「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2020年11/29日分:荒木和博の巻)

増元さんの「拉致問題アワー」: 荒木和博BLOG

 増元照明さんのチャンネル桜拉致問題アワー」で11月21日の「防人と歩む会」での質疑部分を取り上げて下さいました。講師は増元さんと私。同会会長は葛城奈海・予備役ブルーリボンの会幹事長。

 36分程度の動画です。チャンネル桜などというウヨ放送局で番組MCをやり、荒木や葛城のようなウヨと交際して恥じない増元にはいつもながら呆れます。チャンネル桜なんかウヨしか見てないでしょうに。そしてこんな番組をやれば増元が「非常識極右」認定されて世間から距離を置かれるだけです。
 まあ、増元の場合、極右政党「次世代の党」から参院選(2014年)に出馬するような人間ですので、もはや何を言っても無駄なのでしょうが(増元照明 - Wikipedia参照)。
 なお、増元は落選し、次世代の党も大敗して消滅しました。最初の参院選出馬(2004年、東京選挙区、当時は定数4)では自民の公認を取ろうとしてもとれなかったため、無所属で出馬して落選していますが、おそらく当時の自民党側が「増元の極右性」を敬遠したのでしょう(この選挙で増元は落選)。
 増元の場合、「拉致被害者だからウヨ化」したのではなく、もともと極右に親和的なのでしょう。家族会の中でこの男ほどの極右は他にいませんからね。
 動画を見てみましたが、増元曰く「中露が北朝鮮支援してることが許せない」「しかもそんな中露が何故、国連安保理常任理事国なのか」「何故日本政府は中露をもっと批判しないのか」。
 そんなこと言ってもどうしようもないでしょうよ。
 そこで「中露が北朝鮮支援してるから経済制裁しても意味が無い(とは増元や荒木には絶対に言えないのでしょうが)」でもなければ「中露の北朝鮮支援をなんとかしてやめさせよう(これまた増元にも荒木にも中露に支援を辞めさせるための具体案がないので言えないのでしょうが)」でもなく「中露への悪口雑言」しかしないのだから呆れます。
 さて、次に「防人と歩む会」での質疑部分。なお、質疑部分の文字おこしはかなりアバウトなので、正確に知りたい方は動画を視聴してください。

◆質問1
 ブルーリボンを多くの議員が付けていますが、その中で誰が頼りになる議員か、名前を挙げて欲しい
◆回答1(回答者・荒木)
 そう言う議員はいないと思います。
 先日、加藤*1官房長官に「『しおかぜ』放送で、『金正恩以外の勢力でもいいから拉致被害者を帰国させて欲しい』『その場合、その勢力の日本亡命などの措置も執る』と放送して欲しい」といったんです。
 しかし加藤さんは「ご要望を持ち帰って、外務省と相談した結果、問題があると考え、要望には応じないことにした」。なんで外務省の言いなりなのか。

 いや質問者も非常識ですが、荒木も非常識ですね。
 質問者はここで荒木が特定の政治家の名前を挙げたらまずいという認識もないんでしょうか?
 一方で、荒木の方も、どう見ても「金正恩打倒クーデターのそそのかし」としか思えない行為を加藤官房長官に求めたあげく、さすがに断られたら悪口雑言。常軌を逸していますね。
 それにしても加藤氏もまあ腰が引けてますね。「持ち帰って外務省と相談」云々でなく、その場で「そんな馬鹿なことは出来ませんよ」と即答できないのか。加藤氏だって、この程度の事をまさか外務省に相談しなきゃ返答できないわけでもないでしょうに。外務省を「弾よけ」に使ってるだけですよね。
 いずれにせよ、いかに菅首相や加藤氏が「極右の安倍前首相に重用された」とはいえこんな暴論に協力しない程度の常識はさすがにあるようです。

◆質問2
 自衛隊による拉致被害者救出論をどう思いますか。
◆回答2(回答者・増元)
 (北朝鮮の反撃で)自衛官に犠牲が出る恐れもあると思いますが、拉致被害者の為に(死ぬ)覚悟を決めて欲しい。日本国民を守るためにあるのが自衛隊ではないのか。

 「お前は自衛官の命を何だと思ってるんだ?」「そもそも拉致被害者の居場所も分からないのにどこに自衛隊を投入するんだ」ですよねえ。増元はこんなことを言ったら、「増元のお仲間ウヨ」以外には「アホか、あいつ」とドン引きされると言うことも理解できないようです。まあ、増元もそう言うバカだからこそ、次世代の党から参院選に出馬したのでしょうが。

◆質問3
 韓国は北朝鮮を自国領としている*2ので、「自衛隊による拉致被害者救出」をする場合は、韓国軍と自衛隊の共同軍事作戦はともかく、自衛隊出動について韓国政府の了解を得る必要があるのでは無いか
◆回答3(回答者・荒木)
 今の文在寅*3政権は「反日親北朝鮮、親中国」なので、文在寅政権が続く限りはそうした了解はないと思います。ただし、最大与党で右派政党の『国民の力』が政権奪還すれば、韓国の了解を得て、(北朝鮮の了解がなくても)自衛隊北朝鮮に投入できる可能性があると思う。

 やれやれですね。ならば「文在寅政権が続く限り」荒木の言う「自衛隊による拉致被害者救出」なんかできないということじゃないですか。
 そこで『だから文在寅政権を敵視するのだ、文政権のせいで拉致被害者救出のための自衛隊投入が出来ない』と強弁するのが勿論荒木ですが、もちろん荒木の文政権敵視はそう言う話ではない。慰安婦問題とか徴用工問題とかそう言う話です。
 いずれにせよ、当面、文政権が終了する可能性はない。まあ、最大野党「国民の力」が政権を奪還してもそんな了解はしないでしょうが。
 それにしても「安倍の嫌韓国行為(ホワイト国除外やフッ化水素水の事実上の禁輸)」を容認したあげく文政権を「反日親北朝鮮、親中国」呼ばわりですから呆れますね。

◆質問4
 米国大統領選挙においてトランプとバイデン、どちらが勝利した方がいいと思うか。
◆回答4(回答者・増元)
 他の拉致被害者家族はともかく、私はトランプに勝ってほしい。金正恩に首脳会談で拉致のことをトランプは言ってくれた。いずれにせよ、日本政府がきちんと動かないと誰が米国大統領でも状況は変わらないと思います。
◆回答4(回答者・荒木)
 私個人はどちらでも大して変わらないと思ってます。そもそも増元さんも言うように日本政府がきちんと動かないと誰が米国大統領でも状況は変わらないと思います。

 まあ、増元が「トランプ支持」と公言することには呆れますね。


愛媛県とか故郷の話(11月29日のショートメッセージ): 荒木和博BLOG

 令和2年11月29日のショートメッセージ(Vol.241)。子供の頃住んでいた愛媛県と故郷(ふるさと)についての話です。

 6分30秒程度の動画です。
 「アホか?」ですね。
 そんな話(荒木が子どもの頃住んでいたという愛媛県八幡浜市*4)が拉致問題と何の関係があるのか。
 何一つ関係ないわけです。
 この動画は「拉致問題解決のための動画」ではなかったのか?。いつの間にか「荒木が好き勝手に放言する動画」に変わってしまったようです。
 それにしても、動画内で荒木が「民社党の集会で良くインターナショナルを歌った」と言うのにはびっくりですね(もちろん、これまた、そんな話は明らかに拉致問題に何一つ関係ありませんが)。
 「日本社会党共産党ならまだしも」何で「どう見ても極右の民社党が集会でインターナショナルを歌うのか」、そして何で「どう見ても極右の荒木がそれを懐かしい思い出として語るのか」さっぱり分かりません。荒木ら旧民社の連中はどういう考えでインターナショナルを歌っていたのか?
 いやもちろん民社党は建前(?)では「労組(旧同盟)を支持基盤とする社民主義政党」ではありますし「社民主義政党がインターナショナルを歌うのは不思議ではない」のですが、民社党って「自称・社民政党」でしかないですからねえ。
 一方で「予想通り」ですが

【正論】民主党は鵺なのか? 「抑止力強化」立証の時を待て 防衛大学校名誉教授・佐瀬昌盛(1/4ページ) - 産経ニュース
 陽気なもので、一群がなぜか「起(た)て、飢えたる者よ、いまぞ日は近し」とインターナショナルを高唱しています。もっとも飢えていない若者たちはこの革命歌を知らないらしく、テキストと首っ引きでスピーカーから流れ出る合唱に合わせていました。

などと書く「荒木のウヨ仲間」産経は明らかにインターナショナルを敵視しています。

【参考:インターナショナル】

赤旗革命歌「インターナショナル」とは?2008年11月22日
〈問い〉
「インターナショナル」は、伝統ある革命歌だそうですが、だれが何をうたったものなのですか?(東京・一読者)
〈答え〉
 「起(た)て、飢えたる者よ、いまぞ日は近し 覚めよ、わが同胞(はらから)、暁(あかつき)は来ぬ」で始まる「インターナショナル」は、20世紀、世界の労働者のたたかいで広く歌われた革命歌です。
 作詞者は、パリ・コミューンの労働者詩人、ウジェーヌ・ポティエ(1816―1887年)です。1871年のパリ・コミューンは、カール・マルクスが「労働者のパリとそのコミューンとは、新社会の光栄ある先駆者として、永久にたたえられるであろう」と書いた、世界史上初の労働者階級の政府でした。それだけにブルジョアジーによる弾圧は非道残虐をきわめ、虐殺は約3万人と推定されています。
 ポティエは、パリ第2区からコミューン議会の議員に選ばれ、バリケード上でも奮闘します。しかし5月末、政府軍の攻撃によってコミューンが壊滅。「連盟兵の壁」で多くが虐殺され、なおも血の弾圧がつづいた6月、まだ戦火くすぶるパリの街なかに身をひそめて、この「インターナショナル」を書いたのです。
 「立て! この世の地獄におちた者たち! 立ち上れ! 飢えはてた徒刑囚(とけいしゅう)たち!―かれは、この『飢えはてた徒刑囚たち』をよく知っていた。かれじしんも、そのひとりだったからである…『この世の地獄におちた者たち』と『飢えはてた徒刑囚たち』とは、まさにコミューンのひとたちである」(大島博光*5パリ・コミューンの詩人たち』新日本新書)
 この詩は、最初は小さな集会などで朗読されていたようですが、1888年、木材労働者でアマチュア作曲家だったピエール・ドジェイテール(1848―1932年)が作曲し、1899年パリで開かれたフランス労働党大会で感動をよんだのが、国際的に広がる転機になったといわれます。ロシア革命のときには、ロシアの代表的な革命歌となりました。(その後、ソ連の国歌とされ、ソ連崩壊後も歌の生命力は消えず、世界各地で歌い続けられています)
 日本では、『種蒔(たねま)く人』を主唱した小牧近江(こまき・おうみ)がフランスから持ち帰ってきた歌詞と譜を、佐々木孝丸が訳詞。1922年10月、左翼の文芸団体(『新興文学』)がロシア10月革命を記念する前夜祭を東京で開き、そこで小牧が歌ったのが公的な場で歌われた最初とされます。もっとも、この時は、「起て」とうたいかけた途端、検束され、あとは歌えませんでした。(喜)
〈参考〉矢沢保『自由と革命の歌ごえ*6』(新日本新書)

インターナショナル (歌) - Wikipedia
ソ連
 1944年までソ連の国歌とされた。1944年以降は国歌ではなくなったが、ソ連共産党の党歌とされ、共産党の党大会などで歌われた。しかし、1991年にソ連が崩壊すると、この歌を公式な場で歌う機会は少なくなっているが、今日でもロシア共産党の党歌として使われている。
◆中国
 中国では、中国共産党全国代表大会および中国共産党地方各級代表大会閉会の際に演奏される。周恩来首相は臨終の間際、「インターナショナル」の「インターナショナルは必ず実現する」の部分と「長征組曲」を口ずさみ死去したと言われる。
◆日本
ロシア革命5周年にあたる1922年(大正11年)、『種まき社』同人はその記念に日本語でインターナショナルを大々的に歌おうとの計画を立て、佐々木孝丸が訳詞を務めることになった。翻訳は小牧近江がフランスで入手したジョルジュ・ソレル編の『社会主義辞典』に楽譜とともに載っていた原詩をもとに作られた。
 これが日本におけるインターナショナルの第一声であるとされる。
・この佐々木による訳詞は原詩を逐語訳したものを無理やり音符に当てはめたものであり、力強さに欠けるところがあった。そのため、昭和の初めに佐々木と佐野碩によってリフレイン部分以外が改訳され、現在歌われている歌詞が誕生した。
・1946年の第17回メーデーにおいては、関鑑子の指揮で初めて公の場で合法的に「インターナショナル」が歌われた。

富裕層に富集中 格差広がる冷戦後に現れた「社会主義に好意的」な若者 - 毎日新聞2019年11月30日
<アライズ ヤ プリズナー オブ スタベーション(立て飢えたる者よ)>。
 木枯らしが吹く11月10日の米ニューヨーク・マンハッタン。雑居ビルの一室で2日間にわたって開かれた集会が終わりを迎えると、約90人の若者らが立ち上がって拳を振り、歌い始めた。革命歌「インターナショナル」。30年前、米国は資本主義を掲げる西側陣営を率い、東西冷戦を終わらせた。だが、その米国の経済の中心地で、社会主義の象徴である歌が高らかに響いていた。
 集会を開催したのは、ロンドンを拠点とする社会主義者団体「国際マルクス主義潮流」(IMT)の米支部。会場には「社会主義かバーバリズム(野蛮)か」とのスローガンが掲げられていた。書記長のジョン・ピーターソン氏が「億万長者や企業トップは我々を気にもかけない。社会主義のために闘おう」と訴えると、参加者は一様にうなずいた。
 米国では一部の富裕層に富が集中していることに不満が募る。学費ローンの返済に苦しむ若者や、医療保険料を支払えない人も多い。IMTメンバーのアントニオ・バルマーさん(27)は高校生だった2008年、リーマン・ショックで人生が変わった。世界的な金融危機の影響で建設業だった父親は仕事を失い、家も資産もすべて売り払った。
「家族みんなで祖母の家に転がり込んだ。その時に思った。資本主義っていったい何なのかと」。
 その年からインターネットで調べたIMTの活動に加わっている。
◆薄れてきた共産主義のタブー
 米ソ冷戦の記憶が残る米国では、社会主義共産主義はタブー視されてきた。だが、ソ連崩壊以降に生まれた世代の抵抗感は薄れている。彼らは反対派の粛清や飢餓で多数の死者を出したスターリン独裁体制(1920年代~53年)も直接は知らない。オース・メルチャさん(22)は教員になるために大学で学ぶが、週末は働いて、母と暮らす自宅の家賃を払っている。

