今日の産経ニュースほか(2020年11月19日分)

【戦後75年 第7部 教育(1)】教科書問題 つくる会 一発不合格の衝撃 - 産経ニュース
 どう見ても「商売敵を潰すための育鵬社(産経グループ)の謀略」だろうに良くもこんな記事が書けたもんです。「育鵬社以外」にとっては確かに衝撃でしょうが。


国連総会で拉致被害者の即時帰還求める決議 16年連続で採択 | 拉致 | NHKニュース
 「16年連続」てその16年間ずっと拉致問題で進展がなかったのだからこんな決議は少なくとも「拉致の解決」と言う意味では何の価値もありません。


国連の北朝鮮非難決議に加藤長官「拉致問題に国際社会が強い懸念」 - 産経ニュース
 「その非難決議とやらで拉致が解決するのか」で終わる馬鹿話です。過去にこの種の北朝鮮非難決議はたくさんあるわけで、もちろんそれらは拉致の解決には全くつながっていない。
 おそらく加藤官房長官に拉致を本気で解決する気が無いからこういうバカを平気で言える。


憲法審でも「鬼滅の刃」 自民・船田氏「緊急事態条項に『全集中の呼吸』で」 - 産経ニュース
 そもそも発動しようと思えば今すぐ発動できる現行法(新型コロナ特措法)の「緊急事態宣言」すら、自民党政権は「コロナ不況が怖くて発動できない」「財界や業界団体(観光業、外食産業、デパートなどの小売業など)の反発が怖くて(以下略)」であるのに何を馬鹿なことを言ってるのかという話です。
 そして本気で「緊急事態条項ガー」というなら、今すぐ「gotoキャンペーン(トラベルとイート)を中止すべき」でしょう。
 「gotoは辞めない。マスクや手洗いなど感染予防をすれば何の問題も無い。新型コロナ特措法の緊急事態宣言も発動しない。しかし緊急事態条項改憲は必要だ」なんて馬鹿な話がどこの世界にあるのか。
 そもそも緊急事態宣言にせよ緊急事態条項にせよ「魔法の杖」ではありません。発動したところで「新型コロナ重症者用のICUなどが増える」訳でも何でもない。新型コロナについては緊急事態宣言だの緊急事態条項だのと言う「抽象的な話」よりもむしろ「新型コロナ重症者向けの病床をどう確保するか」などの具体策の方がよほど大事です。


大阪知事「病床トリアージやる」 重症者増加で方針 - 産経ニュース
 「医療崩壊ではない」と強弁する吉村ですが、どう見ても医療崩壊でしょう。


酒気帯び運転の元TOKIO・山口さん「罪を償っていく」 兄コメントも(1/2ページ) - 産経ニュース

 弟はジャニーズ事務所退所後、専門医の診察の結果アルコール依存症との診断を受けておりました

 やはり「予想通り」アルコール依存症だったようですね。


元朝日新聞記者の敗訴確定 最高裁、慰安婦記事巡り - 産経ニュース
 「捏造学者呼ばわり」した維新議員を名誉毀損で提訴した「慰安婦研究の第一人者」吉見義明氏を不当にも敗訴させた最高裁では予想の範囲内ですが無茶苦茶すぎて呆れますね。もはや日本には「三権分立など無い(自民党に忖度して平気で不当判決を出す)」ということを改めて実感します。
 なお、産経や櫻井よしこ西岡力などはデマるでしょうが、吉見氏の件にしても、植村氏の件にしても「故意、過失が認められなかっただけ(その「故意過失を認めない=違法行為と認めない」論理として裁判所によって酷い詭弁が発動されるわけですが)」で吉見氏や植村氏を捏造呼ばわりすることが「正しい=事実である」と裁判所は認定したわけでは全くありません(これについては例えば澤藤統一郎の憲法日記 » 安倍晋三は、自らのフェイク投稿を削除せよ。参照。それにしても澤藤氏も憤っていますが安倍のクズぶりには改めて呆れます)。
 むしろよしこらの主張は「事実に反する虚偽だ」と認定されています。
 例えるならば「殺人だが正当防衛や緊急避難なので違法性がない」「確かに過失で人が死んだが軽過失であり、こんな軽過失にまで刑事責任や民事賠償責任を問うのは苛酷であるから無罪」「殺人だが精神病なので心神喪失が成立し無罪」「確かに犯罪だが起訴時点では時効が成立してるので無罪」というような論理で維新議員や櫻井よしこ、西岡らは民事賠償責任を負わなかったに過ぎません。むしろよしこらの行為は「虚偽発言であること」はきちんと認定されています。ただし俺はそうした「故意・過失否定」による違法性否定がまともだとは思いませんが。
 例えるなら「正当防衛じゃなくて明らかに警官の違法殺人だろ!」「心神喪失じゃなくて詐病だろ!」みたいな話ですね。
 いずれにせよ、そこで「人は死んでない」だの「人は死んだが私のせいじゃない」だの言ったら嘘になりますが、そういうレベルの嘘(捏造呼ばわりは正しい)をつきかねないのがよしこらですね。

参考
名誉棄損裁判で植村隆氏の敗訴が確定したが、勝訴した櫻井よしこ氏こそが誤りを認めて謝ったことは知られてほしい - 法華狼の日記
 まあ、上に書いたように「よしこが事実を書いた」ではなく「客観的には虚偽記事だが、賠償しなければならない違法性はない」つう判決ですからねえ。

「珍右翼が巣くう会」メンバー・黒坂真に突っ込む(2020年11月19日分)

黒坂真リツイート
 宮本徹議員は、明治日本、大日本帝国は極悪国家とお考えなのでしょうね。日本共産党員には明治日本が膨張するロシアの脅威に直面していた事はわからない。日本共産党員には(ボーガス注:韓国を併合した)明治日本が凶悪な侵略国家と思える。
◆宮本徹*1
 選択的夫婦別姓にしたら、家族の絆が壊れるというのは、家族観が歪んでます。世界で夫婦同姓を強制しているのは日本だけ。選択制なので不利益をこうむる人は誰もいない。政治家がいつまでも明治の考え方で、足を引っ張るのはやめてほしい。
選択的夫婦別姓に異論 自民有志、25日に「絆」議連設立へ - 産経ニュース

