今日の中国ニュース(2021年4月5日分)(追記あり)

【追記】
 台湾の交通、公共交通というのもどうも危険なような気がする - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)でこの拙記事をご紹介頂きました。ありがとうございます。
追記あり

台湾、脱線事故が映す悲しき「二面性」 過去8年で90回: 日本経済新聞

台北=中村裕
 台湾東部の花蓮県で2日起きた特急列車による脱線事故では50人が死亡し、180人近くが重軽傷を負う大惨事となった。台湾は最近、厳格な管理で新型コロナウイルスの感染拡大を抑え、半導体の先進的なイメージも先行していた。だが実は、ずさんな管理が原因の大事故が後を絶たない。台湾の「負の側面」が今回、またも顔をのぞかせた。
 今回、起きた脱線事故は台湾の鉄道史上、最悪といわれる。だが今回の事故は決して特殊ではない。台湾の鉄道は何度も脱線事故を繰り返しているのだ。
 公開資料によると、2012年から直近の2019年までの過去8年間で、台湾鉄道は実に計90回もの脱線事故を起こしていたことが分かった。
 30年以上も赤字が続き、2019年12月期までの累積損失は1177億台湾ドル(約4600億円)と1000億台湾ドルの大台を突破した。1990年代から民営化議論が何度も繰り返されたが、政治家や労働組合の激しい抵抗で実現せずに終わっている。
 「累積損失はもはや解消されることはない。資金不足によるずさんな管理で、今回の事故も起こるべくして起こった」とも指摘される。
 今回の問題は台湾鉄道の問題にとどまらない。台湾では大型事故が頻発しているからだ。2016年には台湾北部で中国人観光客を乗せたバスで火災が起き、26人が全員死亡した。2017年にも観光バスが台北市で横転し、33人が死亡。2018年には北東部の宜蘭での脱線事故で18人が死亡、215人が負傷した。
 最近でも2020年11月、中部の南投県でバスが横転し、乗客1人が死亡、20人が重軽傷を負った。今年3月にも宜蘭で観光バスが壁に衝突し、6人が死亡、39人が重軽傷を負っている。安全管理に問題があると言わざるを得ない。
 台湾には、その歴史から二面性がある。戦後、必死で成長機会をうかがい、今や世界トップに育った半導体産業が台湾を支える半面、取り残された企業も実は少なくない。台湾鉄道も後者にあたる。

 「台湾のコロナ封じ込め」について産経など反中国メディアがやたら台湾を持ち上げていたが「台湾だってバラ色じゃない、だからこういう鉄道事故も起こる」という記事です。


首相、台湾有事の存立危機事態「答え控える」 - 産経ニュース
 そりゃ下手なことを答えれば「中国の反発で日中関係が悪化」「野党による『違憲行為』という批判」は免れません。
 「コロナの蔓延」「総務省疑惑」で頭が痛い菅にとってこれ以上頭痛のネタを増やしたくは無いでしょう。
 しかも「国際的批判を受けてまで中国が台湾に武力侵攻することなどまずあり得ない」のだからなおさらです。


◆楊海英のツイート

楊海英
 霞ヶ関は国民を馬鹿にしている。
茂木外相は王毅外相に、本当は何と言ったのか?(遠藤誉) - 個人 - Yahoo!ニュース
 日本の報道によれば5日、茂木外相は相当に厳しいことを言ったことになっているが、中国の正式報道によればその逆で相当に中国寄りだ。
一、
 日中は隣り合わせの国で、日中関係を安定的に発展させていくことは両国と地域および全世界にとって非常に重要だ。
二、
 日米同盟は決して特定の第三国*1に向けたものではなく、日本は中国との関係を非常に高度に重視しており、日中関係を安定的に発展させるという姿勢にいかなる変化もない。
三、
 日本は中国と常に意思疎通を保ち、対話を強化し、相互信頼を増進させ、意見の不一致点を穏当にコントロールし、来年の日中国交正常化50周年記念を共に慶賀するために力を合わせて良い雰囲気を作るように努力しなければならない。
四、
 日本は中国とのさまざまな領域における交流協力を強化したいと望んでおり、互いに東京五輪北京冬季五輪がうまく行くことを支え合うために意思疎通を保って行きたい。(茂木外相の発言の概要は以上。)
 もちろん日本は日本の都合の良いように発表し、中国は中国にとって都合がいいように発表するであろうことは基本であるとしても(中略)言ってないことが書いてあったら、すぐに反論するのが普通だろう。
 したがって、(ボーガス注:日本側が抗議してない以上)茂木外相は、ここ*2に書いてないことで日本の外務省ホームページに書いてあることも言ったのは確かだろうが、重要なのは(ボーガス注:日本外務省ホームページには書いてないが?)中国外交部ホームページに書いてあるようなことを、本当は言っているということである。
 ここに書いた一から四までの発言を見ても、どこにも「日中関係の悪化」などは窺(うかが)えない。

