「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2019年7/13分:島田洋一の巻)

島田洋一ツイート
 パックネ、ノ・ムヒョン同様、告げ口外交を公開して恥と思わない感覚に呆れる。羞恥心のない人間は醜悪だ。
日本の輸出規制で懸念伝達=韓国外相、ポンペオ米国務長官に:時事ドットコム

 ふと気づいたのですが「戦前、蒋介石が米国に働きかけて、対日経済制裁させたこと(勿論蒋介石の働きかけだけが理由じゃありませんが)」を戦前日本も

 蒋介石の「告げ口外交を公開して恥と思わない感覚」に呆れる。羞恥心のない人間は醜悪だ。

とでも思ってたんでしょうねえ。
 それにしてもその島田の理屈だとダライや蔡英文が「中国への対抗目的に」訪米するのはどうなのか。「告げ口外交」じゃないのか。まあ島田らウヨもなんとも都合のいい脳みそをしています。
 つうか「筋の通らない理屈」なら告げ口されようと困らないわけでこれはまさに「語るに落ちてる」というべきでしょう。

三浦小太郎に突っ込む(2019年7月13日分)

捕らわれたウイグル詩人、バルハット氏の「母語」を紹介します | 三浦小太郎BLOG Blue Moon
 「最近成立したアイヌ新法」を「悪法」「アイヌ特権」呼ばわりするような、日本の少数民族アイヌ人にとことん冷たい男が、「中国のウイグル同化は問題」云々なんて文章がよくも書けたもんです。ある意味「その厚顔無恥さ」「面の皮の厚さ」に感心(?)します。
 まあどうせ「日本と中国は違う」「アイヌウイグルは違う」と強弁するのでしょうが。
 もちろん「南京事件否定論」三浦らウヨにとってウイグルは単に「中国を叩くためのネタ」でしかなく、その結果、M谷N子氏*1明治大学准教授)のような方にはむしろ三浦らウヨは「ウイグルにとって迷惑な存在」として敬遠されてるわけですが。
 三浦のような恥知らずには心底呆れます。

【参考:M谷ツイート】

https://twitter.com/NAOKOMIZUTANI/status/1149701568628834307
M谷N子
 ヘイターやカルトと「連帯」しても、ウイグル人にとって良いことは何一つない。これまで幸福の科学の雑誌は、それと名乗らず、私に寄稿依頼してきたが(以前の勤務先広報課などに連絡をとってきた)、ここではっきり言っておきます。迷惑なのでやめてください。その媒体で私が書く事はあり得ない。

【参考:アイヌ問題】

多くの人に見てもらいたい、本多勝一名言録!
 中国人が中国語で口論しているのを見て、アイヌ民族出身の萱野茂*2は嘆息しながら言ったそうです。
 「おれたちもあんなふうにアイヌ語でケンカできたらどんなに幸せだべなあ。うらやましいなあ」
 その話を聞いたとき、本多勝一*3の頭の中で去来した想いをまとめたのが「民族と文化」。
 以下はその中核となる部分です。

 このように文化は土着しなければ単に流行として過ぎ去り、 本当の文化として根を下ろしたことにはなりません。宗教も芸術も思想も、その民族固有の色彩が加えられて、 結局は民族文化となってゆくのであります。つまり文化は、 その民族にとって生きることの意味であり、いわば「生きる拠り所」であるとも言えましょう。
 それでは、日常の立ち居ふるまいから思想に至るすべての文化の中で、 民族の存亡にかかわるような重大な核となっているのはなんでしょうか。それを奪われることが最も致命的打撃となる文化は?
 それは着物でもなければ住居でもありません。人類が毎日話している言葉、 民族それぞれの言葉であります。ある民族から固有の言葉が失われるとき、 その民族文化は最も重大な危機を迎えます。反対に、極端な場合には人種的特徴が変わってしまっても、 言葉があるかぎり民族文化は滅びないでしょう。

 萱野さんの故郷・二風谷において、アイヌ語で生活する年寄りが残り少なくなり、 最後に残された者は、アイヌ語であの世に送ってもらう儀式-みずからのアイヌ文化の中で死んでゆく喜びを享受することができなくなるため、萱野さんのお父さんはこう言ったそうです。
「先に死んだほうが幸せだ」
 この言葉の深い意味は、民族の文化や言葉を根こそぎ奪われた者でなければ、 決して理解できないだろうと萱野さんは述べています。
本多勝一集 『美しかりし日本列島』、朝日文庫 『しゃがむ姿勢はカッコ悪いか?』収録
・「民族と文化:飯田高校独立八〇周年記念講演から(1980年11月2日)」より

*1:著書『亡命者が語る政治弾圧 中国を追われたウイグル人』(2007年、文春新書)など

*2:著書『アイヌの碑』(朝日文庫)、『アイヌ歳時記:二風谷のくらしと心』(ちくま学芸文庫)、『アイヌの昔話:ひとつぶのサッチポロ』(平凡社ライブラリー)など

*3:著書『中学生からの作文技術』(朝日選書)、『新・アメリカ合州国』(朝日文芸文庫)、『アイヌ民族』、『アメリカ合州国』、『アラビア遊牧民』、『植村直己の冒険』、『NHK受信料拒否の論理』、『カナダ=エスキモー』、『きたぐにの動物たち』、『釧路湿原:日本環境の現在』、『検証・カンボジア大虐殺』、『50歳から再開した山歩き』、『子供たちの復讐』、『殺される側の論理』、『殺す側の論理』、『事実とは何か』、『実戦・日本語の作文技術』、『しゃがむ姿勢はカッコ悪いか?』、『憧憬のヒマラヤ』、『職業としてのジャーナリスト』、『先住民族アイヌの現在』、『戦場の村』、『そして我が祖国・日本』、『中国の旅』、『天皇の軍隊』、『南京への道』、『日本環境報告』、『新版・日本語の作文技術』、『ニューギニア高地人』、『冒険と日本人』、『北海道探検記』、『滅びゆくジャーナリズム』、『マスコミかジャーナリズムか』、『マゼランが来た』、『新版 山を考える』、『リーダーは何をしていたか』、『ルポルタージュの方法』(以上、朝日文庫)、『本多勝一戦争論』、『本多勝一の日本論:ロシア、アメリカとの関係を問う』(以上、新日本出版社)など

今日の産経&中国ニュース(2019年7月12、13日分)

【昭和天皇の87年】東京裁判がでっち上げた「レイプ・オブ・南京」 - 産経ニュース
 この産経記事「東京裁判での捏造」がデマであることは南京事件−日中戦争 小さな資料集
日本人の著作に見る「南京事件」
軍人の発言に見る「南京事件」
文化人と「南京事件」 石川達三、大宅壮一、西條八十、火野葦平
郷土部隊戦史に見る南京事件
松本重治氏の証言
日高信六郎氏の証言
などで明白です。
 南京での捕虜殺害や略奪、強姦などの違法行為はリアルタイムで欧米に認識されていました。「情報統制されていた国内の日本人」は「終戦後の東京裁判」などで南京事件を知らされるまでは知りませんでしたが(勿論現地の日本人や、現地から報告をうけている政府中央はある程度分かっていました)。
 そして「南京事件など日本の問題点を知らされない」その結果、国内の日本人は「なにゆえに欧米が日本批判を強めるのか」が適切に理解できず、いたずらに被害者感情と欧米への敵意を募らせて「真珠湾攻撃」へ突き進むわけです。

 日本兵により「殺害された一般人と捕虜の総数は、二十万以上」と認定している。被告席に座る元中支那方面軍司令官、松井石根は仰天したことだろう。
 結論からいえば、この判決はでっち上げである。

 むしろこの産経記事こそがデマカセです。「殺害された一般人と捕虜の総数は、二十万以上」かどうかはともかく「総数で10万を超える虐殺があったであろうこと」はむしろ通説的見解(笠原十九司氏、本多勝一氏など)です。松井も従って「産経が言うような意味」では何一つ驚きはしなかったでしょう。
 「他にも存命の現地軍幹部はいるのになぜ自分(事件当時、中支那方面軍司令官)と谷寿夫(事件当時、熊本第6師団長)だけが裁かれるのだろう。存命の人間では、自分と谷だけが南京事件についてそんなに責任があると中国に思われてるのか。はたまた政治的な忖度*1が何かあるのか」つう意外性は感じたかもしれませんが。
 なお、ウィキペディア「谷寿夫」によれば「松井*2(中支那方面軍司令官)」「谷(熊本第6師団師団長)」「朝香宮*3上海派遣軍司令官)」以外では

・中支那方面軍参謀副長:武藤章*4
上海派遣軍参謀長:飯沼守*5
上海派遣軍参謀副長:上村利道*6
・金沢第9師団長:吉住良輔
・金沢第9師団参謀長:中川広*7
・京都第16師団参謀長:中沢三夫*8
・第10軍参謀長:田辺盛武*9
・熊本第6師団参謀長:下野一霍*10
・宇都宮第114師団長 末松茂治
・宇都宮第114師団参謀長:磯田三郎*11
・久留米第18師団長:牛島貞雄*12

南京事件当時の「東京裁判当時存命の主な現地軍幹部」です。
 武藤(事件当時、中支那方面軍参謀副長)は南京事件では起訴されませんでしたが「東条内閣時代の陸軍省軍務局長として太平洋戦争開戦に関与したこと」「第14方面軍(フィリピン)参謀長時代のマニラ虐殺事件」によって訴追され死刑判決が出ます(後に武藤は、東条元首相らとともに靖国に合祀)。
 田辺(事件当時、第10軍参謀長)は南京事件では起訴されませんでしたが、第25軍(スマトラ島)司令官として、訴追され死刑判決を受けます。
 一方

・中支那方面軍参謀長:塚田攻  
・京都第16師団長:中島今朝吾
・第10軍司令官:柳川平助*13

が「東京裁判当時は既に死亡している主な現地軍幹部」です。

 歩兵第6旅団は南京城内の掃討にあたり、隷下の部隊にこう命じている。
 一、軍司令官の注意事項を一兵に至るまで徹底させた後、掃討を実施せよ
 一、青壮年はすべて敗残兵または便衣兵とみなし、すべてこれを逮捕監禁せよ。
 こうした命令により苛烈な便衣兵狩りが実施され、一般市民が巻き添えになった可能性も高いことは既述の通りだ。摘発された敗残兵の一部は市民の前で処断(殺害)され、それが虐殺と受け止められたなら弁明はすまい。

 「受け止める」も何もこうした「自称便衣兵狩り」が虐殺以外の何物でもなかったことは
東中野氏「再現南京戦」(8) 国際法論争1
東中野氏「再現南京戦」(9) 国際法論争2
で明白です。
 そもそも産経の引用文ですら

青壮年はすべて敗残兵または便衣兵とみなし、すべてこれを逮捕監禁せよ。

です。これを「問題だと思わないバカ」が産経のようです。
 「非常事態なので、青壮年(つまり、兵隊になることが出来る年代の男性)は(敗残兵、便衣兵と疑う具体的証拠がなくても)全部敗残兵、便衣兵扱いで逮捕してかまわない」て、そんな無茶苦茶な話がどこにあるのか。
 ウイグルチベットでテロがあったとして中国政府が「(テロリストと疑う具体的証拠がなくても)青壮年はすべてテロリストとみなし、すべてこれを逮捕監禁してかまわない。今は非常事態だからだ」と言う命令を出したらそれを産経は「非常時だから仕方がない」「中国は間違ったことは言ってない」で容認するのか。
 これで「違法虐殺が起きなかったら」その方が不思議です。
 大体「弁明はすまい」どころか「アレは便衣兵狩りで違法虐殺じゃない」と言い訳しまくってるのが産経らウヨです。
 そもそも「便衣に着替えた兵」の多くは「軍服を着てると日本兵に虐殺される」と思って着替えたのであり、「ゲリラ兵」という意味での便衣兵など存在しません。そして実際日本軍は「中国軍捕虜を虐殺してる(これも勿論南京事件の一部です)」ので「軍服を着てると虐殺される」と言う認識は全く正しかったわけです。

 2万人以上が強姦されたとか、多数の婦女が殺されて死体は切断されたとか、ありえない話である。

 「ありえない」とは言い切れないでしょうが強姦の数は「殺人以上に把握が困難」であり「強姦の数」にこだわってる人間はまずいないでしょう。そしてならば「2万件の強姦は認めないが、多数の強姦があったこと自体は認めるのか」といったらそうではないのだから産経には心底呆れます。

 火のない所に煙を立てたのは誰か。
 一人は、南京安全区国際委員会の委員長だったジョン・ラーベだろう。

 ラーベ日記(邦訳)が講談社から出版されたこと、「南京安全区国際委員会の委員長」ということで彼が比較的有名なのでやり玉に挙がるわけです。無名なら産経も批判しないでしょう。
 ただしリアルタイムではむしろ、「メディアにつてのない彼」よりも「NYタイムズのダーディン」「AP通信のティンパリー」など、メディア記者の報道の方がよほど欧米の世論に影響を与えたでしょう。もちろん産経は彼らメディア記者もデマ報道と誹謗するわけですが。
 もちろん、ラーベにとってそんなデマを流す動機はどこにも存在しません。
 なお、ラーベについては
ラーベは武器商人か?
ラーベが報告する「犠牲者数」
ラーベ12月9日射撃音
12月13日、ラーベの行動
平気で嘘をつく人?
ラーベ日記は三等史料か?
を紹介しておきます。

 ラーベは「局部に竹をつっこまれた女の人の死体をそこらじゅうで見かける。吐き気がして息苦しくなる」とも書く。同年7月の通州事件で中国人保安隊は同様の残虐行為をしたが、日本人にはとても真似の出来ない行為だ。

 何を根拠にまねできないというのかまるきり意味不明です。大体産経は何が言いたいのか。ラーベが嘘をついてるというのか。
 はたまた「そんなことをやるのは日本人じゃなくて中国人だ」といいたいのか。

