今日の産経ニュース(2019年3月19日分)

東山紀之「今、この場にいることが宿命」 「砂の器」制作発表 - 産経ニュース

松本清張の不朽の名作を平成最後の渋谷を舞台にまったく新しい解釈で描く作品。

 「平成最後の渋谷」ではハンセン病という設定にはなり得ないことだけは確かですが、そうなるとどういう動機になるのか。

・制作発表は、物語のクライマックスである中島健人演じる天才作曲家、和賀英良がフルオーケストラとともに協奏曲「宿命」を演奏するシーン撮影の前に行われた。

 実は「宿命」は「映画オリジナルストーリー」で小説はそんなシーンはないのですが映画があまりにも成功したが故に「それ以前」はともかく「その後の映像化」はすべて「宿命」を踏襲しています。

 同じ(ボーガス注:ジャニーズ)事務所で東山のファンだという中島は「殺人犯は初めてで、危険な作品に入ってしまったと最初は思ったが、財産になった」と表情を引き締め

 犯人について完全にネタばらしになっています。原作小説においても、映画版においても当初から「疑惑の人物」として描かれても、「一応、捜査会議で今西が説明するまで、最後まで和賀が犯人だと言うことや犯行動機ははっきりとは描かれない」のですが、映画版での「宿命」があまりにも有名になりすぎて、もはや「犯人が誰か」というネタばらしが「オリエント急行殺人事件アクロイド殺人事件の犯人が誰か」「乱歩作品・黄金仮面での黄金仮面の正体が誰か」「横溝・犬神家の犯人が誰か」並に何ら問題にならなくなっています。

・犯人を追い詰める今西刑事を演じた東山
・これまでに(ボーガス注:映画で)丹波哲郎、(ボーガス注:フジのドラマで)仲代達矢が演じてきた役

 正直俺には「加藤剛(犯人)」「緒形拳(被害者)」「丹波哲郎(ベテラン刑事)」「森田健作(若手刑事、ベテラン刑事の部下)」「加藤嘉(犯人の父)」という映画版「砂の器」(1974年、松竹)を超える作品が出来ると思えないので「作らなくていい」感があります。
 なお、ウィキペディア砂の器」によれば

■1962年のTBS版
「夏目俊二(犯人)」「高松英郎(ベテラン刑事)」
■1977年のフジテレビ版
田村正和(犯人)」「本郷淳(被害者)」「仲代達矢(ベテラン刑事)」「山本亘(若手刑事、ベテラン刑事の部下)」「坂本長利(犯人の父)」
■1991年のテレビ朝日
佐藤浩市(犯人)」「下條アトム(被害者)」「田中邦衛(ベテラン刑事)」「伊原剛志(若手刑事、ベテラン刑事の部下)」「高橋長英(犯人の父)」
■2004年のTBS版
中居正広(犯人)」「赤井英和(被害者)」「渡辺謙(ベテラン刑事)」「永井大(若手刑事、ベテラン刑事の部下)」「原田芳雄(犯人の父)」
■2011年のテレビ朝日
佐々木蔵之介(犯人)」「橋爪功(被害者)」「小林薫(ベテラン刑事)」「玉木宏(若手刑事、ベテラン刑事の部下)」「山本学(犯人の父)」

と過去5回テレビドラマ化され、今回が6回目だそうです(なお、ハンセン病という設定はウィキペディアによれば意外なことに映画版だけ)。
 今回(2019年フジテレビ版)は

中島健人(犯人)」「高嶋政伸(被害者)」「東山紀之(ベテラン刑事)」「野村周平(若手刑事、ベテラン刑事の部下)」「柄本明((犯人の父)」

だそうです。「高嶋政伸(被害者)」という時点で嫌な予感が。まあ彼は「緒形拳のように(?)」「善人役もやります」が最近の彼は「癖のある悪役」をやることが増えてますのでねえ。原作においても過去の映像化においても被害者は「善人」ですのでそこは勝手に改変しないでほしいところです。それとも今回は善人役でしょうか。