 まあ、茂木発言は俺には「当然じゃん、隣国で重要な貿易相手国なんだし」でしかないのですがそれはともかく。
 楊が「茂木発言」について「永田町(あるいは自民党や茂木個人)は国民を馬鹿にしている」でないのが滑稽ですね。悪いのは「霞ヶ関=外務官僚」だと強弁する気のようです。むしろ「楊は(永田町をかばうために)霞ヶ関を馬鹿にしている!」でしょうね。
 まあ霞ヶ関も「楊のような反中国」ではないでしょうが、仮に「楊のような反中国」を霞ヶ関が目指したくても、実施できないわけです。茂木外相等、与党政治家がそう言う立場ではありませんので。「霞ヶ関は政治家に従わざるを得ない(その特に酷い例が安倍時代モリカケや桜ですが)」という事実を無視できる楊には心底呆れます。

*1:勿論、中国のこと

*2:中国外交部ホームページのこと

「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2021年4/5分:荒木和博の巻)

軍事施設と拉致【調査会NEWS3421】(R03.4.6): 荒木和博BLOG
 米軍や自衛隊基地周辺での失踪を根拠なく北朝鮮拉致と決めつけた上で、拉致動機も「軍事施設へのスパイ行為」と関係がある(つまり場所が軍事施設周辺であるのは偶然ではない)と決めつける駄文です。
 そもそも「北朝鮮拉致である」と認定できるまともな根拠がありません。自発的失踪や事故、北朝鮮と関係ない一般刑事犯罪でないという根拠がないので論外ですが、仮に百歩譲って北朝鮮拉致だとしても馬鹿げた話です。
 「軍事基地周辺」云々なんて事がその「拉致被害者*1の居場所」を突き止めて救出することや、拉致実行犯を突き止めて国際指名手配することに役立つのか。全然役立たない。何せ「北朝鮮拉致だ」と認定できるまともな根拠がそもそもないですから。


拉致問題と「オールジャパン」(R3.4.5): 荒木和博BLOG
 7分30秒程度の動画です。
 「様々な意見があって良い」という主張自体は正論です。しかし、ならば荒木は

平壌への常駐事務所設置を自民党総裁選で主張した石破元幹事長
◆「経済支援とのバーター取引」で拉致解決を主張する田中均蓮池透、和田春樹氏
◆「特定失踪者など国内で何人も発見されている。そんな怪しい物を日朝交渉で持ち出すな」という蓮池透、和田春樹氏
◆「横田めぐみさんの生存の可能性は低い」とみなす和田春樹氏

などの意見を容認するのか。聞くだけ馬鹿馬鹿しい話です。荒木にはそうした意見を容認する気などあるわけもない。
 さて、安倍政権下での拉致対応に不満があったらしい荒木は「安倍政権下でのオールジャパン救う会や家族会の主張)」とは「安倍批判するな」と同義語だったといいます。荒木の言う「オールジャパン」批判とはその程度の話でしかない。
 まあ、確かに「オールジャパン=安倍政権批判封じ」ですがそれ以前に「オールジャパン」とは「救う会(西岡会長、島田副会長、荒木元事務局長など)や家族会を批判するな」と同義語だったわけです。その結果、家族会内部から批判を始めた蓮池透氏は「裏切り者」として不当にも除名されます。
 さて、動画説明文に

 皆がおなじことをやるのを意味しない。もともとそういうやり方は日本人には向いていない。

と書いてありますが、荒木曰く

◆旧日本軍でも統制派 - Wikipedia皇道派 - Wikipedia(陸軍)、条約派 - Wikipedia艦隊派 - Wikipedia(海軍)の対立などがあった。同じ組織なのにそう言う内ゲバがあった(「軍の利益を最大化したい」という目的意識には違いなど無かったのに方法論に違いがあった)

云々だそうです(統制派と皇道派の対立の典型が「相沢三郎(皇道派)による永田鉄山陸軍省軍務局長(統制派)暗殺」「安田優 - Wikipedia*2皇道派)による渡辺錠太郎陸軍教育総監(統制派)暗殺」です)。
 どうでもいいですが、そこで「日本軍の内ゲバ」の話になるところがウヨの荒木らしい。
 まあ、例は何でも良いですが俺だったら「日本国内に共産党があること(そして一定の政治力を持ってること)。その一方で日本会議のような反共右翼団体が存在すること(そして一定の政治力を持ってること)」でもあげますかね。
 しかし繰り返しますが、ならば荒木が

◆「経済支援とのバーター取引」で拉致解決を主張する田中均蓮池透、和田春樹氏
◆「特定失踪者など国内で何人も発見されている。そんな怪しい物を日朝交渉で持ち出す」
◆「横田めぐみさんの生存の可能性は低い」とみなす和田春樹氏

を容認するのか。聞くだけ馬鹿馬鹿しい話です。
 まあ、荒木もこんな泣き言「一枚岩で無くてもいい、結果さえ出ればいい」を言い出すのは「荒木等の運動に展望が無いこと」を自覚してるのでしょう。しかし、それでも「田中均氏、蓮池透氏、和田春樹氏」は敵視し続けるのだから、「荒木等への批判は許さない」のだから、デタラメなこと、この上ない。

*1:ただし北朝鮮拉致の可能性はないでしょうが。

*2:安田は斎藤実内大臣(元海軍大臣元朝鮮総督、元首相)も殺害しており死刑判決

今日の産経ニュースほか(2021年4月4~7日分)