【参考:『インターナショナル』の翻訳者・佐々木孝丸

出版:先人思いペン走らせ 高松のノンフィクション作家・砂古口さん、怪優・佐々木孝丸テーマに /香川 - 毎日新聞2017年2月24日【待鳥航志】
 高松市在住のノンフィクション作家、砂古口(さこぐち)早苗さん*7(67)は、香川に縁のある著名人について執筆してきた。昨年11月には3作目の著書として、県内で育った俳優・佐々木孝丸(たかまる)(1898~1986年)を取り上げた『起(た)て、飢えたる者よ:<インターナショナル>を訳詞した怪優・佐々木孝丸*8』(現代書館、税別2200円)を出版した。
「小さい香川にも、すごい人がたくさんいる。自分を貫いて生きた先人たちをもっと知ってほしい」。
 そんな思いがペンを取る原動力だ。
 佐々木孝丸はフランス語などを話し、大正期は翻訳者、昭和初期はプロレタリア演劇の俳優として活躍。戦後は多くの映画に出演した。

■映画と夜と音楽と…800 佐々木孝丸を知っていますか?: 映画がなければ...
 砂古口さんについては中西さんから事前に聞いていたのだけれど、「ブギの女王・笠置シヅ子*9」(現代書館・刊)を書いた人である。僕は本が出た当時に読んでいる。確か朝日新聞の書評欄で紹介されたので読んだのだと思う。大変、おもしろい本だった。笠置シヅ子香川県出身なので身近に感じていたが、著者も香川県在住だとは知らなかった。砂古口さんは宮武外骨の評伝「外骨みたいに生きてみたい」や「起て、飢えたる者よ〈インターナショナル〉を訳詞した怪優★佐々木孝丸」(共に現代書館・刊)も書いている。
 反骨のジャーナリスト宮武外骨については以前から興味があったが、実は香川県出身だと初めて知った。明治期に活躍した人だと思っていたけれど、昭和まで生きていたのだ。砂古口さんは母方の曾祖父が外骨と従兄弟にあたり、宮武外骨研究者としても知られている。また、佐々木孝丸は僕も好きな俳優だが、彼も香川県で育ったと初めて知った。その人が「インター」の訳詞者だったとは----。佐々木孝丸と聞くと、あの特徴のある重厚な声が甦る。口跡がよく、せりふがはっきり聞き取れる俳優だった。悪役俳優だと言えば確かにそうだが、あの重厚さは簡単に出せるものではない。やはり、ただ者ではなかったのだ。
◆「〈インターナショナル〉を訳詞した怪優★佐々木孝丸」を読む
 さっそく僕は「〈インターナショナル〉を訳詞した怪優★佐々木孝丸」を読んでみた。佐々木孝丸は大正期からフランス文学の翻訳、雑誌編集、演劇などにたずさわった人であり、エスペランティストとしても日本で第一人者だったなど、興味深い人生が綴られている。
 佐々木孝丸は、千秋実*10の岳父でもある。娘の佐々木踏絵と千秋実が結婚し、戦後、薔薇座という劇団を立ち上げる。薔薇座が公演した「堕胎医」という芝居を映画化したいと申し込んできたのが若き黒澤明だった。その芝居は黒澤嫌いの僕が珍しく好きな「静かなる決闘」(1949年)になった。黒澤明は俳優としての千秋実も気に入ったのだろう、「醜聞」(1950年)以来、ずっと起用し続けた。「羅生門」(1950年)の僧侶の役は印象深いし、「白痴」(1951年)、「生きる」(1952年)にも出ているし、「七人の侍」(1954年)では人情派の侍だった。
 佐々木孝丸も、黒澤作品には一本だけ出ている。「蜘蛛巣城」(1957年)だ。シェークスピアの「マクベス」を日本の戦国時代に移した物語である。主人公の鷲津武時(三船敏郎)は妻(山田五十鈴)に唆され、城主(佐々木孝丸)を暗殺する。親友だった武将(千秋実)も殺し、彼の亡霊を見て武時は狂っていく。ここでは佐々木孝丸は娘婿と共演していたのだ。しかし、誠実そうで人の良さそうな千秋実とは逆で、佐々木孝丸は雰囲気が重厚すぎてちょっと怖い。だから、政財界の黒幕、右翼の大物、暴力団のボス、政治家などの役が多かった。僕は記憶になかったが、大村文武主演の東映版「月光仮面」(1958年)では、赤星博士、つまり「どくろ仮面」を演じていた。
 佐々木孝丸がファーストシーンから登場し、あの心地よい重厚な声が聞けるのは、三島由紀夫が絶賛した「博奕打ち 総長賭博」(1968年)である。
 冒頭のシーンで、東京江東地区に強大な縄張りを持つ天竜一家の総長(香川良介)が、弟分の仙波(金子信雄)の紹介で右翼の黒幕(佐々木孝丸)に会っている。佐々木孝丸の明晰なセリフまわしが映画をピリッと締める。

古本夜話21 翻訳者としての佐々木孝丸 - 出版・読書メモランダム
 佐々木は昭和二年に文芸資料研究会(奥付発行所は文芸資料研究会編輯部で、発行人は上森健一郎)からジョン・クレランドの『ファンニー・ヒル』を翻訳刊行している。これは言うまでもないだろうが、昭和四十年になってまでも発禁処分を受けた『ファニー・ヒル』(吉田健一訳、河出書房新社)の最初の翻訳であり、もちろん戦前のイギリスやアメリカにおいても、このファニーという娼婦の物語は長らく禁書とされていた、有名なポルノグラフィであった。
 佐々木はスタンダールの『赤と黒』の最初の翻訳者でもあった。『赤と黒』は大正十二年に新潮社の『世界文芸全集』の二巻本で刊行され、昭和五年に円本の第二期『世界文学全集』第五巻に収録されているので、佐々木は円本の訳者だったことにもなる。
 だが私たちの世代にとって、佐々木孝丸といえば、東映ヤクザ映画などの名脇役の印象が強い。その中でもとりわけ印象深いのは、山下耕作の『博奕打ち 総長賭博』で、佐々木は右翼の黒幕を演じている。
 私と同じ一九七〇年にこの映画を見ていた鹿島茂も、佐々木の強烈な存在感がいつまでも残り、『甦る昭和脇役名画館』(講談社)の中で、その一章を佐々木に捧げている。そして鹿島は、佐々木が東映のみならず、日活、大映、松竹、東宝の六〇年代から七〇年代にかけてのヤクザ・ギャング映画二十作近くに黒幕的脇役として出演し、「政治的な権力欲やカリスマ性」を強く匂わせる黒幕を演じていると書いている。

佐々木孝丸訳『赤と黒』 - フランス語系人のBO-YA-KI
 ちなみに桑原武夫・鈴木正一郎編『スタンダール研究』(白水社、1986年)の年譜によれば、『赤と黒佐々木孝丸訳は:
大正11年(1922年)佐々木孝丸訳(新潮社「世界文芸全集」第8、第12巻)
昭和5年(1930年)佐々木孝丸訳(新潮社「第二期世界文学全集4」改訳、1巻)
昭和7年(1932年)佐々木孝丸訳(春陽堂「世界名作文庫」、前中後)
と出ていて、この時点までは『赤と黒』は佐々木孝丸の訳を読むしかなかった状態だったのですね。やっと昭和8年になって桑原武夫生島遼一訳の岩波文庫上巻、翌昭和9年に下巻が出てやっと佐々木訳独占状態が終わることになります。

初めて“佐々木孝丸"を観た | 誰も来ない廃園より
 ずいぶん前のこのブログでも書いたことだが、この佐々木孝丸、戦前からプロレタリア演劇の分野で活躍していた方。
 彼の仕事で現在にも伝わっている仕事と言えば、なんと言ってもあの超有名な革命歌「インターナショナル」日本語版の歌詞。
 この佐々木がやはりプロレタリア演劇活動家だった佐野碩と共作したものである。
 往年の映画ファンの記憶には、彼の姿はヤクザ映画の名脇役としてくっきりと刻まれているようだ。さらには黒澤明蜘蛛巣城」、テレビでも大河ドラマや「水戸黄門」にも出演してるとのこと。
 左翼の人なのになぜか右翼の黒幕やヤクザの親分といった「階級の敵」役が多かったらしい。
 単なる俳優にとどまらず、戦前には翻訳家としての活動も目立っていた(働きながらアテネ・フランセで仏語を学び、エスペラント運動にも終生関わっていた。高杉一郎*11の回想にも、エスペランティスト佐々木孝丸の名が登場する)。
 何よりスタンダールの代表作『赤と黒』、ジョン・クレランドの傑作官能小説『ファニー・ヒル』を最初に日本語訳したのが実はこの人だと知っては、こちらはただ呆然とするばかり。どんだけ幅広い活動してんだよ、と。
 さらに言うと、孝丸の娘と結婚したのが俳優・千秋実。その息子は現在も俳優として活躍中の佐々木勝彦氏である。

長崎の鐘 佐々木孝丸 - 脇役本
 新劇人に佐々木孝丸(ささき・たかまる、1898~1986)がいる。ヤクザの親分から保守系代議士、大物財界人、右翼の黒幕まで、名悪役として知られたバイプレーヤーである。
 新東宝映画とNHKドラマで演じた清瀬一郎*12東京裁判の被告側弁護人)、浅丘ルリ子原田芳雄のメロドラマ『冬物語』(日本テレビ、1972年11月~73年4月)の僧侶、高倉健の連続ドラマ『あにき』(TBS、1977年10月~12月)でやった鳶の親方など、“大ワル”以外もうまい。映画の遺作となった『小説吉田学校』(東宝、1983年)では、斎藤隆夫*13代議士にふんし、ワンシーンながら戦後政界長老の貫録を示した。
 佐々木孝丸は、いろんな映画とテレビに出た。テレビだけとっても、メロドラマから2時間サスペンス、時代劇、刑事ドラマ、特撮ヒーローモノまで、なんでもあり。ただそれは、戦後のこと。戦前のプロレタリア演劇全盛時代は、俳優をやりつつ、劇作家、翻訳家、演出家、劇団のプロデュースまで、新劇の世界で知らぬ者がいない“闘う演劇人”であった。
 その日々は、自伝『風雪新劇志:わが半生の記』(現代社、1959年1月)として一冊にまとめられている。ただし戦後のことは、触れていない。
 今年の春、神田神保町の古本市で雑誌『文藝讀物』(日比谷出版社)昭和24(1949)年5月号を見つけた。目次には、小尾十三*14伊馬春部*15玉川一郎乾信一郎といった書き手に混じって、佐々木孝丸の名がある。特別讀物『或る原子學者の半生:永井隆博士の事』。好きな役者の、未知・未見の記事との出会いはうれしい。
 駆け足で(ボーガス注:永井隆の)半生をたどっているけれど、永井に対する誠実な姿勢が感じられる。佐々木はなぜ、これを書いたのか。本作の末尾に「筆者附記」として、その経緯を明かす。

 この物語は、永井隆博士のことを書いたもので、この三月十七日から三越劇場で上演された「バラ座」の脚本をストーリー化したものです。脚本執筆にあたつては、永井博士の全諸著述を参考とし、然も博士の本質を見失わない範囲で、一篇の讀物として獨立の形をとりました。
(前掲書)

 薔薇座(漢字が難しいとの理由で佐々木は「バラ座」と書く)は、千秋実・佐々木踏絵(文枝)夫妻が、昭和21(1946)年5月に旗揚げした劇団である。その前後のことは、ふたりの共著『わが青春の薔薇座』(リヨン社、1989年5月)にまとめられた。
 踏絵は、佐々木孝丸の娘である。千秋と踏絵からすれば、戦前から活動する父の手腕は頼りだ。佐々木にとっても薔薇座は、大事な“演劇の場”となる。かわいい娘と娘婿が心血をそそぐ劇団で、若い俳優たちも多くいて、演劇人としてはやりがいがある。
 とはいえ、娘夫妻の劇団に関わることに遠慮もある。《僕とバラ座との間には、組織的な関係は何もない。僕とバラ座の関係といえば、この劇團に、僕の娘と婿がいるということだけだ》(佐々木孝丸「僕と薔薇座」『機関誌 薔薇座 東京哀詩號』劇団薔薇座、1947年1月)と書いた気持ちもわかる。そのうえでこう続ける。

 無論、いゝ仕事をさせたい、いい劇團にしてやりたいという気持は十分もつている。だから、關係はなくとも關心はある。いや、その點では人一倍關心をもつているということを正直にぶちまけるべきだらう。
(前掲書)

 その薔薇座が、永井隆を主人公に芝居をつくる。その実現に奔走したのは千秋実で、永井の著作をもとにした戯曲化を、義父の佐々木に依頼した。踏絵はのちに《佐々木は喜んで引き受けた》(『わが青春の薔薇座』)と書く。“闘う演劇人”にとって、原爆への怒りもあったはずである。
 薔薇座第8回公演『長崎の鐘』は、昭和24(1949)年3月17日から27日まで、東京・日本橋三越劇場で上演された。主人公の永井を、千秋実が演じた。『或る原子學者の半生』は同年5月号掲載なので、上演からまもない時期だった(佐々木の劇曲『長崎の鐘永井隆博士の諸著によりて』は『悲劇喜劇』1949年10月号掲載)。
 同公演の反響は大きく、大阪や九州でも上演された。仮建築の浦上天主堂講堂で上演されたときは、担架で運ばれた永井本人が観劇し、薔薇座の関係者を感激させた(永井隆は2年後に死去)。
 帰京後、財政的に劇団を維持できなくなった薔薇座は、第10回公演『冷凍部隊』(三越劇場、1949年8~9月)をもって解散した(菊田一夫に依頼した台本が完成しなかった、という事情も)。佐々木は、『冷凍部隊』(北條秀司作)を演出するとともに、部隊長の役で出演している。 
 翌昭和25(1950)年には、山本薩夫監督『ペン偽らず・暴力の街』(日本映画演劇労働組合・日本映画人同盟)で、暴力団の組長を演じた。女、老人、犬にいたるまで、容赦なくリンチを加える。その冷たく凄みのある演技は、今見ても色あせない。ここから、佐々木孝丸の名悪役人生(だけではないが)がスタートする。
 佐々木の没後、娘の踏絵(文枝)が、父の思い出を『悲劇喜劇』に寄せた。

 ギョロツク目玉で暴力団の親分や政治家などドスのきいた役が多かった。彼の子供の頃のアダ名は“馬の目”だったという。
「親父はよくスリに財布をスラれたなァ、スリの方が人を見る目があるよ、ギョロ目のくせにお人好しってチャンと見ぬいてる」とは千秋の感想。そしてまたこうもいう。
「親父は一生、仲間を裏切ったり卑劣なことをしたことのない男だったなァ」
(佐々木文枝「“闘う人”佐々木孝丸とギョロツク目玉」『悲劇喜劇』1992年6月号「特集・あの芝居、あの人(上)」)