 いつもながら「はあ?」の黒坂です。
 宮本ツイートが例えば「韓国併合は悪しき植民地支配だった」というなら黒坂のツイートも「是非はともかく」まだ理解は出来る。
 何で「夫婦別姓反対は明治の古い考えで時代にマッチしてない」つう宮本ツイートにそういうリツイートになるのか。「夫婦別姓」と「戦前日本の侵略や植民地支配」は何一つ関係が無い。
 「お前はボットか?」ですね。
 まとも(?)な「夫婦別姓反対」の人間なら「古い考えじゃない、宮本は間違ってる」「夫婦同姓は今後も必要だ」とリツイートするでしょうにねえ。
 正直、ここまで非常識なウヨというのは俺は黒坂の他に知らないですね。しかもそれが「大阪経済大学教授」。「大阪経済大って、皇學館、國學院国士舘、拓殖(荒木和博が教授)、明星(元「つくる会副会長」高橋が以前教授だった)、麗澤(ウヨ宗教モラロジー系列、元産経・古森、元「つくる会副会長」高橋、日本教育再生機構理事長・八木が現在、教授)とかの仲間なんですか?(全てウヨ大学)」と大学執行部に聞きたくなります。
 ちなみに宮本徹 - Wikipediaによれば宮本議員の戸籍名は「染矢(妻の姓?)」であり「宮本」は旧姓のようです。

*1:参院議員。日本共産党中央委員

高世仁に突っ込む(2020年11/18日分)(ボーガス注:松本清張『砂の器』『ゼロの焦点』、鮎川哲也『黒い白鳥』の一部ネタバレがあります)

拉致はなぜ放置されてきたのか - 高世仁の「諸悪莫作」日記

 15日は横田めぐみさんが43年前に拉致された日だ。

 「えー、まだ、拉致関係でくだらない寝言書くの?。ジンネットが倒産したのに?。横田滋が死んだのに?」ですね。15日の記事では何も書かなかったので「もう拉致については書かないのか?」と思っていたのですが。

早紀江さん(84)が14日に会見して「すぐ隣の国なのに、どうしてこんなに長く解決できないのか。子どもたちを返してください」と訴えた。

 「すぐ隣の国」ならすぐ解決するのなら「竹島問題」「北方領土問題」「中国残留日本人孤児問題」などなかったでしょう。
 そして早紀江には「近くて遠い国、て言葉を知ってる?」と聞きたくなります。ちなみに最近ではあまり使われなくなった気もしますが、これは「歴史認識問題を抱える日韓関係(距離は近いが深い友好関係があると言えるかは微妙)」を指す言葉です。
 何でこう早紀江はバカなのか。

 この現状を「異常な状態が起きている」とし、「主人があれだけ一生懸命頑張っても、一目も見ることができなかった。むなしいですよね」。

 早紀江ら家族会が、田中均氏に因縁付けて外務省退職に追い込んだり、蓮池透氏を家族会除名したりしたことは確かに「異常な事態」で「空しい」と思いますね。
 早紀江の場合そう言う意味で「異常な事態」「空しい」と言ってるわけでは勿論無いですが。そして「田中氏や蓮池氏に対して家族会がやった異常な行為」を考えれば現在、拉致が解決しないことは何ら異常ではありません。拉致解決のために奮闘している田中氏や蓮池氏に対してあんな無礼なことをやりながら早紀江も良くもふざけたことが言えるもんです。早紀江のようなバカには「軽蔑」「殺意」「憎悪」「憤怒」などといった「負の感情」しか俺はないですね。平たく言えば「くたばれ、早紀江のくず野郎」ですね。

 「異常な状態」という表現を使っているが、私も以前から、なぜ拉致という重大な犯罪が見過ごされてきたのかという基本的なことがずっと疑問のままだ。
 というのは、北朝鮮工作船を使って工作員を日本に送り込んでいたことはめぐみさん拉致のずっと前から分かっていたことだった

 やれやれですね。情報スパイとして工作員を送り込むのと、拉致のために工作員を送り込むのと全然違うでしょうに。
 「情報スパイとしての工作員密入国」は認識していたが、「拉致のための密入国」は当初認識できなかったということで十分理解可能な話です。別にそれは「見過ごされた」と言う話ではない。
 人間考えることはそんなに異ならないらしい - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)の紹介する元警視総監・米村敏朗氏の言葉

 1995年8月、警察庁外事課長となった私は、北朝鮮による拉致事件の捜査に直接かかわることとなった。その第一歩が横田めぐみさんの事件であった。ジャーナリストの石高健次氏の拉致事件に関する著書も繰り返し読んだ。そして一連の捜査結果を踏まえて、ある時上司にこう申し上げた。
「めぐみさんは北朝鮮によって拉致された可能性が高い。警察としてそう言うべきです」。
 いわゆる拉致認定である。また、拉致認定に依然として疑問を感じていた部下の一人にはこう言った。
「仮に間違っておれば腹を切る(辞める)しかない。しかし自分としては、拉致しか考えられない。親としてはなんとしても子供を見つけ出したい。いま、その道は拉致認定しかないのだ」

の通りでしょう。
 つうか今更「もっと早く北朝鮮拉致を認識できなかったか」「小泉訪朝よりももっと早く拉致被害者帰国が出来なかったか」などといって何か意味があるのか。それが今、拉致被害者帰国に何か役立つのか。
 そんなことよりもいますべき事は「どうやって拉致被害者を日朝交渉で取り戻すか」でしょう。
 そうした今すべき話をせずに

福田赳夫*1内閣(横田めぐみさん拉致が起こったときの内閣)は拉致を阻止できなかったのだろうか?。拉致を認識できなかったのだろうか?
福田赳夫内閣以降の内閣(大平*2内閣、鈴木*3内閣など)はもっと早く拉致を認識できなかったか?(政府の公式発言として拉致疑惑が認められたのは竹下*4内閣の宇野*5外相、梶山国家公安委員長答弁)
◆金丸*6訪朝の時に拉致被害者を帰国させることができなかったのか?
◆拉致疑惑を認めた梶山国家公安委員長(竹下内閣)はその後も宇野内閣通産相、海部*7内閣法相、自民党幹事長(宮沢*8総裁時代)、橋本*9内閣官房長官と言った要職を歴任した。それなのに梶山氏は拉致解決について何か出来なかったのか?
◆なぜ、小泉*10内閣まで拉致被害者が帰国できなかったのか