 ラーベは、一般市民への虐殺現場を一件も見ていない。すべて中国人からの伝聞である。

 おいおいですね。そもそもさすがの日本軍も外人がいる前で犯行に及ぶほど傍若無人ではないでしょう。また、この産経の物言いでは「殺人現場から逃走する犯人」を目撃しても「直接の犯行現場(ナイフで刺す、バットで殴る、手ぬぐいで首をしめるなど)を目撃しなければ」犯人かわからないというとんでもない話になるでしょう。
 そして「伝聞証言だから信用できない」つうなら安明進のめぐみさん拉致証言も「先輩の工作員から聞いた」と言う伝聞証言であり、安自身がめぐみさんを拉致したわけではないのですが。
 都合のいいときは「伝聞証言(安証言)」でも利用し、都合の悪いときは「伝聞証言(ラーベ証言)」と言うだけで否定するのだから産経もいい度胸です。
 しかも「ならば中国人被害者自身(例:夏淑琴氏など)の証言なら信用するのか」と言えばそれも否定するのだから、話になりません(夏氏に対する誹謗とそれに対する批判としては例えば夏淑琴さん事件 SAPIO編夏淑琴さん事件 東中野修道氏「徹底検証」編参照)。

 もっとも、日本軍の不法行為が皆無だったわけではない。一部で日本兵による掠奪や放火事件なども確認され、処罰されたとの記録もある。甚だしきは翌年1月に発覚した“事件”だ。上海派遣軍参謀長の飯沼守が日記にこう書き残している。
「米人経営ノ農具店ニ二十四日夜十一時頃日本兵来リ、留守番ヲ銃剣ニテ脅シ女二人ヲ強姦、訴ヘニ依リ其強姦サレタリト云フ家ヲ確メタルトコロ、○○中隊長及兵十数名ノ宿泊セル所ナルヲ以テ其家屋内ヲ調査セントシタルニ、○○ハ兵ヲ武装集合セシメ逆ニ米人ヲ殴打シ追ヒ出セリ。」

 何でこの件が問題になって処罰されたかといえば、もちろん「相手が米国人」だからです。
 「米国人経営の店に押し入って泥棒や(従業員の?)女*14を強姦したあげく、抗議した米国人を殴って店から叩きだした」なんてやらかせば確実に米国から抗議が来るし、それを無理に隠蔽しようとするほど日本軍も無謀ではなかったのでしょう。つうか米国人相手でこれです。中国人相手ならもっと酷かったんじゃないかということは容易に想像できます。
 まあ、産経ですら「否定しきれない」と思う部分は渋々認めるわけです。もちろん処罰された事件は「全体のごく一部」です。
 「見ろ、日本軍がちゃんと軍人の犯罪を取り締まってるんだ、だから南京事件なんかない」といえる話では全くない。
 また「個人的な犯罪」ではない、組織的犯行である「捕虜虐殺」や「自称・便衣兵狩り」にいたってはそもそも不祥事の認識がないわけです。
 「捕虜にやるだけの食料がないが、解放したらまた兵隊として活動するかもしれない。後腐れなく殺してしまおう」「民間人を巻き添えで犠牲にしてもかまわないから兵隊の疑いがある奴は後腐れなく(以下略)」と言うとんでもない理由で「捕虜虐殺」や「自称・便衣兵狩り」という組織的な虐殺は実行されました。もはや「中国人に対する差別意識」がそこまで酷かったということでしょう。

 東京裁判がでっち上げた猟奇的強姦殺人

 そもそも産経ほど「猟奇的殺人」に対するこだわりは誰もないでしょう。
 「猟奇的でなければ殺人していいわけではない」からです。まあ、現地において「殺人」があり、その犯行方法が「猟奇的」であるならば「日本軍の犯行」以外ではあり得ないのですが、「猟奇的な犯行は話を誇張してるかもしれない」と産経が言うなら「単なる強姦殺人」と言うことでも俺的にはかまいません。しかし産経はもちろん「単なる強姦殺人」だって認めない、いやそれどころか「殺人のつかない強姦」だって認めないのだから話になりません。南京において強姦殺人や強姦が全然なかったなんて事実はありません。

 中国系アメリカ人女性作家のアイリス・チャンは1997(平成9)年に刊行した「ザ・レイプ・オブ・南京」の序文に、こう書いている。

 ばかばかしいですね。南京事件は別に「アイリス・チャン」によって世界に広まったわけではありません。既に書きましたが「NYタイムズのダーディン」「AP通信のティンパリー」など当時の欧米メディア記者によってリアルタイムで報道されていました。
 そして、欧米はともかく日本においては、笠原十九司南京事件』(1997年、岩波新書)、『南京難民区の百日:虐殺を見た外国人』(2005年、岩波現代文庫)、『増補・南京事件論争史』(2018年、平凡社ライブラリー)、清水潔『「南京事件」を調査せよ』(2017年、文春文庫)、秦郁彦南京事件(増補版)』(2007年、中公新書)など、チャン以外の著書もあるわけです。
 チャンの本に問題があろうとそれは「彼女の南京事件認識に問題がある」と言う話に過ぎず、「南京事件がなかった」と言う話ではありません。

 南京占領後に伝聞と誇張に基づく「虐殺」が一人歩きし、海外紙が書き立てたことで軍司令官の松井は窮地に立たされた。外務省と陸軍中央は軍紀が乱れていると判断。松井は昭和13年2月に職務を解任される。

 もし事実無根なら日本政府は、南京事件を理由に日本を非難する欧米の政府やメディア(「NYタイムズのダーディン」「AP通信のティンパリー」など)に抗議したでしょう。松井も解任はされなかった。
 日本政府が「日本国内に事件報道が来ることを情報統制で阻止しただけ」で、欧米の政府やマスコミにはろくに抗議せず、松井も解任されたこと*15自体が「南京事件が存在したこと」「それを日本政府も認識していたこと」の傍証です。
 「松井を解任しなければ国際社会の日本批判を助長する」と危惧したからこそ日本政府、軍は松井を解任しました。

 何よりやり切れないのは、南京占領で終わると思っていた戦争が、終わらなかったことだ。その責任は松井にではなく、首相の近衛文麿にあった。

 もちろん「戦争が終わらなかった理由」は松井にもあります。
 彼が南京事件を引き起こしたこと*16で、「欧米の日本批判」や「中国人の反日感情」は更に激化し、蒋介石の抗日意欲を強めたからです。


【昭和天皇の87年】検証「南京大虐殺」 中国兵1万6千人はなぜ殺害されたのか - 産経ニュース
 今回、産経がかましてる南京事件否定デマは「幕府山事件」という虐殺事件の否定です。
 この「幕府山事件」否定デマに対する批判については東中野氏「再現南京戦」(5) 「幕府山事件」(1)東中野氏「再現南京戦」(6) 「幕府山事件」(2)東中野氏「再現南京戦」(7)を紹介しておきます(あとでこれらの批判を元に産経記事には簡単に突っ込みますが)。なお、東中野氏「再現南京戦」(5) 「幕府山事件」(1)の執筆は(2008.1.20)です。つまり既に論破された手垢のついたデマを垂れ流して恥じないのが産経です。
1)極度の不勉強か
2)故意のデマ垂れ流しか
おそらく2)でしょうが全くふざけた話です。産経は「オレオレ詐欺の詐欺師」と同じで「だませる人間だけをだまそうとしてる」にすぎず、まともな議論をする気はないわけです。
 なお、記事批判サイトとして東中野氏「再現南京戦」(5) 「幕府山事件」(1)が掲載されている南京事件−日中戦争 小さな資料集を紹介しておきます。量、質共にかなり充実していますので、このサイトの南京事件関係記事を読めば「ほとんどの南京事件否定論のウソ」は見抜けるでしょう。勿論この産経記事もその一つです。

 南京が陥落した1937(昭和12)年12月13日の翌日、南京城の北方、幕府山の砲台を占領した第103旅団長の山田栴二(せんじ)は驚いた。大量の中国軍将兵らが白旗を掲げて投降してきたからだ。その数、およそ1万4000人。
 上級司令部に連絡すると「皆殺セトノコトナリ」である。山田はますます困惑した。
 陸軍中央や中支那方面軍の方針は明確でなく、投降兵の処置は事実上、現場指揮官の裁量に委ねられた。
 別の地域で第66連隊は、投降した1600人余を処断(殺害)した*17。第38連隊は、約7200人を収容所に入れた。第45連隊は、約5500人を武装解除のうえ全員解放した。
 山田はどうしたか。
 旧防衛庁・防衛研修所編集の公刊戦史によれば、「皆殺セ」の指示には従わなかったようだ。まず非戦闘員とみられる約6000人を解放、約8000人を臨時の収容所に入れた。だが、収容所の火災で半数が逃亡する。やむなく山田は残り約4000人を揚子江の対岸に逃そうとしたが、移動中に投降兵らがパニック状態となり、危険を感じた日本兵が機関銃を乱射、約1000人が死亡し、残りは逃亡した。

 東中野氏「再現南京戦」(5) 「幕府山事件」(1)東中野氏「再現南京戦」(6) 「幕府山事件」(2)東中野氏「再現南京戦」(7)を読めば分かりますが、幕府山事件についての「非戦闘員とみられる約6000人を解放」「収容所の火災で8000人の半数(4000人)が逃亡」「結果、殺害されたのは1000人」などというのは違法殺害数を減らすためのウソであり、実際にはそのようなことは全て実際には何一つなく「投降した捕虜全て(14000人)を違法殺害した」つうのが通説です。
 ただここで産経は「うかつ者」というべきか、「正直者」というべきか、南京事件否定論にとって都合の悪いことを平然と書いています。
 それは

・上級司令部に連絡すると「皆殺セトノコトナリ」である。

つう記載です。つまり仮に「非戦闘員とみられる約6000人を解放」などが、事実としてもそれは旅団長の山田が「皆殺害せよ」という上の命令を無視したからであって、上の命令に忠実に従っていれば「捕虜全ての虐殺」が起こったと言うことです(ただし既に指摘しましたが、通説では上級司令部の指示通りに山田によって虐殺が行われたのであり、「6000人を解放」などは違法殺害数を減らすためのウソです)。

 南京城内では、軍服を脱ぎ捨てて安全区に潜り込んだ便衣兵らの摘発が問題となった。治安を早急に回復したい日本軍は、青壮年の男を次々に連行、便衣兵とみなせば処断した。その識別方法は▽靴ずれがあるか▽面タコがあるか▽目付きが鋭いか-など相当いい加減で、多数の一般市民が犠牲になった可能性は否めない。
 ある部隊の一等兵が日記に書く。
「十二月十六日 
(中略)真実は判らないが、哀れな犠牲者が多少含まれているとしても、致し方のないことだ」
 便衣兵や投降兵らの処断が問題視された様子はない。誰も「虐殺」とは考えなかったからだろう。
 だからといって、明らかに戦意を喪失し、武器も放棄した投降兵らの大量殺害が、正当化されていいとは思わない。(ボーガス注:いい加減な識別方法によって)多数の一般市民が巻き添えになった可能性も高いのだ。

 産経は「うかつ者」というべきか、「正直者」というべきか、

・その識別方法は相当いい加減で、多数の一般市民が犠牲になった可能性は否めない。
・多数の一般市民が巻き添えになった可能性も高いのだ。
・「真実は判らないが、哀れな犠牲者が多少含まれているとしても、致し方のないことだ」

南京事件否定論にとって都合の悪いことを平然と書いています。どうみてもこれでは「兵隊でない人間を殺害した違法殺害の疑い(しかもそうした事態が起こっても戦争だから仕方がないと日本軍は思っていた疑い)」は免れないでしょう。これで「南京事件はなかった」といえる産経の神経は常軌を逸しています。
 「不適切な敗残兵処刑で市民に巻き添えがあったとしても悪意はなかった、だから虐殺じゃない」といいたいのかもしれませんがそれ、世間に通用する言い訳じゃないでしょう。「南京事件を否定したいのか、否定したくないのか」産経も混乱してるようにしか見えません。

 従軍記者として南京攻略戦を取材した東京朝日新聞の足立和雄は、南京陥落翌日の12月14日、日本兵塹壕の前に中国兵を並ばせ、助命を乞う妻子らが泣き叫ぶ目の前で、次々に銃殺していった現場を目撃している。
 足立は、それを「虐殺」とは呼ばないが、戦後にこう述懐する。
 「中国の婦女子の見ている前で、一人でも二人でも市民の見ている前でやった。これでは日本は支那に勝てないと思いました。支那人の怨(うら)みをかったし、道義的にもう何もいえないと思いました」
 もしも現場が中国の南京ではなく日本の東京で、日本人が同じことをされたら、戦争だから仕方がないと割り切れるだろうか。

 仮に合法殺害*18だとしても「公開処刑」をやったのは人道的な意味でも「中国人の反感を買って戦争が長引いた」と言う意味でもさすがにまずかったんじゃないか、東京朝日の足立記者の意見には同感だと言い出す産経です。
 「南京事件を否定したいのか、否定したくないのか」産経も混乱してるようにしか見えません。多分この記事の書き手「社会部編集委員・川瀬弘至」は阿比留のような厚顔無恥なデマ路線(モロバレのデマでも日本軍に全く非はなかったと居直る)に暴走することが出来ず「日本軍にも非はあった、全く無実ではないと、所々、本当のことを書きながら、誠実な記者を演出して、うまく虐殺派を丸め込んで南京での日本軍を可能な限り免罪しよう」としているのでしょうがかえって墓穴を掘ってるように見えます。

(※1) 南京城外の幕府山で大量の投降兵に遭遇した第103旅団の処置(いわゆる幕府山事件)は、「南京大虐殺」論争の最大の争点とされる。昭和天皇が生きた激動の87年をノンフィクションでたどる本連載の趣旨からは若干外れるが、この論争には、戦後報道の在り方をめぐるさまざまな問題*19が含まれているため、別項として後述する

 「幕府山事件なんか『昭和天皇の87年』に関係ないヤン。何脱線してるの?」つう予想される批判に苦しい言い訳をする産経です。

(※2)虐殺肯定派は投降兵らを捕虜とみなし、否定派は、当時は戦闘中であり投降受け入れを拒否できるので、捕虜ではないとしている。

 否定派の主張は勿論詭弁です。つうか「捕虜なんか受け入れたくねえんだ。捕虜にやる食糧がないからな。だから投降受け入れを拒否してぶっ殺して何が悪い。投降受け入れを拒否したんだから捕虜じゃねえし、だから殺しても捕虜虐殺じゃねえんだ」つうのは法的にどうこう*20以前に、常識で考えて「正気の沙汰ではない」ですよね。それじゃ「投降先が捕虜を受け入れてくれる温情あふれる立派な軍隊」でない限り、捕虜なんかあり得ないじゃないですか。
 そして当時の日本軍が米軍などに同じことをされて殺害されても産経はかまわないのか。
 あるいは中国人民解放軍が「ダライ一味のゲリラ兵」に同じ事をやって殺害しても産経は容認するのか。

