今日の産経ニュース(コロナ問題以外:2020年5月16、17日分)

【書評】『ニコラエフスクの日本人虐殺 一九二〇年、尼港事件の真実』 - 産経ニュース
 以前

今日の産経ニュース(2020年5月5日分) - bogus-simotukareのブログ
 なお、日本軍側もイワノフカ事件という「シベリア出兵版・三光作戦」をやらかしてるのでロシア側を一方的に非難できる話でもありません(なお、イワノフカ事件についての本には広岩近広*9 『シベリア出兵:「住民虐殺戦争」の真相』(2019年、花伝社)があります)。
 そもそも「尼港(ニコラエフスク)」とはロシアの領土であり、なんでそんなところに日本人がいたのかと言ったら満州国建国と同じで「日本軍の武力をバックに日本人が進出していった」わけです。平和的にロシアにやってきた日本人が虐殺されたという話ではない。

と書きましたが、日本軍の戦争犯罪(イワノフカ事件など)を無視して尼港事件ばかりをあげつらうのは、明らかにアンフェアで下劣な行為です。それにしても勉誠出版(この本の版元)もいい加減、こういうげすなウヨ商売はやめたらどうなんでしょうか。
 もともとは国文学専門の出版社だった角川が『角川春樹のメディアミックス路線』を契機に『後発組(既に小説では講談社、新潮、文春などが、マンガ・アニメでは講談社集英社小学館などが先発組として存在)』でありながら、小説やマンガ・アニメの分野に大々的に進出して行ったのを見るに「コカイン逮捕があったとは言えやはり角川春樹はスゴイ」と思いますね。角川春樹のような人間が経営陣にいれば、勉誠出版も、こういうげすなウヨ商売はしなくてすむんでしょうけどね。


【昭和天皇の87年】“臣”吉田茂の直言「天皇退位を希望する者は非国民だ」 - 産経ニュース
 まあ吉田茂*1がそういう価値観であること(また吉田だけでなく当時の日本人保守派の多くがそう言う価値観であること)は有名な話ですが、現代の我々からすれば「ばかばかしい話」です。無謀な戦争で、あれだけの犠牲を出しながら退位すらせず居直るなんてふざけた話です。


【昭和天皇の87年】テニスコートの恋に元華族ら反発 天皇は皇太子妃を祝福した - 産経ニュース
 本当に「昭和天皇以下皇族がこぞって歓迎した」のかは非常に疑問符がつきます。
 美智子氏の立場上、「舅(昭和天皇)、姑(昭和天皇の妻)などにいびられた」等と言える立場じゃありませんし。
 ウィキペディア上皇后美智子」によれば

 「(将来の皇后となる)皇太子妃は「皇族(臣籍降下後の旧宮家を含む)か五摂家(伯爵以上)といった特定の旧華族に属する女性から選ばれる」ということが習わしとされており、「平民から妃を迎える」ということが考えられなかった時代で、1958年(昭和33年)の正田美智子の結婚は、旧皇族・旧華族らに強く反対された。
 旧皇族久邇宮家出身で姑となる皇后良子(当時)は夏に、静岡県の御殿場に高松宮*2秩父宮*3松平信子*4らを招き、「東宮様の御縁談について平民からとは怪しからん」と当時の侍従と数時間懇談し、妃の変更を訴えたとされる(ただし11月の皇室会議では、賛成)。
 旧皇族の梨本伊都子*5は、明仁親王(当時)と正田美智子の婚約発表が行われた1958年11月27日付の日記に、「朝からよい晴にてあたたかし。もうもう朝から御婚約発表でうめつくし、憤慨したり、なさけなく思ったり、色々。日本ももうだめだと考へた」と記している。
 晴れがましい成婚パレード・民間での祝福ムードとは対照的に、平民出身であることから、一部の皇族・女官に受け入れられず、元皇族・元華族からもさまざまな非難を受けたとされる。美智子妃は、昭和天皇の侍従入江相政に対し「(ボーガス注:姑である香淳皇后は)平民出身として以外に自分に何かお気に入らないことがあるのか」と尋ねたという(『入江相政日記』(朝日文庫)1967年(昭和42年)11月13日)。

なので何も反対したのは「元華族だけではなかった」わけです。少なくとも当初においては皇族からも反対意見が出ていた。
 ただしこうした事実は建前上、美智子氏が公然と言える話ではありませんし、ウヨ連中も「なかったこと」にするわけです。

*1:戦前は天津総領事、奉天総領事、駐スウェーデン公使、外務次官、駐伊大使、駐英大使など歴任。戦後は東久邇宮、幣原内閣外相を経て首相

*2:高松宮宣仁親王大正天皇の三男)の妃。 旧名・徳川喜久子。徳川慶久公爵の娘

*3:秩父宮雍仁親王大正天皇の次男)の妃。旧名・松平節子。旧会津藩主・松平容保の六男で駐英大使、駐米大使、宮内大臣などを歴任した松平恒雄の長女。

*4:鍋島直大侯爵の四女。松平恒雄の妻。秩父宮妃節子(旧名・松平節子)の母

*5:梨本宮守正王の妃。鍋島直大侯爵の次女。松平信子の姉

高世仁に突っ込む(2020年5/16日分)(追記あり)

WHO総会への台湾参加を中国が妨害 - 高世仁の「諸悪莫作」日記
 安倍の緊急事態宣言解除について「遅すぎた(あるいは早すぎる、適切だ)」「解除範囲が狭すぎる(あるいは広すぎる、適切だ)」などの高世コメントを期待していましたがありませんね。

 感染症対策において、空白地域を作ることはあってはならないし、台湾は今回の新柄コロナ禍では感染抑え込みのお手本だ。この貴重な経験は他国にも広く交流され、知られるべきだ。保健問題を政治化することは許されない。

 「アンチ中国のウヨ」高世には「やれやれ」ですね。保健問題を政治化してるのは台湾の方も同じです。
 蔡英文*1政権がWHO総会参加を「台湾独立論のてこにしようとしている」のが見え透いてるから中国は反対してるわけです。
 これについては例えば

海峡両岸論 第114号 2020.5.13発行 - 新型コロナめぐる情報操作の実態 支離滅裂なトランプの陰謀論 - | ちきゅう座
 台湾のWHO加盟要求自体が、蔡英文政権の「非中国化」という独立志向の政治性を持っているのは自明だ。
 (ボーガス注:中国による台湾のWHO加盟要求反対を政治的と非難する輩は)蔡英文が(ボーガス注:武漢ウイルスとは呼ぶべきでないという国内外の批判を無視し)今も新型コロナウイルスを「武漢肺炎」と呼び、台湾ナショナリズムを煽っていることは問題にしないのか。

台湾がコロナ「優等生」になった理由。閣僚に医師出身、デジタル化の一方で強まる監視 | Business Insider Japan
 蔡政権は、感染対策の成功をWHO加盟の絶好の機会として、これに反対する中国とWHO事務局長批判のトーンを強めてきた。感染症に国境はないが、台湾のWHO加盟問題は常に政治問題化してきた。
 中国は台湾の要求を「一つの中国」原則を盾に拒否している。「脱中国化」を進めてきた陳水扁*2政権(2000~08年)は、国際世論で受け入れやすいWHO加盟を突破口に、「台湾名での国連加盟」を住民投票(否決)にかけるなど、台湾独立への動きを加速した。
 一方、2008年に誕生した国民党の馬英九*3政権は「一つの中国」をめぐる「92年合意(コンセンサス)」を受け入れたことから、2009年からWHO総会へのオブザーバー参加が認められた。
 だが(ボーガス注:「92年合意(コンセンサス)」を否定する反中国の)蔡政権下では元に戻ってしまった。
 中国を敵視する蔡政権の頼りはアメリカと日本。そのトランプ氏は、初期段階でコロナ禍を軽視し、世界で最も多い100万人を超える感染者を出してしまった。WHOへの出資拒否を決め、治療法として「(人体に)消毒薬を注入したらどうか」と平気でデマを口にする。
 世界中が感染拡大阻止と恐慌対策に忙殺される中、台湾の加盟問題は主要テーマにはならないだろう。むしろ「米中泥仕合」の中に埋没する可能性が高い。
 中国との「新冷戦」を仕掛けるトランプ氏にとり、台湾はまだ使えるカード。しかしアメリカがグローバルリーダーの地位から退場する時、台湾は「捨て駒」にされるのかもしれない。

と言う批判もあります。こうした批判に対して高世はどう答えるのか。もちろんコロナ感染防止の点では蔡英文は評価できるでしょうが「武漢ウイルス呼ばわり」などの「中国へのヘイト」は到底容認できるもんではありません。こうした蔡の挑発的姿勢が中国の「台湾のWHO総会参加反対」を産んでるのであり、蔡は総会に参加したいならまずは「武漢ウイルス呼ばわり」を即刻辞めるべきでしょう。
 そもそも、現状においては参加反対はもちろん「台湾独立論を否定しようとする中国」を利することになりますが、一方で「参加賛成」は単に「WHO総会参加により台湾の保健衛生を向上させること(あるいは高世の言う台湾の経験を世界に広めること)のみを意味し、それ以上の政治性を持たない」訳では全くありません。