なんて話をして何の意味があるのか?。 しかしその「意味のない話」をするのが高世ですから心底呆れます。
 で、この「どうでもいいくだらない高世の与太話」は「つづく」そうです。「つづく」にも今後突っ込む予定です。
 ちなみに「話が脱線しますが」「放置してきた」つうなら、たとえば「ハンセン病差別」なんかの方が「拉致」なんかより、よほどそれに該当しますよねえ(例はハンセン病差別でなくてもいいですが)。
 「ハンセン病差別」を話の中に入れた映画『砂の器』(1974年、当時は田中角栄*11内閣)の公開後も、国が差別について正式に謝罪したのは「公開直後」ではなかったわけです。我々日本国民はずっとハンセン病差別を容認し続けてきた。
 単なる偶然ですが「ハンセン病差別への国の公式謝罪」も「拉致被害者帰国」もどちらも小泉政権の時代でしたね。

【参考:小泉首相の公式謝罪&砂の器

<『砂の器』 その10> : のすたる爺の書斎から
 映画化が遅れたのは、原作がハンセン病への偏見を助長するものであるという声が高かったからであるようだが、映画ではラストシーンに、こういう字幕が出る。

 ハンセン氏病は、医学の進歩で特効薬もあって、現在では完全に回復し、社会復帰が続いている。
 それを拒むものはまだ根強く残っている。非科学的な偏見と差別のみで、戦前に発病した本浦千代吉のような患者は、もうどこにもいない。
 しかし、
 たとえどのように旅の形は変わっても、親と子の宿命だけは永遠のものである。

 昭和18年、アメリカでハンセン病の治療薬「プロミン」の効果が発表されたが、当時の日本はアメリカと交戦中で情報が入らず、戦後の昭和21(1946)年に、日本でも「プロミン」の製造に成功して、ハンセン病が不治の病でなくなった。
 それにもかかわらず、日本では世界と逆行する形で、昭和28年に「らい予防法(新法)」を制定し、戦後も長く隔離政策を継続した。
 「らい予防法」が廃止され、隔離政策が法的に消滅したのは、平成8(1996)年のことである。
 映画の終わり近く。
 華やかな新進作曲家の偽りの人生、そうせざるを得なかった宿命を主題に作曲された曲「宿命」。ピアノを演奏する和賀英良の、顔のいたるところを汗、いや、汗だけではない、涙が一緒に頬を流れている。
 逮捕のために会場に来た今西刑事も、演奏を聴きながら、らせん階段の途中で動かない。ギュッと奥歯をかみしめて顔がこわばっている。

君は『砂の器』で泣けるか|TEKIKAKUのノート|note
・私の下宿には松本清張の『砂の器』が置いてある。新潮社の上下巻で、私の記憶違いでなければ母が学生の頃に買ったものだ。
・家庭でこの本が話題に挙がると、元の持ち主である母は必ず「『砂の器』は悲しい話だよ」と呟く。しかし私はこれに、まったく共感できない。
◆『砂の器』のあらすじ(えげつないネタバレあり)
・『砂の器』は、国鉄蒲田操車場内で男の殺害死体が発見されるところからはじまる。被害者は事件当夜、蒲田駅近くのトリスバーで連れの客と東北弁訛りで話しているのを目撃されていた。しきりに「カメダ」という言葉が話題に出ていたことから、刑事は「カメダ」という人名や地名を探して捜査を続けていくことになる。捜査が行き詰った頃、岡山県から来た養子の申し出により、被害者が「三木謙一」であることが判明。さらに、「中国地方で駐在をしていた養父が東北弁を話す筈がない」との証言も得る。刑事は困惑するが、島根県出雲地方が東北訛りに似た方言を話すことを発見し、さらに島根に「亀嵩」という駅があることを知る。刑事は亀嵩近辺で三木謙一の過去を探るが、被害者が他人から恨まれるはずのない好人物という評判を得るだけであった。
・地道な捜査の結果、ついに刑事は犯人を特定。それは、(中略)音楽家・和賀英良(本名・本浦秀夫)だった。
 英良こと秀夫は幼い頃、ハンセン病患者である父・本浦千代吉とお遍路姿で放浪を続けていた。彼が7歳になったころ、親子は亀嵩に到達。当時そこで駐在をしていた三木謙一に保護され、父は療養所へ、自分は三木の手元に置かれることになる。しかし、秀夫はすぐに亀嵩を失踪。誰かの元で奉公をして育った後、大阪空襲による混乱に乗じて戸籍を詐称。和賀英良として生きていく。
・殺人は、三木謙一の登場により「ハンセン病患者の息子」という暗い過去が暴かれるのを恐れた秀夫が起こした「同情すべき」ものだった。
◆なぜ、私は(ボーガス注:原作版)『砂の器』で泣けないのか
・私は決して感動しにくい女ではない。むしろかなり涙もろい方で、同じく松本清張の『ゼロの焦点』を新幹線で読んだときは、(ボーガス注:売春婦(パンパン)だった過去を隠蔽しようとして殺人に走る犯人に対して)号泣するあまり隣りの席の人に心配された。
・こんな涙腺激ヨワな私がなぜ『砂の器』で泣けないかというと、作品の中核である「ハンセン病患者とその家族の苦しみ」を全く知らないからだ。知らないから、(ボーガス注:映画と違い)「悲劇の回想シーン」や「気の毒な犯人の心情」が詳しく描かれていない(ボーガス注:原作バージョンの)この作品を読んでも、(ボーガス注:和賀英良こと本浦)秀夫の心を想像できない。刑事の口を借りた松本清張が「その動機は同情に値する」と言っても、「ハァ?、殺人はあかんやろ」としか思えないのだ。​
 私は1997年生まれで、新潟県中越地方で教育を受けた。「道徳」や「総合」で人権教育を受けた記憶はあるが、学習内容は同和問題と呼ばれるもの*12に絞られていた気がする。ハンセン病のことは小学校から高校に至るまで、まったく触れなかった。人権教育は地域によって特色の違うカリキュラムなので一概には言えないが、多くの同世代の人達も同じなのではないかと思う。
 現在、患者の高齢化によってハンセン病差別は風化の危機に晒されている。風化はなかったことになるだけであって、差別がなくなったことにはならない。いつか風化が進み切り、社会派ミステリとしての『砂の器』が完全に無力になる日が来るのかと思うと、たいへん無念である。