なお、便衣兵の処断は合法だが、裁判など厳正な識別を行わない処断は違法であるとの説も有力である

 これについては
東中野氏「再現南京戦」(8) 国際法論争1
東中野氏「再現南京戦」(9) 国際法論争2を紹介しておきます。有力も何も「裁判なしでの処刑」なんか合法なわけがないつうのが勿論通説です。当たり前でしょう。現地軍幹部の「便衣兵らしいから殺そう」という一存で、裁判などの法的手続きもせずに殺害が合法になるような野蛮な話がどこにあるのか。

(※3) 処断数については諸説あるが、ここでは、日中両軍の戦闘詳報や陣中日誌などをもとに両軍の兵力、推定戦死者数、推定捕虜数などを算出し、処断数を約1万6000人とした南京戦史編集委員会の分析によった

 全部で捕虜殺害(産経のいう処断)が16000人というのは南京事件の犠牲者数が紹介する捕虜殺害推定数「約4万人(秦郁彦)」「約8万人(笠原十九司氏)」と比べれば過小評価ですが、それにしたって「16000人の捕虜殺害」を「虐殺ではない」とはとてもいえないでしょう。実際、偕行社「南京戦史」は「1万6000人の殺害」を違法行為(捕虜)であったと評価し「南京事件否定説はもはや成り立たない」との見解を示しました。「偕行社「南京戦史」の16000人殺害説」を支持しながら「虐殺でない」とは産経は強弁にもほどがあります。

(※4)
 松井石根の専属副官、角良晴の証言によれば、第6師団から大量の投降兵らの扱いについて問い合わせがあった際、上海派遣軍情報参謀の長勇*21が「ヤッチマエ」と処断*22を指示した。それを聞いた松井が長を呼び、強く「解放」を命じたという。だが、その命令が隷下の部隊に伝わった形跡はなく、長は「解りました」と返答したものの、松井がいなくなると再び「ヤッチマエ」と指示したという

 「南京事件否定論」産経が何でこの話を持ち出すのかよく分かりません。
 「捕虜虐殺が仮にあったとしても悪いのは松井の意思を無視した、長勇ら部下であり、松井ではない。松井は死刑になるべきではなかった(あるいはそもそも起訴すべきでなかった?)」と言いたいのかもしれませんが、角証言は嘘ではなく、この長発言が角のいうように実際にあったとするならば*23
1)この長発言が元で(全部ではなく一部に過ぎないとしても)捕虜虐殺が起こった
2)長発言は直接には捕虜虐殺に関係ないが、長以外にも「捕虜なんか後腐れなく殺せばいい」というこの種の物騒な連中がゴロゴロしていたのが現地軍であり、その結果、捕虜虐殺が起こった
としか理解できないでしょう。そしてまさか産経も長の「ヤッチマエ」発言を「法的、政治的、道義的に何ら問題なかった」とはさすがにいわないでしょう。
 しかも「ヤッチマエ」と長が放言したという「第6師団」は「南京軍事法廷で死刑になった谷寿夫が師団長だった師団」です。
 「谷が死刑になったのも仕方ないんじゃないか」つう話です。
 何というか「松井さえ免罪できればいい」として産経は論理整合性を全く考えてないんじゃないか。
 ちなみに、長については

■長勇(ウィキペディア参照)
・寝言をいう癖があった。寝ながら「母ちゃん痛い!」と幼少時に実母に折檻されている夢をみて叫んだり、「突撃!」「この分らず屋が!」と大きな声で怒鳴る事もあり、部下から「寝ても起きてもうるさい人」と陰口を叩かれていたといわれる。
・1944年、沖縄県に配備された兵による強姦事件が発生した際、県当局の抗議に対し、第32軍参謀長の長は「こうした騒ぎが起きるのは慰安所がないからである」として、慰安所の設置を提案した。しかし当時の沖縄県知事・泉守紀が「ここは満洲や南方ではない。そのような施設を作ることはできない」と拒否したことで泉との関係が最悪になったと言われる。

と言う逸話があります。


首相、地上イージス配備めぐり謝罪 - 産経ニュース
 参院選中だからでしょうか、安倍がわびるとは珍しいこともあったもんです。
 しかし「配備を白紙撤回する」といったわけでもないし、「防衛省の不適切な対応を、国のトップとしてお詫びする(わびたくないけど国のトップだから)」というのだから完全に他人事です。それほど評価できる話ではないでしょう。


「四の五の言う必要なし」台湾・蔡総統、中国に異例の反論 - 産経ニュース
 やれやれですね。蔡英文ってのはバカなんでしょうか。中国に媚びろは言いません。
 しかし「わが台湾が米国から武器を買おうが、中国に批判されるいわれはない。台湾の自由だ」などというのは挑発行為以外の何物でもないでしょう。そんなことをすれば「バチカンや南米諸国などが台湾と断交、中国と国交樹立」したあげく「我が国がどこの国と国交を結ぼうと我が国の自由だ。台湾の蔡英文に批判されるいわれはない(中国)」と「倍返し」されるのが落ちでしょう。


【産経抄】7月13日 - 産経ニュース

 7日には、東京都中野区で安倍晋三首相の街頭演説への妨害活動をスマートフォンで撮影しようとした女性を、「安倍辞めろ」などと騒いでいた一団が取り囲み、スマホを取り上げて地面にたたきつけて破壊した*24
 日本の官憲は、声の大きい左派に対して腰が引けている。もっと厳格に法を執行すべきである。

 むしろ街宣右翼の無法の方(現場に警官がいてもろくに取り締まらない)が野放しだと思いますが。産経は一体どういう脳みそをしているのか。いつもながら呆れます。


【主張】有志連合への参加 国益重んじ旗幟を鮮明に - 産経ニュース

 旗幟(きし)を鮮明にすることが必要である。安倍晋三首相は国家安全保障会議(NSC)を開き、国益を踏まえ、同盟国米国の提案に賛意を示してもらいたい。参院選の最中だからといって後手に回ってはいけない。海上自衛隊護衛艦や哨戒機などの派遣が検討対象となろう。

 安倍も参院選中にはそんなことは言わないでしょうね。


【海外事件簿】豪メルボルンで相次ぐ女性殺害 背景に後絶たぬ「女性への暴力」(1/2ページ) - 産経ニュース

・豪公共放送ABCや英BBC放送などによると、5月25日朝、ビクトリア州メルボルンの中心部にあるロイヤルパークで、散歩中の市民が女性の遺体を発見し、警察に通報した。女性はコートニー・ヘロンさん(25)。地元警察はホームレスの男、ヘンリー・ハモンド容疑者(27)を逮捕した。
・地元メディアによると、ヘロンさんは特定の住所がなく、友人などの家を転々として寝泊まりする「カウチ・サーフィン」生活をしていたという。
 ホームレス女性は特に暴行被害に遭うリスクが高いと指摘されることから、州政府は22年までに公営住宅1000戸を建設するなどの対策を講じる構えだ。

 被害者の方もホームレスに近い生活をしていたようでなんとも哀れな話です。

*1:皇族である上海派遣軍司令官・朝香宮が訴追されなかったことは明らかに政治的配慮です。武藤(事件当時、中支那方面軍参謀副長)と 田辺(事件当時、第10軍参謀長)ば別の件で訴追されて死刑になっていますが、その他についてはよく分かりません。

*2:台湾軍司令官、上海派遣軍司令官、中支那方面軍司令官など歴任

*3:近衛師団長、上海派遣軍司令官など歴任

*4:支那方面軍参謀副長、北支那方面軍参謀副長、陸軍省軍務局長、近衛師団長、第14方面軍(フィリピン)参謀長など歴任。

*5:上海派遣軍参謀長、陸軍省人事局長など歴任

*6:上海派遣軍参謀副長、第3軍(満州)参謀長、第5軍(満州)司令官など歴任

*7:金沢第9師団参謀長、台湾第48師団長など歴任

*8:京都第16師団参謀長、満州第1師団長、鹿児島第40軍司令官など歴任

*9:第10軍参謀長、北支那方面軍参謀長、参謀次長、第25軍(スマトラ島)司令官など歴任

*10:熊本第6師団参謀長、第58師団長(中国漢口)など歴任

*11:宇都宮第114師団参謀長、第22師団長など歴任

*12:第19師団長(満州)、第18師団長(久留米)を歴任

*13:陸軍次官、台湾軍司令官、第二次近衛内閣司法大臣など歴任

*14:産経紹介の文章では「強姦被害にあった女性」が中国人か米国人か分かりませんが、米国人であるなら、米国の抗議は相当強い物になったでしょう。

*15:なお「国内での南京事件報道を禁止した」日本政府は松井の解任を国内においては「通常の人事異動にすぎない」かのように発表しました。南京事件の存在を隠蔽していた以上、そう発表するしかなかったわけです。

*16:「不良兵士の個人的犯行」はともかく「捕虜虐殺」「なんちゃって便衣兵狩りによる虐殺」は軍の組織的犯行なので現地軍最高司令官・松井の責任は免れません。

*17:産経がなぜか躊躇なく「第66連隊は、投降した1600人余を処断(殺害)した」と書いているのには驚きます。どう見てもこれは違法殺害でしょうに。

*18:勿論違法殺害ですが

*19:まあ「様々な問題」て、マジレスすれば「産経のようなデマメディアが詭弁で違法性を否定しようとした」てことですが。

*20:勿論違法行為ですが。

*21:沖縄戦で第32軍参謀長。第32軍司令官の牛島満大将とともに自決。

*22:はっきり「殺害」と書かず「処断」とぼかすのが産経らしい。

*23:角に対して「ありもしないデマを飛ばしてる」「中国を利している」と非難しない産経の書きぶりはどう見ても「実際にあった」と見ているとしか思えませんが。

*24:こういうのは「もみ合ってる途中で女性がスマホを落としただけでたたきつけて壊したりしていない(この場合もちろん器物損壊ではありません)」など、お互い言い分が違いますし、現場に警官がいる例はまずないでしょう。結局「下手に逮捕するとかえって選挙の公正を害する疑いがある」で「相手が重傷を負ってるようなよほど酷いケース」でない限り、うやむやになることが多いでしょう。少なくとも左翼云々つう話ではない。

今日の中国ニュース(2019年7月11分)

■I濱Y子*1・W大学教授のツイート

I濱Y子
 2019年7月27日(土) 早稲田大学エクステンションセンターの公開講座で『「赦し」は暴力の連鎖を断ち切るか』という演題でお話します。

 吹き出しました。
「(理由はともかく)旧幕臣榎本武揚*2を死刑にしなかった明治新政府
「(理由はともかく)満州国皇帝・溥儀を死刑にしなかった中国政府」
「大統領に就任しても、彼を投獄した白人たちに無茶苦茶な報復などしなかったネルソン・マンデラ
などならまだしもI濱女史ほど「赦し」と言う言葉からかけ離れた狭量な御仁もいないでしょう。どう見てもこの御仁、中国政府を憎悪してますよねえ(苦笑)。それとも『「赦し」は暴力の連鎖を断ち切るか』とは「いや断ち切れない」と言う反語なんでしょうか。たぶん反語ではないんでしょうけど。たぶんダライラマ礼賛なんでしょうが「反中国極右」安倍や櫻井よしこと面会するような男ダライに「中国への赦し」なんかあるのか(苦笑)。


■M谷N子・明治大准教授のツイート

M谷N子*3
 現在開催中の第41回国連人権理事会で、新疆ウイグル自治区における人権侵害を止めるよう中国当局に求める共同声明が出されることになりました。現時点で22カ国の政府がこの共同声明に加わっており、日本もそのうちの一つです!!
 今回日本政府が共同声明に参加したのは、私たちアムネスティ中国チームと明治大学現代中国研究所が、外務省人権人道課訪問、オムル・ベカリ氏*4やミヒルグル・トゥルスン女史証言集会など、新疆ウイグル自治区に於ける人権侵害について、広く日本社会に発信してきたこと*5も一因であろうと自負しています。

M谷N子
 アムネスティは日本外務省にウイグル人15人をつれて実情報告に行き、他国に先駆けて強制収容所生還者の証言集会を開いた。さらに日本留学組のウイグル人知識人が多数投獄されているので、日本国はそれを無視できなくなった。今回アジアで唯一、非難声明に日本が署名した意義は極めて大きい。

 こういうことを言うと狭量な「M谷女史とその不愉快な仲間たち(平たく言うとウイグルキチガイ)」は「ボーガスの野郎許さない!」「ウイグルと私たちの運動を馬鹿にするのか(俺:いや馬鹿にしてるんじゃなくて、物事は客観的に冷静に見ろって話ですよ)」「お前はウイグルのために何をしてるんだ?(俺:何もしてませんがそれが何か?)」などと激怒するのでしょうが、イヤーあまり関係ないでしょうね。「ドイツのメルケルだの、フランスのマクロンだの」他の国はともかく、安倍はそういう市民運動アムネスティ)云々、人権云々で動く男ではない。
 問題は「日本も含めて22カ国」ですね。つまりはEU諸国に共同声明参加を誘われて「まあEU諸国(英仏独など)と一緒なら問題ないか(中国もそんなに反発しないだろ)」「むしろEU諸国に『何で参加しないんだ』と反感もたれたら怖い」「こういうことをすればアンチ中国のウヨ支持層も俺の一帯一路参加表明を許してくれるかも」などと思っただけの話でしょう。
 つまりは安倍にとって「赤信号、皆で渡れば怖くない(ツービートのギャグ)」でしかない。
 もちろん安倍的には「EU諸国に反感もたれるのは怖い」でしょうが、「M谷氏やアムネスティ、在日ウイグル人」が安倍に反感持とうが「EU諸国に反感もたれない限り」知ったことじゃないでしょう。何でM谷氏は「自らの運動」をここまで過大評価してしまうのか。


「拷問の恐れ」中国に引き渡し拒否 スウェーデン最高裁:朝日新聞デジタル
 犯罪容疑を認めたが引き渡さないつうことはスウェーデン国内で裁くんですかね。そういえば以前日本が殺人犯の引き渡しを要請したら「死刑になる恐れがある*6」として引き渡し拒否したことが過去にあったように思います(スウェーデン死刑廃止国)。


