今日の産経&中国&朝鮮・韓国ニュースほか(2019年7月7分)

東京新聞:<各駅停車>朝鮮学校への補助金:埼玉(TOKYO Web)
 今年、埼玉県知事選があるわけですが、「新しい県知事には是非補助金をきちんと支給してほしい」「ぜひ支給すると選挙戦において明言する知事候補が出てほしい」とするコラムです。全く同感なので紹介しておきます。


北朝鮮、揺れる要求/核保有の野望隠す意図か - 牧野愛博|論座 - 朝日新聞社の言論サイト
 「またアンチ北朝鮮の牧野か」ですね。
 基本的に北朝鮮の主張は牧野が言うほど揺れてはいないでしょう。
 「体制保証すれば核廃棄してもいいが、体制保証がなければ核廃棄しない」、これが北朝鮮の要望です。
 したがって「核保有の野望隠す」なんてことはない。「体制保証すれば核廃棄してもいい」のだから「核保有」は絶対的な目的ではない。
 ただし経済小国、軍事小国「北朝鮮」は正直「核カード」以外に手持ちの札が少ない。当然ながら重要な札である「核」はそう簡単には捨てられない。ただしそれは「絶対に捨てない」ということではない。
 と思って牧野文章を読んでいて「なるほど、こりゃ、俺と牧野じゃ話が通じないわ」と思いました。
 牧野は「北朝鮮は最低限、朝鮮戦争終戦協定*1米朝国交樹立がないと体制保証とは認めないだろう」が「米国が体制保証すること(終戦協定と国交樹立)はない」と決めつけてる。なるほどそれならば「北朝鮮は核廃棄しない」でしょう。ただしそれは「核保有の野望」と言う話ではない。そして、牧野がすべき主張は「米国が体制保証すること(終戦協定と国交樹立)はない」と決めつけることではなく「体制保証とのバーターで核廃棄を目指すこと」でしょう。まあ牧野の場合本心は「米国云々」ではなくアンチ北朝鮮の立場から「米国が体制保証すること(終戦協定と国交樹立)をしてほしくない」のでしょうが。


玉城沖縄知事、自衛隊のF35導入批判 - 産経ニュース
 玉城氏の批判には全く同感なので紹介しておきます。高額な軍用機を大量購入する財政の余裕はないし、「米軍と共に海外で戦争しない限り」そんなことをしなければいけない事情もないでしょう。


慶大教授は問う「中国のデータ国家主義は悪いだけか」:朝日新聞デジタル

 国家が主導して、膨大な個人データを収集・活用して社会を改革しようという中国。海を隔てた日本では、不気味と見る向きも多い。しかし、医療政策が専門の宮田裕章・慶応大教授は、そんな固定的な見方に異を唱えている。

 いやーこういう「我々は中国について偏見で物を言ってないか?」つう記事を見ると嬉しくなりますね。
 詳しくはリンク先を見てほしいですが宮田氏が言ってるのは「俺の理解」では以下のようなことです。
・そうしたデータ収集活用は確かに個人情報保護の観点でリスクがないとはいわない。中国ももしかしたらそうした問題を抱えてるのかもしれない。
 しかし便利であることも一方では事実だし、そうした方向に動いてるのは何も中国だけではない。日本や欧米だってそういう面はある。例えば、いわゆる「ビッグデータ」と言うのはそういう話だ。
 安直に「中国が個人データを集めて個人監視しようとしてる、怖い」というのではなく「個人情報をきちんと保護し、個人の不当な監視などに悪用されないよう注意した上で」、「個人情報データをどのように社会のために活用していけばいいか」という議論をしていくべきではないか(もちろんこう主張する宮田氏はそうしたデータ活用を進めたいのでしょうが)。少なくともこうした動きが「中国のような独裁国家限定」と思ったら大きな間違いだ。


慰安婦像に日本人装い唾か 韓国人4人、制止され「日本語使った」 - 産経ニュース
 こんな馬鹿がいるのかと呆れますが、「なりすまし」云々を強調しようとする産経のゲスさにも呆れます。
 相手は酔っ払いであり「酔っ払いのバカが馬鹿な行為をやっただけ」の話であり、こんなことで「日本に対する韓国側の言いがかり」云々みたいに書くのは「はあ?」ですね。
 「日本語を使えば、日本人観光客と思われて大目に見てもらえる」とか酔っ払いどもは無茶苦茶なことでも考えてたんでしょうか?。どっちにしろ韓国の慰安婦問題での批判は何ら言いがかりではないですし、この酔っ払いのバカどもについても、すぐに「韓国人だった」と警察発表がされたわけです。


文在寅政権進む「親日狩り」、学校の日本痕跡清算する初条例…済州島、シンボルの木の扱いで混乱も - 産経ニュース
 産経記事が事実なら「戦前植民地統治時代の物を何でもかんでも不合理な物として否定してないか?」「あまり望ましくないのではないか?」「戦前日本の英語排撃のようになってないか?」と個人的には思いますがそれはさておき。
 ここで問題になってるのは「戦前の植民地時代から韓国に残ってる日本色の強い物で不合理な物はなくす(例:戦前に作られ植民地支配正当化の疑いがある校歌)」つう話です。
 少なくとも建前では「日本に関係のあるものは全て否定する」つう話ではありません。
 なくす(廃止する)対象として
1)「戦前の植民地時代から韓国に残ってるもの」
2)「不合理な物」
つう二つの条件が必要なわけです。
 そして今のところ「韓国国内に話はとどまっており」、日本人が何かしないといけないわけでもない。正直、「少なくとも日本人にとっては」産経が騒ぎ立てるほどの話ではないでしょう。


【浪速風】 韓国へ輸出規制 かの国は信頼を重んじよ - 産経ニュース
 「徴用工判決ガー」「信頼関係ガー」「だから報復も仕方がない」の産経には呆れますが、一般論としては「問題解決は交渉でしか解決しないことが多く」、その場合「信頼関係を築くこと」は大事なことです(もちろん徴用工問題について言えばむしろ信頼関係を破壊してるのは安倍自民の方ですが)。
 しかし北朝鮮拉致問題においては「信頼関係なんかどうでもいい」「とにかく北朝鮮は日本に従え」が産経ですから呆れます。それで拉致問題が解決するわけないでしょう。小泉訪朝が成功したのも「ある種の信頼関係」が日朝間に成立したからであり、一方、その後、なんの成果もないのは「対北朝鮮経済制裁」で信頼関係を破壊したからです。


孟前総裁の妻、ICPOを提訴 「夫を保護せず」主張 - 産経ニュース
 ICPOを提訴した理由がよく分かりません。事情はどうあれ中国に帰国したのは孟前総裁の意思でしょうし、保護云々て何をしてほしいのか。
 彼が「亡命しなかった」のはICPOのせいではなく「あえて言えば」彼の個人責任だと思いますし、亡命申請をするならその申請先は「ICPOではなく、ICPO本部のあるフランスなど外国政府」ではないのか。
 中国が帰国要請し、彼が亡命申請しない(そして帰国する)と言う状況でICPOに出来る事ってあるんでしょうか?。また帰国後の状況を問題にするにしても、「仮に妻の言うように政治的迫害だとしても」それはもはや「一般的な人権問題」であって「ICPOの管轄外の問題」の気がします。
 もう少しわかりやすい記事を書いてほしいのですが、妻の主張自体がわかりづらいのか。


安倍首相、対韓輸出管理体制見直しの正当性主張 - 産経ニュース
 今回の措置を正当化するには「制度目的(制度の建前)が軍事転用の防止」である以上、「韓国による軍事転用の疑いを示す証拠」を「ウソでも」提出するしかないのに「徴用工判決ガー」ですから呆れます。明らかに制度目的を逸脱している。一般論で言って「制度目的を逸脱した行為」は違法で無効です。
 韓国によってWTOに提訴されたらどうするかなどということは、他の人間はともかく「少なくとも安倍は」何一つ考えてないことが分かります。ここで安倍が言ってることをWTOに持ち出されたら確実に負けるでしょうね。WTOは安倍に忖度して日本政府を勝たせる理由もないでしょうし。
 「頭が悪い上に性格も下劣」。およそ首相の器ではありません。

【追記】
「北朝鮮問題絡め圧迫」=安倍首相発言で韓国メディア:時事ドットコム
 「徴用工ガー」では「WTOに提訴されたら負ける」と言われたのか「(軍事転用の疑いがある)不適切事例があった」といいだしたそうです。しかし普通なら「こういう事例があるので規制を強化したい」と韓国に通知し、お互い交渉してから決定でしょう。それもなしにいきなり、一方的に規制強化したあげく当初は「徴用工ガー」、「それはおかしい」といわれたら「不適切事例があった」と主張を変更したあげく、何が不適切なのかまともに説明しないというのではなんの説得力もありません。WTO提訴されれば敗訴は不可避でしょう。
 そもそも本当に「(軍事転用の疑いがある)不適切事例があった」のなら韓国にきっちりと抗議し是正措置を要求するのが当たり前です。輸出規制で済む話ではない。それをしない時点で「口から出任せ、嘘八百」であることはモロバレです。


訪日韓国人、前年比4・7%減少 さらなる冷え込みも - 産経ニュース
 勿論この減少理由が何かは分かりません。
 一番ありうる理由は「政治的理由(安倍の極右嫌韓国政治への反発)」ではなく「日本は他(例:ヨーロッパ)と比べて観光地としての魅力に乏しいと思う韓国人が増えてきた(金がかかる割に大して楽しくない)」でしょうが、それにしても、安倍の例の行為は「愚行」と言うべきでしょう。
 「どうしても日本の京都奈良に行きたい」などの「強い訪問意欲」があるならともかくあんなことをすれば「日本以外のホニャララ(例:オーストラリア)やチョメチョメ(例:台湾)も魅力的だな」と思う程度の「訪日観光旅行を考えてる韓国人」は「安倍があんなことやるんじゃ、日本はしばらく行かない方がいいよな。どうしても今すぐ日本を旅行したいわけでもないし」ということになりかねません。つまり「どの程度影響するかどうかはともかく」訪日韓国人旅行客を減らしかねない。


【北朝鮮核問題】ビーガン北朝鮮担当特別代表が欧州訪問へ - 産経ニュース
 先日、米朝首脳会談があったばかりなので「それについての説明行脚」ですかね。


【この本と出会った】藤原書店社長・藤原良雄 『吉田松陰』徳富蘇峰著 感銘受けた世界史的視野(1/2ページ) - 産経ニュース
 今時、吉田松陰をただ絶賛て、「藤原書店社長」もどんだけ右翼なんですかね。
 もちろん吉田松陰は「偉人」でしょうが、「彼のアジア侵略思想」が明治以降の日本に与えた影響を考えれば今時手放しで礼賛できる人間じゃないでしょう。まして、今は「戦前礼賛ウヨ安倍」が首相ですからね。
 これは何も吉田松陰だけじゃない。例えば「中国改革開放の父・トウ小平*2」なども「偉大」でしょうが天安門事件に触れずに「偉大だ」とだけ言っていたら「何を考えてるんだ?」と思われても仕方ないでしょう。