映画「砂の器」が理解されない時代を喜ぶ - ちぎれ雲
・年をくってしまってから映画を見ると、映画の中の人間関係が薄っぺらく見えたり、展開がちゃちに見えたり、ああ若いうちに見たかったなとか、つまらなく思うことが多いのですが、「砂の器」は久しぶりに満足しました。確かにこれは日本を代表する名作でしょう。
・ところで、「どこが感動的なのかわからなかった」という若い人の感想を読んで、なるほどなーと感心(?)しました。というのは、その若い人には、どうして病気の親子がここまで迫害され虐められて放浪しなければならないのか、さっぱりわからないからでした。確かに、過酷な状況で互いを思う親子の姿は、涙を誘うことに間違いはないでしょう。でも、どうしてそんな状況に置かれるのか、また、それがどうして殺人事件にまで発展するのか、ハンセン病の予備知識がなければ理解できないのです。
・映画の中盤、(ボーガス注:丹波哲郎演じる刑事が)刑事が(ボーガス注:父子が故郷を捨てて放浪の旅に出たあげく、和賀が殺人を犯してまで隠したかった)父の病について「それは癩病だったのです!」と明かすシーンがあります。
 このシーンは本当は、観客からどよめきが起こるような、もしくは観客がガビーン!と動揺するショッキングなシーンだったのではないかと思います。
 でも、私も含めて今の観客は、「癩病だったのです!」と告白されても「ふーん」といまいち淡白でしょう。この「わからなさ」というか「とりたてて動揺しない具合」というのは、私は実は喜ばしいことだと思うのです。なぜなら、「そうなのね、だから何?」と思う現代人には、せいぜい「見た目が、(ボーガス注:映画『エレファントマン』のエレファントマンみたいに)近付きたくなくなるくらい酷いことになるらしいよね。不治の病だったらしいね」という感覚しかなくて、「業病」という感覚がないからです。
 なので「砂の器」はテレビドラマでリメイクされる度に、ハンセン病の設定がなくなって、「殺人者の息子」の設定になったりしたそうですね。
 これは単にハンセン病患者さんに配慮してというよりも、「親の因果が、逃れられない宿命となって子にふりかかる、その宿命の中でもがきながら生きる子、でもやっぱり逃れられない」という映画のテーマを表現するためには、ハンセン病がもう「通用しない設定」だったからだと私は思います。現代は「親が殺人者」というくらいしか、「世間からもヒソヒソされて、子供が重く背負ってもがく設定」ってないじゃないですか。
 それでも!。今現代では、たとえ殺人者の子供であっても「親は親、子は子」という考え方が浸透してきているのでして、せいぜい「変な親に育てられたら子供も変かも?」という偏見はあっても、「親の業が子の宿命に」という文脈で子供を見る考え方は、一昔前に比べて格段に弱まっているのではないかと思うのです。(それでも偏見はあって、深く苦しんでいる子供の方々は多いと思いますが。それでも)
 そう思うと、「殺人者の息子」という設定を持ち出してもなお、もう「砂の器」を表現することは不可能なわけです。
 ハンセン病に対する誤ったイメージや考え方を心の底に持っていないとこの映画の真の感動に辿り着けないように、また、現代ではどんな設定でもってもこの映画をリメイクすることができないように、現代の「砂の器」の"理解できなさ"は、私は実に喜ぶべきことだと思います。おそらくこの映画はもう「過去の映画」なのでしょう。
 「砂の器」はあくまで過去の時代を映し出した映画で(映画の中で描かれた時代ということではなく、製作・公開された昭和40年代の時代を)、過去のものであることを素直に喜びたいと思うのです。

好きっちゃ9:「砂の器」の背景 差別と偏見 門司 /福岡 - 毎日新聞2018年2月3日
 門司区田野浦市民センターで後期人権市民講座があり、「清張の会」事務局長の上田喜久雄さん(75)が、松本清張推理小説砂の器」の背景になったハンセン病患者への差別と偏見について語った。
 上田さんは、「父はハンセン病患者だった*13」の著書がある林力さんの言葉を借りて、根深い偏見が小説の悲劇を生んだと解説
(この記事は有料記事です。)

ハンセン病:歴史、正しく理解を 「砂の器」題材に人権講座、「清張の会」事務局長が講師 小倉南 /福岡 - 毎日新聞2019年7月11日
 松本清張の代表作でハンセン病問題を取り上げた推理小説砂の器」を題材にした人権講座が10日、小倉南区の若園市民センターで開かれた。清張作品の愛好家でつくる「清張の会」事務局長、上田喜久雄さん(76)が講師を務め、「ハンセン病の歴史を正しく理解することが差別、偏見をなくすことにつながる」と訴えた。
 「砂の器」は、ある事件の捜査の過程で、ハンセン病にかかった父と子の過去がひもとかれていく物語。国の誤った隔離政策と患者や家族に向けられた社会の視線も描かれた。
(この記事は有料記事です。)

https://www.nishinippon.co.jp/item/n/439597/2018/8/8
 映画やテレビドラマの原作になる小説を数多く残した松本清張に、「原作を超える」と言わせた映画が3本*14ある。筆頭は「砂の器」(1974年)。
▼映画「砂の器」を見た人は、ハンセン病の父親と幼い息子が故郷を追われ放浪する回想シーンに心を揺さぶられる。
▼放浪するシーンは原作にはない。野村芳太郎監督から脚本を任された橋本忍さん(先月19日死去)が、原作では「故郷福井を出た後、どうやって島根にたどり着いたかはこの親子しか知らない」とされる部分に映画としてのメッセージを紡いだ
▼脚本を手伝った山田洋次さんと一緒に創出した。ただ、費用がかかり過ぎるというのでお蔵入りになり、橋本さんが独立プロダクションを設立するまで日の目を見なかった。「脚本家・橋本忍の世界*15」(村井淳志*16著、集英社新書)に詳しい
小泉純一郎元首相は首相になるずっと前にこの映画を見たそうだ。長い放浪生活の果てに息子から引き離され隔離された父親を、後年、(ボーガス注:丹波哲郎演じる)刑事が療養所に訪ねる場面にひどく感動したという。その場面も原作にはない*17
▼隔離政策に対するハンセン病国家賠償請求訴訟で、一審敗訴の国は控訴せずに謝罪した。当時の小泉首相が最終決断した。自然な気持ち*18だったようだ。

「砂の器」劇場で鑑賞しました! | 弁護士法人 小樽法律事務所のニュース | まいぷれ[小樽市]2019/09/19
 映画「砂の器」(1974年)を札幌シネマフロンティアのスクリーンで鑑賞しました。
 原作のある映画は,なるべく原作→映画 の順で鑑賞するようにしており,たいてい「原作のレベルに届いていない・・・。」とガッカリするのですが,本作は(観た方にはお分かりのとおり)音楽や映像がとても効果的で,これぞ映画!!と唸らされました。
 未見のかたは,是非いちどご鑑賞ください。
 ところで,本作は(いわゆる)ハンセン病患者に対する厳しい差別を背景としています。
 今世紀初頭,小泉純一郎政権のときに,ずっと昔にハンセン病の治療法が確立していたにもかかわらず隔離政策を続けてきたことについて,行政府・立法府が謝罪をし,その後(大分遅れて)司法府も謝罪をしました。
 「砂の器」の原作(松本清張)は,これに40年(!)も先立つ1960年代初めに書かれており,いかに先進的であったか痛感されます。
 さて、令和を迎えた現代,(ハンセン病に限らず)「いわれない差別はなくなった」と言えるでしょうか?