【政界徒然草】有識者会議があぶり出す「革命勢力」 女性天皇と「女系天皇」が持つ意味 - 産経ニュース
 有料記事なので途中までしか読めませんが「世界には女帝を認める国(エリザベス女王の英国など)がある」「例外的とはいえ日本にも推古天皇持統天皇など過去には女帝がいた」「日本国民も多数派は女帝容認(自民支持層にも容認派がいる)」「小泉内閣での皇室典範に関する有識者会議 - Wikipediaは女帝容認の答申を出したが、小泉首相も会議メンバー(緒方貞子・JICA理事長、奥田碩日本経済団体連合会会長、園部逸夫・元最高裁判事、外務省参与(座長代理)、古川貞二郎・元内閣官房副長官吉川弘之産業技術総合研究所理事長、元東京大学総長(座長)など(役職は全て当時))ももちろん保守派」と言う意味で「革命勢力」とは全く馬鹿げています。産経は小泉元首相を「革命勢力呼ばわり」するのか。


リベラル21 願わくは、野党議員が一人でも増えることを(続)(阿部治平)
 読んでいて呆れるのはリベラル21 野党3党は内閣不信任決議案を突き付けるというが、その先はどうなる?広原と同様、「反共労組・連合」にへいこらする立民が共産に距離を置くことで「野党共闘が順調に進まない(それで菅政権打倒など出来るのか)」とぼやくことしか、阿部がしないことですね。
 阿部の個人ブログならまだしも(以下は広原記事への批判と同じなので省略)。


リベラル21 野党3党は内閣不信任決議案を突き付けるというが、その先はどうなる?広原盛明)
 読んでいて呆れるのは「反共労組・連合」にへいこらする立民が共産に距離を置くことで「野党共闘が順調に進まない(それで菅政権打倒など出来るのか)」とぼやくことしか、広原がしないことですね。
 広原の個人ブログならまだしも*1、仮にも

 私たちは護憲・軍縮・共生を掲げてネット上に市民メディア、リベラル21を創った

などと大口叩いてる連中が「我々の力で野党共闘を推進しよう」ならまだしも「野党が期待外れ」という「傍観者的な悪口」しかしないのは「お前らやる気あるのか?、どんだけお任せ民主主義、観客民主主義なんだよ!」「何が市民メディアだ、ふざけんな」と言う話です。


長州「正論」懇話会 安倍外交「日本に希望与えた」 谷口智彦氏が講演 - 産経ニュース
 首相・安倍のスピーチライターだった男が「安倍の地元」で「安倍信者相手」とはいえよくもここまで酷い嘘が放言できるもんです。まあ、それでも外交成果とやらについて「鳩山一郎内閣による日ソ国交正常化」「佐藤内閣による日韓国交正常化、沖縄返還」「田中内閣による日中国交正常化」「宮沢内閣による天皇訪中」「小泉内閣による拉致被害者帰国」のような具体性が皆無(希望云々)という辺りが滑稽です。


【正論5月号】菅(かん)元首相を美化 お先棒担いだ朝日 産経新聞政治部編集委員兼論説委員 阿比留瑠比(1/3ページ) - 産経ニュース
 安倍を美化しまくる阿比留がよくも言ったもんですがそれはさておき。
 「美化」云々というなら、朝日の記事の「Aと言う部分はBと言う理由で事実に反し、不当な菅美化と思う」といったまともな物言いをすべきでしょうが、もちろん阿比留にそんなことは全く期待できません。とにかく阿比留にとっては「菅直人批判以外は全て美化」なのだから話になりません。


二階氏「GoToトラベル再開を」 - 産経ニュース
 「恐れていたら何もできない」(二階)とはいつもながら非常識です。誰も「何もしない」なんて言ってない。「GOTOトラベルはメリットよりもデメリットの方が大きい。他の景気刺激策(あるいは観光産業支援策)をとるべきだ」と言っているだけです。しかもこんなことを言っていても「GOTO再開で、コロナ蔓延の問題が起こったら幹事長を辞める」わけでもないのだから無責任です。「成功したら俺の手柄、失敗したら政府の責任(最終決定したのは政府で俺じゃない)」が二階の考えでしょう。


東京・小平市長に野党推薦の小林氏 - 産経ニュース
 野党共闘の勝利は嬉しいですが、投票率が39%と低いことにはいつもながらげんなりします。


【正論5月号】黄昏のプーチン体制に見切りつけろ 産経新聞外信部次長兼論説委員 遠藤良介(1/3ページ) - 産経ニュース
 アンチロシアの産経的には「そういうことにしたい」のでしょうが、「政権長期化(2000年から大統領)による飽き」「クリミア侵攻による欧米の制裁やコロナ禍による生活苦」などで「一時期に比べればプーチン政権も苦境にある」とはいえ、産経が言うほど「プーチン政権終了」の可能性は高くは無いでしょう。
 特に「ポストプーチン」が「メドベージェフ元首相などプーチン側近連」ではない「プーチンが政治力を失う形」での政権終了の可能性など高くは無いでしょう。

