、大幅上昇
https://www.sankei.com/entertainments/news/180903/ent1809030003-n1.html
 視聴率が大幅増加といっても14%ですからねえ。それはつまりは通常は1桁台の%だと言うことでもはやテレビアニメは人気アニメとされる「ちびまる子ちゃん」ですらこれですから、「テレビコンテンツ」としては視聴率がとれないわけです。
 以前「北斗の拳」(フジ、1984〜1988年、毎週木曜19:00〜19:30)、「ドラゴンボール」(フジ、1986〜1997年、毎週水曜19:00〜19:30)などがゴールデンタイムで放送されて「視聴率が常時2桁台の%だった」ようなことはもはやありえない。
 結果、今のテレビアニメはフジ「ちびまる子ちゃん」(毎週日曜18:00〜18:30)、「サザエさん」(毎週日曜18:30〜19:00)、テレ朝「ドラえもん」(毎週金曜19:00〜19:30)、「クレヨンしんちゃん」(毎週金曜19:30〜20:00)など一部を除いていわゆるゴールデンタイムには放送されない(深夜放送が多い)し、おそらく利益の回収も「テレビ放映だけではできず」、放送終了後のDVD販売なども見込んでるわけです。


■【麻生美代子さん死去】サザエさん役の加藤みどりさん「皆の目標でした」 タラちゃん役の貴家堂子さん「さびしいです…」
https://www.sankei.com/entertainments/news/180903/ent1809030006-n1.html
 声を担当していた「サザエさん(磯野フネ)」「和風総本家(ナレーター)」などは「高齢化を理由に」既に麻生氏が降板し、別の方に交代してるので「永井一郎氏死去(磯野波平役、享年82歳)」のような影響はありません。また92歳という年齢では死去は予想の範囲内ですが、なんとも複雑な気持ちです。
 なお、92歳死去の麻生氏よりは若いとは言え

加藤みどりサザエさん):78歳
増岡弘(マスオさん):82歳
貴家堂子*13(さすが・たかこ)(タラちゃん):77歳

ですからねえ。いずれ「永井氏死去」「高齢化、体調不良による麻生氏降板」後の声優交代のような事態は避けられないでしょう。
 その点「前も書きましたが」ドラえもんは声優交代がうまく成功したと思います。ルパン三世なんかもネット動画で見ましたが、声優交代が割と成功してる方ではないかと思います。
 「栗田貫一氏のルパン」は「まあ、あれはあれでいいかな」という気になります。


■【国際情勢分析】カスピ海は湖か? 海か? 20年越しの論争が決着 権益めぐりイランが譲歩
https://www.sankei.com/premium/news/180903/prm1809030005-n1.html
 米国のイラン制裁に対抗するにはロシアともめられないつう判断のようです。
 カスピ海で「チョウザメ養殖がされてますが」それだけでなく石油埋蔵の可能性もあるのが「もめた理由」だそうです。
 まあ、政治判断無視すればイランの言うように「カスピ海は海ではなく湖」だとは思いますけどね。


■大阪・松原市議選 新議員18人決まる
https://www.sankei.com/west/news/180903/wst1809030014-n1.html
 松原市をどう評価すべきかわかりませんが、

党派別では、自民4人▽公明4人▽共産4人▽立憲民主1人▽大阪維新の会3人▽無所属2人

というのが興味深い。この数字を見る限り松原市において維新にはそれほどの力はなさそうです。これが他の大阪の市町村でも「そうなりつつある」のならありがたいのですが。


■【野口裕之の軍事情勢】同じ過ち犯す中国 「C級戦犯」は存在せず「AB級」も靖国にお祀りされていない
https://www.sankei.com/premium/news/180903/prm1809030004-n3.html
 「東京裁判は事後法だから裁判自体が違法で判決も無効だ*14」「パル判事も被告全員無罪だと言った」「だから中国などのA級戦犯靖国合祀批判や安倍総理靖国への参拝や玉串料奉納に対する批判なんか無視していいんだ」「大体原爆投下(米国)やシベリア抑留(旧ソ連)やった連中に裁判で裁かれる筋合いない。原爆投下などの方が戦争犯罪じゃないのか」つう暴論です。中国どころか、こんなん公言したら欧米や東南アジアからも確実に批判が来る酷い暴論です。
 安倍ですらこんなんは公言できないですね。日本は建前では東京裁判判決を受け入れているからです。
 もちろん「靖国」についていえば政教分離原則の問題がありますし、そのため千鳥ケ淵戦没者墓苑が追悼の場として設けられています。
 また靖国には戦没者としては「軍人軍属しかまつられてない(民間人がまつられてない)」という問題もあれば、「戦没者じゃないのにまつられてる人間(東京裁判で死刑となった東条英機*15元首相、東京裁判中に病死した松岡洋右元外相、終身刑で服役中に病死した小磯国昭*16元首相などいわゆる「昭和殉難者」、あるいは吉田松陰橋本左内など安政の大獄の犠牲者)がいる」つう問題もあるわけです。
 なぜ戦没者じゃないのに「松陰や左内がまつられてるか」といえば明治新政府的には「安政の大獄での松陰らへの死刑判決は不当」「その不当な処分を覆すため」だからです。
 靖国はそういう意味では戦没者追悼にふさわしい場所ではない。
 当然ながら「A級戦犯の合祀」も「松陰や左内同様に靖国は、東条英機らへの死刑判決を不当視し覆そうとしてる→靖国は戦前美化」「そんな靖国に安倍が参拝したり玉串料を奉納したりしてる→安倍も靖国と同様に戦前美化」と見なされ批判されるのは当たり前の話です。

*1:法政大学名誉教授。全国革新懇代表世話人。著書『戦後保守政治の転換』(1986年、ゆぴてる社)、『一目でわかる小選挙区比例代表並立制:新しい選挙制度であなたの一票はどうなる』(1993年、労働旬報社)、『保守政治リストラ戦略』(1995年、新日本出版社)、『徹底検証 政治改革神話』(1997年、労働旬報社)、『政党政治労働組合運動』(1998年、御茶の水書房)、『戦後政治の実像』(2003年、小学館)、『この目で見てきた世界のレイバー・アーカイヴス』(2005年、法律文化社)、『労働政策』(2008年、日本経済評論社)、『労働再規制』(2008年、ちくま新書)、『対決 安倍政権』(2015年、学習の友社)、『活路は共闘にあり:社会運動の力と「勝利の方程式」』(2017年、学習の友社)、『打倒安倍政権:9条改憲阻止のために』(2018年、学習の友社)など

*2:著書『戦後50年の原点』(1995年、学習の友社)、『安保問題のすべて:安保大改悪と日米共同宣言』(1996年、学習の友社)、『自動参戦・列島総動員の新「ガイドライン」:安保・有事立法・改憲策動』(1997年、学習の友社)、『どうみる新しい内外情勢:畑田重夫大いに語る』(2010年、学習の友ブックレット)、『畑田重夫の卒寿の健康力!』(2013年、本の泉社)、『わが憲法人生七十年』(2016年、新日本出版社)など

*3:著書『構造改革は国民をどこへ導くか』(2003年、新日本出版社)、『労働ビッグバン』(編著、2007年、新日本出版社)、『“小さな政府”論とはなにか』(2007年、公人の友社)、『アベノミクス崩壊』(編著、2016年、新日本出版社)など

*4:著書『新版・戦後日本史』(2009年、学習の友社)、『社会運動再生への挑戦』(2014年、学習の友社)など

*5:著書『最新 宮沢賢治講義』(1996年、朝日選書)、『「ゆらぎ」の日本文学』(1998年、NHKブックス)、『心脳コントロール社会』(2006年、ちくま新書)、『村上春樹論』(2006年、平凡社新書)、『大人のための国語教科書』(2009年、角川oneテーマ21)、『漱石を読みなおす』(2016年、岩波現代文庫)、『子規と漱石』(2016年、集英社新書)など

*6:沖縄県議、宜野湾市長を経て参院議員

*7:一橋大学名誉教授(イギリス史)。日本学術会議会員、日本科学者会議代表幹事、全国革新懇代表世話人、労働者教育協会副会長、憲法改悪阻止各界連絡会議代表委員などを歴任。著書『イギリス市民革命史』(1959年、未來社)、『イギリス革命の思想構造』(1966年、未來社)、『イギリス民主主義思想史』(1973年、新日本出版社)、『イギリス名誉革命史(上)(下)(1981年、1983年、未來社)、『イギリス宗教史』(1987年、大月書店)、『イギリス民主主義思想史(新版)』(1999年、新日本出版社)、『パブと労働組合』(2002年、新日本出版社)、『イギリス労働運動史』、『「蟹工船」の社会史:小林多喜二とその時代』(以上、2009年、学習の友社)など。

*8:法政大学名誉教授。著書『民社党論』(1972年、新日本新書)、『日本の社会民主主義政党』(1977年、法政大学出版局)、『現代政治と社会民主主義』(1985年、法政大学出版局)、『民衆の側の戦争責任』(1989年、青木書店)、『左翼知識人の理論責任』(1993年、窓社)、『日本国憲法体制の形成』(1997年、青木書店)、『戦間期日本の社会研究センター:大原社研と協調会』(2001年、柏書房)など

*9:1986年の衆院総選挙で自民党が勝利したことで当時の中曽根は「1955年体制は崩壊し1986年体制になった」と豪語したが、その後、おたかさんブームと「リクルート事件による自民党への批判」でこの「1986年体制」という言葉は完全に死語になる。

*10:小渕内閣郵政相、福田、麻生内閣消費者問題等担当相、自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)を経て第四次安倍内閣総務相

*11:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相を歴任

*12:菅内閣で防衛副大臣

*13:かなりの珍名と言っていいでしょうね。

*14:この理屈だとナチを裁いたニュルンベルク裁判も無効になりますが、そこまで言う度胸は果たして野口にはあるんでしょうか?

*15:関東憲兵隊司令官、関東軍参謀長、陸軍次官、第二次、第三次近衛内閣陸軍大臣を経て首相

*16:陸軍省軍務局長、陸軍次官、関東軍参謀長、平沼、米内内閣拓務大臣、朝鮮総督などを経て首相

「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(9/3分:島田洋一の巻)ほか韓国・北朝鮮最新ニュースなど(追記・訂正あり)

 島田*1以外にも北朝鮮、韓国関係で色々とネタにしています。
毎日新聞『大量懲戒請求、在日弁護士への不法行為認定 男に賠償命令』
https://mainichi.jp/articles/20181023/k00/00e/040/290000c
 まあ勝って当然ですが吉見義明氏や菅元首相を不当敗訴させた日本の裁判所だと控訴してひっくり返る可能性がゼロと言えないあたりがなんともかんとも。まあ、さすがにないとは思いますが。
 しかし光市事件騒動でこうした無法のきっかけを作った橋下には改めて怒りを禁じ得ません。


■日刊スポーツ『前川喜平氏訴え「外国人に日本語教える仕組み必須」』
https://www.nikkansports.com/general/news/201810130000858.html

 元文部科学事務次官前川喜平氏(63)が13日、東京都江東区の東京朝鮮第二初級学校で講演し、朝鮮学校の高校無償化排除や補助金廃止の動きを「国が率先して行っている官製ヘイトだ」と述べ、差別だと指摘した。外国籍の市民が増える中、日本語教育と同時にルーツを教える民族教育が大切だと訴えた。
 前川氏は文科官僚時代、高校無償化の制度設計に関わった。「朝鮮高校も対象として作業したが、排除された。他の外国人学校は対象となり、法の下の平等にも反する」と批判した。
 現在、外国人生徒の多い自主夜間中学でボランティア活動をしていることに触れ、生徒のアイデンティティーを形成する仕組みが必要だと強調。「少子化で日本は移民を受け入れなければ成り立たなくなる。外国人に日本語を教える仕組みは必須だが、同時に母語教育、民族教育も重要だ」と話した。
 前川氏が朝鮮学校で講演するのは初めて。在日コリアンや一般市民約350人が参加した。前川氏は「複数のアイデンティティーを持つ人が増えれば、ヘイトや日本至上主義の考えが減り、社会が安定するだろう」と語り掛けた。

 前川氏は「日本語教育の重要性(日本で生活する以上当然のことです)」だけでなく「民族教育の重要性」にも触れてますので、単なる「同化教育のすすめ」と誤解されかねない日刊スポーツ記事のタイトルは不適切だと思いますがそれはさておき。
 前川氏の「朝鮮学校無償化除外批判」は単に朝鮮学校限定ではなく「日本において外国人の子どもをどう扱っていくか」という問題と密接に関わっているわけです。
 ググったところ、前川氏には前川『前川喜平が語る、考える。 学ぶことと育つこと、在日とアイデンティティー、あなたと私。』(2018年、本の泉社)、『前川喜平 教育のなかのマイノリティを語る:高校中退・夜間中学・外国につながる子ども・LGBT・沖縄の歴史教育』(2018年、明石書店)という著書があるようで、彼にとって「外国人の子ども」は重要な関心事、ライフワークの一つであるのでしょう。
 そういえば前川氏の退官挨拶も

http://chikyuza.net/archives/73123
・つらい立場、つらい境遇にある人たちに手を差し伸べることは、行政官の第一の使命だと思います。
・様々なタイプの少数者の尊厳が重んじられ、多様性が尊重される社会を目指してほしいと思います。

という言葉がありましたね。
 しかし

http://chikyuza.net/archives/73123
 ひとつお願いがあります。(ボーガス注:文科省という)私たちの職場にも少なからずいるであろうLGBTの当事者、セクシュアル・マイノリティの人たちへの理解と支援です。

というのは「本当にそういう人がいて前川氏が在任中何らかの配慮をしたのか」、単に「いてもおかしくない」程度の話か気になるところです。もちろん前者(実際にいる)だとしても職員当事者がカミングアウトしていない限り、前川氏が前者だと認めることはあり得ませんが。


朝日新聞特別支援学級在籍率、外国人の子が日本人の倍 民間調査』平山亜理*2
https://www.asahi.com/articles/ASL4T43HKL4TUHBI01G.html

 ブラジル人ら外国人が多く住む地域の小学校で、外国人の子どもが日本人の2倍以上の比率で障害児らを教える特別支援学級に在籍していることが、民間団体の調査で分かった。日本語が十分にできないために障害があると判断され、特別支援学級に入れられている例もあるといい、調査した団体は「実態把握と支援が必要だ」としている。
 調査したのはNPO法人「国際社会貢献センター」(ABIC)。2015年に三重、愛知、群馬、静岡の4県で外国人児童が多い113小学校を調べたところ、日本人の児童は4万9159人中730人(1・48%)が特別支援学級に在籍し、外国人は1886人中116人(6・15%)だった。
 16年は岐阜県を加えた5県の117校を調べ、特別支援学級在籍率は日本人2・17%、外国人5・94%。17年は滋賀県を加えた6県の355校を調べ、日本人2・26%、外国人5・01%だった。
 外国人児童が多く通う学校の校長らによると、「日本語ができないことは特別支援の対象」としている例や、日本語が理解できないため、障害があるかどうかの見分けが難しいケースがある。ただ、文科省特別支援教育課はこうした実態を「調査しておらず、理由は分からない」としている。ABICは「特別支援学級に在籍している外国籍の子どもの現状や、指導状況の実態調査が必要だ」として、子どもたちの出身国の関係者の協力も求めるべきだと指摘している。

 「特別支援教育=知的障害児、身体障害児(視覚障害聴覚障害言語障害を含む)への教育」なので現状はちょっとまずすぎるでしょう。 
 「日本語ができない」というのは特別支援教育が本来想定している「障害」には該当しません。
 それはともかく日本も国際化していけばこういう問題が表面化していくわけです。
 最近、安倍が表明したように「労働力不足解消のために積極的に外国から移民を受け入れる」なんてことを実行するならば、なおさらです。
 もちろん「日本で生きていく以上」外国人の子どもであっても日本語教育は大事*3でしょうが一方でブラジル人の子どもについて「朝鮮学校」「韓国学校」「華僑学校」のような民族教育の場も必要だろうと思います。


■産経『ムスリムの子供*4増加 学校で理解と折り合いを』(加藤聖子)
https://www.sankei.com/life/news/180926/lif1809260010-n1.html

 日本で暮らすムスリムの実情に詳しい早稲田大学人間科学学術院の店田廣文*5(たなだ・ひろふみ)教授によると、現在日本にいるムスリムは約17万人。そのうち、おおむね20歳未満の子供は2万〜2万5千人と推計される。特に都市部では、同じ学校にムスリムの子がいてもさほど珍しい光景ではなくなった。
 日本でイスラムの戒律と学校生活を両立するには、工夫が必要だ。具体的にどうしているのか、東京都豊島区にあるモスク「マスジド大塚」に集うムスリムの母親たちに聞いた。
 まず食事。イスラム教では豚肉と酒が禁じられ、ラードやハム、ゼラチン、みりんなど豚や酒が原料となるものも口にできない。給食をそのまま食べるのは難しいから、ほとんどが「毎日弁当を持たせている」。
 服装は、主に女児に関わる。大人の女性はヒジャブというスカーフで頭髪を覆うなどするが、学校でのヒジャブは「小さいうちはかぶらせない」という方針の母親もいて、まちまちだ。指定の制服や体操服の場合は、スパッツを履く、長袖長ズボンに代替するなどして工夫しているという。
 礼拝は一日5回。学校にいる正午過ぎの礼拝は、校長室などで行う。また、断食は体に負担がかかるため、低学年ではさせない家庭も。断食する子は給食時、別部屋で過ごすことが多いという。
 音楽や図工には参加させない家庭もある。音楽は「楽器は悪魔の呼びかけ」という記述がハディース預言者ムハンマドの言行録)にあるため、図工は絵や粘土の制作などが「偶像崇拝の禁止」にあたるとの考えからだ。授業中は図書室などで過ごすことが多いという。
 いずれのケースも、入学前に家庭と学校が相談し、無理のない範囲で工夫されたものだ。母親たちは「学校には予想以上に柔軟に対応してもらった。理解していただけて、感謝している」と口をそろえた。

 日本も国際化が進んできたと言うことでしょうか。


■毎日『まず国交正常化交渉を 拉致問題解決の早道だ』衛藤征士郎・元衆院副議長
https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20181026/pol/00m/010/001000d

 日朝国交正常化推進議員連盟の会長として日本は北朝鮮と国交正常化交渉に入るべきだと主張している。
 拉致問題が解決していないのになぜ正常化交渉を始めるのか、という批判がある。しかし、それは正常化交渉に入った方が拉致問題の解決が早くなるからだ。拉致問題解決のためにこそ、正常化交渉を始めるべきだ。
 そもそも、2002年の日朝平壌宣言には拉致、核、ミサイル、そして経済協力の問題が明記されている。だからこの宣言に立ち返って、これらを包括的に扱う交渉に入るべきだ。

 小生も全く同感ですね。


■産経『北に核技術移転か 朝鮮総連系企業、レアアース抽出』
https://www.sankei.com/affairs/news/181028/afr1810280023-n1.html

・政府関係者によると、貿易会社は「国際トレーディング」(東京都文京区)。
・同社は登記簿上、昭和62年に成立、平成19年に解散しているが、関係者が完全に活動を止めたかは不透明だ。

 「公安警察=政府関係者」でしょうが言ってる意味がまるきり意味不明です。
 貿易会社が登記簿上解散したのになぜ「その残党(?)がしてることがわかるのか」。
 尾行でもつけてるんですかね?