【産経抄】7月7日 - 産経ニュース

 〈学もし成らずんば死すとも還(かえ)らじ…人間(じんかん)/到(いた)る処(ところ)/青山(せいざん)有り〉。幕末の志士、村松香雲が15歳で郷里を発(た)つ日に詠んだとされる。
▼志を遂げずには故郷に帰るまい。世間のどこにでも死に場所(青山)はある、と。
 自分の命、あるいは命に等しいものを犠牲にしても成し遂げたい何事かは、昭和39(1964)年の日本にもあった。
▼その人は東京五輪を前に医師からこう迫られた。
 「オリンピックか、目か」。
 聖火に関する行事万般を託された、中島茂という文部官僚である。五輪の母国、ギリシャから聖火を空輸する計画に忙しい中、左目に重い眼病を患った。
▼治療に割く時間はない。医師に告げて、聖火を運ぶ日本航空の機体「シティ・オブ・トウキョウ」号に飛び乗っている。39年8月半ばからひと月近い長旅に、五輪の命運を懸けた(夫馬信一*3著『1964東京五輪聖火空輸作戦』*4)。
▼後に中島は「気にしてたら立派な聖火リレーはできない」と語ったという。
 ギリシャからの帰途、左の視力を失った中島はしかし、聖火の見張りを他の誰にも委ねなかった。国立競技場に燃え盛ったのは、光を犠牲に届けた火だった。来年、新たな聖火を引き継ぐ人たちにも、記憶にとどめてほしい裏面史である。

 「カミカゼ特攻すら美化する産経」らしいコラムですがそういう話を美談にしてほしくないですね。
 「イヤー中島さんの左目が失明したけど、聖火リレーが出来たからよかったよね」てそういうのはおかしい。ご本人、「聖火リレーにどうしても関与したかった」ので、それで満足だったのかもしれませんが後世の人間が美談にしたらダメでしょうよ。
 本来なら「治療に専念して他の人間に代わるべきだった」わけです。

参考

東京五輪聖火リレー功績に脚光 神埼出身の故中島さん 回顧本で発掘 |行政・社会|佐賀新聞ニュース|佐賀新聞LiVE
 1964年の東京五輪の回顧本で佐賀県出身者の功績が取り上げられている。神埼郡神埼町(現神埼市)出身の故中島茂さん(1914~2007年)で、ギリシャを含め十数カ国・地域を巡る聖火の空輸に奔走した。2年後の東京五輪パラリンピックを前に、過去の聖火リレーの苦労や舞台裏に光を当てている。
 著書は『1964東京五輪聖火空輸作戦』で、ノンフィクション作家の夫馬信一さん(58)=東京都=が今年出版した。
 中島さんは国外空輸の最中に左目を失明している。以前から中心性網膜炎を患い、「五輪か目か」と医者から告げられていた中、五輪を優先した。周囲に心配をかけないようにと、空輸中は症状を明かさなかった。夫馬さんは「当時の五輪組織は、とんでもない働き方を強いられた。中島さんら現場の存在はそれだけ大きかった」と話す。
 宏子さんは「父はリレーの成功が誇りだった。この本で思い出がよみがえった」と感じ入る。多くの人たちが準備に関わる2度目の東京大会の成功を祈っている。
 『1964東京五輪聖火空輸作戦』は原書房刊。A5判、318ページ。2500円(税別)。


ダライ・ラマ14世84歳で声明 亡命60年「チベット人は団結」 - 産経ニュース
 声明を出さないわけにも行かないのでしょうが「ああ、そうですか。でも賛同はしません(中国)」で終わってしまうある意味むなしい状態になっています。


日韓の歴史問題と安倍政権の対韓輸出規制措置|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページ

 今や有権者の多く(20歳代から40歳代)は、書き換えられた歴史教科書に基づいて歴史を教えられて育っています。私自身、1990年代に大学で日本政治を講義していたとき(講義の終わりに任意でメモを提出することを学生たちに求めていました)、学生たちが提出するメモの記述内容で、アジアに対して行った日本の侵略戦争・植民地支配についてすでに間違った歴史を信じ込まされていることを思い知らされて、何度も愕然としたことを今も鮮明に覚えています。そういう彼らが今や40歳代なのです。

 「30代以下」については知識がないので何も言えませんが「今、40代の小生」からすれば「え、そうなの?」ですね。

 私は「安倍政治に引導を渡す」ことにはもちろん賛成です。しかし、それだけで日本政治が根本から変わるとは到底考えられません。

 もちろんそれは「安倍を生み出した構造(戦前への無反省、中韓への差別意識日米安保を『当然の前提』として容認していることなど)」がすぐに消えるわけではないからです。
 「トランプが大統領を辞めてもそれで万々歳じゃない」と言うのと同じです。とはいえ「まずは安倍をやめさせること」でしょう。


【昭和天皇の87年】進撃する日本軍 中国軍司令官がとった驚きの行動とは… - 産経ニュース

 上海で日本軍を食い止め、長期戦に持ち込んで欧米列国の介入を招こうとした蒋介石の戦略は、崩壊したといえるだろう。

 この点、今日の産経&朝鮮・韓国ニュースほか(2019年7月6分) - bogus-simotukareのブログで紹介した昭和天皇の発言「一発がつんと中国軍をぶったたけ(俺の要約です)」が一見、成功したように見えます。その結果、昭和天皇ら日本政府は中国をなめ、戦線を拡大していくことになります。しかし蒋介石はそうした日本の予想に反し戦争を継続して抵抗していきます。

 ほぼ無傷で上陸した第10軍は独断で南京への追撃を開始。陸軍中央が定めた上海と南京の中間にある制令線を勝手に越えてしまった。軍司令官の柳川平助*5は、首都南京を一気に攻略して蒋介石の戦意をくじこうとしたのである。

 笠原十九司*6本多勝一*7などが指摘していることですが「十分な準備なしに南京に侵攻したこと」は「準備不足で食糧不足だから、捕虜に食料が与えられない、とはいえ解放するわけにも行かない→いっそ殺せばいい」と言うとんでもない形(捕虜の違法な殺害)で南京事件を助長することになります。そして南京事件はもちろん「違法で不道徳な行為(戦争犯罪)」ですが、それだけではなく「欧米の日本批判が更に厳しくなる→蒋介石が政治的に有利になる」と言う形で日本の首を締めていきます。
 別に「南京事件がなくても日本への批判は強まった」でしょうがさらに「強まる」わけです。
 日本軍は「軍事力で勝てばいい」としか思っておらず「その行為を政治的、道義的に正当化しようとすること」にあまりにも無関心でした。その結果が南京事件です。
 戦後、南京事件については、東京裁判で「松井石根(事件当時、中支那方面軍司令官)」に、南京軍事法廷で「谷寿夫(事件当時、第6師団(熊本)師団長)」にそれぞれ死刑判決が下ります(なお、第10軍司令官・柳川は1945年1月に病死しています。東京裁判時に存命でも松井や谷とは違い、なぜか裁かれていない「南京事件現地軍幹部」もいるので、なんとも言えませんが存命なら、柳川が南京軍事法廷に戦犯として起訴され死刑判決かもしれません。そうなると柳川の部下である谷は訴追されなかった可能性も出てきます)。
 なお、こうした捕虜への無法は南京事件だけではなく有名な事件では「バターン死の行進」があります。「バターン死の行進」では第14軍(フィリピン)司令官の本間雅晴*8が死刑になります。

 唐は、その命令が行き届かないうちに幕僚を連れて南京城から脱出、ひそかに揚子江を渡った。蒋介石に誓った絶対死守の方針を、いともあっさり投げ捨てたのだ(※2)。
 この唐の、敵前逃亡ともいえる行為が中国軍将兵を激しく混乱させたのは言うまでもない。

 こうした唐の行為が無責任であることは言うまでもありません。とはいえそれは「南京事件(捕虜の違法虐殺など)での日本の責任」を軽減する物では全くありません。

 一方、予想外の事態に日本軍も狼狽(ろうばい)した。南京が陥落した13日以降、投降兵が続々と出現したからだ。陸軍中央も各軍上層部も、統制を失った捕虜が大量に出ることを想定していなかった。その結果、捕虜の処置は現場部隊に丸投げされ、現在まで論争の続く大問題が起きてしまう。

 「捕虜の違法殺害があったかどうか」など「違法行為があったかどうか」についていえば、論争なんかどこにもありません。産経など極右歴史修正主義者がデマで「捕虜虐殺などの違法行為の存在を否定しようとしているだけ」にすぎません(南京事件では捕虜虐殺以外にも民間人の虐殺もありますが)。
 なお、笠原氏などが指摘していることですが、こうした捕虜虐殺を正当化しようとすると日本軍にとっては完全にブーメランになります。
 というのは戦陣訓で「原則、降伏が禁じられたため」、日本軍では司令官が自決した場合以外はまず降伏があり得ず「日本軍捕虜」は大部分「統制を失った捕虜」だからです。

*1:単なる終戦宣言なら米国にとって実行のハードルが低い(北朝鮮にとってのプラス面)が、協定と違い、米軍が一方的に破棄する危険性(北朝鮮にとってのマイナス面)が否定できません。

*2:副首相、党副主席、党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席などを歴任

*3:著書『幻の東京五輪・万博1940』(2016年、原書房

*4:2018年、原書房

*5:台湾軍司令官、第10軍司令官、第二次近衛内閣司法大臣など歴任

*6:都留文科大学名誉教授。著書『アジアの中の日本軍』(1994年、大月書店)、『日中全面戦争と海軍:パナイ号事件の真相』(1997年、青木書店)、『南京事件』(1997年、岩波新書)、『南京事件三光作戦』(1999年、大月書店)、『南京事件と日本人』(2002年、柏書房)、『南京難民区の百日:虐殺を見た外国人』(2005年、岩波現代文庫)、『南京事件論争史』(2007年、平凡社新書→増補版、2018年、平凡社ライブラリー)、『「百人斬り競争」と南京事件』(2008年、大月書店)、『日本軍の治安戦』(2010年、岩波書店)、『第一次世界大戦期の中国民族運動』(2014年、汲古書院)、『海軍の日中戦争』(2015年、平凡社)、『日中戦争全史(上)(下)』(2017年、高文研)など

*7:著書『中学生からの作文技術』(朝日選書)、『新・アメリカ合州国』(朝日文芸文庫)、『アイヌ民族』、『アメリカ合州国』、『アラビア遊牧民』、『植村直己の冒険』、『NHK受信料拒否の論理』、『カナダ=エスキモー』、『きたぐにの動物たち』、『釧路湿原:日本環境の現在』、『検証・カンボジア大虐殺』、『50歳から再開した山歩き』、『子供たちの復讐』、『殺される側の論理』、『殺す側の論理』、『事実とは何か』、『実戦・日本語の作文技術』、『しゃがむ姿勢はカッコ悪いか?』、『憧憬のヒマラヤ』、『職業としてのジャーナリスト』、『先住民族アイヌの現在』、『戦場の村』、『そして我が祖国・日本』、『中国の旅』、『天皇の軍隊』、『南京への道』、『日本環境報告』、『新版・日本語の作文技術』、『ニューギニア高地人』、『冒険と日本人』、『北海道探検記』、『滅びゆくジャーナリズム』、『マスコミかジャーナリズムか』、『マゼランが来た』、『新版 山を考える』、『リーダーは何をしていたか』、『ルポルタージュの方法』(以上、朝日文庫)、『本多勝一戦争論』、『本多勝一の日本論:ロシア、アメリカとの関係を問う』(以上、新日本出版社)など