報道の自由を踏みにじる韓国与党…「文大統領は金委員長のスポークスマン」余波 - FNN.jpプライムオンライン
 文政権相手にこんなことを抜かすフジサンケイですが誰かが「安倍首相はまるでプーチン大統領の広報官(スポークスマン)だ。どれほど北方領土問題で弱腰なのか」といえば「一国の首相に対し無礼だ、謝れ」などとためらいなく言うでしょうね。
 まあ文政権側が実際にした具体的批判が適切だったかはともかく太陽政策を「北朝鮮の広報官」呼ばわりするのはもはや「翁長氏を中国の手先呼ばわりする産経の言動」と同レベルの誹謗でしかなく、「批判それ自体」は何ら問題ないと俺は思います。


新旧証拠を総合評価 呼吸器外し事件の再審確定(1/2ページ) - 産経ニュース
 この事件については無知のため知りませんが、「あの産経」がすでに

西山美香さん

と「さん付け」ということはこれは「再審無罪の可能性が高い」んでしょうか。
 それにしても

「致死性の不整脈で死亡した可能性が高い」

とする大阪地裁再審決定が事実なら「病死を殺人認定した」わけで「逮捕した警察」、「起訴した検察」、「有罪判決を下した裁判所」の罪はあまりにも重いと言うべきでしょう。


米、対キューバ損賠訴訟を解禁 ベネズエラ問題で間接圧力 - 産経ニュース
 ベネズエラ問題を口実にしているとは言え「反キューバウヨ」を支持者に持つトランプにとっては以前から「オバマキューバ米国国交正常化」をぶち壊すことが野望だったのでしょう。全く困ったもんです。


【主張】竹田会長の退任 JOCは解体的出直しを - 産経ニュース
 招致活動は首相・安倍も応援演説したオールジャパン(日本政財官界)であり、買収相手は「IOC委員」です。
 何も悪いのはJOCだけではない。IOCと「オールジャパン」も同罪です。竹田個人の犯罪の訳もない。
 大体招致成功の時は「首相の応援演説の成果もある」と安倍を持ち上げながら、疑惑が発覚すると「首相は関係ない」「竹田が悪い」てそんなふざけた話はない。


「五輪運動を守る決断」 竹田恒和氏の委員辞任でIOC - 産経ニュース
 IOCを以前からそれほど評価してるわけではないですがこの談話は酷いですね。竹田が公式には引責辞任を認めておらず、「通常の任期満了退任」と強弁し、かつ疑惑についての内部調査もしてないのに何が「五輪運動を守る決断」なのか。 
 いや、そもそも「東京五輪招致に当たり、竹田がIOC委員を買収した」という疑惑なのだからIOCも当事者です。なぜ「この件を内部調査する」とIOCはいえないのか。結局、JOCIOCも「竹田一人を切り捨てること」で逃げようとする卑劣な人間の集団に過ぎないわけです。何が五輪精神なのか。何が平和の祭典なのか。心底呆れます。もはやIOCは「ただのスポーツ興行団体」を名乗った方がいいんじゃないか。


竹田恒和会長退任、後任候補に山下泰裕氏ら 7月の理事会で新体制発足へ - 産経ニュース
大会組織委は冷静 森喜朗会長「ご英断だと思う」 - 産経ニュース
 竹田がやめたところでもちろん疑惑が解決したわけではない。むしろ疑惑の中心人物は森氏*1など政財官界の要人であり、竹田など「お飾り」でしかないでしょう。
 さらなる追及を望みたい。 


自立とほど遠いスポーツ界 後手に回り描けぬ未来図 - 産経ニュース

 あるスポーツ関係者は「竹田さんはよくも悪くも何もしない人」と語る。

 つまり竹田などただのお飾りの訳です。政治力があるわけではない。
 まあ、おそらく「頼まれたし、断る理由もないし、待遇もいいからなっただけ」であって、JOC会長としてやりたいことなど何もないのでしょうが、仮にやりたいことがあったとしても能力識見を評価されたわけではなく「何もしないお飾り」であることを期待されてるのだから何も出来やしません。竹田が独自に何かしようとしたらそれこそ、竹田の背後にいる「JOCの本当の支配者(誰だか知りませんが)」の手で竹田が失脚させられるだけでしょう。

