珍右翼・黒坂真に突っ込む(2022年1月12日分)

◆黒坂のツイート

黒坂真リツイート
 さいとう和子さん。自衛隊が米軍と一体化している演習を頻繁に行い、中朝に誇示する事が大事なのです。日本を攻撃したら米軍も反撃してくると習近平金正恩は予想。負ける戦争を習近平金正恩は断行できない。
◆さいとう和子(斉藤和子)
 この写真は、前日の予行演習で習志野演習場に向かう米軍機と、自衛隊機です。
 高根公団駅付近で撮影しました。
 保育園、幼稚園、小中学校に高校、病院、介護施設も周辺には山ほどあります。そんな生活空間の上空を米軍機が、飛び交う。事故があっても、捜査権すら与えられない。
 日米共同訓練は中止を

 斉藤氏は「事故の危険性が高い演習は辞めよ」と言ってるのだから、黒坂がすべき反論は「事故の危険性はない」でしょうに、「中国や北朝鮮侵攻ガー」とは呆れたバカです。そもそも「在日米軍」は日本防衛が任務ではないし、「北朝鮮や中国の日本侵攻」の可能性もない。自衛隊だけでも「日本侵攻に対する抑止力」として十分でしょう。かつ今の時代「侵略戦争は悪」という価値観が広く普及しており、「大義名分なしでの戦争」など出来る話ではない。日本侵攻をどうやって正当化できるというのか。

黒坂真
 金正恩の核ミサイル攻撃に対し、日本共産党と左翼人は平和大集会緊急開催で徹底反撃するつもりなのでしょう。

 そんなことは誰も言ってないのでデマ中傷も甚だしい。
 共産党の「地上イージス配備」や「敵基地攻撃能力論」への批判(例えばそうしたことをテーマにした平和大集会の開催)は「是非はともかく」、黒坂の言うようなバカな話ではない。
 そもそも北朝鮮が核ミサイル攻撃などするわけがない。そんなことをしたら自衛隊在日米軍の反撃で国が滅びてしまう。北朝鮮が仮に日本をミサイル攻撃することがあるとしたら、それは「米軍の北朝鮮侵攻への反撃」という場合しかあり得ない(勿論、そうした米軍の北朝鮮侵攻に賛成するのは黒坂のような極右ぐらいでしょう)。また、仮にどこかの国(北朝鮮であれ中国であれロシアであれ)が「ミサイル攻撃」した場合「それを100パーセント確実に防ぐ方法」などどこにもありません。「ミサイルを撃たせない環境作り=外交による緊張緩和」こそが最も現実的、合理的です。

黒坂真
 中村正男さん。歴史にもしも、ですが昭和47年頃に民主連合政府ができ、安保条約を廃棄していたら人民解放軍が日本に侵攻した可能性がある

 以前も「同様の黒坂の与太」に突っ込みましたが、まず第一に安保条約を廃棄したところで自衛隊が存在するなら侵攻など簡単にできるわけがない。
 第二に「昭和47年(1972年)」といえば「田中首相訪中による日中国交正常化」の年です(従って今年でちょうど日中国交正常化50周年になります)。その前年(1971年)にはいわゆる「ニクソンショックニクソン訪中の発表)」もあった。なんでそんな年に「日本侵攻する」のか。
 なお、「民主連合政府」がそれなりに現実性を持つのは「文春の田中金脈報道(1974年)」などによって田中内閣(自民党)の支持率が落ち込んでからのことであり、「田中訪中による日中国交正常化時(田中政権初期=1972年)」においては田中は「今太閤(前任者の佐藤栄作、ライバルの福田赳夫が東大卒の元キャリア官僚であるのに対し、田中はノンエリートのため)」などと呼ばれまだ高い人気を得ていました。
 おそらく黒坂が「民主連合政府の可能性がまだ現実化してない1972年」を云々するのは「それが現実化した1974年(田中首相退陣以降)」だと「既に日中国交が樹立されてるので中国の日本侵攻に説得力が無い」と思ってるのでしょうが、その結果「民主連合政府の可能性がまだ浮上してない時期」に「それについて云々する」という意味不明なことになっています。
 第三に「国交正常化」以前においても日本は中国に常駐事務所を設置し、中国と貿易をしていました。その貿易の利益を犠牲にして何で中国が日本に侵攻するのか。黒坂もさすがに本気ではないでしょうが、よくもデマが言えたもんです。

黒坂真
 山添拓議員は、自衛隊は攻撃的兵器を持つべきでないと主張。自衛隊はライフル銃で中朝の戦闘機や核ミサイルに反撃せよという話です。攻撃的でない兵器などありますか

 こういうのを「言いがかり」と言います。この場合の「攻撃的でない兵器」が「専守防衛の枠から外れる兵器」を意味すること、具体的には例えば「安倍、菅、岸田が導入を口にする敵基地攻撃能力」「戦艦大和のような空母(航空母艦)」「核ミサイル」などを意味することは明白でしょうに(引用は省略しますが、勿論、山添氏もそういうことしか言っていません)。
 誰が「ライフル銃で戦闘機に反撃せよ」と言ってるのか。デマも大概にしろという話です。とはいえここまでデマが酷いと説得力皆無であり、「よほどの反共右翼(共産党の主張なら何でも悪口)」で無い限り、自民党支持層ですら「ライフル銃なんてデマではなく『敵基地攻撃能力(あるいは空母保有など)に問題は無い』と何故正面から反論しない」として、山添氏よりも黒坂に呆れるでしょうが。
 なお、自民党政権ですら「専守防衛の枠から外れる兵器」を持つことは「違憲に当たる」としています(とはいえ『我々が保有を決めた兵器は全て専守防衛の枠内だ』というのが自民党ですが)。