*1:とはいえこの文は広原の個人ブログからの転載ですが。

高世仁に突っ込む(2021年4/4日分)

ウイグルで姿を消す日本留学経験者 - 高世仁の「諸悪莫作」日記

 きょうは近くの地域センターで、子ども向けの「宇宙史講座」のお話会があり、私が講師をつとめた。

 前も書いてることですが「研究者どころか科学ジャーナリストですらない」素人の高世がそんな講演をするなという話です。
 頼む方もバカなら引き受ける高世もバカです。

 相手が子どもなので、超新星爆発で元素ができたなどという話はできないしと、けっこう悩んだ。子ども向けの宇宙史、生物史などの本を7~8冊読んで、パワーポイントをつくって・・とまる1週間ほど準備についやした。
 参加は小学生の子どもたち17人と父兄ら大人約10人。
 父兄からも喜ばれて、またやってほしいと言われた。よかった。準備したかいがあった。
 むしろ大人がおもしろがってくれたので、そのうち講座の内容をこのブログで書こう。

 1週間かけたという高世ですがまさか高額ギャラを取ったわけでも無いでしょう。今の高世は「事実上無職」「ジャーナリスト廃業」「貯金で食ってる」んでしょうね。高世みたいな素人の講演を聴く人間が「たった10人(子どもは進んで聞いてるのでは無く「大人たちの教育的指導」でしょう)」とはいえ、いることが驚きです。

 で、タイトルは「私たちが生きのこるには、どうしたらいいのか」にし、子どもたちが好きな恐竜を盛り込んで生態系の重要性を語ることに。

 「生態系の重要性」と「宇宙史」など全く関係ないので実に馬鹿馬鹿しい。
 ちなみに「生き残るにはどうしたら良いのか」ということで昨今提唱されてるのが「SDGs(持続可能な開発目標)」と言う奴ですね。
 小生も無知なのでSDGsの詳しい説明はしませんが。

 NHK「国際報道」がきのう、日本とゆかりのあるウイグル人が次々に行方不明になっていることを報じた。
 「日本ウイグル協会」によると、新疆ではウイグル人社会を支えてきた知識人がたくさん居なくなっている。そしてその中には、日本の大学が育てあげた著名な知識人も入っているという。
 消息を絶った日本留学経験のあるウイグル知識人は少なくとも9人いる。
 アブドゥカデリ・ジャラリディンさんもその一人だ。2002年、石川県の大学に留学し、帰国後、新疆師範大学で教授をつとめていた。ところが3年前、公安当局により連行され、以来消息が分からないという。
 娘のブルブルナズ・ジャラリディンさん(30)が取材に応じた。

 これについては以下の記事を参考に紹介しておきます。
【参考】

日本留学経験ある ウイグル知識人 “9人が現地で不明” と訴え | NHKニュース
 日本に住むウイグルの人たちで作る団体などがオンラインの講演会を開き、日本に留学経験のあるウイグル族の知識人らが現地で行方不明になっていると訴えました。
 講演会は日本ウイグル協会や中国の人権問題に詳しい日本の研究者、それに人権団体などが26日夜、オンラインで開いたもので、およそ70人が参加しました。
 この中で日本ウイグル協会の担当者は、自治区では、大勢の人たちが強制的に収容されているなどと強調したうえで日本に留学経験のある現地の大学教授ら9人も行方不明になっていると説明しました。
 また、大学教授の父親*1が3年前に警察に連行されてから連絡が取れなくなっているというウイグル族の女性*2は「不当に拘束され、苦しんでいるすべての人たちが一刻も早く元の生活に戻れるよう、日本や世界の皆さんに声を上げてほしい」と訴えました。

【参考終わり】

 私は、中国で予定されている冬季オリンピックのボイコットには賛成だ。五輪精神とは相いれないジェノサイド*3が進行中なのだから。

 おいおいですね。
 高世のその理屈なら、例えば「五輪精神と相容れないはずの同性愛差別をロシア政府が実施し、一部のLGBT活動家からボイコット論が出ていたソチ五輪(2014年)」はどうなるのか。
 日本はボイコットすべきだったのか?。
 あるいは、俺が持ってる本、谷口源太郎*4『スポーツを殺すもの』(2002年10月刊行、花伝社)掲載の論文「これが平和の祭典か?:ソルトレーク冬季オリンピックのまやかし」(初出は週刊金曜日2002年2月22日号)ではソルトレーク五輪(2002年2月)について「前年の同時多発テロの影響による厳しい警備→そんな危険な場所で五輪はすべきでない(2002年ソルトレークシティオリンピック - Wikipedia参照)」や「ブッシュ子が行ったアフガン侵攻への抗議」と言う理由から「JOCは参加をボイコットすべきだった」と書いていますが高世は「谷口氏のボイコット論」についてどう思うのか?。
 なお、2002年ソルトレークシティオリンピック - Wikipediaによれば日本はソルトレーク五輪では