*8:台湾軍司令官、第14軍(フィリピン)司令官など歴任

「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2019年7/7分:高世仁の巻)&常岡浩介に突っ込む(追記あり)

現代における報道写真の意味3 - 高世仁の「諸悪莫作」日記

 選挙戦が盛り上がっていない。
 新聞はそれなりに報じているが、テレビがほとんど報道しないことが気になる。本来、選挙の争点を分かりやすく提示して、投票率を上げることをめざすべきではないのか。

 7/4に行われた世論調査に基づくマスコミ報道では「改選議席過半数を自民が取る大勝の可能性*1」だの「低投票率の可能性」だの言われてますので、高世には全く同感です。
 新聞(安倍べったりの読売、産経を除く)は比較的頑張ってると思いますが「安倍の恫喝に屈してる」のでしょうが、テレビが酷い。そして最近の若者はあまり新聞を読まないですからねえ。
 なお高世の言う「選挙の争点」ですが、例えば「改憲」が争点の一つであることは明らかでしょう。他は「年金問題」「消費税増税(10月予定)」「モリカケ」などといったところでしょうか。まあ俺的には「争点」云々ではなく「安倍*2の極右体質、デマ体質、独裁体質、恫喝体質」に我慢がなりませんが。
 「首相の器ではない安倍を一日も早く引きずり下ろしたい。そのために自民に負けてほしい」ですね。安倍が自民のトップではなく、トップが石原*3元幹事長、石破*4元幹事長、岸田政調会長などならここまでは自民に敵意を持たないと思います。ただ日常生活で実感しますが「露骨な利権誘導やコネクション(就職で議員に世話になった、など)」で投票って人間がやはりどうみても多いんですよね。政策とか政党とかで選んでない。まあそれにしても「安倍みたいな嘘つきが首相でいいのか」「あんたが自民党の議員に就職その他で世話になった程度で、今の惨状を認めるの?」とは思いますが。

 ところで、上田晋也の「サタデージャーナル」(TBS)が6月で終ったが、その最終回(6月29日)で語った内容が話題になっている。
上田晋也が『サタデージャーナル』最終回で語った「当たり前が言えない世の中」の意味! 政権を批判してきた番組に何が起きたのか|LITERA/リテラ
「私はこの番組において、いつもごくごく当たり前のことを言ってきたつもりです。しかしながら、一方で、その当たり前のことを言いづらい世の中になりつつあるのではないかなと。危惧する部分もあります。もしそうであるとするならば、それは健全な世の中とは言えないのではないでしょうか」

 引用が長くなりますが、高世が紹介するリテラ記事を見てみましょう。

上田晋也が『サタデージャーナル』最終回で語った「当たり前が言えない世の中」の意味! 政権を批判してきた番組に何が起きたのか|LITERA/リテラ
 安倍政権批判に踏み込んできた数少ない番組『上田晋也のサタデージャーナル』(TBS)が昨日、最終回を迎えた。
 司会のくりぃむしちゅー上田晋也は、番組の最後、カメラを見据えて1分以上にわたって視聴者に語りかけたが、その内容はやはり、閉塞するメディア、政権批判に対して圧力がかかる不健全な言論状況への警告だった。
「私はこの番組において、いつもごくごく当たり前のことを言ってきたつもりです。しかしながら、一方で、その当たり前のことを言いづらい世の中になりつつあるのではないかなと。危惧する部分もあります。もしそうであるとするならば、それは健全な世の中とは言えないのではないでしょうか」
 2018年、西日本豪雨のさなかに安倍首相はじめ政権幹部を含む自民党の面々が「赤坂自民党」と称する宴会を開いて、どんちゃん騒ぎを繰り広げた際は、上田はこうコメントしている。
「先日の大阪の地震のときもね、安倍総理と岸田さん*5お食事会してらしたわけでしょ。で、今回のコレでしょ。僕はね、以前、えひめ丸の事故のとき、森喜朗*6首相がゴルフやってて退陣まで追い込まれたじゃないですか。僕はまったく同レベルの話だと思うんですよ」(2018年7月14日放送)
 また、2019年3月、辺野古新基地建設「反対7割」という結果が出た沖縄県民投票の結果についても、ほかのテレビが論評を放棄するなか、上田は安倍首相批判にまで踏み込んだ。
「沖縄の基地問題なんて言ったりもしますけれど、これは日本の基地問題ですからね、そもそも」
「沖縄の県民投票。『この結果を真摯に受け止める』と安倍総理はコメントしたわけなんですけれども、政府の対応はまるで真逆と言いましょうか、真摯に受け止めるっていうのは、無視することなのかなと思ってしまいそうな対応なんですけれども」(2019年3月2日放送)
 また、岩屋毅防衛相が「沖縄には沖縄の民主主義があり、しかし、国には国の民主主義がある」と発言したが、これについても、上田は「日本全体の防衛を見るべき人の発言なのか」と批判。さらにはメディアの責任にも言及したうえで、こうコーナーを閉めくくった。
「沖縄の方々がひとつの答えを出しました。今度は沖縄以外の人たちが、日本の基地問題というのはどうあるべきなのか、そして、沖縄の民意に寄り添うには自分たちに何ができるのかを考える番だと思います。沖縄の民意に政府が寄り添う姿勢、いっさい見せません。沖縄の声を沖縄以外の人たちが考えることによって日本の声になり、それが大きな声になれば、政府の対応を変えることも可能ではないかと思うのですが、いかがでしょうか」(2019年3月2日放送)
 こうした上田の発言はとりわけ過激というわけではなく、最終回で上田自身が語っていたように「ごく当たり前」の発言にすぎない。しかし、こうした発言を知ったネトウヨや安倍応援団は怒り狂い、上田に対して「反日」と攻撃を開始。TBSにも抗議が寄せられるようになった。
 だが、上田も『サタデージャーナル』という番組自体もまったくひるまなかった。6月8日の放送回では、「芸能人の政治的発言」をテーマにして、「封じ込められているのは『政治的発言』ではなく『政権批判』である」という、テレビはおろか、新聞や週刊誌ですらほとんど指摘できていない構造に踏み込んだのである。
 番組ではまず、アメリカではハリウッドのスターたちが積極的に政治発言をしている一方で、日本では芸能人が政治的発言すると、必ず批判が集まるということが指摘されるのだが、上田は根本的な疑問を呈する。
「なんで最近芸能人が政治的発言をしちゃいけないって言われ出したのかも、そもそもがよくわからないんですよ。別に民主党政権のときだっていっぱい言ってたし、その前の麻生*7政権、福田*8政権、その前の安倍政権のときも言ってた。でも、そのときの安倍政権って別にこんな空気はなかったですよね」
 つまり、上田は「芸能人は政治的発言するな」という風潮が、「日本では」ということではなく、「第二次安倍政権下」特有のものであると、安倍政権下の異様な言論状況を喝破したのだ。
 これを受けて、コメンテーターの鴻上尚史が「政治的発言が問題なんじゃなくて、実はよく見ると、政権を批判してるっていうか、反体制側の人たちが問題になっているわけで。要は、首相と一緒に飯食ってるのは誰も炎上してないわけですよ」と指摘。さらに昨年5月、安倍政権を風刺した『笑点』が炎上したことが紹介されると、上田は「え〜! 大喜利にまで(文句を)言い始めたの!?」としたうえで、こう鋭い切りかえしを行ったのだ。
「『笑点』で『安倍晋三です』と(風刺を)語るのはけしからんと言うんだったら、安倍総理自身が吉本新喜劇に出るのはどうなのって僕は思いますね」
 すべての地上波のニュース番組、ワイドショーのなかで、政権からの圧力や安倍応援団の攻撃を恐れずにここまで真っ当なコメントをしていたのは、ほぼ唯一、上田だけと言ってもいいだろう。
 だが、この『サタデージャーナル』について、TBSが突然、6月いっぱいでの終了を決定。『まるっとサタデー』なる新番組をスタートさせることを発表された。新番組の出演者には上田の名前はなく、スタッフもかなり入れ替えられていた。TBS関係者が番組の裏側についてこう語る。
「上層部から現場への説明では、経費節減のためのリニューアル、ギャラの高い芸能人から局アナに切り替えた、ということだったようですが、それだけとは思えない。背景には上田さんらの果敢な安倍政権批判に視聴者からいろいろ抗議が来ていることもあったと思いますよ。よく(ボーガス注:古館キャスターを降板させた)テレ朝の政権忖度が話題になりますが、上層部が政権批判する番組や出演者を切りたがっているのは、TBSも同じです。『関口宏サンデーモーニング』のように視聴率がすごくよければ別ですが、視聴率が普通以下だと、いろいろ難癖をつけられて終わらされてしまう」
 そういう意味では、上田が最終回、最後のメッセージで「当たり前のことを言ってきたつもりです。しかし、一方で、その当たり前のことが言いづらい世になりつつある」と言ったのは、まさに自分の体験に基づいているものと言ってもいだろう。
「6月8日の放送で、芸能人の政治的発言への圧力問題を特集したのも、今から思えば、番組が終わらされるということへのカウンターだったのかもしれません。その前に、すでに番組終了は通告されていたはずなので」(前出・TBS関係者)
 上田は最終回、最後のメッセージを「また当たり前のことを言わせていただこうと思いますが、私は、政治そして世の中を変えるのは政治家だと思っていません。政治、世の中を変えるのは、我々一人ひとりの意識だと思っています。みなさん、どうもありがとうございました」と締めくくっていたが、しかし、今の日本のテレビは、国民一人ひとりがその意識をもつための情報が隠蔽され、歪められているのが現実だ。
 ワイドショーや情報番組では、お笑い芸人がMCやコメンテーターとして跋扈しているが、本サイトが常々指摘しているように、そのほとんどは、松本人志を筆頭に、報道やジャーナリズムの役割など一顧だにせず政権擁護を垂れ流したり、あるいはせいぜい“俺はわかってる”気取りでどっちもどっち論をぶつような輩ばかりだ。
 上田のような権力チェックの意識とポピュラリティをあわせもった者がニュース番組のキャスターをつとめるようになれば、国民の政治に対する意識も少しは変わるような気がするのだが……。

だそうですので、この番組終了も「NHKクローズアップ現代の国谷*9キャスター降板」「テレ朝・報道ステーションの古館キャスター降板」同様に安倍の圧力による物で、それを「お笑いが本業であるため、本業を犠牲にしてまで圧力を暴露するわけにもいかず」、しかし上田なりに番組打ち切りへの憤りを「言葉にした」ということでしょうか?。まあ、この番組を見たことがないのでなんとも評価出来ませんが。なお、上田は現在「人気芸能人」のため「政治的発言は控えてる」のでしょうが、テレビから干されるまでには至っていません。これは報ステ降板後の古館氏もそうですが。