*1:中曽根内閣文相、自民党政調会長(宮沢総裁時代)、宮沢内閣通産相、村山内閣建設相、自民党総務会長(橋本総裁時代)、幹事長(小渕総裁時代)などを経て首相

今日の韓国・北朝鮮ニュース(2019年3/18~3/19分)(追記あり)

高校無償化裁判、司法による朝鮮学校の弾圧 - 日刊イオ
 記事タイトルには全く同感ですね。この件では、もはや裁判所は「人権擁護の砦」「法の番人」どころか、「安倍政権の使い走りも同然」の酷い状況になっています。怒りや屈辱、申し訳なさといった思いを禁じ得ません。


拉致被害者 早期帰国を : 地域 : 読売新聞オンライン

 北朝鮮による拉致被害者の早期帰国を願い、大津市伊香立途中町の還来(もどろき)神社で17日、祈願神事が営まれ、氏子ら約100人が祈りをささげた。

 まあ馬鹿馬鹿しいですね。そんなことをしても何がどうなるわけでもない。


【主張】北「交渉中断」警告 揺さぶり退け圧力強化を - 産経ニュース
 「いつもの産経」ですがそう言う圧力路線が問題解決をむしろ阻害してきたのは明白でしょう。結局「お互いやらずぼったくりではない」、それなりに「共存共栄の関係(非核化と体制保障のバーター?)」を構築する以外に、解決のしようがないでしょう。


米国務長官「北朝鮮の非核化はキム委員長が約束したこと」 | NHKニュース
 北朝鮮の方も「体制保障の約束はどうした!」といいたいでしょうね。要するにお互い様の訳です。


「とても悲しい」 横田めぐみさんの母校で拉致問題の授業 写真展も開催 - 産経ニュース
 ばかばかしい。こんな「授業」をしたところで拉致は解決しないし、こんなことに教育的意義なんかあるのか。

今日の中国ニュース(2019年3月19日分)

河野外相「必要あれば問題提起」 中国の「テロリスト」拘束に - 産経ニュース
 記事を信じれば、つまりは河野曰く
「現段階では問題提起する必要があるか即答できないんですよねえ。」
「問題提起しないとは言ってませんよ?」
「いつ提起するかどうかの判断がつくのかって?。だからそれは即答できませんよ。これから中国の言い分について、各方面から情報収集して検討しますから」て話です。
 M谷N子*1先生あたりは河野発言に憤激してるのではないか?


習主席、6月「国賓」見送り 政府、米中対立に配慮 (写真=共同) :日本経済新聞
 こうなると「国賓扱いでないのなら、6月の日本訪問は李*2首相にする」つうことになるかもしれません。


習氏、法王と会談か バチカンとの国交正常化に意欲
 うかつにも気づきませんでしたがなるほど確かに「イタリア訪問」で、バチカン訪問があるかもしれません。


習近平国家主席がイタリア、モナコ、フランスを国賓訪問--人民網日本語版--人民日報
習主席がイタリア・モナコ・フランス歴訪へ 欧州重視の姿勢鮮明に - 毎日新聞
習氏、欧州3カ国歴訪へ 一帯一路で関係強化模索 :日本経済新聞

習近平国家主席がイタリア、モナコ、フランスを国賓訪問--人民網日本語版--人民日報
 外交部(外務省)の陸慷報道官は18日、イタリアのセルジョ・マッタレッラ*3大統領とモナコ公国アルベール2世大公、フランスのエマニュエル・マクロン大統領の招きを受けて、習近平国家主席が3月21日から26日にかけてこの3ヶ国を国賓訪問することを明らかにした。