 取り締まりの法律や体制が整わないため実態把握すら難しく、摘発もできてこなかったが、北朝鮮が仕組んできた合弁の本質は戦略的技術や知識、資本の持ち出しだった。北朝鮮の核・ミサイル開発は、そうした流出の結果の集積である。

 いやいや取り締まりようがないから取り締まってないだけでしょう。産経みたいに適当な放言するならともかく法律で禁止なり処罰なりするにはそれなりの根拠が必要です。


中日新聞北朝鮮東京五輪に意欲 闘病の松浪氏訪朝終える』
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2018102601002582.html
朝鮮新報
■サッカーで親善交流/日体大が4回目の訪朝
http://chosonsinbo.com/jp/2018/10/29suk-16/
■“スポーツ交流続けていく”/具志堅幸司*6学長の言葉
http://chosonsinbo.com/jp/2018/10/29suk-17/

http://www.chunichi.co.jp/s/article/2018102601002582.html
 北朝鮮を訪問していた日本体育大サッカー部の男女の選手ら代表団約40人が26日、帰国の途に就いた。代表団を率いた松浪健四郎*7・同大理事長は、金日国体育相ら北朝鮮側が2020年の東京五輪参加へ強い意欲を示し、日体大として練習場提供など支援の用意があることを伝えたと明らかにした。
 日本政府が国民に北朝鮮渡航自粛を要請している中での訪朝。松浪氏は経由地の北京国際空港で記者団の取材に対し、スポーツ交流を通じた相互理解の意義を強調した。さらに、がんの治療を受けていることを明らかにした上で「私のライフワークだ。平和のために協力したい」と語った。

http://chosonsinbo.com/jp/2018/10/29suk-16/
 松浪理事長は「今、日朝関係は良くないが、われわれは希望を持っている。東京五輪(2020年)開催時に日本を訪問するであろう朝鮮選手団の便宜を図りたい」としながら、日体大の練習場と練習相手を提供する意思を示した。

http://chosonsinbo.com/jp/2018/10/29suk-17/
 私は1980年モスクワ五輪の日本代表選手(体操)だった。しかし米国がボイコットして(西側諸国は)出られなかった。こういう体験をしているだけに、スポーツを通じて平和に貢献することが大事だと人一倍認識している。
 とくに隣国とは仲良くしないと。
 2020年の東京五輪を見据えて、気持ちよく朝鮮の選手たちが東京に来れるように、私たちが出迎える体制を整えておきたいと思っている。
 スポーツの力というのは言葉を超え、国境を超えるということを改めて感じた。このような交流を続けていく必要がある。

 こうしたスポーツ交流は本当に大事だと思います。そして2020年五輪についてはやはり緊張緩和のためにも北朝鮮に参加してほしい。最後に松浪氏の健康回復を祈念しておきます。


■フジテレビ『拉致被害者は「数多く年月も」早紀江さん複雑な心境』
https://www.fnn.jp/posts/00404109CX

 25日に帰国したジャーナリストの安田純平さん*8がシリアで拘束されていた事件を、日本の警察当局が捜査へ。
 今後、国外犯規定に基づいて調べを進め、逮捕監禁容疑などの適用を検討するものとみられる。

 こういうのは本当にバカバカしいですね。確かに条文上はヌスラ戦線の処罰が可能なんでしょう。
 とはいえ、現実問題、「安田さんを監禁したヌスラ戦線兵士」や「蓮池夫妻を拉致した北朝鮮工作員」や「後藤健二さん*9を殺害したIS兵士」を逮捕起訴できるのかと言ったらまず無理なわけですから。
 実際問題、国外犯人処罰規定が想定しているもんは「海外マフィアなどの民間犯罪組織」であって、「北朝鮮のような国家」だの「ISやヌスラのような武装勢力」だの入ってないでしょう。ただ「捜査せよ」と上から命令が来れば「やってるふりに過ぎない」でしょうがやらざるを得ないわけです。宮仕えのつらさですね。

 今回の(ボーガス注:安田さん)帰国を受け、40年以上前に娘のめぐみさんが北朝鮮に拉致されたままの、横田早紀江さんは26日、「この間、1人お帰りになりましたよね。きのうですか?。 ああいうようなこともあるので、もっと(人の)数が多い、年月が長すぎることが大変なことなのに、どうしてこんなにみんな、帰ってこれないのか」と語った。

 「安田さんの場合、カタール武装勢力に身代金を払ってくれたらしいですけど、あなたの娘さんの場合、そういう見返りがないからですよ。中国かロシアがカタールみたいに北朝鮮に払ってくれればいいのにねえ。でもそういうこと言っていてもらちがあかないので、今からでも遅くないので、制裁解除して北朝鮮に経済支援したらどうでしょう?。もちろん朝鮮学校無償化や朝鮮総連幹部の渡航制限解除もした方がいい」といったらマジギレするんでしょうね、この人。
 しかし「北朝鮮拉致被害者の方が数が多い」だの「拘束期間がもっと長い」だの安田さんとそのご家族にマジで失礼ですよねえ、この人。
 そこは「私も子どもを拉致された人間として、安田さんの親御さんの気持ちが痛いほどわかります。本当に生きて無事にお帰りになられてよかったです。健康を大きく害したわけでもないようでうれしいです」とか、なんで言えないんですかね。
 正直、俺が安田さん本人やそのご家族なら横田奥さんの「常識のなさ」「人間性欠如」にマジギレですよ。まあこんな奥さんのふざけた言葉を記事にしちゃうフジテレビも気が狂ってますが。同情するとでも思ってるのか。「こんな、安田さんとご家族に失礼な酷い言葉はく奴・早紀江に同情なんかしねえよ、フジテレビはアホか」ですね。
 「言葉を選ばず言えば」こういうアホなこと言うのは横田奥さんがバカで屑だからでしょうけど。周囲に「お子さんが拉致されてかわいそうですね、頑張って」と言われてるうちに、思い上がって性格がゆがんだんでしょうね。子どもが拉致される前から、元からゆがんでたのかも知れませんけど。
 もう俺は横田奥さんのような調子こいてる人間は大嫌いですから、つい悪口しちゃう。
 クリスチャンだと奥さんは自慢されてるようですが、こんなんじゃ横田奥さんは信仰の意味がないですね。まあ「移民差別者」トランプや「デマ右翼」曾野綾子ですら自称クリスチャンですけど(毒)。
 ヒトラーやムソリーニ、赤狩りマッカーシーも自称クリスチャンでしたっけ?


■産経【海峡を越えて 「朝のくに」ものがたり】(42)慰安婦問題の原点「サハリン裁判」
https://www.sankei.com/life/news/181027/lif1810270021-n1.html
 デマも甚だしい文章ですね。
 「日本側が韓国側から戦争責任追及をされた」という以上の共通点はサハリン残留韓国人問題と慰安婦にはありません。そういう意味では原点でも何でもない。
 もちろん「どちらも日本の戦争責任」という共通点があるので「支援者、活動家が共通する」つうことはあったでしょうが、それは「この2つの問題に直接的なつながりがあること」をもちろん意味しません。
 たとえば「731部隊」と「バターン死の行進」は「日本の戦争犯罪」という共通点はあっても、そこに「直接的なつながり」はないでしょう。
 そしてサハリン残留韓国人問題も慰安婦問題も産経の言う「日本は全く政治的、道徳的、法的に無罪」なんて話は成り立たないわけです。つうか「安倍が総理になったこと」で慰安婦だけでなく他の問題(たとえばサハリン残留韓国人問題)についても因縁つけて日本に問題がなかったことにしてしまおう、つうのが産経の企みでしょう。安倍なんぞ総理にならなければ産経もこんな因縁をつけようとは思わなかったでしょう。
 なお、小生も慰安婦については、ネットや本である程度の知識があります。
 ネットとしては例えば『永井和*10』(https://ianhu.g.hatena.ne.jp/nagaikazu/)、林博史*11サイト(http://www.geocities.jp/hhhirofumi/)などがあります。
 本としては吉見義明*12従軍慰安婦』(1995年、岩波新書)、『日本軍「慰安婦」制度とは何か』(2010年、岩波ブックレット)、林博史『『日本軍「慰安婦」問題の核心』(2015年、花伝社)などがあります。
 ただサハリン残留韓国人問題つうのは、そのあたり、俺はまるで知識がないし、サイトや本として何が参考になるかよくわからない。ググっても「日本は悪くない」なんてウヨの居直りサイトばかりヒットするので何かいい資料をどなたかにご教示いただければ幸いです。


■浅井基文ブログ『ロシア−朝鮮−韓国「ガス・パイプライン」構想(ハンギョレ)』
http://www.ne.jp/asahi/nd4m-asi/jiwen/thoughts/2018/1073.html
■日経『韓ロ、インフラ整備で連携 北朝鮮
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32121670S8A620C1EA1000/
■朝日『プーチン氏、北朝鮮の安全保証は「米中ロが保証国に」』
https://www.asahi.com/articles/ASLBM1TTMLBMUHBI004.html

 浅井氏がブログ記事で指摘するように

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32121670S8A620C1EA1000/
 ロシア訪問中の韓国の文在寅ムン・ジェイン)大統領は(ボーガス注:6月)22日、プーチン大統領と会談した。ガスパイプラインや鉄道などのインフラ整備での協力推進で合意。北朝鮮への制裁が緩和されれば南北ロの3者協力に切り替える。

https://www.asahi.com/articles/ASLBM1TTMLBMUHBI004.html
・ロシアのプーチン大統領は(ボーガス注:10月)18日、北朝鮮の非核化が進展した場合、「ロシアは中国、米国とともに北朝鮮に安全を保証する役割を担うことができる」との考えを明らかにした。ロシア南部ソチで開かれていた国際有識者会議「バルダイ・クラブ討論会」で会場からの質問に答えた。
・ロシアから北朝鮮を経て韓国まで天然ガスパイプラインを敷設するため合弁会社を作ることができるともし、「経済での共同作業が政治、安全保障の問題を解決する条件を生み出す」と述べた。

として「こうしたガスパイプライン構想を主張するプーチン政権のロシア」が北朝鮮崩壊を希望するわけがないでしょう。
 中国はもちろん北朝鮮を支援していますし、韓国・文在寅政権も北朝鮮打倒なんて立場ではない。
 それで北朝鮮が早晩崩壊すると思ったら気が狂っています。


■産経『「めぐみへの誓い−奪還−」松山で上演、国と県共催』
https://www.sankei.com/west/news/181020/wst1810200018-n1.html
 ばかばかしい。ウヨ連中が「客にチケット販売して」こういう演劇をやるのは連中の勝手です(俺は見る気はありませんが)。
 しかしこんなもんに国や県が税金を出す意義がどこにあるのか。拉致が解決するわけでもなし、呆れて二の句が継げません。なるほどウヨ連中が拉致で税金あさりするのもわかる気がします。

地元の中学生、高校生約700人をはじめ満席の会場

 学校経由で動員がかかったんでしょうね。中高生にとっては迷惑な話だし、彼らはむしろこうした動員への反発から拉致への関心を失うんじゃないか。

 山口真司・県保健福祉部長は「この問題は人ごとではないと、声を広げていくことが大切だ」と呼びかけた。

 いや他人事ですから。俺は拉致被害者が帰ってこなくても一向にかまいません。拉致被害者は俺の家族でも友人でも何でもないからです。
 同じ人権問題でも「交通事故で障害者になるかも」「警察の見込み捜査でえん罪被害に遭うかも」などという話と違い、今後拉致被害が発生する可能性もないわけです。


■産経【正論11月号】対談 櫻井よしこ横田早紀江 闘いと祈りのなかで めぐみさん拉致から42年 「拉致」私達は取り戻せるか! 「言論テレビ」6周年の集い
https://www.sankei.com/premium/news/181020/prm1810200004-n1.html

 9月16日に櫻井よしこ氏が主宰するインターネット番組「言論テレビ」の6周年の集いで行われた櫻井氏と、拉致被害者横田めぐみさんの母、横田早紀江氏の対談を再構成したものです

 櫻井よしこのような「南京事件否定、慰安婦否定」のデマ極右と喜んで対談するというのだから、横田早紀江はバカとしか言い様がありません。

横田
 いろんな宗教の方が来ました。誰もいなくなった自宅で私は一人で泣いていました。そういうときに入ってこられる。ものすごいお金積めば消息わかりますとか言われました。

 で今「私たちに任せれば娘さん(めぐみさん)は帰ってくる」といわれて、いいように右翼団体・巣くう会に政治利用されてるわけです。寄付金という形で、巣くう会に金もそれなりに払ったんじゃないか。
 インチキ宗教に「ものすごいお金積めば消息わかります」といわれてカネ払うのと、横田奥さんが巣くう会の言いなりになってるのと本質的には大して変わりません。

横田
 そんななかで、一人の友達が「聖書読んでね」と玄関にポンと置いていかれた。イエス様とのめぐりあいの最初です。ヨブ記から始まって詩篇、ローマ書など次々読んでみると、神の存在は人知に及ばないところにあって、人間の罪とか愛を超えたものがある。この世の悲しみ、苦しみすべてを呑みこんでいらっしゃる。

 横田奥さんの「田中均氏などへの態度」を見るに奥さんがとてもそんなまともな心の持ち主とは思えませんが。「北朝鮮が憎いから、北朝鮮に甘いとあたしが思う人間(例:田中均氏)は罵倒する」つうゲスがこの人でしょう。そんな人間に「キリスト教の信仰が」とか抜かされると本当に腹が立ちますね。
 「左のほおを打たれたら右のほおを差し出せ(報復を戒める寛容主義)」「あなた方の中で罪のないものだけがこの女に石を投げよ(完全無欠の人間などいないという謙虚さ)」なんてキリスト教の精神は自称キリスト教信者のこの奥さんにはかけらもないでしょう。まあ、曾野綾子やトランプですら「自称キリスト教信者」ですからね(苦笑)。

横田
 何でこんなに動かないかわからない。

 「北朝鮮経済制裁してるからだろ!」「あんたが金正日金正恩の立場で、経済制裁してくるような相手と交渉したいと思うのかよ!」「交渉しないで拉致が解決すると思ってるのかよ!」ですね。
 こういう御仁には「バカは救いようがない」「バカは死ななきゃ治らない」「バカは死んでも治らない」つう言葉を贈呈したい。


■島田のツイート

 かつて首相の菅直人胡錦濤*13の前でずっと官僚のメモを棒読み*14し、その不見識*15に驚いたことがある。この防衛相も同じ。親北日朝議連の幹部でもある。大丈夫か。 
■岩屋防衛相 北朝鮮の完全非核化へ 韓国と連携確認 | NHK
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181020/k10011679391000.html

 島田の方こそ「お前の頭は大丈夫なのか?」でしょう。安倍支持者を公言しながら、安倍が任命した岩屋大臣を「あいつは日朝国交正常化議連の幹部だ!*16」と悪口する。
 個人的行為ではなく防衛相としての公的行為、つまり安倍の了解を得ているはずの行為について「何だ、あれは!」と悪口する。
 「島田らウヨって自民党議員内で安倍ほどの極右が他にいないから、島田らと親密交際してくれる極右が他にいないから安倍を持ち上げてるだけで内心は安倍なんか全く評価してねえんじゃねえの?」と改めて思います。
 普通に考えて安倍支持者なら、安倍が選んだ大臣についてここまで悪口しないでしょう。
 「ああ、ウヨ連中って内心では安倍を小馬鹿にしてるんだろうな」と思わずにはいられません。
 なお、岩屋氏は韓国国防相との共同記者会見で

 韓国が行った国際観艦式で国旗以外の掲揚を認めない通達を出し、自衛艦旗である旭日旗の掲揚が認められず、自衛隊の艦船派遣を見送ったことについて、岩屋大臣は「非常に残念に思っている」と述べました。

と改めて「日本の立場」とやらを主張したそうです。俺はこの「日本の立場」とやらには全く反対で「当面掲揚を自粛すればええがな」「戦争加害国が被害国の感情に配慮するのは当然やろ」「廃止しろとか、韓国以外でも掲揚するなとか言うとるわけと違うがな」と思いますがそれはさておき。
 島田にとっては「共同記者会見なんかやること自体が間違ってる」のであってこの程度の発言では評価に価しないのでしょうね。

「“意地”とか言うなら自分をシェイプアップしろ」。これはよく分かる。 
■デイリースポーツ『中尾ミエ 後輩・沢田研二に喝「意地があるなら痩せろ!」…TVで』

 「歌手としての後輩」てだけでなく、このデイリー記事やウィキペディアによれば二人とも昔は事務所が「渡辺プロ」だったんですね。
 「痩せた方が健康にいいことは認めた上での話」ですが、今回の「直前キャンセル」の件でのコメントとしては完全にずれています。余計なお世話ですね。別に今回の件は痩せる痩せないと関係ないでしょうし。まあ、小生だと理由がどうであれ、こういうキャンセルは勘弁してほしいですし、これでファンをやめるかもしれません。しかし、基本的にはこれは「沢田と関係者(所属事務所、今回のイベントを企画した興業会社、ファンなど)」の話であって、我々部外者が「キャンセルすべきではない」「いやキャンセルしていい」とか言う話ではないでしょう。モリカケ疑惑や「サウジの記者暗殺問題」のような「責任者の処罰なしで終わっていい話」と全然違う。その種の公共性は何もない話です。
 「私なら客が7000人いればキャンセルしない」とか「いや極端な話70人でもキャンセルしない(70人だとメンツ以前に完全に赤字でしょうが)」とかいうのは中尾ミエなり、他の芸能人なりの個人的見解に過ぎないわけです。
 あるいは逆に「キャンセルしても仕方がない。ジュリーのようなスターなら仕方がない」つうのもジュリーファンの個人的見解に過ぎない。
 しかし中尾はともかく島田だと

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2014-02-15/2014021501_01_1.html
赤旗集団的自衛権容認に抗議、著名829氏がアピール賛同、「九条の会」 安倍首相を批判』
 賛同人には、有馬頼底(臨済宗相国寺派管長)、岡野俊一郎国際オリンピック委員会名誉委員)、沢田研二(歌手)、田中優子*17(法政大学教授)、山田洋次(映画監督)の各氏ら多彩な顔ぶれが名を連ねました。

つうことを根に持って沢田研二に悪口してるんじゃないかと疑いますね。島田らウヨってのはそういうゲスでしょう。

この男はどこまで転落するのか。もう社民党から立候補するぐらいの末路しかないだろう。 
■「無償化排除は官製ヘイト」前川喜平氏が朝鮮学校で講演: 産経
http://www.sankei.com/life/news/181013/lif1810130040-n1.html

 「朝鮮学校無償化除外批判」は国連や日弁連も批判しており左翼云々という話ではない。
 また、「自民党総裁選に敗れ、失意のあげく首つり自殺した中川一郎*18」「アル中による醜態で選挙に敗れ、失意のまま、病死した中川昭一*19」「事務所費疑惑、緑資源機構疑惑で灰色高官として名前が浮上し、ついに首つり自殺した松岡利勝・第一次安倍内閣農水相」などならまだしも「社民党から立候補すること」の何が「末路」「転落」なんでしょうか?
 また、前川氏は「内藤誉三郎*20」、「高石邦男*21」、「加戸守行*22」など「政界入りした文科(文部)官僚」と違い今のところ政界進出の意向など表明していません。
 彼の言動を信用する限り、前川氏には高石や加戸のような政界への野心はないのではないか。
 大体、日本のような在日差別の酷い国においては、朝鮮学校支援など、むしろ政界進出したいなら、しない方がいい。石原慎太郎*23が、新井将敬相手にばらまいた「朝鮮総連云々」のデマビラを選挙戦でばらまかれかねません。
 また「大企業・前川製作所の御曹司」「妻は中曽根康弘*24元首相の娘」という前川氏が左派の訳もない。
 そういう意味で「島田の悪口」はくだらないですが、それはともかく。正直、島田のようなウヨ連中に比べて、前川氏の方がずっと輝いて見えますね。それはもちろん俺が彼の主張の多く(モリカケ告発、夜間学校支援、朝鮮学校支援、安倍自民流の道徳教育への批判)に賛同してるからですが、それだけでなく彼が「拉致被害者家族会を去った蓮池透氏」のように組織から自立しているからでしょう。
 古巣である文科省には今も恩義も魅力もあるでしょうが、それでも文科省の問題点は指摘し、批判する。一方島田らウヨ連中の多くは「組織のしがらみなどから醜態をさらす」わけです。明らかな不正であるモリカケすら「安倍批判したら右翼業界でたたかれる」「安倍は俺たちウヨにとって石破や岸田より都合がいいから不正も黙認しよう」などのくだらない理由で醜態をさらす。前川氏とは偉い違いです。

 調べるなら、訴えた女性の行状・背後関係の方も同時に調べろというのが米保守系トークラジオの意見だ。女性が虚言で人を貶めた例も多数ある。 
■カバノー氏疑惑、FBIが追加調査へ 人事承認の本会議採決は延期 - 産経
http://www.sankei.com/world/news/180929/wor1809290020-n1.html

 完全にセカンドレイプですね。「日本の安倍」ではない、「米国のトランプ」ですらこれです。
 たぶん安倍御用記者・山口敬之(元TBS)を「準強姦」で告発した女性・伊藤詩織さんについてもそういう差別的な見方を島田ら安倍万歳ウヨはしてるのでしょう。
 安倍の「ダチ公・山口を守るための準強姦捜査もみ消し疑惑(警察に捜査するなと安倍が圧力)」についても島田らは「野党やマスコミの言いがかりだ」とためらいなく言うのでしょう(もちろん根拠レス)。しかしモリカケといい、山口疑惑といい、安倍のせいで、もはや法治国家とは呼べない笑えない状況になっています。
 なお、伊藤さんについては高世仁の記事『伊藤詩織さんがドキュメンタリー作品で受賞』(http://d.hatena.ne.jp/takase22/20180720)を紹介しておきます。高世記事を信じるなら有能な方のようです。
 一方で島田らウヨ連中の嫌いな人間(例:モニカ・ルインスキー問題のクリントン大統領、都知事選でセクハラ云々の記事が週刊文春に載った野党共闘候補の鳥越氏)が「セクハラ云々」などで騒がれると平然と「重大な疑惑だ」とか言い出す。絶対に「訴えた女性(例:ルインスキー)の行状・背後関係の方も同時に調べろ」とは言わない。全くもってご都合主義です。

今日出た一文です。
【正論】ロシアゲートは実体なき疑惑だ 福井県立大学教授・島田洋一(1/2ページ) - 産経ニュース
http://www.sankei.com/column/news/180919/clm1809190006-n1.html

 「実態ない疑惑」のわけがないでしょう。むしろ実体のない疑惑、言いがかりというなら「蓮舫民進党代表(当時)の二重国籍が―」などのほうがよほどそれに該当します。しかし、島田もなんでここまでトランプを擁護しますかね。

 ボヤくのではなく、なぜ安倍より石破が首相にふさわしいと思うのかしっかり国民に説明すべきだ。 何を甘えているのか。
■「石破氏応援なら辞表書け」…農相に「圧力」か:読売新聞
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20180914-OYT1T50104.html?from=tw

 安倍にとってさすがに「斎藤*25農相に辞表要求して何が悪い」とは公言できないだろうことで「石破支持だから要求されても仕方がない」といえる島田も相当の馬鹿です。
 島田がまだ「斎藤氏によれば発言者は安倍総理ではなく応援団の一人だというのだから首相に責任はない」というならまだわかりますが。

 要するに舐められているわけだ。倍返しするくらいの姿勢が必要だ。
プーチン大統領はなぜいつも遅刻するのか? 今回は2時間半待たされた安倍首相
https://newsphere.jp/world-report/20180914-2/