◆銀メダル
清水宏保*5(日本、スピードスケート男子500m)
◆銅メダル
里谷多英*6(日本、フリースタイルスキー女子モーグル

ということで2人のみのメダルに止まり不振でした。
 あるいは「ソ連のアフガン侵攻批判を口実にした西側のモスクワ五輪ボイコット(1980年)」、「米国のグレナダ侵攻を口実にしたソ連東欧のロス五輪ボイコット(1984年)」が「アフガンやグレナダへの侵攻の撤回」につながらなかったことは高世的にどう理解されるのか。
 ということで俺は「北京五輪ボイコット論」にははっきり言って反対です(まあ、そもそも、ボイコットなどされないでしょうけど)。むしろ「五輪を廃止すべき」ではないのか。
 「五輪精神」なんて「事実上嘘」なのだから、そして「長野五輪東京五輪で買収疑惑が発覚し、東京五輪については竹田JOC会長が引責辞任したこと」を考えれば五輪などなくして「個別の国際スポーツ大会(世界陸上世界水泳など)」に切り替えれば良いだけでは無いのか。
【参考:五輪いろいろ】

2002年ソルトレークシティオリンピック - Wikipedia
 ソルトレークシティ五輪では、以下のようにトラブルがたびたび発生している。
◆開催地決定後の1998年、ソルトレークシティ招致委員会によるIOC委員の買収疑惑が持ち上がった。その後、過去の招致でも各都市による買収工作が行われていた疑惑が発覚し、IOC全体を巻き込む一大スキャンダルとなった。
◆開会式のジョージ・W・ブッシュ大統領の開会宣言も本来ならばオリンピック憲章第58条3項の規定で定められている「私は、第○回オリンピック冬季競技大会(開催都市名)大会の開会を宣言します」とするところをブッシュ大統領は宣言の前に「誇り高く、優雅なこの国を代表して」と政治的色彩のある言葉を付け加え、IOC副会長が批判し、五輪憲章に違反するという指摘が各方面からされた。
 開会式では、世界貿易センタービルの残骸から出てきた星条旗が掲揚された。これをマスメディアが取り上げ、アメリカ政府の五輪政治利用という負の面を象徴していると批判的に報じられた。
 他にもアメリカ寄りと見られた不当な判定が多く目立ったことなどから、地元のマスメディアからもエイブラハム・リンカーンの演説をもじった「アメリカの、アメリカによる、アメリカのための五輪」と揶揄された。さらには、一部の選手や役員が閉会式を実際にボイコットした。
・前年の同時多発テロの影響による厳しい警備とそれに伴う交通渋滞、ソルトレークシティが飲酒を禁忌とするモルモン教の聖地(宗教都市)であるためにアルコールを提供する飲食店が高級ホテルのレストランなどごく一部に限られていたことも、大会関係者や報道陣のストレスを増幅させる原因の1つとなった。

水島朝穂*7たかが一人、されど一人 2002年3月4日
 1936年8月1日、第11回ベルリン大会は、ヒトラーの開会宣言で始まった。ナチスベルリン五輪を徹底的に利用した。
  ソルトレーク五輪でもまた、平和の祭典の理想とはほど遠く、「ブッシュの戦争」を正当化する露骨な演出が行われた。貿易センタービルの破れた星条旗を入場の際に使い、観客席も星条旗で埋め尽くされた。大統領ブッシュは米国選手団のなかに入って、米国礼賛の愛国的熱狂のなかで開会宣言を行った。米国の国歌が流れたとき、ブッシュとソルトレーク五輪組織委員長のロムニー会長は右手を胸にあてて敬礼したが、国際オリンピック委員会(IOC)のロゲ会長だけは敬礼しなかった。あまりに米国中心主義、愛国主義の突出に、世界は眉をひそめた。特にブッシュの開会宣言は、歴史に残る最悪のものだった。さすがのヒトラーでさえ、オリンピックの普遍主義への敬意を表したのに、ブッシュはオリンピック憲章で定められた宣言文の前に、「誇り高く、優雅なこの国を代表して」という愛国的な言葉を付け加えたのだ。オリンピック憲章69条「開会式および閉会式」の細則1-9 は、国家元首は開会宣言に、「私は○○(開催都市の名前)で開催する第○回オリンピック冬季競技大会の開会を宣言いたします」という短い文章を指定している。ブッシュはこの原則を破った。この最悪の開会式は、その後の競技の中身にも反映した。判定における不正、米国優位の偏向判定は、世界中でテレビ観戦している人々の心を次第に冷えたものにしていった。米国にメダルをもたらして国威発揚をはかる演出のなか、オリンピックを政治的に歪めた罪は重い。オリンピック憲章第9条の理念が現実と乖離していることは分かっていたが、ここまで露骨かつあけすけにやられると、「こんなものいらない」のなかにオリンピックを含めたい気分になる。

朝日新聞デジタル:「ソチ五輪の開催撤回を」 ロシアの反同性愛法に反発 - オリンピック2013年8月19日
 ロシアで同性愛者への差別や圧力につながりかねない法律が成立し、波紋を呼んでいる。スポーツ選手が標的になる可能性があり、国際オリンピック委員会(IOC)のジャック・ロゲ会長は、モスクワで開かれた陸上の世界選手権で懸念を表明。冬季五輪のソチ開催を撤回するよう求める意見も相次いでいる。
 問題の法律は6月に成立した同性愛宣伝禁止法。未成年者に「非伝統的な性的関係」について情報提供することを禁じており、レストランなど不特定多数が集まる場所で同性愛について語ったり、同性愛者が公然と交際したりすることも処罰の対象になり得るのではないかと指摘されている。

*1:高世記事が紹介する「アブドゥカデリ・ジャラリディンさん」のことか?