*1:第二次安倍内閣官房副長官、第三次安倍内閣一億総活躍等担当相、自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)、第四次安倍内閣厚労相などを経て菅内閣官房長官(拉致担当相兼務)

*2:まあ、中国の「台湾は中国領」みたいなもんで一種のフィクションです。北朝鮮側も「韓国は自国領」としてるわけで、38度線は建前では国境ではなく停戦ラインに過ぎません。

*3:盧武鉉政権大統領秘書室長、「共に民主党」代表を経て大統領

*4:動画において「八幡浜市に愛着を感じる」と言いながら荒木が具体的な話は何もしないのが「?」ですね。

*5:1910~2006年。著書『ピカソ』(1986年、新日本新書)、『ランボオ』(1987年、新日本新書)、『エリュアール』(1988年、新日本新書)、『パリ・コミューンの詩人たち(新装版)』(1989年、新日本新書)、『アラゴン』(1990年、新日本新書)など(大島博光 - Wikipedia参照)

*6:1978年刊行

*7:著書『外骨みたいに生きてみたい:反骨にして楽天なり』(2007年、現代書館)、『ブギの女王・笠置シヅ子』(2010年、現代書館

*8:2016年刊行

*9:1914~1985年。1947年(昭和22年)に『東京ブギウギ』が大ヒット。以後『大阪ブギウギ』や『買物ブギ』など一連のブギものをヒットさせ、「ブギの女王」と呼ばれた。1952年、1953年、1956年のNHK紅白歌合戦に出場している(笠置シヅ子 - Wikipedia参照)

*10:1917~1999年。1985年(昭和60年)、伊藤俊也監督『花いちもんめ。』での老人役で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞、ブルーリボン賞主演男優賞などを受賞(千秋実 - Wikipedia参照)

*11:1908~2008年。著書『極光のかげに:シベリア俘虜記』(1991年、岩波文庫)、『征きて還りし兵の記憶』(2002年、岩波現代文庫)、『わたしのスターリン体験』(2008年、岩波現代文庫)など(高杉一郎 - Wikipedia参照)

*12:1884~1967年。鳩山内閣文相、衆院議長など歴任(清瀬一郎 - Wikipedia参照)

*13:1870~1949年。戦前、浜口内閣内務政務次官、第2次若槻内閣法制局長官など歴任。戦後、吉田、片山内閣で行政調査部総裁(後の行政管理庁長官→総務庁長官)。いわゆる「粛軍演説」「反軍演説」で知られる(斎藤隆夫 - Wikipedia参照)

*14:1908~1979年。1944年上半期に八木義徳(1911~1999年)の「劉廣福」とともに、「登攀」で第19回芥川賞を受賞(小尾十三 - Wikipedia参照)

*15:1908~1984年。1947年(昭和22年)に、脚本を執筆したNHKの連続ラジオドラマ『向う三軒両隣り』が人気を博し、1948年(昭和23年)には東宝から映画化された(伊馬春部 - Wikipedia参照)。

今日の産経ニュース(2020年11月29日分)

安倍氏説明努力が大事 「桜」夕食会問題で自民・岸田氏 - 産経ニュース
 「安倍氏が説明すべきだ」といって「全てを安倍の個人的責任」にして、自民党としての調査もしなければ、野党の求める安倍参考人招致、証人喚問にも応じないというのだから、岸田氏*1自民党幹部連も全く無責任な人間です。陣笠代議士ならまだしも「前自民党総裁」についてそれでいいわけもない。とはいえ、「安倍が首相を退任した今」、安倍を「何が何でもかばおう」という態度でもないわけです。そもそも検察の捜査自体「菅が黙認してる」わけですしねえ。安倍首相時代なら検察はこんな捜査は残念ながらできなかったでしょう。
 病気を理由に退任した「はず」*2であるにもかかわらず、「自民党議員の政治集会に出席する」など、未だに首相気取りの安倍については「何様のつもりか!」「無理してかばう必要も無い」という反感が党内(菅首相や岸田前政調会長など)にかなり強いのでしょう。


イラン科学者暗殺 米、事態悪化すれば次期政権に難題 - 産経ニュース
 「トランプ在任中に暗殺すれば、イスラエルびいきのトランプは黙認する」「それを後からバイデンが覆すのは難しい」と見てのイスラエルの暴挙でしょうが、無茶苦茶極まりないですね。トランプが助長したこうしたイスラエルの無法にどう立ち向かうかが先ずはバイデンに問われるわけです。ひとまずはバイデンにはトランプが破棄した「イラン核合意」への復帰を実現して欲しいところです。


巨大労組「全トヨタ」の与党連携強化 共産と協調の立民に不満 自民は期待 - 産経ニュース
 この種の労組は「もはや労組と呼ぶに値しない」んじゃないか。
 「左派でなければ労組でない」と思うほど俺もガチガチの左翼ではないですが「日本経団連から政治献金を受けている自民党」が労組寄りの政策をするわけがない。にもかかわらずこんなことをいうトヨタ労組は「反共主義」もあるのでしょうが、「企業(トヨタ)あっての労働者」と思ってるんでしょうね。
 「企業と労働者には利害対立がある(当然、『いたずらに企業と対立しろ』とはいわないが労組はいつも企業べったりではまずい)」という常識すら無いんでしょう。げんなりします。もちろん自民党が「企業の利益を犠牲にしてまで労組に報いること」などありえませんが、この種の労組にとってはそれでもいいんでしょう。


大阪で381人、新型コロナ感染 「ステージ4」迫る - 産経ニュース
 他の都道府県でも増加傾向にあるので、「大阪都構想住民投票をしなければ、こうはならなかった」とはいいません。しかしコロナのことを考えれば住民投票をすべきでなかったのは確かでしょう。かつ「にもかかわらず住民投票を強行した」維新がコロナを完全になめており、おそらくまともな対策もせず、その結果、「コロナ蔓延を助長したこと」も確かでしょう。感染者が増加するにしても「大阪府知事大阪市長が維新でなければ」今よりもっとマシだったのではないか。
 こうなると大阪においては「コロナ対策=維新を下野させること」と言いたくなります。


立民、衆院山梨2区に市来伴子氏 競合の共産「取り下げない」 - 産経ニュース
 この選挙区に限りませんが最大野党であることに思い上がっている立民は「俺たちは最大野党だ。他党(共産に限らない)が候補を取り下げればいい」としか思ってないのでしょう。全く腹立たしい話です。
 と同時に「民主主義の観点」からは死票の多い小選挙区ではなく、比例や中選挙区と言った「より民主的な制度」に変えていくべきだとも思います(もちろんそうすることは最大与党である自民にとって不利なので非常に困難なことは分かっていますが)。


【主張】ミャンマー 中国の浸透阻む民主化を - 産経ニュース
 「中国の浸透」という意味不明な言葉を付ける辺りには「はあ?」ですね。
 産経にとって「ミャンマー民主化」とは「中国の経済的浸透(中国企業ミャンマー進出など)を阻止すること」が目的なのか?
 1)民主国家(欧米、日本、韓国など)とて中国とは経済的利益重視でそれなりに仲良くやってる
 2)従ってミャンマー民主化しても産経の言う「中国の浸透」が阻止される保証がない
と言う意味で全く馬鹿げた物言いです。

*1:第一次安倍内閣沖縄・北方等担当相、第二次、第三次安倍内閣外相、自民党政調会長(第二次安倍総裁時代)を歴任

*2:どう見ても仮病ですが。

高世仁に突っ込む(2020年11/29日分)

拉致はなぜ見過ごされてきたのか4 - 高世仁の「諸悪莫作」日記(2020年11/28付け記事)
 間に
加速する香港の弾圧 周庭さんも収監 - 高世仁の「諸悪莫作」日記(2020年11/23付け記事)
すごいぞ!台湾のコロナ対策 - 高世仁の「諸悪莫作」日記(2020年11/24付け記事)
病室から空を撮っていた鬼海弘雄さん - 高世仁の「諸悪莫作」日記(2020年11/25付け記事)
を挟んだ上で今回は『やっと』拉致はなぜ放置されてきたのか3 - 高世仁の「諸悪莫作」日記(2020年11/21付け記事)の続きです。

 中国の王毅*1外相が訪日し、茂木*2外相や菅*3首相に会った。
 菅首相からは、注文として、《尖閣諸島の周辺海域などの、東シナ海をはじめとする、海洋・安全保障の問題のほか、日本産食品の輸入規制の早期撤廃や牛肉の輸出再開、コメの輸出拡大について、中国側の前向きな対応を改めて強く求めました。また、香港情勢に関して日本側の懸念を伝えたほか、拉致問題を含む北朝鮮への対応について協力を求めました。》(NHK)
 香港情勢には「懸念」どまり。しかし、中国の人権抑圧には具体的に例えば「国安法を撤廃していただきたい」「香港の議席剥奪された4人の立法会議員を復職させるよう要求します」と迫ってほしい。
 圧力を受けているのは、立法会だけではない。去年11月25日の民主派が地滑り的勝利をおさめた区議会選挙で当選した区議たちも公権力から活動を烈しく妨害されているという。
 24日『国際報道2020』(NHKBS1)は、民主派区議の伍健偉さん(25)の現状をリポートしていた。
 伍さんは当選から1年が経つが、議員活動継続もままならない事態になっている。
 まず、議員活動費が支払われない。それはかつて「光復香港」「時代革命」のスローガンを使ったためだという。それを理由に、政府に議員活動に必要な費用の請求にまったく応えないという。親中派の議員の請求にはすぐに支払われていると伍さんは言う。
 議員活動費が政府から下りないので、伍さんはこれまで、オフィス家賃や光熱費、電話代、郵送費など700万円を立て替えた。
 「あとどれぐらい持つかって?正直もうそんなに持たないですよ」と伍さんは困り果てている。
 中国全人代幹部は、立法会議員だけでなく、区議会議員についても政府の方針を支持する必要があり、場合によっては資格を取り消すと発言している。民主派の区議らも、「次はわれわれ区議が狙われるだろう」と懸念する。
 1年前、民主派は区議会全452議席の8割を超える385議席を獲得したが、この1年ですでに54人が逮捕または起訴された。伍さんたち民主派区議は、明日議員資格が取り消されても不思議ではないと危機感を募らせている。
 中国共産党が、香港の代議機関まで機能不全にして香港市民の声を一切聞こうとしない以上、より強力な国際社会からの声を発信する必要がある。

 まあ、何故菅や茂木が

「国安法を撤廃していただきたい」「香港の議席剥奪された4人の立法会議員を復職させるよう要求します」

と言わないかは簡単に分かりますね。

 『(ボーガス注:福島原発事故による放射能汚染のリスクを理由とした)日本産食品の輸入規制の早期撤廃』や牛肉の輸出再開、コメの輸出拡大について、中国側の前向きな対応を改めて強く求め

たからです。「日本の商品をもっと買って下さい」とお願いする相手にはなかなか非難もしづらい。これは日本に限らず「エアバスを中国に大量に買ってもらったフランス」など他の国々も同じですが。

【参考:中国のエアバス購入】

マクロン大統領も対中ダブルスタンダード(遠藤誉) - 個人 - Yahoo!ニュース2019.4.1
 習近平*4国家主席と会う前には「欧州が中国に能天気でいる時代は終わった」と豪語していたマクロン*5大統領だったが、首脳会談で「中国製造2025」への協力を切り出しただけでなく、中国との巨大経済協力に合意した。
マクロン大統領「欧州が中国に脳天気でいられるときは終わった」
 習近平国家主席がローマに着いた日に合わせるかのように、その翌日の3月22日、EU(欧州連合)の首脳は中国に対して「生ぬるい対応は警戒すべきだ」という趣旨の見解を発表した。4月9日から開催されるEU・中国サミットでの協議内容を準備したものとされるが、それ以上に習近平訪中を控えたフランスのマクロン大統領が対中姿勢を固めたかったため、このような日程を選んだのだろう。
 その証拠に、マクロン大統領はEU首脳会談のあとに記者会見を開き、「欧州が中国に脳天気でいられる時代は終わった」と宣誓するかのように毅然と表明したのだ。
 この言葉を聞いた人の多くは、その直後に開催される中仏首脳会談に期待しただろう。筆者もその一人だ。どれだけ対中強硬的な勇ましい言葉を習近平国家主席に直接言ってくれるのだろうかと、実に楽しみに待っていた。
◆中仏首脳会談で中国を絶賛したマクロン大統領
 ところがその期待はみごとに外れてしまった。なんとマクロン大統領は習近平国家主席を目の前にして、中国との友好を讃え、惜しみない協力を申し出て、巨額の経済協定にも調印したのである。
習近平国家主席
・中仏は国交樹立55周年、留学生派遣100周年を迎える(これに関しては次項の「1」&「2」で説明する)。
・中仏両国は、原子力・航空宇宙・農業・金融・高齢者問題などで協力する。
・(マクロン)大統領は何度も「一帯一路」では中国と協力したいと言っているが、是非とも「第三国における協力モデル」を進めたい。
マクロン大統領:
・今年は仏中国交樹立55周年で、仏中はこれまで大きな成果を上げてきた。
・仏中の戦略パートナーシップを基軸として、今後も協力を強化したい。
・中国はフランスにとって信頼できるパートナーで、フランスはそのことに自信を持っている。
・仏中は、航空宇宙・原子力・金融・農業・高齢者問題などで協力する。
・フランスの「未来工業計画」と中国の「中国製造2025」をマッチングさせながら協力を進めていく。
・中国の「一帯一路」イニシアチブともマッチングさせた発展を考えている。
EUの連携性と「一帯一路」を結び付けたい。
・特に習近平国家主席が推進している「一帯一路の第三国モデル」を進めるべく、このあと協力文書にサインしたい。
◆中仏首脳発言の分析
 おおむね以上のような発言が注目されるが、その中で、いくつかの発言に関して以下に説明を加えたい。
1.
 中仏は1964年に国交を結んでいる。ヨーロッパの先進諸国ではフランスが最も早い。イギリスは1950年に代理大使を北京に派遣はしたものの、正式の国交樹立は1972年3月13日。ドイツは同年10月11日で、いずれもキッシンジャー*6の忍者外交による北京入り(1971年7月9日)があった後だ。イタリアだけはそれより少し早い1970年11月に中国と国交を結んでいる。ちなみに中国は1972年10月25日に国連に加盟している。
2.
 五四運動があった1919年前後に、働きながらフランスに留学する「勤工倹学」というプログラムが始まっている。周恩来も鄧小平も若い頃に、この「勤工倹学」制度を利用してフランスに留学した経験を持つ。
 ちなみに「勤工倹学運動100周年記念式典」が今年3月23日にパリで催され、ジャン=ピエール・ラファラン元首相も出席した。
◆中仏巨大経済協力と米・欧のバランスを操る習近平
 3月25日、中仏間に巨大な経済協力が締結された。
 まず、フランスを中心とするEU4ヵ国が運営するエアバスA320機などを合計300機、中国が購入することが決定された。それ以外にもエネルギー分野や造船分野などでフランス単独で中国と約5兆円に上る経済協力が調印された。
 ほぼ同時進行で、中国の中央テレビ局CCTVは「米ボーイングの737MAXに関して、中国の航空管理当局が飛行に必要な耐空証明(技術的に安全に飛行できるという証明書)の申請を受け付けるのを一時停止した*7」というニュース速報を流した。その情報はネットにも溢れて、「エアバス300機購入」と「ボーイング航空機飛行停止」の文字が交差する形でシンボリックな対照を成していた。
 アメリカの飛行機があまりに頻繁に墜落事故を起こすため、使用禁止になると同時に、EUエアバスを大量購入する。これほど米中と欧中との関係を鮮明に映し出した現象も珍しいと言わねばなるまい。
 ボーイングエアバスは最大市場中国で激しく競争しており、2017年11月のトランプ大統領訪中時には習近平国家主席は28兆円に上る巨額商談とボーイングから300機の航空機を購入する大盤振る舞いをしたものだ。しかしこの度の「エアバス300機購入」と 「ボーイング航空機飛行停止」は、まさに中国がアメリカより欧州を選んだ瞬間であったことを印象付けた。
 安倍首相は3月25日の参院予算委員会で、「一帯一路の第三国での協力」に関し、対象国への適正融資など4条件を満たすことが条件であり、「全面的に賛成ではない」と今ごろになって国内向けには言っているが、昨年10月26日に習近平国家主席に対しては「(一帯一路への)協力を強化します」と述べて習近平を喜ばせている。だからこそ、全人代期間における「日本モデル推奨」発言があったわけだ。ダブルスタンダードと言わねばなるまい。
 もっともダブルスタンダードは日本のお家芸というわけでもなく、あの若きマクロン大統領もうまく使い分けているようだ。