WHO総会:米中対立?|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページ
 台湾のWHO総会参加問題についても、事実関係を正確に見極める必要があります。中国は、台湾が「一つの中国」原則に忠実である限り、台湾がWHOにオブザーバーとして参加することは認める立場です。現実に2009年から2016年までの間、「一つの中国」原則堅持を体現するいわゆる「九二共識」の基礎の上で、国民党政権の台湾はWHO総会にオブザーバーとして参加していたのです。しかし2016年に民進党が政権について以後、陳水扁そして蔡英文は「台湾独立」を標榜し、「九二共識」の承認を拒否したために、中国は台湾のオブザーバー参加を認めない立場を取ることになりました。特に、蔡英文政権は何事につけても台湾の独立に向けたステップと位置づけて取り組んでいます。今回のWHO総会出席画策もその脈絡の中での動きです。中国が反対するのは当然なのです。
 ちなみにWHOは、中国が1971年に国連復帰を果たした翌1972年のWHO総会決議25.1号で、中華人民共和国政府が中国を代表する唯一の政権であることを承認し、WHOの唯一合法のメンバーであることを承認しました。中国と国交関係を持っている国々はすべて、アメリカ、日本を含め、「一つの中国」原則を承認しています。したがって、蔡英文政権のWHO総会参加の画策が「一つの中国」原則に挑戦する目的に基づくことが明白である以上、その動きを支持するのはもってのほかであるといわなければなりません。
 台湾のオブザーバー参加に関しては、台湾と国交関係を持つ14カ国*4が「台湾にオブザーバーとしての総会参加を要請する」という提案を行ったことは理解できます。しかし、「一つの中国」原則を承認しているアメリカ、日本(安倍政権)がこの提案を支持したのは大問題です。結論としては、議題に取り上げられることもなく、台湾参加問題は先送りにされるという当然の結末になりました。

と言う指摘があるように、現状では「参加賛成」は「参加には賛成するが、蔡英文は総会参加を台湾独立論に政治利用するな」「蔡英文の反中国の態度も問題だ」と批判しない限り「台湾独立を画策する蔡英文の企み」に加担することを意味します。日本や欧米が「台湾独立論を否定する立場(台湾とは国交のない立場)」であることを考えれば無邪気に「参加賛成」といえる話ではない。
 さすがに高世も「現状での参加賛成」が「台湾独立を画策する蔡英文の企み」に加担することになることは分かってるでしょう。にもかかわらずそれに触れない高世はまさに「反中国&蔡英文万歳の政治詐欺師」と言っても過言ではないでしょう。
 この「政治詐欺師・高世」がその無能さから会社を潰し「テレビ番組制作をできなくなったこと」は大変良かった、改めてそう思います。できれば高世にはメディアの世界から完全に消えてほしいもんです。

 中国が経済をたてにもう一つの国に圧力をかけている。
 オーストラリアのモリソン首相が、今回のウイルスの発生源などを調べるため、独立した調査が必要だと発言したことを受け、中国がオーストラリアの4社の肉製品輸入申請を受け付けないことを決定したのだ。
 オーストラリアの主要輸出品の肉製品の最大の輸出先は中国。これをストップされたらその影響は強烈だ。

 「経済を悪用した恫喝(あるいは嫌がらせ)」である「安倍のホワイト国除外」をろくに批判しない高世がこんなことを言っても説得力は皆無であり、「お前、ただの反中国だろ」と言う話です。
 そもそもモリソンの言う「ウイルスの発生源を独立調査で調べる」とはどういう意味なのかと言うことです。
 ウイルスの発生源を調べることは「相当デリケートな問題」でしょう。
 発生源を突き止めることは困難であり、下手をすれば「中国が悪い」というトランプの中国への責任転嫁に悪用される恐れもある(武漢での流行が他国に伝播したことは間違いないでしょうが、それは武漢が発生源だと言うことを意味しません。またヨーロッパでの新型コロナは『中国とは型が違う』という指摘もあり、発生源は複数(例:中国とヨーロッパ)存在する可能性も否定できません)。
 というかモリソンがトランプの中国叩きに加担し、「中国攻撃にコロナ問題を悪用しようとしている疑い」も否定できないでしょう。
 そして「モリソンの言う独立調査」云々とは関係なく様々な研究者が「発生源についての様々な見解」を表明しているわけです。
 我々としてはそうした研究者の議論を黙って見守っていればいいのではないか。下手に政治が介入することはかえって「発生源についての議論を政治化し不適切」ではないか。
 そして新型コロナの治療や感染予防においては「発生源がどこか、何か」ということは必ずしも知る必要もない。新型コロナウイルスの特徴が分かればそれでいいわけです。
 中国の報復措置を支持はしませんが、そうしたモリソンの主張の問題点について「無知だから気づいていないのか」「気づいた上でアンチ中国の立場からネグっているのか」は知りませんが触れないでただただ中国を悪者扱いする高世も「アンチ中国で頭がわいている呆れたバカ」といっていいでしょう。

 やはり領土問題で、フィリピンからのバナナ輸入を止めたこともあった。

 まるで中国がフィリピンを「ただただ制裁している」かのように描き出すアンチ中国のウヨ・高世です。
 しかし、

フィリピン経済における中国のプレゼンスが拡大 | 地域・分析レポート - 海外ビジネス情報 - ジェトロ
 フィリピン経済における、中国のプレゼンスが増してきている。2018年11月に中国から習近平国家主席が初めてフィリピンを訪問し、2019年4月にはドゥテルテ*5大統領が中国を訪問するなど、両国間で官民ハイレベルでの交流が活発化している。これらの首脳外交を軸として、両国のビジネス協力も進みつつあり、フィリピン経済のさまざまな場面で、中国の存在が目立つようになった。

と言う記事で分かるように「中国とフィリピンの関係」はもっと複雑です。
 そして「経済的恫喝でフィリピンを屈服させようとした」云々というなら我が国日本も

フィリピンに設置の「慰安婦像」は撤去 - 産経ニュース
 在フィリピン日本大使館は3日までに、フィリピン北部ルソン島中部のラグナ州サンペドロ市に設置された、慰安婦を象徴するとした「少女像」が、撤去されたことを確認した。
 像の除幕式は昨年12月28日に行われ、日本大使館が比政府に「遺憾」を表明していた。

ということで「少女像(慰安婦像)を設置したらどうなるか分かってるのか(経済支援が減ってもいいのか!)」と恫喝した前科があるので偉そうなことは全く言えません。
 サンフランシスコ市の少女像設置でわかるように日本の恫喝は「米国のような金持ち国家(特にリベラルな市民が多いサンフランシスコのような所*6)」に対しては効果がありませんが「貧乏国家フィリピン」には大いに効果があるわけです。

台湾では「今日の香港は明日の台湾」という標語が広く流布されていて

 完全なデマですね。「台湾と香港」では置かれている立場が全然違います。

 香港の銅鑼湾書店の元店長、林栄基さんが同名の書店を台北に開店した。
 中国民主化への小さな一歩だが、応援したい。

 台湾で反中国本を出版したところで「中国民主化にはつながらない」と思いますが?

【追記】
共産党、台湾のWHO参加容認訴え コロナ対応で声明 - 産経ニュース
 唖然ですね。いずれ浅井基文氏*7日本共産党・志位執行部を「台湾独立論に加担するのか!」と批判するでしょうから、その時はここで紹介したいと思います。

*1:副首相などを経て総統

*2:台北市長などを経て総統

*3:法相、台北市長などを経て総統

*4:なお、現在、台湾と国交があるのはツバル、パラオマーシャル諸島ナウルエスワティニ(旧称スワジランド)、グアテマラ、セントクリストファー・ネイビス、セントビンセント・グレナディーンニカラグア、ハイチ、パラグアイベリーズホンジュラスセントルシアバチカン市国の15カ国

*5:ダバオ市長などを経て大統領

*6:白人右翼が多い米国南部だとまた話が別かと思います。

*7:著書『日本外交』(1989年、岩波新書)、『新しい世界秩序と国連』(1991年、岩波セミナーブックス)、『外交官』(1991年、講談社現代新書)、『「国際貢献」と日本』(1992年、岩波ジュニア新書)、『「国連中心主義」と日本国憲法』(1993年、岩波ブックレット)、『ここが問題新ガイドラインQ&A』(1997年、青木書店)、『茶の間で語りあう 新ガイドライン』(1998年、かもがわブックレット)、『中国をどう見るか?』(2000年、高文研)、『集団的自衛権日本国憲法』(2002年、集英社新書)、『戦争する国しない国』(2004年、青木書店)、『13歳からの平和教室』(2010年、かもがわ出版)、『ヒロシマと広島』、『広島に聞く 広島を聞く』(以上、2011年、かもがわ出版)、『すっきりわかる! 集団的自衛権』(2014年、大月書店)など

新刊紹介:「経済」6月号(追記あり)

「経済」6月号について、俺の説明できる範囲で簡単に紹介します。
 http://www.shinnihon-net.co.jp/magazine/keizai/
◆巻頭言『食料・農業・農村基本計画』
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。政府が新たに定めた『食料・農業・農村基本計画』への批判が簡単に行われています。
主張/農業の基本計画案/「安倍農政」の転換が不可欠
農業基本計画基軸に/紙氏「中小・家族経営応援を」
家族経営農家を守れ/田村貴昭氏、重要性を強調
攻めの農政に変質/紙氏、新たな基本計画を批判