今日の産経ニュース(2022年1/12~15分)(追記あり)

首相、甘利氏らと会食 コロナ対策で意見交換 - 産経ニュース
 UR疑惑甘利との「意見交換」を堂々として恥じないというのだから、岸田には心底呆れます。


名護市長選16日告示 自民系候補、コロナで逆風か - 産経ニュース
 「コロナが逆風」云々というならそれこそ産経なり、自公陣営なりが「日米地位協定の改定」でも主張すればいいでしょうに、それが出来ないあたりが所詮彼らの限界です。


学術会議任命拒否 首相「終了したもの」 - 産経ニュース
 予想の範囲内ですが全く酷いもんです。どこが「聞く力」なのか。


【政界徒然草】改憲や定数削減で焦る共産、維新を波状攻撃 - 産経ニュース
 「反共ウヨの産経らしい」ですが、タイトルだけで唖然です。産経や維新などウヨが共産攻撃するのは焦りではないのに、共産が維新攻撃すると「焦り」だそうです。
 と言うか、問題はそんなことではなく「批判が正しいかどうか」ですが。


精華大生刺殺事件15年 未解決、やり場ない寂しさ 母「息子の存在日々思う」 - 産経ニュース

「息子、大きな存在だった」 精華大生刺殺事件15年で母が手記 - 産経ニュース
◆記者
 犯人に対して思うことは。
◆母
 大作が何をしたというのですか!。どうして殺されなければならないのですか!
 犯した罪と向き合うべきです。自首して、大作にわびながら命を終えてほしい。息絶えるまで心からわびてほしいと思います。
◆記者
 事件発生時は。
◆母
 どうか助かってくれることを繰り返し祈りました。(京都に向かう)新幹線の電光掲示板のニュースに大作の名前が出ても、見えない力に祈り続けました。こちらの世界に戻してくださるよう、とにかく祈りました。
◆記者
 大作さんとの思い出で記憶に残っていることは。
◆母
 大作が小学4年生までは、毎週のようにお菓子や簡単なのり巻きを持って出かけました。ウサギを飼っていたので、連れて一緒に出かけることもありました。ウサギが大作を大好きなので、まとわりついて離れない写真も残っています。
(以下略)
精華大生刺殺事件
 平成19年1月15日午後7時45分ごろ、京都市左京区の路上で発生。自転車で帰宅途中だった千葉大作さんが、何者かに胸や腹など十数カ所を刺され死亡した。直前に千葉さんを怒鳴りつけていた男の情報が寄せられており、京都府警は容疑者と断定。男が自転車に乗っていたことから、現場付近が生活圏とみて捜査を進めてきたが、有力な手掛かりは得られていない。

 特に酷いのが「母親インタビュー」ですが、ただの「お涙頂戴記事」であり全く産経には呆れます。勿論、もはや「事件解決の見込み」はほとんどありません。そもそも「殺人の時効が15年だった昔」なら既に時効が成立しています。
 なお、今から15年前の「2007年」には以下の出来事がありました。

2007年 - Wikipedia2007年の日本 - Wikipedia参照
◆1月9日
 防衛庁が省に昇格し、防衛省発足
◆1月20日
 関西テレビが、1月7日放送の「発掘!あるある大事典II」で放送した納豆ダイエットの内容において、治験データの捏造などの行為があったことを記者会見で発表。この不祥事により1月23日、番組の打ち切りを発表
◆1月21日
 宮崎県知事選挙で元タレントの東国原英夫そのまんま東)が初当選
 東京都港区に、国立新美術館が開館
◆1月27日
 柳沢伯夫厚生労働大臣島根県松江市での集会で、「女性は産む機械」と発言
◆3月13日
 安倍首相は、オーストラリアのハワード首相と、「安全保障協力に関する日豪共同宣言」に署名。日本が米国以外と安全保障の協力関係を結ぶのは、これが初めて
◆3月27日
 最高裁が光華寮訴訟大阪高裁判決(台湾勝訴)を京都地裁に差し戻し。中国側の実質勝訴、台湾(中華民国)側の実質敗訴が確定
◆4月11日
 中国の温家宝首相が訪日
◆4月17日
 JR長崎駅前で、長崎市伊藤一長市長が、山口組暴力団幹部に銃撃され、翌日に死亡
◆5月6日
 フランス大統領選挙決選投票で、ニコラ・サルコジ*1国民運動連合党首が、社会党のセゴレーヌ・ロワイヤル*2候補を破り初当選
◆5月14日
 日本国憲法改正の手続法となる国民投票法参議院で可決成立
◆5月28日
 赤坂議員宿舎松岡利勝農林水産大臣が首吊り自殺。事務所費疑惑や緑資源機構疑惑での批判を苦にしたとみられる
◆6月30日
 久間章生防衛大臣が千葉県で行われた講演で米国による原爆投下を「戦争を終結させるためにはしょうがない」と発言。この発言に対し広島・長崎両市や野党だけではなく、自民党内からも反発の声が上がり、久間大臣は7月3日、引責辞任
◆7月16日
 新潟県中越沖地震
◆9月12日
 安倍首相が辞任表明。
◆9月23日
 自民党総裁選挙で福田康夫が総裁に選出。26日には国会の指名で首相に就任
◆10月1日
 郵政民営化に伴い、日本郵政公社が解散。日本郵政株式会社を持株会社として、郵便事業株式会社、郵便局株式会社、株式会社ゆうちょ銀行、株式会社かんぽ生命保険が発足
◆10月5日
 日本相撲協会、緊急理事会で、6月26日に序ノ口力士が親方の暴行で死亡した時津風部屋の親方双津竜順一の解雇を決定。部屋は所属力士時津海正博が引退、年寄時津風を襲名し継承、存続
◆10月26日
 英会話学校NOVAが会社更生法適用を申請
◆11月21日
 京都大学山中伸弥教授が、人工多能性幹細胞(iPS細胞)の作成に成功したと発表
◆11月28日
 前防衛事務次官守屋武昌山田洋行からの収賄容疑で東京地方検察庁が逮捕
◆12月14日
 警視庁、世田谷一家殺害事件(2000年)を公費懸賞金対象事件に認定
◆12月19日
 韓国大統領選挙で、李明博が次期大統領に当選
◆12月27日
 パキスタンのブット元首相が、イスラム原理主義者と思われるテロリストの銃撃により暗殺される