【参考終わり】

【参考:ゼロの焦点

<「ゼロの焦点」 その8> : のすたる爺の書斎から
 自分の過去の犯罪がバレないように、殺人を犯す*19男の物語(「顔」「声」「共犯者」)をいくつか、松本清張は書いている。水上勉飢餓海峡』も、それにあたるが、『ゼロの焦点』や、同じ作者による『砂の器』は、犯罪というわけでもないが、人に知られたくない、自分の「忌まわしい過去」を知っている人物を殺す物語で、どちらの小説も、殺される人物が、加害者に対して、悪意を持たない人であるだけに、やりきれない。

yuブログ 鮎川哲也「黒い白鳥」
 なんと犯人の犯行動機が松本清張の「ゼロの焦点」と同じ。
 どっちが先に書かれたものだろうと思ったが、本書に収録されている「創作ノート」を読んだところ、なんとこの2作品、同時期に同じ雑誌「宝石」に連載されていたとか。こんな偶然もあるんですね。

鮎川哲也の名作「黒い白鳥」を久々に読む | フリーライター坂本紀男ブログ
 犯人の動機は同時期の松本清張ゼロの焦点」に類似するが、それだけ当時は身近な関心事だったということである。

<「ゼロの焦点」 その9> : のすたる爺の書斎から
 松本清張が『ゼロの焦点』を、雑誌「宝石」に連載中の昭和34年7月、同じ雑誌に、鮎川哲也の『黒い白鳥』の連載(7月号から12月号)が始まった。
 『黒い白鳥』の連載が進むや、この作品の殺人事件の真相が、過去に恥ずべき経歴(大阪飛田の遊郭に身を置いていた)を持ち、今では結婚して、幸せな生活を送っている女性が、前歴を知られたくないために人を殺す…ということが明らかになり、この偶然に、松本清張鮎川哲也は、ともに驚いたというが、戦後の混乱から、そう遠くない時代であり、それほど特異な設定ではない。
 『黒い白鳥』は、昭和34年12月に、『ゼロの焦点』は、翌35年1月に連載を終了。鮎川哲也は、この作品(『黒い白鳥』)と、同じ年の11月に刊行した『憎悪の化石』の2冊で、第13回探偵作家クラブ賞を受賞し、(ボーガス注:人気)推理小説作家の仲間入りをする。

【参考終わり】

 きのう紹介した新座市の平林寺

ということで「平林寺」話を続ける高世です。

おや、あの人がここに眠っているのか、と興味をひかれたのは松永安左エ門の墓だ。

 松永については松永安左エ門 - Wikipedia人|人と武蔵野と文化と|野火止 平林寺 公式サイト | 臨済宗 妙心寺派を紹介しておきます。

数年前、日本の電力事業の歴史を番組にしようと調べたことがあった。企画はぽしゃったのだが、そのとき、「電力王」、「電力の鬼」と呼ばれた松永の存在を知った。

 「会社が潰れたのに未だにジャーナリスト面かよ、バカか、手前(苦笑)」ですね。

*1:大蔵省主計局長から政界入り。岸内閣農林相、自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)、佐藤内閣蔵相、外相、田中内閣行政管理庁長官、蔵相、三木内閣副総理・経済企画庁長官などを経て首相

*2:池田内閣官房長官、外相、佐藤内閣通産相、田中内閣外相、蔵相、三木内閣蔵相、自民党幹事長(福田総裁時代)などを経て首相

*3:池田内閣郵政相、官房長官、佐藤内閣厚生相、福田内閣農林相、自民党総務会長(佐藤、田中、大平総裁時代)などを経て首相

*4:佐藤、田中内閣官房長官、三木内閣建設相、大平、中曽根内閣蔵相、自民党幹事長(中曽根総裁時代)などを経て首相

*5:田中内閣防衛庁長官自民党国対委員長(三木総裁時代)、福田内閣科学技術庁長官、大平内閣行政管理庁長官、中曽根内閣通産相、竹下内閣外相などを経て首相

*6:田中内閣建設相、三木内閣国土庁長官福田内閣防衛庁長官自民党国対委員長(大平総裁時代)、総務会長、幹事長(中曽根総裁時代)、中曽根内閣副総理、自民党副総裁(宮沢総裁時代)など歴任

*7:自民党国対委員長(三木総裁時代)、福田、中曽根内閣文相などを経て首相

*8:池田内閣経済企画庁長官、佐藤内閣通産相、三木内閣外相、福田内閣経済企画庁長官、鈴木内閣官房長官、中曽根、竹下内閣蔵相などを経て首相。首相退任後も小渕、森内閣で蔵相

*9:大平内閣厚生相、中曽根内閣運輸相、海部内閣蔵相、自民党幹事長(宇野総裁時代)、政調会長(河野総裁時代)、村山内閣通産相などを経て首相

*10:宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相などを経て首相

*11:岸内閣郵政相、池田内閣蔵相、佐藤内閣通産相などを経て首相

*12:つまり被差別部落問題

*13:2016年、解放出版社

*14:残りの2本が何かは俺がググった限りではよく分かりません。

*15:2005年刊行

*16:著書『歴史認識と授業改革』(1997年、教育史料出版会)、『「いのち」を食べる私たち:ニワトリを殺して食べる授業』(2001年、教育史料出版会)、『勘定奉行・荻原重秀の生涯』(2007年、集英社新書)など