 といったところで安倍は今後もなめられ続けるでしょうし、なんだかんだいっても島田らは「九条改憲のため」に安倍がプーチンからなめられることを容認し続けるわけです。

 例えばこの人物が、日本の名誉を守る立場から、慰安婦問題について英語でしっかり説明した例を知らない。
河野太郎外相苦言 日本メディアは「政局、北朝鮮ばかり」 取材は「外相会談冒頭の英語を理解する人に」
https://www.sankei.com/politics/news/180914/plt1809140070-n1.html

 そもそも安倍だって慰安婦問題では「河野談話堅持」を「舌先三寸とはいえ主張している」のですがね。河野は批判しても安倍は批判できないでたらめな島田です。

 脱退すればよい。巨額の運営資金を負担させられつつ、不合理な非難を浴び手を縛られる。愚かな外交に終止符を打つべきだ。
商業捕鯨再開案を否決=日本、IWC脱退示唆−欧米など反発強く:時事ドットコム
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018091401043&g=eco

 脱退すれば商業捕鯨できるかもしれません。問題は「そうすることに何のメリットがあるのか」ということです。
 そんなことをすれば国際的批判は避けられません。一方で日本において捕鯨はもはや「ビジネスとして成立するか」疑問です。
 「単に鯨肉を食べたいだけ」「単に鯨肉料理で商売したいだけ」なら何も日本が捕鯨する必要もない。「将来的にはいろいろ問題があるかもしれませんが」、短期的には「アイスランドなど捕鯨する国からの鯨肉輸入」でまかなえるわけです。当面はアイスランドなどが捕鯨をやめることはなさそうですし。
 もちろん「アイスランドからの鯨肉輸入」だって当然非難されますが「日本のIWC脱退で公然と捕鯨」よりはまだましでしょう。

 ほのぼのとした部分が全くない。
■中ロ首脳が一緒にクレープ 蜜月アピール:産経フォト
https://www.sankei.com/photo/daily/news/180912/dly1809120003-n1.html
 ロシア極東ウラジオストクで開催中の「東方経済フォーラム」に出席している中国の習近平国家主席とロシアのプーチン*26大統領が11日、エプロン姿でロシア風クレープ「ブリヌイ」を焼いて食べる一幕があった。安全保障、経済両面で結束を強める両国の蜜月ぶりをアピールした。
 ブリヌイは、薄い生地に野菜や肉、果物などを包んで食べるロシア料理。手慣れた様子でフライパンを振るプーチン氏が習氏に手ほどきをする場面も。焼き上がった生地にキャビアを包んだ“高級ブリヌイ”をウオッカと共に楽しんだ。
 アジア重視を打ち出すプーチン政権にとって、対米国で立場を同じくする中国は最大のパートナー。11日の中ロ首脳会談や、その後の共同記者発表でも、プーチン氏は習氏を「最も重要なゲスト」「友人」と称した。

 「『ほのぼのさがなくて、殺伐としてる』なんて、そんなプーチン大統領と習主席への悪口なんかどうでもいいから、プーチンの『島の返還は脇に置いてとにかく年内に日露平和条約』発言とそれに対し、現時点では安倍政権が抗議どころかコメントすらまともにしないで逃げてることについて語れよ」と思いますが、まあ安倍万歳の安倍信者として「プーチン発言はなかったことにする」んでしょう。
 これが安倍でなく「島田が嫌ってる」福田康夫*27首相だの菅直人*28首相だのなら「プーチンになめられてる、外交失敗だ」と悪口してるでしょうが。
 「5月の李首相訪日時の安倍の大歓迎」や「そのときの一帯一路参加発言」をなかったことにしてるのと同じ話です。前からわかりきってますが、島田は学者ではなく完全な右翼活動家ですね。

 本来なら日本もやるべき話だ。 
■正恩氏暗殺計画で空軍が極秘訓練 昨年10月、米政権の内幕本:国際:中日新聞
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2018091101002208.html
 トランプ米政権の内幕を描いた米紙ワシントン・ポストの著名記者ボブ・ウッドワード*29の新刊「恐怖」が11日、出版された。米朝の緊張が高まっていた昨年10月、米空軍が中西部ミズーリ州北朝鮮金正恩朝鮮労働党委員長を暗殺する訓練を極秘に実施していたと記述。有事に備える選択肢の一つとして実施されたとしている。
 訓練は北朝鮮と地形が似ているミズーリ州の高原で行われた。爆撃機や早期警戒機、給油機の暗号交信がうまく機能せず、軍の周波数を監視していた地元住民に交信が漏えいした。ある交信では「北朝鮮指導部」などの言葉が飛び交っていたという。

 いつものことですが島田という男も完全に常軌を逸していますね。
 まあ、「『大統領の陰謀』で大いに名を売った名物記者ウッドワードの著書*30」「訴訟大国米国ではうかつな本を書くと巨額賠償訴訟でまずいことになる」「特に相手は政敵相手に何をやらかすかわからない怖いところがあるトランプ」ということで「訴訟されても大丈夫なようにそれなりの根拠がある」と思いたいところですが真偽は不明です。
 しかし、これが事実としてこういう情報をリークした人間とリーク情報を基に本を書いたウッドワードの目的は「暗殺という暴挙の阻止」でしょうか。いずれにせよ祖父や父の時代ならまだしも「金正恩時代」にそんなトランプ政権の「暗殺計画があった」なんてことが表面化した以上、北朝鮮としては「事実関係が明白にならないと非核化できない。暗殺すら計画する人間相手に無条件で非核化などできない」「事実関係が明確にできないならせめて体制保障の確約をはっきりしてくれ。終戦宣言すら出さないなんて受け入れられない」といってもおかしくないでしょうね。
 真偽はともかくさすがにトランプもこれは「たとえ事実でも」、真実と認めるわけにはいかず、「ウッドワードのフェイクニュースだ!」「北朝鮮に非核化拒否の口実を与えた!」「ウッドワードは北朝鮮シンパなのか!」とでも言うんでしょうか?。あるいは単に「ノーコメント」「コメントする価値もない」などで逃げるか。
 なおいくつか気になったところをコメントしておきます。

軍の周波数を監視していた地元住民に交信が漏えいした

 「地元住民の周波数監視」とは日本の基地反対運動のような平和団体でしょうか?
 それにしても「漏洩が事実なら」ずいぶんとお粗末なことです。
 なお、北朝鮮攻撃話については別にこんな記事もあります。

https://www.asahi.com/articles/ASL9D4F61L9DUHBI00Q.html
朝日新聞北朝鮮へ先制攻撃「鼻血作戦」 トランプ氏暴露本で判明』
 ニクソン米大統領を辞任に追い込む「ウォーターゲート事件」を暴いた、米紙ワシントン・ポストボブ・ウッドワード氏によるトランプ政権の内幕本「FEAR(恐怖)」が11日、発売された。描かれたのは、北朝鮮への先制攻撃計画の策定やシリア大統領の殺害指令など、即興的、感情的なトランプ大統領の姿だ。米政権の安全保障政策は危うい綱渡りを続けている。
■先制攻撃計画
 FEARによると、トランプ氏は就任1カ月後の2017年2月、米軍制服組トップのダンフォード統合参謀本部議長に対し、北朝鮮への先制攻撃計画を作るよう指示をした。ダンフォード氏が当時、共和党の重鎮グラム上院議員に体を震わせながら打ち明けた。
 同年10月、北朝鮮と地形が似ている米ミズーリ州のオザーク高原で、爆撃機を使った空爆のシミュレーションが行われた。米空軍には、指導者を殺害する複数のプランがあった。パイロットは「北朝鮮の指導者がいると思われる場所」と交信し、最大の威力が発揮できるよう低空から爆弾を投下。同年4月にアフガニスタンで過激派組織「イスラム国」(IS)の地下施設を破壊するために投下された大型爆弾も使われた。
 マクマスター大統領補佐官(当時)が強硬派で、ホワイトハウス内では「もし大統領が攻撃するならば、北朝鮮が核ミサイル兵器を向上させる前が良い」と主張していたという。
 政権内で検討された先制攻撃計画は「鼻血(Bloody nose)作戦」と呼ばれた。その後の米朝の緊張緩和がなければ、何らかの誤算で軍事行動が取られた可能性も否定できない。

島田洋一
‏・日経ビジネス泊原発が動いていれば、苫東厚真をフル稼働させる必要はなく、脱落による供給の急減は起きなかった」。しっかり検証すべきポイントだ。
日経ビジネス『北海道のブラックアウト、なぜ起きた?』
https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/022700115/090700147/?n_cid=nbpnbo_twbn

 「地震被害を泊原発正当化にこじつけよう」とは島田も本当にふざけていますね。
 なお、島田以外のウヨも
■産経『【主張】北海道の電力危機 安定電源の確保に全力を』
https://www.sankei.com/column/news/180912/clm1809120001-n1.html
■国家基本問題研究所『全道停電は泊原発の停止も一因』奈良林直(東京工業大学特任教授)
https://jinf.jp/feedback/archives/23439
櫻井よしこ『全道停電は原子力規制委の知的怠惰が原因』
https://yoshiko-sakurai.jp/2018/09/20/7641
などで「安定電源の確保=泊原発再稼働」という島田と同様の火事場泥棒的主張をしています。
 なお、コメ欄でid:Bill_McCrearyさんから指摘がありますがこれについてはinti-sol氏の■泊原発を再稼動しろ、という暴論(修正あり)
https://plaza.rakuten.co.jp/intisol/diary/201809080000/
を紹介しておきます。
 ここでinti-sol氏は

https://plaza.rakuten.co.jp/intisol/diary/201809080000/
 本質的には、泊原発にしろ苫東厚真発電所にしろ、北海道の電力需要に比べて、1基辺りの出力が過大に過ぎるところに問題があります。だから、1基止まっただけでも需給バランスが崩れる。より小出力の発電所を多数、地域的にも1箇所にかたまらないようにして稼動するほうが、今回のような不測の災害に対する備えとしては優れているのです。

と書いていますが、これは後で紹介する日経ビジネス

https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/022700115/090700147/?n_cid=nbpnbo_twbn
 電力網(系統)が大きすぎることだ。大規模集中の電力システムは、大規模で高効率な発電所から、広域に送電することを前提として作られている。だからこそ、苫東厚真のような大規模な発電所が脱落したときには、連鎖的に停電が広がる範囲が大きい。
 近年、再生可能エネルギーの普及拡大は凄まじい勢いで進んでいる。配電網内に設置した分散電源を融通しながら利用する系統技術も開発が進んできた。例えば、大規模な発電所が脱落して送電ができなくなった時に、すべてを停電させるのではなく、分散電源を備えた配電網を一時的に送電網から切り離せば、完全な停電にならずに済む。

と同様の認識かと思います(つまり後でも指摘しますが日経ビジネス記事は島田ほどの泊原発万歳論ではありません)。
 そもそも「今回は泊原発付近は震度3程度で済んだ」のですが、泊原発震度7レベルが襲ったらまずいから停止してるんですが。
 そもそも仮に「泊原発停止が不適切な政策」だとしても、それを前提に震災対策なり送電対策なりを考えるのが当たり前であって「泊原発が稼働してれば苫東厚真は止まらなかった」なんてのは詭弁でしかありません。いやそもそも「泊原発ガー」は泊が地震で停止する可能性を考えれば正しいのか疑問ですが。
 なお、日経ビジネス記事をよく読んだところ、

https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/022700115/090700147/?n_cid=nbpnbo_twbn
 なぜ今回、ブラックアウトが起きたのか。原因を端的に言えば、北海道電力・苫東厚真火力発電所厚真町)の一極集中だ。
 では、なぜ苫東厚真の一極集中は起きたのか。理由は、推測も含めて様々ありそうだ。
 まず第1に、苫東厚真が高効率な石炭火力発電所であったことだ。発電所の効率性は規模に比例する。道内最大規模の苫東厚真は、発電コストが安価で、北電にとって競争力のある電源だったはずだ。
 ある大手電力幹部は、「電力自由化が進む中、発電コストが安い発電所を稼働させたいと考えるのは普通のこと。苫東厚真発電所は北電エリアで最も大規模な石炭火力。これを動かしたいと思うのはよく分かる」という。
 第2が、北電・泊原子力発電所が稼働していなかったこと。「泊原発が動いていれば、苫東厚真をフル稼働させる必要はなく、脱落による供給の急減は起きなかった」という声も聞こえてきた。ただ、泊原発地震検知によって停止する可能性があり、これが根源的な解決法になるのかどうかは分からない。
 第3が、本州との連系線の強化だろう。北海道と本州をつなぐ北本連系線の現在の容量は60万kW。東日本大震災後の議論を経て2019年には90万kWに拡張することが決まっている。
 仮に、苫東厚真の脱落による影響が、北本連系線の容量以下であれば、本州からの送電によってブラックアウトを回避できた可能性がある。
 そして第4が、電力網(系統)が大きすぎることだ。大規模集中の電力システムは、大規模で高効率な発電所から、広域に送電することを前提として作られている。だからこそ、苫東厚真のような大規模な発電所が脱落したときには、連鎖的に停電が広がる範囲が大きい。
 近年、再生可能エネルギーの普及拡大は凄まじい勢いで進んでいる。配電網内に設置した分散電源を融通しながら利用する系統技術も開発が進んできた。例えば、大規模な発電所が脱落して送電ができなくなった時に、すべてを停電させるのではなく、分散電源を備えた配電網を一時的に送電網から切り離せば、完全な停電にならずに済む。

ということで日経ビジネスは島田ほど「泊原発プッシュではありません」。

例えば、大規模な発電所が脱落して送電ができなくなった時に、すべてを停電させるのではなく、分散電源を備えた配電網を一時的に送電網から切り離せば、完全な停電にならずに済む。

日経ビジネスは書いていますから。この「分散設備」とは別に原発を意味しません。
 島田が日経ビジネス記事をよく読んでないのか、はたまた島田ツイートを見た人間がリンク先を見ないで島田ツイートを鵜呑みにすると思っているのか。いずれにせよ島田ツイートは「日経ビジネス記事の適切な紹介」とはとても言えません。

 台湾と国交を持つナウルが中国代表団に外交旅券でなく一般旅券での入国を求めたことに対し。中共がより大規模かつ執拗にやっていることだ。鑑に向かって発言せよ。
■中国、ナウルに猛反発=「稚拙な茶番」、退席も
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018090501101&g=int
 中国外務省の華春瑩・副報道局長は5日の記者会見で、太平洋諸島フォーラム首脳会議の開催国ナウルが中国代表団の外交旅券での入国を拒否したことなどに、「国際的慣例やフォーラムの規定に背き、稚拙な茶番を演じた」と激しい反発を示した。
 華氏は、中国と国交がないナウル側が開会前日、中国代表団に一般旅券での入国を要求し、会議中も「中国代表の発言を妨害した」と主張。中国側は退席して抗議し、「多くの国家代表団も会場を離れ、ナウルに強烈な不満を示した」と説明した。

 さすがの島田も「中国だって似たようなことをやってる」とは言えても「ナウルの行為に問題はない」とは言えないようです。

ムン・ジェイン*31よりはましだったということだ。
■朴前大統領、元徴用工勝訴懸念か 「国が恥かく」、韓国紙報道 - 共同通信
https://this.kiji.is/409267150308394081?c=0

 真偽のほどは不明ですが

https://this.kiji.is/409267150308394081?c=0
 3日付の韓国紙ハンギョレは、植民地時代に動員された元徴用工らが日本企業に損害賠償を求めた訴訟の進行を朴槿恵前政権と韓国最高裁が遅らせていたとの疑惑に関し、16年に朴前大統領が「(元徴用工側勝訴の)判決が確定すれば国が恥をかく」と懸念していたと報じた。疑惑を深める報道で対日世論を悪化させる可能性もある。
 日韓両政府とも元徴用工の問題は「解決済み」との立場だが、韓国最高裁は12年に元徴用工側敗訴の控訴審判決を破棄、高裁が差し戻し審判決で日本企業に賠償を命じた。日本企業側が上告して再び最高裁に舞台が移ったものの、確定判決が出ない状態が続いている。

なんて事実なら「行政の司法介入」というとんでもない話なんですが、朴批判するどころか褒めるのだから島田は正気ではありません。
 一方で「日本政府や中国政府に忖度して故意に最高裁が訴訟を引き延ばしてるとしか思えない光華寮訴訟」について「自民党から最高裁に『日中関係に配慮してほしい』との要望があった」なんてことが仮に証拠付きで報じられれば『三権分立の侵害だ』と言い出すのが島田でしょう。全くでたらめです。なお、「証拠がない」とはいえ光華寮訴訟が未だに終わってないなんてのはどう考えても不自然ですよねえ。
 何せ1審判決が1977年、2審判決が1987年で、ずーっとほったらかしで2007年に突然最高裁判決ですからねえ。しかもそれが「破棄差し戻しで、また地裁から審理」。未だに裁判が終わってないわけで、1977年の1審判決から既に40年経過してます。こんなんは不自然過ぎて「証拠などなくても」普通に考えて「政治的忖度以外あり得ない」でしょう。

参考

https://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20180419000014
京都新聞2018年04月19日朝刊『廃墟、元留学生寮の内部に 京都、「二つの中国」問題象徴』
 老朽化が進むが無人で、近隣住民から崩落などを懸念する声がある京都市左京区北白川西町の元中国人留学生寮「光華寮」に、京都市が立ち入り調査していたことが18日までに分かった。京都市空き家の活用・適正管理条例に基づき本来は市が所有者に改善を指導できるが、「二つの中国」と日本をめぐる外交問題の象徴となってきた「光華寮訴訟」が半世紀以上続き、京都地裁で「塩漬け」状態のため所有者は宙に浮いている。指導相手が未定のまま、市は今年1月に初めて調査に踏み切った。
 光華寮は1932年建築で鉄筋コンクリート造り5階建て。戦争末期に日本政府の指示で各地の中国人留学生が入居した。戦後、中国共産党との内戦に敗れた国民党政府の台湾(中華民国)が購入した。72年に日本が台湾と国交断絶したため、提訴から半世紀を経た今も所有権をめぐる訴訟が京都地裁で係争中。
 裁判で所有者は確定していないが、中国政府を支持する「京都華僑総会」(左京区)が実質的に管理してきた。不審者対策で塀を設置、落下しそうな窓ガラスやアンテナは撤去した。元寮生の同会関係者(72)は「近隣住民の命が何より大事。地震で倒れる恐れもあり心配」と危ぶむ。
 京都市の空き家条例は、管理不全状態解消のため市が所有者を指導できると定める。2015年には空き家対策特措法も施行された。管理が行き届かない空き家に自治体が建築基準法により行政代執行した例もあるが、デリケートな外交問題だけに市は慎重な姿勢だ。
 調査は今年1月に技術職員が建物内に入った。コンクリートがはがれ、鉄筋がむきだしの箇所も確認したという。市まち再生・創造推進室は「裁判の結果が出ないと指導の相手が決まらない」としながらも、「見るからに危険な状態。どういうことができるのか考えたい」と対応を模索する。

 もう取り壊した方がいいんじゃないですかね。つうか最高裁が狙ってるのはそれじゃないか。取り壊せば「寮がなくなったから判決出す意味がなくなった」で片付けられるわけです。
 あるいはいざとなったら取り壊してなくても「事実上廃墟だから判決出す意味がなくなった」で片付けるのかもしれません。まあ関係者からすれば「誰のせいで廃墟になったと思ってるんだ!。最高裁がすぐに判決を出さないからだろうが!」でしょうが。

ポスト安倍について「誰かが育てるのではなく自ら育ってくるものだ」。その通りだ。
安倍晋三首相 産経単独インタビュー
https://www.sankei.com/premium/news/180902/prm1809020018-n1.html

 もちろん安倍がこんなことを言ってるのは「安倍にポスト安倍を育てる能力どころか、意思もないから」「安倍好みのウヨがポスト安倍になる可能性がほとんどないから」でしょう。島田とてそんなことはわかっている。
 たとえば安倍の祖父・岸*32元首相などは子分の福田赳夫に派閥を継がせ、「岸内閣農林相、佐藤*33内閣外相、自民党幹事長(佐藤総裁時代)」などをやらせてポスト佐藤栄作として積極的にプッシュしていたのですがね(「池田内閣蔵相、佐藤内閣通産相などを歴任した」田中角栄との首相ポスト争いでは福田は敗れるが、その後田中、三木*34退陣後に首相に就任)。
 一時は「政調会長をやらせた稲田が安倍のお気に入り」だったのかもしれませんが防衛相を不祥事で事実上首になって以降は、安倍にとって「稲田に代わる人間」はいないのでしょう。
 もちろんいかに「安倍政権で政府や党の要職を務めたことがある」からといってたとえば岸田政調会長(前外相)や野田総務相(元自民党総務会長)などを育てる(?)気は安倍にはないでしょう。岸田らの側も「ノーサンキュー」でしょうが。
 しかし

ポスト安倍」について「誰かが育てるのではなく自ら育ってくるものだ。自民党は多士済々だし、人材の宝庫だ。首長にも優れた人材がいる」と述べた。

という安倍の「首長」とは誰のことなんですかね?。都知事の小池*35のことか?。まあ誰にせよ本心と言うよりは「適当な思いつき発言」でしょうが。
 「ポスト安倍に名が上がってる首長」「ポスト安倍にしたいと安倍本人が思ってる首長」なんてもんはいないでしょうから。橋下も大阪市長を辞任に追い込まれてからは「国政進出に転じることなどもできず」全く存在感がなくなりましたしね。
 それにしても島田がリンクを張る産経インタビューで安倍は

https://www.sankei.com/premium/news/180902/prm1809020018-n1.html
 10月下旬に訪問予定の中国との関係については「5月に李克強*36首相が来日し、日中関係は完全に正常な軌道に戻った」と断言した。「訪中を楽しみにしているし、その次は習近平*37国家主席を日本に招きたい」とも述べた。