 2013年6月に「上田晋也の緊急報道!」(TBS)という特番で拉致問題を扱ったとき、私はアドバイザー*10として横田早紀江さんとのインタビューなどで取材をお手伝いしたことがあった。上田さんは拉致問題をきちんと勉強しており、早紀江さんとの応対も配慮をつくしたもの*11で、感心させられた。
[上田晋也の緊急報道! (2013年6月2日放送回) ]の番組概要ページ - gooテレビ番組(関東版)

 見ていないので本来こういうことは言うべきでないでしょうが、「横田の奥さん」に「高世」では正直期待できませんね。後で突っ込みますが[上田晋也の緊急報道! (2013年6月2日放送回) ]の番組概要ページ - gooテレビ番組(関東版)の番組紹介も酷いですしね。
 何せ「2013年6月」と言えば既に蓮池透氏が

【2009年】
救う会、家族会の制裁路線に疑問を呈する著書『拉致:左右の垣根を超えた闘いへ 』、『拉致〈2〉左右の垣根を超える対話集』(以上、かもがわ出版)、『拉致対論』(太田昌国氏*12との共著、太田出版)を刊行
【2010年】
3月
・家族会除名
9月
救う会、家族会の制裁路線に疑問を呈する著書『拉致問題を考えなおす』(和田春樹氏*13などとの共著、青灯社)を刊行

ですからねえ。
 蓮池氏についてはid:Bill_McCreary氏記事
蓮池透氏の著書を読む - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
いよいよ蓮池さんが追い出されるかも - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
「拉致対論」を読む - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
を紹介しておきます。
 それなのに「TBSテレビと上田」は2013年6月時点の番組で「蓮池氏は無視して、横田の奥さんにべったり」ではねえ。まあ、「TBSテレビと上田の名誉」のために断っておけば別にそういうマスコミは「TBSテレビと上田」に限った話じゃないですが。その意味では、蓮池『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』(2015年)を出版した講談社は「なかなか腹が据わってる」と思います。
 まあ、「蓮池氏が除名された後の2013年6月時点」でこんなに横田奥さんとズブズブでは、高世が救う会、家族会批判も、蓮池氏擁護もできない、しないのはある意味当然でしょう。そして未だにそうした横田奥さんとのズブズブぶりを反省するどころか、こうして自慢するのが高世です。
 「お前、上田をダシにして、横田奥さんとの関係を自慢してるだけと違うのか?、クズやな、お前最低のクズやな(前から知ってるけど)。生きてて恥ずかしくないの?」ですね。
 まあ、改めて高世には呆れました。
 さて次に高世がリンクを張る、上田の番組紹介[上田晋也の緊急報道! (2013年6月2日放送回) ]の番組概要ページ - gooテレビ番組(関東版)に突っ込んでおきます。

[上田晋也の緊急報道! (2013年6月2日放送回) ]の番組概要ページ - gooテレビ番組(関東版)
 上田が拉致被害者家族の早紀江さんにインタビューする模様を伝える。早紀江さんはまず、拉致された娘が産まれた時の心境を語った。1976年夏、滋さんの転勤がきっかけで早紀江さんは新潟に引っ越すこととなる。早紀江さんの夫、滋さんは娘が失踪前日にくれた誕生日プレゼントを今でも大事にしていることを紹介。
 スタジオトーク。TBS拉致問題担当の丹羽小百合は早紀江さんの印象について、上品で心が清らかな方であると語った。

 社会問題である拉致問題をそういう「お涙ちょうだい」の情緒的な描き方しないでほしいですね。そもそも「横田奥さんが心が清らかかどうか」なんかどうでもいい話です。「心が汚ければ見捨てていい」つう話じゃないわけですから。
 つうか俺は横田奥さんが「上品で心が清らかな方」なんて全く思ってません。むしろ逆で「下品で心が邪悪な方」でしょう。だからこそ「蓮池透氏除名劇」に加担するし、
けっきょく巣食う会と言っていることが変わらない(代弁しているだけじゃん) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)のコメント欄でも批判されていますが、「拉致が最優先だ(日本人妻帰国などは後回しだ)」なんて馬鹿なことも言う。
 つうか仮にもテレビ局の人間が何でこんなみっともないおべっかで横田奥さんに媚びますかね?。「神様、仏様、早紀江様なのか?」「お前本気でそう思ってるのか?。絶対に媚びてるだろ?」と聞きたくなります。
 むしろ俺的に「上品で心が清らかな方」は例えば「退官後、朝鮮学校無償化除外を違法な差別として批判し、学校支援を訴える前川元文科次官」ですね(他にも勿論いますが)。
 次官を引責辞任する原因となった天下り斡旋などを割り引いてもそう思います。
 だって自分の利益だけ考えれば、退官後にそんなことする必要ないわけですから。彼は朝鮮学校OB、朝鮮学校教職員、朝鮮学校生徒の保護者などの当事者ではない。そしてああいう主張をすれば、救う会だの家族会だの、産経だのウヨ連中に悪口されるわけですから。
 しかも「在任中本心が言えなくて、関係者には申し訳なかった、やはり役人として出世したかった。可能なら事務次官になりたかった。だから言えなかった」という趣旨のわびまでいう。なかなか凡人には出来ることではありません。
 勿論彼がこういう態度をとったのは「無償化除外は法的、政治的に問題ないと考える」という本心を偽るウソを、出世の見込みがなくなった退官後まで続けることがいやだったからでしょうが、「上品で心が清らかな方」でないとそうは思わないでしょう。
 いずれにせよ周囲がこうやって奥さんに媚びるから、彼女が図に乗って増長するわけです。媚びない人間は1)苦言を呈し批判するか、2)呆れて離れていくか、ですね。
 ただ「1)の苦言を呈する」は彼女がそんなもんに聞く耳持たず、敵視だからほとんど意味がない(典型例は蓮池氏家族会除名への彼女の加担ですが)。それにしても蓮池氏も除名後に講談社から家族会批判本なんか出してますがある意味「偉いな」と思います。
 俺ならやりませんよ。家族会から敵視されるだけで不快になりますから。
 で大抵の人間は「俺もそうですが」、「2)呆れて離れていく」ですね(ブログではこうした批判を書いてますがリアル社会では、俺は特にそうした批判は何もしていません)。2)は一見「害がないように横田奥さんらに見えるかもしれませんが」、『支援したいんだけどね、仕事が忙しいから』ではなく『あんな運動には賛同できないよ。完全に右翼運動じゃん。家族会とのトラブルもいやだから批判もしないけど』つうのだから相当の痛手ですよね。「相手に呆れられて敬遠される」つうのはどんな運動でも痛手でしょう。
 まあ、拉致の風化の理由は勿論これが大きいでしょう。

[上田晋也の緊急報道! (2013年6月2日放送回) ]の番組概要ページ - gooテレビ番組(関東版)
 北朝鮮による拉致の疑いを排除できない特定失踪者の数は約470人にものぼることを説明。

 「上田やTBS」は特定失踪者なんて本気で信じてるのかと問いただしたくなりますね。ちなみにその後もどんどん数が増え続け、今や「特定失踪者は約800人」です。

[上田晋也の緊急報道! (2013年6月2日放送回) ]の番組概要ページ - gooテレビ番組(関東版)
 2002年9月17日、小泉首相が電撃訪朝。北朝鮮側が出した回答は、5人生存8人死亡、死亡者の中にはめぐみさんの名前もあった。それでも横田早紀江さんは、まだ生きていることを信じ続けて闘っていくと宣言。

 「信じて宣言した」ところで何もどうにもならないでしょうよ。2013年時点でマスコミが横田奥さんの与太を持ち上げないでほしいですね。

[上田晋也の緊急報道! (2013年6月2日放送回) ]の番組概要ページ - gooテレビ番組(関東版)
 2001年に金正男氏とみられる男が日本で拘束されるが、当時の政府は翌日の出国を選択。当時は拉致被害者の会から、取引材料に使ってくれると期待を受けていたが、何故か政府は出国を選んだという。

 横田奥さんがバカなのは今更驚きません。「TBSと上田は何、馬鹿なこと言ってるんだ」ですね。小泉訪朝が2002年9月ですよ。「金正男が拘束された2001年5月」は既に「小泉訪朝を目標に交渉中」だったでしょう。そんな中で「翌日出国」以外の選択肢なんかとったら訪朝交渉がぽしゃりますよ。ぽしゃったら蓮池夫妻らは「2002年9月」には帰ってこれなかったでしょう。何でそんなことが分からないのか。分かった上で横田奥さんや家族会、救う会に媚びてるのか。

[上田晋也の緊急報道! (2013年6月2日放送回) ]の番組概要ページ - gooテレビ番組(関東版)
 この後「安倍首相に拉致問題を聞く!」。
(中略)
 上田晋也が安倍首相との対談を振り返って、「(ボーガス注:拉致解決の)決意や意思を感じた」とコメント。

 どう見ても安倍へのこびへつらいですね。呆れて二の句が継げません。上田晋也が『サタデージャーナル』最終回で語った「当たり前が言えない世の中」の意味! 政権を批判してきた番組に何が起きたのか|LITERA/リテラの描き出す上田とはまるで違いますが、その後、上田に何があったんでしょうか。その後、この種の番組でいろいろな人間と付き合う中で考えが変わっていったのか。

 報道写真家の渋谷敦志さんと今福龍太さんの対談の続き。

というのは特にコメントすることがないのでコメントはしません。


小暑雑感 - 高世仁の「諸悪莫作」日記

 ジャーナリストの常岡浩介さんが書類送検された。

 常岡も「ジャーナリズム活動(例えば著書の刊行)」ではなくこういうことでしか話題になれないんだから哀れなもんです。常岡が刊行した一番新しい書籍は『イスラム国とは何か』(2015年12月、旬報社)ですからねえ。もう3年半経ってるわけです。

 常岡さんは4月24日、旅券返納命令の取り消しを求めて国を相手に東京地裁に提訴している。
 旅券返納命令取り消しを求めて国を提訴 - 高世仁の「諸悪莫作」日記
 安田純平さん*14も帰国して旅券を申請したが発給されないままだ。渡航の自由だけでなく、言論の自由、国民の知る権利にもかかわる大事な問題だ。注目していきたい。

 「常岡氏の裁判を支援したい」「応援したい」ではなく「注目したい」だそうです。常岡への態度が明らかに腰が引けてますね(苦笑)。
 「脱原発より温暖化防止の方が大事だ」とツイッターで暴言を吐くなどの常岡の無茶苦茶なふるまいに高世もさすがに呆れているのでしょう。しかも常岡は無能なので付き合っても高世にはメリットがない。高世が協力した常岡の本『イスラム国とは何か』(旬報社)も大して売れなかったんでしょうねえ。