◆随想「前進座、そして新たな出発」(嵐圭史
(内容紹介)
 まずは嵐氏の経歴についてウィキペディアを紹介しておきます。

嵐圭史嵐圭史 - Wikipedia参照)
 1940年3月31日生まれ。劇団前進座所属の歌舞伎俳優。
 父は五代目嵐芳三郎、兄は六代目嵐芳三郎。弟は声優・舞台俳優の麦人。甥に六代目河原崎國太郎七代目嵐芳三郎。妹に文学座寺田路恵シャンソン歌手の広瀬節子など芸能一家の出身。
 一時、俳優座養成所に所属した。
 前進座での活動を中心に活躍をしているが、映画などの出演も多い。近年では、山田洋次監督の『たそがれ清兵衛』(2002年、堀将監役)など。
 著書『いま ふれ愛:花形役者が語る生協ロマン』(1992年、かもがわブックレット)、『花の道草』(1997年、中央公論社)、『今朝の露に:わたしの芝居旅』(2012年、新日本出版社)、『知盛の声がきこえる:「子午線の祀り」役者ノート』(2017年、ハヤカワ演劇文庫)

 次に嵐氏の近況について報じたマスコミ記事を紹介しておきます。

Topics:嵐圭史、劇団前進座離れ再出発 歌舞伎の基盤を生かす - 毎日新聞
 劇団前進座の看板俳優だった嵐圭史が劇団を離れ、再スタートを切った。傘寿を迎えて4月から予定していた全国巡回公演は新型コロナウイルスの影響で断念したが、秋にも公演を予定している。
 圭史は1940年生まれ。五代目嵐芳三郎の次男で、兄は六代目嵐芳三郎。長年、主役を務めるなど活躍したが2017年春、劇団を離れて個人事務所を設立した。

 なお、嵐氏は今年中に『嵐圭史舞台生活70年(仮題)』(圭史企画)、『私流演技とは(仮題)』(本の泉社)の刊行を予定しているとのことです。


世界と日本
新型コロナウイルス危機とEU(宮前忠夫*1
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
新型コロナ 欧州各国対策強化/伊 緊急措置を延長
新型コロナ 欧州各国 国境を閉鎖/EU「社会や経済に悪影響」
コロナ死者1万人超/世界72カ国・地域 欧州が半数
新型コロナ 経済対策 64兆円合意/EU財相 「コロナ債」は見送り
緊縮策の失敗繰り返すな/コロナ対応 欧州4市長 共同アピール
英とEU、6000万人雇用危機/新型コロナ感染拡大で


◆米国の中距離核戦力配備問題(山脇友宏)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
米、中距離核全廃条約を破棄/トランプ氏意向 開発競争激化の恐れ
主張/米INF離脱表明/核廃絶の流れは止められない
米、INF条約離脱/核廃絶に背 ロシアに正式通告
解説/トランプ政権の核強化が本格化/日本にも影響必至
主張/米国の小型核配備/北東アジアの軍拡加速許すな


◆UR住宅餓死問題の教訓(坂庭国晴*2
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介などで代替。

困窮死 深刻な事態が明らかに - 特集ダイジェスト - ニュースウオッチ9 - NHK
 去年(2019年)のクリスマスイブ。
 都内の団地の1室で、72歳と66歳の兄弟が遺体で見つかりました。
 異臭がすることから通報され、駆けつけた警察官が発見。
 死後4日から10日がたっていました。
 事件性はないとされ、報じられることもなかった2人の死。
 しかし、取材を進めると、壮絶な困窮状態にあったことが浮かび上がってきました。
 無年金の状態だった兄弟。
 部屋にはわずかな小銭しか残っておらず、電気とガスは2か月以上前から止められていたとみられています。
 電気が通っていない冷蔵庫に入っていたのは、里芋だけ。
 2人はいずれもやせ細り、体重は20キロ台と30キロ台でした。
 兄弟は周囲との付き合いはほとんどなく、近所の人も2人が亡くなったことを知りませんでした。
 遺体を引き取った唯一の親族も、2人とは15年以上会っていなかったと言います。
 当初、この団地には72歳で亡くなった兄が、およそ30年前から妻子と一緒に暮らしていました。
 離婚して1人になり、20年ほど前、弟がこの部屋に移り住みました。
 かつて運送会社に勤めていましたが、最近は無職の状態だった弟。
 兄は警備会社で働いていましたが、去年9月ごろから体調不良で仕事に行けなくなっていました。
 収入が途絶えましたが、それでも、生活保護の申請は行っていませんでした。
NPO法人ほっとプラス 理事 藤田孝典さん*3
「お金がなく、相談する先もなし、孤立している。
他者に頼ること自体、ハードルが非常に高まる。
外側から『大丈夫ですか?困っていませんか?』という声かけが特に必要になってくる。」
 困窮死の問題は、実は8年前にも明らかになり、全国で対策が取られていたはずでした。
 2012年1月、札幌市のアパートで遺体で見つかった40代の姉妹。
 生活が困窮し、電気やガスが止められていましたが、救いの手をさしのべられることはありませんでした。
◆生かされなかった教訓
 困窮死の問題は、実は8年前にも明らかになり、全国で対策が取られていたはずでした。
 2012年1月、札幌市のアパートで遺体で見つかった40代の姉妹。
 生活が困窮し、電気やガスが止められていましたが、救いの手をさしのべられることはありませんでした。
 姉妹の死をきっかけに、厚生労働省は全国の自治体にある通知を出しました。
 求めたのは、電気・ガス・水道のライフライン事業者との連携の強化。
 長期の料金滞納などの情報をもとに、生活困窮者をいち早く把握しようというものです。
 通知を受けて、各地の自治体はライフライン事業者と協定を結び、生活困窮者の情報を提供してもらう仕組みを作りました。
 兄弟が住んでいた江東区も、東京都水道局と協定を結んでいました。
 しかし、この仕組みは機能していませんでした。
 水道局は、長期間料金を滞納していた兄弟の部屋を繰り返し訪問していましたが、生活が困窮していることを直接確認することまではできず、区への通報は行われなかったのです。
 通知を出しただけで取り組みを自治体に任せていた厚生労働省
 仕組みは作ったものの、困窮者の把握につなげられなかった江東区
 8年前の教訓が生かされることはありませんでした。
 江東区はNHKの取材に対し、「対応に不十分な点はなかった」と繰り返しました。
 さらに取材を進めると、ほかの自治体でも、困窮者を把握する仕組みが十分に機能していない実態が見えてきました。
 水道料金の滞納が長期間続き、水道を止める措置の対象となっているのは、東京23区で5万世帯に上っています。
 しかし、生活困窮者に関する情報提供は5年間でわずか8件にとどまっているのです。
 藤田さんは、この仕組みの運用を抜本的に見直すべきだと指摘します。
NPO法人ほっとプラス 理事 藤田孝典さん
「(今の仕組みは)まったく機能していないといっていい。
ちゃんと機能しないと、亡くなった方や犠牲者の思いが制度に反映されず、また同じ失敗を繰り返すことになりかねない。」

「せっかくの仕組みが作って終わりとなっているようでは、問題ですね。」
有馬
「人知れず亡くなっている人がほかにもいらっしゃるのではないかと、心配になってしまいます。」

 かなり長くなりましたが引用してみました。昨今「安倍のいいなり」などと揶揄されることも少なくないNHKですが、やはりこうしたところは「腐ってもNHK」と言うべきでしょうか。報道(ドキュメンタリー)にせよ、ドラマにせよ、何にせよ「民放とは(いい意味で)違う」と実感します。
 しかし、このNHK記事で思うのはまず第一に「生活保護は大事だ」ということですね。おそらく「恥ずかしかった」とか「手続きがよく分からなかった」とかで「申請しなかった」のでしょうが「無職、無年金で無収入」、「体重30キロで餓死」などするようではまずい。
 第二に「周囲とのつながりが大事だ」ということですね。第三にNHKインタビューにコメントした藤田氏が言うように行政(国と自治体)はこうした事態が再発しないよう、改善策を講じるべきです。
 ちなみにこの種の孤独死では、古典的名著として水島宏明*4『母さんが死んだ:しあわせ幻想の時代に』 (1990年、ひとなる書房→1994年、社会思想社現代教養文庫ベスト・ノンフィクション→2014年にひとなる書房から復刻)がありますね。

きょうの潮流 2020年3月15日(日)
 生活困窮が原因の孤立死や無理心中事件が相次いでいます。70代と60代の兄弟が東京都江東区の団地で困窮死。体重は20キロ台と30キロ台でした。ライフラインは止められていました