というのにその点について島田が何一つ触れずに逃げてるのが実に滑稽です。
 いやそもそもこの産経記事のタイトルが

安倍晋三首相 産経単独インタビュー『対中改善に自信「完全に正常な軌道に戻った」』

なのに島田がツイートでリンクを張るときに

『対中改善に自信「完全に正常な軌道に戻った」』

を完全にツイートでの引用文から落としてることも実に滑稽です。ツイートでの引用から外したところで、リンク先を見ればすぐにわかることですが、それでも島田は「安倍の親中国発言(?)を隠したかった」のでしょう。まあそんな「明らかに不自然な紹介」をするくらいだったら、最初から産経記事なんか紹介しない方がいいでしょうにねえ(苦笑)。
 これが安倍以外なら島田は「中国にこびてる」と確実に悪口してるでしょうに島田も全くでたらめな野郎です。
 まあ島田らウヨ(他にも櫻井よしこ福島香織など)が触れないと言えば「安倍訪中の下準備」とされる二階*38幹事長や秋葉*39外務事務次官の訪中についても島田らは黙りで何ら触れないわけですが。

*1:著書『アメリカ・北朝鮮抗争史』(2003年、文春新書)など

*2:著書『ゲバラの実像:証言から迫る「最期のとき」と生き様』(2016年、朝日新聞出版)

*3:これは日本に限らず中国なんかでもまさか「ウイグル語、チベット語だけ教育(中国語は教育しない)」つうわけにもいかないでしょう。要するに「バイリンガル教育」ですね。

*4:同業他社の多くは「子ども」表記なのに産経だけは「子供」表記にこだわっています。

*5:著書『エジプトの都市社会』(1999年、早稲田大学出版部)、『日本のモスク:滞日ムスリムの社会的活動』(2015年、山川出版社

*6:ロス五輪男子体操個人総合、吊り輪金メダル、跳馬銀メダル、鉄棒、団体総合銅メダル。

*7:小泉内閣外務大臣政務官、第一次安倍、福田内閣で文科副大臣。現在、日本レスリング協会副会長

*8:著書『ルポ 戦場出稼ぎ労働者』(2010年、集英社新書)など

*9:著書『ダイヤモンドより平和がほしい:子ども兵士・ムリアの告白』(2005年、汐文社)、『エイズの村に生まれて:命をつなぐ16歳の母・ナターシャ』(2007年、汐文社)、『ルワンダの祈り:内戦を生きのびた家族の物語』(2008年、汐文社)、『もしも学校に行けたら:アフガニスタンの少女・マリアムの物語』(2009年、汐文社

*10:著書『近代日本の軍部と政治』(1993年、思文閣出版)、『青年君主昭和天皇と元老西園寺の日記』(2003年、京都大学学術出版会)、『日中戦争から世界戦争へ』(2007年、思文閣出版

*11:著書『沖縄戦と民衆』(2002年、大月書店)、『BC級戦犯裁判』(2005年、岩波新書)、『シンガポール華僑粛清』(2007年、高文研)、『戦後平和主義を問い直す』(2008年、かもがわ出版)、『戦犯裁判の研究』(2009年、勉誠出版)、『沖縄戦 強制された「集団自決」』(2009年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)、『沖縄戦が問うもの』(2010年、大月書店)、『米軍基地の歴史』(2011年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)、『裁かれた戦争犯罪:イギリスの対日戦犯裁判』(2014年、岩波人文書セレクション)、『暴力と差別としての米軍基地』(2014年、かもがわ出版)、『沖縄からの本土爆撃:米軍出撃基地の誕生』(2018年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)など

*12:著書『草の根のファシズム』(1987年、東京大学出版会)、『毒ガス戦と日本軍』(2004年、岩波書店)、『焼跡からのデモクラシー:草の根の占領期体験(上)(下)』(2014年、岩波現代全書)

*13:共青団中央書記処第一書記、貴州省党委員会書記、チベット自治区党委員会書記などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*14:島田の主張が事実かどうかは不明です。

*15:そんなことより安倍の「工藤会を使った下関市長選挙デマビラ疑惑(あげく成功報酬をケチったことで工藤会に火焔瓶を安倍事務所に投げ込まれる)」、「統一教会への祝電」、「ニッキョーソ」ヤジ、「安倍御用記者・山口某のレイプもみ消し疑惑(安倍が山口を逮捕しようとした警察に圧力をかけた)」やモリカケ疑惑の方がずっと不見識ですし、そんな安倍をかばう島田らウヨの方がずっと不見識です。しかし安倍のでたらめさには改めてうんざりしますね。

*16:島田の主張が事実かどうかは不明です。つうかさ、島田さんよお、あの議連は岩屋さんより大物の「二階幹事長」「岸田政調会長」が幹部なんだけど、それはええんかい?。

*17:著書『江戸の想像力:18世紀のメディアと表徴』(1992年、ちくま学芸文庫)、『江戸の音』(1997年、河出文庫)、『江戸の恋』(2002年、集英社新書)、『樋口一葉「いやだ!」と云ふ』(2004年、集英社新書)、『江戸の懐古』(2006年、講談社学術文庫)、『未来のための江戸学』(2009年、小学館101新書)、『春画のからくり』(2009年、ちくま文庫)、『江戸っ子はなぜ宵越しの銭を持たないのか?:落語でひもとくニッポンのしきたり』(2010年、小学館101新書)、『江戸百夢:近世図像学の楽しみ』(2010年、ちくま文庫)、『グローバリゼーションの中の江戸』(2012年、岩波ジュニア新書)、『張形と江戸女』(2013年、ちくま文庫)、『カムイ伝講義』(2014年、ちくま文庫)、『芸者と遊び』(2016年、角川ソフィア文庫)など

*18:福田内閣農水相、鈴木内閣科学技術庁長官を歴任

*19:中川一郎の息子。小渕内閣農水相小泉内閣経産相麻生内閣財務相を歴任

*20:元文部事務次官。後に参院議員。大平内閣で文相

*21:元文部事務次官リクルート事件で逮捕起訴され有罪判決。 1990年の第39回衆議院議員総選挙に福岡3区から無所属で出馬したが落選している。

*22:高石次官の側近。文部省官房長時代に、リクルートからの過剰接待で引責退官。日本芸術文化振興会理事長、JASRAC理事長を経て愛媛県知事。県知事在任中、県立高歴史教科書につくる会教科書を採用。また「第二次安倍内閣教育再生実行会議委員」をつとめ、日本会議愛媛県支部相談役という極右。加計疑惑でも愛媛県知事という立場から、加計と癒着し、獣医学部の愛媛進出をプッシュしたと疑われている。

*23:福田内閣環境庁長官、竹下内閣運輸相、都知事、維新の会共同代表、次世代の党最高顧問など歴任

*24:岸内閣科学技術庁長官、佐藤内閣運輸相、防衛庁長官、田中内閣通産相自民党幹事長(三木総裁時代)、総務会長(福田総裁時代)、鈴木内閣行政管理庁長官などを経て首相

*25:第二次安倍内閣環境大臣政務官、第三次安倍内閣農水副大臣を経て第四次安倍内閣農水相

*26:エリツィン政権大統領府第一副長官、連邦保安庁長官、第一副首相、首相を経て大統領

*27:森、小泉内閣官房長官を経て首相

*28:社民連副代表、新党さきがけ政調会長、橋本内閣厚生相、鳩山内閣副総理・財務相などを経て首相

*29:著書『グリーンスパン』(2004年、日経ビジネス人文庫)、『大統領の陰謀ニクソンを追いつめた300日(新装版)』(カール・バーンスタインとの共著、2005年、文春文庫)など

*30:どこかの出版社が翻訳すれば日本でもかなり売れそうですがどうなることか。なお、ウッドワードの本は過去には「日本経済新聞社」「早川書房「文藝春秋」から邦訳がでています。

*31:盧武鉉政権大統領秘書室長、「共に民主党」代表を経て大統領

*32:自民党幹事長(鳩山総裁時代)、石橋内閣外相を経て首相

*33:吉田内閣郵政相、建設相、岸内閣蔵相、池田内閣通産相科学技術庁長官などを経て首相

*34:片山内閣逓信相、鳩山内閣運輸相、岸内閣科学技術庁長官(経済企画庁長官兼務)、池田内閣科学技術庁長官、自民党政調会長、幹事長(池田総裁時代)、佐藤内閣通産相、外相、田中内閣副総理・環境庁長官などを経て首相

*35:小泉内閣環境相、第一次安倍内閣防衛相、自民党総務会長(谷垣総裁時代)など歴任

*36:共青団中央書記処第一書記、河南省長・党委員会書記、遼寧省党委員会書記、副首相などを経て首相(党中央政治局常務委員兼務)

*37:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*38:小渕、森内閣運輸相、小泉、福田、麻生内閣経産相自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)などを経て幹事長

*39:外務省国際法局長、総合外交政策局長、外務審議官などを経て外務事務次官

今日の産経ニュース(9/2分)(追記・修正あり)

■【書評】東北大学名誉教授・田中英道*1が読む『日本人として知っておきたい 世界史の教訓』中西輝政著 市民運動に革命輸出… 冷戦は続く
https://www.sankei.com/life/news/180902/lif1809020007-n1.html

 著者は、ソ連のスパイ、ゾルゲや尾崎秀実が暗躍した戦時中に、近衛文麿が、その脅威を天皇に上奏(じょうそう)した「近衛上奏文」を高く評価している。

・なお、「ゾルゲや尾崎の振る舞い」でわかることが一つあります。それは「スパイは政府批判をガンガンしたりはしない」つうことですね。「いつもいつも政府万歳」ではあまりにも怪しすぎるので、「苦言を呈する」程度ならするでしょうが「政府批判をガンガンしても、政府の反感買って、スパイ活動(機密情報の収集活動)の妨げになるだけ」ですから。
 ゾルゲは駐日ドイツ大使オットーとつながりがあったし、尾崎は尾崎で「有能な評論家」として日本政府関係者とコネクションがあったわけです。産経らウヨみたいに「安倍政権批判するのは中韓の手先」などというのはそういう意味で実に馬鹿げています。
・「近衛上奏文を高く評価」とは馬鹿馬鹿しくて話にならないですね。
 ガチでそう思っていたのか、ためにする誹謗かはともかく、「統制経済共産主義経済をごっちゃにしたあげく」、『東条英機*2ら陸軍統制派は統制経済を志向しているから共産主義者に違いない』なんて内容が近衛上奏文です。東条を「少なくともそこまでは否定的に評価してなかった*3昭和天皇」に「近衛は何をバカなことを言ってるのか」「そもそも東条を近衛内閣陸軍大臣にしたのは近衛ではないのか?」と呆れられるような文章の何が評価できるのか。
 大体「東条=共産主義者」ならなんで彼は首相在任中、ゾルゲ事件を摘発したのか。
 大体「統制経済共産主義」なら「企画院事件はでっち上げではない」「226事件青年将校の統制派認識は間違いではない」ことになってしまいます。
 「企画院総裁の星野直樹」や「満州国総務庁次長の岸信介*4」や「ナチドイツ総統ヒットラー」などの統制経済支持者も「共産主義者」なのか。そんなバカな話はない。
 そして東条が「隠れ共産党」なら、彼を靖国合祀していたらそれこそ問題でしょう。
 あの上奏文で評価できるのは「早期に降伏しないと終戦後、天皇が戦犯裁判にかけられて天皇制がやばいかもしれない」という部分だけでしょう。
 なお、あの上奏文の「統制経済共産主義、だから東条ら陸軍統制派は隠れ共産党かもしれない」を研究するとしたら「あんな認識は事実ではない」ので真偽を研究するなんてのは馬鹿馬鹿しい。
 そうではなく研究のポイントは
1)近衛は本心でそう言ってるのか、ためにする誹謗か
2)いずれにせよ首相として「国家総動員法を制定する」など、そうした統制経済を支持していたはずの近衛が何でそういう認識になるのか。近衛は「国家総動員法の制定」など「過去の自分」を否定する考えに至っていたのか。
3)近衛のそうした認識は「企画院事件」や「226事件青年将校の統制派認識」と関係があるのか
4)近衛のそうした認識にはブレーンの一人*5だった尾崎秀実のゾルゲ事件での摘発が影響してるのか
などといったところでしょう。

参考

星野直樹(1892〜1978年:ウィキペディア参照)
 満州国では国務院総務長官として腕を振るい、満州国の実力者「弐キ(国務院総務長官・星野直樹関東軍参謀長・東条英機)参スケ(満州重工業開発総裁・鮎川義介*6満州国総務庁次長・岸信介南満州鉄道総裁・松岡洋右*7)」の一角を占める。第2次近衛内閣企画院総裁、東条内閣内閣書記官長を務め、終戦後にA級戦犯として起訴された。終身禁固刑を受けるも後に仮釈放され、その後は旭海運社長、ダイヤモンド社会長などを歴任した。

http://ktymtskz.my.coocan.jp/cabinet/toojyo.htm
■人われを上等兵とよぶ:東条英機(『伝説と実像:昭和人物伝』杉森久英*8、1977年刊、p65-105)
 東条英機は特別に皇室尊崇の念が厚かった。彼はいつも次のように言っていた。
 「お上は神格である。われわれ臣下は、どれだけ偉くなっても人格以上にはなれない。
 首相などといっても、すこしも偉いものではない。
 なぜならば、首相には努力すればなれるが、お上ははじめからお上でおわしますからである*9
 国民はひとしくお上の赤子であるのだから、あまねくお上のお心持を隅々まで伝えると同時に、赤子である国民の心をまとめて、お上に帰一させることが大事である」
 終戦後、天皇がみずから神格を否定されるとともに、このような天皇観は公然とは通用しなくなったが、戦前の日本では、これが正統派の考え方であった。
 もっとも、戦前の日本でも、一定の年齢に達し、ある程度の教育を受けた青年は大部分、皇室ならびに国体に対して懐疑的になり、批判的になって、ただ公的に発言したり行動したりするとき、非愛国者として弾劾されないためにのみ、あたかも皇室を尊崇するかのように振舞うだけであった。
 従って、東条のように純真無垢な忠誠心は、一般社会ではほとんど姿を消していたのであるが、その点彼は非常に珍しい存在であった。
 東条英機の皇室尊崇心の端的なあらわれは、その上奏癖であった。
 彼は政治上の問題にしろ、軍事上の問題にしろ、すこし重大なことがあると、参内して、直接天皇に上奏しないでは気がすまなかった。
 歴代首相の中で、彼ほどたびたび上奏した者はなく、平均して週一回にはなるだろうといわれている。
 秘書官の赤松*10大佐の印象によると、東条首相がもっとも上機嫌で、晴れ晴れした顔をしているのは、上奏をすませて退下するときであったという。
 はじめ最も熱心に東条を支持し、彼に大命が降下するように尽力した木戸*11内大臣が、次第に彼を嫌うようになったのは、(中略)東条の上奏癖であった。
 内大臣の任務は、内閣から独立して、天皇を常侍輔弼(ほひつ)することである。
 ひらたくいえば、天皇の御相談役で、天皇の御質問を各大臣に伝えたり、臣下からの言上を天皇にお伝えしたりする役目である。
 取次役といってもいいし、伝声管といってもよい。
 ところがいま、東条のように、何かといえば参内して、直接陛下にお目にかかって、いろんなことを申し上げる者がいると、取次役の仕事がなくなってしまう。
 内大臣(中略)には用がない、じかに陛下に申し上げるといわんばかりのあしらいを受けては、面目丸つぶれである。
 木戸が次第に東条を排斥するようになったのは、ほかならぬ東条の忠誠心の故であった。
 はじめ木戸内大臣が東条を首相に推薦したのは、彼の忠誠心に期待をかけたからであった。
 木戸は陸軍大臣としての東条の勤めぶりを観察するに、彼ほど天皇のことを考え、勅命を大切にする者はいない。
 してみると、もし彼を首相にしたならば、天皇がどのように仰せられても、かならず御言葉に従うであろう。
 陸軍がいくら戦争をしたがっても、天皇がならぬとおっしゃるならば、陸軍を押えつけて、絶対に戦争をさせないであろう。
 こう思って、彼を推薦したのであった。
 そのころの心境について、のちに赤松大佐ほかの秘書官から質問されたとき、東条はこう答えている。
 「お上からの仰せで、日米交渉を白紙にもどしてやり直すこと、なるべく戦争にならぬように考慮することについて、謹んでこれが実行に当ったが、当時主戦論のたぎる際、戦争に突入することはむしろ容易であるが、このまま戦争をせず、米国の申し入れに屈した場合には、二・二六事件以上のものが起るかもしれない。
 そうした時は、憲兵と警察を一手に握り、断乎涙を呑んでこれを鎮圧して、治安を微動もさせない必要がある。
 そのために陸相と内相を兼ね、特に大臣級の人*12を内務次官にしたのであるが、開戦とともに民心が一応落着いたので、内相の兼任はやめたわけである」
 つまり、東条の陸相ならびに内相の兼任は権勢欲のためでなくて、治安維持のための必要やむを得ぬ処置なのであった。
 日本は開戦に踏み切ったのであるが、御前会議でその決定を見た直後、東条は赤松秘書官にむかってしみじみと述懐した。
 「お上から、日米交渉を白紙に還元して再検討せよと仰せられたときは、その通りに実施したつもりだったが、どうしても、この際戦争せねばならぬという結論に達したので、お上にお許しを願ったが、なかなかお許しがない。
 しばらくしてようやく、やむを得ないと仰せられたとき、(中略)まことに申し訳ないと思って、感慨無量であった。」


■【花田紀凱の週刊誌ウオッチング】〈684〉「週刊朝日」のあきれた新連載
https://www.sankei.com/premium/news/180902/prm1809020014-n1.html

 『週刊文春』、飯島勲(内閣参与)の「激辛インテリジェンス」は毎号、さすがの情報量と分析で必読のコラムだ。
 今週(9月6日号)は「石破茂*13は総裁選を辞退せよ」。今頃、こんなことを言えるのは飯島さんくらい。

 いやいやそんな安倍のこびへつらいなら、櫻井よしこ高須クリニックなど、ウヨ方面にいくらでもいるでしょう。しかし元親分の小泉氏*14は「モリカケを契機に」安倍からかなり距離をおいてるのに何で飯島氏はこんなに安倍にこびるのか。権力者が小泉氏であれ、安倍であれ、出世のためなら権力者にこびる権力亡者が彼なのか。今が安倍政権でなくて石破政権だったら、石破にこびて安倍を罵倒するのが彼なのか。
 はたまた櫻井よしこ高須クリニックのような異常な極右(ただし小泉政権時は表面化せず)が飯島氏なのか。
 まあどっちにしろ飯島氏も大いに評判を落としていますね。「小泉首相秘書官時代はともかく」今の安倍政権において彼に存在感があるとはとても思えませんしねえ。安倍も飯島氏におそらく大して感謝してないでしょう。
 先日の「安倍訪中の下準備」も飯島氏ではなく二階*15幹事長や秋葉外務事務次官が訪中してやったわけです。彼が週刊文春でやったという「安倍万歳、石破誹謗の醜態」など彼がやらなくても櫻井よしこ高須クリニックなどやる奴はいくらでもいる。
 しかし週刊文春モリカケ記事で安倍を批判していたはずなのに何でそんな駄文載せますかね?。安倍万歳に方針が変わったのか。
 しかし「石破の主張には賛同できない」ならまだしも「辞退しろ」ですか。よほど「無投票三選にできなかったこと」が悔しいようです。

 『週刊新潮』(9月6日号)「新聞・テレビが報じない『少年法』の敗北 『女子高生コンクリ詰め殺人』の元少年が『殺人未遂』で逮捕された」

 新潮らしいくだらない記事ですね。仮にその逮捕が「誤認逮捕でなく事実だとしても」『だから何?』ですね。
 残念ながら「少年犯罪者」に限らず、すべての犯罪者が更生するわけではないし、一方で「更生する犯罪者もいる」。その程度のことは新潮のようにバカ騒ぎすることでは全くない。
 ついでに言えば「この殺人未遂がどんなものか」という点も重要ポイントではあります。
 まあ、下手に詳細に報じると「少年法の精神を否定することになりかねない」問題もありますので詳細に報じられないのは仕方がないですが、同じ殺人未遂でも「被害者には落ち度はなく犯人の身勝手極まりない殺人未遂」と「被害者側にも落ち度があるケース」とでは話は違います。
 「被害者側に落ち度があれば殺人未遂していい」つう話ではないですが、「被害者側に落ち度があれば」同情の余地はある。
 正直、「ボーガスは野蛮人」と誤解されたくないのであまり詳しくは書きませんが「嫁姑などの親族トラブル」「職場の上司部下の人間関係」「地域住民のトラブル」などで「誰かに対してある種の殺意を全く覚えたことがない」つう人も珍しいんじゃないか。小生だってそういうものはゼロではない。
 そういう意味では「極論すれば」ほとんどの人間は誰でも「殺人犯になる抽象的な危険性はある」と思います。
 もちろん「1)殺してやりたいほど憎いと思うこと」と「2)本当に殺害を計画すること」と「3)その計画を実行に移すこと」にはそれぞれ「明らかな違いがあります」が。
 ほとんどの人間は1)はあってもそれが2)になることはないし、ましてや3)にはなりません。
 なお、この週刊新潮記事、花田は「よくやった」というだけで大して詳しく内容の紹介もせずに適当に流しています。
 「凶悪犯罪として騒げるような殺人未遂ではなく、下手に騒ぐとそれこそ名誉毀損で花田が訴えられかねず、かつそんな訴訟リスクを冒しても大して金儲けにもならない」ことを花田も自覚してるのでしょう。