ウイグル族拘束、日本など22カ国が中国に停止要求 :日本経済新聞
ウイグル族拘束で書簡 日本、国連人権理事会に - 産経ニュース
 日経がタイトルに「日本など22カ国*7」と書くところ産経が「さすがに本文には22カ国とかいても」、記事タイトルには日本としか書かない当たり実にせこいですね。
 安倍が中国批判にリーダーシップを発揮したように読者に誤解させたいわけです。

*1:著書『ダライ・ラマと転生』(2016年、扶桑社新書)など

*2:箱館戦争明治新政府に敗北。一時投獄されるが後に赦免。駐ロシア公使、海軍卿、駐清国公使、第1次伊藤、黒田内閣逓信大臣、黒田、第1次山県内閣文部大臣、第1次松方内閣外務大臣、第2次松方、第2次伊藤内閣農商務大臣など歴任

*3:著書『亡命者が語る政治弾圧:中国を追われたウイグル人』(2007年、文春新書)など

*4:ベカリ氏については衝撃証言 ウイグル族“不当収容”の実態 | 国際報道2019 [特集] | NHK BS1中国国歌斉唱に豚のみの食事、イスラム教徒が語るウイグル強制収容所 写真6枚 国際ニュース:AFPBB News「反抗すれば24時間立ち続け」ウイグル収容施設の実態:朝日新聞デジタル中国:「終日革命歌、党政策を学習」 ウイグル族再教育施設の元収容者、日本で証言 - 毎日新聞【音声配信】「拷問や虐待も?中国のウイグル族・強制収容所、生還者が語るその実態とは」水谷尚子×荻上チキ▼2018年11月27日(火)放送(TBSラジオ「荻上チキ・Session-22」22時~)8カ月鎖で縛られ続けた日々 中国“ウイグル強制収容所” 奇跡の生還者が衝撃の証言 - FNN.jpプライムオンラインウイグル族を中国の弾圧から解放するために、日本人は何をすべきか | NHK「国際報道2018」の現場から | クーリエ・ジャポン復活する「労働教養所」 | 新疆ウイグル自治区で | 中国動態 | 週刊東洋経済プラス参照

*5:脚注にも書きましたが「メディア(NHK、フジテレビ、TBSラジオ朝日新聞毎日新聞など)にネタを持ち込んだのはM谷氏ら」だとしても「きついことを言えば」取り上げる義務はないわけです。少しは「メディアにも感謝してます」くらい言ったらどうなんですかね。まさかとは思いますが「取り上げて当然だ」とでも思ってるのか。

*6:ただし、いわゆる量刑相場に従えば死刑になる可能性は低いケースだったかと思いますが。

*7:中国は「ウイグル族の拘束やめよ」 22カ国が共同書簡で非難 - BBCニュースによれば日本の他は、英国、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、デンマークエストニアフィンランド、フランス、ドイツ、アイスランドアイルランド、ラトヴィア、リトアニアルクセンブルク、オランダ、ニュージーランドノルウェー、スペイン、スウェーデン、スイス。なお「米国の名前がありませんが」、米国は「人権理事会のイスラエル非難が気にくわない」としてこの理事会から脱退しているからです。

今日の朝鮮・韓国ニュース(2019年7月11分)

朝鮮学校無償化除外、オモニ会前会長に聞く:朝日新聞デジタル
 こうした朝鮮学校差別を批判する記事は今後も気づいた限り紹介していきたいと思います。そしてこうした朝日のような報道姿勢を高く評価したい。


北が韓国に警告「焦土化する特別兵器実験」米ステルス機導入で - 産経ニュース
 「北朝鮮の文政権批判」「文政権の米国ステルス飛行機導入」をどう評価するにせよ、文政権が産経などが強弁するような「北朝鮮シンパ」でないことは明らかでしょう。


親日勢力の醜態 | 朝鮮新報

 「徴用工」判決への「経済的報復」と目される措置について日本のメディアも野党も「自由貿易の原則をねじ曲げた」と安倍首相の姿勢を非難した。ところが南のメディアと野党は文在寅大統領に攻撃の矛先を向けている。今回の事態は「文在寅の葛藤外交・感情外交がもたらした惨事」だと決めつけ、安倍政権の常軌を逸した挑発を擁護した。
 まるで日本政府の代弁者だ。

 朝鮮日報自由韓国党はそうらしいですね。全く恥ずべき連中です。


【対韓規制1週間】日本企業混乱 申請準備追いつかず、生産計画に揺らぎも - 産経ニュース(井田通人、林佳代子)
 産経ですら(産経経済部は?)「安倍のせいで日本のフッ化水素水メーカーの経営に悪影響が出る恐れがある」と書かざるを得ないわけです。
 なかなか「国(日本政府)を訴える」つうのも躊躇するでしょうが、場合によっては日本メーカーがそのように動く可能性もあるでしょう。


北朝鮮ビール不正輸入容疑で少年書類送検 高値で転売:朝日新聞デジタル
 ビールの輸入規制なんかして拉致その他の解決において何の意味があるんだと本当に呆れます。それも今回のケースなんか「酒販業者が大規模に持ち込んだ」わけではなく「一個人が中国旅行*1から帰国した際に国内に持ち込んだビールをオークションサイトで売った」なんてある意味「どうでもいい小さな話」ですからね。


「 米中・米朝首脳会談、つきまとう危うさ 」 | 櫻井よしこ オフィシャルサイト

 安倍晋三首相の20カ国・地域(G20)首脳会議での巧みな采配も、惜しくも吹き飛ばされた感がある。世界の目は板門店でのトランプ・金正恩両首脳に集中

 「安倍の巧みな采配」なんてもんはありませんが「その采配の結果」、どんな成果が出たのか言えない当たり、よしこも「語るに落ちています」。

 トランプ氏が北側に足を踏み入れたとき、思わず私自身、大きな笑顔になった。

 よしこがなぜ笑顔になるのかよく分かりません。トランプ・金正恩会談は「北朝鮮側の全面降伏」などではありませんし。

 トランプ氏は「つい昨日、金委員長に会うことを思いついた」と繰り返したが、ワシントンで発行されている「ザ・ヒル」は、同紙が行った24日のインタビューでトランプ氏が板門店で金氏に会う考えを語っていたと報じた。ホワイトハウスがセキュリティ確保のためその件を当日まで伏せるように依頼し、報道できなかったという。

 まあ、こんなんは普通に考えてわかりきったことです。金正恩とトランプが会談したいならもっと早く北朝鮮に打診するでしょう。
 そして北朝鮮も「昨日打診があったことを即断し、今日会談」なんてリスキーなことは普通しない。

 トランプ氏側が少なくとも1週間は板門店会談について考えを巡らしていたのに対して、金氏にとってはいきなりの提案だったわけだ。金氏は「ツイッターを見て本当に驚いた」と語っている。これはトランプ氏との立ち話を終えて、韓国側の「自由の家」に入り、トランプ氏と並んで坐ったときの発言だ。

 おいおいですね。なんでそういう理解になるのか。北朝鮮側にも「遅くとも1週間前に打診があった」に決まってるでしょう。
 そう金正恩が言わないのは
1)「話題作りのために昨日はじめて聞いたことにしてくれ」とトランプに言われたから
2)そのトランプの要望を、彼の反感を買ってまで断る理由がないから(むしろ昨日の連絡を、即決して今日会談した決断力のある指導者と金正恩がアピールできるし『会談を先に持ち出して、我が国に頭を下げたのは米国』ともアピールできるのでトランプの要望は決して悪いことではない)
にすぎないでしょう。

 両首脳の会談は50分間にわたった。

 当然ながらこの時間の長さも「事前の打ち合わせの存在」の傍証です。「昨日の提案でいきなり会談」では50分も会談する材料はないでしょう。

 ここで、横田早紀江さんのトランプ評が思い出される。

 おいおいですね。トランプの知人、友人でもなければ、トランプウオッチャー(研究者やジャーナリスト)でもない横田奥さんのトランプ評価に何の意味があるのか。

 「トランプさんは、あたたかな父性を感じさせます。よき家庭の一家のお父さんという感じで、守ってくれるような印象でした」

 本心でそう言ってると言うよりはただの社交辞令、リップサービスでしょう。

 トランプ・金両氏の関係は、これから存外うまくいくのではないか。

 トランプがしばらくは交渉路線を否定することはないとよしこも諦めたようです。

 そこで安倍首相の役割が重要になる。

 おいおいですね。安倍がおそらく事前にこの会談についてトランプから相談など受けてないであろうに何を言ってるのか。むしろトランプが重要視してるのは文・韓国大統領、習・中国主席、プーチン・ロシア大統領などではないか。
 彼らは安倍と違い「金正恩と会っており」、北朝鮮とそれなりのパイプがあるからです。

 今回、明確になったのは、トランプ氏は北朝鮮に関して、韓国の、そして中国の助力を全く必要としていないことだ。

 むしろ逆でしょう。
 トランプ・金会談それ自体には同席しなかったとは言え、文大統領はトランプや金正恩と一緒に記念撮影をしました。
 また、日本で行われた「習主席・トランプ会談」も「直前の習主席の訪朝」が会談テーマにならなかったとはおよそ考えられないでしょう。そして後でも指摘しますが「習主席・トランプ会談」がその後の「トランプ・金会談に影響しなかった」とはおよそ考えられません。

 習近平主席は内外共に行き詰まっている。国際社会で中国の友人はほとんどいない。

 一帯一路にせよAIIBにせよ多くの国が参加しています。「中国のやることは常に全て大成功」とは言いませんがよしこのいう行き詰まりなどどこにもありません。

 そこで来日前の6月20日、21日の両日、習氏は恐らく、北朝鮮の核問題と米中貿易問題を一体化させて米国の優位に立つべく平壌を訪れた。すると、23日にトランプ氏が金氏に手紙を送り、金氏はそれを「すばらしい手紙がきた」と言って公表した。まずトランプ氏の手紙で、次に板門店首脳会談で、習氏の意図は粉々に砕かれた。

 「はあ?」ですね。むしろ浅井基文氏が「具体的根拠があるわけではなく一つの推測に過ぎないが」と断っていますが
米朝首脳板門店会談(環球時報社説)|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページで指摘するように
1)「6/21に習氏が訪朝→その訪朝報告を習氏から受けたトランプが北朝鮮に手紙→手紙の件について中国と非公式に協議した上で『素晴らしい手紙だ』と公表→その後G20でのトランプ・習会談でこの件について改めて協議→トランプ・金正恩首脳会談」
2)あるいは「トランプが北朝鮮に手紙→北朝鮮から「相談したい」と言う連絡を受け6/21に習氏が訪朝→手紙の件について中国と非公式に協議した上で『素晴らしい手紙だ』と公表→その後G20でのトランプ・習会談でこの件について改めて協議→トランプ・金正恩首脳会談」と見るべきでしょう。
 「トランプの手紙について協議したと中国も北朝鮮も言ってないから、協議してない」なんてのは馬鹿げています。協議しないわけがないでしょう。
 1)、2)の違いは「習氏訪朝とトランプの手紙とどっちが先か」と言う違いです。1)なら「習氏が訪朝報告をトランプにして手紙」ですし、2)なら「トランプの手紙について相談するために習氏が訪朝」になります。1)であれ、2)であれ「習氏訪朝」がトランプや金正恩の言動に影響しなかったとはおよそ考えられません。
 どっちにしろ中国の政治力を証明する話です。なお、トランプと金正恩は「習氏訪朝後に信書の存在を明かしています」がそれは「習氏訪朝後に親書が送付されたこと」を勿論意味しませんので2)も十分あり得ます。
 よしこのいうような「中国のメンツが潰れた」なんて話ではない。むしろ中国は米国に「北朝鮮への政治的影響力を改めてアピールし貸しを作った」と見るべきでしょう(それでも米中貿易戦争をやめないトランプも相当のタマです)。
 「トランプは褒めないといけない、しかし中国は罵倒したい」という結論からよしこによって無茶苦茶な詭弁がされてるだけです。
 なお、浅井氏は「具体的根拠があるわけではなく(米朝交渉の進展を希望する私の願望も入った)一つの予測に過ぎないが」と断っていますが
G20開催前(つまりトランプ・金会談前)に
朝鮮半島情勢:習近平訪朝と米朝首脳往復書簡|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページ
「習氏訪朝→トランプの書簡送付とそれに対する北朝鮮の好意的反応→日本での習・トランプ会談」という流れで「習氏の仲介によって米朝交渉が進展するかもしれない」と指摘していました。
 さすがに浅井氏も「トランプ・金会談」は勿論予想していませんが慧眼と言っていいでしょう。よしことは偉い違いです。

 金氏も習氏に、米国との仲介を求めているわけではない。

 表向きはそうでも実際はそうではないでしょう。習・トランプ会談で「習氏訪朝」が議論されなかったとは思えませんし、その場合、中国の立場は「仲介役」でしょう。

 習政権はすでに巧妙な制裁破りを実行中だが、具体例について6月28日の「言論テレビ」で朝鮮問題専門家の西岡力氏が語った。
「国連制裁の対象になっていない観光で中国は正恩に外貨を与えています。北朝鮮への中国人観光客は2017年が80万人、18年は50%増の120万人でした。観光客が増えた背景に中国当局が観光業者に補助金を出しているという有力情報があります。旅行費用の7割を中国政府が補助し、業者が3割取って、ツアーを4割値引きで売り出す。」
「国際社会が北朝鮮の核・ミサイル開発阻止でその外貨を枯渇させようとしているときに、中国はこうした汚い手段で制裁破りをしているのです」

 「制裁対象になってない」のならそれは制裁破りでは勿論ありません。よしこや西岡は「中国が抜け穴を作った」と悔しがるのでしょうが。

 ほとんどすべての中国からの輸入品に25%の関税をかけるという第4弾の関税は回避され、米中はつかの間の休戦に入った。そしてファーウェイへの米企業による輸出を一部認めることになった。

 悔しがるよしこですがトランプはよしこのような反中国には今後も動かないでしょう。

*1:つまり中国では普通に売られてるわけです。

今日の中国ニュース(2019年7月9分)

■M谷N子・明治大学准教授のツイート

M谷N子*1
ウイグル問題を扱っていると、幸福の科学にせよ日本ウイグル協会周辺に集うネトウヨにせよ、ヘイトをまき散らす自民族至上主義者の日本人~彼らは右派でも保守でもなく、単に漢人を蔑視する差別主義者である~ばかりが寄ってきて、まともな話ができる人々が退いていく。この現象は10年来変らない。
ウイグル問題を、(ボーガス注:中国に比べて?)日本スゴイと持ち上げるのに使うのも、日本政府批判に使う*2のも、カルトや差別者の宣伝に使うのも、「シナ人云々」とヘイトを吐く口実に使うのも、いずれも全部、究極的にはウイグル人の為にはならない。
ウイグル人の友の為に何をすべきか。中国共産党に対しては、実証の積み重ねと検証を突きつけるべきで、ヘイトは「向こう」が望むところ*3である。一方で、在日ウイグル人の生命の保証*4については、日本政府に嘆願しなくてはならず、ここで(ボーガス注:ウイグル人に日本政府は冷たいと?)日本の政権批判をしても、ことの解決にはならない*5

 こうした批判(日本ウヨと中国少数民族運動の醜い野合への批判、Mukkeらの場合はチベット)が何でMukkeやI濱Y子*6(早稲田大教授)、阿部治平など「自称チベット支持者」には出来ないんだろうかと思いますね。


沼田幹夫代表が台湾の関税率引下げに「輸入規制措置の早期撤廃」を要望 | ニュース | 日本李登輝友の会 │ 新しい日台交流にあなたの力を!