【参考終わり】

なお、

まず、議員活動費が支払われない。それはかつて「光復香港」「時代革命」のスローガンを使ったためだという。

については

光復香港、時代革命 - Wikipedia
・2020年7月2日、香港政府は「光復香港,時代革命」のスローガンに香港独立の意味があるとして、香港国家安全維持法に違反するとの見解を示した。

を紹介しておきます。「光復香港,時代革命=香港独立」と見ることが適切かどうかには疑問符がつくと思います。ただし一方で「光復香港,時代革命」の主張者に「香港独立派」が居ることも事実でしょう。

さて、北朝鮮工作員の日本侵入の話。(拉致はなぜ見過ごされてきたのかに改題しました)

 「放置されてきた」を「見過ごされてきた」に変えたそうです。
 まあ、それはともかく「以前の記事の紹介になりますが」以下が、高世記事についての俺の感想です。

高世仁に突っ込む(2020年11/18日分)(ボーガス注:松本清張『砂の器』『ゼロの焦点』、鮎川哲也『黒い白鳥』の一部ネタバレがあります) - bogus-simotukareのブログ
拉致はなぜ放置されてきたのか - 高世仁の「諸悪莫作」日記

 「異常な状態」という表現を使っているが、私も以前から、なぜ拉致という重大な犯罪が見過ごされてきたのかという基本的なことがずっと疑問のままだ。
 というのは、北朝鮮工作船を使って工作員を日本に送り込んでいたことはめぐみさん拉致のずっと前から分かっていたことだった

 やれやれですね。情報スパイとして工作員を送り込むのと、拉致のために工作員を送り込むのと全然違うでしょうに。
 「情報スパイとしての工作員密入国」は認識していたが、「拉致のための密入国」は当初認識できなかったということで十分理解可能な話です。別にそれは「見過ごされた」と言う話ではない。
 人間考えることはそんなに異ならないらしい - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)の紹介する元警視総監・米村敏朗氏の言葉

 1995年8月、警察庁外事課長となった私は、北朝鮮による拉致事件の捜査に直接かかわることとなった。その第一歩が横田めぐみさんの事件であった。ジャーナリストの石高健次氏の拉致事件に関する著書も繰り返し読んだ。そして一連の捜査結果を踏まえて、ある時上司にこう申し上げた。
「めぐみさんは北朝鮮によって拉致された可能性が高い。警察としてそう言うべきです」。
 いわゆる拉致認定である。また、拉致認定に依然として疑問を感じていた部下の一人にはこう言った。
「仮に間違っておれば腹を切る(辞める)しかない。しかし自分としては、拉致しか考えられない。親としてはなんとしても子供を見つけ出したい。いま、その道は拉致認定しかないのだ」

の通りでしょう。
 つうか今更「もっと早く北朝鮮拉致を認識できなかったか」「小泉訪朝よりももっと早く拉致被害者帰国が出来なかったか」などといって何か意味があるのか。それが今、拉致被害者帰国に何か役立つのか。
 そんなことよりもいますべき事は「どうやって拉致被害者を日朝交渉で取り戻すか」でしょう。
 そうした今すべき話をせずに

福田赳夫*8内閣(横田めぐみさん拉致が起こったときの内閣)は拉致を阻止できなかったのだろうか?。拉致を認識できなかったのだろうか?
福田赳夫内閣以降の内閣(大平*9内閣、鈴木*10内閣など)はもっと早く拉致を認識できなかったか?(政府の公式発言として拉致疑惑が認められたのは竹下*11内閣の宇野*12外相、梶山国家公安委員長答弁)
◆金丸*13訪朝の時に拉致被害者を帰国させることができなかったのか?
◆拉致疑惑を認めた梶山国家公安委員長(竹下内閣)はその後も宇野内閣通産相、海部*14内閣法相、自民党幹事長(宮沢*15総裁時代)、橋本*16内閣官房長官と言った要職を歴任した。それなのに梶山氏は拉致解決について何か出来なかったのか?
◆なぜ、小泉*17内閣まで拉致被害者が帰国できなかったのか

なんて話をして何の意味があるのか?。 しかしその「意味のない話」をするのが高世ですから心底呆れます。

高世仁に突っ込む(2020年11/20日分) - bogus-simotukareのブログ
 高世仁に突っ込む(2020年11/18日分)(ボーガス注:松本清張『砂の器』『ゼロの焦点』、鮎川哲也『黒い白鳥』の一部ネタバレがあります) - bogus-simotukareのブログで取り上げた拉致はなぜ放置されてきたのか - 高世仁の「諸悪莫作」日記の続きです。
 まあ、延々、「横田めぐみ拉致」以前の「北朝鮮と思われる不審船事件」を書き「拉致は防げなかったのか」「もっと早く『謎の失踪』が北朝鮮拉致と認識できなかったのか」と悲憤慷慨する高世ですが今更そんなこと言って何になるのか(ちなみにまだ「つづく」です)。
 高世仁に突っ込む(2020年11/18日分)(ボーガス注:松本清張『砂の器』『ゼロの焦点』、鮎川哲也『黒い白鳥』の一部ネタバレがあります) - bogus-simotukareのブログでも書きましたが今すべき話はそんなことじゃない。
 「何故、2002年の小泉訪朝後、18年経っても拉致が解決しないのか」「これからどうすれば解決できるのか」という話です。そう言う話をしたがらない辺りが高世は全くどうしようもないバカです。

高世仁に突っ込む(2020年11/22日分)(注:映画『旅路 村でいちばんの首吊りの木』のネタばらしがあります) - bogus-simotukareのブログ
 高世仁に突っ込む(2020年11/20日分) - bogus-simotukareのブログで取り上げた拉致はなぜ放置されてきたのか2 - 高世仁の「諸悪莫作」日記の続きです。
 今回も、延々、「横田めぐみ拉致」以前の「北朝鮮と思われる不審船事件」を書き「拉致は防げなかったのか」「もっと早く『謎の失踪』が北朝鮮拉致と認識できなかったのか」と悲憤慷慨する高世ですが今更そんなこと言って何になるのか(ちなみにまだ「つづく」です)。
 高世仁に突っ込む(2020年11/18日分)(ボーガス注:松本清張『砂の器』『ゼロの焦点』、鮎川哲也『黒い白鳥』の一部ネタバレがあります) - bogus-simotukareのブログでも書きましたが今すべき話はそんなことじゃない。
 「何故、2002年の小泉訪朝後、18年経っても拉致が解決しないのか」「これからどうすれば解決できるのか」という話です。そう言う話をしたがらない辺りが高世は全くどうしようもないバカです。

 今回も繰り返しになりますが

 今すべき話は「拉致は防げなかったのか」「もっと早く『謎の失踪』が北朝鮮拉致と認識できなかったのか」なんてことじゃない。
 「何故、2002年の小泉訪朝後、18年経っても拉致が解決しないのか」「これからどうすれば解決できるのか」という話です。そう言う話をしたがらない辺りが高世は全くどうしようもないバカです。

ですね。高世の馬鹿さには心の底から呆れます。

 山形県の温海事件を11月21日のブログで紹介したのだが、その結末はどうなったのか。
 山形県検察*18は、日本に上陸して逮捕された崔と金の二人を出入国管理令違反で起訴した。
 山形地裁で二人は懲役1年、執行猶予3年の判決を受ける。身柄は仙台入管事務所に移され、国外退去になるが、「ゴムボートと無線機は金日成*19閣下のものである」と返還を主張した。
 第三者の所有物なら官報に没収する旨14日間公告すべきながらそれをしていなかったため裁判所は証拠品を崔・金に返すよう命じる。
 崔と金は、意気揚々、新潟港から定期船『万景峰号』に乗って、ゴムボート、無線機、乱数表などとともに、北朝鮮に帰国していったという。
 どうしてこんなことになってしまうのか。

 この温海(あつみ)事件とやらについては以前も高世は温海事件の真相 - 高世仁の「諸悪莫作」日記(2014年7/16付け記事)なんて記事を書いています。つうか、今回の拉致はなぜ見過ごされてきたのか4 - 高世仁の「諸悪莫作」日記(2020年11/28付け記事)は過去の温海事件の真相 - 高世仁の「諸悪莫作」日記(2014年7/16付け記事)の「二番煎じ」「焼き直し」でしかありません。「新しい観点」などは何もなく、実にくだらない。
 高世が山形出身で、温海事件が山形で起こってため、変な思い入れがあるようです。なお、温海事件の真相 - 高世仁の「諸悪莫作」日記については以前

「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(4/10分:高世仁の巻)(追記・訂正あり) - bogus-simotukareのブログ
 荒木も「温海事件の謎」(http://araki.way-nifty.com/araki/2014/07/post-e3c2.html)という駄エントリを書いていますが謎も真相もないと思いますけどね。まあ少なくとも謎だの真相だのほざいても荒木も高世も何ら価値ある情報を提示できていないことは事実です。

 特定失踪者問題調査会が明日から山形県で現地調査を行う。
 調査会は、特定失踪者(北朝鮮による拉致の可能性を排除できない失踪者*20)が行方不明になった現場や周辺の状況、現地の証言などを調査する「1万キロ現地調査」をすでに20回以上続けてきた*21が、今回もその一環だ。
 私は残念ながら*22行けないが、私の故郷であるだけでなく、今回の調査項目に「温海事件」が入っていて*23、注目しているのだ。

 ばかばかしい。こういう寝言を平然と言える時点で高世が
1)まともに拉致問題を考えていないこと
2)拉致問題をまともに考えていない高世はおそらく他の社会問題もまともに考えておらず、「どうすれば飯が食えるか」「どうすれば自分が有名になれるか」など、党利党略でしか物を考えていないこと
は明白でしょう。仮に他の社会問題で高世が言ってることが「結論それ自体」はまともでもそれは「こういった方がテレビ局から仕事が来ていい」などといった私利私欲しかないでしょう。
 俺だったら高世みたいなバカとは恥ずかしくて、あるいは憤りが抑えられなくて到底つきあう気になれませんがつきあってる奴はバカなんでしょうね。

 社会党国会議員の介入など、工作員侵入事件が大きな問題にならなかった政治的背景*24

 何馬鹿な事言ってるんですかね。
 高世の言う介入とは荒木が紹介する

 朝鮮総連社会局長河唱玉と安宅(あんたく)常彦代議士(山形2区・社会党)は山形県警本部を訪れ二人は遭難した北朝鮮船の乗組員であり逮捕は不当で人道上すぐ釈放して遭難者として扱うよう抗議。

のことでしょう(こうした働きかけの是非については特に論じません。おそらく実際には密入国であり、結果的には働きかけは不適切だったのでしょうが、この時点で河局長や安宅代議士が事態をどれほど的確に理解していたのかが分からないとね。結果論で非難するのも無責任かと俺は思います)。
しかし

 県警では「遭難やSOSの発信があったとは聞いておらず遭難者なら逃げる必要もなく、話すことが曖昧で密入国の疑いを解く裏付けがない」とした。

ということで全く抗議を相手にしていない上に起訴してるんだから「介入」が捜査当局に対し、何の意味も持たなかったことは明白でしょう。それとも「起訴には影響しなかったが報道には影響した」と根拠レスで放言する気でしょうか?。単に当時のメディアがニュースバリューを認めなかっただけだと思いますけどね。メディアが単に「不法入国直後、摘発された失敗したスパイ活動」としか見てなかったんでしょう。実際この事件がどうだったのかはもちろん素人の俺には分かりませんが。
 それはともかく今だって「失敗したスパイ活動」にニュースバリューなんか大してないでしょう。

 工作員の侵入を処罰する法律がない。

 そんなことはありません。高世もよく嘘がはける。もちろん「合法な入国」ならともかく、密入国は立派な犯罪です。
 また「スパイ行為」「テロ行為」といった犯罪行為も当然処罰の対象です。高世のバカは何デタラメ抜かしてるのか。
 密入国の罰則が軽いので、「密入国直後なので余罪(スパイ行為、テロ行為)がない」あるいは「余罪があっても証拠不十分で起訴できない」と有罪判決が出ても「執行猶予付懲役」で執行猶予中に本国へ帰ってしまうなんてことが事実あったとしても、それは「密入国の罰則を重くすべきではないか」という話であってそれを

 工作員の侵入を処罰する法律がない

と表現するのはおかしいでしょう(つうか以前、中国の犯罪組織「蛇頭」による密入国がメディアで騒がれたことで分かるように、そもそも「密入国=外国諜報機関工作員」でもないですが)。

 (注:密入国だけでは長期懲役刑になることはなく国外退去にしかならないとして)「日本に行く工作員は鼻歌まじりだ」などという元北朝鮮工作員の言葉が誇張ではなさそうだと思わせる。
 この構図をみると、拉致被害者が簡単に帰ってくるなどと甘い期待をもつのは禁物であることが分かるだろう。