 『週刊朝日』(9・7)があきれた新連載。「前川喜平の“針路”相談室」。
 歌舞伎町の出会い系バーで、“貧困女子”の相談に乗ってる方がお似合いだろう。

 おそらく、花田は
1)前川氏の新連載を読んですらない
2)一応読んだが、特に問題点もなかった。しかしとにかく罵倒したいので「出会い系バーガー」なんてアホなこと言ってるかのどっちかでしょう。まあ、正直、世間的評価は「前川氏>絶対に越えられない壁>花田」ですよねえ。そうでないのは安倍万歳ウヨだけでしょう。


■【昭和天皇の87年】乃木希典の殉死 明治の精神は「天皇に始まつて天皇に終つた」
https://www.sankei.com/premium/news/180902/prm1809020006-n1.html

 江戸初期の儒学者山鹿素行が著した「中朝事実」は、儒教の思想は易姓革命(※1)を繰り返す中国ではなく、万世一系の皇室をいただく日本に根付いており、日本こそが「中朝」であるとして、中華思想に染まった当時の知識層に民族的な自覚を促した大書だ。

 産経らしいですがまあ、馬鹿馬鹿しいですね。なんで「易姓革命思想」と儒教が矛盾するのかさっぱりわかりません。そもそも儒教においては「不徳の君主には報いがある」のだから易姓革命思想とむしろ合致しているでしょう(実際の王朝交代は中国に限らず、もちろんそういうきれい事ではありませんが)。
 「万世一系の皇室」なんてのも「大海人皇子大友皇子を打倒して天皇の位を奪った壬申の乱」などがわかりやすいですが、そうした「皇位を巡る争い」を考えれば明らかに事実に反しています。

 明治天皇崩御と乃木の殉死は、国民に激しい衝撃を与え、それは小説など文化活動にも反映されて今に伝えられている。

 当時はそうかもしれませんが今の日本においては明らかにそうではないですね。乃木の殉死を忠義などとして、評価するのは今時は右翼くらいのもんでしょう。
 そして当時の日本ですら「皆が殉死したら国が滅びてしまう、乃木の殉死は自己満足に過ぎない。次の天皇に仕えるのがとるべき道だ」という批判は天皇制支持者、支配体制の側からもあったわけです。
 そもそもそうした価値観(殉死が続出したらかえって社会が混乱する)から江戸幕府は「武士に対して主君死後の殉死を禁じていました」。

 乃木の殉死を時代錯誤とみなし、むしろ茶化すような風潮が、とくに若い世代の一部に生まれていたのも事実だ。
 芥川龍之介も小説「将軍」の中で乃木を茶化し、登場人物に「(乃木の)至誠が僕等には、どうもはつきりのみこめないのです。僕等より後の人間には、尚更通じるとは思はれません」と語らせている。

 産経の引用する文章を読む限りでは乃木の殉死に「批判的、懐疑的」ではあっても、茶化してはいないですね。そして芥川が乃木殉死に否定的なのは別に「彼が若いから」ではないでしょう。そして実際、芥川の言うとおりになったわけです。


■【主張】「パワハラ」告発 健全な体操界を取り戻せ
https://www.sankei.com/column/news/180902/clm1809020002-n1.html
 別に塚原夫妻をかばうつもりもないですが、現時点ではパワハラがあったかどうか真偽不明で体操協会が調査中のはずです。
 にもかかわらず「現時点では真偽不明な塚原夫妻をパワハラ疑惑で批判する」「宮川選手の告発を信用する」一方で「明らかにモリカケで真っ黒な安倍夫妻をかばう」「前川元次官の加計告発を嘘呼ばわりする」産経にはいつもながら呆れます。

 恥を知れ、と非難するのもむなしくなる。

 デマ記事常習の自分を棚上げして、他人を批判する産経のことですね、わかります。それとも野党のヤジを非難しながら自ら「ニッキョーソ」などと下劣なヤジを飛ばす安倍のことでしょうか?

 協会が設置する第三者委員会ではなく、上部組織の日本オリンピック委員会(JOC)が真相究明に乗り出すのが筋ではないか。

 協会が調査するというなら「協会の自主性を重んじ」まずは調査を任せるのが筋でしょう。「調査結果が出た後」ならまだしも、いきなりJOCが出しゃばるのは越権行為、内政干渉でしかない。
 JOCもそんなに暇でもないでしょう。
 そんなことが許されるのは「委員が明らかに塚原夫妻寄りでお手盛り調査が確実視されるとき」くらいでしょう。


■産経【阿比留瑠比の極言御免】国民から憲法改正の権利奪うな インタビューで強調した安倍晋三首相
https://www.sankei.com/premium/news/180902/prm1809020019-n1.html
 国民が改憲を望めば石橋*16、岸、池田*17、佐藤*18、田中*19などなどといった歴代総理によって既に改憲がされていたわけで「改憲の権利」など何も奪われていません。
 特に岸なんか明らかな改憲派ですからね。
 いつもながら安倍や阿比留のバカさには心底呆れます。本心では「俺たち改憲派が不当な扱いを受けている」といいたいところ、それではあまりにも党利党略過ぎると思い「国民」と言い換えたわけですが護憲派の国民もいるのでかえって意味不明になっています。


■【首相インタビュー】米紙の「真珠湾忘れぬ報道」否定 「全くの誤報だ」
https://www.sankei.com/politics/news/180902/plt1809020003-n1.html
 「ワシントンポスト報道から、安倍の否定までの間に時間がたちすぎてる」「しかも否定の場が記者会見ではなく産経単独インタビュー」の上に、「なぜそうした誤報が起こったのかが全く謎」という状況では誰も安倍の否定発言なんぞ信用しません。大体、安倍はモリカケ嘘八百ですし。

*1:元「新しい歴史教科書をつくる会」会長。著書『戦後日本を狂わせたOSS「日本計画」』(2011年、展転社)、『戦後日本を狂わせた左翼思想の正体:戦後レジームOSS空間」からの脱却』(2014年、展転社)、『戦後日本を狂わせた反日歴史認識を撃つ』(編著、2016年、展転社)、『日本人にリベラリズムは必要ない:「リベラル」という破壊思想』(2017年、KKベストセラーズ)など

*2:関東憲兵隊司令官、関東軍参謀長、陸軍次官、第2次、第3次近衛内閣陸軍大臣、首相など歴任。戦後、東京裁判で死刑判決。後に昭和殉難者として靖国神社に合祀

*3:つうか東条が共産主義の訳がないんですが

*4:戦前、満州国総務庁次長、商工次官、東条内閣商工相を歴任。戦後、自民党幹事長(鳩山総裁時代)、石橋内閣外相を経て首相

*5:とはいえ尾崎秀実は昭和研究会の中心人物ではないですが。

*6:日産コンツェルン創始者。戦後は、帝国石油株式会社社長、石油資源開発株式会社社長などを歴任。

*7:後に近衛内閣外相。戦後、東京裁判に訴追されるが裁判中病死。後に「昭和殉難者」として靖国神社に合祀される。

*8:著書『近衛文麿』、『参謀・辻政信』、『天才と狂人の間:島田清次郎の生涯』(河出文庫)、『美酒一代:鳥井信治郎伝』(新潮文庫)、『天皇の料理番』(集英社文庫)など

*9:「努力してなる方が偉いんじゃないの?」と俺なんかは思いますけどね。

*10:陸軍大臣秘書官(第一次近衛内閣の板垣大臣、第二次近衛内閣の東条大臣)、東条内閣首相秘書官を歴任

*11:第1次近衛内閣文相、厚生相、平沼内閣内務相、内大臣を歴任。戦後、東京裁判終身刑となるが後に仮釈放。

*12:東条内務大臣の後任として東条内閣内務大臣となった湯沢三千男(広島県知事、兵庫県知事、内務次官など歴任)のこと。

*13:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相など歴任

*14:宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相を経て首相

*15:小渕、森内閣運輸相、小泉、福田、麻生内閣経産相自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)などを経て自民党幹事長

*16:吉田内閣蔵相、鳩山内閣通産相などを経て首相

*17:吉田内閣蔵相、通産相、石橋内閣蔵相、岸内閣蔵相、通産相などを経て首相

*18:吉田内閣郵政相、建設相、岸内閣蔵相、池田内閣通産相科学技術庁長官などを経て首相

*19:岸内閣郵政相、池田内閣蔵相、佐藤内閣通産相などを経て首相

今日の産経ニュース(9/1分)(追記・修正あり)

■【話題の本】『ちひろメモリアル 生誕100年』別冊太陽編集部編 妻、母、娘としての素顔に迫る
https://www.sankei.com/life/news/180901/lif1809010019-n1.html
 ファンも多い著名画家とは言え、松本善明*1衆院議員(共産党)の妻で、自らも党員であるいわさき氏を「反共右翼」産経が取り上げるのは少し意外です。まあ割と文化面、家庭面は産経は「ウヨ路線全開の政治面」なんかよりはマシかもしれません。
 ちなみにググったところ今年2018年が生誕100年と言うことで他にも
朝日新聞いわさきちひろ、絵に込めた平和への執念 生誕100年』
https://www.asahi.com/articles/ASL86463JL86UCVL00H.html
毎日新聞『時代を超える、いわさきちひろの魅力 ちひろ美術館常任顧問・松本猛氏*2
https://mainichi.jp/articles/20180827/ddm/004/070/023000c

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-12-03/2017120301_06_0.html
赤旗『きょうの潮流』2017年12月3日(日)
 世代を超えて愛され続ける画家・いわさきちひろ。2018年に生誕100年を迎えるにあたり、その人生と画業の歩みを紹介する「ちひろの歩み」展が開催中です。(ちひろ美術館・東京で、来年1月31日まで)
(以下略)

https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-07-27/2018072703_03_0.html
赤旗『日曜版29日号』2018年7月27日(金)
 「アートなにちよう」は、(ボーガス注:東京ステーションギャラリーで開催中の展覧会)「生誕一〇〇年、いわさきちひろ、絵描きです。」などを紹介します。

https://www.travel.co.jp/guide/article/33870/
いわさきちひろのイメージの刷新を試みる展覧会
 いわさきちひろの生誕100年を記念した特別展が、東京駅丸の内駅舎内“東京ステーションギャラリー”にて2018年9月9日まで、開催されています。
 「いわさきちひろ、絵描きです。」という展覧会のタイトルは、ちひろが後に夫となる松本善明氏との初対面の時に自己紹介したときの言葉。
■「岩崎知弘」が「いわさきちひろ」になるまで
 展覧会の各章のタイトルもちひろの言葉からとられています。第Ⅰ章「わたしの娘時代はずっと戦争のなかでした」ではちひろの幼少期から敗戦の1945年まで、「絵描き」いわさきちひろになる以前の岩崎知弘*3にせまります。
 岩崎知弘は、14歳で画家・岡田三郎助に師事し、デッサンと油絵を学びます。ちひろ女子美術専門学校*4への進学を希望するも両親の反対を受け断念。その後20歳で婿養子を迎え結婚し旧満州に渡りますが、22歳の時夫の死により帰国。その年の12月には太平洋戦争が開戦します。
 ちひろは帰国の翌年、画家・中谷泰に師事し再び油絵を描き始めます。ちひろの戦前期の作品は戦火の中で、そのほとんどが失われていますが、この作品「なでしことあざみ」は中谷泰のアトリエにあったため被害を逃れました。
■絵描き“いわさきちひろ”のスタート
 第II章は「働いている人たちに 共感してもらえる絵を描きたい」。戦後、27歳のちひろは「平和のために圧迫された人民のために斗う(日記より)」をことを決意し、日本共産党に入党。ポスターや挿絵を描くところから戦後の活動を開始しました。
 ちひろはその活動の中で「原爆の図」の作者、丸木位里・赤松俊子(丸木俊)夫妻に出会い、丸木家で開かれていた早朝デッサン会で夫妻の手ほどきを受けています。この作品はこの会でちひろがモデルとなった丸木俊の原爆の図デッサン。この頃のちひろのスケッチの線には強く押し付けた鉛筆の線と陰影のつけ方など、俊の影響が色濃く現れています。
 その後ちひろは、“日本童画会”に入会。新聞のカットや挿絵など多くの作品を手がけ、後に童心社編集長となる稲庭桂子の依頼でアンデルセンの紙芝居『お母さんの話』を描きます。この作品はその2年後に出版され、文部大臣賞を受賞。
ちひろの作品技法の変遷をたどる
 展示の第III章「私は、豹変しながら いろいろとあくせくします」では、作品ごとに多様な描き方を試んだ、ちひろの作品を、ことに「線」に注目して技法の変遷を辿ります。

https://news.yahoo.co.jp/byline/kanatomoko/20180728-00090793/
高畑勲監督、黒柳徹子が愛する絵本画家「いわさきちひろ」の魅力(海南友子*5
■生誕100年の特別展覧会
 今、ちひろの特別展覧会『生誕100年 いわさきちひろ、絵描きです。』が東京で行われ、反響を呼んでいる。2019年にかけて京都や福岡などを巡回予定だ。ちひろの子ども時代から、初期の作品、そして晩年までのおよそ200点の展示品を通じて、ちひろの技術や作品の背景を振り返る。
 展覧会の一角に、高畑勲監督が生前に選んだちひろの2枚の絵が、天井に届きそうな大きなサイズで飾られている。もともとこの展覧会は高畑勲監督が全体の監修を行う予定だった。長年ちひろの絵のファンであった高畑監督は、2つのちひろ美術館ちひろ美術館・東京と、安曇野ちひろ美術館)の運営母体である公益財団いわさきちひろ記念事業団の評議員として活動しており、この展覧会の企画を率いていたのだが、(ボーガス注:2018年4月に)急逝したため、それを継ぐ形で高畑監督セレクションのコーナー展示がなされている。
■黒柳さんが語る「ちひろ
 長年のファンであり、現在、2つのちひろ美術館(東京・安曇野)の館長も務めている黒柳徹子さんは、ちひろの魅力をこう語る。
 「ちひろさんのようにうまく子どもを描くひとはそういない。神様からすごい力を与えられて子どもの絵を描きなさいと言われて、必死で55年の間に描いたんだって思います」
 ちひろの絵に想いを寄せる著名人は多い。いわさきちひろ記念事業団の理事長を務めている山田洋次監督をはじめ、安野光雅*6、葉祥明*7さくらももこ*8俵万智*9田島征三*10、イルカ*11くらもちふさこ*12長新太*13さだまさし*14など、さまざまな人に愛されている。

なんて記事もあります。
 なお、海南氏はいわさきちひろドキュメンタリー映画の監督を務めたことがあります。で、この映画には山田洋次黒柳徹子高畑勲各氏も協力したようです。
 海南氏の映画についてはid:Bill_McCrearyさんの記事『これでは、その人物の本質はさっぱり理解できない(理解しなくてもいいのかな?)』(https://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/af63484a1fad0105ac6a0c792f71461d)を紹介しておきます。
 まあid:Bill_McCrearyさんの指摘については「海南氏らが営業的な問題を考慮したのだろう」つうことは想像つきますが。
 しかしid:Bill_McCrearyさんも以前の記事で指摘していますが、今回の「生誕100年関係記事」ですが、「日本共産党への入党」について触れてる記事もあるんですが、触れてない記事もありますね。
 「産経記事が触れたがらない」のは大変よくわかりますが(苦笑)。
 なお、ウィキペディア「1918年」によればいわさき氏以外では

・将棋の升田幸三
・脚本家の橋本忍
田中角栄*15元首相
中曽根康弘*16元首相

などが今年で生誕100年ですね。もちろん中曽根のような例外を除きほとんどが既に故人です。


希望の党が政治塾、松沢成文代表ら講義 参院選の候補者発掘にらむ
https://www.sankei.com/politics/news/180901/plt1809010012-n1.html
 松沢の「希望の党」なんざ「自民、公明の与党」「立民、共産、社民、自由の主要野党四党」どころか維新や国民民主すらぶっちぎりで支持率を下回りますからねえ。こんな政治塾に参加するのはよほど「他の党から出馬できない落ちこぼれ」でしょう。

 松沢氏と旧新進党で活動を共にした上田清司埼玉県知事も講義した。塾は12月までの全6回。北川正恭三重県知事らを講師に招く予定だ。

 松沢に頼まれて断り切れなかった程度の話でしょう。


■マウンテンバイクなど私物化か 消防の支給器具、調査対象の司令補自殺 兵庫・姫路
https://www.sankei.com/west/news/180901/wst1809010012-n1.html
 「何らかの懲戒処分は不可避」とはいえその程度のことで自殺しなくてもいい、というか自殺するくらいならそんなことしなきゃいいのにと言う思いが拭えません。

*1:著書『妻ちひろの素顔』(2000年、講談社プラスアルファ文庫)、『平和の鉱脈と日本共産党:国会議員33年、そこから見えてきたもの』(2005年、新日本出版社)、『謀略:再び歴史の舞台に登場する松川事件』(2012年、新日本出版社)、『軍国少年がなぜコミュニストになったのか』(2014年、かもがわ出版)など

*2:著書『母ちひろのぬくもり』(1999年、講談社プラスアルファ文庫)、『ちひろ美術館の絵本画家たち』(2003年、新日本出版社)、『安曇野ちひろ美術館をつくったわけ』(2010年、新日本出版社)など

*3:これは普通に読んだら「いわさき・ともひろ」という男性としか思えませんね。まあ「ちひろ」と読んでも男女共通の名前ですが。これについてはid:Bill_McCrearyさんの記事『男女共通の名前というのも興味深いかも』(https://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/b1d19e85b81e0565c9e4fdf15222dfad)を紹介しておきます。

*4:現在の女子美術大学。ただしウィキペディアいわさきちひろ」は「岡田が教えていた美術学校」と書いてあるのでここは、岡田が教員を務めていた「東京美術学校(現在の東京芸術大学)」の誤記かもしれません。

*5:著書『ママと若者の起業が変えたドイツの自然エネルギー』(2016年、高文研)

*6:画家

*7:絵本作家

*8:漫画家。代表作『ちびまる子ちゃん

*9:歌人

*10:絵本作家

*11:歌手

*12:漫画家

*13:絵本作家。著書『ユーモアの発見』(1984年、岩波ジュニア新書)など

*14:歌手

*15:岸内閣郵政相、池田内閣蔵相、自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)、佐藤内閣通産相などを経て首相

*16:岸内閣科学技術庁長官、佐藤内閣運輸相、防衛庁長官、田中内閣通産相自民党幹事長(三木総裁時代)、総務会長(福田総裁時代)、鈴木内閣行政管理庁長官などを経て首相

今日の中国関係ニュースほか(9/1分)(追記・訂正あり)

 中国ネタを中心にいろいろ書いていくことにします。
■産経『陳水扁*1が政治活動再開なら中台関係変化』
https://www.sankei.com/world/news/180905/wor1809050002-n1.html
 少なくとも建前では「病気療養」を理由に仮釈放ですから、政治活動なんぞしたら「病気つうのは嘘か!。ふざけんな!」「陳の仮釈放を取り消し収監すべきではないか」つう国内外の批判は避けられないでしょうね。今回のインタビューだって相当に問題でしょう。
 有罪判決にしてもえん罪ではないし、もはや陳に政治活動の余地なんかないでしょう。政治活動してもほとんど影響力はないでしょうね。

 民主進歩党内で陳氏をライバル視する蔡英文*2総統は、中南部貧困層の間で高い人気を誇る陳氏が表舞台に出ることを警戒し、恩赦手続きをしなかった。

 というより「お手盛りだ」「お仲間なら犯罪者をお目こぼしするのが民進党か」などの批判を恐れただけでしょう。そんな思いをして恩赦したところで、「陳にもはやたいした政治力がない」つう意味でも、「陳は蔡に好意的ではない」つう意味でも、蔡にとって、何かメリットがあるわけでもない。
 陳の有罪がえん罪だなんて抜かしてるのは一部の陳支持者に過ぎませんし。
 「ロッキード田中角栄元首相を恩赦なんかしたらどうなるか」つうのと同じ話でしょう。
 もはや陳なんぞ蔡英文にとって恐れるような存在じゃないでしょう。つうか一時は「蔡英文万歳」だった産経も蔡が「馬前総統よりは反中国」でも、「産経ほどには反中国じゃない」ため、終わった人間「陳水扁」を「蔡に代わる反中国指導者」として持ち上げてるのには苦笑させられます。


■産経『「台湾存続、中国圧力で危機」 台湾の陳水扁元総統に独占インタビュー 10年ぶりメディアに』
https://www.sankei.com/world/news/180905/wor1809050003-n1.html
 実に産経らしい。陳水扁なんて汚職で起訴されて有罪判決が下ってからは完全に過去の人でしょう。民進党ですら奴の有罪について「国民党政権の国策捜査、えん罪、濡れ衣」とはいえないわけです。
 だからこそ産経以外は陳に取材などせず「10年ぶりメディア」になるわけです。一方陳もそんな状態で「産経じゃ嫌だ」とえり好みしてられる立場でもない。

 最近、台湾と外交関係のある国が次々と中国に奪われていることについて、陳氏は「国際社会における台湾の存在感を抹殺することが目的だ。台湾を併合することへの準備であり、いつ武力行使があってもおかしくない」と分析した。

 「デマも大概にしろ」ですね。武力併呑なんぞできないからこそ「台湾との国交断絶、中国との国交樹立」といった「武力以外の方法」で締め付けるわけです。

 蔡政権に対し「住民投票を推進すべきだ」と提言した。「中国の一部になりたくない」という台湾の民意を数字ではっきりと示し、国際社会に理解される努力をする必要があると主張した。