生活困窮者支援/安全な住まい 行政の責任で/住居喪失者に「個室」を市民・団体が声あげる
 緊急記者会見では、昨年12月に東京・江東区のUR住宅で起きた、72歳と66歳の(ボーガス注:兄弟の)餓死事件を現地調査した結果も報告されました。稲葉さん*5は「そもそも貧困によって人が命を落とすようなことがあってはなりません。国が“住宅セーフティーネット”の一部と位置付けているUR住宅という公的な性格の住宅で起こったことの重要性」を強調しました。
 報告者の坂庭さんは「住んでいたのは維持管理良好でURでも極めて優良な団地でした。半年前までは働いており、滞納していた水道料金を払って3、4カ月後に亡くなった。感染で経済危機にある現状を考えると、こういった事態が多発しかねない今日的な課題」と語りました。
 当該自治体の江東区と水道局は“住民が行政の支援を必要とする場合に通報する”協定を結んでいましたが、この通報は2015年から19年までの4年間で26件、うち生活困窮者の通報は8件でした。問題の背景として、公的機関でありながら、家賃を3カ月滞納したら直ちに簡易裁判所に提訴・応じなければ強制執行で立ち退かせるという、URの姿勢を指摘。通報基準の明確化と人材要請、そのための財政支援、家賃減免制度の改善など打開策を示しました。


特集「生命を守る社会保障へ」
◆新型コロナ襲撃で破綻する全世代型社会保障(二宮厚美*6
(内容紹介)
 極めて簡略化して紹介すれば
1)コロナ騒動(病床不足など)は、国の社会保障政策の欠陥を示している上に深刻なコロナ不況を生み出した
2)そうした意味で安倍政権は「コロナで露呈した病床不足を加速する気か」「コロナで景気が悪いのに国民の医療費負担を増やすとは何事か。不況をさらに悪化させ国民を苦しめたいのか」などの批判を生みかねないので、当初予定通りに「全世代型社会保障(安倍政権による福祉切り捨て)」を進めることは出来ないであろうし、政権批判派の側も安倍政権の社会保障切り捨てを容認してはならない
3)そしていかなる社会保障を構築していくのか、代案を提出していくことが問われるという話です。
 「全世代型社会保障(安倍政権)」への批判としては以下の赤旗記事を紹介しておきます。
「全世代型社会保障検討会議」の危険
「全世代型」社会保障 政府が中間報告/75歳以上医療に2割負担/介護改悪は盛り込めず
20年 内政展望/「全世代」を口実に高齢者負担増/貧困・格差なくす政治に転換へ
【2020年5/22追記】
全世代型社会保障検討会議の最終報告、年末に先送り コロナ対応も議論 - 産経ニュース
 「コロナの直撃で全世代型社会保障(安倍流福祉切り捨て)について、安倍政権もやりづらくなった」という二宮氏の見通しが「黒田の不祥事辞任」もあって見事に現実化したわけです。もちろん「先送り」なのでいささかも油断は禁物ですが。


◆対談「いま問われる医療の実態と課題:感染拡大とたたかい、地域医療を守る」(鎌倉幸孝、住江憲勇)
(内容紹介)
 「感染拡大とたたかい、地域医療を守る」という副題で分かるように「コロナ感染にどう地域医療が対応していくか」ということが主たるテーマとして論じられています。

参考
感染拡大でも病床削減/地域医療構想 田村氏が撤回迫る
新型コロナ どうする医療危機・検査強化/小池晃党対策本部長に聞く
医療体制 支援早く/資材も人員も不足 感染出れば運用停止も/患者受け入れ病院
新型コロナQ&A 第3弾/感染爆発・医療崩壊止めるには/いま何が必要か
院内感染 防げ/コロナ患者受け入れ 最前線の奮闘/首都圏の一般病院


◆医療における消費税問題:医療から消費税負担をなくす道(梅原英治)
(内容紹介)
 共産党は消費税廃止の立場ですが、現実問題としてそれは当面難しい。
 それはそれとして、医療費については「消費税非課税」なので、病院などは患者から消費税を徴収できないが、病院経営において購入する物品などについては、消費税がかかるので、現状では、病院が消費税負担で経営が苦しくなる点をどう解消するかという話です(もちろん医療費を消費税対象とすれば、病院の負担はなくなりますが、共産党としてその方向性はとれません)。
 そこで提案されているのが「医療費ゼロ税率」というものですが、上手く説明できないのでこれについては以下の記事を紹介しておきます。

いまさら聞けない「ゼロ税率」 ――税の矛盾は税制で解決を!医療の「ゼロ税率」を求める会員署名にご協力ください! | 東京保険医協会
医療費ゼロ税率提起 参院委 倉林氏 消費税補てんで / 障害者雇用 徹底的な解明要求(2018/11/15 厚生労働委員会) | 倉林明子 日本共産党 参院議員・京都選挙区
医療費ゼロ税率提起/参院委 倉林氏 消費税補てんで


◆「(ボーガス注:障害者自立支援法違憲訴訟)基本合意」から10年、障害者福祉の未来を社会保障の展望に(家平悟)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
主張/「基本合意」10年/障害者の人権保障の拡充こそ
「基本合意」完全実現を/障害者自立支援法違憲訴訟団/10年の節目に全国集会


緊急企画『「新型コロナ危機」と日本経済』
◆日本経済の現局面 コロナ・ショックの下で(工藤昌宏*7
◆コロナ禍が直撃する企業業績(小栗崇資*8
◆「緊急経済対策」に何が求められるか(湯浅和己) 
◆感染対策に対する労働組合の要求と運動(伊藤圭一*9) 
破局的危機に直面する世界経済(金子豊弘) 
◆コロナ・ショックと世界の金融経済危機(山田博文*10) 
(内容紹介)
 小生の無能のため個別の紹介はせず、まとめて紹介しますが、「コロナ対応のため」休業補償や消費税減税など、「倒産を回避し、また家計消費を増やす方向性」での経済支援が求められるというのが各論文の共通認識と言っていいでしょう。
 伊藤論文はそれプラス「不当解雇などを防ぐために国、自治体は勿論労組の奮闘も求められる」としています。
 なお、工藤論文、小栗論文は
1)コロナが事態をより深刻にしたことは事実だが、コロナ以前から「トランプの対中国報復関税」「消費税増税」で日本経済は下降傾向であること、
2)トランプが責任回避のため、中国叩きに狂奔していることが「さらなる対中国報復関税→世界経済の混迷」という事態になりかねないこと
を指摘しています。


パンデミックと再生産過程の撹乱・世界恐慌マルクスエンゲルスはどう考えたか(友寄英隆*11
(内容紹介)
 マルクス資本論』、エンゲルス『イギリスにおける労働者階級の状態」でのパンデミック(中世のペストとマルクスエンゲルスの時代のコレラ)についての記述をもとにマルクスエンゲルスパンデミック理解について主に「再生産過程の撹乱・世界恐慌」という論点から論じていますが、小生の無能のため、詳細な紹介は省略します。
 まあ『パンデミックによる再生産過程の攪乱』というのは平たく言えば「生産が出来ない(コロナによる工場の停止など)」と言う話です。世界恐慌について別に説明しなくても分かるかと思います。
 なお、話が脱線しますがマルクスエンゲルスの時代のコレラについては、日本でも海外からコレラがもたらされて大流行しています。
 この幕末日本でのコレラ流行については手塚治虫陽だまりの樹 』で描かれていますのでご存じの方も多いかと思います。


◆中小企業の「生産性革命」と公正取引実現:デービッド・アトキンソン*12の主張によせて(松丸和夫)
 アトキンソンが著書などで「中小企業の経営革新→日本経済の発展」「最低賃金引き上げ→家計消費の増加→日本経済の発展」と言う主張を行っていることを概ね評価しながらも、彼が「最低賃金引き上げは中小企業の経営を困難にする」と言う批判に対しては「そのような企業は淘汰される他はない」として片付けていることについて「そのような認識は適切ではない(主張内容の是非論)」「そのような主張は中小企業経営者に受け入れられず最低賃金引き上げを困難にする(主張実現のための戦略論)」と言う観点から批判している。


◆価値論なき貨幣理論:レイ『MMT:現代貨幣理論入門*13』を読む(建部正義*14
(内容紹介)
 MMTについての筆者の見解(おそらく否定的見解ですが)が述べられていますが、小生の無能のため紹介は省略します。
 「建部氏の文章がわかりやすいかどうか(失礼ながら俺にとってはわかりにくかったのですが)」という問題はおくとして、正直「従来の貨幣理論についての一定の理解」がないと、「建部批判の理解」以前に「MMTそれ自体の理解」が困難でしょう。そして残念ながら小生はその辺り、理解はまるでありません。
 なお、「MMT」でぐぐれば分かりますが、ランダル・レイ*15の著書『MMT:現代貨幣理論入門』(2019年、東洋経済新報社)以外でも

井上智洋『MMT・現代貨幣理論とは何か』(2019年、講談社選書メチエ)
◆島倉原『MMT〈現代貨幣理論〉とは何か:日本を救う反緊縮理論』(2019年、角川新書)
◆森永康平『MMTが日本を救う』(2020年6月刊行予定、宝島社新書)