【追記】
 nordhausenさんご紹介の「お涙頂戴記事」にもコメントしておきます。

ああ、こんな顔で笑うやつだった 大学生刺殺、未解決のまま15年:朝日新聞デジタル
 事件の解決を願い、2年前から千葉さんの命日にツイッターで漫画を発信しはじめた同級生がいる。映画化された人気漫画「日々ロック*3」などで知られる漫画家の榎屋克優(えのきや・かつまさ)さん(34)。

https://twitter.com/enokiyamanga/status/1482187589557710850
榎屋克優
 同級生の千葉君が亡くなって今年で15年になります。
 今年は千葉君のお母さんの言葉を聴いて思ったことを描きました。
 今年こそ「当たり前のこと*4」が起きますように。

榎屋克優がリツイート
さそうあきら*5
 2007年の今日1月15日、京都精華大学の前の道路で千葉大作くんは何者かによって刺され死亡しました。
 出町柳駅改札にて17:00より犯人逮捕を呼びかける冊子の配布を行いますので、受け取っていただければありがたいです。

 仮に「売名ではなく善意」だとしても、「失礼ながら」榎屋氏やさそう氏の行為は「追悼という意味」ならともかく「事件解決という意味」では「意味の無い行為」でしょう。

京都精華大生刺殺、未解決のまま15年 母「どうして…今も考える」 | 毎日新聞
 千葉さんの同級生らが作った事件のマンガ冊子などを駅の利用客らに配布。

 毎日新聞のいう「同級生」の中には朝日が紹介する「榎屋氏のようなプロの漫画家」もいるのでしょう(勿論、プロの道を諦めた人間もいるでしょうが)。

 府警捜査1課の仲川琢也課長は「発生から15年が経過しているが、若くして亡くなった被害者や遺族の無念を晴らすため、事件解決を目指して捜査を進めていく」とのコメントを出した。

 遺族が「犯人逮捕」を希望するが故に、建前上は「こう言わざるを得ない」でしょうが、もはや「別件で逮捕された犯人がこの事件の犯行を自供」のような「僥倖が無い限り」犯人逮捕など無理です。警察も内心では捜査など事実上やってないでしょう。そもそも情報が無いのに、捜査のやりようがない。
 これで犯人逮捕があり得るのはもはや「ミステリ小説やドラマの世界」だけの話でしょう。
【追記終わり】


菅前首相、政局次第でキーマンに - 産経ニュース
 産経が「菅にそうなってほしい」だけの話でしょう。
1)総裁再選を当初画策しながら、党内の菅下ろしに抵抗できず、辞任に追い込まれ
2)岸田が勝利した総裁選では、石破や小泉進次郎とともに、河野を応援し
3)また、「麻生副総裁」「安倍元首相」「二階元幹事長」「茂木幹事長」のような派閥ボスでもない「現在、無役」の菅に復権の目はまずないでしょう。
 そもそも政局次第という産経ですが、岸田政権が安定していれば「河野支持や『政権末期の不人気』を理由に岸田に干されてる」菅がキーマンになれる余地はない。まずは岸田政権が不安定化する。その中で「派閥ボス」や「党三役、重要閣僚(官房長官財務相、外相など)」を向こうに回して、「菅が大活躍」なんてことはありそうにもない。今後のコロナの状況などによって、「岸田が退陣に追い込まれた」としてもその中で「菅が何か出来る」とはとても思えない。


【西論プラス】「重症化しにくい」コロナの伝え方 大阪編集長・小川記代子 - 産経ニュース
 「オミクロンは重症化しにくい」というのは現時点では「一つの有力な仮説」に過ぎません。定説とまではいえない。
 かつ、こんなことを下手に言えば「マスク着用しなくていい」「ワクチン接種しなくていい」と「オミクロン軽視論」を生んで感染者の増加がいつまでたっても止まらない恐れがある。そして感染者が高止まりし続ければ「新たな変異種発生の危険性」も高まる。アフリカで変異種が発生しているのも「アフリカでワクチン接種が遅れ感染者が未だ多いから」という指摘もあります。


【産経抄】1月12日 - 産経ニュース
【主張】内村選手の引退 その功績は計り知れない - 産経ニュース

 東京五輪開催への懐疑論が盛んだった時期に、批判を恐れずアスリートを代表して発言したのも内村選手だった。
「できないではなくて、どうしたらできるかを皆で考えてほしい」。
 本当にお疲れさま。