 それをすると中国の締め付けはもっときつくなるでしょうね。中台間の緊張を望まない欧米などからも「そういうことはすべきでない」というダメ出しが入ってるんじゃないか。

 日台関係については「安倍晋三政権は歴代自民党政権でも最も台湾に友好的だ。とても感謝している」と語る

 インタビュアーが産経だからという面も大きいでしょうが、なんでここまで安倍にへいこらしますかね。「靖国極右」安倍にへいこらすればするほど、俺のような安倍批判派からは距離を置かれるのですが、まあ常識がないんでしょうね。

 陳氏は一方で、馬英九(ば・えいきゅう)前政権について「ほぼ無条件に門戸を開いたため、中国の台湾に対する侵食を加速させる原因をつくった」と厳しく批判。2015年にシンガポールで行われた中国の習近平国家主席と馬氏との会談について、「馬氏個人のパフォーマンスだ。台湾にとって何の良いこともなかった」と一蹴した。

 いやいやむしろ馬氏のような態度で中台経済交流をすすめることの方が現実的でしょうよ。

 自身に対する汚職などの容疑については「理不尽な理由で投獄されたのは大変つらいが、台湾の民主化のために背負わなければならない十字架だ」と語った。

 「未だにそんなこと言ってるのかよ?。光州事件金大中有罪なんぞと違って、お前の有罪はえん罪じゃないし、お前に関係なく民進党は政権奪取したやないか?」ですね。


日経ビジネスオンライン『中国・一帯一路の挫折と日中関係福島香織*3
https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/218009/090400171/?P=1
 この福島の文章の「何がすごい」って「安倍が5月の李首相訪日で、李首相相手に一帯一路支持を明確に表明したこと」について何一つ触れないあたりがすごすぎます。まあ「酷い」という意味ですごいわけですが。
 「日中関係と一帯一路」を論じるなら「安倍の一帯一路支持表明をどう考えるか」は論じることが不可避の問題でしょうに。
 「一帯一路は挫折した」という福島の立場なら安倍批判しないとおかしいでしょうが、結局安倍批判したくないんでしょう。「安倍万歳メディアを主要な活動場所にした安倍万歳芸人・福島の悲哀」といっていいでしょう。
 一方で「マレーシアの鉄道建設ガー」「一帯一路は挫折したー」と言い出す福島です。何も「一帯一路イコールマレーシアの鉄道建設」ではないし、鉄道建設を中止したとは言え、それは一帯一路の否定ではない。マハティールはあくまでも「鉄道建設は負債を増やすだけでペイしない可能性が高い」からという経済的理由で中止したに過ぎず「中国との友好関係はかわらない」「一帯一路を否定してはいない(一帯一路だろうが何だろうが経済的に問題があるプロジェクトは実施できないだけ)」としています。
 大体「安倍が5月に訪日した李首相に一帯一路参加を表明し」、つい先日は「アフリカの首脳が大挙して訪中し、一帯一路支持を表明した」のに「挫折云々」て何バカなこと言ってるんだって話です。

安倍晋三が日中平和友好条約締結日40周年の10月23日を軸に訪中を調整中であり、その地ならしに8月末に北京で財務相対話が開催され、2013年に失効していた日中通貨スワップ協定の再開に大枠合意している。
 一帯一路が行き詰まり、米中貿易摩擦に苦しみ、その影響で人民元が急落する中で、日本円とのスワップは、中国をかなり勇気づけるものにはなろう。

 id:Bill_McCrearyさんがコメント欄で書いたように、福島は「日中関係の改善」には全く触れないで逃げ続けるのかなと思っていたので意外です。
 とはいえ「日中通貨スワップでメリットがあるのは中国だけ、日本に中国が泣きついてきたからつきあってやった」と描き出すのはさすがの「反中国」福島です。もちろんほめてません。
 小生も経済音痴なので、このあたり「通貨スワップには日本にこうしたメリットがある」と反論ができず恐縮ですが、普通に考えて「中国にしかメリットがない」なんてことはないでしょう。そして「一帯一路は挫折したー」と言いたいがために結局最後まで「安倍の一帯一路支持表明」には福島は触れないで逃げ続けます。
 あるいは一帯一路に限らず

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30259240Z00C18A5EE8000/
■日経『日本米、中国輸出拡大へ精米施設拡充 日中合意』
 日中両政府は9日、日本産の精米の中国向け輸出に必要な処理施設を増やすことで合意した。北海道と兵庫県の精米工場を追加するほか、害虫をいぶして駆除する倉庫を5カ所加える。国内のコメの消費が落ち込むなか、巨大市場への輸出拡大に追い風となる。

などという「日本に明らかにメリットがある話」「どうこじつけても日本にメリットがない、中国が泣きついてきたとは言えない話」に触れることからも逃げるわけです。

 時期同じくして、外務次官の訪中、日中与党交流協議会の北京での開催と、日中政治交流が続き、9月末には「一帯一路」をめぐる日中官民合同委員会の初会合を北京で開催する。第三国で日中両国企業がともに参加できる一帯一路インフラ案件の整備を進めていると報道されており、具体的には一帯一路の一環であるタイ鉄道計画や、日本が主導する西アフリカに4000キロの道路を建設する「成長の環」計画に中国を参与させることなどが、検討されているようだ。
 一帯一路への参加を日本が表明することになれば、地に落ちた一帯一路の評判も、持ち直すかもしれないし、中国はそう期待していると思われる。

 「評判が地に落ちてないからこそ、日本は参加するのだ」と考えるのが普通の考えでしょう。福島の「とにかく一帯一路を否定する」つう態度には心底呆れます。もはやジャーナリストと言うより反中国右翼活動家です。日経ビジネスもこんな駄文をよくも載せるもんです。

 さて、安倍政権が一帯一路に対して本音ではどのようにアプローチしていくつもりかは、私にはわからない。安倍訪中に同行する経済界訪中団の規模は240人規模に上り、関係者から「一帯一路で、大きなチャンスが日本企業にもたらされる」といった発言を聞くと、本気かと問い直したくなる。

 いやどう考えても「日本財界が一帯一路で儲けたいつうから一帯一路に参加しよう」つうのが安倍の態度でしょう。

・安倍訪中に同行する経済界訪中団の規模は240人規模に上る見込み
・訪中関係者*4から「一帯一路で、大きなチャンスが日本企業にもたらされる」といった発言を聞いた

と福島は書きながら、何で「私には安倍首相の一帯一路に対する考えがわからない」なのか。これが安倍でなくたとえば「産経などウヨが嫌ってる」福田康夫*5首相や菅*6首相なら福島はこんなこと言ってないでしょう。たぶん非難してる。
 「安倍総理は我々反中国ウヨの期待の星だ。安倍総理なら中国と全面対決してくれる。AIIBだの一帯一路だのに参加するわけがない」つうウヨ連中と「親密交際しズブズブになった」がゆえに福島は素直に「安倍総理は一帯一路支持です」と認められないだけのくだらない話です。繰り返しますがもはや福島はジャーナリストじゃないですね。「いつ倒産してもおかしくない産経なんぞいつまでもいる会社じゃない、私なら独立してもやってけるはずだ」とフリーになって「定期収入がなくなったが故に」予想に反しかえって食い詰めて、こうした道に転落したように見えます。まあ、自らの能力への過信つうことですが。
 産経を辞めるにせよ「フリーではなく」読売や日経といった他社にでも移籍すればもう少しまともになったんでしょうか?

 一帯一路の本質が「偉大なる中華民族の復興」という中華覇権を目的としたものだと考えると、たとえビジネス利益が見いだせても、この戦略の成功に日本として手助けしてよいものかどうか、という気にもなる。

 反中国・福島ですら「ビジネスチャンスなんかねえ」といえないのが滑稽です。
 まあ一帯一路参加国の多くは「中華覇権なんて中国は狙ってないし、そんなことは一帯一路程度でできるもんでもない」「もちろん中国は一帯一路によって自国の利益最大化を狙ってるだろうし、それは場合によっては我が国の利益に反すること、抵触することもあるかもしれないが、それよりも不参加で失われる利益の方が大きい」と思って参加してるのでしょうね。

 安倍が提唱した「自由で開かれたインド太平洋戦略」は米国、インド、オーストラリアなどともに一帯一路に対抗する中国包囲網戦略と見ていたが、安倍は一帯一路とインド太平洋戦略を連携させるとも発言している。この真意はどこに。
 単に、保守政治家のイデオロギーよりも財界の要望を重視しただけなのか。米中対立が先鋭化する中で、日本が独自の存在感や外交を模索しているということなのか。あるいはもっと深い目論見があるのか。様々な予測を念頭に、秋の訪中の行方を注目していこう。

単に、保守政治家のイデオロギーよりも財界の要望を重視しただけ

でしょうねえ。安倍にそんな深い考えなどないでしょう。
 というかこれが安倍でなくたとえば福田康夫首相や菅首相なら福島はこんなこと言ってないでしょう。たぶん、ただただ非難してる。
 福島だって内心じゃ「安倍には我々凡人には思いもよらない深い考えがあるのだ、一帯一路参加したからインド太平洋戦略(中国封じ込め)が事実上放棄されたとみるのは時期尚早です」なんて少しも思ってない。
 しかし福島も「いつになったらあんた安倍の一帯一路に対する態度に触れるの?。自称中国ウオッチャーがいつまで逃げてるの?」という批判の声を無視できなくなったのでしょうが結局、「日本の一帯一路参加はまだ本格化してないし、成り行きに注目したい。安倍総理は一方ではインド太平洋戦略を提唱してるし、AIIBには参加してないし」と言葉を濁して逃げるわけです。まあ「今後参加が本格化すればするほど」福島は言葉に詰まるでしょうが。福島らウヨが次に恐れてるのは「米国のAIIB参加表明」そして「日本のAIIB参加表明」でしょう。
 福島らにとっては「頼むからAIIB参加辞めてくれ」でしょうね。もちろん「参加するかどうかはわかりませんが」参加しない保証はないわけです。日本財界は明らかに参加を希望してるでしょうし。


■中国のアフリカ外交
 以前、『「今、アフリカビジネスが熱い」らしい(追記・訂正あり)』
http://d.hatena.ne.jp/bogus-simotukare/20180726/1064208022でも触れましたがその続きです。

https://digital.asahi.com/articles/ASL9352X0L93UHBI017.html
■朝日『中国、アフリカ支援6.6兆円表明 日本や欧米は警戒感』
 習氏はアフリカへの支援として無償援助150億ドルを含む総額600億ドル(約6兆6500億円)の拠出を表明。これまでの借款を18年末までに償還できない一部の国に対し、債務を免除する方針も示した。
 今後3年間で重点的に取り組む「8大行動」も発表し、500人の農業専門家の派遣や50項目の環境保護政策などを打ち出した。
 さらに習氏は安全保障面にも支援を広げていく考えを表明した。「銃声なきアフリカ」の実現を目指すとし、アフリカ諸国が安保上の課題を自主的に解決するために「治安維持能力の向上を支援する」と語った。中国軍事筋は「今後は共同訓練なども視野に入る」としている。

https://www.sankei.com/world/news/180903/wor1809030025-n1.html
■産経『中国、アフリカに6兆円超 巨額支援で「運命共同体」 米国をけん制』
 中国とアフリカ各国が参加する「中国アフリカ協力フォーラム」首脳会合が3日、北京の人民大会堂で始まった。習近平国家主席が開幕式で演説し、アフリカとの「運命共同体」を構築し、アフリカの経済発展のため総額600億ドル(約6兆6600億円)規模を拠出すると表明した。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34772300Q8A830C1EA4000/
■日経『中国、アフリカ囲い込み 3日から北京で首脳会議:「一帯一路」拡大狙う』
 中国のアフリカに対する熱の入れようがすさまじい。3〜4日に北京で開く「中国アフリカ協力フォーラム」の首脳会議は、その象徴的なイベントとなる。
 会議には、50以上の国から首脳級の代表団が参加する。議長を務める習近平*7(シー・ジンピン)国家主席は開幕4日前の8月30日から、分刻みのスケジュールで首脳らとの個別会談をこなしている。
 3年に1度の中国アフリカ協力フォーラムは2000年に始まった。中国は当初、日本が1993年に始めた「アフリカ開発会議」を意識していたとされる。しかし、その存在感と影響力はいまや本家(?)の日本をはるかにしのぐ。
 原動力は年々深まる経済のつながりだ。中国側の説明によると、2017年の中国からアフリカへの直接投資額は31億ドル(約3500億円)。03年のほぼ40倍で、間接的な投資も含めれば残高は1千億ドルを超す。17年の貿易額は1700億ドルに達し、アフリカにとって中国は9年連続で最大の貿易相手国だ。
 「中国企業はアフリカで道路や港湾、発電所などの建設に携わり、90万人の雇用を生み出している」。
 中国商務省の銭克明次官は8月末の記者会見で、中国がアフリカの発展にどれだけ貢献してきたかを力説した。今回の首脳会議でも、中国は一帯一路にからめて巨額のインフラ建設を提案する見通しだ。
 アフリカからみれば、民主主義や人権に目くじらを立てない中国の支援は魅力的に映る。今年5月、西アフリカのブルキナファソは台湾と断交し、中国と国交を結んだ。アフリカで台湾と外交関係を保つ国はいまやエスワティニ(旧スワジランド)だけだ。中国はエスワティニにも外交攻勢をかけ、台湾との関係を完全に断ち切ろうと動く。

http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/180831/cpd1808310500003-n1.htm
フジサンケイビジネスアイ『アフリカ4カ国大統領が相次ぎ訪中へ』
 中国外務省ウェブサイトによると、同省の陸慷報道官はこのほど、アフリカ4カ国の大統領が訪中することを明らかにした。コートジボワールのワタラ大統領、シエラレオネのビオ大統領、ボツワナのマシシ大統領、ブルキナファソカボレ大統領が中国の習近平国家主席の招きに応じ、中国・アフリカ協力フォーラム北京首脳会議への出席と組み合わせて、9月7日まで相次いで国賓として中国を訪問する。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3484085031082018FF8000/
■日経『「『一帯一路』に協力」ジブチ外相』
 ジブチのマハムド・アリ・ユスフ外相は31日、都内で日本経済新聞の取材に応じ、中国政府が進める経済圏構想「一帯一路」について「歓迎し、協力する」と述べた。

http://j.people.com.cn/n3/2018/0830/c94474-9495699.html
■人民日報『「一帯一路」構想はアフリカ諸国に大きなメリットをもたらす』
 「一帯一路」国際協力サミットフォーラムでは、ケニアエチオピア両政府が中国政府と経済・貿易協力協定に調印した。インフラ融資協力協定、内陸コンテナヤード事業融資協定、エネルギー分野協力覚書といった文書の1つ1つが、手を携えて発展する中国とアフリカの決意を示している。
 今年5月にケニアがアフリカで6番目にアジアインフラ投資銀行(AIIB)に参加した。先日、中国はセネガルルワンダと「一帯一路」共同建設覚書に調印し、モーリシャスと「一帯一路」協定の早期調印について合意した。

http://j.people.com.cn/n3/2018/0831/c94474-9496040.html
■人民日報『習近平主席「シエラレオネとのパートナーシップを前進」』
習近平国家主席は30日、シエラレオネのビオ大統領と人民大会堂で会談した。
・習主席はビオ大統領による中国アフリカ協力フォーラム北京サミット出席と中国公式訪問を歓迎。
・ビオ大統領は「中国は長年シエラレオネの経済・社会発展に貴重な手助けをしてきた。とりわけ、われわれがエボラ出血熱の感染に立ち向かっていた最も困難な時期に、他に先駆けて救援に駆けつけたのが中国の政府と国民であったことを、シエラレオネ国民は忘れない。シエラレオネは中国の発展経験を学び、参考にし、両国関係を緊密化し、『一帯一路』共同建設に積極的に参加し、教育・漁業・衛生・インフラ分野の協力を深めたい。アフリカ諸国の正当な利益を守るため、多国間問題で中国側との意思疎通と協調を強化すべく尽力する」と表明した。

http://j.people.com.cn/n3/2018/0831/c94474-9496028.html
■人民日報『習近平主席「コートジボワールとの関係を一段と高い水準へ」』
習近平国家主席は30日、コートジボワールのワタラ*8大統領と人民大会堂で会談した。両国首脳は中国とコートジボワールの関係を一段と高い水準へ押し上げ、互恵・ウィンウィンを実現することで一致した。
・習主席はワタラ大統領による中国アフリカ協力フォーラム北京サミット出席と中国公式訪問を歓迎。
・ワタラ大統領は「コートジボワールは習主席の打ち出した重要構想『一帯一路』を完全に支持しており、これに積極的に参加したい。また、『一帯一路』共同建設協力への西アフリカ経済通貨同盟(UEMOA)加盟国*9の共同参加を後押ししたい。中国アフリカ協力フォーラム北京サミットは必ず成功を収め、中国アフリカ協力の歴史的で盛大な会合となると私は信じている」と表明した。


人民日報
習近平主席がエジプトのシーシ*10大統領と会談
http://j.people.com.cn/n3/2018/0902/c94474-9496426.html
習近平主席がガーナのアド*11大統領と会談
http://j.people.com.cn/n3/2018/0902/c94474-9496474.html
習近平主席がラマポーザ南アフリカ大統領と会談
http://j.people.com.cn/n3/2018/0903/c94474-9496808.html


中国国際放送
■習主席、コートジボワールのワタラ大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180830/233d6aad-ed5d-7ceb-9343-13a724ec26b6.html
■習主席、シエラレオネのビオ大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180830/1b56a8b2-a944-dc99-cdbc-8ccbc070713e.html
■習主席、ソマリア大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180831/d5e06fe7-500f-b952-4f86-bb7a52d91084.html
■習主席、ボツワナ大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180831/fcd351e4-97a9-541e-e2be-d6f76b0ffc72.html
■習主席、カメルーン大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180831/23d2702a-8270-f094-500f-1f1eb6c05931.html
■汪*12政協主席、カメルーン大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180831/a7716681-8bac-f251-9d6d-f7becc9e8ef5.html
■習主席、ニジェール大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180831/a1f96a3d-2ea4-6a18-cd01-ed9a6a9135a8.html
■習主席、南スーダン大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180831/d56e5c35-ee9a-3ebe-2692-7be028ec134a.html
■王副主席、南スーダン大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180831/83f5a7e6-ad18-136d-7ee6-865cdcaedca8.html
■習主席、マリ大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180831/a90aaf02-d270-ee25-b252-b9fe4616aae0.html
■習主席、ブルキナファソ大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180831/33daed25-6e0c-d5cf-1f35-b2c49b909816.html
■習主席、ギニア大統領と会談
http://japanese.china.com/news/china/politics/317/20180901/1367731.html
■習主席、リベリア大統領およびマラウイ大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180901/18456801-20a5-bb61-f5e3-5ef67e012f58.html
■習主席、ガーナ大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180901/83a5f09d-8c3b-2a2d-958c-acb4d78ce74f.html
■習主席、モザンビーク大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180901/4bfd9641-cab5-2fe7-d110-39ac579fb954.html
■習主席、ザンビア大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180901/d31c6b2f-25a8-2f44-b5be-f986aaa41345.html
■習主席、ガボン大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180901/22ee61df-85ed-79b7-6984-e1e448bc800b.html
■習主席、コモロ大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180901/ae689e1f-67ff-7246-d658-3c54430e71fb.html
■習主席、赤道ギニア大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180902/c33e1a1b-4f1a-9f36-8b89-52d3f5eefa09.html
■習主席、スーダン大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180902/ab0b726d-110a-859d-31a8-dd2e2722da4b.html
■李総理、スーダン大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180903/520b4066-3bed-9405-db8b-12c6faca71e7.html
■習主席、セネガル大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180902/888ffcb1-96ed-939a-92bf-1e24459be368.html
■習主席、モーリタニア大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180902/4c022b5f-165e-b853-7870-825fe717a1a1.html
■習主席、アンゴラ大統領とエチオピア首相(ボーガス注:およびジブチ大統領)と会談
http://japanese.cri.cn/20180902/d4652751-aef8-a67c-d6db-95b8809d8d78.html
■李総理、エチオピアの首相と会談
http://japanese.cri.cn/20180903/515f8d04-b3ac-9568-6976-6635d75cb79b.html
■習主席、南アフリカ大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180902/de2e26de-fde1-2950-afff-faa18765df24.html
■習主席、ケニア大統領・ルワンダ大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180904/236aa290-17c6-40f9-757a-82a443e29b84.html
 ケニアの大統領がケニヤッタというので「初代大統領の親族?」と思ってウィキペディアを見たら「初代の息子」だそうです。
■習主席、ナイジェリア大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180905/e7beee4d-9a43-c1a6-fc91-9d9ec81dd58c.html
■李総理、ナイジェリア大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180905/2c4851ca-8060-8978-a39f-98218c2fd91b.html
■習主席、マダガスカル大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180905/3c46d465-2186-ea09-5bed-dbbf82366ee8.html
■習主席、チャド大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180905/726cf4b4-f76e-8915-578c-a1102435e77d.html
■習主席、コンゴ共和国大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180905/28417d57-a08d-f300-59b3-89e71d7aa663.html
■習主席、ギニアビサウ大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180905/6f4067f3-7561-1ada-ce95-3c1e540cb045.html
■習主席、サントメ・プリンシペ首相と会談
http://japanese.cri.cn/20180905/f6c32115-a905-c017-9b6a-cb364ba78fd0.html
■習主席、ジンバブエ大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180905/c4fd1029-4aa6-1004-604f-b2cf8c5e5557.html
■習主席、チュニジア首相と会談
http://japanese.cri.cn/20180905/5d948ed9-e3df-f936-a1bc-f60199a5779e.html
■習主席、アルジェリア首相と会談
http://japanese.cri.cn/20180905/617f655c-394a-9147-9037-7bbc2044bcc3.html
習近平主席、モロッコ首相と会談
http://japanese.cri.cn/20180906/2f14c05a-9737-2a82-c299-9e90efe44351.html
■習主席、カーボベルデ首相と会談
http://japanese.cri.cn/20180906/f358b25b-94db-4fc3-290e-5cc5c8d530ff.html
■習主席、中央アフリカ大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180906/117c4e0e-2f42-5f18-9dc6-646276d589de.html
■習主席、ウガンダ大統領と会談=北京
http://japanese.cri.cn/20180906/eb419b03-5fbd-ac00-e1dd-3e231d79c00c.html
■習主席、ブルンジの第二副大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180906/b80fe15b-fcea-54c0-1859-ff57b2f7c4d6.html
■習主席、ガンビア大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180906/7a0d73ed-4473-bad1-f011-21452d049e29.html
■習主席、トーゴ大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180906/4beeda81-9120-d6bb-d088-1cc98bc82935.html
■習主席、レソト首相と会談
http://japanese.cri.cn/20180906/41758e92-5f22-50f3-3a5e-5c4b2e6ead10.html
■習主席、コンゴ民主共和国首相と会談
http://japanese.cri.cn/20180906/a34065fc-d169-5ffe-ecd0-296135983718.html
■習主席、タンザニア首相と会談
http://japanese.cri.cn/20180906/aa821312-8ced-e827-3f2a-a7c8fd8e8b99.html