ということで「玉石混淆でしょうが」近年はMMTをタイトルとした著書が多数出版されています(比較的入手容易な新書、選書のみ上げてみました)。
 まあ、小浜逸郎『まだMMT理論を知らない貧困大国日本:新しい『学問のすゝめ』』(2020年、徳間書店)なんてのはどう見てもまともな本とは思えませんが(苦笑)。
 小浜は経済学者ではありませんのでね。過去の小浜著書にも経済学関係など全くありません(なお、上で名前を挙げた人間のウチ、井上は駒澤大学経済学部准教授です。島倉と森永は経済評論家or経営コンサルタントのようです)。とはいえ、「経済学素人のくせに、(金儲け目当てで?)流行に飛び乗って恥じない小浜のダボハゼぶり、銭ゲバぶり」「小浜なんぞにMMTネタで書かせる徳間書店のアホさ」はともかく、「小浜なりに日本経済について考えてるらしい」つう点は「日本経済についてまともに考えてるとはとても思えない」櫻井よしこ「国家基本問題研究所理事長」なぞよりはある意味ましな気がします。よしこにとって、経済問題が「国家基本問題」に当たらないというのも「悪い意味で」すさまじい話ですが。
 また
1)MMTの提唱者の一人であるステファニー・ケルトン(ニューヨーク州立大学教授)が「2016年及び2020年の大統領選民主党予備選挙で健闘した」バーニー・サンダース上院議員が設立したシンクタンク「サンダース研究所」の顧問に就任(ウィキペディア『ステファニー・ケルトン』参照)
2)どこまで正確に理解しているのかという問題はともかく、れいわ新選組代表の山本太郎MMTに対して好意的言及をしていますね。
 また、MMTググる
賛否両論「MMT」は「日銀・財務省」失策の劇薬となるか フォーサイト-新潮社ニュースマガジン:時事ドットコム
MMT提唱者ケルトン教授「中銀依存より財政政策」 :日本経済新聞
ビジネス特集 消費増税は逆効果?「 MMT」提唱者に聞いてみた | NHKニュース
MMTで「消費税ゼロ」は可能 28兆円減税でインパクト | | 西田昌司 | 毎日新聞「政治プレミア」
「現金をどんどん配れ!」異端の経済理論・MMTがコロナ不況を救う…?(前田 順一郎,井上 智洋) | マネー現代 | 講談社(1/8)
など色々と記事もヒットします(小生は無知のため特にコメントはしませんが)。
 そう言う意味でも一部で注目を集めてるのがMMTのわけです。

*1:著書『週労働35時間への挑戦:戦後ドイツ労働時間短縮のたたかい』(1992年、学習の友社)、『人間らしく働くルール:ヨーロッパの挑戦』(2001年、学習の友社)、『あなたは何時間働きますか? ドイツの働き方改革と選択労働時間』(2018年、本の泉社)、『改題新版・企業別組合マルクス・エンゲルスの労働者組合論』(2019年、共同企画ヴォーロ)、『企業別組合は日本の「トロイの木馬」(増補改訂版)』(2019年、本の泉社)

*2:著書『どうする住宅難時代』(1991年、学習の友社)

*3:著書『ひとりも殺させない:それでも生活保護を否定しますか』(2013年、堀之内出版)、『下流老人』(2015年、朝日新書)、『続・下流老人』(2016年、朝日新書)、『貧困世代:社会の監獄に閉じ込められた若者たち』(2016年、講談社現代新書)、『貧困クライシス:国民総「最底辺」社会』(2017年、毎日新聞出版)、『中高年ひきこもり』(2019年、扶桑社新書)、『棄民世代:政府に見捨てられた氷河期世代が日本を滅ぼす』(2020年、SB新書)など

*4:著書『ネットカフェ難民と貧困ニッポン』(2007年、日テレノンフィクション)、『内側から見たテレビ:やらせ・捏造・情報操作の構造』(2014年、朝日新書

*5:つくろい東京ファンド代表理事住まいの貧困に取り組むネットワーク世話人生活保護問題対策全国会議幹事。立教大学大学院特任准教授。個人サイト稲葉剛公式サイト。著書『ハウジング・プア』(2009年、山吹書店)、『貧困の現場から社会を変える』(2010年、堀之内出版)、『生活保護から考える』(2013年、岩波新書)、『鵺の鳴く夜を正しく恐れるために―野宿の人びととともに歩んだ20年』(2015年、エディマン)、『ハウジングファースト:住まいからはじまる支援の可能性』(編著、2018年、山吹書店)、『閉ざされた扉をこじ開ける:排除と貧困に抗うソーシャルアクション』(2020年、朝日新書)など(ウィキペディア『稲葉剛』参照)

*6:神戸大学名誉教授。著書『生きがいの構造と人間発達』(1994年、労働旬報社)、『現代資本主義と新自由主義の暴走』(1999年、新日本出版社)、『自治体の公共性と民間委託:保育・給食労働の公共性と公務労働』(2000年、自治体研究社)、『日本経済の危機と新福祉国家への道』(2002年、新日本出版社)、『構造改革とデフレ不況』(2002年、萌文社)、『構造改革と保育のゆくえ』(2003年、青木書店)、『憲法25条+9条の新福祉国家』(2005年、かもがわ出版)、『ジェンダー平等の経済学』(2006年、新日本出版社)、『福祉国家の姿とコミュニケーション労働』(2007年、文理閣)、『格差社会の克服』(2007年、山吹書店)、『新自由主義破局と決着』、『保育改革の焦点と争点』(以上、2009年、新日本出版社)、『新自由主義からの脱出』(2012年、新日本出版社)、『橋下主義解体新書』(2013年、高文研)、『安倍政権の末路:アベノミクス批判』(2013年、旬報社)、『終活期の安倍政権』(2017年、新日本出版社)など

*7:著書『日本海運業の展開と企業集団』(1991年、文眞堂

*8:駒澤大学教授。著書『アメリ連結会計生成史論』(2002年、日本経済評論社)、『株式会社会計の基本構造』(2014年、中央経済社)など

*9:著書『「働き方改革」という名の“劇薬”:労働者本位の働くルール確立を』(共著、2016年、学習の友社)など

*10:群馬大学名誉教授。著書『国債管理の構造分析』(1990年、日本経済評論社)、『金融大国日本の構造』(1991年、みずち書房)、『金融自由化の経済学』(1993年、大月書店)、『国債がわかる本』(2015年、大月書店)など

*11:著書『「新自由主義」とは何か』(2006年、新日本出版社)、『「国際競争力」とは何か』(2011年、かもがわ出版)、『大震災後の日本経済、何をなすべきか』(2011年、学習の友社)、『「アベノミクス」の陥穽』(2013年、かもがわ出版)、『アベノミクスと日本資本主義』(2014年、新日本出版社)、『「一億総活躍社会」とはなにか』(2016年、かもがわ出版)、『「人口減少社会」とは何か:人口問題を考える12章』(2017年、学習の友社)、『AIと資本主義:マルクス経済学ではこう考える』(2019年、本の泉社)など

*12:著書『新・観光立国論』(2015年、東洋経済新報社)、『新・所得倍増論』(2016年、東洋経済新報社)、『新・生産性立国論』(2018年、東洋経済新報社)、『日本企業の勝算』(2020年、東洋経済新報社)など

*13:2019年、東洋経済新報社

*14:中央大学名誉教授。著書『貨幣・金融論の現代的課題』(1997年、大月書店)、『金融危機下の日銀の金融政策』(2010年、中央大学出版部)、『21世紀型世界経済危機と金融政策』(2013年、新日本出版社)、『なぜ異次元金融緩和は失策なのか』(2016年、新日本出版社)など

*15:MMTの提唱者の一人。バード大学教授、バード大学レヴィ経済研究所上級研究員(ウィキペディア『ランダル・レイ』参照)。なお、レイ以外の著名な提唱者としてはニューヨーク州立大教授のステファニー・ケルトンがいます(ウィキペディア『ステファニー・ケルトン』参照)。

黒坂真に突っ込む(2020年5月15日分)

黒坂真
 石川康宏先生。基地のない沖縄、なら米軍だけでなく自衛隊基地もなしですね。それが実現したら、人民解放軍尖閣に容易に侵攻、領有できます。

 石川氏の「基地のない沖縄」の「基地」が「米軍基地」を意味することは、前後の文脈から明白なのによくもまあくだらない揚げ足とりができるもんです。
 なお、ばかばかしくて言うのも愚かな話ですが「自衛隊基地のない沖縄」だろうと中国は尖閣に侵攻しないでしょう。
 第一に「沖縄になかろうと本土にはある」。第二に「そんなことをすれば国際社会から厳しい批判を受け、経済制裁の恐れがある」からです。
 「軍事的に弱い国なら中国は侵攻する」なら、中国はとっくにネパールやブータンに侵攻してるでしょう。もちろんそんなことをしないのは「そんなことをすれば国際社会から厳しい批判を受け、経済制裁の恐れがある」からです。今の国際社会は「戦争に勝てばオールOK」という社会ではない。

黒坂真リツイート
 池内さおりさん。私も岡村さんの発言は不適切と思いますが。池内さおりさんは性産業で何らかの性的労働サービスを購入している方は投獄すべきとお考えですか。