*2:高世記事が紹介する「ブルブルナズ・ジャラリディンさん」のことか?

*3:ただし中国はその事実を否定しています。なおジェノサイドという批判も多くはいわゆる「文化的ジェノサイド(同化)」を意味しておりナチスホロコーストのような「物理的殺害」を意味していません。

*4:著書『堤義明とオリンピック』(1992年、三一書房)、『日の丸とオリンピック』(1997年、文藝春秋)、『巨人帝国崩壊:スポーツの支配者たち』(2005年、花伝社)、『スポーツ立国の虚像:スポーツを殺すもの〈PART2〉』(2009年、花伝社)など

*5:1998年長野五輪で金メダル1個(スピードスケート男子500m)、銅メダル1個(スピードスケート男子1000m)、2002年ソルトレークシティ五輪で銀メダル(スピードスケート男子500m)を獲得(清水宏保 - Wikipedia参照)

*6:1998年長野五輪で金メダル、2002年ソルトレークシティ五輪で銅メダル(フリースタイルスキー女子モーグル)を獲得(里谷多英 - Wikipedia参照)

*7:早稲田大学教授。著書『現代軍事法制の研究』(1995年、日本評論社)、『戦争とたたかう:憲法学者・久田栄正のルソン戦体験』(2013年、岩波現代文庫)、『はじめての憲法教室』(2013年、集英社新書)、『ライブ講義・徹底分析!集団的自衛権』(2015年、岩波書店)、『平和の憲法政策論』(2017年、日本評論社)など

「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2021年4/4分:荒木和博の巻)

大森勝久氏の新しい論文です: 荒木和博BLOG
 バイデン政権は世界中の同盟国、友好国を糾合して中国、ロシアを包囲していく | 新・大森勝久評論集を「ノーコメント」で紹介する荒木です(従って荒木の大森論文評価は不明です)。
 まあ「トランプ派のバイデン不正選挙論はデマ。そうした明らかなトランプのデマをきちんと批判できない共和党はダメ」「バイデンは親中国派というトランプの主張はデマ」と言う部分については大森氏の主張は正しいですね。ただし「打倒中国を声高に叫ぶ」「ロシアの北海道侵略の脅威を主張」など非常識な点もあるのはいつものことです。


雪の中で写真を撮っているときのこととか取りとめのない鉄道話(R3.4.4): 荒木和博BLOG
 8分30秒程度の動画です。
 記事タイトルや動画説明文で分かるように拉致は何一つ関係ありません。
 荒木は土日は「休日なので肩の凝らない話を」と言って奴の趣味だという鉄道の話をしますが今日もそれです。
 正直「見る価値は全くない」。
 一応説明しておくと
1)「そうした写真を撮ることが好き」なので冬は「雪の中を走る列車を撮影すること」が多かったとして
2)

花輪線 - Wikipedia
秋田内陸縦貫鉄道秋田内陸線 - Wikipedia阿仁マタギ駅 - Wikipedia

で撮影したという「雪の中を走る列車」写真を「良く撮れてると思う」と自慢する荒木です。もう本当に「撮影した写真の自慢」オンリーであって、「撮影時のエピソード」などは「寒かったのでポケットウイスキーを呑んだ」程度のことしか語られません。鉄道写真に興味の無い人間、あるいは「荒木の写真について、荒木が自慢するほど大した写真だとは思わない人間」にとっては「本当にどうでも良い話」です。
 荒木曰く「韓国では1)鉄道が全土に普及し始めた頃=近代化した頃(1970年代)にはモータリーゼション化*1したこと(むしろ鉄道が衰退したこと)、2)鉄道について長きに亘り、北朝鮮との関係から軍事機密扱いされてきたことで日本に比べて鉄道趣味が盛んでない」とのことですが真偽は不明です。
 なお、

 私は保育園の2年間と小学校1年の1学期を愛媛県八幡浜市で過ごしており、当時気動車王国だった四国でディーゼルカーの匂いをかいで育ちました。それが自分の鉄道趣味の原体験みたいになっているような気がします。

と書く荒木ですが動画においてディーゼルカー気動車)や「八幡浜市時代の話」がされることは特にありません。

【参考:秋田内陸縦貫鉄道

秋田)「縄文小ケ田駅」に改称 内陸線の小ケ田駅:朝日新聞デジタル2020.3.15
 秋田内陸縦貫鉄道秋田県北秋田市)は14日のダイヤ改定に合わせ、北秋田市脇神の小ケ田(おがた)駅を「縄文小ケ田駅」に改称した。駅から徒歩10分の伊勢堂岱遺跡が、ユネスコ世界文化遺産を目指す「北海道・北東北の縄文遺跡群」を構成することから、最寄り駅であることをPRする。
 駅は鷹巣駅から二つ目の無人駅。これまで各駅停車のみだったが、ダイヤ改定で急行の停車駅にし、利便性も向上させる。