 新型コロナウイルス禍が広がったこの2年、スポーツには「不要不急」のレッテルが貼られ、東京五輪の開催も危ぶまれた。懐疑的な目を向ける世論に抗(あらが)い、自ら矢面に立ったのが内村であることも忘れたくない。
 トップアスリートが批判を恐れて軒並み口をつぐむ*6中、「『できない』ではなく、『どうやったらできるか』を皆さんで考えてほしい」と訴えた。言葉と背中でスポーツの価値を示した内村は、本物のアスリートといえよう。

 内村の引退表明について「素晴らしい活躍だった」と「選手としての功績のみに触れればいいところ」、こうした「内村への同情」を利用して「東京五輪批判」を押さえ込もうとしてる、と疑われても仕方が無い酷い文章をぶち込むのが産経らしい下劣さです。
 そりゃ「五輪で活躍したい内村」はそう言うでしょう。問題は「コロナ禍において強行する必要があるのか」ということであって、そこで「内村ら選手がかわいそう」という感情を持ちだしても意味が無い。

*1:財務相、内務相などを経て大統領

*2:環境相、教育相など歴任

*3:週刊ヤングジャンプ』に2010年27号から2015年12号まで不定期で連載。2014年に映画化(日々ロック - Wikipedia参照)

*4:勿論「犯人逮捕」のこと。

*5:1961年生まれ。早稲田大学在学中の1984年、『シロイシロイナツヤネン』でちばてつや賞大賞を受賞し、デビュー。1999年、『神童』で文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞と手塚治虫文化賞マンガ優秀賞をダブル受賞。2006~2021年まで京都精華大学マンガ学部マンガ学科教員を務める(さそうあきら - Wikipedia参照)。

*6:と勝手に「皆、内村と同意見」と決めつけるあたり産経らしいくだらなさです。何の根拠があるのか。

「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2022年1/11日分:荒木和博の巻)

曽我ひとみさんのご主人、ジェンキンスさんのこと(R4.1.13): 荒木和博BLOG
 7分の動画です。呆れて二の句が継げません。
 荒木も

 5年前に亡くなられた曽我ひとみさんのご主人、チャールズ・ジェンキンスさんにまつわるお話しです。

と書いてるように「昨年12月に死去した飯塚繁雄と違い」ジェンキンス氏は最近亡くなったわけではない。勿論彼の死を今更云々しても拉致解決につながるわけでもない。荒木も完全に迷走してますね。もはやこの男には「拉致解決の展望」をマトモに語ることが出来ず、「とにかく毎日、拉致関係のことを話してればいい。毎日動画を流すと言ったんだから、動画を流さざるを得ない」つうふざけた話でしょう。
 しかも「日本が拉致認定してなかったジェンキンス氏(そもそも彼は朝鮮戦争の脱走米兵で、拉致ではありませんが)や曽我氏が帰国したのだから政府認定拉致被害者以外に拉致被害者がいてもおかしくない。我々の特定失踪者認定はそのためにやってる」と居直りのネタにするのだから「いつもながら」呆れて二の句が継げません。
 さて荒木も触れてますが、ジェンキンス氏が日本に『帰国*1』する前に「インドネシアで妻子と会ってます」。
 なので、「モンゴルで横田夫妻と孫が会った」時に「これは、ジェンキンス氏の時(インドネシアでの面会後に日本帰国)のように、何か、大きな動きがあるかも」と思ったのですが、結局、夫妻が「救う会べったり」を続けたのでそうはならなかったことは本当に残念です。


1月10日は調査会設立19年の日でした(R4.1.11 ): 荒木和博BLOG
 8分40秒の動画です。呆れて二の句が継げません。
 1922年 - Wikipedia2022年 - Wikipediaに寄れば、今年(2022年)は「江崎グリコ」「小学館」「日本共産党」の「創立」から100年だそうです。
 で、グリコ、小学館共産党なら「100年続いたことは誇りだ。これからも頑張ります」つうことはある。
 グリコも小学館日本共産党も「菓子メーカーも出版社も政党も日本において存在意義がなくなりました。だからグリコ、小学館日本共産党以外の菓子メーカー(森永製菓、ロッテなど)、出版社(講談社文藝春秋など)、政党(自民党公明党など)も全て解散しました」てことはありえないですから。
 「解散した民社党社民連」のように、他との競争に負けて泣く泣く解散、消滅はあり得ても。
 しかし、「荒木の会」の場合、それとは逆に「拉致問題が解決したら解散すること」が前提の団体です。「建前上」は「会の永続」は想定されていない。それなのに「今年で19年目」と自慢とはどういう神経なのか。しかも「拉致が解決しなくて恥ずかしい」というわびの言葉は一言もない。「警察は特定失踪者を北朝鮮拉致と認めろ」と放言するから呆れます。
 さて、最後に「19年前」に何があったか、2003年 - Wikipedia2003年の日本 - Wikipediaを見てみましょう。赤字強調が北朝鮮、韓国関係です。

◆1月10日
 北朝鮮がNPT脱退を宣言

 ということで単なる偶然に過ぎませんが「特定失踪者調査会設立の日」と荒木が言う「2003年1月10日」は「北朝鮮のNPT脱退宣言」がありましたが、荒木は勿論、今日の動画でそれについては触れません。
◆2月24日
 北朝鮮が地対艦ミサイルを日本海に向け発射

 当時は「それなりに騒がれた」こうしたミサイル発射実験も今や「ほとんど騒がれない」のは隔世の感があります。
◆3月19日
 米国によるイラク戦争開戦
◆6月6~9日
 盧武鉉韓国大統領が来日。小泉首相と会談し、日韓首脳共同声明を発表。また、天皇と会見