 意味が分からないですね。岡村批判派は必ずしも「性風俗批判派」「性風俗廃止派」ではないし「性風俗批判派」「性風俗廃止派」イコール「今すぐ性風俗経営者(あるいは性風俗ユーザー)を投獄しろ」でもない(もちろん岡村批判派の中には「性風俗批判派」「性風俗廃止派」もいますが)。
 岡村発言の問題は「コロナ不況によって貧困に陥った女子が生活の為に風俗入りすることが、風俗愛好家として嬉しい(美人が風俗入りするかもしれないから)」と「人の不幸を喜ぶ発言」をしたことです。
 まあ、うまい例が思いかびませんがたとえば『坂口杏里が浪費癖からカネに詰まって、デリバリーヘルス入り*1したらしいので嬉しい。ぜひ利用したい(彼女のファンだから)』でも『グラビアアイドルだった小向美奈子が、覚醒剤使用での逮捕を機にカネに詰まってAV出演して嬉しい。是非視聴したい*2(彼女のファンだから)』でも何でも話は同じです。
 そういうことを言えば「人の不幸*3を喜ぶのか」と常識を疑われるでしょう。
 問題は「人の不幸を喜ぶ発言をしたこと」であって性風俗ソープランド、ファンションヘルス、イメージクラブなど)の是非は必ずしも問題にはなっていない。
 岡村が単に「コロナ不況で貧困に陥った女子が生活の為に風俗入りすることがあるかもしれない」と事実を述べただけなら誰も批判しません。それどころか「そういうことがないように貧困女子を政府は支援すべきだ」とまで言ったら岡村の株は大いに上がったでしょう。
 例えば前も書きましたが「脱北者女子が貧困にあえいで風俗入りする*4のが嬉しい(美人が風俗入りするかもしれないから)」と冗談でも書いたら、その人間は批判されるでしょうし、「脱北者支援者を自称する黒坂の立場」では批判しないとおかしいでしょう。
 まさか、「脱北者女子を馬鹿にするな」という批判に対して「その発言は不適切だと思いますが、あなたは性産業で何らかの性的労働サービスを購入している方は投獄すべきとお考えですか。」と聞くのが黒坂なのか。

【参考:コロナと性風俗

「コロナと風俗嬢」 セックスワーカーに伝染しうる分断:朝日新聞デジタル
 「多くの人が不自由な生活、苦しい状況にある中で、大変失礼な発言をしてしまいました。今、コロナをはじめ、経済的な問題で生活が苦しくて、やむをえず風俗業に就く方がいらっしゃることへの理解や想像力を欠いた発言をしてしまいました」
 4月30日深夜に生放送された「ナインティナイン岡村隆史オールナイトニッポン」(ニッポン放送)で岡村さんはこう謝罪した。
 問題となった発言はその前週の同番組。「WET(ウェット)STREAM(ストリーム)」という「最近あった性にまつわる嫌な出来事」を募るコーナーで、リスナーから寄せられた、新型コロナウイルスの影響で性風俗店に行けないという投稿に対する、こんな回答だった。
「コロナが収束したら絶対面白いことあるんですよ。コロナが明けたらなかなかの可愛い人が、短期間ですけれども美人さんがお嬢(風俗嬢)やります。これ何でかって言うたら、短時間でお金を稼がないと苦しいですから。苦しいの3カ月やと思います。3カ月の間、集中的に可愛い子がそういうとこでぱっと働きます。で、ぱっと辞めます。だから今、我慢しましょう」
 この発言を取り上げたネットニュースの記事がSNSなどで拡散されると、インターネット上で批判が噴出。「風俗産業が女性の貧困のもとに成り立っていることを肯定する発言だ」「人の不幸を喜ぶのか」といった声が相次いだ。ニッポン放送には27日までに約120件の意見が寄せられた。一部擁護するものもあったが多くは批判的な内容だったという。
 岡村さんが謝罪した30日深夜の放送終了後には、約300件のメールが寄せられ、多くは放送内容に理解を示し、再起を期待するものだったという。ニッポン放送は「リスナーの方々のご意見を真摯(しんし)に受け止め、今後の編成制作に活(い)かして参ります」としている。

性風俗 辞めたいが…/コロナ禍 昼の仕事ない/小口資金「予約2カ月先」「彼氏に借りて」 ツイッターに窮状 共産都議が相談に
 感染が怖いから辞めたいのだけど生活のためには辞められない…。そんな思いを抱えて都内の性風俗店で働く女性(30)の現状は―。(染矢ゆう子)
 性風俗店には精神疾患を抱えて“昼の仕事”ができない人や“昼の仕事”だけでは生活できないシングルマザーなどが多くいます。父子家庭で育児放棄を受け、奨学金で多額の借金を抱えた、この女性も生きるために働いてきました。
 この機に“昼の仕事”に変えたいとファストフードやコンビニ、介護事業所など10件ほどの求人に応募しています。が、すべて連休明けまで面接できない、営業していない、受け入れがない、5月から週2のみなら、などと断られたり、言われたりしてきました。
 ツイッターで窮状を訴えると、日本共産党の斉藤まりこ都議が相談にのりました。厚生労働省は14日、緊急小口資金をできるだけ早く渡すことができるよう、相談に応じる職員の増員などを求める通知を出しました。斉藤都議は言います。
「彼女と同じように緊急で生活資金を求める人が福祉事務所につめかけています。この通知も力に運用を改善していきたい。同時に急を要する方にすぐ届く給付金が必要です」

黒坂真リツイート
◆machine-xC210
 自民党石破茂がいくら総理総裁に噛みついても除名はおろか何の処分もないですね。

 やれやれですね。いくら何でも「政調会長、幹事長経験者という大幹部の石破」にその程度で処分なんか出来るわけがないでしょう(そもそも『石破の安倍批判』も、野党に比べたら大分ぬるいのですが)。安倍が石破を役職に就けず干してることや、「谷垣総裁時代に安倍批判した溝手氏」を逆恨みして,河井案里刺客候補に立てたことなどを平然と無視とはいつもながら全くデタラメです。

黒坂真リツイート
 池内さおりさん。日本共産党は、岡村隆史さんの社会生命を絶つべきだ、と主張しているでしょうか。
◆池内さおり*5
岡村発言
「まともな国なら一発でアウト」
完全に同意。
「男女平等が進む国での発言なら、その人の社会生命は絶たれるだろう。芸人だろうと政治家だろうと」
男女平等度121位の日本がうんだ岡村隆史氏発言。その後の顛末も、日本の我々の世代で向きあい、変えたい。
男女平等度121位の日本がうんだ岡村隆史氏発言。社会の問題を、個人の人格のせい+無いことにする違和感(今井佐緒里) - 個人 - Yahoo!ニュース

 やれやれですね。「岡村発言はまともな国(男女平等が進んでいる北欧など?)なら一発でアウト」「男女平等が進む国での発言なら、その人の社会生命は(ボーガス注:世論の批判で)絶たれるだろう。」というのは「岡村を芸能界から追放すべきだ」「岡村はチコちゃんやオールナイトニッポンなど出演番組全てから降板し、引退(あるいは引退しないまでも、当面、活動を休止し謹慎)すべきだ」「吉本興業は岡村を解雇すべきだ」などと言う意味ではもちろん「必ずしもない」(もちろん岡村批判派にそう言う価値観の方もいるでしょうし、実際「チコちゃん降板を求める署名運動」もあるようですが)。
 そもそも黒坂は「岡村がかわいそう」と言う前に「岡村の発言を暴言だと思うのかどうか」「岡村の謝罪をどう評価するのか」を語るべきでしょう。まあ、単に池内氏に因縁をつけたいだけなので無論語らないわけですが。
 そもそも「本心か、保身かはともかく」当事者である岡村が謝罪したのに黒坂みたいな「意味不明な擁護(?)」をされても岡村もありがた迷惑でしょう。

黒坂真
 中国共産党尖閣周辺で操業する日本漁船を逮捕*6して、尖閣周辺の領海化を進めようとしていますね。立憲民主党日本共産党はは中国共産党尖閣侵攻などあり得ない*7と考えているのでしょう。

 やれやれですね。現在の政権与党は自民党なのだから黒坂はまず自民に対して「中国艦船の行為に対してどう対処してるのか」と批判すべきでしょう。
 政権与党ならまだしも、野党、特に最大野党ではない、ミニ野党である日本共産党に出来ることは残念ながらそう多くはありません。
 せいぜいできることは「中国の行為に抗議する」という「政治的批判」にすぎない。
 一方、政権与党自民はそういうことをやるべきかどうかはともかく「韓国に対してのホワイト国除外」「北朝鮮に対しての経済制裁」「トランプが中国相手に発動した制裁関税」のような強硬措置も中国相手にやることは出来ます。
 黒坂が「野党は中国に対して批判が弱い」といえばいうほど「野党よりも与党を批判したら?」「野党よりも与党のほうができることは沢山あるし、与党が適切な外交をすれば野党の外交政策が駄目だろうが何の問題もないでしょ?。あんた与党・自民支持者を自称してるのに何で野党にそんな要求するの?。与党・自民に要求しなさいよ」で終わる話です。

*1:ウィキペディア坂口杏里』によれば、今もデリヘルで働いているかどうかはともかく、『自身のTwitterで、2018年6月24日、新宿のデリヘル「輝き」に「坂口杏里」名義で勤務を開始したことを報告。さらに9月3日、自身のTwitterで神戸のデリヘル「クリスタル」で勤務していることを報告。10月9日には渋谷の「デリヘル東京」に出勤していることを報告した』だそうです。事実なら絶句しますね。浪費癖さえなければそんなことはあり得ない立場の訳ですから。