 「一帯一路関係の中国・イタリア間条約」調印が予想されるイタリアのコンテ首相はもちろん、フランスのマクロン*4大統領とて「中国とそれなりの友好関係をアピールするため」に習*5主席に会うのであって「ウイグル問題などで一定の苦言を呈する」としても、「批判一辺倒」なんてことはないでしょう。結局、産経などがどう強弁しようともEU諸国は「中国との経済関係」を完全に否定など出来ないわけです。
 しかしこういうのをI濱女史やMukke、阿部治平は「フランスのマクロン大統領とイタリアのコンテ首相は許せない!」と憤激するんでしょうか?
 はたまたMukkeなどは「フランス・マクロンとイタリア・コンテに霞を食えとは言えない」というのか?(もちろん皮肉)。


【第580回・特別版】少数民族弾圧と中華思想 « 今週の直言 « 公益財団法人 国家基本問題研究所
 「国基研サイトに寄稿するとは楊も落ちるところまで落ちた」と思いますね。
 それはともかく「中華思想」なんてもんを持ち出す必要はどこにもないでしょう。
 「明治日本のアイヌ同化」「アメリカにおけるインディアン(ネイティブアメリカン)差別」「トルコにおけるクルド差別」「ミャンマーロヒンギャ問題」など、古今東西の「少数民族への差別的問題」を「中国に限らず」軒並み「中華思想」と楊が呼ぶのなら話は別ですが、おそらくそうではないでしょう。


台湾若者、薄れる対中警戒感 若者の経済不安背景に :日本経済新聞

 背景には経済問題に不満を抱える若年層が多いことがある。18年平均の失業率は20~24歳は12%と、2%前後の40歳以上に比べ高い。若者の低収入は社会問題化しており、蔡政権の経済政策への不満の反動で中国へ目が向いている。

 まあ普通に考えて「中国が軍事侵攻してくる」とかありえないですからねえ。中国ががちでそういう軍事攻撃をやっていたのは1950年代まででそれ以降は「軍事征服なんか諦めた。諸外国が台湾を国扱いしなきゃとりあえずいいや」つう「一つの中国路線」ですから。
 一方で中国との貿易を全否定したら台湾は経済が回りません。結果「中国は一党独裁だから中台統一したいとは思わないけど、それなりの付き合いは必要だよね。独立宣言して敵対しても意味ないよね」「就職先が台湾にないなら中国で働いてもいい」つうことになる。

「台湾はかつてない苦境にある。抵抗する意欲や能力が失われることが最も心配だ」。
 6日、台北市内で開かれたヒマワリ運動をテーマにした講演会で、当時リーダーを務めた林飛帆氏(30)は危機感をあらわにした。

なんてのはとんちんかんな反中国にもほどがあるでしょう。

*1:著書『亡命者が語る政治弾圧:中国を追われたウイグル人』(2007年、文春新書)など

*2:共青団共産主義青年団)中央書記処第一書記、河南省長・党委員会書記、遼寧省党委員会書記、第一副首相などを経て首相(党中央政治局常務委員兼務)

*3:教育相、国防相、副首相、憲法裁判所判事などを経て大統領

*4:オランド政権経済相を経て大統領

*5:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2019年3/19分:高世仁の巻)(追記あり)

安田純平さんの解放に身代金は支払われたのか?(2) - 高世仁の「諸悪莫作」日記


 「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2019年3/18分:高世仁の巻) - bogus-simotukareのブログで取り上げた安田純平さんの解放に身代金は支払われたのか? - 高世仁の「諸悪莫作」日記の続きです。
 なお、「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2019年3/18分:高世仁の巻) - bogus-simotukareのブログですでに指摘しましたが身代金が支払われた可能性は高いでしょうね。何もしないで解放するほど武装勢力も甘くはないでしょう。少なくとも「支払われなかった」とするまともな根拠を安田氏も高世も提出してはいません。

 編集作業は昼も夜もない。「27時」「33時」などという言葉が飛び交う。私はテロップやナレーションの確認、テレビ局との連絡などで立ち会って徹夜になった。でもやはり歳なのか、いつの間にウトウトしてしまう。
 この業界にいる人は長生きできないだろうな。