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34825470R30C18A8EA3000/
■日経『日アフリカ、元首脳が賢人会議 支援に自主性、中国にらむ』
 安倍晋三首相は31日、日本とアフリカ諸国の元首脳らでつくる「アフリカ賢人会議」の初会合を都内で開いた。2019年8月に横浜市で予定するアフリカ開発会議(TICAD)に向け、域内で発言力を持つ大統領経験者の意見を聞いて支援策を検討する。アフリカで存在感を高める中国をにらみ、地域の自主性を重んじた支援を目指す。
 賢人会議は森喜朗*13元首相とモザンビークのシサノ*14元大統領が共同議長を務める。アフリカからベナンタンザニア、ナイジェリア、南アフリカ各国の大統領経験者が参加。
 日本側は首相や河野太郎外相が入った。首相は「アフリカの声を踏まえた取り組みが近道だ。TICADを成功に導くための準備を充実させたい」と訴えた。
 念頭に置くのは中国の動きだ。中国は広域経済圏構想「一帯一路」を掲げ、アフリカで多額の資金を投入したインフラ整備を進めている。
 首相は16年のケニアでのTICADで、アフリカで3年間で官民あわせて300億ドル規模の投資をする方針を表明した。日本による港湾工事の受注や、物流企業の進出といった事例も出ており、19年のTICADで新たな支援策を打ち出す。

 「5月に李首相大歓迎、一帯一路参加を表明」「10月に訪中予定」でも、どうしても中国への対抗意識が捨てられないらしい「ちぐはぐな安倍」です。なお、この安倍の動きからは中国だけでなく日本もまたアフリカを「大きなビジネスチャンス」と見なしてることがわかります。


■産経『中国が「新植民地」批判に反論 アフリカ投資に慎重姿勢もバラマキ外交は継続』
http://www.sankei.com/world/news/180905/wor1809050008-n1.html

「アフリカで植民統治をしてきた国が、厚顔無恥にも中国を悪くいっている」。
 ボツワナのマシシ大統領は3日放送された中国国営中央テレビ(CCTV)の単独インタビューで、中国側のいらだちを代弁してみせた。

 まあ「じゃー欧米のアフリカ経済進出は常に温情あふれるものだったのか。中国がアフリカ進出するまでは債務問題などはなかったのか。そんな事実ねえだろ。単にあんたらが中国をライバルとして敵視し、にもかかわらず今は中国に対抗できる経済力がないが故に因縁つけてるだけだろ」「文句があるのなら手前らがアフリカに金出せよ」つう反発は当然アフリカ側から出るでしょうねえ。

 中国の巨大経済圏構想「一帯一路」事業をめぐっては、大型インフラを整備したアジア・アフリカなどの発展途上国が過剰債務を抱える問題が顕在化している。中国主導で全長480キロの鉄道を建設したケニアは、全債務のうち7割を中国が占めるとされる。

 ケニアからすれば「中国から借金してでもやる必要があることがあっただけ、中国から借りられなければ他から借りていただけ」つうでしょうねえ。


■日経『「一帯一路」安倍首相やボルボも使うしたたかさ』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34626440X20C18A8000000/
 「事情はともかく」安倍もボルボも「一帯一路支持」を表明してるわけですからねえ。それを中国が宣伝することは、はたして「したたか」という話なのか。「当たり前の話じゃん」としか思いませんね。


■石平*15のツイート

石平
 経団連の中西会長は「一帯一路」について、「中国は日本に協力を求めている。大きなチャンスが来ている」と言う。

 で当然ながら「チャンスなど来ていない」と経団連会長・中西氏(日立製作所会長)に悪口する「反中国の右翼分子」石ですがそれはさておき。
 石以外の福島香織櫻井よしこ島田洋一など「安倍自民万歳」の反中国ウヨ連中が無視する「不都合な事実」を石はためらいなく指摘しています。
 それは「中西氏のような財界幹部は中国ビジネスを重視しており」、自民党の一大スポンサーであるそうした財界の考えを無視できない安倍は、いかに右翼政治家でも石のような「反中国路線で暴走できない」ということです。だからこそ安倍は5月に訪日した李首相を歓迎したわけです。
 そして最近も「安倍10月訪中の事前調整」のために二階幹事長や秋葉外務事務次官を8月下旬に訪中させたわけです。
 もちろん、中西氏ら財界幹部は最初から石や福島、櫻井や島田のような反中国ウヨの言動など相手にしていません。
 中西氏ら財界幹部は別に「政治的な意味では中国を支持も批判もしていません」。彼らにとって大事なことは中国ビジネスでいかに儲けるかと言うことです。「中国ビジネスで儲ける限り」においては彼らは中国との友好関係構築に努めるわけです。
 もちろん「ノルウェーに霞を食えとは言えない」という名言をはいたid:Mukkeさんは

「『経団連会長・中西氏が役員を務める日立製作所』のような日本経団連傘下企業に『中国ビジネスを諦めろ、霞を食え』とは言えない」
「日立など中国ビジネスに従事する大企業から企業献金を受けてる自民党に『日立などの中国ビジネス重視の考えは無視しろ、安倍首相も10月に訪中するな、二階幹事長や秋葉外務事務次官は安倍訪中の事前調整なんかするな、霞を食え』とは言えない」
「立民、共産、社民、自由などの野党各党も、中国関係では自民党や日立のような事情が多分あるだろうから、『中国ビジネスなど気にせず中国批判しろ、霞を食え』とはいえない」

と言ってくださることと思います(もちろん嫌み、皮肉、悪口のつもり)。
 まあid:Mukkeのバカが「『ノルウェーに霞を食えとは言えない』発言を撤回する」か、「ノルウェーにそういう甘い態度をとる以上、日本政府や日本財界、日本の政党各党にも同じ甘い(?)態度をとると明言する」かすれば俺もこんな嫌みは言いませんが、まあ彼は自分の非を認めたくないからどっちもしないでしょうね。変にプライドが高く「自らの間違いを認められず詭弁をはき続けた」が故に自滅したバカがid:Mukkeです。
 なお、I濱Y子女史(W田大教授)やM谷N子女史(C央大講師)にもこうした状況をどう思うか、「安倍の野郎、許さない」と憤激しているのか、是非お聞きしたいところです。


■産経『安倍晋三首相、対中改善に自信「完全に正常な軌道に戻った」産経単独インタビュー』
https://www.sankei.com/premium/news/180902/prm1809020018-n1.html
 異常な軌道にしていた本人がよくもまあ、どや顔できるもんです。
 「田中角栄*16首相の国交正常化」「宮沢*17首相時代の天皇訪中」などならまだしも何様のつもりなのか。
 しかもこんなことを言っても「AIIBには未だに参加しない」「中国に批判されても靖国玉串料を出し続ける」のだからちぐはぐです。
 それはともかく、産経ももはや「安倍の中国外交」については何も批判的なことは言わないことに決めたようです。島田洋一櫻井よしこらウヨ連中も今後は「安倍の中国外交」については黙りなのでしょう。

 来年度から新たな外国人を受け入れる政府方針については「移民政策ではない」と断言

 各方面から批判があるように「移民政策以外何物でもない」でしょうが「移民反対を唱えるウヨを支持基盤とする安倍」としては「移民受け入れ方針」の事実を絶対に認められないのでしょう。そしてウヨ連中も「安倍以外がやれば」、『移民受け入れ方針には反対だ』といっても安倍がやれば「黙り」のわけです。


■TBS『安倍首相が中国公式訪問、日中間で大筋合意』
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3461186.html
 「多くの人間にとって予想の範囲内ですが」、先日の二階幹事長、秋葉*18外務事務次官訪中は要するにこういうことだったわけです。まあ、安倍も反中国をいつまでも続けてるわけにも行かなくなったと言うことですね。
しかし

 安倍総理が10月に中国を公式訪問することで、日中の間で大筋で合意したことがJNNの取材でわかりました。

て「安倍政権が隠そうとしていたことを暴露した」というよりは安倍側の情報提供じゃないんですかねえ。それは果たして「取材で明らかになった」といえるようなことなのか。


新華社通信『第16回中日科学技術協力委員会、東京で開催』
http://jp.xinhuanet.com/2018-08/27/c_137422306.htm
■外務省『第16回日中科学技術協力委員会の開催(結果)』
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_006349.html
文部科学省林芳正文部科学大臣記者会見録(平成30年8月28日)』
http://www.mext.go.jp/b_menu/daijin/detail/1408659.htm
文部科学省『林文部科学大臣の海外出張について』
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/30/08/1408638.htm
時事通信『29日から訪中=林文科相
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018082800387&g=pol
■人民日報『第10回中日韓文化大臣会合開かれる 黒竜江省ハルビン*19
http://j.people.com.cn/n3/2018/0831/c94473-9496058.html
中国国際放送林芳正大臣が北京外国語大学を訪問』
http://japanese.cri.cn/20180830/4ed5fb40-1012-7c11-438d-71d94643e10e.html
中国国際放送『李総理と安倍首相、中日学生千人交流大会に祝電』
http://japanese.cri.cn/20180829/6d065e02-546f-9d08-d4b9-67fceffa952f.html

http://jp.xinhuanet.com/2018-08/27/c_137422306.htm
 第16回中日科学技術協力委員会が23日、日本の東京で開催された。中国科学技術部の王志剛部長と日本の林芳正文部科学相が出席し、「中華人民共和国科学技術部と日本文部科学省の合同科学研究プラットフォーム共同構築に関する了解覚書」に調印した。
(中略)
 林芳正氏は、今年は日中平和友好条約締結40周年で、両国の友好的な交流は強化され続けており、双方は多年にわたりテクノロジー分野で協力関係を築き、発展させ、合同科学研究プラットフォームの共同構築を推進し、テクノロジーの人的文化交流を絶えず展開してきたとし、日本は中国と共にテクノロジー革新協力に取り組むことを望んでいると述べた。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_006349.html
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 8月23日,第16回日中科学技術協力委員会が文部科学省において開催され,日本側から林芳正文部科学大臣及び中根猛*20外務省科学技術協力担当大使,山脇良雄文部科学審議官のほか,外務省,文部科学省内閣府経済産業省農林水産省総務省等の関係者が,中国側から王志剛(おう・しごう)科学技術部部長及び葉冬柏(よう・とうはく)国際合作司司長をはじめとする科学技術部,外交部,教育部,工業和信息化部*21,商務部等の関係者が参加しました。
2
 この会合では,日中の科学技術イノベーション政策の紹介,日中科学技術協力の現状及び今後の方向性について議論が行われ,事業の成果が着実に積み重ねられていることを確認するとともに,今後も協力・交流を促進していくことで,日中双方が一致しました。
3
 次回の委員会については,2020年の適当な時期に中国で開催することで一致しました。

http://j.people.com.cn/n3/2018/0831/c94473-9496058.html
 8月30日、第10回中日韓文化大臣会合が黒竜江省の哈爾浜(ハルビン)で開かれた。中国文化・旅游(観光)部のルオ樹剛*22部長(「ルオ」は各に隹)、韓国文化体育観光部の都鐘煥*23長官、日本の林芳正*24文部科学大臣が会合に参加した。人民日報が報じた。

http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/30/08/1408638.htm
 林芳正文部科学大臣が、8月29日(水曜日)〜31日(金曜日)の日程で、「日中大学生千人交流大会」及び「第10回日中韓文化大臣会合」へ出席するため、中国・北京市及びハルビン市に出張することになりましたので、お知らせいたします。
1.概要
【日中大学生千人交流大会】
 日中大学生千人交流大会は、本年が日中平和友好条約締結40周年であることに鑑み開催される中国主催の行事である。学生の相互理解の深化等を目的とし、日中両国の大学生約1,000人が参加する予定。
【第10回日中韓文化大臣会合】
 日中韓文化大臣会合は、2007年に第1回会合が中国で開催されて以来、継続して開催されている。
 日中韓3か国が友好・信頼関係を発展させる上で、文化交流・協力による相互理解・人的交流の強化を図ることは重要であり、本会合での議論が日中韓の文化交流・協力を一層推進することが期待される。
 今次第10回会合は、中国が主催国としてハルビン市で開催し、3か国の文化交流・協力の内容を確認する「ハルビン行動計画」を策定するとともに、2019年「東アジア文化都市」が正式に決定・発表される予定。
2.出張日程(※今後変更の可能性がありえます)
■8月29日(水曜日)
 9時05分        羽田 発
12時05分        北京 着
14時30分〜16時00分 日中大学生千人交流大会(北京大学
16時30分〜17時00分 視察(北京外国語大学日本学研究センター)[非公開]
19時50分        北京 発
21時50分        ハルビン 着
■8月30日(木曜日)
 9時00分〜10時15分 第10回日中韓文化大臣会合(松北シャングリ・ラハルビンホテル)
10時30分〜11時00分  「ハルビン行動計画」調印式(同上)、「2019年東アジア文化都市」発表(同上)
12時00分〜13時00分 黒龍江省ハルビン市主催昼食会(敖麓谷雅ホテル(Aoluguya hotel))
15時20分〜16時00分 日中二国間会談(松北シャングリ・ラハルビンホテル)
16時10分〜16時50分 日韓二国間会談(同上)
(17時10分メド)     林文部科学大臣ぶらさがり取材(調整中)
18時00分〜19時20分 中国文化・観光部主催晩餐会(松北シャングリ・ラハルビンホテル)
20時00分〜21時30分 日中韓芸術祭(ハルビン音楽庁)
■8月31日(金曜日)
午前         視察[非公開]
14時30分        ハルビン 発 仁川空港経由
22時50分        羽田 着
3.出席予定者(※今後変更の可能性がありえます)
【日中大学生千人交流大会】
   日本:林芳正 文部科学大臣 ほか
   中国:陳宝生 教育部長(大臣) ほか
【第10回日中韓文化大臣会合】
   日本:林芳正 文部科学大臣 ほか
   中国:ルオ樹剛(ルオ・シュガン) 文化・観光部長(大臣)ほか
   韓国:都鍾煥(ト・ジョンファン)文化体育観光部長官(大臣)ほか
4.主な行事・議事内容等
【日中大学生千人交流大会】
(1)来賓挨拶
(2)日中学生代表発言 ほか
【第10回日中韓文化大臣会合】
(1)成果文書「ハルビン行動計画」の策定
(2)2019年東アジア文化都市の決定・発表

http://japanese.cri.cn/20180830/4ed5fb40-1012-7c11-438d-71d94643e10e.html
・8月29日午後、日本の林芳正文部科学大臣訪中団一行が北京外国語大学日本学研究センターを訪れました。
・林大臣は「日本と中国は千年以上の交流の歴史があり、その中で、教育の交流、言葉の交流は交流の中心部となっている。今後も両国の若者が互いに交流できる場や機会をさらに構築できるように努力していく」としました。

http://japanese.cri.cn/20180829/6d065e02-546f-9d08-d4b9-67fceffa952f.html
・中日平和友好条約の締結から40年になるのを記念して、中日両国の大学生1000人余りが参加する交流会が29日に北京大学で行われました。国務院の李克強総理と日本の安倍晋三首相がそれぞれ大会に祝電を送りました。
・安倍首相は、「今年5月に李克強総理が日本を公式訪問したこと、日中関係にとって大きな意義があった。両国は長期的かつ友好的で安定した関係を発展させるべきだ」とした上で、「若者たちは両国の未来を担っている。双方は引続き青少年交流を推進し、日中友好のためにより多くの架け橋を作るべきだ」と語りました。

http://www.mext.go.jp/b_menu/daijin/detail/1408659.htm
大臣)
 日中の科学技術協力委員会についてでございます。8月23日(木曜日)に、文部科学省で開催されました第16回日中科学技術協力委員会に出席をいたしました。本年は、日中平和友好条約40周年の記念すべき年であり、委員会には、私とともに、中国科学技術部の王志剛(ワン・ジーガン)部長が出席して挨拶を行い、今後の両国の科学技術協力の進展について期待を示したところでございます。また、日中共同研究プロジェクトとして、中国側の研究機関内に形成する「日本−中国国際共同研究イノベーション拠点」に関する覚書の署名を行いました。引き続き、両国の交流と相互理解を進めてまいりたいと思っております。
(中略)
 続きまして8月29日(水曜日)に、中国北京市で行われる「日中大学生千人交流大会」及び30日(木曜日)に中国ハルビン市で行われる「第10回日中韓文化大臣会合」に出席するため、中国を訪問をいたします。日中大学生千人交流大会は、本年が日中平和友好条約締結40周年であることに鑑みまして、両国の学生の相互理解の深化等を目的に開催される中国主催の行事であり、日中両国の大学生約1,000人が参加をいたしまして交流を深めます。私は中国からの出席要請を受け、開会式で挨拶を行う予定にしております。また、第10回の日中韓文化大臣会合では、日中韓3カ国の文化交流・協力について意見交換を行うほか、2019年の「東アジア文化都市」として、日本は豊島区、中国は西安市*25、韓国は仁川広域市が正式に決定される予定であり、この点も含めた成果文書の署名が予定をされております。更に大臣会合の期間中、中国及び韓国と二国間の会合を行う予定にしております。日中大学生千人交流大会及び日中韓文化大臣会合により、学生交流や文化交流を通じた日中及び日中韓3カ国の友好関係が一層深まることを期待をしております。

・「日中大学生千人交流大会」つうのは

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34810420Q8A830C1000000/
 北京を訪問中の自民党二階俊博幹事長は30日、王家瑞宋慶齢基金会主席と会談し、日中関係の改善を加速するため青少年交流を拡大する方針で一致した。二階氏は会談後、記者団に「日中関係を次の時代につないでいくため、青年に期待するのは当然だ。努力を怠ってはならない」と述べた。

つうことなんでしょうね。二階氏の言う「青少年交流を拡大する方針」の一環の訳です。
・林文科大臣訪中が「二階幹事長や麻生*26財務相、秋葉外務事務次官の訪中と連動してる」のかどうか気になるところです。素直に考えれば連動してるのでしょうが。


産経
■自民・二階俊博*27幹事長が王岐山*28副主席と会談 首相10月訪中へ地ならし
https://www.sankei.com/politics/news/180831/plt1808310045-n1.html
麻生太郎財務相が日中財務相対話に期待感「首相訪中につながるように」
https://www.sankei.com/politics/news/180828/plt1808280020-n1.html

 確かに二階訪中の目的はその通りでしょうが、もはや産経には「二階訪中は安倍の指示」ということを否定する気はないようです。そして麻生がこういう発言をするとはねえ。


■日経『日中の青少年交流拡大 二階氏、王家瑞*29と会談』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34810420Q8A830C1000000/
■レコードチャイナ『安倍首相の10月訪中に向け、日本の高官が続々訪中―中国メディア』
https://news.nifty.com/article/world/china/12181-178182/

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34810420Q8A830C1000000/
 北京を訪問中の自民党二階俊博幹事長は30日、王家瑞宋慶齢*30基金会主席と会談し、日中関係の改善を加速するため青少年交流を拡大する方針で一致した。二階氏は会談後、記者団に「日中関係を次の時代につないでいくため、青年に期待するのは当然だ。努力を怠ってはならない」と述べた。

https://news.nifty.com/article/world/china/12181-178182/
 自民党二階俊博幹事長は21日の記者会見で、29日から9月1日の日程で北京を訪問すると発表した。日本政府はまた、野上浩太郎*31官房副長官が24日から2日間、公明党山口那津男*32代表が9月5〜9日、それぞれ北京を訪問することを明らかにした。いずれも安倍首相訪中のため、布石を打つものとみられている。

 「一時の安倍政権の中国敵視」が「5月の李首相訪日とそれに対する安倍の歓待以降」、嘘のような状況になっていますね。
 こういう状況下において

常岡浩介がリツイート
モーリー・ロバートソン
‏ 中国政府のチベット人ウイグル人への警戒心と猜疑心は常軌を逸したもの。人権弾圧を速やかにやめるよう、日本も含めて国際社会が圧力を加えなくてはなりません。日米のスクラム経済制裁もあり。