*2:勿論、これらはあくまでもたとえ話であって、俺がそう言うげすな考えだと言うことではありません。

*3:もちろん「坂口の浪費癖」だの「小向の覚醒剤での逮捕」だのはしゃれにならない問題です。単に「売れなくなった元アイドルがAV出演したり、風俗入りしたりする」のとはわけが違います。

*4:実際、韓国においてそういうこともあるようですが。

*5:衆院議員。日本共産党中央委員

*6:日本漁船を追尾し、退去要求しただけでさすがに逮捕などしていません。全くデマも大概にして欲しい。

*7:まああり得ないでしょうね。「尖閣周辺で操業する日本漁船を追尾し退去要求する」のと「尖閣に軍事侵攻する」のでは全然ハードルの高さが違います。同じ性犯罪だからといっても「痴漢と強姦」では、あるいは同じ粗暴犯罪だからといって「傷害と殺人」ではハードルが違うのと同じです。

「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2020年5/15分:荒木和博の巻)

5・15と5・16【調査会NEWS3266】(R02.5.15): 荒木和博BLOG

 「5・15」はお分かりだと思いますが昭和7年(1932)の海軍(ボーガス注:青年将校)を中心としたクーデター未遂。

 「クーデター?。犬養*1首相暗殺しただけでしょ?」と思った方も居るでしょうが、実は515事件とは

◆515事件(ウィキペディア参照)
・海軍青年将校率いる第一組は総理大臣官邸、第二組は内大臣*2官邸、第三組は立憲政友会本部を襲撃する。つづいて昭和維新に共鳴する大学生2人(第四組)が三菱銀行に爆弾を投げる。
・第二段として、第四組を除く他の3組は合流して警視庁を襲撃*3する。
・これとは別に農民決死隊を別働隊とし、午後7時頃の日没を期して東京近辺に電力を供給する変電所数ヶ所を襲撃し、東京を暗黒化する。
・これによって東京を混乱させて戒厳令*4を施行せざるを得ない状況に陥れ、その間に軍閥内閣を樹立して国家改造を行う、というものであった。

というものでした。その意味では単独テロである原敬*5首相暗殺や浜口雄幸*6首相狙撃と515事件はかなり性格が違います。
 実際には力不足で犬養首相暗殺だけに終わりますが。なお、この頃の軍の極右派は「515事件」に限らず
三月事件 - Wikipedia(1931年、宇垣一成*7内閣の樹立を目指す)
十月事件 - Wikipedia(1931年、荒木貞夫*8内閣の樹立を目指す)
二・二六事件 - Wikipedia(1936年:真崎甚三郎*9内閣の樹立を目指す)
と「軍部内閣の樹立を目指すクーデター計画」目白押しです。
 また、終戦直前には半藤一利『日本のいちばん長い日』(岡本喜八で映画化)で有名なクーデター未遂があります。
 小生の持ってる本、須崎慎一『226事件』(2003年、吉川弘文館)は『計画倒れに終わった三月事件、十月事件、515事件と違い、本格的なクーデター計画として一時は首都を占拠したのが226事件』『三月事件、十月事件がもみ消されてろくに処罰されなかったこと(そしてそのことが軍において公然の秘密だったこと)が、226事件を助長した』としています。
 なお、荒木と真崎は皇道派ですが、宇垣は統制派であり、何もクーデターを画策したやばい連中は「皇道派限定」ではありません。
 イフの話ではありますが、『三月事件、十月事件』がきっちり処罰されていれば226事件はなかったかもしれない。しかし小生も須崎慎一『226事件』(2003年、吉川弘文館)等を読んで知ったので「あまり偉そうなことは言えませんが」、まあ515,226を知らない人はまず居ませんが『三月事件、十月事件』は知らない人が多いと思いますね。
 『三月事件、十月事件』がきっちり処罰されていれば226事件はなかったかもしれないとか、『三月事件、十月事件』への関与を理由に東京裁判橋本欣五郎が訴追されたと言う意味では結構重要な事件ですが。

 では「5・16」は何でしょう。
 答えは昭和36年(1961)に韓国で朴正煕ら青年将校が起こして成功したクーデター。
 朴正煕がこの「5・16」のとき一番のモデルにしたのは「5・15」の4年後に起きた「2・26」でした。昭和47年(1972)、体制の引き締めのために憲法を改正し、大統領に権限を集中した体制を「維新体制」と名付けたのは「2・26」の思想的基盤になった「昭和維新」という考えだったと思います。

 おそらく真偽は不明でしょう。荒木のような日本ウヨを喜ばせるための朴のリップサービスではないか。

 朴正煕の時代、韓国は猛烈な速度で経済発展をしました。

 「経済発展したから朴はすばらしい。独裁でも関係ない」というなら荒木は鄧小平*10ら「改革開放」を進め今の「経済大国・中国」を築いた中国共産党幹部を評価すべきでしょう。もちろん「反共右翼」荒木はそんなことしませんが。
 いずれにせよ「朴チョンヒをどう評価するか」など拉致被害者の救出には何一つ関係ないのでばかばかしい限りです。


5月15日のビデオメッセージです。韓国で拉致被害者救出運動が広がらない理由についてお話しました。: 荒木和博BLOG
 日本だって小泉*11訪朝で拉致被害者が帰国するまでは「拉致被害者救出運動」なんてもんは広まっていなかったので韓国と大して変わりないでしょう。
 そして今「小泉訪朝から何年経っても動きがないこと」で「拉致被害者救出運動」なんてもんは「衰退の一途」といっていいでしょう。


忘却【調査会NEWS3265】(R02.5.14) : 荒木和博BLOG

・最近忘れっぽくなって困ります。
・それぞれの失踪について調査会で一番詳しいのは杉野事務局次長なのですが、私もかなり覚えていたつもりが最近になって聞かれて答えられないことが少なくありません。

 「はあ?」ですね。そんなことをメルマガ記事として配信することに何の意味があるのか。
 いつもながら荒木のアホさには呆れます。

*1:第一次犬養内閣文相、第二次山本、加藤高明内閣逓信相などを経て首相

*2:226事件では実際に齋藤実内大臣を暗殺します。

*3:実際に226事件では警視庁が襲撃され一時占拠されました。

*4:226事件では実際に戒厳令が施行されます。

*5:第四次伊藤内閣逓信相、第二次西園寺、第一次山本内閣内務相などを経て首相

*6:大蔵次官、加藤高明、第1次若槻内閣蔵相、第1次若槻内閣内務相などを経て首相

*7:清浦、加藤高明、第一次若槻、濱口内閣陸軍大臣朝鮮総督、第一次近衛内閣外相など歴任

*8:犬養、斎藤内閣陸軍大臣、第1次近衛、平沼内閣文部大臣など歴任。戦後、終身刑判決を受けるが後に仮釈放

*9:台湾軍司令官、参謀次長、陸軍教育総監など歴任

*10:副首相、中国共産党副主席、人民解放軍総参謀長、国家中央軍事委員会主席、党中央軍事委委員会主席、党中央顧問委員会主任など歴任

*11:宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相などを経て首相

今日の産経ニュース(コロナ問題以外:2020年5月15日分)

維新は検察定年法賛成へ 分離要求も与党応じず - 産経ニュース
 まあ維新は「自民の二軍」でしかありませんからね。基本的に「自民党のやることなすこと全て賛成する政党」であり、アレを支持する大阪人はまるきり理解が出来ません。


桜井充参院議員、自民会派へ 野党統一会派に退会届 - 産経ニュース
 一時は民主党政調会長(海江田代表時代)を務めた人間が自民入りするというのだから心底呆れます。まあこういう人間は以前から細野*1などいろいろといますが。こうした人間の存在が「民主党自民党と変わりない」と言うイメージを生み、安倍を利してることは今更言うまでもないでしょう。


検察定年延長の採決見送りへ 野党、武田担当相の不信任決議案提出 - 産経ニュース
 「法案が廃案になったわけではない」のでもちろん過大評価は禁物ですがひとまずは喜びたいと思います。
 もちろん「政権交代していれば」、あるいは政権交代しないまでも「過去の選挙で安倍が選挙敗戦により引責辞任してれば」こんな厄介なことにはならなかった*2ので「選挙は重要」ですが、今回の件でも分かるように「選挙が全てではない」わけです。10万円支給にせよ、南スーダンからの自衛隊撤退にせよ何にせよ、「国民世論の批判が怖ければ」安倍も挫折したり方針変更したりせざるを得ません。


検察庁法改正、OBも異議 現職は冷静「問題ごちゃまぜ」 - 産経ニュース
 もちろん「冷静なのではなく安倍に逆らえないから黙り」なだけです。
 これを冷静というなら独裁国家の官僚は「デモが起ころうが何があろうが、政権が揺るがない限り淡々と事務処理」するわけですから、彼らも「冷静」と言うことになりますが、その独裁国家が中国や北朝鮮といった「産経が嫌う国家」なら「民衆の声を無視してる」と言い出すのだからいつもながら産経もデタラメです。
 そもそも検察OBが実名なのに対し、この「現役の検察幹部」とやらが匿名なのだから「勝負あった」でしょう。匿名でないと言えないような恥ずかしいことを言ってるという自覚がご本人にもあるのでしょう。