◆10月1日
 文部科学省宇宙科学研究所ISAS)、独立行政法人航空宇宙技術研究所(NAL)、特殊法人宇宙開発事業団NASDA)を統合して、宇宙航空研究開発機構JAXA)が誕生。
◆11月23日
 グルジアで政変。シェワルナゼ大統領が辞任。(いわゆる「バラ革命」)
◆12月13日
 米軍がフセインイラク元大統領を拘束。


警察発表の特定失踪者900人【調査会NEWS3550】(R4.1.10): 荒木和博BLOG
 既に国内で40人以上も発見され、そのほとんどが北朝鮮拉致どころか犯罪や事故ですらなく*2自発的失踪だった特定失踪者など「北朝鮮拉致のはずがない」ので馬鹿馬鹿しい。

*1:まあ彼は米国人ですが、帰国と書いておきます。

*2:ただし、足立区女性教師殺人事件 - Wikipediaなど、一部、事故や犯罪(勿論、実行犯は北朝鮮とは関係ない)もあります。

珍右翼・黒坂真に突っ込む(2022年1月10日分)

◆黒坂のツイート

黒坂真
 吉岡正史さん。金正恩は数兆円入るなら、あらゆる紛争の平和的解決、朝鮮半島の非核化で合意しますよ。入ってきた金で核実験を繰り返し、核兵器の小型化を進めますよ

 黒坂には「おいおい」ですね。「あらゆる紛争の平和的解決、朝鮮半島の非核化で合意」したのに、何でその合意で得た金で「核兵器の小型化」を進めるのか?(呆)。そもそも「6カ国協議(米露中、南北朝鮮、日本)を前提に東北アジアに平和を樹立しよう」という吉岡氏の主張を否定して、黒坂は何がしたいのか。
 対話を否定して「ロシア、中国、北朝鮮」を敵視して一体どうする気なのか。「日米で軍拡すればいい」と放言する気か。

黒坂真
 村井あけみさん*1。繰り返しですが日本共産党が、天皇家は武力で他の士族*2を撲滅・支配した暴力氏*3の末裔であり、自分の親族を抹殺しながら権力を集中してきた部族、殺戮の果てに残った氏族と考えている事はわかりました。

 吹き出しました。「日本共産党が考える」も何も「事実」でしょう。「天皇家の名誉(?)」のために断っておけばこうした野蛮な歴史は古今東西の王家や豪族であった話ですが。今年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』でもその種の粛清劇(源頼朝による義経粛清、北条氏による比企氏粛清など)がおそらくは描かれるわけです。
 ちなみに

 大名の過去は野に伏せ、山に伏せ

という川柳があったと思いますが、これも村井さんと同様の指摘です。
 「大名と威張っても、先祖は野武士や山賊みたいなもんで大したもんじゃないことを隠してる」という皮肉です。まあ、豊臣秀吉に至ってはもとは百姓ですが。
 黒坂には
1)大海人皇子大友皇子を自害に追い込んだ壬申の乱
2)後白河天皇崇徳上皇が争い、敗北した崇徳が流罪となった保元の乱
3)226事件の時、昭和天皇が『青年将校が自分を殺害して、弟の秩父宮青年将校と親しい関係だった)を後釜に立てる気ではないか(そしてそうした殺害に秩父宮が内諾を与えてるのではないか)』などと怯えていたこと(秩父宮からすれば心外な話ですが)
などを知っているか、知らないなら勉強しろと言いたくなります。

安藤輝三 - Wikipedia
 安藤見習士官の指導担当が秩父宮雍仁親王歩兵中尉であり、その後の親交が始まっている。

ということで秩父宮皇道派の安藤と親しい関係にあったことはビッグコミックオリジナル連載のマンガ『昭和天皇物語』にも出てきた話なのでご存じの方も多いかと思います。
 なお、村井氏は「天皇家崇拝は自然に生まれた」「豪族は自然に天皇家に従った」という「黒坂らウヨの寝言」への反論として「天皇家の歴史はそんなきれいごとではなく武力による反対派抹殺の歴史だ」と反論しているに過ぎないこと(天皇制廃止という話ではないこと)をお断りしておきます。
 勿論「明治時代の大逆事件(でっち上げにより幸徳秋水などを処刑)」もそうした「反対派抹殺の歴史の一つ」です。
 「天皇制を仮に今後も続ける」にしてもそうした「天皇制の負の歴史」を直視し、「天皇制を二度とそのような物騒な代物にしないこと」は当然です。

黒坂真
 日本共産党福山市議を長くなさった村井あけみさんは、皇室に対する憎悪の呟きを発信しました。

 既に上に書きましたが、村井氏のツイートは「単なる事実の指摘」にすぎず「憎悪」でも何でも無い。むしろ黒坂の日頃のツイートの方がよほど「左翼(特に日本共産党)への憎悪の呟き」でしょう。

黒坂真
 頑張りましょう!左翼は日本人拉致問題をかたりたがらない。

 「そうか、共産党支持を表明してるけど拉致問題を語りたがる俺は左翼じゃないんだ!(まあ、救う会、家族会批判という語り方ですが)」という皮肉はさておき。
 「橋本敦氏の例の質問」を「大きな業績」として語る日本共産党が一番わかりやすい例ですが「嘘も大概にしろ」ですね。
 あえて言えば「拉致を語りたがらない」つうか「ウヨの使い走りと化した家族会とつきあたがらない」でしょうね(左翼について言えばそもそも家族会の方も、右翼団体救う会の影響で左翼を敬遠してるのでお互い様ですが)。
 まあ、それは左翼だけではなく今や自民党公明党なども「明らかに家族会を敬遠しています」が。そうなってしまったのは「黒坂らウヨにへいこらする家族会の非常識さ」のせいです。