 実は、2016年には14件、2017年には18件、2018年には9件も結ばれていた姉妹都市など日台の都市間提携が今年は本日まで1件も結ばれていないという異常事態を迎えている。

 吹き出しました。お互いメリットがなければ結ばないだけの話でしょう。異常事態でも何でもない。

 5県*7産品の輸入禁止措置はすでに日台の友好関係にヒビを入れていたのだ。

 輸入禁止措置が「姉妹都市提携に影響した」と言う根拠は何一つ提出されていません。単に「お互いメリットがなければ結ばないだけの話」でしょう。そもそも輸入禁止は、姉妹都市協定締結があった「2016年、2017年、2018年」にもされていたことですし。「2019年にはじめて実施されたわけではない」。
 輸入禁止の是非はともかく、おそらくそんなことは「姉妹都市関係締結の減少」に影響していない。

 中国国民党や中国が目論む日台離間策にまんまと引っ掛かったことを意味している。中国国民党は今回の税則改正案についても、域内産業や農家の保護を理由に反対したという。

 やれやれですね。
 国民党の主張の是非はともかく「安全面に問題があるから輸入すべきでない」「関税引き下げは国内産業にダメージを与えるから、すべきでない」つうだけの話を「日台離間策」とは馬鹿馬鹿しいにもほどがあります。


【外交安保取材】「なぜ日本の無人島のために米国の兵士が死ぬの?」 同盟国の本音にどう向き合うか - 産経ニュース
 「無人島」とは尖閣のことです。で、「日米安保をやめる気もないくせに、思いやり予算をふんだくろうとするトランプの言い方はどうかと思いますが」クリントンにせよブッシュ子にせよオバマにせよ「尖閣で中国軍と米軍で戦争」なんてノーサンキューでしょう。何も「尖閣で戦争なんかしたいわけねえだろ」つうのはトランプだけじゃない。
 なら「別に中国が尖閣を攻めてもOKです(米国)」かといったら勿論そんなことはない。結局「尖閣で戦争が起きないように日中両国に政治的に働きかける」つう話になるわけです。つうか「野田政権が国有化する前」は尖閣なんか中国だってそんなに騒いでないし、それをさらに悪化させたのが安倍の訳です。中国からすれば「日本から挑発してきたくせにふざけるな」でしょう。


【主張】ウルムチ暴動10年 中国の弾圧強化を許すな - 産経ニュース
 産経なので「暴動」と言うネガティブな表現は避けるかと思っていたので意外です。

 米国務省は18年版の国別人権報告書で、ウイグル族などのイスラム教徒について「80万人から200万人以上が宗教的、民族的アイデンティティーを奪う収容所に入れられている」と指摘した。ポンペオ米国務長官が「中国は人権侵害という点では抜きんでている」と批判しているのは当然だ。

 やれやれですね。「米国も中国批判してます」てこれが朝日や毎日ならいい。
 「米国下院の慰安婦決議が許せない」「日本への不当な認識だ」なんて言ってる新聞がよくもこんなことがいえたもんです。
 ちなみにこの報告書で日本はどういう扱いなのかな、と思ってネットで調べたら「日本に批判的な部分*8」は「引用が長くなりますが」、以下の通りです。

2018年国別人権報告書―日本に関する部分 | 在日米国大使館・領事館
【刑務所および収容施設の状況】
・7月24日、男性受刑者が名古屋刑務所内で、過去最高気温を記録した猛暑の中で熱中症のため死亡した。同受刑者が収容されていた単独室には空調設備がなかった。法務省は7月27日、全ての矯正施設は適切な熱中症対策を講じていたと述べた。日本弁護士連合会は8月、法務省に対して、受刑者の命を守るため、空調設備のないほとんどの刑務所に空調設備を速やかに設置するよう求めた。
法務省によると、2017年の矯正医官の数は21人増の275人となったが、依然として20%以上定員割れしていた。警察および刑務所は精神疾患の治療が遅く、精神科の治療を提供するための手続きがない。外国の専門家はまた、歯科治療は最低限のものしか提供されず、終末ケアや緩和ケアが行われていないと指摘した。
表現の自由
・報道とNGOの報告によると、特にインターネット上で、マイノリティおよびその擁護者を対象としたヘイトスピーチが増えた。
【学問の自由と文化的行事】
 3月、文部科学省は、自由民主党の国会議員の要請で、名古屋市教育委員会に対して、ある中学校の授業で2月に行われた講演の内容と背景について質問状を送付した。講演者であった前文部科学事務次官は、文部科学省の介入について、極めてまれであり教育基本法が禁ずる教育への不当な支配に当たる可能性が高いと述べた。文部科学省はこの主張を否定し、問い合わせは地方教育行政に関する別の法律の下で行われ、教育への不当な支配には当たらないと述べた。
【難民の保護】
 難民は依然として、時として他の外国人が経験するものと同様の、住居、教育、雇用の機会を制限される差別を受けた。就業する権利を得る条件を満たす人を除き、難民申請が未決、または異議申し立て手続き中の人は、社会福祉を受ける権利がなく、こうした状況下では、過密状態の政府のシェルターや、違法な就労、またはNGOの援助に頼るしかなかった。
【選挙と政治参加】
・政府は5月、選挙政治への女性参画を推進する法律を施行した。法律は各政党に対して、国政および地方選挙の候補者名簿において、男性と女性の候補者数を同等にするよう最大限の努力を求めている。2017年10月の衆議院議員選挙後、衆議院では465議席中47議席参議院では242議席中50議席を女性議員が占めた。10月の内閣改造後には、20人の閣僚のうち女性は1人*9だった。しかし、与党・自由民主党の党四役*10に女性はいなかった。2018年末時点で、47の都道府県のうち、女性知事は3人*11であった。
【女性】
 東京医科大学は8月、女子学生数を制限し男性医師を増やすため、10年以上にわたり入学試験の点数を故意に改ざんしていたことを認めた。これを受け文部科学省は、医学部医学科がある全国81大学に対して、女子学生を制限するため入試結果を改ざんしたことがあるか調査した。文部科学省は、10校が女子学生を制限するため入試結果を改ざんしたと結論付け、当該大学に対して、不適切な行為を是正するよう指導した。
 NGOは政府に、選択的夫婦別姓制度の採用を引き続き要請した。
【子ども】
 法律は、離婚成立から300日以内に生まれた子は離婚した男性の子であると推定しており、そのため、正確な人数は不明だが、子どもの出生届が出されず無戸籍となる状況が発生している。
【子どもの性的搾取】
 日本は、児童ポルノの製造および人身取引犯による子どもの搾取の現場であった。
 警察は1月、営利目的で女性と少女をそそのかして性交させたとして、芸能事務所社長とポルノビデオ製造会社の経営者を逮捕し摘発した。この法律の適用は80年間以上で初となったにもかかわらず、検察庁は被疑者を起訴しなかった。性描写が露骨なアニメ、マンガ、ゲームには暴力的な性的虐待や子どもの強姦を描写するものもあるが、日本の法律は、こうしたアニメ、マンガ、ゲームを自由に入手できるという問題に対処していない。
【障害者】
 障害者の虐待は深刻な懸念事項であった。家族、障害者福祉施設職員または雇用者からの虐待を経験した障害者は、全国でみられた。民間の調査によると、障害のある女性に対する差別や性的虐待があった。長野地裁松本支部は5月23日、障害者福祉施設アンサンブル会の元従業員が、入所していた知的障害のある女性を施設で性的に虐待したと認定し、男性と施設に慰謝料など330万円(2万9000ドル)の支払いを命じた。
【国籍・人種・民族に基づくマイノリティー
・マイノリティーは、その程度はさまざまであるが社会的差別を受けた。
部落民の権利擁護団体*12は引き続き、多くの部落民が社会経済的状況の改善を実現したにもかかわらず、雇用、結婚、住居、不動産価値評価の面での差別が横行している状況が続いたと報告した。公式に部落民というレッテルを貼って部落出身者を識別することはもうなかったが、戸籍制度を利用して部落民を識別し、差別的行為を促すことが可能であった。部落民の権利擁護団体は、多くの政府機関も含め、就職希望者の身元調査のため戸籍情報の提出を求めた雇用者が、戸籍情報を使って部落出身の就職希望者を識別・差別することがあるかもしれない、と懸念を表明した。
・日本で生まれ、育ち、教育を受けた多くの外国人を含む、日本で永住権を有する外国人と帰化した日本人は、差別に対する法的な保護措置があるにもかかわらず、住居、教育、医療、および雇用の機会の制限など、さまざまな形で根深い社会的差別を受けた。外国人や、「外国人のように見える」日本国民は、ホテルやレストランなど一般の人々にサービスを提供している民間施設への入場を、時には「外国人お断り」と書かれた看板によって禁じられたと報告した。NGOは、こうした差別が通常あからさまで直接的であったにもかかわらず、政府がそのような制限を禁止する法律を執行していないと訴えた。
 韓国・朝鮮人コミュニティーの複数の代表*13は、公共の場とソーシャル・ネットワーキングのウェブサイトで引き続き彼らに対するヘイトスピーチがあったと述べた。加えて、韓国・朝鮮人の社会的受容が向上した兆候はなかった。帰化申請のほとんどは当局により許可されたが、支持団体は、帰化手続きを複雑にする過度の官僚的な障壁や、不透明な許可基準について引き続き抗議した。帰化しないことを選択した韓国・朝鮮人は、公民権および政治的権利の面で困難に直面し、仕事での昇任、住居、教育、その他の給付を得る上で頻繁に差別を受けた。
【先住民】
 アイヌは他の全ての国民と同じ権利を享受するが、2017年の公益社団法人アイヌ協会によるアイヌの人々への調査によると、アイヌの人々は、職場、結婚、学校で差別を受けた事例を報告した。法律はアイヌ文化の保存を重視しているが、国による社会福祉政策および教育助成金、国会および地方議会における特別議席、歴史的不当行為に対する政府からの公式謝罪など、アイヌ団体が要求している条項は含まれていない。政府は全会一致の国会議決で、アイヌ先住民族として認めている。ただし、この認定には法的な影響は全くない。
性的指向および性同一性に基づく暴力行為、差別、その他の虐待】
性的指向または性同一性に基づく差別を禁止する法律はない。そのような差別に対する罰則は存在せず、関連する統計も入手できなかった。
・LGBTIの人々を取り巻く偏見が、依然として、差別や虐待を自ら報告する妨げになっており、また学校でのいじめや暴力に関する調査では、全般的に、関係者の性的指向や性同一性が考慮されていなかった。
・与党自由民主党杉田水脈国会議員は7月の寄稿記事で、LGBTIの人たちは子供を作らないので「生産性がない」と述べた。記事の出版後、自民党はLGBTIの人々を含む多様性を受け入れる社会の実現を目指すという声明を発表し、杉田議員に指導を行った。障害者団体や著名作家を含む幅広い層から杉田議員と雑誌に対する批判の声が上がり、ほどなく雑誌は休刊となった。
【強制労働の禁止】
 製造業、建設業および造船業において強制労働の報告が引き続きあった。これは主に、技能実習制度(TITP)を通じて外国人を雇用している中小企業にみられた。TITPは、外国人労働者が日本に入国し、事実上の臨時労働者事業のような形で最長5年間の就業を認める制度であり、この分野の多くの専門家は人身取引およびその他の労働者虐待の温床になりやすいと評価した。
 TITPの下での強制労働が蔓延しているにもかかわらず、これまで労働搾取目的の人身取引の事件が訴追されたことは一度もない。
【雇用および職業に関する差別】
 女性の2017年の平均月給は、男性の約73%にとどまった。
 報道機関は12月、ベトナム人技能実習生が中絶するか辞職するよう言われた事例を報じた。

 産経はこういう批判的な指摘をどう思うのか。たとえば「米国国務省報告書も杉田暴言に批判的ですがどう思いますか?」「『政府は5月、選挙政治への女性参画を推進する法律を施行した。しかし10月の内閣改造後には、20人の閣僚のうち女性は1人だった。与党・自由民主党の党四役に女性はいなかった。』という米国国務省報告書について(以下略)」などと聞かれたらどう思うのか。まあ「無視するか逆ギレ」なんでしょうね。
 「先ず隗より始めよ」「人の振り見て我が振り直せ」と言う言葉を知っているのかと産経には問いただしたくなります。とはいえこの報告書について「日本はこういう批判を米国国務省より受けましたがどう考えるべきでしょうか?」なんて報道はマジでほとんど見た覚えがありませんが。日本人がいかに自己中心的で反省心がないかの象徴的な話でしょう。「国務省報告で中国のウイグル統治ガー、とか言う前に日本が国務省報告でなんて言われてるか見ろよ、その上で筋のとおった批判なら受け入れて改善に努めろよ」て話です。

 暴力の連鎖を断つ第一歩は、中国政府が不当な民族弾圧を停止することだ。強制収容者らの一刻も早い解放が急務である。

 こうしたことは産経以外のまともな中国批判者(例:明治大准教授のM谷N子氏)も言ってます。したがって「正論」ではあるでしょうが産経の場合「どうせできないだろう」と思っての因縁付けでしか多分ない当たりがなんともかんとも。

 日本政府は日中関係の進展に自信を示している。そうであるならば、ウイグル族など人権状況の改善を中国政府にもっと強く働きかけねばならない。

 まあ「中国ビジネスを理由に中国と関係改善に動いた」安倍はそんな事にはなんの興味もないでしょう。
 そもそも、それ以前の関係悪化自体「靖国」「尖閣」だの「右翼的な話」が理由で「ウイグル問題での中国非難」が原因じゃありませんし。