なんてことをいう「反中国ウヨ」モーリーやそれに賛同しているらしい「反中国ウヨ」常岡はいつもながら正気ではありません。そんなことを安倍政権がするわけもない。


■ちきゅう座『生き続けるフランコ(1)』童子丸開(どうじまる・あきら)
http://chikyuza.net/archives/86842
■ちきゅう座『生き続けるフランコ(2)』童子丸開(どうじまる・あきら)
http://chikyuza.net/archives/87003
■産経『フランコ総統の墓移転で波紋 スペイン左派政権が方針表明、歴史問題が国内対立を招く懸念も』
https://www.sankei.com/world/news/180801/wor1808010025-n1.html

https://www.sankei.com/world/news/180801/wor1808010025-n1.html
 スペインで、1975年まで36年間、独裁を敷いたフランシスコ・フランコ総統の墓を近く移転する方針をサンチェス首相が先月発表し、波紋を広げている。墓はフランコがスペイン内戦(36〜39年)勝利後に建造した慰霊施設にあり、首相は「民主化時代にふさわしくない」と主張するが、歴史問題が国内の対立を招くという懸念も強い。
 これに対し、フランコ支持者ら右派の数百人が「絶対に阻止する」と訴え、現地で抗議集会を実施。前与党の保守系・国民党は「古傷を広げるだけだ」として墓の移転に反対した。
 社会労働党は国会で保有議席が4分の1に満たないが、急進左派ポデモスのほか、右派新党のシウダダノスも「ファシストの記念碑は民主国家に不似合い」との立場で、移転に前向きな立場。これらの政党が支持すれば、墓の移転案は過半数の賛成で採択できる。だが、墓の移転をめぐる論議が、独裁による弾圧の責任追及に発展すれば、国を再び分裂させかねないとの指摘もある。7月の世論調査では「移転に賛成」は41%にとどまった。

http://chikyuza.net/archives/87003
 フランシスコ・フランコ財団は、名誉会長のフランシスコ・マルティネス・ボルディウー(フランシスコ・フランコの孫)の話として、この社会労働党政府の決定は背任罪でありうると警告を発した。国民党はこのペドロ・サンチェスの「暴挙」に反対する運動を起こす、そして憲法裁判所に訴え出ると息巻いた。
 いずれにせよ、この墓の移転問題がスペインの社会と国民を真っ二つに引き裂く“超巨大地震”の震源となるのかもしれない。フランシスコ・フランコ財団の関係者たちが今年6月の社会労働党政権誕生をスペイン内戦前夜にたとえたのも決して大げさではあるまい。

 記事に書いてあるようにフランコ(フランシスコ・フランコ*33とはスペインの独裁者だった男です。詳しい内容はリンク先を読めばいいですが、あらすじは「民主化された今もスペインではフランコ支持の極右の政治力が無視できない」つう話です。そもそもスペイン民主化は「フランコ死後」に起こった話でついにフランコ生前には民主化は実現できませんでした。
 このスペインの話は、ドイツのネオナチ、日本の「靖国日本会議」と話的には変わらない話です。ドイツは「生き続けるヒトラー」、日本は「生き続ける東条英機*34」のわけです。
 つうかフランコの墓の移転つうのは日本で言えば「靖国A級戦犯合祀するの辞めよう」みたいな話でしょう。左派の靖国批判を自虐だ、反日だと誹謗する産経らウヨですが、その産経クオリティではサンチェス首相も「自虐で反スペイン」なのでしょう(皮肉のつもり)。つうかフランコ崇拝極右はマジでそうサンチェス氏を罵倒してるようですが。まあ、「負の歴史」の解決が難しいのは日本だけじゃない、どこの国もそうだという話です。


■産経【主張】中国の産経拒否 異様な報道統制をやめよ
https://www.sankei.com/column/news/180831/clm1808310001-n1.html

 日中両政府は冷え切った両国関係の改善を模索している。10月23日が日中平和友好条約発効から40周年になる。秋葉、王両氏の会談は、安倍晋三首相の10月訪中に向けた調整が目的だった。
 だが、報道の自由の大切さを理解しない中国と、良好な関係を果たして結べるのだろうか。

 おいおいですね。日本が過去に友好関係を結んできた国、あるいは今友好関係にある国は「人権上、何の問題もなかった」のか。そんなことないわけです。わかりやすい例では「名誉白人の称号を授与してくれた」アパルトヘイト南アがありますね。
 「世界各国が経済制裁を発動した南アレベル」に酷い場合はまだしも、多くの場合「それ(人権問題)はそれ、これ(経済、文化交流など友好関係)はこれ」のわけです。
 「隣国にして世界の経済大国」と対立関係になれるわけもないでしょう。前も書きましたが欧米だって中国批判はしても経済、文化交流はするわけです。産経のような反中国ではない。
 そもそも「報道の自由をわからない奴とは仲良くなれない」つうなら「俺を批判する奴らは皆フェイクニュースだ」なんてトランプはどうなのか。
 「トランプみたいなバカとは仲良くなれない」といったら産経は賛同するのか。いやそもそも「NHK慰安婦番組への不当政治介入」「クロ現・国谷*35キャスター、報ステ・古館キャスターの降板劇」でわかるようにそうしたメディアへの政治介入、恫喝を実行して恥じない安倍と、安倍を擁護する産経こそが「報道の自由の大切さを理解しない」連中ですが。

 客観報道と公正な論評を貫く。報道の自由に対する中国当局の妨害・圧力に対抗するすべは、それ以外にない。

 吹き出しました。他のメディアはともかくいつ産経が「客観報道と公正な論評」なんかしたのか。そもそも産経がこうして狙い撃ちされるのも「産経なんざデマ記事常習で世間からまともに相手にされてないから心の底から産経擁護する奴なんざいないよ」と中国が思ってるからでしょう。だからこそ産経とは違ってまともな朝日、読売、毎日、日経だのはこんなことされない。


■産経『インド、米との「関係深化の好機」も…ロシアとの関係は維持 「対中牽制」にも消極的』
https://www.sankei.com/world/news/180830/wor1808300019-n1.html
 まあそりゃそうでしょう。産経の望む中国牽制なんかしてもメリットはありませんから。


■ちきゅう座『矛盾だらけの「インド太平洋戦略」:行き詰まる日米機軸と中国包囲』岡田充*36
http://chikyuza.net/archives/87021
 そもそもインドもオーストラリアも「中国との経済関係を重視し」安倍らウヨが期待するような反中国の態度なんかとらないし、そもそも日本財界が一帯一路参加を安倍にせっついて、安倍がそれに応じたこともあって「インド太平洋戦略」なんてもんは事実上挫折したが、それでも安倍が「AIIBには参加しない」など「完全には反中国的態度を捨てない」がゆえに「状況が意味不明な、わけのわからないものになってる」つうのが岡田氏の安倍批判です。
 かなり長くなりますが一部引用します。

 インドの対中姿勢は、日米両国が考えるほど単純ではない。一言で表せば「是々非々」。インドは「一帯一路」を支持していない。宿敵パキスタンと領有権で対立するカシミール地方に「一帯一路」案件が及んでいるためである。
 その一方で、中国主導の国際金融機関、アジアインフラ投資銀行(AIIB)には加盟し、ことし6月にはムンバイで第3次年次総会を開催、モディ*37首相は「アジアの安定した経済成長にむけ、インドはAIIBとともに積極的にかかわっていく」と述べた。
 2015年に57か国で創設したAIIBは今や、日米主導のアジア開発銀行(ADB)を上回る87か国に増えた。インドは中国に次ぐ出資国であり、AIIBが承認した融資25件(6月初め現在)のうち、インドは6件と四分の一を占める。融資額は約12億ドル(約1320億円)に上り、インド政府関係者は「インフラ整備にAIIBは不可欠」と言う。
 ムンバイ年次総会に参加したある日本の金融関係者は「(ボーガス注:AIIBが)国際金融機関としての地位を確立していけば、日本や米国は未加盟のままでいられなくなるだろう」と、共同通信記者に語っている。
 AIIBだけではない。インドは中ロ主導の「上海協力機構」(SCO)にも2017年、パキスタンとともに加盟した。さらにブラジル、ロシア、インド、中国、南アの新興5カ国(BRICS)首脳会議のメンバーでもあり、米一極支配には与しない多極化の担い手でもある。
 モディは5月にシンガポールで開かれた「シャングリラ対話」では、南シナ海問題で中国非難の発言は避けた。日米にとって「対中包囲」のあてが外れたのは間違いない。
 1980年代後半に駐インド大使をつとめた野田英二郎氏*38に聞いた。安倍外交について野田は「中国包囲網への協力を呼びかけられても同調する可能性はほとんどないでしょう」と答えた。インドと共に中国包囲網を築こうとするのは「戦略的誤算」ではないか、ということだ。
■対中改善と「対中けん制」の矛盾
 安倍政権は、日中関係改善の切り札として、「一帯一路」への条件付き協力に舵を切った。5月の李克強*39首相との首脳会談の際に安倍は「日中は協調の時代に入った」と述べ、北京も姿勢転換を歓迎した。それとともに対中包囲網としての「戦略」の目的は曖昧化している。
 「戦略」のうち、安保と経済を切り離す「政経分離」を図った、というのが筆者の見立てである。
 途上国向けの開発援助やインフラ整備事業で、「一帯一路」とマッチングすれば(ボーガス注:日本財界の金儲けのために)中国と協力する。しかし南シナ海やインド洋では、海上自衛隊護衛艦を長期派遣して事実上の「哨戒活動」は継続。フィリピンやベトナムなど中国と領有権争いをする国に中古巡視船を供与し、対中けん制は継続―という使い分けである。
■何をしたいの?
 戦略のわかりにくさは、安倍政権を支える研究者も共有している。田中明彦*40政策研究大学院大学学長は、外務省発行の隔月刊誌「外交」(2018年Jan/Feb)で「全体像を示した戦略文書を早期に公表することが望ましい」と提言した。「戦略の全体像」がみえないと言っているのだ。
 この3月まで外務省地域政策課に出向していた相澤輝昭(笹川平和財団海洋政策研究所特任研究員)も、同財団HPで「現状では(同戦略は)理念先行の感があり、これを主導する日本政府、外務省が実際には何をしようとしているのか、その実践の部分がなかなか見えて来ない」と率直に書いている。
 安倍自身、ことし1月の施政方針演説で「(「戦略」の)大きな方向性の下で、中国とも協力して・・・増大するアジアのインフラ需要に応えていきます」と、「戦略」と「一帯一路」の“コラボ”に言及した。対中けん制の「イメージを打ち消そうとするかの発信が目立っている」(相澤)のだが、そう言えば言うほど、「戦略」の曖昧さが増す。
 中国の経済規模が日本の三倍になろうとする現在「中国包囲などというのはそもそも無理な話」と、ある外務省高官は言う。
■軍事力対抗は愚策
 「中国との関係改善こそ日本がとりうる唯一の選択肢です。アジアインフラ投資銀行(AIIB)に日本は参加すべきだし、軍事力を強化して対抗していくことは賢明な策とは言えません。歴史認識をめぐる対立も解消しておいた方がいい」
 中国の「国家資本主義的手法」や「強権体制」に批判的な米国際政治学者イアン・ブレマー*41が「朝日」とのインタビュー(8月22日付朝刊)で語った内容である。
 その彼ですら、「日米機軸」という名の対米追従外交と中国けん制は日本の利益にならないとみているのだ。国際政治の構造が揺れ動く現状をみれば、しごく当たり前の提言であろう。
 インドへの「安保外交」は必ずしもうまくいっていない。小野寺防衛相は8月末、インド、スリランカ両国を訪問し「海洋進出を活発化させる中国への警戒感を背景に、両国で防衛協力強化を打ち出した」(共同通信)。ここは正確に「両国に対し、防衛協力強化を要請した」と書くべきであろう。重要なのは両国側の反応だが、記事はそれに触れていない。日本の要請に両国はもろ手を挙げて同意したわけではないのだ。インド、スリランカ両国は、中国との経済協力を重視し「対中包囲網」の形成に協力したと、とられたくない。
 スリランカでは、南部の重要港湾ハンバントータ港の運営権が中国企業に99年間貸与されることになった。同国防衛相との会談で小野寺は、中国を名指ししなかったが「自由で開かれた港の使用が重要」と述べた。スリランカと中国の経済関係は厚みを増す一方で、中国と敵対できない。
 インドでは、物資や役務を融通し合う物品役務相互提供協定(ACSA)締結への協議開始で一致した。しかしモディ首相は小野寺と会った翌21日、中国国防相と会談し「印中関係は世界の安定に欠かせない」と述べた。
 日中関係に詳しい上海国際問題研究院の呉奇南・研究員は5月の日中首脳会談の直後、上海で筆者に対し「安倍首相は両国関係について、競争から協調の時代に入ったと述べたが、関係改善の道のりは平たんではない」と疑念を口にした。その理由として彼は「いずも」の空母化と、地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」配備計画を挙げ、「いずれも中国をにらんだ動き」と位置付けた。
 「インド太平洋戦略」が直面する自己矛盾を整理してきた。ここまで書いて、ふと頭に浮かんだのが「戦後70周年の首相談話」である。談話は、「侵略」「植民地」「お詫び」の三本柱からなる村山談話を継承すべきという内外世論に押され、これらの文言を盛り込んだ。しかし「侵略」「植民地」については、「誰が」の主語がない上、「植民地」に関しては「誰に」という目的語も抜け落ちていた。
 おまけに「日露戦争は、植民地支配のもとにあった、多くのアジアやアフリカの人々を勇気づけました」と、「靖国史観」そのものの表現すら使った。つぎはぎだらけの「パッチワーク」の文章。多くのアジア人の心に全く響かない声明だった。
 その原因は、首相として「主流民意」にはあらがえない現実主義と、「日本会議」など右翼イデオロギーを同時に満たしたい願望があるからではないか。「インド太平洋戦略」もまた、対中関係改善という現実主義が、「日米機軸」「対中包囲」イデオロギーとの間で「股裂き」に遭い「機能不全」に陥ってしまったのだ。


■産経【国際情勢分析】台湾・国民党「反日カード」の効果は? 初の慰安婦像、謝罪要求…地方選へ皮算用
https://www.sankei.com/premium/news/180830/prm1808300005-n1.html
 人権問題(慰安婦問題)を「反日云々」という理解しかできない産経はいつもながらバカです。
 しかし蒋介石時代はあれほど持ち上げていた国民党をここまで罵倒するとは(苦笑)。

 馬氏*42日中戦争で1937年12月に中華民国の首都、南京が陥落した後、「日本軍による組織的な虐殺、強姦、放火、強奪により30万人が死亡した」と主張。強姦された女性は「何万人」にも上るとした上で、「日本軍の狂った暴行と破壊的な軍紀は全世界から強い非難を招き、天皇ですら衝撃を受けた」と述べた。
 馬氏はそのことが慰安所設立の原因だとした上で、中国大陸、韓国、フィリピン、インドネシア、台湾から「誘拐、脅迫や詐欺の手段で、婦女が強制的に慰安所に連れてこられた」と主張。慰安婦の人数は「中国大陸と韓国からそれぞれ約20万人」などとする見解を披露した。

 被害者数の問題はさておき、大筋(南京事件慰安婦は日本の戦争犯罪慰安所設立の理由の一つは南京事件での婦女暴行)では馬氏の発言には何の問題もないでしょう。南京事件否定論河野談話否定論の産経の方が間違っています。

 一連の国民党の動きに対し、駐日経済文化代表処の謝長廷*43代表(駐日大使に相当)は21日、「台日関係を破壊するものだ」とフェイスブックで批判。

 やれやれですね。「中国との対決」のために安倍にへいこらすると言う恥ずかしい路線が蔡英文政権一味、台湾民進党一味の立場のようです。しかし安倍にへいこらしたところで「ブルキナファソなど台湾との断交続出」をどうにもできないわけです。

*1:台北市長を経て総統

*2:副首相を経て総統

*3:著書『中国「反日デモ」の深層』(2012年、扶桑社新書)、『現代中国悪女列伝』(2013年、文春新書)、『中国のマスゴミ』、『中国食品工場のブラックホール』(2014年、扶桑社新書)、『本当は日本が大好きな中国人』(2015年、朝日新書)、『権力闘争がわかれば中国がわかる』(2015年、さくら舎)、『赤い帝国・中国が滅びる日』(2016年、ベストセラーズ)、『「中国の悪夢」を習近平が準備する』(2017年、徳間書店)、『習近平王朝の危険な野望』(2018年、さくら舎)など

*4:これでは政治家か官僚か財界人か誰かわかりませんが。

*5:森、小泉内閣官房長官を経て首相

*6:社民連副代表、新党さきがけ政調会長、橋本内閣厚生相、鳩山内閣副総理・財務相などを経て首相

*7:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家副主席、党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*8:首相、IMF副総裁などを経て大統領

*9:加盟国はベナンブルキナファソ,カーボヴェルデ,コートジボワールガンビア,ガーナ,ギニアギニアビサウリベリア,マリ,ニジェール,ナイジェリア,セネガルシエラレオネトーゴ

*10:防相、軍司令官などを経て、軍事クーデターにより大統領

*11:法相、外相などを経て大統領

*12:重慶市党委員会書記、広東省党委員会書記、副首相などを経て中国人民政治協商会議全国委員会主席(党中央政治局常務委員兼務)

*13:中曽根内閣文相、自民党政調会長(宮沢総裁時代)、宮沢内閣通産相、村山内閣建設相、自民党総務会長(橋本総裁時代)、幹事長(小渕総裁時代)などを経て首相

*14:首相、外相などを経て大統領

*15:著書『「日中友好」は日本を滅ぼす!』(2005年、講談社プラスアルファ新書)、『なぜ、日本人は日本をおとしめ中国に媚びるのか』(2009年、ワック文庫)、『なぜ中国から離れると日本はうまくいくのか』(2013年、PHP新書)、『中国崩壊カウントダウン』(2014年、宝島社)、『「全身病巣」国家・中国の死に方』(2014年、宝島SUGOI文庫)、『世界征服を夢見る嫌われ者国家 中国の狂気』(2014年、ビジネス社)、『なぜ中国人にはもう1%も未来がないのか』(2014年、徳間書店)、『習近平にはなぜもう100%未来がないのか』(2015年、徳間書店)、『狂気の沙汰の習近平体制』(2016年、ビジネス社)、『冗談か悪夢のような中国という災厄』(2017年、ビジネス社)、『習近平の終身独裁で始まる中国の大暗黒時代』(2017年、徳間書店)、『教えて石平さん。日本はもうすでに中国にのっとられているって本当ですか?』(2017年、SB新書) などトンデモ右翼本多数。

*16:岸内閣郵政相、池田内閣蔵相、佐藤内閣通産相などを経て首相

*17:池田内閣経済企画庁長官、佐藤内閣通産相、三木内閣外相、福田内閣経済企画庁長官、鈴木内閣官房長官、中曽根、竹下内閣蔵相などを経て首相。首相退任後も小渕、森内閣で蔵相

*18:外務省国際法局長、総合外交政策局長、外務審議官などを経て外務事務次官

*19:黒竜江省省都

*20:駐韓国公使、ミュンヘン総領事、駐ドイツ大使など歴任

*21:外務省文章は中国語そのままだが一般には「工業情報化部」と訳される。

*22:党中央宣伝部副秘書長、副部長などを経て文化観光大臣

*23:著書『葵のようなあなた ほか』(2011年、トランスビュー

*24:福田内閣防衛相、麻生内閣経済財政担当相、第二次、第三次安倍内閣農水相などを経て第四次安倍内閣文科相

*25:陝西省省都

*26:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)を経て首相。現在、第二〜第四次安倍内閣副総理・財務相

*27:小渕、森内閣運輸相、小泉、福田、麻生内閣経産相自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)を経て幹事長

*28:海南省党委員会書記、北京市長、副首相、党中央規律検査委員会書記(党中央政治局常務委員兼務)などを経て国家副主席

*29:青島市長、中国共産党中央対外連絡部副部長、中国人民政治協商会議全国委員会副主席など歴任

*30:孫文の未亡人。中華人民共和国において全国人民代表大会常務委員会副委員長、国家副主席など要職を歴任

*31:小泉内閣財務大臣政務官、第2次安倍内閣国交副大臣を経て現在、第4次安倍内閣官房副長官

*32:公明党参院国対委員長政調会長などを経て代表

*33:陸軍参謀総長、反乱軍司令官などを経て総統

*34:関東憲兵隊司令官、関東軍参謀長、陸軍次官、近衛内閣陸軍大臣などを経て首相。戦後、A級戦犯として死刑判決

*35:著書『キャスターという仕事』(2017年、岩波新書)など

*36:共同通信香港、モスクワ、台北各支局長、編集委員論説委員を経て現在、共同通信客員論説委員。著書『中国と台湾』(2003年、講談社現代新書)『「領土問題」の論じ方』(共著、2013年、岩波ブックレット)など

*37:グジャラート州首相を経てインド首相

*38:ベトナム大使、ペルー大使、インド大使など歴任。2001年に文科省教科書検定審議会委員を一時務めたが「偏向自虐」という産経や自民ウヨ議員の個人攻撃で委員を不当にも更迭されたことでも知られる。退官後も日中友好会館顧問、日印協会顧問など歴任(ウィキペディア「野田英二郎」参照)

*39:共青団中央書記処第一書記、河南省長・党委員会書記、遼寧省党委員会書記、副首相などを経て首相(党中央政治局常務委員兼務)

*40:東大東洋文化研究所所長、東大副学長、JICA理事長などを経て、政策研究大学院大学学長。第1次安倍内閣の「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」委員。著書『新しい「中世」:21世紀の世界システム』(2017年、講談社学術文庫)など

*41:著書『対立の世紀:グローバリズムの破綻』(2018年、日本経済新聞出版社)など

*42:連戦内閣法相、台北市長などを経て総統

*43:高雄市長、陳水扁政権首相などを歴任