 誇張じゃないんですかね。逮捕されれば公安のリストには当然載るから、日本には二度と工作活動に来ないでしょうし、「日本から友好国(当時の西側諸国など)へ情報提供される可能性」を考えれば他国の工作活動にも投入されるかは疑問です。北朝鮮に帰ったとしてもさすがに殺されることはないにしても、「工作活動失敗者=駄目な奴」の烙印を押され酷い待遇と言う事も考えられる。
 どう見ても「日本はスパイ天国だ、だからスパイ防止法が必要だ」とうそぶく類の日本ウヨに元工作員が「飯のため」に媚びてるとしか思えません。
 まあ、この文章の前半「日本はスパイ天国」を「正当な認識」と仮に認める*30としても、後半はまるきり意味不明ですが。
 何が

 拉致被害者が簡単に帰ってくるなどと甘い期待をもつのは禁物

なんですかね。主張の是非以前に高世の言いたいことを理解することすら俺には困難です。
 「日本がスパイ天国」と「拉致被害者の帰国」と何の関係があるのか。

 拉致の全貌解明のためにも、現地調査で、さらに新しい情報が得られることを期待している。

 プロの警察が捜査しても何も出ないのに、アマチュアの荒木一味が探偵ごっこしたって、そんなもんでるわけがない。高世はどこまでバカなのか。

と批判しています。
 また温海事件については荒木和博も温海事件の謎: 荒木和博BLOG(2014年7/15付け記事)なんて記事を書いていますね。
 荒木の記事についても以前

「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(5/22分:荒木和博の巻)(追記・訂正あり) - bogus-simotukareのブログ

 温海事件は昭和48年8月3日に鶴岡市の海岸から上陸した北朝鮮工作員山形県警が検挙した事件です。

 荒木は何が言いたいのか。拉致問題と何か関係があると堅い証拠で証明できるならともかく、ただの「北朝鮮工作員密入国事件」を騒いだところで意味ないでしょうに。このエントリにはどこにも「拉致と関係がある」と言う記述は出てきません。

警察関係者の知人によれば当時警察庁外事課長は、
温海町(現在の鶴岡市)の海岸に3名が上陸、●1名は上陸直後に逮捕、●1名は翌日の早朝、日も当たらない海岸に海パン一丁で転がっているところを逮捕、●1名は逃走、所在不明、●ゴムボート、リュックサック、無線機、暗号表、乱数表、日本円、着替え、歯磨き、日本製のタバコ、日本製の薬などを所持、などと話していたとのこと。(注:国道を歩いていた2名を逮捕したという)『戦後の外事事件』とは大分異なります。

 「話していた」というのは一体「どこで話していた」んですかね。これが「国会答弁」「マスコミ取材」なら、裏がとれますが「警察関係者の知人とやらに外事課長がオフレコで話した」というのでは裏のとりようがありません。

と批判しています。
 それにしても高世記事(2014年7/16付け記事)と荒木記事(2014年7/15付け記事)の日付が「近い」のは「単なる偶然」かはたまた「示し合わせてる」のか。まあ、偶然とは思いがたいので後者ですかね。 
 さて、高世の言う「どうして」ですが、
1)出入国管理令違反自体は初犯なら執行猶予がつく微罪だから
2)日本政府がその後国外退去処分にしたから
3)証拠品を没収することが法律上違法行為に当たるので、返却せざるを得ないから
ですよねえ。そんなこと今更問題にして何の意味があるのか。拉致の解決に役立つのか?。そもそも温海事件で「実刑付けて2~3年服役させて証拠品も没収すれば」拉致がなかったつう話でもないし。
 なお、今回は(つづく)となってないので「これで終わり」なんでしょうか?
 はたまた(つづく)を付け忘れただけでまだ続くのか?。
 俺的には「もういい加減、こんなどうでもいい話を、高世はいつまでも続けるなよ!」ですね。

*1:駐日大使、中国共産党中央台湾工作弁公室主任(国務院台湾事務弁公室主任兼務)などを経て国務委員(外交担当)兼外相(党中央委員兼務)

*2:福田内閣金融等担当相、自民党政調会長(谷垣、第二次安倍総裁時代)、第二次安倍内閣経産相、第三次安倍内閣経済財政担当相、第四次安倍内閣外相などを経て菅内閣外相

*3:第一次安倍内閣総務相、第二~四次安倍内閣官房長官などを経て首相

*4:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*5:オランド政権財務相を経て大統領

*6:ニクソン、フォード政権での国家安全保障問題担当大統領補佐官国務長官

*7:737MAXについて中国以外の国も「安全性に疑問がある」と言う理由でこの時期に運行停止措置などを執ってることを参考に指摘しておきます(つまり少なくとも『この中国の措置に限れば』、不当な言いがかりなどではないとお言うこと)。

*8:大蔵省主計局長から政界入り。岸内閣農林相、自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)、佐藤内閣蔵相、外相、田中内閣行政管理庁長官、蔵相、三木内閣副総理・経済企画庁長官などを経て首相

*9:池田内閣官房長官、外相、佐藤内閣通産相、田中内閣外相、蔵相、三木内閣蔵相、自民党幹事長(福田総裁時代)などを経て首相

*10:池田内閣郵政相、官房長官、佐藤内閣厚生相、福田内閣農林相、自民党総務会長(佐藤、田中、大平総裁時代)などを経て首相

*11:佐藤、田中内閣官房長官、三木内閣建設相、大平、中曽根内閣蔵相、自民党幹事長(中曽根総裁時代)などを経て首相

*12:田中内閣防衛庁長官自民党国対委員長(三木総裁時代)、福田内閣科学技術庁長官、大平内閣行政管理庁長官、中曽根内閣通産相、竹下内閣外相などを経て首相

*13:田中内閣建設相、三木内閣国土庁長官福田内閣防衛庁長官自民党国対委員長(大平総裁時代)、総務会長、幹事長(中曽根総裁時代)、中曽根内閣副総理、自民党副総裁(宮沢総裁時代)など歴任

*14:自民党国対委員長(三木総裁時代)、福田、中曽根内閣文相などを経て首相

*15:池田内閣経済企画庁長官、佐藤内閣通産相、三木内閣外相、福田内閣経済企画庁長官、鈴木内閣官房長官、中曽根、竹下内閣蔵相などを経て首相。首相退任後も小渕、森内閣で蔵相

*16:大平内閣厚生相、中曽根内閣運輸相、海部内閣蔵相、自民党幹事長(宇野総裁時代)、政調会長(河野総裁時代)、村山内閣通産相などを経て首相

*17:宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相などを経て首相

*18:原文のまま。山形地方検察庁山形地検)のことか?

*19:朝鮮労働党総書記、北朝鮮国家主席朝鮮人民軍最高司令官

*20:何度も書いていますが「幼稚園児や小学1年生(松岡伸矢君、佐賀直香さん)」、「認定後国内で国内で所在が発見された人(山本美保さん、小山修司さんなど)」がいる時点で特定失踪者問題調査会の特定失踪者認定には何の信用性もありません。

*21:「で、20回以上も調査とやらをやって何の成果があったの?。ないよね?」「スポーツジムでのトレーニングじゃあるまいし回数が多ければいいってもんじゃないよね?」と俺なんかは思いますがそう思わないバカが高世です。

*22:「残念」も何もこんな「調査」に同行しても何ら得られる物はないでしょうに?

*23:そもそもこの「温海事件」の密入国者が拉致に関与してるという事実もないでしょうに何をどう調査するというのか。おそらく山形県の同時期の失踪者と無理矢理つなげるという愚かな事をしてるだけでしょう。

*24:荒木の方は実はここまではっきりとは社会党(現社民党)に対して非難めいたことは書いていません。おそらく社民党サイドの反発を荒木は多少恐れているのでしょう。一方何故か高世は恐れていないと。

今日の中国ニュース(2020年11月28日分)(副題:楊海英のクズさに心底呆れる)(追記あり)

自衛隊レーダー基地の喉元に迫る中国資本 北海道・稚内ルポ - 産経ニュース
 有料記事なので途中までしか読めませんが、いつもの「北海道が危ない、中国が狙ってる」という与太です。なお「後述しますが」、「楊海英」のクズぶりにあきれ果てたので今後は「楊海英」というタグをつくることにします。

 北海道千歳市議会では平成26年6月、航空自衛隊千歳基地から約3キロの隣接地約8ヘクタールが中国資本に買収されたことが質問で出た。

 「基地から約3キロ」つうのは「隣接地」ていうんでしょうか?。「駅から約3キロ」と言ったら大分歩きますよねえ。「4キロ=一般的な人間は徒歩で約1時間」ですから。つまり3キロだと普通に歩くと45分かかる。

 台湾と接する沖縄県竹富町議会では28年9月、中国系資本が宅地約2・4ヘクタールを買収しようとし、これを防ぐため町による土地購入が検討された。

 「何のために防ぐんだ?」ですよねえ。
 ちなみにこの産経のデマ記事には

楊海英
 日本最北端の稚内ノシャップ(野寒布)岬。日本海からオホーツク海に出る要衝の中の要衝。ここの自衛隊基地近くに中国企業が進出。私も三年前に目撃したが、中国人は実に戦略的に動いていた。かつての対ソ連最前線が中国に抑えられているのに危機感なしの日本
自衛隊レーダー基地の喉元に迫る中国資本 北海道・稚内ルポ - 産経ニュース

ということで楊がリツイートしています。「どこまでも恥知らずでクズとしか言い様がない男=楊海英」といって何ら問題は無いでしょう。
 こうなると「例の司馬遼太郎賞」も「ウヨにチヤホヤされて勘違いした楊を堕落させることにしか役立たなかった」といっていいのではないか。
 静岡大学(楊の勤務大学)もいい加減口頭注意ぐらいすべきでしょうし、id:Bill_McCrearyさんが言うように、岩波は楊との関係を切った方がいいのではないか。


◆楊海英ツイートに突っ込む

楊海英*1
 良い事はチャイナ起源。悪い事は他所発生。こうした詭弁に付き合っている暇もない。いわゆる「四大文明」論や火薬と紙等の中国起源を信じる者は学界にもはやいない。「四大文明」説は清朝末期に日本に亡命していた清国人の珍説。西洋よりも古代チャイナが優れていたと詭弁。

 楊が「中国憎悪のあまり」完全に気が狂っていることが分かるナイスツイートです。
 1)「清国人の珍説」と言いながら、楊が具体的にその「清国人*2」の名前を挙げられない
 2)いわゆる四大文明論(インダス文明エジプト文明中国文明メソポタミア文明)の何が問題なのか具体的に指摘しない
 3)「火薬と紙の中国起源を信じる者は学界にもはやいない」と書きながら、「では火薬や紙の起源はどこなのか?、について何一つ説明しない」「火薬や紙の起源について論じている研究書の名前も挙げない」
時点で眉唾もんです。
 なお、ググった限りでは世界四大文明とは

世界三大珍味
 トリュフ、キャビアチョウザメの卵巣の塩漬け)、フォアグラ(ガチョウのレバー)
世界三大テノール
 ルチアーノ・パヴァロッティプラシド・ドミンゴホセ・カレーラス
世界三大美女
 クレオパトラ楊貴妃小野小町
◆日本三大珍味
 カラスミ(ボラの卵巣の塩漬け)、このわた(なまこの内臓の塩辛)、ウニ

などといった「世界三大何チャラ(世界三大一覧 - Wikipedia参照)」「日本三大何チャラ(日本三大一覧 - Wikipedia参照)」「深田久弥日本百名山」などと同列の扱いをすべき代物のように思います。
 つまりは「客観性のある、学問的に価値のある言説とは思えないが、かといって全くの無根拠のデマカセでもなく、ムキになって否定する必要もあるとも思えない」つう代物です。
 「世界三大珍味がトリュフ、キャビア、フォアグラだなんて俺は認めない!。もっと上手い珍味が他にある!。たとえば日本三大珍味(からすみ、このわた、ウニ)の方がずっと上手い」「俺は深田の百名山認定に納得できない!」などとムキになっていっても馬鹿馬鹿しいのと同じ話です。世界三大珍味も、深田百名山も単に「俺はそう思う」程度の話に過ぎません(そして全くの無根拠のデマカセとまではいえない)。賛同できなくても、「ああ、あなたはそういう価値観なんですか?。でも俺は違うなあ」で適当に流すべき話でしかない。
 いずれにせよ「中国共産党内モンゴル統治は問題だ」というならともかく、楊のように「中国人は自画自讃しかしない嘘つき民族」であるかのように悪口するのはただのヘイトスピーチ、民族差別でしかありません。
 大体、「四大文明論の是非」はともかく、中国古代文明は楊がこき下ろすほど無価値な代物ではないでしょうに。
 楊の知人や友人には奴をたしなめる人はもはや居ないんでしょうか?。楊も「哀れで無様な男だ」と心の底から思います。
 例のid:Mukkeだと「楊先生は偉大な研究者だ。ボーガスは楊先生に無礼だ」と詭弁で擁護しかねませんが、そう言う話ではない。研究能力があろうがヘイトスピーチなどする楊のような奴はただの「人間のくず」です。

【追記】
【1】
 「四大文明」でググったら倉山満や竹田恒泰なども「楊と全く同じレベル」の「中国への悪口」をしているようです。
 というかおそらく倉山や竹田ら日本ウヨに楊が調子を合わせて媚びてるのでしょうが。楊も全くあきれ果てたバカです。
 あげく竹田に至っては
動画『世界四大文明はウソだ!最古は日本文明』(虎ノ門ニュース・魁!竹田塾)
https://www.youtube.com/watch?v=3xHKiohCaU8
動画『「古代文明」日本が世界最古の文明なのに教科書では教えない理由』竹田恒泰×田北真樹子*3虎ノ門ニュース・魁!竹田塾)
https://www.youtube.com/watch?v=GIlFrvOqXns

竹田恒泰「日本文明は世界最古」は、北朝鮮「大同江文明は世界最高」と同レベル 『天皇の国史』「オーストラリア文明が世界最古」と珍説か – 皇室ニュース
・文明成立の条件が磨製石器の出現とは初耳だ。打製石器から磨製石器への移行は、旧石器時代新石器時代を区別する指標の一つかと思っていた。竹田氏が、何の考古学成果を用いてこのような発言をしているのか、参考文献を調べたがよく分からない。「されている」と受動態で書いている以上、そのエージェントを明記することこそが学術的な良心であろう。
・「四大文明より前に日本文明があった!」という根拠が「磨製石器」一つなのだから驚きだ。世界四大文明では紀元前数千年前に、ピラミッドなど巨大建造物建立や、ハンムラビ法典に代表される法治統理、青銅器や鉄器などの製作、太陽暦太陰暦に基づく日常生活などが広範囲にわたり大規模に行われていたが、同時期の日本にはこれに比肩できるようなものは一切なかった。
 にもかかわらず、磨製石器一つを取り上げて「日本文明」を語ることに何の意味があるだろうか?
◆竹田氏の理論に従うなら、世界最古の文明は「オーストラリア」で出現?
 竹田氏の「磨製石器だけで語る日本文明最古論」は虚しい叫びでしかない。
 オーストラリアからも3万年以上前の磨製石器が出土しており、北部カカドゥから出土した磨製石斧は6万5千年前のものという研究成果が出ている(西秋良宏編『アジアにおけるホモ・サピエンス定着プロセスの地理的編年的枠組み構築』2018、Chris Clarkson ed. “Human occupation began around 65,000 years ago,” Nature 547(7663), 2017)。
 竹田氏の理論を用いるならば「オーストラリア(アボリジニ)文明」こそが世界最古の「文明」でなければならない。この事実に竹田氏は何と答えるだろうか興味は尽きない。

ということで「四大文明よりも日本の縄文文明の方が古い」と自画自讃のようだから呆れます。
【2】

id:Bill_McCrearyさんコメント
 紙のほうは、これたぶん蔡倫はもはや紙の発明者とはみなされていないっていう話のことをしているのかもですが、紙は中国が大きな淵源であることは確かじゃないんですかね?