*1:著書『亡命者が語る政治弾圧 中国を追われたウイグル人』(2007年、文春新書)など

*2:「日本政府はウイグル問題でもっと中国に物を言うべきだ」など、正当な日本政府批判なら何ら問題ないでしょう(つうか、M谷氏もそうした日本政府批判は「していた」と思いますが。それとも、そうした理解は俺の誤解であって「してなかった」んでしょうか)。問題は「安倍叩きネタ」ではまずいという話です。ただ安倍批判に「ウイグル問題」なんか持ち出す人も少ないでしょう。「安倍を批判したい」のなら「工藤会疑惑」「障害者雇用水増し問題」「年金2000万円問題」「モリカケ問題」「拉致問題の政治利用」「歴史認識問題(南京事件慰安婦靖国など)」などいくらでもネタはあります。

*3:「望むかどうか」はともかく、「ヘイトスピーカーの中国批判には信頼性や説得力があまりにもない」ので中国批判として逆効果なのは確かでしょう。たとえば「南京事件否定論唱えるペマ・ギャルポ」が中国批判なんかしても説得力は皆無です。

*4:「日本政府は亡命ウイグル人を難民と認めて受け入れろ(今は受け入れてない?)」つう話のようです。

*5:いやいや「嘆願」するのと「批判」するのと両立はするでしょうよ(勿論くそみそな批判は避けるべきですが)。むしろ「嘆願(?)」するだけで「嘆願に真面目に対応しない日本政府にがっかりした」などの日本政府批判を何一つしない方が珍しいんじゃないか。つうかここで「要請」「要望」「陳情」「請願」などといわずに「嘆願(相手の温情にすがるつうイメージが強い言葉)」ですか?。市民運動であまり「政府に嘆願する」て聞かないんですが。あまりにも「政府に対するお上意識」が強すぎないか?。なんて言うと「揚げ足取りだ」「嘆願と言って何が悪い」「お前はウイグルのために私以上に何かしてるのか(いや勿論、してないですけど、そういう話じゃないでしょう)」などと怒り出すのがたぶんM谷氏でしょう。まあ、彼女は「人格の狭量さ」と言う点では「I濱Y子」と大同小異な人だとは思います(I濱よりはいくらかましですが)。正直「善意の塊」ではあるのでしょうが、「リアルでは余り付き合いたくない人」です。まあ、それはともかく「話が脱線しますが」ここでの「M谷主張」がむしろあてはまるのは「北朝鮮拉致問題」でしょう。拉致の解決を考えずに北朝鮮非難なんかしても、拉致被害者の身の安全が脅かされるだけです。つうかこの「M谷主張」だと「中国に住むウイグル人の生命の保証」のためには「中国政府に嘆願しなくてはならず、日本で中国の政権批判をしても、ことの解決にはならない」つうことになりそうですが、その当たり「彼女とお仲間」的にはどういう理解なんでしょうか(皮肉でも冗談でもなくまじでそう思います)。なんて言うと「繰り返しますが」怒り出すのがたぶんM谷氏でしょう。

*6:著書『ダライ・ラマと転生』(2016年、扶桑社新書)など

*7:福島県茨城県、栃木県、群馬県、千葉県のこと

*8:あくまでも「そんなにこの報告書を持ち上げるならこの報告書の日本批判について産経はどう思うのよ?」と産経に突っ込むことが目的なので、肯定的な部分は紹介を省略しました。肯定的指摘がないわけでは勿論ありません。

*9:片山さつき・女性活躍等担当大臣のこと。

*10:幹事長(二階俊博)、総務会長(加藤勝信)、政調会長岸田文雄)、選対委員長(甘利明)のこと。

*11:高橋はるみ・北海道知事(報告書発表当時)、吉村美栄子山形県知事、小池百合子都知事のこと。ただし高橋氏は「2019年7月参院選出馬予定(自民党公認)」を理由に退任し、2019年の選挙で選出された後任は男性(元夕張市長)なので現在は2人。

*12:部落解放同盟のことか?

*13:民団や朝鮮総連の代表のことか?

新刊紹介:「経済」8月号

「経済」8月号について、俺の説明できる範囲で簡単に紹介します。
 http://www.shinnihon-net.co.jp/magazine/keizai/
■随想「比叡山の僧兵」(成瀬龍夫)
(内容紹介)
・『生活様式の経済理論:現代資本主義の生産・労働・生活過程分析』(1988年、青木書店)、『増補改訂・総説現代社会政策』(2011年、桜井書店)などの著書がある成瀬氏(滋賀大学名誉教授、元滋賀大学長)の最新著書『比叡山の僧兵たち:鎮護国家仏教が生んだ武力の正当化』(2018年、サンライズ出版)の紹介。
 副題で分かるように『鎮護国家仏教』が「宗教家が行うべきでない武力(僧兵)の正当化」を行ったという批判意識があるわけです。
 そして「イスラムテロ組織」などでわかるようにそうした宗教による「暴力正当化」は未だ過去の物ではないという問題意識もあるようです(内容については読んでないので特に評価はしません)。 
 なお、成瀬氏の専門分野と関係ない(成瀬氏も専門家の著書を元に自分の考えを論じた物に過ぎない旨、このエッセイで断られていますが)ので周囲には驚かれたそうですがこうした事例は数少ないとはいえ、

・『戦国大名天皇』(2001年、講談社学術文庫)、『戦国時代の貴族』、『信長と天皇』(以上、2002年、講談社学術文庫)、『戦国期の室町幕府』(2006年、講談社学術文庫)などの著書を持つ日本中世史家(帝京大学特任教授、国際日本文化研究センター名誉教授)・今谷明氏の著書『中国の火薬庫:新疆ウイグル自治区の近代史』(2000年、集英社

など、他に例がないわけではありません(小生が知ってるのは今谷本くらいしかないですが)。まあ成瀬本にせよ、今谷本にせよ他の何にせよ読まないと評価はできませんが、「まともな学者が書くのならば」、ド素人の三浦小太郎『なぜ秀吉はバテレンを追放したのか』(2019年、ハート出版)なんぞよりはマシじゃないかとは思います。何せ彼らは専門分野外の本を書いたとは言え、一応専門分野のある学者ですので。


世界と日本
■2019年欧州議会選挙(宮前忠夫*1
(内容紹介)
 欧州議会選挙で思ったほど右翼(フランスのルペン「国民連合」など)が伸びなかったことと、緑の党が当初予想より躍進したこと(ただしその煽りで社民党など他の左派政党が議席減しているようですが)が取り上げられています。
 俺的には「社民が減少したので手放しでは喜べないが、極右躍進の最悪の予想は回避した」「緑の党も躍進し、それなりによい選挙結果であった」といえるでしょうか。

参考

大誤報:欧州議会選挙で日本のメディアが「EUで中道派過半数割れ、極右勢力躍進」の誤り(今井佐緒里) - 個人 - Yahoo!ニュース
 今回は、伴野文夫さん*2に寄稿いただいた。
 伴野さんはNHKの記者として、1968-72年ブリュッセル支局、72-73年パリ総局勤務と、欧州連合EU)建設への道を、その目で見て報道してきた方である。
 今回の欧州議会選挙に関して、とても鋭い分析をしている記事なので、ぜひご覧になって頂きたい(見出しのみ今井*3がつけた)。

 日本のメディアは「中道派過半数割れEU混乱」と大書して騒いだが、結果はまったく違う。大誤報だ。 
◎親EUの新しい中道派は506議席で3分の2を超え、圧勝した。
 総議席751、過半数は376、3分の2は501。
◎圧倒的多数の市民が、トランプが露骨に支援する反EUの極右ポピュリズムを拒否し、漸進的なEU改革を目指す中道派を支持した。
◎新しい中道派では、縮小傾向の大連立のドイツに対して、新党「共和国前進」の立ち上げで左右中道勢力を一体化し、「前進」を続けるフランスの発言力が強力になる。メルケル時代は静かにマクロン時代に移行しつつある。
◎中道派過半数割れは、ドイツのCDUとSPDの話。替わりにマクロン党と欧州全域、とくにドイツで躍進した緑の党が、新しい中道派の中核となる。
◎ドイツでSPDに替わる緑の党の躍進は、欧州政治の焦点が社会政策から環境政策に移りつつあることを意味する。
◎日本のメディアは、EU懐疑派は3分の1を取り、欧州議会は危機に陥ると書いた。懐疑派はskepticの翻訳語で、中身は極右、極左、穏健派など様々。イギリスの反EUメディアが、強硬派の存在をふくらませて大きく見せるために作りだした曖昧な言葉だ。
◎日本の報道は懐疑派と極右連合をごちゃまぜにしている。極右の集会の映像を使いながら、懐疑派全般のコメントをつけるので極右が躍進するように見えてしまう。
◎極右連合は、前回まではEU全否定だったが、17年の仏大統領選でマクロンに完膚なきまでに論破されたので、「国家と自由の欧州」建設に看板をかけ替えた。極右がEUの存在を原則容認する大転換をしたわけだが、それでも伸びなかった。
◎右派3派はあわせて175、二割をやっと超えたところ。このうち英保守党中心のECR「63(ボーガス注:議席)」と、ファラージュのBrexit党中心のEFDO「54(ボーガス注:議席)」の大半は、10月末の離脱までに議席につくことなく退場するので、最後に残る極右連合はENFの「58(ボーガス注:議席)」だけになる。
 このグループは、(ボーガス注:トランプ政権首席戦略官兼上級顧問だった)バノンやトランプ周辺の米財閥が支援する(ボーガス注:イタリア副首相(内務相兼務)を務める「同盟」党首の)サルヴィーニや(ボーガス注:フランスの)ルペン、独のネオナチ系AfDの3党など。仏伊の両極右党は自国では第1党になったが、欧州議会全体からみればグループでわずか7.7% だ。
 ルペンのRNは0.9%、1議席の差でマクロン党を抜いたと大騒ぎをしているが、前回14年の選挙の24.5%から1.4%減少、議席を3つ減らした。いま大統領選挙があれば、ルペンには友党がいないので、1対1の決戦投票になれば(ルペンに可能な最大の票を加えても)、60% vs 40% でマクロン勝利は間違いない。
シャンゼリゼの暴力デモを暗に支援したメランション*4の「不服従のフランスFI」は極右以上の完敗だった。17年の大統領選19.8%→今回6.3%に激減した。
◎英ファラージュのBrexit党は31.6%と個別の政党で最高の得票率を獲得したが、前述のように、今年10月末にはいずれかの形で離脱することになるので、反EUの議席は大巾に減ることになる。
◆4大紙*5の見出しを検証
 なぜこんな大誤報がまかり通るのか。日本の大新聞、テレビの報道は予想の段階から、一貫して、見出しが「中道2大会派の過半数割れ、極右勢力の3分の1に迫る躍進」だった。選挙後506の数字が出てからも見て見ぬふりで、基調は変わらない。
日経新聞;朝刊第2面。メインの見出しは、「EU統合試練 懐疑派三割」。
 サブ見出し「移民、財政, 溝深く」。
 新しい親EU派の躍進にまったく触れていない。
○朝日:27日夕刊1面で、「中道2会派過半数割れ」。
 翌28日朝刊3面でメイン「欧州議会 中道2派退潮」、サブ「過半数割れ 親EU多数派維持」。サブの過半数割れがどこにかかるのか不明。
 この朝日の記事には各会派の確定議席数が、親EUと反EUにきちんと分けて掲載されている。合計すると親EU計504となるが、この数字は記事になっていない。さすがに親EUが多いのに気が付いてサブに(ボーガス注:「親EU多数派維持」と言う言葉を)突っ込んだのか。
○読売:「EU懐疑派 仏伊で第1党」サブ「議席3割へ 予算審議難航も」
 4紙のなかでも最悪のでたらめ見出しだ。読売はよほど極右がお好きらしい。
○毎日;第1面メイン「2大会派 過半数割れ」サブ「親EU、3分の2は維持」
 3分の2がサブであっても見出しに出た唯一の例。毎日は第6面を全面使って特集。「欧州政治 地殻変動」。横見出し「新興の親EU会派台頭」。中央横見出し「懐疑派躍進に歯止め」。不十分ではあるが、4紙で唯一のまともな特集だ。
◆今後はマクロンの党が主導権
 選挙前の中道2派は人口が最大のドイツの保守CDUと社民SPDの大連立2党だ。17年から退潮気味の両党が、欧州議会でも長年確保していた過半数を割ることは大いに予想されていた。そしてSPDから流出する票が緑の党に流れていることは、去年10月の二つの州議会選挙と年末の世論調査で明確になっていた。
 縮小するメルケル党に替わって、拡大するマクロン党が今後主導権を握ることになる。マクロン党は18年11月以来の黄色いヴェスト・デモで、支持率を最低の20%まで下げていたが、国民大討論集会を全国で開くなど努力した結果、支持率を7%戻し、黄色いデモ以前の状態に回復した。これも報じられていた。前述の緑の党の躍進と合わせて、早い時期から欧州議会選の見出しが、「中道派の過半数割れ」ではなく、「新しい親EU中道勢力の登場」であることは予想できることだったのである。
 手前味噌で恐縮だが、私は講演会やメール通信でそれを大いに力説してきた。大メディアによる今回のような誤れる報道が行われないように、EUといえば混乱とか分裂とか書きたがるワンパターンの書き方を止めて、確かな情報分析をしてほしい。

 伴野氏の見方と宮前論文は「選挙結果評価(極右の不振、伴野氏の言う「新しい中道(フランスのマクロン党やドイツの緑の党)」の躍進、従来の二大勢力(ドイツで言えばメルケルの党と社民党、フランスで言えば社会党共和党))の衰退」については概ね一致しているかと思います。まあ、伴野論文も参考にした上で宮前氏が自論文を執筆しているのかもしれません(ただし左派の宮前氏のマクロン評価は中道保守らしい伴野氏ほど高くないでしょうが。単に宮前氏は「マクロンのフランスやEUにおける政治的発言力が強まるのではないか」としているにとどまります)。
 「2大会派」とは「ドイツで言えばメルケルの党と社民党、フランスで言えば社会党共和党」で、これは過半数割れしましたが、「伴野氏の言う新しい中道」、「ドイツで言えば緑の党、フランスで言えばマクロン党」がのびた上「極右勢力が思ったほどのびなかった」ため、「親EU勢力自体は2/3維持」できたわけです(なお、伴野氏が言うようにEU懐疑派は必ずしも極右ではない点に注意が必要です)。「どっちかというと左派より」の小生的には「緑の党が増えても」、「社民党は減った」てのはやはり手放しでは喜べませんね。また小生は「極右ではないものの保守派」のマクロンを伴野氏ほどには評価していません。