 まあ「ご本人、過労で死んでもいいと思ってるようだし」、高世が長生きできないのはどうでもいい。むしろ高世には早死にしてほしい(毒)。ただ業界としてこれはまずすぎでしょう。
 第一に道義的によろしくない。「過労死を批判する番組」をつくっているところが「過労死を助長するような行為をしてどうするのか」て話です。
 第二に「業界が衰退しかねない」。そんな無茶苦茶なところに勤めたがる人間がどれほどいるのかて話です。

 安田さん本人も、拘束中から政府が身代金を払わないようにと強く願っていたことが日記に記されている。
 「万が一、身代金が払われたら、オレは生きていけるか。」
 「とても人前にでるどころか友達にも会えない気がする。」
 「他人なら見捨てるべきではないと言うが オレは見捨ててほしい。」

 それが事実なら「変な人やなあ」ですね。
 俺が彼の立場なら「とにかく生きて帰りたい」ですね。死にたくてシリア行ったわけじゃないですから。「身代金が払われても」恥ずかしいとは思わない。いやもしかしたら恥ずかしいと思うかもしれないけど「その恥ずかしさは我慢しよう(やはり死ぬのも、知人友人と完全に付き合いを立つのも嫌だよ)」と思うでしょう。それプラス何か思うことがあるとしたらせいぜい「恥ずかしいから、身柄解放されたら戦場ジャーナリストは廃業しよう(場合によったらジャーナリスト自体を廃業しよう、転職(?)しよう)」じゃないか。
 「身代金を払わないでほしい」とは思わない。
 だって、それ以外に現実的に生きて帰れる道はないじゃないですか。そして「身代金が仮に払われなくても」武装勢力が誰も何もしないのに自主的に解放してくれることとか、安田氏が自分から映画「大脱走」的に逃げ出すことなんか出来はしない。
 結局、現実的には「日本政府が交渉してなんとかしてくれる」しかないわけです。あるいは日本政府以外の誰かがなんとかしてくれる。「ご迷惑をおかけして恥ずかしい」つうことなんでしょうがご迷惑をおかけする以外に帰れないわけです。
 身代金が出なかったから*1「ご迷惑をおかけしてない。今後も生きていくし、友達とも会うし、世間に講演会を宣伝するし、戦場ジャーナリストも続ける」つう話ではないでしょう。「どう見ても何らかの交渉で解放された」し、その結果、今回の身柄拘束で何らかのご迷惑は周囲にかけてるわけですから*2
 彼が「自分で脱走したわけでもないし」、また武装勢力が「交渉なしで自主的に解放した」わけでもないでしょう。
 彼がこんなこというのなら「私がシリアに行ったことは間違いでした、戦場ジャーナリストを正式に廃業します」というべきじゃないですかね。ジャーナリスト自体を廃業するのか、戦場ジャーナリストは廃業して「別のジャーナリストに転じるのか」はともかく。
 そして「私のような愚か者、未熟者がシリアに行ったことは間違いだったので、シリアでのことは基本的に話す気はありません。少なくとも講演会やメルマガ配信などを大々的にやる気はない」「インタビューに応じるつもりはあるが、それで金を儲けようとは思わない」というべきでしょう。
 結局、彼はそうは言えないわけです。実際彼はこの件を講演会などのネタにしている。彼は「戦場ジャーナリスト」を続けたい。死にたくもないし、「知人友人との付き合いを絶つ」どころか、講演会などで平気で人前に出るわけです。
 しかしそうなると当然ながら「身代金が払われたら生きていたくない、人前に出たくない、といってたんやなかったのか!。どう見ても身代金は支払われたやろ!。そう言う輩が講演会で金儲けか!」つう非難が、「特に彼のような戦場ジャーナリストを嫌ってる輩」が来る。
 そこで彼がどう対応するかは彼の勝手です。俺がどうこう言うことでもないし、興味もない。正直、彼の本を読んだこともないし、「彼の今回の酷い言動(身代金は支払われてない)で読む気を失った」ので今後も多分読まないし、興味もないので。
 彼の対応は「身代金が払われたかどうかわからない。だから払われたと明らかになるまでは俺の主張に矛盾はないと思う。払われたことが明らかになったら、過去の言葉通りの生き方をする。講演会などで人前には出ない」でもいい。
 「俺は身柄拘束時はそう思っていた。でも身柄解放されて考えが変わった。身代金が払われたとしても、戦場ジャーナリストを続けたいし人前にも出たい。恥知らずと言われるならその批判は我慢する」でもいい。
 ただし彼が現実にやってる「身代金は支払われてない。だから俺の言動に問題はない」は「アウト(問題発言)」です。そんなことが言える根拠は何もない。
 「日本政府やカタール政府が否定している」なんてことは何の根拠にもならないわけです。両国政府が嘘ついてる可能性が十分あるわけですから。
 結局、今回の件で明らかになったことの一つは「安田氏が予想以上にデタラメな人間だった」てことでしょうね。ある意味「高世や常岡の様なデタラメ人間」とは「割れ鍋に綴じ蓋でお似合い」かもしれません。
 もちろんそれは「アンチ安田の安田バッシングが正しい」つうことではないですが。
 今後、仮に「支払いの事実が確認されたら」彼はどうする気なんでしょうか。仮に支払いがあった場合、彼が「支払いはなかった」と公言していることに反発した誰かが暴露する可能性はゼロではないでしょう。
 そうなったら、理屈的には「戦場ジャーナリスト廃業」か「前言撤回」しかないでしょうが、詭弁はいてどっちもしないんでしょうね。そして彼の「支払いなかった」発言を支持してる高世も謝罪すらおそらくしない。
 愚かな発言で自分の首を締めてるという意味では、安田氏の行為は横田奥さんの「めぐみに会えない限りウンギョンに会わない」などに似ている(結局、奥さんは我慢できずに何度かウンギョンさんにあったわけですが)。