 「金正日の料理人」藤本健二さん*15の消息が絶えたとのニュースが、先週から流れている。

 まあこれだけではなんとも評価できませんが、無事でいてくれること、そして日朝間の交渉パイプの一つとして活動してくれることを期待したい。

【追記】
故金正日の料理人「藤本健二氏」が平壌の日本料理店で目撃。無事確認される | BUSINESS INSIDER JAPAN
 事実ならば、ひとまずはほっと一安心です。「そもそも体調不良などで姿を現さないだけで北朝鮮政府指導部との確執などなかった」のか、「確執はあったが解消された」のか気になるところです。


■常岡のツイートに突っ込む

常岡浩介がリツイート
・外山尚之(日本経済新聞
ベネズエラにおける人権侵害をまとめた国連の報告書だが、被害者への聞き取り調査に基づいており、拷問の内容などかなり詳細に書き込んである。独裁政権が国民に対し何を行っているのか、紙面では書ききれなかった内容を少し紹介したい。

 以下、ベネズエラ問題について論じる訳ではないので、「少し紹介したいと外山氏(日経のブラジル・サンパウロ支局長)がいう部分」、つまり「②以降の外山ツイートの紹介」は省略します。興味のある方は外山ツイートを直接ご覧頂ければと思います。
 小生はこれを見て「外山氏ではなく」常岡に呆れました。
 仮にも「会社(長崎放送)のしがらみを離れてフリーになってよかった!」と放言してる野郎が「日経の外山氏」という「フリーじゃない記者(会社所属記者)」のツイートを「ベネズエラ問題についてわかりやすく説明したツイート」として「ただ紹介する(コメントもつけない*16)」とか恥ずかしくないんですかねえ?
 常岡が外山氏を評価すればするほど「つまりフリーか、会社所属かてことはその記者がまともな業績を上げてるかどうかにあまり関係ないんですよね?(苦笑)」「日経の外山さんを評価するフリーの常岡さんには今、どんな成果があるんですか?(苦笑)」「せめて常岡さんは長崎放送を退社するにしても、フリーではなく、朝日、読売、毎日などに移籍した方がよかったんじゃないですか」てことになるわけですが。
 実際、今の常岡には何一つ自慢できる実績はないでしょう。

常岡がリツイート
NHK国際報道
‏ #中国 の新疆 #ウイグル自治区 の大規模な暴動から10年。
 日本で暮らすウイグルの人たちに、公安当局の圧力が。
 故郷に残した家族を”人質”に、スパイ活動を要求されているというのです。
 この後すぐの #国際報道2019 で(BS1今夜10時~)。

 「繰り返しますが」小生のような一般人ならまだしも「フリーの常岡」がよくためらいもなく「会社所属のジャーナリストの報道」をこんなにお気軽にリツイートできるもんです。

*1:以前も別記事で書きましたが勘弁してほしいですね。野党の巻き返しを期待したい。

*2:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官を経て首相

*3:小泉内閣国交相自民党政調会長(第一次安倍総裁時代)、幹事長(谷垣総裁時代)、第二次安倍内閣環境相、第三次安倍内閣経済財政担当相を歴任

*4:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)など歴任

*5:第一次安倍、福田内閣沖縄・北方等担当相、第二次、第三次安倍内閣外相を経て自民党政調会長

*6:中曽根内閣文相、宮沢内閣通産相、村山内閣建設相、自民党総務会長(橋本総裁時代)、幹事長(小渕総裁時代)などを経て首相

*7:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)を経て首相。現在、第二~四次安倍内閣副総理・財務相

*8:森、小泉内閣官房長官

*9:著書『キャスターという仕事』(2017年、岩波新書

*10:今はどうか知りませんが当時は「取材については高世さんを通して」みたいな形で横田一家に食い込んでたんですかね?。まさに「横田一家を食い物にしていた高世」といっていいでしょう。まあそれでも救う会よりはまだマシだとは思いますが。

*11:拉致問題の勉強」はともかく「客商売の芸能人(それも上田のように売れない時期が長い芸能人)」が「愛想がいい」のはある意味当たり前でしょう。この番組、メインは横田奥さんらしいですし「早紀江さんとの応対も配慮をつくしたもの」になるのはある意味当然です。そんなに感心することでもないでしょう。

*12:著書『「ペルー人質事件」解読のための21章』(1997年、現代企画室)、『日本ナショナリズム解体新書』、『ゲバラを脱神話化する』(以上、2000年、現代企画室)、『「国家と戦争」異説』(2004年、現代企画室)、『暴力批判論』(2007年、太田出版)、『「拉致」異論:日朝関係をどう考えるか』(2008年、河出文庫)、『テレビに映らない世界を知る方法』(2013年、現代書館)、『〈脱・国家〉情況論』(2015年、現代企画室)、『さらば! 検索サイト:太田昌国のぐるっと世界案内』(2019年、現代書館)など

*13:東京大学名誉教授。著書『歴史としての社会主義』(1992年、岩波新書)、『金日成満州抗日戦争』(1992年、平凡社)、『歴史としての野坂参三』(1996年、平凡社)、『北朝鮮:遊撃隊国家の現在』(1998年、岩波書店)、『朝鮮戦争全史』(2002年、岩波書店)、『朝鮮有事を望むのか:不審船・拉致疑惑・有事立法を考える』(2002年、彩流社)、『同時代批評(2002年9月〜2005年1月):日朝関係と拉致問題』(2005年、彩流社)、『テロルと改革:アレクサンドル二世暗殺前後』(2005年、山川出版社)、『ある戦後精神の形成:1938〜1965』(2006年、岩波書店)、『これだけは知っておきたい日本と朝鮮の一〇〇年史』(2010年、平凡社新書)、『北朝鮮現代史』(2012年、岩波新書)、『領土問題をどう解決するか』(2012年、平凡社新書)、『「平和国家」の誕生:戦後日本の原点と変容』(2015年、岩波書店)、『慰安婦問題の解決のために』(2015年、平凡社新書)、『アジア女性基金慰安婦問題:回想と検証』(2016年、明石書店)、『米朝戦争をふせぐ:平和国家日本の責任』(2017年、 青灯社)、『レーニン:二十世紀共産主義運動の父』(2017年、山川出版社世界史リブレット人)、『ロシア革命』、『スターリン批判・1953〜56年:一人の独裁者の死が、いかに20世紀世界を揺り動かしたか』(以上、2018年、作品社)、『安倍首相は拉致問題を解決できない』(2018年、青灯社)など

*14:著書『ルポ 戦場出稼ぎ労働者』(2010年、集英社新書)など

*15:著書『金正日の料理人』(2008年、扶桑社文庫)、『北の後継者キムジョンウン』(2010年、中公新書ラクレ)など

*16:まあ俺のような素人ならともかく「外山氏に同感です」や「勉強になりました」レベルでは、自称「プロのジャーナリスト」としてお粗末ですし、とはいえ「詳しい補足説明をする能力」は常岡にはないから「コメントなし」になるわけです。

今日の中国ニュース(2019年7月5日分)

リベリア、中国「一帯一路」参加 副大統領表明 :日本経済新聞

 西アフリカ・リベリアのジュエル・ハワード・テーラー副大統領は、中国主導の広域経済圏構想「一帯一路」に協力していく意向を示した。
 道路を中心とするインフラ整備で中国の協力を得て、鉄鉱石やパーム油といった天然資源の輸出拡大につなげていきたい考えだ。
 都内で日本経済新聞の取材に応じた。リベリアは2003年10月に台湾と断交し、中国と国交を結び関係を強めている。

 ということで産経などが何を言おうと多くの国が一帯一路を歓迎してるわけです。


中国、教科書から「神様」削除 マッチ売りの少女も改変:朝日新聞デジタル

 アンデルセン童話の「マッチ売りの少女」では、寒い大みそかの夜、マッチに火をつけた少女が大好きだった亡き祖母の幻影を見る場面が描かれる。改訂された教科書では、旧版にあった「星が流れ落ちる時、魂が神様のもとへ行くのよ」という祖母のセリフが「星が流れ落ちる時、人がこの世を去るのよ」に変わっていた。
 「ロビンソン漂流記」では、主人公が難破船から3冊の聖書を持ち出す場面が「数冊の本」に。ロシアの小説家チェーホフの作品「ワーニカ」でも教会での祈りや「キリスト」が省かれるなど、少なくとも10カ所で表現の変更や削除が確認された。

 朝日は「間違った行為だ」と決めつけてるわけですが「公立学校での政教分離はどうあるべきか」ということを真面目に考えればそう安易に「間違ってる」と決めつけられないと思いますけどね。結構難しい問題だと思いますが。
 ここで出てくる記述は全て「特定宗教(主としてキリスト教?)についての記述」であり、少なくとも「形式的には政教分離に抵触する」わけです。
 なんというか「中国に対する偏見」じゃないか。

今日の産経&ロシア&朝鮮・韓国ニュース(2019年7月5分)

最寄り駅での一切のヘイト行為を禁止/朝鮮学校を誹謗中傷する街宣に仮処分決定 | 朝鮮新報
 ひとまず素直に喜んでおきます。


朝鮮学校差別は、オリンピック精神に沿いますか?~明日、東京府中で2つのお話 – イオWeb
 同性愛差別が深刻化してると言われるロシアで、同性愛活動家の批判を無視して「ソチ冬季五輪がされたこと」から小生はIOCの言う五輪精神など「インチキだ」と思っていますが建前では、この日刊イオ記事が指摘するとおりです。朝鮮学校差別など五輪精神(もちろんこの場合、2020年東京五輪)に合致するわけがないでしょう。


“北”で曽我さん夫妻とご近所 タイ人も拉致 家族が要望書 - FNN.jpプライムオンライン

 1978年にマカオ北朝鮮に拉致されたとされるタイ人女性の家族が、タイ政府に支援を求める要望書を提出した。
 タイ人のアノーチャ―・パンチョイさん(64)は、1978年に出稼ぎ先のマカオで失踪した。
 北朝鮮では、曽我ひとみさん夫妻と近所づきあいがあり、夫のジェンキンスさんの証言で北朝鮮に拉致されたことが判明した。

 タイ政府は動かないでしょうね。なぜならこの話は最近出た話ではなく、ジェンキンス『告白』(2006年、角川文庫)に出てくる話だからです。10年以上前に出た話で動かないのに、今更動くわけがない。そうしてみると小泉訪朝による蓮池夫妻らの帰国はまさに僥倖だったと言っていいでしょう。


軍事転用可能な物品が韓国から“北朝鮮”に!? 韓国への輸出管理強化の背景とは - FNN.jpプライムオンライン
 「正気なのか」ですね。法制度の建前が「安保」なので堂々と「徴用工判決の報復」といったらWTO提訴で敗訴する可能性が高いことに気づいての強弁でしょうが「韓国から軍事転用可能な物資が北朝鮮に移行してる疑いがある」なんてことが証明できると本気で思ってるのか。


【欧州を読む】英で増加するLGBTへの憎悪犯罪 進む「容認」への反動か(2/3ページ) - 産経ニュース

 英王室でもLGBTへの理解を示す発言が増えている。エリザベス女王の孫、ウィリアム王子は26日、ロンドンにあるLGBTの支援団体を訪れ、自身の子供らが同性愛者であっても「全く構わない。全面的に支持する」と述べた。