*17:そもそも原作では和賀の犯行時点では父親は既に病死しています。

*18:まあ、さすがにそこまできれいごとではないでしょう。

*19:「顔」の場合は「犯そうとする男」であって犯しては居ません(これについては拙記事倍賞千恵子が主演した松本清張原作のテレビドラマ『顔』は、だいぶ原作とテイストが違った(ボーガス注:松本清張『顔』のネタばらしがあります)(追記あり) - bogus-simotukareのブログ参照)。

「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2020年11/18日分:荒木和博の巻)

久米裕さん拉致についてのライブです: 荒木和博BLOG

 久米裕さんの拉致については色々出ていますが、参考書として富田安紀子さんのマンガ「俺Antif@拉致ゲーの強制イベントから逃げられません」をご覧下さい。事実をもとにしたフィクションなのであくまで参考に、ということで。例えば実行犯のモデルは辛光洙ですが、辛光洙は久米さん拉致には関わっていません。それでも大事なところ*1は押さえた作品なのでお勧めです。こういう形でイメージを作った方が拉致問題の本質に迫れると思います。

 色々な意味で馬鹿馬鹿しいですね。
 まず第一に「拉致被害者の救出」と言う意味では「拉致がどう起こったか」なんか知る必要は別にありません。
 第二に「ノンフィクションで正確に知って欲しい」つうならともかく、「フィクションだがわかりやすいから参考にして欲しい」て(呆)。


中央線と拉致事件(11月18日のショートメッセージ): 荒木和博BLOG

 久米裕さんが拉致されたのが昭和52年(1977)9月19日。その周辺では昭和51年に武蔵小金井学芸大学生藤田進さん、三鷹市の南隣調布市京王線)の電通大の学生高野清文さん、昭和52年に三鷹の隣りの武蔵境とその次の東小金井の間にある亜細亜大の卒業生布施範行さんが失踪しています。そして昭和53年には八王子の中央大学蓮池薫さんが拉致。藤田さんは川口の自宅を出て、高野さんは神津島で、布施さんは名古屋、蓮池さんは柏崎と、いなくなった場所は別のところなのですが、こうやって並べていくと不思議なつながりが出てきます。

 5分40秒程度の動画です。まあ、ばかばかしいですね。
 何が馬鹿馬鹿しいか。
 まず第一に久米さんと蓮池さんは政府認定拉致ですが、藤田さん、高野さん、布施さんは「特定失踪者」でしかありません。
 つまり北朝鮮拉致だというまともな根拠は何もない。荒木ら巣くう会が根拠レスで「特定失踪者=北朝鮮拉致の疑いがある」と放言しているにすぎません。
 第二に百歩譲って、「藤田さん、久米さん、布施さんが北朝鮮拉致」で、彼ら5人が中央線沿線に住んでいたことが偶然ではなかった(中央線沿線に拉致実行犯が住んでいた?)としましょう。
 しかし、偶然ではないとして「その必然が何であるのか」を「まともな根拠で証明すること」が荒木に出来るのか、そしてそれが拉致被害者帰国に役立つのかといったらいずれも「ノー」でしょう。
 要するに荒木のやってることは無意味でくだらない愚行でしかありません。家族会も荒木のような「馬鹿でくず」と良くも交遊できるもんです。

*1:何が「大事なところ」なのかさっぱりわかりません。

今日の産経ニュースほか(2020年11月18日分)

NHK、オバマ氏回顧録を誤訳? 鳩山氏巡る部分に指摘:朝日新聞デジタル

 NHKのニュースが17日、オバマ米大統領回顧録で、鳩山由紀夫元首相を「迷走した日本政治の象徴」などと評したと報じた。これについてネットなどで「誤訳だ」との指摘が上がっている。
 ニュースは17日午前10時放送で、同日に出版されたオバマ前大統領の回顧録を紹介。「当時の鳩山総理大臣について、『硬直化し、迷走した日本政治の象徴だ』と記すなど、当時の日本政治に厳しい評価を下しています」と報じた。
 だが、原文の該当箇所では、「鳩山は3年足らずの間に4人目、私が就任してから2人目となる日本の首相だった。(首相が短期間で代わるのは)この10年間、日本政治が硬直化し、迷走したことの表れであり、彼も7カ月後にはいなくなっていた」と記されている。
 ネット上では「『硬直化し、迷走した日本政治の象徴』というのは首相が頻繁に交代することを指していて、鳩山さん個人についてではない」などと誤訳を指摘する声が相次ぎ、該当記事はNHKのホームページの「ソーシャルランキング」でも上位に上がるなど話題になった。

 NHKの『自民へのへいこら振り』が昨今酷いため「故意の曲解ではないのか」「いずれにせよ訂正し、鳩山氏に謝罪すべきだ」という批判の声が出ているようです。


大阪府税収1400億円減 収支不足750億円に 令和3年度見通し - 産経ニュース
 大阪市を解体し、その権限のかなりの部分を大阪府に召し上げようとする都構想(大阪市廃止構想)とは「こうした大阪府の深刻な財政難を糊塗することも目的だったのではないか」と思わせるほどの深刻な事態ですね。


【正論】教科書検定に罰則を導入するな 教育研究者・藤岡信勝 - 産経ニュース
 文科省教科書検定の罰則規定導入に反対する声明とかなり内容がかぶっており、つくる会声明の書き手が藤岡であると予想されます。それはともかく、ただ「反対だ」では意味が無い。
 この際、「このような罰則は、我々つくる会とは立場が違う、野党の立場でもおかしいのではないか」として、野党各党(立憲民主、共産など)に国会での追及を働きかけるとか、いっそ行政訴訟を起こすとか、そのくらいの覚悟が必要でしょうが、たぶんそう言う覚悟はないんでしょうねえ。


育鵬社、冊数前年比9~8割減 3年度の中学校教科書 - 産経ニュース

文部科学省は18日、令和3年度に全国の中学校で使用する教科書の発行者別冊数を公表した。
・公民で育鵬社が前年度比約9割減の4287冊(占有率0・4%)、歴史も約8割減の1万2533冊(同1・1%)と大幅に勢力を縮小した。
育鵬社版をめぐっては、前回の採択でシェアを伸ばし、今年度は公民が6万1183冊(同5・8%)、歴史7万2482冊(同6・4%)だったが、今回の採択で同社版を使う横浜市大阪市など多くの自治体が他社版に切り替えた。