 ちなみに蔡倫 - Wikipediaによれば

・元興元年(105年)、蔡倫は樹皮・麻クズ・破れた魚網などの廃棄物の材料を用いて紙を製造し、これを和帝に献上した。蔡倫の作った紙は優秀であったため、「蔡侯紙」と呼んで皆が使用した。従来、文章を記すのには竹簡、または絹織物製のもの(蔡倫以前はこれを「紙」と呼んだ)があったが、竹簡は重く、「絹織物」は高価であるという欠点があった。
・かつて蔡倫は製紙法の発明者と評されていたが、前漢代の遺跡から植物繊維由来の紙が発見され、現在では蔡倫は従来からの技術を集約統合し、実用的な紙の製造方法を定めた改良者と見なされている。

だそうです。

【参考】

世界四大文明 - Wikipedia
・「四大文明」という考え方の由来は不明である。提唱者が誰かもよくわかっていない通俗的・慣習的な用語である。国際的な用語ではなく、20世紀以降の日本や中国でのみ用いられるとされる。
・一説によれば、考古学者・江上波夫*4に由来するとされる。杉山正明*5の述懐によれば、江上本人が「四大文明」は自分の造語だと主張したという。また、村井淳志*6の調査によれば、「四大文明」という語句の初出が確認できるのも、江上が携わった1952年発行の山川出版社の教科書『再訂世界史』だという。
・また一説によれば、中国清朝末期の知識人、梁啓超に由来するとされる。梁が1900年に作った詩『二十世紀太平洋歌』の中で彼は「地球上の古文明の祖国に四つがあり、中国、インド、エジプト、小アジア(注:メソポタミアのこと)である」と述べている。
・中国の習近平国家主席が、アメリカのトランプ大統領故宮に自ら案内した際、「四大文明の中で中華文明だけが中断なく続いている」と述べたことで注目された。

習氏、トランプ氏に中国史を教える一幕 「中国人は竜の子孫」 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News2017年11月9日
 中国の習近平*7国家主席は8日、同国を訪問中のドナルド・トランプ米大統領を北京の故宮紫禁城)に案内した際、トランプ氏に中国史を講釈する一幕があった。
 国営の中国中央テレビCCTV)によると、トランプ氏が「中国は5000年の歴史を持つと聞いた」と口にすると、習氏はさらに踏み込んだ話を始めたという。
 習氏は石敷きの広大な庭を歩きながらトランプ氏に、「わが国には有史以来3000年の歴史があります」と通訳を介して語り掛けると、トランプ氏は「一説には、さらに古いのがエジプトの8000年とされていると思いますが」と返答した。
 中国は自国の歴史遺産に高い誇りを持っていることで知られ、児童らは早い段階で、中国が世界四大文明の一つと学ぶ。
 習氏は「エジプトの方が少しだけ古い」と認めたものの、「しかし唯一連綿と続く文明が中国だ」と指摘。さらに「われわれ中国人は黒い髪と黄色い肌を今に受け継ぐ元祖の民族です」と言って笑い、「竜的伝人(竜の子孫)を自称するくらいだから」と付け足した。
 トランプ氏は「それは素晴らしい」と応じた。

【参考終わり】

楊海英
 現代モンゴル絵画。古いチベット仏教絵画の伝統を受け継ぎながら、西洋美術の技法も駆使。題材は遊牧民生活。近年では世界中のコレクターに注目されている。
モンゴル大草原の輝きを描く 現代モンゴル絵画展 | 知足美術館2018年6月22日(金)~8月31日(金)

 「中国に散々悪口してたけど、お前の方が自画自讃してんじゃん(呆)」と吹き出しました。
 なお、『題材は遊牧民生活』とツイする楊ですが

モンゴル通信vol.015 「モンゴルのアートシーン」
・モンゴルのアーティストたちのテーマには、いくつかの傾向が見受けられる。例えば、チンギス・ハーンを思い出させる「英雄」というテーマ。それに加えて、英雄と共に戦地を駆け巡る「馬」。力強い人物や馬を激しい筆致で描いたものや、荒々しく削り取られた彫刻はいかにも13世紀の世界覇権国家モンゴルを反映するようで迫力がある。また、「大自然」もモンゴル人が誇りとする代表的なテーマだ
・一方で、近年のモンゴルの経済発展を批評的に見つめるような作品もある。ブルドーザーが草原を掘り起こし、小さな労働者がせっせと働く姿にスポットライトを当てている作品を見かけることもある。
・先日訪れた展覧会の作品は少し趣向の異なるもので、ずいぶん印象的だった。オノン・ウルジンハンド (Urjinkhand Onon) とハグワジャウ・ホンゴルゾル (Lkhagvajav Khongorzul) という二人のアーティストによる展示である。二人はそれぞれ1979年、1980年生まれの女性で、非常に若い世代のアーティストに属していると言えるのだが、彼女らの作品のテーマはそれまでに見たことのないユニークなものだった。家族、女性、現代生活。この二人が提示しているものは、多くのアーティストが扱うテーマをことごとく無視し、いま、UB(ウランバートル)市のどこかのマンションの一室で繰り広げられている、ごく身近な日常生活を切り取っていた。幸福と不安を抱きしめた人々が市街を歩いているようなものもあった。そこには、女性として社会に生きることに対する困難さ、苦しみ、そして喜びがありありと描かれていた。
・おそらく、彼女らの作風はモンゴルのアートシーンに於いて新しい波の到来を予告している。

ということでやはり「近代化を反映した作品」もあるようですね。楊の「遊牧美化」には「お前は遊牧してねえだろ!。外モンゴル内モンゴルも遊牧は衰退傾向にあるだろ!」と心底呆れます。

楊海英
 内モンゴル情勢は悪化の一途。逮捕されているモンゴル人の数も増えている。こうした中、中国の王毅*8外相が7億元の無償貸与金を口にしながらモンゴル国入り。ウランバートルでも抗議デモ発生。

楊海英
 (ボーガス注:モンゴル語教育を廃止し*9(?))内モンゴル人を弾圧するの(ボーガス注:を外モンゴルに黙認させるのに)に、王毅は(ボーガス注:外モンゴル訪問時に)モンゴル国に(ボーガス注:ODAとして)7億元持参したが、(ボーガス注:尖閣問題で対立する、あるいは在留邦人を中国が身柄拘束している)日本と(ボーガス注:サード配備問題で対立する)韓国は手ぶらか。

楊が
1)「カネで買収されやがって!。内モンゴル人への同胞意識はないのか!。外モンゴルの連中はふざけんな!」
2)「カネで買収されてるわけでもない*10のに、尖閣問題やサード問題で『中国の主張には賛同できない』とガンガン批判しないで適当に流した日韓は腰抜けだ!。ふざけんな!」
と思ってることがうかがえるツイートです。

【参考:中国と日本、韓国、外モンゴル

中国外相、モンゴルと「内政不干渉」を確認 (写真=共同) :日本経済新聞2020年9月16日
 中国の王毅(ワン・イー)外相は15日、訪問先のモンゴルの首都ウランバートルでエンフタイワン外相と会談した。「互いの主権を尊重し、国内問題に干渉しない」と確認した。
 中国の内モンゴル自治区で起きたモンゴル族による当局への抗議活動について、モンゴル政府が口を挟まないよう中国がくぎを刺したとみられる。
 内モンゴル自治区では小中学校で標準中国語(漢語)の教育を9月から強化した。反発したモンゴル族による授業のボイコットなどが起きている。モンゴルでも抗議活動が起きているという。

【社説】中国で序列25位以下の王毅外相、韓国に来れば国家元首クラス-Chosun online 朝鮮日報2020.11.27
 中国の王毅・国務委員兼外相が26日、韓国外交部(省に相当)の康京和(カン・ギョンファ)長官との会談に24分遅刻した。外交部庁舎から4-5キロしか離れていないホテルから出発したにもかかわらず、「交通渋滞」を口実にした。会談の冒頭では謝罪の一言もなく、昼食会になってやっと理解を求めたという。会談直後、「米中対立」について問う質問に王毅外相は「この世界には米国だけが存在するわけではない」と述べた。米国の同盟国である韓国に来て「米国の側に立つな」と圧力をかけたのだ。文在寅*11ムン・ジェイン)大統領が握手を求めると、「コロナ防疫を理由に予定にはなかった儀典」との理由でぐずついた。昨年12月に来韓した際には、韓国側の関係者100人を突然昼食会に呼びつけておきながら37分遅刻した。謝罪もなかった。その一方で王毅外相は米国務長官が30分遅刻した際には、謝罪を受けても顔を赤らめたような人物だ。
 王毅外相の中国共産党における序列は25位以下だ。政治局員でもない中央委員だ。それでも韓国に滞在する期間、大韓民国において序列1位の大統領、2位の国会議長、さらには元与党代表、大統領特別補佐官や側近などに次々と会う。自家隔離中の与党代表は「コロナの渦中における来韓に大きく感動した」という手紙を送った。ある長官は会談に応じてさえもらえなかった。これとは別に序列がより高い中国の楊潔チ*12・外交政治局員は今年8月に来韓した際、文大統領に会いに行くこともなく、ソウルではない釜山で青瓦台(韓国大統領府)安保室長だけに会って帰国した。このあり得ない動きに韓国も中国も今なお一言の説明もしていない。
 中国は周辺国と平等な立場に基づいた外交をしてきた歴史がない。常に朝貢外交だけだった。このような国を相手にする際、軽々しく頭を下げるとその後も無視され続ける。ところが韓国政府は中国が文大統領の特使を香港行政長官の席に座らせても、大統領の取材記者が激しく集団暴行を受けても、さらには王毅外相が大統領の腕をたたいても一言の抗議さえしなかった。コロナの感染が一気に拡大していた当時も中国からの入国は一切制限せず、また中国が6・25南侵*13を(ボーガス注:米国の北朝鮮侵略戦争と)歪曲(わいきょく)しても沈黙した。中国を前にすると「猫の前のねずみ」だ。世界10位圏の民主国家の国民にこれ以上恥ずかしい思いをさせないでほしいものだ。

中国外相“大暴言”に与野党議員ら反撃開始! 中山・石垣市長が喝!「その場で反論しないと日本外交ナメられる」 求められる国益を守る具体的行動 (1/3ページ) - zakzak:夕刊フジ公式サイト2020.11.28
・中国の王毅国務委員兼外相が、沖縄県尖閣諸島の領有権を一方的に主張するなどした大暴言に対し、やっと与野党議員らが反撃を開始した。自民党外交部会で抗議の声が上がったうえ、共産党志位和夫委員長も王氏の発言を非難し、政府の対応を批判したのだ。
・「まったく受け入れられない。その場で反論すべきだった!」
 「日本が十分に反論している姿勢が見えない」
 「すぐにツイッターなどで日本の主張を発信しないと、黙認したことになる」
 自民党は26日、外交部会と外交調査会の合同会合を党本部で開き、王氏が来日中、尖閣諸島の領有権などについて勝手な主張をしたことについて、政府に強い反論を求める声が相次いだ。近く決議文をまとめ、茂木敏充*14外相に申し入れる方針も決めた。
共産党志位和夫委員長も同日の記者会見で、「尖閣諸島周辺の緊張と事態の複雑化の最大の原因は、日本が実効支配している領土に対し、力ずくで現状変更をしようとしている中国側にある。中国側の覇権主義的な行動が一番の問題だ」「日本側に責任を転嫁する、驚くべき傲慢不遜な暴言だ。絶対許してはならない暴言だ」と強調した。
 まったくの正論である。
・王氏の最初の暴言があったのは24日の共同記者会見である。茂木氏は、その場で反論しなかった。翌25日には衆院参院予算委員会で集中審議が行われたが、この問題を取り上げる与野党議員は1人もいなかった。王氏は25日、「親中派のドン」こと自民党二階俊博*15幹事長らと都内のホテルで昼食を取り、同日夜、次の訪問国・韓国に向かった。
 これでは、王氏や中国は痛くもかゆくもない。
 尖閣諸島を行政区とし、中国公船の傍若無人さと、漁師らの苦境をよく知る石垣市の中山義隆市長は「日本側がその場で対応しなければ、外交自体がナメられてしまうという危惧がある。一国民という立場でも、日中で話し合いをする前に、中国公船を引く(=尖閣周辺への侵入を止める)のが先だろうという思いが強くある」と語った。

*1:静岡大学教授。著書『草原と馬とモンゴル人』(2001年、NHKブックス)、『モンゴル草原の文人たち:手写本が語る民族誌』(2005年、平凡社)、『ユーラシア草原からのメッセージ:遊牧研究の最前線』(共著、2005年、平凡社)、『チンギス・ハーン祭祀』(2005年、風響社)、『墓標なき草原(上)(下):内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』(2009年、岩波書店→後に2018年、岩波現代文庫)、『続・墓標なき草原:内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』(2011年、岩波書店)、『中国とモンゴルのはざまで:ウラーンフーの実らなかった民族自決の夢』(2013年、岩波現代全書)、『植民地としてのモンゴル:中国の官制ナショナリズムと革命思想』(2013年、勉誠出版)、『ジェノサイドと文化大革命内モンゴルの民族問題』(2014年、勉誠出版)、『モンゴルとイスラーム的中国』(2014年、文春学藝ライブラリー)、『チベットに舞う日本刀:モンゴル騎兵の現代史』(2014年、文藝春秋→後に『モンゴル騎兵の現代史:チベットに舞う日本刀』と改題した上で、2020年、中公文庫)、『狂暴国家中国の正体』(2014年、扶桑社新書)、『日本陸軍とモンゴル:興安軍官学校の知られざる戦い』(2015年、中公新書)、『モンゴル人の民族自決と「対日協力」:いまなお続く中国文化大革命』(2016年、集広舎)、『フロンティアと国際社会の中国文化大革命: いまなお中国と世界を呪縛する50年前の歴史』(共著、2016年、集広舎)、『「中国」という神話:習近平「偉大なる中華民族」のウソ』(2018年、文春新書)、『「知識青年」の1968年:中国の辺境と文化大革命』(2018年、岩波書店)、『最後の馬賊:「帝国」の将軍・李守信』(2018年、講談社)、『モンゴル人の中国革命』(2018年、ちくま新書)、『中国人の少数民族根絶計画』(2019年、産経NF文庫)、『モンゴル最後の王女:文化大革命を生き抜いたチンギス・ハーンの末裔』(共著、2019年、草思社文庫)、『独裁の中国現代史:毛沢東から習近平まで』(2019年、文春新書)、『逆転の大中国史』(2019年、文春文庫) 、『中国が世界を動かした「1968」』(共著、2019年、藤原書店)、『モンゴルの親族組織と政治祭祀』(2020年、風響社)、『内モンゴル紛争:危機の民族地政学』(2021年刊行予定、ちくま新書)など。