 「英国はすごいなあ」ですね。日本の皇族でこの発言が果たして出来るかどうか。
 ちなみにこれについては

共産・志位委員長「女性だけでなく多様な性の天皇を認めることに賛成」 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)
志位
 私たちは女性・女系天皇を認めることに賛成ですし、性的マイノリティーの方など、多様な性を持つ人びとが天皇になることも認められるべきだと考えています。

を紹介しておきます。


【産経抄】7月5日 - 産経ニュース

 昨年1年間に韓国からは753万9000人、台湾からは475万7300人の旅行者が日本を訪れた。

 つまりは韓国が反日だなんてのは産経のデマだし、観光客数で考えれば韓国の方が台湾よりずっと「親日的(?)」なわけです。なお一番多い訪日観光客は「やはり中国(台湾を除く)」のようです。

▼台湾では、水産物だけでなく、福島など5県の食品が禁輸となっている。ただ、韓国とは事情が違う。蔡英文政権は、輸入解禁に前向きだった。ところが昨年11月に実施された住民投票で、野党の国民党が提案した解禁反対案が可決されてしまった。
▼そこで蔡政権は、日本酒やみそなど15品目の食品の関税を引き下げる税制の改正案を提案、日本では国会に相当する立法院で可決された。もともと日本酒は禁輸品から除外されているから、福島の酒も求めやすくなる。蔡総統は日本に誠意を示してくれた。反日一辺倒の韓国の大統領とは大違いである。

 おいおいですね。「輸入解禁」がされない以上、「台湾においても」問題は何一つ解決していません。
 福島県産の輸出業者からすれば「福島県以外の日本産に便宜図っても俺たちになんのメリットもない」つう話です。まあ産経の場合「とにかく安倍に媚びる台湾・蔡英文政権は褒め称える」つう無茶苦茶な話ですが。
 何せ金大中大統領が在任中に「日本文化の正式解禁(それ以前は海賊版が横行)」を進めても彼を反日呼ばわりするのが産経ですし。
 つうか蔡英文も安倍にばかり媚びてないで「中国と友好関係結べよ」「中国と無意味に対立してるんじゃねえよ、バカか、手前」て話です。そして嫌韓国一辺倒、戦前美化一辺倒の極右新聞・産経は「韓国を反日呼ばわりとはふざけんな」て話です。


【主張】北方領土 外相は説明責任を果たせ - 産経ニュース

 河野太郎外相は、北方領土問題をめぐり、四島返還の実現を目指しているのか、それとも四島はあきらめて二島返還を目指しているのか。
 この対露交渉の基本、核心事項を国民に対してはっきりと説明すべきである。それは河野氏を任命し、プーチン露大統領と会談を重ねる安倍晋三首相についても同様だ。
 河野氏が1日に都内で講演した際、本紙が対露交渉について「四島返還という『歴史的正義』にもう一回立ち戻って交渉をやり直すということは全く考えておられないのか。確認したい」と質問した。河野氏は「全く考えておりません」と答えた。
 本紙は、ネットも含め「河野外相、四島返還『考えていない』」などの見出しで報じた。河野氏ツイッターで「ひどい捏造(ねつぞう)」と記し、記者団に「誤報」であるとして「全く(交渉)方針を変えることはないという意味で申し上げました*1」と語った。
 実際の質疑から、河野氏の説明のような意味をくみ取れる人がいたとは思われない。河野氏は自分の言葉足らずを認めたくなかったのか。質疑のやり取りを報じた報道を「捏造」と決めつけたのは、軽々に過ぎる振る舞いだ。

 「産経が北方領土問題について捏造報道し私を誹謗した(河野外相)」といわれたことにマジギレしたようです。「安倍批判としてはぬるい」とはいえ、ついに「河野大臣の無礼なふるまいには安倍首相にも責任がある」「安倍首相、河野外相は北方領土問題についてどういう方針かさっぱりわからない。四島返還を諦めたのか?。きちんと説明せよ」と言い出しました。


【政界徒然草】わずか1日で終わった改憲議論、止めているのは誰か(1/4ページ) - 産経ニュース
 産経らしい強弁ですね。改憲を望む声が少ない(自民党支持者ですら多数派ではないし、野党支持者はなおさら)から改憲は進まないわけです。
 改憲の是非はともかくそういう話でしかない(俺は護憲派ですがそういうこととは関係ありません)。
 関係各位が「早くできてほしい」と思いながら「できてないもの」は「夫婦別姓制度(別姓希望者)」「同性婚合法化(同性愛者)」「外国人地方参政権(在住外国人)」などいろいろあるわけです。産経が「自分が望む物(改憲)についてだけ」ぐちゃぐちゃ言うのはまさに恥知らずです。


【浪速風】なんとかならぬか女性議員比率 - 産経ニュース

 欧州に新たな2人の女性トップが誕生するという。欧州中央銀行(ECB)総裁にクリスティーヌ・ラガルドさん*2欧州連合(EU)の欧州委員長にドイツ国防相のウルズラ・フォンデアライエンさん*3が指名された。
▼一方、先日の大阪では辞任を表明しているドイツのメルケル*4首相とイギリスのメイ*5首相をお見かけした。そして日本はどうかといえば、周回遅れで走っているのが現状だろう。
参院選が今日、公示された。いまだ国会議員の女性比率は参院で約2割、衆院で約1割。列国議会同盟の調査によると、衆参合わせて先進7カ国(G7)の中で断トツの最下位というのは知っていたが、20カ国・地域(G20)でも最下位なのだという。「女性の車運転がようやく解禁されたサウジアラビアよりも?」と思ったら…同国はなんと約2割。たいへん失礼しました。

 まあサウジについて言えば「どうせ女性議員が多いっていったて日本と比べてすら女性の現状酷いじゃん。」「つうか大使館で殺人とか野蛮にもほどがある」としか思いませんが。
 なお、G20には「中国」「イスラム国トルコ」が入ってますので産経記事が事実なら「中国やトルコよりも少ない」わけです。
 しかし、毛沢東の「天の半分は女性が支える*6」つう名言(?)があるし、

宋慶齢(1893~1981年ウィキペディア参照)
 孫文の未亡人。新中国で全国人民代表大会全人代)常務第一副委員長、国家副主席など歴任。死の直前に「中華人民共和国名誉主席」の称号を授けられた。

つう人間がいるからそれは別に不思議でもないのかしら。


参院選 女性候補者5割届かず 「男女均等」及第は共産・立民(1/2ページ) - 産経ニュース
 1)「失格は自民・公明」と書かない、2)「及第点をとった社民党(主要政党では共産も抑えてトップ)」の存在に触れない当たり産経らしい忖度でしょうか。とはいえ産経としてこうした「自公にとっての不都合な真実」を無視して「報じない自由」を行使できない程度にはこうした問題は世間の注目を集めてるわけです。

 女性の割合が特に低かった自民、公明両党は同法成立前の前回参院選よりも減らした。女性候補者の割合が現状と比較して減ったのは両党のみだった。

 「自公も賛成して成立した法なのにふざけてるのか」「お前らやる気あるのか!」て話です。「小生も寛大(?)な人間なので」今すぐ大幅に増やせとは言いませんが少なくとも「減らすのは論外」でしょう。

 4日に公示された参院選女性候補者の割合を主要7党でみると、最も高かったのは社民党の71・4%だった。以下、共産55・0%、立民45・2%、国民民主党35・7%、日本維新の会31・8%と続いた。自民は14・6%、公明は8・3%だった。

 共産が一番多いのかなと思っていたので意外です。
 もっと意外なのは「一番少ないのが公明」てところですね。自民が一番少ないかと思ってました。
 公明党幹部だった女性政治家「浜四津敏子*7」のイメージや「公明と共産は支持層(貧困層)がかぶる(最近はそうでもないのでしょうが)」と良く言われること、創価学会婦人部の存在などから「割と女性候補が多いイメージ」を俺は思っていましたが違うようです。

同法の成立前だった前回の平成28年参院選と比較すると、社民は53・3ポイント増

 一寸尋常じゃない増え方ですがなんなんでしょうか?。そして「土井たか子*8福島瑞穂*9が党首で辻元清美(現在、立憲民主党国対委員長)が幹部(社民党国対委員長)だったもん、そりゃ多いよね」と思っていたのは違っていたようです。

*1:「だーかーら、交渉方針を変えないって具体的にどういう意味よ?。はっきり言ってみろよ!。要するに二島先行返還論なのかよ?」ですよね。産経の報道の是非に関係なく河野が批判を恐れ、曖昧にごまかし、卑怯にも逃げてることは明白です。

*2:フィヨン内閣財務相(2007~2011年)、IMF専務理事(2011~2019年)など歴任

*3:父親がニーダーザクセン州元首相という二世政治家。第2次メルケル内閣労働相(2009~2013年)、第3次、第4次メルケル内閣国防相(2013~2019年)を歴任(ウィキペディア「ウルズラ・フォン・デア・ライエン」参照)

*4:コール政権環境相キリスト教民主同盟幹事長を経て首相

*5:キャメロン内閣内務相を経て首相

*6:「当時の中国の人口データ」など何かきちんとした根拠があるわけではないのですが「男女平等」というきれい事だけではなく、「日中戦争国共内戦」で多数の男性が死に女性労働力に頼らざるを得ないつうシビアな問題も多分あったのだろうと思います。

*7:1945年生まれ。羽田内閣環境庁長官公明党代表代行など歴任(66歳の定年制(公明党の内規)を理由に既に政界引退。ただし定年制の例外として66歳を超えてる公明議員も一部にいる)(ウィキペディア浜四津敏子」参照)

*8:社会党委員長、衆院議長、社民党党首など歴任

*9:社民党幹事長、党首、鳩山内閣少子化担当相などを経て社民党副党首

今日の中国ニュース(2019年7月4日分)

ペマ・ギャルポの証言「現在のチベットは文化大革命時代と同じ弾圧下にある」(2019年6月30日 講演会報告) | 一般社団法人 アジア自由民主連帯協議会
 いくら何でもさすがに文革よりはマシでしょう。
 こんなんは「今のトランプ米国はマッカーシー赤狩りと同じ状況」「今のロシアはスターリン粛清と同じ状況」「今の日本は戦前ファシズムと同じ状況」並に無茶でしょう。

 チベットウイグル、モンゴル*1で起きたことが、今、香港で起きていて、次には台湾で起こりそうになっている。

 デマも大概にしてほしいですね。台湾に中国が軍事侵攻するとでも言うのか。


ウイグルから香港まで......中国の欺瞞政策が「火薬庫」をつくる | 楊海英 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