 こうなると「過去の新編日本史(中曽根内閣時代、原書房)」のように「ペイしないから育鵬社が撤退→どこも引き取り手がなく教科書が消滅」となる可能性も見えてきましたね。育鵬社が消えてなくなれば「全てはバラ色」という単純な話でもないですが「最低最悪の極右&歴史修正主義教科書=育鵬社」なのでまずは素直に喜びたい。しかし「今後、産経コラムで取り上げるかもしれない」し、コラムでの扱いはまた違うのかもしれませんが、この記事が「シェア減少」について「淡々とした書きぶりである」のがなんともかんとも。もはや育鵬社(産経)も「教科書販売」への熱意を失いつつあるのかもしれない。
 もちろん育鵬社以上に「シェアが低く」、あげく今回「検定不合格処分(どう見ても育鵬社の画策)」を安倍政権にくらった自由社つくる会)が育鵬社以上にやばい状況であることは言うまでもありません。


首相「緊張感を持って対応を」 感染2000人超で厚労相に指示 - 産経ニュース
 菅政権では予想の範囲内ですが、「緊張感を持って」などという無内容な精神論しか言えないのかと心底呆れます。


台湾、最大の親中メディアの免許更新せず 「偏向」報道理由に - 産経ニュース
 蔡英文も「ただの反中国分子で独裁体質」という「薄汚い本性」をついに露呈したと言うべきでしょう。いかに蔡が反中国分子とは言え、「民主主義者ぶっていた」「(同性婚容認、脱原発などで)リベラルぶっていた」ので、まさかここまで蔡がクズだとは思っても見ませんでした。
 「菅尚当時の首相在任中に明らかな誹謗中傷を安倍がしたにもかかわらず、『首相による提訴』が前例になると、今後『首相による訴訟を使った恫喝』を助長する恐れがあるとして、安倍への民事提訴を控えていた(首相退任後に提訴した)」菅直人氏などとは蔡は偉い違いです(まあ、だからこそ安倍に忖度した不当な最高裁の政治判断で菅元首相は敗訴した気もしますが)。菅元首相などと違い、蔡には「権力者に対して求められる自制心」というものが全くないらしい。
 仮にこのテレビ局(国民党よりだそうですが)が「無茶苦茶な自民擁護&野党誹謗&嫌韓国」などをやって恥じない「フジテレビ」「DHCテレビ」「アベマTV」なみの代物(つまり無茶苦茶なアンチ民進党&国民党プッシュ)でもこんなことが許されるとは俺は思いません。
 虚偽報道などの問題があるとしても*1、まずは「名誉毀損での刑事告訴民事訴訟」などもっと「マイルドな対抗措置」をとるべきです。
 「澤藤統一郎、田畑光永らリベラル21一味」や高世仁など、蔡を「香港デモ支持表明」などを理由に「民主主義の擁護者扱い」していた連中が蔡をきちんと批判できるかが今問われていると言うべきでしょう。
 これは「中国共産党に散々悪口していた日本共産党」も同じですが。「蔡の無法」を批判せずして何が民主主義か。
 安倍政権、菅政権が「偏向」を理由に民放(例:サンデーモーニング(TV)や荻上チキ・セッション(ラジオ)のTBSなど)の免許更新を拒否したら、澤藤や田畑らとて批判するはずでしょう。にもかかわらず「蔡は批判しない」というならそんなもんはインチキでしかありません。


選択的夫婦別姓に異論 自民有志、25日に「絆」議連設立へ - 産経ニュース
 自民党のウヨ議連なら予想の範囲内ですがネーミングがいつもながら酷いですね。
 『絆を紡ぐ会(仮称)』て、勝手に『夫婦別姓は家族の絆を阻害すると決めつけるな』て話です。
 大体「選択的夫婦別姓に反対」としながら「丸川珠代*2大塚拓*3と結婚し、現在、戸籍上の姓は大塚姓)」のような「旧姓使用には反対しない」ってのも「何だかなあ?」ですね。
 なお、片山さつき*4高市早苗*5山谷えり子*6が名前を連ねてるのは予想の範囲内ですが俺的には「稲田朋美*7がどうするのか」が気になりますね。
 しばらく前に稲田が「選択的夫婦別姓に好意的な言動」をし話題を集めたのは有名な話ですので。やはり今の稲田は批判はしないまでもこういう議連には入らず距離を置くのか。

*1:あるのか知りませんが。

*2:元テレ朝アナウンサー。第3次安倍内閣環境相、五輪担当相を歴任(丸川珠代 - Wikipedia参照)

*3:第3次安倍内閣法務大臣政務官、財務副大臣を歴任(大塚拓 - Wikipedia参照)

*4:第4次安倍内閣で地方創生等担当相

*5:第一次安倍内閣沖縄・北方等担当相、自民党政調会長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣総務相など歴任

*6:第一次安倍内閣首相補佐官教育再生担当)、第二次安倍内閣国家公安委員長など歴任

*7:第二次安倍内閣行革相、第三次安倍内閣防衛相、自民党政調会長、幹事長代行(第二次安倍総裁時代)など歴任

「珍右翼が巣くう会」メンバー・島田洋一に突っ込む(2020年11月17日分)

島田洋一
 私が米議員*1にセクハラ発言をしたと言い募る人間が、いまだに私を免職にしろと勤務校*2の事務局に電話を掛けてきているようだ。拉致問題で「救う会」に反感を持つ勢力らしい。それなら救う会に電話してきたらどうか*3。堂々と私の北朝鮮論を批判したらどうか*4。ありもしないセクハラ云々で大学に嫌がらせとは何とも卑劣な話だ。

 この件については例えばいいかげん家族会も、島田洋一に対して苦言くらいは呈したらどうか - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)をご覧下さい。
 心底呆れますね。なんで島田のセクハラ暴言を批判したら「救う会に因縁をつけたことになる」のか。
 島田が大学を仮に懲戒免職されたところで救う会に何の打撃もないでしょうよ。
 島田こそ「卑劣」以外の何物でも無い。
 救う会がまともな団体なら「お前の個人的な不祥事に会を無理矢理巻き込むな」と島田の副会長更迭に動いてもおかしくないでしょう。
 たぶん救う会はそのようには動かないのでしょうが。
 いずれにせよ例の暴言について島田が必死に言い訳していた理由がこれでよく分かります。島田も「大学から懲戒処分されるかもしれない」と恐怖感を覚えたのでしょうね。島田にはそういう感覚は無いのかと思っていましたが。
 しかし「主観的にはセクハラの意思はなかったが、私の認識が甘かった」「この機会にセクハラ研修を受ける用意がある」などと「平謝りに謝る」のならともかくセクハラ批判派に「セクハラなどしていない」「救う会攻撃が目的の言いがかり」などと居直るのではかえって批判は激化するでしょうし、大学側も島田の無反省ぶりに「厳しい処分をむしろ検討する」かもしれません。そしてさすがに救う会もこんなことで島田をかばわないでしょう。