黒坂真リツイート
南河内はしっこ
 拉致事件自衛隊の登用 

 いつもの自衛隊特殊部隊で救出という与太です。拉致被害者の居場所も分からないのにそんなことをどうやってするのか。
 世界最強の軍事大国・米国ですらワームビア君救出は「外交交渉」でした。

*1:広島県福山市議(日本共産党

*2:おそらく「氏族の誤記」でしょう。

*3:おそらく「暴力氏族の誤記」

常岡浩介に突っ込む(2022年1月10日分)

常岡浩介が米山隆一リツイート
米山隆一橋下徹リツイート
 橋下氏の言う「真の独立」が、米国抜きで中国やロシアに対して軍事作戦を展開できる状況を言うなら、そんなものは現在の日本の国力では実現不可能で、無理にそれを実現しようとしたら国民の生活が犠牲になりむしろ国力は低下します。つまらないプライドに依拠した「自主防衛」など、国を危うくする亡国への道であり、決して日本が目指してはいけない方向だと思います。
橋下徹
報道特集金平茂紀氏、在日米軍での感染拡大「日本は独立国なんでしょうか」
→真の独立国になるためには憲法9条を改正し、米軍への依存度を下げていかなければならない*1。でもこの人たちは憲法9条は死守という。それで独立国を目指せと。大いなる矛盾。

常岡浩介が米山隆一リツイート
米山隆一橋下徹リツイート
 こういう、つまらないプライドや、ぱっと見の見栄えを最優先して、現実を無視し、国民生活を犠牲にして顧みないセンスが、日本維新の会が創業者から継承してきた党スタンスの柱であり宿痾であると思います。
足立康史 衆議院議員
 橋下さん曰く「真の独立国になるためには憲法9条を改正し、米軍への依存度を下げていかなければならない。」
 こうしたセンスは、日本維新の会が創業者から継承してきた党スタンスの柱だと思っています。

1)米山氏(立民党参院議員(新潟選出)、元新潟県知事)は野党共闘によって当選したこともあり「共産党を含む野党共闘」を今後も継続していくべきという立場
2)米山氏が批判する「維新の改憲論」を挫折させるためには「共産党との協力関係」は不可避
なのでこのツイートだけ見れば、常岡は「共産党をそれなりに評価してる」と見えます。
 ところが常岡浩介に突っ込む(2021年9月25日分) - bogus-simotukareのブログでも批判しましたが、共産党に「レベルの低い言いがかり」をつけてるのが常岡なので「絶句」です。常岡ももはや「どういう方向性でやっていくか」まともに考えておらず、その場の思いつきで適当に物を言ってるのでしょう。
 しかし橋下の「話のすり替え」には唖然としますね。
 「コロナ感染予防のために米軍にきちんとした対応を要求しないなんてそれでも独立国か」という批判に「九条改憲ガー」て、よくもまあ、こんなふざけた男を「党創立者」としてたたえる政党なんか支持できるもんだと維新支持者には呆れますね。

常岡浩介がリツイート
◆kazukazu88
 反米軍基地の人は反米軍を貫き通せば良いと思うけど、米軍で感染が拡大して首相が米軍の支援の方に舵取りができなかったのは、綺麗事を政治家が言えなくなったせいで政治が劣化した象徴みたいだよな。「困っている時こそ手を差し伸べるのが同盟関係だ」くらい言えないのは外務大臣経験者としてどうかと
米軍関係者の外出制限「大筋で合意」岸田首相 | 新型コロナウイルス | NHKニュース
 岸田総理大臣は、NHKの「日曜討論」で「在日アメリカ軍の施設区域や周辺の自治体で感染が拡大しており、深く懸念している。アメリカ側との協議の結果、ようやく不要な外出は認めないことで大筋合意した」と述べ、日米両政府で、在日アメリカ軍関係者の不要不急の外出を制限することで大筋合意したことを明らかにしました。
 さらに、在日アメリカ軍で感染対策が徹底されていなかったという指摘が出ていることを踏まえ、外務・防衛当局などの担当者による「日米合同委員会」で、保健衛生に関する議論を行うよう関係省庁に指示したことも明らかにしました。
 政府関係者によりますと、在日アメリカ軍関係者の不要不急の外出を10日から制限するとともに、基地の内外でマスクの着用を義務化する方向だということです。
 一方、日本に駐留するアメリカ軍関係者の地位などを定めた「日米地位協定」の見直しの必要性について、岸田総理大臣は「地位協定そのものに踏み込むことは考えていない」と述べ、重ねて否定的な見解を示しました。

 外出制限を「米軍がいじめられてかわいそう」と「反米軍基地」扱い(勿論そんなことはない)しているとしか理解できないツイートにリツイートとは常岡も呆れたバカです。
 これでは

日本人はなぜ「やさしくない」のか - 高世仁の「諸悪莫作」日記2022.1.6
 問題は米軍。成田空港でいくらがんばっても、米軍が、まともな検疫をやらず、クラスターになっている基地から米兵を自由に外出させているのだから、ダダ洩れだ。
 まずは米兵の検疫を徹底させ、基地の外に出さぬよう要請し、そのうえで、世界一従属的な日米地位協定の改正にすぐに取り掛かるべきだ。
 「共有する民主的な価値観」などという前に、米国にちゃんと主権を尊重させないと。