中国共産党1921年に結成された直後は、開明的な民族政策を打ち出していた。22年7月には、「モンゴルとチベット、回疆(イスラムの新疆)を民族自治連邦とする」と宣言。
 1927年になると、共産党中華民国の政権与党・国民党との対立が激しくなる。国民党は孫文の思想を受け継ぎ、民族同化政策を推進。例えば漢民族内モンゴルに入植させて、モンゴル人の草原を耕地化した。共産党は国民党の同化政策を「反動」「反革命」と非難し、モンゴル人の支持を取り付けた。
 1931年11月に共産党江西省に中華ソビエト共和国を樹立。その憲法大綱に「諸民族に自決権を与え、中国から離脱して独立国家を樹立する権利を認める」と定めた。その後、国民党軍の掃討を受けて中国北部へ逃亡する際も、「チベット人の独立を支持する」とのスローガンを掲げていた。
 内モンゴルに程近い陝西省延安に到着した後の1935年12月、毛沢東は宣言書を公布した。
 「モンゴル人はコーカサス*2諸民族やポーランド人が(帝政ロシアから)独立したように、独立と自由の権利を有する」。
 毛の民族自決を容認する姿勢に感動したモンゴル人は共産党を支持し、中華民国を打倒するのに協力を惜しまなかった。
 結局、全ては裏切られた。1949年に共産党が打ち立てたのは民主連邦ではなく、人民共和国だった。自治区自治州などを設置しても、実権を握る共産党書記は漢民族

 毛沢東中国共産党指導部が約束を破ったと悪口する楊です。
 この楊の指摘が正しいとして
1)蒋介石が内戦に勝利したとしてもチベットウイグル内モンゴルの独立はなかった
2)プンワン(プンツォク・ワンギャル)が中国共産党に入党したのはある意味自然なことであった(このあたりのことは阿部治平の『もうひとつのチベット現代史:プンツォク=ワンギェルの夢と革命の生涯』(2006年、明石書店)が詳しいですが)
とはいえるでしょう。
 そして、1)だからこそ楊が「中国共産党どころか漢民族全体を敵視し日本ウヨにこびへつらう転落の道に進んだ」ことも容易に想像がつきます。まあ楊の態度は最低最悪ですが。


CNN.co.jp : 「女性は魅力的でなければ」 ダライ・ラマが失言で謝罪
ダライ・ラマ、女性めぐる発言で謝罪=「より魅力的でないと」:時事ドットコム
 ダライが聖人でも何でもないろくでも人間であることがよく分かるニュースだと思います。ダライと「その取り巻き連中」にはいつもながら軽蔑や憎悪と言ったネガティブな感情しか感じません。
 それにしてもダライを謝罪に追い込んだ英国民(勿論中国シンパではない)は実に立派です。


トルコ大統領、中国非難から一転「ウイグルの人々は幸せに暮らしている」 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
トルコ大統領、新疆に肯定的 「人々は幸せに生活」=中国メディア - ロイターニュース - 国際:朝日新聞デジタル

トルコ大統領、中国非難から一転「ウイグルの人々は幸せに暮らしている」 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
・中国を訪問中のトルコのレジェプ・タイップ・エルドアン*3大統領は2日、習近平*4国家主席との首脳会談の中でこれまでの姿勢を一転させ、新疆ウイグル自治区少数民族は幸せに暮らしていると語った。
 同自治区ではウイグル人イスラム系を主とする100万人以上の少数民族が施設に収容されているとみられ、中国政府による弾圧への批判が高まっている。
 こうした中国政府のウイグル政策について、イスラム教国はおおかた沈黙を貫いていたが、トルコ外務省は2月に声明を発表。イスラム教徒でチュルク語系の言葉を話すウイグル人に対する中国政府の措置は「人類にとって大きな恥だ」と非難していた。
 しかし新華社によると、2日に北京の人民大会堂で習氏と会談したエルドアン大統領は、批判的だった態度を軟化させ「トルコは常に『一つの中国』原則を支持している」と述べ「新疆ウイグル自治区の多様な民族が、中国繁栄の恩恵を受けて幸せに暮らしていることは確固たる事実だ。トルコは、同自治区と中国の関係に亀裂を生じさせようとする者を許さない」などと強調した。

 AFPや朝日などの報道が事実だとしてこの掌返しは一体何なんでしょうか?。中国への非難は最初から「中国から何らかの譲歩を引き出すための計算に過ぎなかった(そして何らかの譲歩が得られた)」のか。はたまた「中国から強烈な反撃を食らって腰砕けになった」のか。

*1:正確には内モンゴルですが。

*2:アゼルバイジャンアルメニアジョージア(旧称グルジア)のこと。

*3:イスタンブル市長、首相を経て大統領

*4:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2019年7/4分:高世仁の巻)

周庭「暴徒はいません。あるのは暴政だけです」 - 高世仁の「諸悪莫作」日記
 本文読まなくてもタイトルだけで内容は察しがつくでしょう。香港議会に暴力的にデモ隊の一部が突入した例の事件の事です。
 高世記事を一部引用すれば

 香港の逃亡犯条例改正案をめぐる問題で、1日、デモ隊の一部が立法会庁舎のガラスを割ってなだれ込み、約3時間にわたり占拠。設備を壊すなどした他、林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官の辞任や、改正案の撤回を要求する落書きなどもしたという。
 これに対して日本では一斉に批判の声が上がった。いくらなんでも暴力はいけない、市民の支持を失い運動が先細りする、当局による弾圧や中国の介入の口実を与える*1などと。

ですね。
 正直

・周庭(アグネス・チョウ)
「(ボーガス注:香港のデモ隊に)暴徒はいません。あるのは(ボーガス注:香港当局や中国の)暴政だけです」

なんて物言いは俺としては「そういう居直りは勘弁してほしい」ですね。もちろん「彼女一人が運動のリーダーではない」でしょう。彼女と違いあの事件に批判的な人間も運動のリーダーにはいるでしょう。何せ「突入したのはデモ隊の一部」で全部じゃないですから。しかし彼女がこんなことを言えば彼女は「デモ隊の単なる一参加者じゃない」「リーダーの一人扱いされてる」のだから「デモ隊へのネガティブな見方が強まる」など、一定の悪影響は避けられないでしょう。
 それにしても「あのデモのリーダー格の一人(少なくともそのように世間から扱われてる一人)」がここまで平然と居直ったあげく、それを高世が容認して「記事タイトルにまで堂々とする」とはねえ。少しは「申し訳ありません(アグネス・チョウ)」「中国を擁護はしないが突入はよくなかった(高世)」かと思ってたんですがね。
 さすがに「タイトルはこれでも本文では高世も少しは批判的なことを書くかな?」と思ったら「積極的に支持はさすがにしない」ものの、何一つ批判しないのでびっくりです。
 まあ高世にとって「香港デモでのアグネス・チョウ」は「拉致問題での横田奥さん」みたいなもんでしょう。つまり「そうする理由が何か(アグネスについて言えば日本マスコミで彼女の評判がなぜかいいとか、高世が彼女で番組を作ることを考えてるとか?)」はともかく「盲目的に支持する」つう結論が最初から決まってる。たぶんアグネスが「この突入はすべきでなかった」といえば高世も「突入すべきでなかった」と言ってるでしょう。いつもながら高世も本当にデタラメな男です。
 今回の事件を機に

重大な違法行為の香港特区政府による徹底的追及を断固支持--人民網日本語版--人民日報
・一部の極端な過激分子*2が特区政府の条例改正への反対を口実に、立法会ビルに暴力的に突入するという事件を起こした。これは香港の法治を深刻に踏みにじるものであり、香港社会の秩序を極めて大きく破壊するものであり、「一国二制度」の譲れぬ一線に公然と挑戦するものだ。
・鉄の棒、鉄のカートを使って立法会ビルのガラスと外壁を破壊し、有毒性のある粉末で警察を攻撃し、立法会ビルへの乱入を強行し、厳粛な議事堂と特区区章を毀損した。こうした法律をものともしない暴力行為に人々は非常に驚愕し、心を痛め、憤怒した。どの国も、どの社会も絶対にこれを容認しない。中央は林鄭月娥行政長官と特区政府の法に基づく施政を断固支持し、香港警察当局が厳正に取締り、違法行為を徹底的に追及し、社会秩序と市民の安全を保障することを断固支持する。

などとし「デモ隊への批判、攻撃」を強める香港当局や中国への反発は分かります。しかしこういう完全な居直り発言はいかなる意味でもすべきではないでしょう。
 せいぜいすべきことは、
1)今回の件をまず謝罪(当事者の場合)、あるいは批判(応援団の場合)。当事者の場合は「再発防止策」など今後の対応も早急に検討する
 直接の実行犯であれば謝罪は当然ですが、そうでない場合でも「デモに参加」など反対運動に関わってる場合は「一部の人間の行為とは言え、こんな事態を防げず申し訳ない」とわびるべきでしょう。高世のような「単に外から応援」の場合は謝罪する必要はありませんがせめて「こうした事態は中国の無法な態度を割り引いても問題だ。私は支持できない」などと批判はすべきでしょう
2)その上で「ただし中国の態度を全く無視して一方的にデモ隊の暴力を問題にされることには納得がいかない」と「中国側の非も指摘する」
 ただしそれが「居直りと誤解されない注意」は必要です。なお、

周庭(アグネス・チョウ)
「暴徒はいません。あるのは暴政だけです(ボーガス注:この通りの発言をアグネス・チョウはしています)」
「中国の暴政に比べたら、今回の事件など『山口組と非行少年グループ』『俺俺詐欺グループと寸借詐欺』『伊藤博文独立運動弾圧と安重根の伊藤暗殺』位の違いがある。たいした話じゃない(ボーガス注:こちらは俺の要約です)」
「ガラスを割って突入(器物損壊)し、警官隊と激突もしたけど、突入以上のことはほとんどしていない。(ボーガス注:殺人や放火、略奪など)そんなに暴力的なことはしていない*3。突入しても一定の節度と統制がとれていた(ボーガス注:こちらは俺の要約です)」

なんてのは完全な居直りでしかないでしょう。そしてこんな居直りを「さすがに積極的に支持はしないものの」、批判もしないで容認する高世も無責任の極みです。
 そのうち高世もこの件に限らず「中国が悪いからチベットウイグルで暴動が起こっても仕方がない」「焼身自殺で成果がないならもはや暴動しかない」「(ボーガス注:チベットウイグルに)暴徒はいません。あるのは(ボーガス注:中国の)暴政だけです」などと言い出すかもしれません。
 それはともかく、言うべきは「(香港議会に突入した)暴徒はいました。心からお詫びします。しかしだからといって中国が善政というわけではない」「暴徒を理由に(香港当局や中国の)暴政を全面容認しないでほしい」ということでしょうね。全面的な居直りは「道徳的是非」だけでなく「政治的意味(運動を有利に展開していくという観点)」でもすべきではない。
 なぜこんな居直りはすべきではないか。まあ「当たり前だろ」「高世だって中国以外ではこの種の事件で、こんな全面支持をしねえだろ」「高世って本当にバカだな、前から知ってたけど」つう方が多いでしょうが一応俺の考えを書いておきます。
 まず第一に果たしてこうした暴力路線を国際社会や香港社会は支持するのか。支持しないでしょうねえ。それどころか今までデモに参加していた人間も「いや俺、そういう暴力的な方向は支持しないから」といって参加をやめ、デモ参加者が減る恐れがあることは容易に想像がつきます。
 第二に「こうやって例の件を完全擁護している(あるいは完全擁護してるとしか思えない発言をする)」輩(例:高世の紹介する周庭(アグネス・チョウ))は「今後の運動をどう考えてるのか」ということです。こういう居直りをすればするほど「デモ隊の暴力的方向」が「一部の過激派」にとどまらず、どんどん進展していく危険がある。
 そうなったら香港当局や中国としても取り締まりしやすいし、国際社会も支持しづらくなるわけです。そうなってから慌てて「暴力路線を何とかしよう」としてもなんともならないんじゃないか。
 「自らの非を認めたくない」なんて感情論は捨ててほしいもんです。