「阿仁前田温泉駅」を披露、内陸線 駅名改称、温泉鉄道PR|秋田魁新報電子版2021.3.13
 秋田内陸線を運行する秋田内陸縦貫鉄道(本社・秋田県北秋田市)は13日、駅舎に温泉を併設している「阿仁前田駅」を「阿仁前田温泉駅」に改称した。
 沿線に点在する温泉の知名度を高め、内陸線を温泉鉄道としてPRする一環で、13日のダイヤ改正に合わせて改称した。内陸線の駅の改称は、20年3月に北秋田市脇神の「小ケ田」を「縄文小ケ田」に変更して以来、2回目。
 駅舎には1995年にオープンした温泉施設・クウィンス森吉が併設されている。日帰り入浴のほか、2017年から宿泊も可能になった。

*1:まあこれは1970年代の日本だって同じですが。

「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2021年4/3分:巣くう会集会の巻)

拉致解決「期限ある」 家族会などが新運動方針決定 - 産経ニュース
救う会:★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2021.04.03)家族会・救う会 今後の運動 方針
 新方針などといったところで「蓮池透氏との和解」「平壌への常駐事務所設置」「日本人妻帰国や国交正常化が拉致被害者帰国より先行しても構わない」などの新味はどこにもない。「今までの方針をまた出してみた」にすぎないのだから「全然新しくない」。
 例えば「例は何でも良い」ですが、

◆菅の「デジタル庁(現在、法案提出)」や「子ども庁(今後の検討課題)」

などの方が余程「新味がある」し、当然、マスコミもそっちの方を報じます。というか、もはや「国民の拉致問題への関心の風化」「むしろ、新型コロナなど別の問題に国民の注目が高い事」によって拉致問題についてマスコミはろくに報道なんかしません。一時は「拉致問題を最大の売りにしていた」高世仁もジンネット倒産以降はこんなことは何ら取り上げない。
 「(高齢化する拉致被害者家族の寿命には)期限ある、実際に横田滋や有本嘉代子が病死した→問題の早期解決が必要」と家族会や救う会がいったところで、そこで「過去を反省して、事態を打開するための新方針を打ち出す」ならまだしも「だから日本政府や北朝鮮政府は俺たち救う会や家族会の言うことを『はい、喜んで』で受け入れろ、異論は認めない。俺たちの方針は正しいのだから。俺たちは悪くない。受け入れない方が全て悪い」と言うのだから話になりません。それで解決するのならとっくの昔に解決していた。
 しかも方針が「およそまともでない」から、「当然、今後も今まで通り拉致敗戦継続」であり、お話になりません。
 たとえば、「朝鮮学校無償化除外」「金剛山歌劇団の日本国内公演反対」などが拉致の解決と何の関係があるのか。何の関係もない。ただのくだらない「アンチ北朝鮮、アンチ朝鮮総連」でしかない。
 そしてこんな北朝鮮を挑発する行為をしながら「早期に日朝首脳会談」といえる馬鹿さには心底呆れます。
 本気で「日朝首脳会談」をしたいのならむしろ逆に「朝鮮学校無償化実施」などにより「日朝間の対話ムードを醸成すること」を考えたらどうなのか。
 北朝鮮に限った話ではないですが、どこの世界にケンカを売ってくる相手と対話したい奴がいるのか。
 まあ、「救う会、家族会のような北朝鮮への挑発的態度で北朝鮮との間に対話が成り立たない(対話が成り立たないのでは拉致は解決しない)」以前に小泉訪朝での成果を「たった5人の帰国か」などと罵倒して、小泉氏を誹謗し、あげく「即時一括全員帰国(しかもその『全員』には政府認定拉致被害者だけで無く、800人の特定失踪者*1が入っている)」などとぶち上げたが故に、菅に限らず「小泉訪朝以降の歴代首相は拉致問題についてやる気を失った」わけですが。
 というか「即時一括全員帰国(その全員には特定失踪者を含む)」などを救う会がぶち上げたのは「北朝鮮が受け入れられそうもない(日本政府が実現できそうもない)高い条件」と見なす条件を「日朝交渉を希望しないアンチ北朝鮮右翼団体救う会が「日朝交渉妨害のため(日本政府や北朝鮮政府に交渉意欲を失わせるため)」であることは明らかです。
 一方「日朝交渉以外の現実的解決策」も救う会は提案しない(「自衛隊特殊部隊での救出」なんてのは何ら現実的ではありません)。救う会に「拉致を解決する気がかけらもないこと」「拉致を北朝鮮叩きのネタに使い、また可能ならば九条改憲など北朝鮮叩き以外のネタにも使おうとしていること」は「バカでない限り」簡単に分かる。
 頭痛がするのは俺がここに書いたようなことは蓮池透氏も指摘しているのに、家族会が「蓮池氏を除名し救う会を選んだこと」ですね。
 家族会には拉致を解決する気が無いのか。もはや「生存拉致被害者などいない」という判断の下に、北朝鮮への報復がしたいだけなのか。にもかかわらず「拉致の解決」云々と嘘をついているのか。
 はたまた「拉致を解決するためにはどうしたら良いか」ではなく「救う会が家族会をチヤホヤして気持ちいいから救う会に従う。救う会以外に家族会をチヤホヤしてくれる個人や団体は他にない」という「とてつもなくくだらない話」なのか。どっちにしろ「小泉訪朝(2002年)から18年経っても」家族会に「拉致を解決する真剣さ」がまるでみられないことには心底呆れます。