田口八重子さん拉致事件の謎 - 高世仁の「諸悪莫作」日記2022.1.8
 各国での米軍のありようを比べると、日本がいかに主権不在の状況なのかを見せつけられ、愕然とする。

とする高世仁が「常岡を見捨てる」のも当然でしょう。
 しかし、こんな「ネトウヨと同レベルの米軍擁護リツイート」をしながら、一方では「米山氏の維新批判ツイート」にリツイート
 常岡が「一体何がやりたいのか」意味不明すぎて頭痛がしてきます。 
 さて「kazukazu88」なる人物についても、さらに批判しておきます。

kazukazu88
 日本は地位協定の問題を日本の米国に対する従属関係の問題で理解しているけど、むしろ本当に問題なのは日本の司法制度の後進性であって、誰が自国の兵を逮捕・監禁して証拠もないのに自白を作り出して有罪にする国の法に無条件で従わせるかという話

 例えば「コロナ感染防止」に話を限定すれば地位協定改正は「米兵容疑者の引き渡し」は関係ないし、地位協定も「米兵容疑者」云々に限定されない。それどころか「米兵の不起訴密約」すらあるし、米国政府が日本の代わりに「きちんと代理処罰(代理処罰が何かについては後述します)するわけでもない」のによくもふざけたことが抜かせたもんです。
 大体、それなら「いわゆる人質司法」の問題についてこういう奴ががっつり取り組むかと言えば勿論そうじゃないわけです(まあアメリカ側の言い訳をなくすためにも「人質司法」は改善すべきですが)。
 「地位協定改正が進まないことを正当化する恥知らずな詭弁」も大概にしたらどうなのか。
 なお、話が脱線しますが「外国が容疑者を引き渡したがらない」という話について言えば「日本の死刑制度とブラジルの代理処罰(ブラジルは死刑を廃止)」なんて話がありますね。
 「殺人犯を『死刑存続国』日本に引き渡したら死刑になるかもしれないから死刑廃止国として引き渡せない。その代わりにうちの国で刑事裁判します(ブラジルに限りませんが)」つう奴です。
 例えばググってヒットした

日系被告に禁固34年…ブラジルで代理処罰: 外国人との共生(強制)で2007.12.18
 静岡県浜松市で2005年に起きたレストラン経営者強盗殺人事件で、ブラジル南東部ミナスジェライス州地裁は17日、日本政府の代理処罰要請を受けて強盗殺人罪と放火未遂罪に問われた日系ブラジル人、アルバレンガ・ウンベルト・ジョゼ・ハジメ被告(36)に禁固34年5月の判決を言い渡した。
 判決によると、アルバレンガ被告は05年11月22日午前2時ごろ、浜松市竜禅寺町で三上要さん(当時57歳)経営のレストランの調理室で、三上さんの首を絞めて殺害し、レジから現金4万1200円*2を奪った。さらに調理室のガス栓を開き、新聞紙に火を付けてレストランを燃やそうとした。

ブラジル裁判所、長野の強殺で禁錮30年判決 代理処罰: 日本経済新聞2015.9.26
 長野県松本市で2003年に貸金業の男性が殺害され現金が奪われた事件で、日本政府の代理処罰(国外犯処罰規定による訴追)要請を受け、ブラジルで強盗殺人罪で起訴されたジュリアノエンリケ・ソノダ被告(37)に対し、サンパウロ州裁判所は25日までに禁錮30年の判決を言い渡した。
 判決などによると、ソノダ被告は03年7月10日、日本人の男=無期懲役が確定=と共謀し、松本市貸金業、全達守さん(当時59)方に侵入、全さんの首を絞めて殺害し、現金約40万円を奪った。

静岡事件、代理処罰で禁錮56年/ブラジルの裁判所 | 全国ニュース | 四国新聞社2016.9.10
 静岡県焼津市で2006年にブラジル人母子3人が殺害された事件で、日本政府の代理処罰(国外犯処罰規定による訴追)要請を受けてブラジルで殺人罪で起訴された被告に、サンパウロ州の裁判所は9日、禁錮56年9月10日を言い渡した。被告は控訴する方針。
 禁錮刑を言い渡されたのはネベス・エジルソン・ドニゼッチ被告(53)。06年12月、焼津市で、交際相手だったミサキ・ソニア・アパレシダ・フェレーラ・サンパイオさん=当時(41)=とその2人の子供を殺害し、その後ブラジルに帰国したとされる。

なんかがそうです。焼津市の事件(3人殺害)なんか日本ではほぼ確実に死刑でしょう。他の事件も「可能性としてなら死刑は一応あり得ます(強盗殺人の罪はかなり重いので)」。
 まあ日本人の大多数は「死刑を廃止して日本で裁きたい」ではなく「代理処罰でもいいから死刑を存続したい」んでしょうね。
 「ブラジルに逃げた容疑者は(日本と違い絶対に死刑はあり得ないので)逃げ得だ」「何故ブラジルは引き渡さない」「そもそも何故ブラジルは死刑を廃止した」と言い出すんじゃないか。

*1:そもそも「米軍への依存度」を下げたいのなら、思いやり予算は減らすべきでしょう。しかし、そうは主張しない「橋下ら維新」の方こそ「大いなる矛盾」です。そもそも「九条改憲の目的」は自民においては「集団的自衛権の行使(在日米軍との共同軍事作戦)」なので改憲すればむしろ「米軍への従属」は進みます。本気で橋下が「米軍への従属」を下げたいなら現状においては、護憲の立場に立つべきです。

*2:高額現金強奪なら殺していいわけではないものの「そのくらいで殺すなよ」と言いたくはなります。

黒井文太郎に突っ込む(2022年1月9日分)

◆黒井文太郎ツイート

黒井文太郎がリツイート
◆FRIDAY
 今日1月17日午前9時前、北朝鮮が「弾道ミサイルの可能性があるもの」を発射。繰り返される発射は、何を意味するのか。北朝鮮の“今”を、軍事ジャーナリスト・黒井文太郎 氏がレポート!