香港デモ、体制に対する暴力の行き着く先 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
地政学的な未来予測をするゲオポリティカル・フューチャーズの分析部門を率いるジェイコブ・シャピロは改正案の審議無期限延期で、反対派は前に進むのが難しくなったと本誌に語った。
「今回のような破壊活動は、数千人規模とはいっても、全体に比べるとはるかに小さなグループの仕業だ。自分たちの過激な意見を通すためにある程度の暴力は容認しているグループだ」と、彼は言う。
 彼はまた、破壊行為に走った抗議者たちは「みずからの大義を非合法なものにしてしまった」と主張する。

【社説】香港デモ隊の暴徒化、中国政府の口実に | The Wall Street Journal発 | ダイヤモンド・オンライン
 香港市民700万人は今、自由を求める戦いの前線に立っている。そこではわずかのミスも許されない。だからこそ、一部のデモ参加者が立法会の建物に乱入し、破壊行為に及んだのは残念だった。デモ隊は中国本土への容疑者引き渡しを可能にする条例改正案に抵抗するため、できるだけ多くの支持を集めることが必要だ。

[FT]危険な岐路に立つ香港(社説) (写真=ロイター) :日本経済新聞(2019年7月3日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
 暴力に走ったグループは今のところごく一部だ。立法会を警備していた警官隊が撤収し、彼らをわなにかけたのかもしれない。だが、いずれにせよ突入は失策だ。
■失われたデモの道義的優位性
 具体的な成果が何も得られないばかりか、香港市民の4人に1人が参加したデモ隊の側にあった道義的な優位性が損なわれてしまった。香港政府に、全てのデモ参加者を頭に血が上った無法者として糾弾*4する攻撃材料を与えてしまった。香港警察による一斉逮捕だけでなく、中国政府の命令によるひどい弾圧の口実にも使われかねない。
 とはいえ、事態をエスカレートさせた責任は対応を誤った香港の指導者たちにもある。林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は、市民100万人が反対のデモ行進をしても、香港で拘束した容疑者の中国本土への移送を可能にする条例改正案の審議をやめなかった。審議延期を発表したのは、数日後にデモ隊が警察と衝突した後のこと。その衝突は今週の衝突よりもはるかに小規模だった。この経緯から、一部の若者は、結果を生むには力を行使するしかないと考えた。
 全てのデモ参加者が純粋に平和的な手段に立ち戻る必要がある。さもなければ、デモ隊は道義的な力を取り戻せず、香港の保守層を離反させ、当局に検挙の法的口実を与えてしまう。

という批判こそが正しいでしょうし、高世もそのくらいの批判はしたらどうなのか。


梁啓智:あれは突撃じゃない。彼らは死ぬ気だった。|ふるまいよしこ|note
 死ぬ気などおそらくなかったと思いますがそれはさておき。
 「死ぬ覚悟だから純真だ」みたいな「226事件青年将校を賛美するウヨ」「神風特攻隊を賛美するウヨ」みたいな変な褒め方はやめるべきですよね。まあ、本文読めば分かりますが、この記事の「メインの内容」は「死ぬ覚悟なんてやめろ」つう話ではなく突入派を褒め称え、突入批判派に「中国を擁護するのか」「死を覚悟した純真な人々の思いが分からないのか」と因縁付けるつうトンチキ極まりない記事です。
 つうか、「チベット焼身抗議」「焼身は究極の非暴力」とか一部の中国批判派は何でためらいなく自殺を美化するのか。
 とはいえこのトンチキ記事にも勉強になる部分はあります。

 この7月1日もいつものようにデモ行進が予定され、集合場所のコーズウェイベイ・ビクトリア公園をアドミラルティにある政府庁舎に向けて午後2時半に出発することになっていた。しかし、それよりも早く1時半に政府庁舎そばの立法会ビルに若者グループが突撃を始めたのである。
 騒然となった現場からの連絡と警察の指示を受けて、ビクトリア公園からのデモ主催者は、そのルートをアドミラルティ地区をそのまま通り過ぎた先にあるセントラル地区へと変更し、予定通り出発し、行進した。
 つまり、今回突然起こった立法会ビル突入事件は、予定されていた恒例のデモとはまったく別のグループが仕掛けたものだった。
 日本のメディアはこの点をあいまいなままで報道し、まるで55万人参加のデモが突然暴力事件になったかのようなイメージを植え付けているが、ビクトリア公園から出発したデモ隊はいつものようにシュプレヒコールを叫びながら、平和的にセントラルに到着した後解散している。
デモ行進の参加者は大会発表で55万人。立法会ビルに突入した人はどう見ても数百人だった(ビル自体がそこまで大きくないので千人を超える人がいたとは考えられない)。
 つまり、突撃グループと平和的デモ行進をした人たちはまったく別のグループであった

 つまりは「突撃をどう評価するにせよ」それは「デモ多数派ではなかった」ということです。
 高世のように無邪気に「突入派は暴徒でない」といえる話じゃない。デモ多数派はそんな突入に参加せず賛同しなかったわけですから。
 人民日報記事重大な違法行為の香港特区政府による徹底的追及を断固支持--人民網日本語版--人民日報が「一部の極端な過激分子」と表現するのも、この事件を理由にデモ隊全体を「暴力集団扱いすること」には無理があると理解しているからでしょう。

・ネットに二つの意見が出現した。一つは、彼らはアホじゃないか、突入するにしてもこのタイミングを選ぶのは、明らかにムダに政府が批判する暴徒になりにいくようなもので、今回の抗議活動が持っている前向きなイメージを激しく阻害する、というもの。もう一つは、彼らはスパイだ、親中派陣営の意図を受けたヤクザ者で、今回の抗議活動を破壊するためだ、というもの。
・突撃者がケガをしたり、刑事罰に問われるのを心配した民主派の議員が次々に突撃現場に姿を現し、突撃者と警察の真ん中に立ち、自分の身体で突撃を遮ろうとした。
 だが、ほかの抗議者によって議員は引きずり出され、突入は続けられた。その後再び議員が戻ってきて壁を作って遮ろうとした。そして、また引きずり出された。
 その押したり引いたりの場面で、こんなやりとりが漏れてきたのだ。
毛孟静議員
「飛び込んだら、これは暴動だとみなされ、10年の実刑判決を食らうことになるわ! 中ではもう銃を手にあなたたちを待ち構えているのよ!」
返答者
「逮捕の心の準備は出来てる。ぼくらを引き渡せばいい!」

 香港のデモ支持者からも
1)あいつらはバカだ、迷惑だ
2)そもそもあいつらは中国の工作員じゃねえの?(昔の共産党極左過激派を「エセ左翼」だの「警察の手先じゃないか」だの言ってた様な話)
つう意見が出てきたことや民主派議員の中から「突入阻止の動きがあったこと」は興味深い。やはり高世のように無邪気に「突入派は暴徒でない」といえる話じゃないわけです。
 まあ返答者の言葉を素直に理解すれば「さすがに死ぬ気はない」「勿論中国の工作員でもない」でしょうが「終わりの見えない長引く闘争に疲れ果てて、自暴自棄」ですね。どう見てもまともな計算をしてるようには見えません。
 しかしここからこの記事は突入派を「死ぬ覚悟があるのだろう」として褒め称え、突入批判派に「中国を擁護するのか」「死を覚悟した純真な人々の思いが分からないのか」と因縁付けるのだから「はあ?」ですね。
 まあそれはともかく、高世だってここで俺が指摘したこと「香港デモ支持者の中にすら突入派への批判がある」なんてことは知ってるでしょうに、それには触れずにただただ突入派万歳ですからね。呆れたバカです。

*1:まあ普通に考えて中国批判派でもそう言うでしょう。後述するように高世はそうは思わないらしいですが。

*2:人民日報ですら「一部の極端な過激分子」としていることに注意しましょう。「過激分子のみ攻撃すること」で過激分子を孤立化させた方が中国にとって得策という判断もあるでしょうが、実際「一部の過激分子の行為」でしょうし、中国の思惑に関係なくこうした「過激分子擁護」が正しいとは俺は思いません。むしろ厳しく批判すべきでしょう。

*3:そこまで暴徒化したら誰も擁護しませんよ。全く何を馬鹿なことを言ってるのか。

*4:重大な違法行為の香港特区政府による徹底的追及を断固支持--人民網日本語版--人民日報を読めば分かるように現時点では中国や香港当局はそうした立場ではなく「一部の過激派の行為」としています。まあ今後、デモ隊関係者がこの件をろくに批判しなければ「批判しないのだから他の連中も同罪」として中国がデモ隊への批判を強める可能性はあるでしょうが。

今日の中国ニュース(2019年7月2日分)

政府は破壊活動を待っていた? 香港暴徒化に渦巻く臆測 - 産経ニュース

 「政府は若者らを阻止することができたのに阻止しなかった。世論の流れを変えようとしたのだろう」
 侵入しようとする若者らに対し、いつものように催涙ガスを使用すれば、突入を阻止できたのでは-との見方は少なくない。
 これについて、香港政府は「被害が拡大するのを避けた」などと説明しているが、「政府は若者らが立法会内で破壊活動を行うのを待っていた」というのが李氏ら民主派の見方だ。
 また、別の疑問として浮上しているのは「なぜ一部の若者は暴発してしまったのか」という点だ。
 これに関し、民主派の重鎮で元立法会議員の李柱銘氏は「大きな運動があるときは共産党の人間がその中にいるものだ」と指摘し、中国共産党の工作の一環との見方も捨てていない。

 こうしたみっともない言い訳はしないでひとまず「我々の力不足でこうした事態を引き起こしすみませんでした」とわびるべきじゃないですかね。しかしこうした言い訳が出るということは「突入はまずかった」が主流の見方なんでしょうね。
 なお、「なぜか」といえば「皆が皆冷静とは限らない」つうことでしょうね。「皆でやれば怖くない」とばかりに集団心理で暴走することは珍しくありません。


【国際情勢分析】香港デモが台湾・蔡総統に追い風 野党候補との支持率逆転(1/3ページ) - 産経ニュース
 といったところで香港デモの影響による瞬間最大風速でしょうし、国民党系候補は未だ「韓国瑜・高雄市長が最有力と見なされてる」とはいえ決まったわけでもありません。まあ、蔡英文敗北の可能性がやはり一番高いでしょうね。