欧州議会選で「緑の党」が大躍進した理由は環境だけじゃない | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
 メディアの関心は極右政党がどこまで躍進するかに集まっていたから、グリーンの台頭に気付くには時間がかかった。しかし今回の選挙で、各国のグリーン派は既成政党に挑戦状を突き付ける一方、各国の政治をむしばむポピュリストの脅威への対抗軸を示したのではないか。
 ドイツでは、緑の党アンゲラ・メルケル首相の率いる中道右派キリスト教民主同盟(CDU)に次ぐ議席を獲得。フランスでも左右の既成政党を押しのけて3位を確保。イギリスではテリーザ・メイ首相率いる保守党を破り、ジェレミー・コービン率いる最大野党・労働党を脅かすまでの健闘を見せた。
 国境を超えた会派で構成される欧州議会議席数で見ると、グリーン派は今回の選挙で22議席増の74議席を獲得、ついに4番目に大きな勢力となった。単独過半数の会派はないから、EU首脳人事での発言権は増すし、二酸化炭素(CO2)の排出削減はもちろん、寛容で人道的な移民・難民政策の推進も主張しやすくなるだろう。


■インドの総選挙結果(西海敏夫)
(内容紹介)
 西海氏も嘆いていますがこちらは「極右が敗北した」EU議会選とは違い、「モディ首相率いるヒンズー極右政党インド人民党圧勝、野党の大敗」という最悪の結果でした。
 モディの何が最悪かと言えば「ヒンズー極右」というところですね。まあ「モディ支持者=全てヒンズー極右ではない(貧困層にはばらまき政策でのモディ支持もある)」ですが、結果的に「イスラム差別というモディの無法が容認され社会がおかしくなってる」と言う意味では「安倍支持者(全てが極右ではさすがにないでしょうが、安倍の極右性を事実上、黙認はしている)」による日本の極右化に近い面があるかとは思います。
 で、まあ、「米国のトランプ大統領」「日本の安倍首相」「インドのモディ首相」あるいは「トルコのエルドアン*6大統領」「フィリピンのドゥテルテ*7大統領」などの「極右性やポピュリズム」を考えれば「民主主義は万能の制度ではない」わけです。独裁がいいとはもちろん言いません。しかし例えば今の中国において民主化したら「インドでのモディのイスラム差別」のような「ウイグルでのイスラム差別」がかえって深刻化するだけじゃないか。
 民主主義は「民主主義の担い手(選挙民)がまともでなければ」まともに機能しません。「米国のトランプ大統領」「日本の安倍首相」「インドのモディ首相」あるいは「トルコのエルドアン大統領」「フィリピンのドゥテルテ大統領」などの「極右性やポピュリズム」がその典型例です。そういう意味で小生は安易に「中国民主化」を叫ぶ気になりませんね。これは小生が尊敬している外交評論家・浅井基文氏も
中国をどう見るか|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページ
中国に関する私の見方:疑問・批判へのお返事|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページ
などで同様のことを言っておられましたが。
 で「アンチ中国」「チベットシンパ、ダライシンパ」阿部治平が浅井氏の中国をどう見るか|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページについて「中国シンパ、毛沢東シンパ」などと不当な暴言を吐いていたので、小生は、今日の中国関係ニュースほか(9/4分)(追記・訂正あり) - bogus-simotukareのブログで「小生なりの浅井氏擁護」をしています。
 中国に関する私の見方:疑問・批判へのお返事|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページについては
今日の中国関係ニュースほか(8/9分)(追記・訂正あり) - bogus-simotukareのブログでコメントしましたのでご覧頂ければ幸いです。

【巨象の未来 インド・モディ政権2期目へ】下 過激化するヒンズー教徒 宗教分断どう食い止める(1/3ページ) - 産経ニュース
 道を歩いていただけで、30人以上の男たちに取り囲まれ、リンチされた記憶は消えない。
「私は鼻にけがを負ったが逃げ延びられた。なぜ襲撃されたのかまったくわからなかった」。
 農業の男性、ラフィク・カーンさん(25)は2年前の出来事を振り返った。
 インド西部ラジャスタン州で牛6頭を連れて歩いていたところ、突然「自警団」に襲われた。搾乳をするための雌牛を購入して、帰宅する途中だったという。一緒にいた商売仲間のペフル・カーンさん=当時(55)=が暴行を受けて死亡した。
 自警団を構成するのは、インド人の約8割を占めるヒンズー教徒の中で思想を過激化させた者たちだ。自分たちが神聖視する牛を守るため、牛の取引業者や飼育農家に攻撃を加えている。被害者の多くは人口の14%*8イスラム教徒だ。
ヒンズー教徒以外はインド人ではない」。
 ラフィクさんは自警団メンバーが叫んだ言葉が忘れられない。
 2014年の前回総選挙で勝利し、与党となったインド人民党(BJP)はヒンズー至上主義を掲げ、モディ政権は食肉処理を目的とした家畜市場での牛の売買を禁止する法令を出した。BJPはヒンズー至上団体、民族義勇団(RSS)を支持母体とし、モディ首相も以前は、RSSの運動家だ。ヒンズー色の強い政策を取るのは予想されたことだが、過激な信者を拡大させるといういびつな結果も招いている。
 牛の飼育者らが標的となった事件では14年以降、少なくとも44人が殺害された。こうした事件は以前から起きているものの、近年、明らかに増加している。国連人権理事会も今年3月、「不平等が深刻で、少数派、特にイスラム教徒への迫害が増えている」と報告し、インド国内でわき上がる排他的な動きに懸念を表明した。
 モディ氏はBJP幹部とともに事件に懸念を表明するが、野党、国民会議派からは「保守層は重大な支持基盤であり、政権与党はヒンズー至上主義を黙認している」(同党関係者)との批判の声が上がる。

ガンジーもタージマハルも… インドで進む歴史書き換え:朝日新聞デジタル*9
・インドのモディ首相が就任して4年。この間、自国の歴史の書き換えが進んでいる。
・(ボーガス注:ヒンズー政党が政権を握る)インド西部ラジャスタン州で一昨年、公立校の社会科教科書から初代首相ネールの記述が削除された。建国の父、ガンジーの暗殺も触れられていない。
ガンジーとネールは、モディ氏率いる(ボーガス注:ヒンズー政党)与党インド人民党のライバル政党、国民会議派のメンバーだった。現在の会議派総裁は、ネールのひ孫ラフル・ガンジー氏が務める。
 人民党の支持母体でモディ氏の出身団体でもある「民族義勇団(RSS)」は、ヒンドゥー教の伝統による社会の統合を目指す。モディ氏自身は表立ってガンジーを批判しないものの、RSSは「ガンジーもネールもイスラム教徒に弱腰でヒンドゥー教徒を苦しめた」と非難する。
・一方、教科書に書き加えられたのはRSSの思想に影響を与えたサーバルカルだ。「ヒンドゥー教国家」を唱え、ガンジー暗殺への関与が疑われた人物だ。
・モディ氏はこう述べたことがある。
ガネーシャは、形成外科が古代インドで知られていた証拠だ」
 ヒンドゥー教の神々が登場する古典には、父シバ神に首を切られ、象の頭に付け替えられたガネーシャ神の話がある。
 歴史学会からは「歴史と神話の混同だ」と批判された。
 それでもモディ政権は16年、古代史を再検討する委員会を設置。マヘシュ・シャルマ文化相は「神々の話は神話ではなく史実*10。古典の内容と考古学の史資料との差を埋める必要がある」と話す。
ニューデリーから北に車で2時間ほどのメーラトには、ガンジーを暗殺して処刑された元RSSメンバー、ゴドセ*11をまつった場所がある。RSSと別のヒンドゥー至上主義団体「ヒンドゥー大会議」の支部が15年にゴドセの胸像をつくり、ガンジー暗殺日やゴドセの命日に甘菓子を配るなど活動してきた。
 「ゴドセは単なる暗殺者ではなく愛国者だった*12
 ヒンドゥー至上主義の浸透にイスラム教徒は不安を隠せない。
 歴史教科書の執筆に携わってきたアルジュン・デブ氏(82)は、(中略)警告する。
 「今の動きは、ゲルマン民族の優秀さを歴史から強調し、ユダヤ人を迫害したナチスと重なってみえる」

タージマハルが観光ガイドから消えた! イスラム系王朝の建造物なのでヒンズー至上主義勢力が反発か - 産経ニュース
 インドの至宝とも称される世界遺産タージマハルが、地元州が作成したガイドブックから削除されて物議を醸している。不掲載の経緯は不明だが、イスラム系王朝による建造物のため、ヒンズー至上主義勢力の反発が背景にあるとみられる。
 タージマハルは17世紀、ムガル帝国の5代皇帝シャー・ジャハーンが先立った寵妃のために建てた墓で、年間数百万人が訪れるインドを代表する観光地だ。
 インド国内からは不掲載に反発する声が上がったが、過激な発言で知られるBJPのサンギート・ソン議員は「シャー・ジャハーンはヒンズー教徒を抹殺したいと思っていた」と持論を展開して削除を擁護。「(タージマハルは)インド文化の汚点だ」とまで言い切った。
 発言に対してBJP側は「個人的見解だ」と火消しに回ったが、党内からはソン氏の発言を支持する声も上がっており、問題は根深さを見せている。

などという非常識なこと(明らかなイスラム差別と、異常なヒンズー賛美)がモディ政権になってから頻発しているわけです。しかし「神道極右」産経も「国際部の記事」で「外国(インド)の話」なら「右翼排外主義、宗教過激主義は良くないと思います」と書けるんですね。

【モディ印政権2期目へ】行き渡らぬ「成長の果実」(1/2ページ) - 産経ニュース
「モディに裏切られた」
 インド中部マハラシュトラ州で3月28日、農業のダンラジ・ナバテさん(55)が自殺した。農機具購入のため借りた20万ルピー(約31万円)が返済できず苦慮していた。遺書につづられていたのは政権への恨みとも取れる文言だ。
 ナバテさんは前回2014年総選挙でモディ首相や与党インド人民党(BJP)を熱心に支援した。農村所得の底上げや、政府が農作物を農家から買い取る際の「最低保証価格」引き上げなどの公約にひかれたためだ。しかし、それらの多くは未達成。「彼は月ほどの援助をくれると約束したが石ころももらえなかった。発展の恩恵は農村にはまったくない」と、妻のチャヤさん(45)は話す。
 原料費や設備投資費が高騰する一方、農作物は供給過剰状態にあり価格は下落する。13億の人口の6割に当たる農業従事者の困窮は深刻だ。全国で毎年1万人以上の農業関係者が自殺しているとみられ、農家が特に多いマハラシュトラ州は15~18年に約1万2千人が自ら命を絶った。
 政府は19年度予算で低所得農家を対象にした補助金支給を打ち出したが選挙対策の“バラマキ”という色彩が強い。継続性には疑問符が付き、生活改善に直結するかは不透明だ。
 発展の恩恵が得られていないのは農村だけではない。「モディは何もしてくれなかった」。首都ニューデリーの無職、ジャティン・クマールさん(24)はつぶやいた。昨年、インド最難関の大学の1つ、デリー大学を卒業したが職が見つかっていない。
 インドで労働力の中核となる生産年齢(15~64歳)人口は年間1千万人を超える勢いで増加する。経済成長の一方で雇用創出が追いついていないのが現状だ。昨年、インド国有鉄道が募集した6万3千の求人には1900万人が応募した。
 民間調査によると、2月時点の失業率は7・2%だが、モディ政権はここ数年失業率を公表していない。実態は不明で、「意図的に悪い数字を隠蔽している」と批判が集まる。
 毎年7%前後の経済成長を遂げながら、成長の果実が行き渡っていないインド。経済格差は拡大し、上位1%の富裕層が社会の富の約半分を所有しているとされる。「総選挙ではこうした内政面の諸課題は、ナショナリズムの高揚とそれを利用したBJPの選挙戦術でかき消された」と、印シンクタンクブルッキングス研究所インドセンター」のサフリ・アリ研究員は分析する。
 財源も限られる中、「実感なき成長」に対し、どれだけ実効性のある施策が打てるかは不明だ。選挙大勝の陰の内憂を抱えたまま、第2期モディ政権は船出することになる。

という批判もあったのにモディが勝利したことは実に残念です。
 西海氏は
1)選挙直前のカシミールでのパキスタン軍との衝突を利用しモディがヒンズーナショナリズムをあおるとともに「自らを強い指導者とアピール」、「世襲政治家の若造(国民会議派党首のラフル・ガンジー*13のこと)に何が出来るのか」と国民会議派を攻撃したこと
2)「モディの経済政策への批判が出始めてる(上の産経記事【モディ印政権2期目へ】行き渡らぬ「成長の果実」(1/2ページ) - 産経ニュース参照)」というのにその点を国民会議派が十分攻めきれなかったこと
3)選挙直前にモディが露骨なばらまきを行ったこと
があるとみています。しかし産経もインドの選挙だと「総選挙ではこうした内政面の諸課題は、ナショナリズムの高揚とそれを利用したBJPの選挙戦術でかき消された」「選挙大勝の陰の内憂を抱えたまま、第2期モディ政権は船出する」なんて書いて「勝てば官軍じゃないんだ」「モディがヒンズー極右で隣国パキスタンに敵対的だからインドの将来が不安だ*14」とまともなことが書けるんですね。安倍のことだと平気で「国民多数に支持されて長期政権なのに文句があるのか」と平気で居直りますが。