*2:世界四大文明 - Wikipediaが名前を挙げる梁啓超のことでしょうか?。なお、梁啓超は保守派であり、中国共産党とは関係ありません。

*3:現在は月刊誌『正論』編集長

*4:1906~2002年。東大名誉教授。著書『騎馬民族国家(改版)』(1991年、中公新書)、『日本民族の源流』(1995年、講談社学術文庫)など

*5:京大名誉教授。著書『世界史を変貌させたモンゴル』(2000年、角川叢書)、『クビライの挑戦:モンゴルによる世界史の大転回』(2010年、講談社学術文庫)、『遊牧民から見た世界史(増補版)』(2011年、日経ビジネス人文庫)、『大モンゴルの世界:陸と海の巨大帝国』(2014年、角川ソフィア文庫)、『モンゴル帝国と長いその後』(2016年、講談社学術文庫)など

*6:金沢大学教授。著書『「いのち」を食べる私たち:ニワトリを殺して食べる授業』(2001年、教育史料出版会)、『脚本家・橋本忍の世界』(2005年、集英社新書)、『勘定奉行 荻原重秀の生涯』(2007年、集英社新書)など

*7:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*8:駐日大使、中国共産党中央台湾工作弁公室主任(国務院台湾事務弁公室主任兼務)などを経て国務委員(外交担当)兼外相(党中央委員兼務)

*9:と言う報道がマスコミでされていますね。

*10:とはいえ1)あまり無茶苦茶なことを言って中国と『日本や韓国』が対立すれば「中国市場からの排除」が最悪危惧される、2)モンゴルと違い、中国からのODA援助など無かったが、『経済的な面での前進(例:中国市場の開放など)』はあった(つまり手ぶらではなかった)のでその点では日韓も「外モンゴル」と大して事情は変わりません。

*11:盧武鉉政権大統領秘書室長、「共に民主党」代表を経て大統領

*12:駐米大使、外相、国務委員(外交担当)などを経て党中央外事活動委員会弁公室主任(党政治局員兼務)

*13:1950年6月25日に北朝鮮の南侵で開戦された朝鮮戦争のこと

*14:福田内閣金融等担当相、自民党政調会長(谷垣、第二次安倍総裁時代)、第二次安倍内閣経産相、第三次安倍内閣経済財政担当相、第四次安倍内閣外相などを経て菅内閣外相

*15:小渕、森内閣運輸相、小泉、福田、麻生内閣経産相自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)などを経て、現在、幹事長

「珍右翼が巣くう会」メンバー・黒坂真に突っ込む(2020年11月28日分)

黒坂真
 昭和30年まで在日の共産主義者日本共産党員でしたね。今の日本共産党がこの件を内緒にしたいのは、昔の在日本朝鮮人総連合会幹部の殆どが元日本共産党員であった事、昭和34年からの北朝鮮への帰国事業の頃に日本共産党の宣伝が在日朝鮮人にかなりの影響力を持ったことを隠すためでしょうか。

 黒坂のくだらない邪推はどうでもいいとして、「以前も「珍右翼が巣くう会」メンバー・黒坂真に突っ込む(2020年11月8日分) - bogus-simotukareのブログで書きましたが」金天海*1など「在日朝鮮・韓国人の党員」についてはもっとスポットライトが当たっていいでしょう。
 とはいえ、近年では

樋口雄一*2『金天海:在日朝鮮人社会運動家の生涯』(2014年、社会評論社

ということで以前よりはスポットライトは当たっています。

黒坂真
 吉岡正史さん。中国共産党が日本の領土、領域に力ずくで現状変更しようとしているなら、中国共産党は日本攻撃、侵攻を断行しうる。自衛隊の軍備充実が必要です。

 「建設的対話をする気はゼロで因縁つけしかしない」「時には反共デマの流布、共産党の主張に対する曲解やこじつけすらやり出す」黒坂相手に吉岡氏も良くツイッターブロックしないもんだと「ある意味」感心しますがそれはさておき。黒坂には「やれやれ」ですね。

日本側に責任転嫁する傲岸不遜な暴言/志位委員長 中国・王毅外相を批判
 志位氏は、「尖閣諸島周辺の緊張と事態の複雑化の最大の原因は、日本が実効支配している領土・領域に対し、力ずくで現状変更をしようとしている中国側にある。この中国側の覇権主義的な行動が一番の問題だ*3」と指摘。

として「力ずくで現状変更」「覇権主義」だのとまるで中国が尖閣への軍事侵攻を今すぐにでもするかのような物言いをする志位氏も「言葉の使い方が軽率、乱暴すぎる」「だから黒坂のような因縁つけを招く」と思いますが、それにしても黒坂の物言いは言いがかりですね。
 志位氏にしても日本政府にしても「中国の尖閣侵攻」なんてもんは想定してないでしょう。
 まあ、黒坂の言いがかりは論外にしても、正直、志位氏の言葉遣いは「あまりにも軽率で乱暴すぎる」と俺は思います。
 俺は「共産支持者」ではあっても「党外のライトな支持者」であって「党員」「後援会員」といった「しがらみのあるコアな支持者」ではないので、「志位氏の発言」だろうが「これはおかしいんじゃないか?」と思えば、このように批判はします。
 それにしても「力ずく云々というなら軍拡すべきなのに何故共産党は反対する!」と言いたげな黒坂には心底呆れますね。
 軍拡云々というなら、それは「ミニ野党に過ぎない」共産党に言う前に、最大与党自民党に言うべき話でしょうよ。
 まあ、自民党
1)中国の尖閣侵攻など想定してない
2)尖閣を口実に軍拡した場合の中国の反発が怖い
ということでそんなことはしないわけですが。
 そしてそんな自民党に何ら批判せず、共産に因縁付けしかしない時点で黒坂自身も「中国の尖閣侵攻など想定してない」ことはモロバレです。
 とはいえ、例えば「中国や北朝鮮の脅威」を口実に海上イージス配備を正当化しようとするのだから、その辺り、菅政権も「デタラメでいい加減」ではあります。中国軍事力・脅威論を完全に放棄することは菅政権には出来ないようです。

黒坂真リツイート
 日本共産党本部のみなさん。国際社会の正義の声、など中国共産党は簡単に無視する。中国共産党は世界に指令すべき存在であり、国際世論は中国共産党の指令に従え*4、という集団。従わないなら懲罰する
志位和夫
 中国指導部による覇権主義と人権抑圧*5に世界がどう対応するか?
 中国に対して「国連憲章国際法を受入れよ」と迫る、国際的な包囲網をつくっていくことだ。

 黒坂が何が言いたいのかさっぱり分かりません。
 「国際社会の正義の声、など中国共産党は簡単に無視する」と志位氏に因縁を付けるのなら一体何をどうすべきだと思うのか? 
 反中国の黒坂なので「大国・中国相手には何をしても無駄、諦めるしかない」「日本にとって中国ビジネスは重要だ」「そもそも尖閣問題以外の問題(ウイグルチベット少数民族問題、南シナ海の領土紛争、香港デモなど)は日本は当事者じゃないからどうでもいい」とはさすがに言わないのでしょうが、にもかかわらず、「何をどうすべきか」については何一つ語らないのだから、黒坂もいつもながらくだらない男です。志位氏に因縁を付けたところで、中国を巡る問題が解決するわけでもないでしょうに。
 黒坂が「中国の人権問題を真面目に考えていないこと」「単に人権問題を中国叩きのネタとしか考えてないこと」が完全にモロバレです。

*1:1899年生まれ。大韓帝国(現在の大韓民国慶尚南道蔚山郡出身。1922年に来日。1928年に朝鮮共産党日本総局責任秘書に就任。戦後、在日本朝鮮人連盟最高顧問、日本共産党政治局員、中央委員、朝鮮人部長など歴任。1950年に北朝鮮に帰国し、朝鮮労働党中央委員、社会部長など歴任。1970年の朝鮮労働党第5回大会で金の名前が中央委員名簿から消えて以降はその所在がよく分かっていない(金天海 - Wikipedia参照)。

*2:著書『戦時下朝鮮の農民生活誌:1939~1945』(1998年、社会評論社)、『戦時下朝鮮の民衆と徴兵』(2001年、総和社)、『日本の朝鮮・韓国人』(2002年、同成社)、『日本の植民地支配と朝鮮農民』(2010年、同成社)、『戦時下朝鮮民衆の生活』(2010年、緑蔭書房)、『植民地支配下の朝鮮農民』(2020年、社会評論社

*3:以前も別記事で書きましたが俺個人は「野田内閣の尖閣国有化」など「中国の面子を潰した日本側の態度」が「一番の問題だ」と思っています。

*4:さすがに中国もそこまでは主張してないでしょう。

*5:人権抑圧とは「チベットウイグル少数民族問題」「香港デモ問題」と想像がつきますが「覇権主義って何やねん?」ですね。どうも「国内問題(チベットウイグル少数民族問題や香港デモ)=人権抑圧」「対外関係=覇権主義」のようですが、対外関係については、尖閣問題にしても中台対立にしても南シナ海の領土紛争にしても「覇権主義」と中国を一方的に非難するのはおかしいと思いますね。かつ国内の人権問題はともかく「対外関係」において国際法違反なんかあるのか?

「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2020年11/28日分:荒木和博の巻)

チャンネルAJER(青木久・予備役ブルーリボンの会幹事)「身」: 荒木和博BLOG

 今回のチャンネルAJERは予備役ブルーリボンの会幹事である武道家青木久さんがゲスト。武道に関心のある方にもない方にも興味のある話です。ぜひご覧下さい。

 14分程度の動画です。
 「アホか?」ですね。
 そんな話が拉致問題と何の関係があるのか。
 何一つ関係ないわけです。
 この動画は「拉致問題解決のための動画」ではなかったのか?。いつの間にか「荒木と類友が好き勝手に放言する動画」に変わってしまったようです。


県民性とか民社党時代の話とか(11月28日のショートメッセージ): 荒木和博BLOG

 令和2年11月28日土曜日のショートメッセージ。民社党時代内部研修の担当と青年組織の担当が長かったので全国47都道府県出張しました。そこで感じたことなど。

 8分程度の動画です。
 「アホか?」ですね。
 「県民性とか民社党時代の話とか」、例えば荒木曰く

◆「薩摩焼酎(鹿児島)」、「大分麦焼酎(大分)」、「球磨焼酎(熊本)」、「壱岐焼酎(長崎)」、「泡盛(沖縄)」など、「度数の強い焼酎(蒸留酒)」の産地である九州で民社党の研修をやると酒席が賑やかだった
◆東北や北陸では九州ほど、酒席が賑やかでないが、雪国のつらい生活が影響してるからか?

なんて話が拉致問題と何の関係があるのか。
 何一つ関係ないわけです。
 この動画は「拉致問題解決のための動画」ではなかったのか?。いつの間にか「荒木が好き勝手に放言する動画」に変わってしまったようです。
 なお、荒木曰く「拉致被害者家族会が出来たのは1997年。旧民社党が解散したのが1994年。たぶん民社党が解散してなかったら、私は民社党職員だったので、救う会事務局長、特定失踪者問題調査会代表、予備役ブルーリボンの会代表として今ほど拉致には関わらなかったろう」。まあ、確かにそうなんでしょうねえ。その結果、「荒木だけのせい」ではありませんが「荒木のせい」もあって今の悲惨な拉致敗戦の訳ですが。
 荒木とつるんで、蓮池透氏を除名した拉致被害者家族会のアホさにはいつもながら呆れます。

 一昨日のライブ、アーカイブも含めてご覧戴いた皆様ありがとうございました。ぜひ1人でも多くの人が現場を見ていただくよう、拡散ご協力よろしくお願いします。

 「荒木の動画」なんか見てどう拉致の解決に役立つんだ、て話ですよねえ。荒木ですら「これこれこういう意味で拉致解決に役立つ」といえないのが無様です。

【参考:飲酒と県民性】

SUNDAY LIBRARY:著者インタビュー 太田和彦 『日本の居酒屋−−その県民性』 - 毎日新聞
 どこまで続く居酒屋ブーム。今や雑誌やウェブ、テレビ番組など、オヤジたちの聖地に若い娘も参画し、酒場は今夜もにぎわう。そんな勢いを作った第一人者が太田和彦さん*1であることは言うまでもない。居酒屋関連の著作も、すでに30冊を超える。しかし、新刊『日本の居酒屋』はひと味違う。全国各地の居酒屋から「県民性」を知ろうというのだ。
「以前から、地方の居酒屋でお酒を飲んで、独自の県民性があることに気づいてました。世にたくさん出ている県民性の本を読んでみたのですが、私が居酒屋でうけた実感とはちがうものが多かった。それを一冊にまとめようと」
 つまり、ほとんどの「県民性」本は、自治体が出した統計や、有名出身者などから割り出したもので、自分がその土地に足を運んだ実感がない。
「僕は、自分の目と舌で確かめたものを、愛情を持って語ろうと。ながい居酒屋通いでそのことは自信があった。47都道府県、一つももらさず魅力を伝えようと心掛けて書きました」
 その土地や人間は居酒屋で一番よくわかる、と太田さんは言う。「無口にながく飲む東北人、粋を気取る東京人、女も盛大に酒を飲む高知人、すぐ友達になるが翌日は忘れている博多人」と聞くと、なるほど説得力がある。

高知伝統の献杯・返杯、自粛 県「間接キス、リスク大」 [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル
 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、高知県は宴会などで同じ杯を使って酒を酌み交わす「献杯」や「返杯」を当面、県民に自粛するよう求めている。27日に文書を発表した。献杯・返杯は高知の酒文化で酒席では日常的に見られるが、県は「感染リスクが大きい」と注意を促している。