*1:日本国内で既に40人も発見されてる特定失踪者が「北朝鮮拉致」とは言いがたいことは明らかです。

「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2021年4/3分:島田洋一の巻)

◆島田のツイート

島田洋一
 池江璃花子選手は自身の五輪出場を決めると共に、中止を願う勢力や、よく考えてもいないのに後ろ向きの発言をするのが体質化している人々をたじろがせ、五輪開催自体を確実なものにした。

 「池江の政治利用も大概にしろ」と言う話です。さすが、さんざん横田滋を政治利用した人間のくずは言うことが違います。
 池江が何を言おうともそんなことと「東京五輪をやるべきかどうか」は全く関係ない話です。そもそも池江は「五輪が開催されれば出場したい」とはしていても、コロナによる中止、延期論を批判したり、「五輪開催希望」を強く主張したりしているわけでは無く、島田の物言いは強弁にも程がありますが。もちろん彼女の復帰で「開催は確実な物」になったりしない。問題はあくまでも「コロナの蔓延を助長しないかどうか」と言う話です。開催が確実な物になるとしたらそれは、ワクチン接種などによる「コロナの終息」でしょう。
 大体、その島田の理屈なら「モスクワ五輪ボイコット」を島田はどう評価するのか。長崎宏子瀬古利彦などがモスクワ五輪に出場できなかったことでJOCや日本政府を非難するのかと言えばそうではないのだから全くデタラメです。
 そもそも、池江が「白血病からの復帰」であることを考えれば、最悪の場合「コロナ感染で重篤化する危険性」もありうるのではないか。そう言う意味ではむしろ「池江の復帰」は「安易な開催論への批判」にすらなりうるでしょう。

島田洋一
 子供の頃最も憧れたのはサッカーのペレとボクシングのモハメド・アリとジャズのマイルス・デイビスだった。3人共たまたま黒人だが、憧れた理由は単純にそのセンスに圧倒されたからだ。以来人種の違いなど意識しない環境で育ったので白人至上主義者を唾棄すべき存在と思う。

 やれやれですね。そんなことで「島田に黒人差別意識がない」とはいえない。というか「白人至上主義」そのもののトランプを美化し、トランプ批判派を誹謗する野郎がよくもふざけたことがいえたもんです。
 そして黒人差別問題とは「そうした黒人スーパースターが多数出現すれば黒人差別意識がなくなる」つう問題ではない。
 そもそも島田は「じゃあ、そういうスーパースターでない平凡な大多数の黒人についてはどう思いますか?」「あなた、そういうスーパースター以外の黒人には興味が無いんですか?」と聞かれたらどう答える気なのか?
 そしてペレはともかくマイルスやアリについて言えば

マイルス・デイヴィス - Wikipedia
 マイルスは、アメリカにおける人種差別問題には常に批判的であった。「カストロアメリカを批判するのに(批判ネタが多いので)3日掛かると言ったが、俺なら2週間掛かる」と喧伝していた。
 また、「今生きている人間で最も大切な人を5人挙げてくれないか」とインタビューで聞かれ、「俺自身と弁護士のハロルド・ロベット、友人のギル・エヴァンスと妻のフランセス。あとの一人は50歳をこえたアメリカン・ニグロなら誰でもいい。みんな白人にひどい目に遭わされたのに我慢したからさ」と答えている。
 しかし、音楽性の追求のためには人種は関係ないというスタンスを貫き通した。マイルスが一番の親友としているアレンジャー、ギル・エヴァンスには生涯に渡って強い影響を受けていた他、初期の名作『クールの誕生』にはリー・コニッツジェリー・マリガンといった白人ミュージシャンを起用した。

モハメド・アリ - Wikipedia
 黒人指導者マルコム・Xと出会いその思想に共鳴。イスラム教にも改宗。ベトナム戦争への徴兵を拒否したことにより米国政府と長期にわたって争ったが、最終的には無罪を勝ち取ったことでも知られる。その発言と行動は当時の米国政府や保守派との深刻な対立をもたらし、世界タイトル剥奪や長期の試合禁止など様々な圧力が加えられた。

というエピソードがあり、島田のような人間とは政治的価値観は対極にあると言って良いでしょう。島田に「マイルスやアリ」の政治性について聞けばおそらく好意的な答えは返ってこないでしょう。

島田洋一
 トランプが大リーグ(MLB)ボイコットを呼びかけ。本人確認を厳格化したジョージア州新選挙法を黒人差別としてMLBが同州でのオールスター戦をキャンセルしたのに対抗。バイデンは逆にMLBの措置を称賛。アメフト、バスケットに続き野球も保守派ファンを失いそうだ…

 ウヨの島田らしいですが、もちろん「ジョージア州批判」した方が野球ファンは減らないというMLBの判断でしょう。