 政府が犯人グループからのコンタクトに反応しないなか、安田さんの妻に「自分なら交渉人になれる」と近づいてきた人物があった。
(つづく)

 (つづく)ねえ。ここで常岡が以前やっていた悪口雑言「西谷文和ガー」の高世バージョンが始まるんでしょうか?
 はたまた逆にこれは「俺なら安田を救える」と過去に放言していた常岡のことなのか。それとも「西谷氏でも常岡でもない第三の人物」か。

【追記】
安田純平さんの解放に身代金は支払われたのか?(3) - 高世仁の「諸悪莫作」日記で出てきたのはスウェーデン人という第三の人物でした。

*1:実際には出たでしょうが

*2:つうか「誤解を恐れず書けば」人間が生きると言うことは「大なり小なりご迷惑をおかけすることだ」と思いますが。まあ、「自分が殺人など重大な故意犯罪を実行する」なんてのは論外ですが「重病になる」「失業する」「仕事等で失敗をする」などなどトラブルに遭うことは誰でもあります。その場合に「自力だけでなんとか出来る」と思うのは思い上がりでしょう。たいていの場合、家族、友人知人、行政サービス(失業保険、生活保護など)など他力に頼らざるを得ないわけです。俺の認識ではこうした考えが「他力本願」の「もともとの正しい意味」だと思います。

今日の中国ニュース(2019年3月18日分)

ダライ・ラマ後継 年内にも議論 チベット亡命政府 首相インタビュー ロブサン・センゲ氏 「輪廻転生」制度 変更も|【西日本新聞】

 歴代のダライ・ラマは死後、その生まれ変わりの少年を高僧らが探して後継者とする伝統が続いてきた。しかし、この方法では後継者認定まで数年から10年程度の期間がかかる。その間に中国政府が都合の良い人物を後継者に据える恐れがあり、センゲ氏も「中国が口出しする危険性は大いにある」と懸念を示した。

 まあ昔は「幼児(転生ダライ)をお飾りにして、相談役の形で高僧たちが好き勝手やることができたすばらしい(?)転生霊童制度」も今となっては「かえってお荷物」のわけです。