コロナでも宴席後押しの「高知」、酒席禁止できぬ「秋田」 コロナと県民性 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)週刊朝日2020年8月28日号より抜粋)
 コロナ禍で「新しい生活様式」が広がるなか、各県でさまざまな対策が取られている。編集部では全都道府県にアンケートを実施。飲食店や飲み会事情にも県民性が現れているようだ。
 外食の飲酒代が全国1位と、飲んべえ王国・高知県。「献杯・返杯」という独特な酒文化がある。献杯とは目下の人から目上の人に杯を差し出す“あいさつ”で、杯を受けた人は酒を飲み干す。さらに杯を相手に返して返杯を続け、「土佐の宴席には終わりの合図がない」(酒造関係者)。
 コロナ禍では濃厚接触そのものなので危ない。県はそこで中止を促すわけでなく、独自のガイドラインを作成。ビールを注ぐときは同じ瓶を交換しない、テーブルの距離は約1.5メートル離すといった対策をとり、宴席文化を後押しした。知事ら関係者約100人による公開宴席も実践してみせた。
 とはいえ、「お酒を飲み始めたらコロナなんてすっかり忘れてしまう。宴席で距離を保つのも、なかなか難しいんじゃないですかね。アハハハ……」と先の酒造関係者。

【参考:焼酎と九州】

焼酎の蔵元が集中する焼酎王国、九州。そのワケと代表的蔵元は?|たのしいお酒.jp
 国税庁が公表している平成30年度の統計データ「都道府県別の免許場数 」によると、「焼酎」の免許場の総数は全国で約850。そのうち、九州の免許場数はなんと300を超えていて、日本全国のじつに1/3以上を九州が占めていることがわかります。なかでも、鹿児島県には100以上の蔵元があり、銘柄数は2,000を超えるといわれています。
◆九州は、焼酎の原料となる芋や大麦の一大生産地
 焼酎の原料といえば、芋焼酎のサツマイモ、麦焼酎の大麦などが挙げられます。
 農林水産省が公表している令和2年の統計データ 「令和元年産かんしょの作付面積及び収穫量」によると、サツマイモ(かんしょ)の生産量全国1位は鹿児島県で、日本全体の約35%を占めています。ほかに、宮崎や熊本でも盛んに作られています。
 また大麦(二条大麦)も、農林水産省発表の作物統計調査「令和元年産麦類の収穫量」 のデータから、全体の約57%が九州で収穫されていることがわかります。
 どちらも、九州の土地で栽培しやすい食物として古くから生産されてきた身近な存在です。それが九州の焼酎文化につながっていったと考えられています。
◆県ごとの焼酎文化の特徴や代表的蔵元を紹介
【鹿児島】
 本格焼酎のひとり当たりの消費量が全国1位 で、県内には100を超える蔵元がある鹿児島県。とくに芋焼酎の本場とされ、地元民にとっては暮らしの一部のような存在です。代表的な蔵元として、「3M」と呼ばれる入手困難な焼酎を造る、「森伊蔵」の森伊蔵酒造、「村尾」の村尾酒造「魔王」の白玉酒造などが挙げられます。
【宮崎】
 2018年度までの本格焼酎の出荷量が5年連続1位 、ひとり当たりの消費量も鹿児島に次いで2位 と、こちらも焼酎が生活に根付いている地域です。宮崎では、芋、麦、そばなど、幅広い種類の焼酎が造られています。代表的な蔵元に、「黒霧島」の霧島酒造、「㐂六(きろく)」の黒木本店、「山ねこ」の尾鈴山蒸留所などがあります。
【大分】
 大分で造られる焼酎は、麦が主流。一般的な焼酎造りには米麹が使われるところ、大分では麦麹が使われることが多く、飲み口はさっぱりとしています。代表的な蔵元としては、「いいちこ」の三和酒類、「二階堂」の二階堂酒造、「兼八(かねはち)」の四ツ谷酒造などがあります。
【熊本】
 熊本で主流とされるのが、米焼酎。山々に囲まれた盆地には、良質な水が流れ込みます。日本三大急流球磨川はその象徴で、周辺は米処となっています。代表的な蔵元としては、「鳥飼」の鳥飼酒造、「天草」の天草酒造、「白岳(しろ)」の高橋酒造などがあります。
【長崎】
 長崎は、麦焼酎発祥の地。麦と米麹を2:1の割合で仕込む「壱岐焼酎」が長崎の伝統的な焼酎です。代表的な蔵元としては、「壱岐焼酎」の玄海酒造、「壱岐の島」の壱岐の蔵酒造、「猿川」の猿川伊豆酒造などがあります。
【佐賀】
 米や麦の生産が盛んな佐賀では、質の高い麦焼酎米焼酎が造られています。代表的な蔵元としては、「のんのこ」の宗正酒造、「天山」の天山酒造などがあります。芋焼酎の「魔界への誘い」の光武酒造も佐賀の蔵元です。
【福岡】
 もともと日本酒が主流だった福岡では、今や麦、米、芋、そば、ゴマ、海苔、ニンジンなど、幅広い種類の焼酎が造られています。代表的な蔵元としては、「博多少女郎」の光酒造、ゴマ焼酎を造る紅乙女酒造、ニンジン焼酎を造る研醸などがあります。

【参考:居酒屋ブーム(?)】

今夜ももう一杯 ~酒場と日本人の新たな関係~ - NHK クローズアップ現代+
 いま様々な「呑み」が空前のブームとなっている。その一つが大衆居酒屋ブーム。左党たちの「聖地」の一つとされる京成立石には、昼間から老若男女が赤提灯に列をなすなど、全国から訪れる人々が殺到。さらに大衆酒場を紹介する書籍の出版ラッシュが続き、酒場を訪ねるテレビ番組が数多く作られ高い人気を博している。
 一方、酒離れが進むと言われる若者が向かっているのは「ちょい呑み」。牛丼屋チェーンなどが安価なアルコールやつまみのメニューを設けたところ「一人で静かに呑みたい」という若者が殺到。停滞する外食業界の新潮流となっているのだ。多様な形で「酒」に回帰しはじめた日本人。大衆酒場ブームの先導役となった詩人の吉田類*2は「大量消費社会が極限化する中で、決して背伸びをしない酒との向き合い方、手触り感ある食やコミュニケーションが見直されているのでは」と語る。番組では、大衆居酒屋に惹かれる人々などのルポを通してブームの深淵を探訪。酒を通して見えてくる社会の現在地を描き出す。

吉野家・松屋・すき家が軒並み好調!「ちょい飲み」は牛丼業界の"救世主"か?(加谷 珪一) | 現代ビジネス | 講談社(1/4)2016.7.1
 牛丼各社は昨年から「ちょい飲み」のサービスを拡充させているが、今年に入って一層アルコールの提供に力を入れるようになった。
 吉野屋の「吉呑み」は、生ビールやハイボールを350円で楽しむことができるほか、牛皿などの定番メニューに加え、子持ちししゃも(250円)、焼きいか(300円)、冷奴(150円)など一通りのおつまみ類も揃う。軽く一杯飲むには十分な内容である。
 各社とも、既存店舗においてアルコールとおつまみを出すだけなので、本格的にお酒を楽しむというわけにはいかないが、「ちょっと一杯」が目的なら、けっこう利用価値はあるし、ある程度の来店者は確保できるだろう。

*1:1968年、大学卒業後、デザイナーとして資生堂に入社。1989年に独立し、「アマゾンデザイン」を設立。 2001年からは東北芸術工科大学教授も務める。資生堂在籍時より居酒屋巡りを趣味としている。著書『完本・居酒屋大全』(1998年、小学館文庫)、『ニッポン居酒屋放浪記 立志篇』(2000年、新潮文庫)、『ニッポン居酒屋放浪記 疾風篇』、『ニッポン居酒屋放浪記 望郷篇』(以上、2001年、新潮文庫)、『超・居酒屋入門』(2003年、新潮文庫)、『自選 ニッポン居酒屋放浪記』(2010年、新潮文庫)、『居酒屋百名山』(2013年、新潮文庫)、『居酒屋を極める』(2014年、新潮新書)、『銀座の酒場を歩く』(2015年、ちくま文庫)、『日本の居酒屋:その県民性』(2016年、朝日新書)、『老舗になる居酒屋 東京・第三世代の22軒』(2018年、光文社新書)、『居酒屋へ行こう。』(2018年、ポプラ新書)、『居酒屋道楽』(2020年、河出文庫)、『太田和彦のふらり旅 新・居酒屋百選 名酒放浪編』(2020年、光文社新書)、『BARへ行こう。 居酒屋へ行こう。』(2020年、ポプラ新書)など。また、現在、BS11で『太田和彦のふらり旅 新・居酒屋百選』が放送中(太田和彦 - Wikipedia参照)

*2:著書『酒場歳時記』(2004年、NHK生活人新書)、『酒場詩人の流儀』(2014年、中公新書)、『酒は人の上に人を造らず』(2018年、中公新書)など。BS-TBS吉田類の酒場放浪記』に出演中(吉田類 - Wikipedia参照)。

今日の産経ニュース(2020年11月28日分)

【産経抄】11月28日 - 産経ニュース

 抄子は約7カ月前、中国外交を老獪(ろうかい)だのしたたかだのと評価する風潮に疑問を呈したが、この際もっとはっきり言おう。中国は外交下手である。

 産経が「王毅*1外相は無礼だ。首相等は会うべきでなかった」などといったところで菅首相、茂木外相が産経など相手にしてない時点で充分「外交上手」でしょう。
 つうか「後でも簡単に触れますが」外交下手つうなら

1)「フッ化水素水輸出規制」なんて無法をやって日韓関係を極度に悪化させた安倍政権
2)首相就任当初「中国封じ込め」を公言しながら日本財界の反発で結局、逆に日中友好に切り替えた安倍政権
3)「日露平和条約と北方領土返還を目指す」とぶちあげながら結局挫折した安倍政権
4)安倍の韓国への無法をそのまま継続してる菅政権

の方がよほどそれに該当するでしょう。

 独裁国の常として、下僚はトップの顔色ばかりうかがい、そのメンツをつぶさないようにと対外的に妥協せず、硬直化する。

 「コロナ対応をおざなりにしたトランプ」「モリカケやホワイト国除外、フッ化水素水輸出規制の安倍」「gotoを未だに辞めない菅」のことですか?、と皮肉を言いたくなります。安倍や菅の無法を擁護しながらよくもこんなことがいえたもんです。
 フッ化水素水輸出規制などかえって『日本のメーカーが収益が減っただけ』で安倍が妄想していたらしい『韓国の屈服』などないのだから滑稽なことこの上ない。

 内政重視の内向きな国である中国では、外相の地位は高くない。実質的な外交トップは、(ボーガス注:党政治局員より地位が低い党中央委員でしかない)王氏ではなく(ボーガス注:元外相で、現在、外交問題のトップ「党中央外事活動委員会弁公室主任」である)楊潔チ*2政治局員である。首相は本来、王氏に会うまでもなかった。

 楊氏が訪日しても「会うな!」と言うであろうに良くも言ったもんです。大体、欧米など各国の首脳も王氏と会談してるのによくもバカが言えたもんです。

参考

共産党的中国 ふしぎな常識<3>外交トップ 上には上|【西日本新聞ニュース】
・中国では共産党の序列が最も重視される。会合や宴席では、最前列から最高指導部メンバーら要人が序列通りに並ぶことが多い。
 数年前、北京の人民大会堂で開かれたパーティーに招待された日本政府関係者は、あいさつをしようと王毅外相を探したところ、40番目ぐらいの席に座っていたのを見た。
「あそこが彼の位置なんだね」
・王氏は党政治局(25人)メンバーではなく、200人ほどいる党中央委員の一人にすぎない。画数順で公表される中央委員の序列は不明なので、26位から200位までの間ということになる。
・さらにいえば、王氏は外務省トップとはいえ、中国外交の責任者ではない。
 2014年11月、習氏の「しかめっ面」の握手が話題になった安倍晋三首相との日中首脳会談。戦後最悪と言われた両国関係打開のきっかけとして注目されたが、実現が決まったのは会談の3日前。ぎりぎりまで日本側と交渉した中国側の責任者は王外相ではなく、楊潔チ国務委員*3だった。
 国務委員は副総理級で、現在5人いる。内閣に当たる国務院のメンバーだ。このうち1人が外交を統括し、外相より上位に位置付けられている。楊氏は前外相。王氏から見れば、前任者である先輩が“上司”としてにらみを利かしていることになる。


【主張】感染拡大深刻化 政府の強い意思を示せ 「トラベル」さらに見直しを - 産経ニュース

 政府は27日、新型コロナ感染症対策本部を開き、菅義偉首相は観光支援事業「Go To トラベル」について、「札幌市、大阪市の出発分についても利用を控えるよう直ちに呼びかける」と述べた。感染が急増する両市を目的地とする同事業については、すでに旅行の割引を停止している。
 半歩前進だが、判断は遅く、矮小(わいしょう)なものと断じざるを得ない。
 政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は27日の衆院厚生労働委員会で「人々の個人の努力に頼るステージは過ぎた」と述べ、「個人の努力に加えて、飲食店の営業時間の短縮、感染拡大地域とそうでない地域の行き来を控えるのは必須だ」と強調した。
 政府と分科会の危機認識には、明らかな差異がある。
 トラベル事業の対応が重要なのは、それが国民への政府のアナウンス、意思表示になるからだ。
 国が人の移動にお墨付きを与えているのだから、外出や旅行を控える必要はあるまい。さらに、ここが正念場といわれても実際には大したことはないだろう-。このように受け取られてきたのではないか。日本医師会中川俊男会長は「国が(人の移動を)推進することで、国民が完全に緩んでいる」と指摘している。
 27日も新規感染者数が過去最多を更新した東京都については、トラベル事業からの除外が見送られたままだ。
 政府は「知事の判断を尊重する」としている。小池百合子知事は27日の会見でも「感染拡大地域への入りと出の両方を止めないといけない。都だけではなく全国的な視点が必要となる」「最初から国が決めるという設計ではなかったのか」と、判断を都に任せる政府の対応を批判した。
 国民や都民には、互いに判断を押し付けあっているようにしかみえない。これで危機感の共有を呼び掛けることができるのか。ここは政府が主導して、事業の早期見直しを図るべきである。

 ということで産経ですらさすがに菅批判を始めました。


(独自)共産市議が役所内で「赤旗」集金、法に抵触か 滋賀・近江八幡 - 産経ニュース
 産経らしい無茶苦茶な反共記事です。「法に抵触」て一体何の法に抵触するのか。
 そしてこんなものの後追い報道は同業他社もしないでしょうねえ。
 「モリカケ」のような隠されていた不正を暴いたという話では明らかにないからです。

*1:駐日大使、中国共産党中央台湾工作弁公室主任(国務院台湾事務弁公室主任兼務)などを経て国務委員(外交担当)兼外相(党中央委員兼務)

*2:駐米大使、外相、国務委員(外交担当)などを経て党中央外事活動委員会弁公室主任(党政治局員兼務)

*3:楊氏の役職はこの記事の発表された2016年3月2日当時。現在は王氏が「国務委員(外交担当)兼外相」だが、楊氏は外交問題のトップ「党中央外事活動委員会弁公室主任」なので「楊氏の方が上の立場」という関係性は今も変わりません。