島田洋一リツイート
 渡辺康平福島県議の重要な発信。処理水の海洋放出は科学的常識と国際基準に拠って行えばよい。意図を持って言いがかりをつけてくる「近隣諸国」に相談せねばならないという立民党枝野の議論は論外だ
◆渡辺康平(福島県議会議員)
 昨日の福島民報立憲民主党代表の枝野幸男*5が処理水についてインタビューで、ありえない発言がありました。
 枝野氏は処理水の処分方針について「近隣諸国を含めた協議をした上でなければ結論を出すべきではない」と話しています。枝野氏が述べた近隣諸国とは、明らかに韓国です。

 あり得ないどころかむしろ当然の発言でしょう。なお、枝野は「福島県民にも海洋放出反対派が多数いる」としており何も「韓国、中国、ロシア」といた近隣諸国との関係「だけ」を批判理由にはしていません。まるで「対外関係だけ」を枝野が問題にしているかのような島田や渡辺県議(自民党)のツイートは全く詐欺的です。

島田洋一
 メディアが大統領選でバイデン勝利と伝えているものの、民主党に高揚感はありません。

 要するに「下院で思ったほど議席がとれなかった(但し改選前の過半数はキープ)」「上院で過半数とれるか微妙」「バイデンは勝利はしたが、トランプも前回より票を伸ばした。事前世論調査ではバイデン勝利の見込みだったフロリダでトランプが勝った」という話ですが、それはさておき。
 こんなことを言って事実上「バイデンの勝利」を島田が認めてることが滑稽ですね。世界各国首脳が「日本の菅首相も含めて」、バイデン勝利に祝意表明していることなどから、島田もいい加減「バイデン勝利」を認めざるを得ないと思い始めてるようです。
 しかし、まあ島田もデタラメですね。これが「自民党衆院選に勝利したと言っても高揚感はありません。維新を入れても改憲に必要な2/3をとれなかったから」なんて言えば「野党支持層の負け惜しみだ」というでしょうにねえ(苦笑)。
 そして、その種のことを言うなら共和党の方がよほど事態は深刻でしょう。トランプ敗北後、どうやって党を建て直すのかという話です。
 何せ「トランプ政権4年間」の間に党が大分「トランプファンクラブ化(極右化)」しています。
 「トランプを切り捨てて、昔の穏健保守政党に戻そうとすれば」短期的にはトランプ支持層の離反による党勢衰退は避けられないでしょう。
 とはいえ一方で「いつまでもトランプとズブズブ」では穏健保守層は民主党の側にどんどん向かっていくでしょう。白人の人口比率も年々下がって「黒人やヒスパニックの比率が上がっている」ので「白人優越主義のトランプ」なんか担ぎ続けていては「白人右翼の支持」は盤石でしょうが、黒人やヒスパニックの多くが民主党支持を今後も続けることになる。それで「4年後政権が奪還できるのか」と言えば疑問でしょう。

*1:はっきりと名前を出さない辺りがせこすぎますね。

*2:福井県立大のこと

*3:まあ、救う会に「あんな男は副会長から更迭しろ」「救う会がセクハラ容認のゲス集団だと思われてもいいのか!」という電話はかけてもいいでしょうね(もちろん島田の言う「電話」とはそう言う意味ではないでしょうが)。もしかけないとしたら「どうせかけても更迭しない」「左翼の救う会攻撃と居直るだろうからかけるだけ無駄だ」「救う会なんて福井県立大学と違って社会的に評価されてるわけでもない。救う会が副会長を更迭しなくても何ら問題ない」と救う会が馬鹿にされてると言うことでしょう。

*4:セクハラ暴言批判はもちろん「島田の北朝鮮論批判」とは何の関係もありません。例えば「矢野暢・京大教授(当時)や広河隆一氏のセクハラ批判」は「矢野の学説」「広河氏の脱原発主張」を批判してるわけではない。

*5:鳩山内閣行政刷新担当相、菅内閣官房長官、野田内閣経産相民主党幹事長(海江田、岡田代表時代)、民進党代表代行(前原代表時代)を経て立憲民主党代表

高世仁に突っ込む(2020年11/17日分)

光合成が起こした地球の大革命 - 高世仁の「諸悪莫作」日記

 きのうは自転車で遠出して紅葉狩り。(ボーガス注:埼玉県)新座市の(金鳳山)平林寺に行ってきた。

 ということで前半は延々「平林寺」の紹介です。
 後半は

玉川上水46億年を歩く」プレウォークの地球史解説のつづき。

ということで祝福された星、地球の誕生 - 高世仁の「諸悪莫作」日記生命のご先祖はたった1匹の単細胞生物だった - 高世仁の「諸悪莫作」日記でやっていた「玉川上水46億年を歩く」プレウォークの地球史解説のつづき。
 ということで政治関係の話は全く出てきません。別に「政治関係の話をして欲しい」わけでもないですが、「ジンネット倒産後の高世」は明らかにそうした「政治の話」をすることが減ってるように思いますね。
 ある意味「政治の話から逃げている」のかもしれません。特に「拉致の話」からは明らかに逃げていますね。

 上皇は2回、美智子妃とここ*1を訪れ、こんなお言葉をのこしている。
 「このかけがえのない武蔵野の自然を訪ねる訪ねる人々が、生態系の微妙な仕組みに十分留意することによって、美しく豊かな自然が保たれ、いつまでも人々を楽しませてくれるよう願っております」(昭和52年11月10日)
 「生態系の微妙な仕組み」とは上皇らしい。

 「皇室大好き」高世的には「感動しちゃう上皇の言葉」らしいですが俺的には「え、平凡な普通の言葉じゃん?」ですね。
 ちなみに、この拙記事には

[B!] 高世仁に突っ込む(2020年11/17日分) - bogus-simotukareのブログ
id:kirishimaloda6915
 高世仁という人とか、天皇家大好きな人たちって、どうでもいい平凡な言葉でも「天皇」や「上皇」が言うと感動するってわけね

という俺と同意見のブクマもついています。

*1:平林寺のこと