 亡命チベット社会の人口減少については、(ボーガス注:海外移住を阻止するため)3人目の子供が生まれた世帯に助成金を出すなど対策に努める考えを示した。

 「カネで海外移住を阻止する」つうのだからもはやI濱女史が言うような「ダライへの敬愛」など亡命二世、三世では薄れてるのでしょう。
 少なくともそんなもんは「豊かな欧米」に移住することを躊躇する理由には全くならない。といってダライも「ならば亡命政府は欧米に移転します」つうわけもにもいかない。インド以外に亡命政府の設置を引き受けてくれるところはおそらくないでしょう。しかし「インドの生活は貧乏」でまさに「先細り」です。

 中国に戻る難民2世については「年老いた親の面倒を見るために戻っているが、戻って良かった、幸せだという人はあまりいない」と指摘した。

 「山崎直子さんの指摘は間違いだ。カネのために、豊かな生活のために、高い給与の職を求めて中国に戻ってるんじゃない。老親の介護のためだ。仕方なく戻ってるんだ」と言い訳はしていますが、山崎さんが指摘する「中国への帰還」自体をセンゲは認めています。
 まあ女史のような人間にとっては「認めたくない不都合な真実」でしょう。


亡命チベット社会 先細り 動乱60年 インド・ダラムサラルポ 中国国内 封じ込め強まる|【西日本新聞】

・中国政府の締め付けが強まる中、新たな亡命者は減り、第三国へ移住する若者が続出するなど、亡命チベット社会は先細り感が強まっている。
・亡命チベット社会の大きな課題は人口の減少だ。
ダラムサラにある「チベット子ども村」では、チベットから亡命して入学する生徒がかつては年800人に上ったが、ここ5年間は1人もいないという。80年代に約3300人いた生徒は約1700人とほぼ半減。トゥプテン・ドルジェ校長は「いつまで学校を存続できるか」と懸念する。インド国内には生徒減少で閉校した分校もあるという。
 危機感に拍車を掛けるのが若者の流出だ。インドの17年の1人当たり国民総所得は1800ドル(約20万円)で米国の30分の1にも満たない。豊かさを求めて欧米への再亡命を希望する若者は後を絶たない。難民2世のテンジン・チェヤンさん(14)は「将来は海外に住みたい。できれば米国で獣医師になりたい」と憧れる。
 99年からダラムサラで日本料理店を営む山崎直子さん(55)によると、経済発展を遂げた中国で働きたいと、中国当局の許可を得て自治区に戻る難民2世が少なくないという。山崎さんの店にも中国に帰国許可を申請した若い女性従業員が2人いる。
 山崎さんは「中国でどんな生活が待っているか不安は大きい。それでも厳しいカースト制度が残り、自由に仕事を選べないインドよりましだと思っているようだ。チベットの若者にとって、ここは一時的な居場所でしかない」と指摘した。

 以前もこういう趣旨の記事を今日の中国ニュース(2019年3月11日分) - bogus-simotukareのブログで紹介しましたが今回は西日本新聞です。
 しかし「厳しいカースト制度が残り、自由に仕事を選べない貧乏な生活のインドより、豊かな中国の方がまし」ですか。ダラムサラに住む人「山崎さん」が中国シンパとも思えないので、これは事実でしょうね。MukkeやI濱女史、阿部治平にどう思うか聞きたいもんです。
1)「山崎は嘘をついている」「西日本は山崎の嘘を垂れ流すな」と罵倒
2)都合が悪いのでだんまり
3)「そんなダライ猊下を裏切る恩知らずの亡命二世は例外的存在だ」とした上で、その亡命二世を罵倒
4)その他
のどれでしょうか。

 近年は焼身自殺も減少傾向にある。
「当局者が若い僧に金を渡し、自殺しないよう懐柔している」とクンガさんは話す。
亡命政府関係者によると、チベット人居住区には監視カメラが増設され、小規模集落でも公安当局者が毎日、一軒一軒巡回して監視を強めているという。「中国は自殺さえも封じ込めようとしている」