■中国・経済減速化の雇用対策(平井潤一)
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

中国、雇用対策急ぐ 李首相「大失業防げ」 (写真=ロイター) :日本経済新聞
 中国が雇用対策を急いでいる。米国との貿易戦争で雇用への打撃が表面化*15しているからだ。国務院(政府)は1千億元(約1兆6千億円)を原資に、3年間で計5千万人に職業訓練を受けさせる。国務院には雇用問題の特別チームも設置した。米国による追加関税上げで失業が広がりかねず、社会の動揺を防ぐためにも雇用創出に全力を挙げる。
 「大規模な失業を起こさないという最低ラインを守れ」。
 5月13日、李克強*16(リー・クォーチャン)首相は雇用と創業に関する会議を緊急に開き、ハッパをかけた。
 国務院は失業保険の剰余金から1千億元を捻出し、2019年から職業訓練を本格化する。対象は工場で働く技能工、農民工、失業者らで19年は1500万人が参加する。
 国務院は「就業工作指導小組」を5月14日付で設置した。小組の組長には胡錦濤(フー・ジンタオ)*17国家主席、李氏らを輩出した共産主義青年団共青団)出身の胡春華*18副首相が就いた。李氏は3月の全国人民代表大会での演説で、雇用対策を経済運営の最重要課題に据えた。胡氏に重要政策を任せて経験を積ませる狙いもありそうだ。
 中国では雇用悪化が進む。1~4月の都市部の新規雇用は計459万人で前年同期より12万人少ない。単月では2カ月連続で前年割れだ。
 気がかりなのは、大卒ホワイトカラーの雇用も悪化していることだ。求人サイトの猟聘網によると、ホワイトカラーの求職者に対する求人数の割合は19年3月に0.74と求職者が求人数を大幅に上回った。18年1月は1.25だったので急激に悪化してきた。


■高等教育の無償化をテーマに大学フォーラムがシンポジウム
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
赤旗
高等教育の無償化を/大学フォーラムがシンポ


特集『「安倍軍拡」批判』
■市民と野党の共闘で安倍改憲に終止符を(渡辺治*19
(内容紹介)
 内容としては「1人区の野党共闘で1議席でも勝利しよう」つう話です。複数区はなかなか難しい話があるので「議論は特にしない」ことは渡辺氏も断っています。

参考
主張/参院選と憲法/改憲断念させる国民の審判を


■武力に寄らない安全保障は可能だ(川田忠明*20
(内容紹介)
 北朝鮮問題でのイージスアショア導入論が一番わかりやすいでしょうが安倍は「北朝鮮の脅威ガー」ばかりいうわけです。
 ただそれも川田氏が指摘するように「トランプ・金正恩会談」によって説得力が薄れつつありますが。


アメリカの戦略に追従する大軍拡(竹内真
■F35の大量購入と日本の防衛産業(山崎文徳)
(内容紹介)
 「高額軍用機であるf35を大量購入」など軍拡する必要があるのか、つう話です。
 もちろん
1)そんな事が必要な軍事危機がどこにあるのか
2)そんなことをして財政危機にならないか
3)科学研究費や教育・福祉の分野の予算が削られて問題ではないのかつう話です。

参考
シリーズ 暮らし圧迫 大軍拡/F35 147機 総額6.2兆円 中期防単価公表/1機116億円 維持費307億円 さらに上回る可能性 30年運用
主張/米製兵器“爆買い”/異常な言いなり、浪費をやめよ
F35B 寿命10年か/米国防総省 想定の4分の1/18年度 欠陥3仕様941件 まさに“浪費的爆買い”
安倍政権の“浪費的爆買い”/F35戦闘機 欠陥把握せず/衆院予算委 宮本徹議員に防衛相答弁
米政権の要求で「爆買い」/F35A 966件の欠陥指摘 共産党が追及
試験飛行でも不具合/F35墜落 欠陥対策把握せよ/本村氏追及
主張/F35戦闘機の墜落/「欠陥機」の大量導入をやめよ
F35 さらなる値上げ/米メディア報道 日本も導入進める
F35機墜落原因究明を/井上氏 取得計画の中止求める
F35B墜落 米、燃料管の欠陥認定/政府監査院 117機で交換必要
F35A1機で4000人分保育所/「爆買い」やめて待機児解消 安心の子育て・福祉の道を
主張/F35の墜落事故/未完成機“爆買い”の愚やめよ


■AIの軍事利用の問題(小金澤鋼一)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
主張/「殺人ロボット」/規制・禁止へ国際的合意つくれ


■安保法制成立以後の自衛隊と安倍政権(纐纈厚*21
(内容紹介)
 『検証・新ガイドライン安保体制』(1997年、インパクト出版会)、『有事法制とは何か』(2002年、インパクト出版会)、『文民統制自衛隊はどこへ行くのか』(以上、2005年、岩波書店)、『集団的自衛権容認の深層:平和憲法をなきものにする狙いは何か』(2014年、日本評論社)、『暴走する自衛隊』(2016年、ちくま新書)、『自衛隊加憲論とは何か』(2019年、日本機関紙出版センター)で戦後日本の安保問題を論じてきた纐纈氏に寄る現時点での分析(安保法制など法的な面で軍拡への分析)です。重要なことは纐纈氏だけでなく、浅井基文氏なども指摘していますが、よかれあしかれ「自民党の安保構想」は「日米安保」を基礎にしていると言うことです。その意味で「日米安保をどう評価し、どう扱うか」と言う問題抜きでは安保についての議論は出来ません。まあ、俺も浅井氏も纐纈氏も「日本は軍事同盟(日米安保)をやめ、軍縮と平和外交による軽武装中立の道を歩むべき」と言う点では一致しているかと思います。


■米国の宇宙軍拡とミサイル防衛体制(藤岡惇*22
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
主張/米ミサイル防衛/不毛な宇宙軍拡に加担するな


■大企業の三月期決算と景気の行方(小栗崇資*23
(内容紹介)
 日本企業、特に大企業の経営は「輸出依存」であり極端な「内需軽視が特徴」というのが小栗氏の見立てです。その結果、米中経済摩擦がもろに影響し、企業収益が悪化し、景気の後退も懸念されるとしています。
 そこで小栗氏は
1)消費税減税、福祉の充実などによる内需拡大
2)日本がEU諸国などと強調し、米中摩擦を解消する方向で動くこと
を求めています。どちらも今の安倍にやる意思や能力があるか疑わしい点が問題ではありますが。 

*1:著書『企業別組合は日本の「トロイの木馬」』(2017年、本の泉社)、『あなたは何時間働きますか?:ドイツの働き方改革と選択労働時間』(2018年、本の泉社)など

*2:著書『ユーロは絶対に崩壊しない:米英マネー資本主義に立ち向かうEUの大陸資本主義』(2016年、幻冬舎ルネッサンス新書)、『エマニュエル・マクロン:フランスが生んだ革命児』(2017年、幻冬舎

*3:著書『ニッポンの評判:世界17カ国最新レポート』(編著、2008年、新潮新書

*4:ジョスパン内閣で職業教育大臣

*5:朝日、読売、毎日、日経で見事に「産経は無視」です。

*6:イスタンブル市長、首相を経て大統領

*7:ダバオ市長を経て大統領

*8:人口の14%とは言っても、インドは分母がでかいですからね。全人口が13億ですから、約1億8千万人のイスラムがインドにはいるわけです(勿論一カ所に固まって済んでるわけではありませんが)。イスラム国「パキスタン」の全人口が約2億人、同じくイスラム国「バングラデシュ」の全人口が約1億6千万人。日本の全人口が1億3千万人ですから「インドのイスラム」は相当の人数です。日本やバングラデシュの人口より多く、パキスタンとほぼ同じくらいのわけですから(以上はウィキペディアを参照)。「人数が少なければ差別していい」わけではもちろんない。しかし、これだけの人数に差別的待遇なんかしたら本当に恐ろしいことになりかねません。しかし「ウイグル問題」なんかよりある意味深刻(ウイグルは一国の一部だが、インドは国全体であるとか、独裁ではなく民主的な選挙によって差別が正当化されてるなどの意味で)なのにイスラム諸国の反応が「中国のウイグル問題同様に」鈍いのはやはり「中国の時と同様」に「インドが経済大国だから」でしょうか。それにしても「イスラムウイグル)が中国で差別されてる」と騒ぎ立てるウヨ連中がインドのこうした「イスラム差別」事態にだんまりなのは予想の範囲内ですが全く酷いもんです。

*9:この朝日記事については以前今日の産経ニュース(6/19分)ほか(追記・修正あり) - bogus-simotukareのブログでもコメントしてます。

*10:神話を史実扱いとは「神武天皇は実在」という桜井よし子といい勝負です。なるほど確かに櫻井よしこが言うように「ヒンズー右翼がでかい面をするインドと神道右翼がでかい面をする日本は価値観が共通」しています(勿論皮肉)。どっちもろくな国ではありません。

*11:1910~1949年。1948年1月30日にマハトマ・ガンディーを暗殺した、ヒンドゥーナショナリズムを信奉する右翼の活動家。ヒンズー右翼結社・民族義勇団の元メンバー。1949年11月15日に絞首刑となった。2014年、ヒンズー主義のインド人民党が政権に就くと、ヒンドゥー大連盟はゴドセの復権を試み、彼を愛国者として讃えるようになった。ヒンドゥー大連盟はナレンドラ・モディ首相に、ゴドセの胸像を設置するよう求めた。また2015年1月30日、ドキュメンタリー映画愛国者ナトラム・ゴドセ』が、ガンディー暗殺の日にあわせて公開された(ウィキペディア『ナトラム・ゴドセ』参照)。

*12:安重根をテロリスト呼ばわり(安倍自民)するのが馬鹿げてる反面、「ガンジー暗殺犯はむしろ愛国者」と言う連中(ヒンズー過激派)が「テロ容認で異常」なのは言うまでもないでしょう。こんなん(日本で言えば日本会議みたいな極右)に担がれてるモディは「インドの安倍晋三」みたいなもんでしょう。正直「産経は習近平氏を一党独裁だと非難するけど、むしろ『民主政治家』モディの方が気が狂ってて問題なんじゃねえの?。習氏の方がずっとまともじゃねえの?」と思わずにはいられません。いずれにせよこんなふざけたRSSの態度には国民会議派イスラム教徒も「怒り心頭&恐怖」でしょう。

*13:ネール元首相のひ孫、インディラ・ガンジー元首相の孫、ラジブ・ガンジー元首相の息子

*14:「安倍万歳の神道極右で、隣国を敵視しているくせに産経はよくいう」とは思いますが一応正論です。まあこのインド記事の書き手は比較的まともなのかもしれません。

*15:勿論そういう面はあるでしょうが「米中貿易戦争」がなければ雇用対策を中国が考えてないわけでもないでしょう。

*16:共青団中央書記処第一書記、河南省長・党委員会書記、遼寧省党委員会書記、第一副首相などを経て首相(党中央政治局常務委員兼務)

*17:共青団中央書記処第一書記、貴州省党委員会書記、チベット自治区党委員会書記などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*18:共青団中央書記処第一書記、内モンゴル自治区党委員会書記、広東省党委員会書記などを経て副首相

*19:著書『現代日本の支配構造分析』(1988年、花伝社)、『憲法はどう生きてきたか』(1989年、岩波ブックレット)、『戦後政治史の中の天皇制』(1990年、青木書店)、『「豊かな社会」日本の構造』(1990年、労働旬報社)、『企業支配と国家』(1991年、青木書店)、『政治改革と憲法改正中曽根康弘から小沢一郎へ』(1994年、青木書店)、『現代日本の政治を読む』(1995年、かもがわブックレット)、『日本の大国化は何をめざすか』(1997年、岩波ブックレット)、『日本とはどういう国か どこへ向かって行くのか』(1998年、教育史料出版会)、『企業社会・日本はどこへ行くのか』(1999年、教育史料出版会)、『憲法「改正」は何をめざすか』(2001年、岩波ブックレット)、『日本の大国化とネオ・ナショナリズムの形成:天皇ナショナリズムの模索と隘路』(2001年、桜井書店)、『構造改革政治の時代:小泉政権論』(2005年、花伝社)、『憲法9条と25条・その力と可能性』(2009年、かもがわ出版)、『渡辺治政治学入門』(2012年、新日本出版社)『安倍政権と日本政治の新段階:新自由主義・軍事大国化・改憲にどう対抗するか』、『安倍政権の改憲構造改革新戦略:2013参院選と国民的共同の課題』(以上、2013年、旬報社)、『現代史の中の安倍政権』(2016年、かもがわ出版)、『戦後史のなかの安倍改憲』(2018年、新日本出版社)など

*20:著書『それぞれの「戦争論」:そこにいた人たち(1937・南京〜2004・イラク)』(2004年、唯学書房)、『名作の戦争論』(2008年、新日本出版社

*21:著書『日本海軍の終戦工作』(1996年、中公新書)、『検証・新ガイドライン安保体制』(1997年、インパクト出版会)、『侵略戦争』(1999年、ちくま新書)、『有事法制とは何か』(2002年、インパクト出版会)、『近代日本政軍関係の研究』、『文民統制自衛隊はどこへ行くのか』(以上、2005年、岩波書店)、『聖断虚構と昭和天皇』(2006年、新日本出版社)、『監視社会の未来:共謀罪・国民保護法と戦時動員体制』(2007年、小学館)、『憲兵政治:監視と恫喝の時代』(2008年、新日本出版社)、『私たちの戦争責任』(2009年、凱風社)、『田中義一』(2009年、芙蓉書房出版)、『「日本は支那をみくびりたり」:日中戦争とは何だったのか』(2009年、同時代社)、『侵略戦争と総力戦』(2011年、社会評論社)、『領土問題と歴史認識:なぜ、日中韓は手をつなげないのか』(2012年、スペース伽耶)、『日本降伏:迷走する戦争指導の果てに』、『日本はなぜ戦争をやめられなかったのか』(以上、2013年、社会評論社)、『集団的自衛権容認の深層:平和憲法をなきものにする狙いは何か』(2014年、日本評論社)、『暴走する自衛隊』(2016年、ちくま新書)、『逆走する安倍政治』(2016年、日本評論社)、『権力者たちの罠:共謀罪自衛隊・安倍政権』(2017年、社会評論社)、『[増補版]総力戦体制研究:日本陸軍国家総動員構想』(2018年、社会評論社)、『日本政治史研究の諸相:総力戦・植民地・政軍関係』(2019年、明治大学出版会)、『自衛隊加憲論とは何か』(2019年、日本機関紙出版センター)、『戦争と敗北:昭和軍拡史の真相』(2019年、新日本出版社)など

*22:著書『グローバリゼーションと戦争』(2004年、大月書店)

*23:著書『アメリ連結会計生成史論』(2002年、日本経済評論社)、『内部留保の経営分析』(編著、2010年、学習の友社)、『株式会社会計の基本構造』(2014年、中央経済社)、『内部留保の研究』(編著、2015年、唯学書房)など