【安倍政権考】首相と菅氏にすきま風? ポスト安倍めぐる政局の引き金にも(1/5ページ) - 産経ニュース

「岸田(文雄自民党政調会長)では選挙に勝てない。石破(茂元党幹事長)が優勢だと思えば皆そちらに傾く」
 菅氏は最近、周辺にこう語っている。
 首相と激しく対立する石破氏を持ち上げるかのような印象だ。コロナへの政府対応をめぐり、菅氏の存在感低下を指摘する報道に対しても「誰かが書かせている」と話し、官邸内のきしみを認めている。
 公職選挙法違反疑惑で河井克行氏が法相、菅原一秀氏が経済産業相を相次いで辞任。2氏はともに菅氏に近いといわれ、菅氏失速の一因となった。
 官邸内でくすぶっていた不和は、コロナ対策で「菅外し」につながったのだろうか。
 1月下旬、コロナの発生地である中国湖北省武漢市からの邦人帰国に向けたチャーター機手配では、日本貿易振興機構(JETRO)と連携し、スピード重視で奔走したのは今井氏で、外務省主導を主張した菅氏はほぼ蚊帳の外に置かれた。2月下旬、首相が全国公立小中高などの一斉休校を決断した席に菅氏は同席しなかった。
 コロナ関連の最新情報は、西村康稔経済再生担当相が連日記者会見などで発信し、スポークスマンとしての菅氏の露出も相対的に減っている。
 菅氏は沖縄基地負担軽減担当相も兼ねるが、米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設は軟弱地盤の改良工事が新たに加わり、コロナの影響で工事さえもままならない。普天間の返還が予定より大幅にずれ込むことは確実で、「逆風」が続けば、菅氏の影響力がそがれる可能性がある。
 菅氏と首相周辺との距離が広がる一因に、首相が「ポスト安倍」として本命視する岸田氏の存在がある。菅氏は岸田氏について「何をやりたいのかわからない」と批判し、「権力は自ら取りに行くものだ」とも語っている。
 菅氏からみれば、「禅譲狙い」で首相の座を目指す岸田氏や、岸田氏を次期首相候補に推す首相に対しても、強い違和感があるのだろう。岸田氏が今秋に予定する党役員人事で幹事長に就けば、菅氏との力関係が逆転するかもしれず、菅氏の岸田氏への強烈な批判は焦りの裏返しでもある。
 (ボーガス注:祖父が岸信介元首相(岸の実弟佐藤栄作元首相)、父が安倍晋太郎元外相と)戦後政治を彩る政治家一家の出自を誇る首相と、秋田県の農家に生まれ、横浜市議からのたたき上げの菅氏は、首相が首相経験者として心を許す麻生太郎副総理兼財務相のような気心の知れた関係ではない。
 菅氏と首相との距離が広がれば、政権運営が不安定になるリスクを抱えるだろう。

 菅と安倍の間に最近、本当に隙間風が吹いているのか、「第三次安倍内閣地方創生担当相を退任後、総裁選出馬を理由に安倍に干されてる石破」のように「次の内閣改造」で菅が官房長官を退任して、無役になり干されるのか知りません。こんな記事を書く産経が最近の菅の言動を「石破を褒めるようなことはするな」と苦々しく思ってるのかどうか、それとも逆に「(石破評価には賛同しないが)良く岸田を批判した」と評価してるのか、安倍と菅の関係修復を希望してるのか、それとも「もはやこうなったら政権ダメージを覚悟してでも菅を干すしかない」と考えてるのかもよく分かりません。
 正直、こんなことには興味もないですが、まあ仮に干されたところで石破ほどの衝撃はないでしょう。
 安倍政権以外でも「福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)」を歴任した派閥ボス・石破と違い、菅は「安倍政権官房長官」以外ろくな役職についておらず、派閥ボスでもないからです。安倍に干されたら急速に政治力を失うでしょう。
 しかし

 首相が「ポスト安倍」として本命視する岸田氏の存在

ねえ。確かに「ポスト安倍」扱いされてる有力政治家のウチ、「自民党派閥ボス(石破、石原、岸田*3)」で最も安倍に好意的なのは岸田氏ではあるでしょうが、彼は出自は宏池会ですし、安倍ほどの極右ではないでしょう。
 安倍も「後釜は岸田でいい」と思うとは「意外だ」という感想ですね。現実性という問題は無論ありますが、稲田元防衛相や下村元文科相のようなウヨ政治家でもプッシュするのかと思っていました。あるいは派閥ボスの有力政治家である「副総理・財務相の麻生」「自民党ナンバーツー(幹事長)の二階」とか。
 まあ「総裁選出馬を当初は考えていた(断念しましたが)」岸田氏よりも「最初からそんなことは考えてない」二階や麻生の方が安倍には「べったり」でしょうにねえ。
 「あなたの後釜が岸田以外では、極右イメージや安倍べったりイメージが強すぎてたぶん選挙に勝てない。あなたの退任後、アンチ安倍の反動が一気に自民に襲いかかりかねない」とでも言われて渋々納得したのか、はたまたもっと単純な話で「安倍にへいこらする岸田氏」に機嫌を良くしてるだけなのか(麻生や二階は意外とそれほどへいこらな態度ではないのかもしれません)。
 安倍の考えは今ひとつよく分かりません。

*1:野田内閣環境相民主党幹事長(海江田代表時代)、政調会長岡田代表時代)、民進党代表代行(蓮舫代表時代)など歴任

*2:おそらく石破や石原、岸田派こんな法案出さないでしょう。

*3:他の派閥ボス(二階幹事長、麻生副総理・財務相など)は世間にはあまりポスト安倍扱いされてないでしょう

今日の産経ニュース(コロナ問題:2020年5月15日分)

レナウンが民事再生手続きへ コロナで販売激減 - 産経ニュース
 近年のレナウンは経営不振であり、「コロナがとどめを刺しただけ」のようですがそれにしてもびっくりです。

レナウンウィキペディア参照)
 1960年代より、若い女性向け衣料品メーカーとして人気を博した。NETテレビ(現:テレビ朝日)の『日曜洋画劇場』でCMを放送し、特に小林亜星作曲によるCMソング「ワンサカ娘(レナウン娘)」と「イエイエ」で知られる。

ということで「一世を風靡した有名企業」だったわけですから。
 なお、「コロナ、倒産」でググる

新型コロナ:福岡の居酒屋チェーン 自己破産へ、新型コロナで :日本経済新聞
 新型コロナウイルスの感染拡大で、福岡県内の飲食店の経営破綻が相次いでいる。居酒屋などを経営するアーネスト(福岡県筑紫野市)は7日までに事業を停止し、自己破産申請の準備に入った。

県内初、新型コロナ関連倒産 米沢・小野川温泉の「つたや物産」|山形新聞
 東京商工リサーチ山形支店によると、11日付で事業を停止したのは、木製こまなど木地玩具の生産や土産品販売などを手掛ける米沢市小野川温泉の「つたや物産」(蔦幹夫社長)。

コロナ倒産、県関係で3件目 横手とにかほ市に縫製工場|秋田魁新報電子版
 秋田県横手市平鹿町にかほ市象潟町に工場がある婦人服縫製加工業のサンクロージング(埼玉県川越市高橋信夫社長)が事業停止し、破産手続きの準備に入ったことが12日、分かった。

タクシー会社が経営破綻 コロナ関連で業界初 大阪 | NHKニュース
 大阪市でおよそ100台のタクシーを保有して営業している会社が、新型コロナウイルスの影響で利用客が急激に減って経営が悪化し13日、裁判所に破産を申し立てました。
 破産を申し立てたのは、大阪 平野区のタクシー会社「ふれ愛交通」です。
 会社は従業員111人のうち、一般タクシーのドライバーや事務を取り扱う社員など81人を解雇しました。

ということで状況はまだまだ深刻です。


【主張】緊急事態39県解除 感染対策と経済の両立を - 産経ニュース
 「経済活動などがより活発な状況に進む」という面で考えれば当然「解除はいいこと」です(小生の住む埼玉は今回解除対象外ですが)。ただし感染症予防の面では果たしてどうか。
 また今回の解除を「是」とする場合でも「北海道や韓国で第二波が来た」ことを考えれば今後も「それなりの警戒」は必要なのでしょう。
 そして、今回の解除を「是」とする場合でも【主張】緊急事態39県解除 感染対策と経済の両立を - 産経ニュースも書くように「入院患者や感染者」「コロナ不況に苦しむ企業」はなくなったわけではないので、そうした物への対応は今後も必要です。
 この辺り、野党の評価や高世仁の「諸悪莫作」日記の評価などを元に今後それなりに考えたいとは思います。


緊急事態宣言解除は残念 群馬県知事 - 産経ニュース
 自民党知事の山本なので事前に政府、自民党に「緊急宣言を群馬は続けて欲しい」と要請し、概ね確約をとった上での「ダメ押しの意見公表」かと思っていたので意外です。
1)確約はとれなかったがあえて意見公表した 
2)確約はとれたのに安倍が直前で翻した(安倍が山本を結果的にだました)のか
気になるところです。