 いやいやデモや暴動はともかく自殺は封じ込めないとまずいでしょうよ。「えーと何、亡命政府的には中国をたたきたいから自殺してほしいの?。ゲスいねえ」と問い詰めたくなります。

「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」を笑おう(2019年3/18分:黒坂真の巻)

黒坂真
‏ 清水ただしさん。大阪の日本共産党は、安倍内閣を打倒するためには、府知事選挙と大阪市長選挙では(ボーガス注:反維新を理由に自民党候補を)支援せねばならない、という結論になったのですね。

 吹き出しました。「大阪においては打倒維新が一番大事であり、そのためには大阪の自民とも共闘するが、国政では対決する」つうだけの話です。
 すでに「都構想住民投票」「堺市長選」「過去の大阪市長選、府知事選」で自民と共産は共闘してるので何の不思議もない。
 そして「市長選、府知事選」では維新に敗れた物の、「住民投票」「堺市長選」では自民と共産の共闘は維新に勝利したわけです。
 別に「安倍政権を打倒するため」に大阪で自民と共闘するわけではない。そんなことは黒坂も分かってるでしょうに随分と酷い詭弁です。
 しかも「こんな詭弁をはく黒坂」が「大阪経済大学教授」つうのもすごい話です。他県在住ならこういう詭弁をはいていい訳ではありませんが、大阪在住でありながらこういうことを言える神経もなかなかです。
 つうか、黒坂が共産ばかりに悪口するのも変な話です。「反共分子&安倍自民シンパ」黒坂は自民に「そんな共闘の申し入れは拒否しろ、共産党と野合するな」といったらどうなのか。何も「共闘の申し入れ」は当然に歓迎しなければならない物ではありません。
 あるいは「立民、国民民主、社民」と自民の地方首長選での相乗りは黒坂的にはどうなのか。
 それにしても今回は安倍も「維新潰しに協力する」んでしょうか。過去の知事、市長選挙では事実上、橋下維新をアシストし、大阪自民の足を引っ張り、橋下維新勝利に協力したのが安倍なんですけどね。
 「もはや維新には利用価値はない」つう判断で維新を見捨てるのか、はたまた最後にはまた維新アシストか。

常岡浩介に突っ込む(2019年3月18日分)

常岡浩介がリツイート
 (ボーガス注:個別具体的な、かみついた内容の是非はともかく)専門知以外のところでは(ボーガス注:間違ったことを仮に言ったのなら素人に)噛み付かれても仕方がない。
■学徒崩れのきたまくら
‏ 飯島陽*1先生や中田考*2先生のリプ欄を見ていると、日頃から専門知を扱う大学教員に、どうしてこうもまぁ素人がSNS上で噛み付いていけるのか不思議に思う

 ちなみにI濱Y子*3チベット学者)の「専門知以外の発言(沖縄に米軍がなければ中国が攻めてきただろう、など)」にかみついたら

Mukke
 日頃から専門知を扱う大学教員I濱Y子先生に、どうしてこうもまぁ素人のボーガスが噛み付いていけるのか不思議に思う

といわれたのが俺です(苦笑)。珍しく常岡と意見が一致しました(注:ただし飯山陽氏や中田考氏の個別具体的な言動をウオッチしていないので彼らが「I浜の珍論」レベルの暴論を吐いたのかは知りません。あくまで俺が賛同するのは「専門知以外のところでは(ボーガス注:間違ったことを仮に言ったのなら素人に)噛み付かれても仕方がない。」という一般論です)。

*1:原文のまま。本当は「飯山陽(上智大学アジア文化研究所客員所員、著書『イスラム教の論理』(2018年、新潮選書))」が正しいようです。

*2:同志社大学客員教授。著書『イスラームのロジック』(2001年、講談社選書メチエ)、『イスラームの論理』(2016年、筑摩選書)、『イスラーム入門』(2017年、集英社新書)など

*3:著書『ダライ・ラマと転生』(2016年、扶桑社新書)など