 黒井が「軍事ジャーナリスト」を自称したところで相手をしてくれるのは「黒井の古巣(黒井は元フライデー記者)」にして「メイン記事」は

【1/28号(1/14発売)の場合】
◆ミキ亜生*1、一軒家で同棲中 「ほぼ新婚」生活撮った、噂の″三重の子″との密着ツーショットをキャッチ
剛力彩芽*2 「宇宙より仕事」を選んで出会った国際派ミュージカルスター、カレの高級マンションにお泊まり
◆森日菜美*3・初ランジェリー解禁!!『機界戦隊ゼンカイジャー』ヒロインの史上最高のSEXYショット!
永岡怜子「神が宿るカラダ」奇跡の復活ヘアヌード!!
中島史恵*4、奇跡のフルヌード、20代の頃と変わらぬ圧巻ボディをキープ

などの「芸能記事」や「ヘアヌードや水着グラビア」で「硬派の雑誌とはおよそ言いがたいフライデー」というのだから滑稽です。

黒井文太郎
 ウクライナ問題に限らず、日本政府には対ロシアで政治的に出来ることは大いにあります。
 シンプルな話で、「これまでの媚プーチン政策を止める」ことです。
 プーチンに媚びれば、世界の反民主主義陣営を勢いづかせ、結果的に中国も勢いづかせます

 「反ロシア」黒井らしい与太ですが別にロシアは「世界の反民主主義陣営」とやらのリーダーでも何でも無いので「ロシアを勢いづかせる」のならともかく「世界の反民主主義陣営を勢いづかせる」なんてことはないでしょう(「黒井の主張は嘘だ」という単なる客観的事実の指摘であり、日本の対ロ外交に問題は無いとか、プーチンにこびるべきだとか言ってるわけではありません)。
 例えばミャンマー問題について言えば、「反民主主義的なミャンマー軍事独裁政権」を勢いづかせたくないのなら、ミャンマー軍事政権に厳しい態度をとればいいだけの話であって「対ロ外交」など全く関係ない。

黒井文太郎
 一切内容に介入せずにインテリジェンス専門誌を出す資金を出してくれる政党を待っています

 「自民信者」黒井らしい「例の件」での「立民への嫌みのつもり」なのでしょうが「本当にそんな金がほしいほど金に詰まってるのか?」「金さえもらえれば誰の金でももらうのか?*5」と思われ、評価を落としかねないのでまともな人間はこういうツイートはしないでしょう。まあ、俺は黒井がマトモだとはカケラも思っていませんが。

黒井文太郎
 北朝鮮独裁政権が崩壊の瞬間まで合理的ならいいのですが、そうでない末路の可能性があります

 「日本や韓国に、北朝鮮がミサイルなんか撃つわけがないじゃん。日本自衛隊や韓国軍、あるいは在留米軍の反撃で国が滅ぶだろ。中露もそんな場合に北朝鮮支援しないだろうし。最近の北朝鮮は天安撃沈、延坪島砲撃(2010年)とか小競り合いがせいぜいじゃん」、もはや韓国(人)にとっては、北朝鮮は「脅威」「打倒の対象」よりもメロドラマのネタ程度のものなのだろう(たぶん日本も同じ 関川某も自分の書いたことを撤回しろとおもう) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)などの当然の批判に「北朝鮮が合理的に常に動くという根拠は何か」と平気で放言できるのだから黒井もいい度胸です(勿論、「黒井の放言」の直接のきっかけは例のミサイル発射実験)。その理屈なら「ロシアの北海道侵略」だってありうるでしょう。
 まだ「北朝鮮脅威論からトンズラかまして文芸評論家に転身した関川夏央」の方がマシです。
 勿論黒井の言う「末路」が「東ドイツ崩壊(平和的崩壊)」「リビアカダフィ政権崩壊(内戦で反政府派が勝利)」のような内部崩壊ではなく、「在韓米軍や在日米軍北朝鮮に先制攻撃で軍事侵攻」するような「アフガンでのタリバン打倒戦争」「イラクでのフセイン政権打倒戦争」のようなケースなら話は別でしょう。その場合「自暴自棄で在日米軍、在韓米軍の基地に北朝鮮がミサイル」の可能性はある*6でしょうが、その場合に「侵攻した米軍」ではなく、北朝鮮を非難するのは明らかにおかしい。
 つうかそんな状況を想定するのは「在日米軍、在韓米軍が北朝鮮へ軍事侵攻するのを日本や韓国の政府が容認する」と言う話なので俺的には「そんなもん容認する日本や韓国の政府がおかしいだろ、黒井はアホか」という話です。かつ、そんな状況を想定すれば「そんな米軍侵攻の可能性があるのならば、北朝鮮が自己防衛のためにミサイル開発するのも仕方ないんじゃないか」という意見が出ても「仕方が無い(不自然ではない)」とは思わないあたりも黒井はアホです。
 「北朝鮮の末路」以前に、こんなバカを抜かす黒井の方が「物書きとして末路」でしょう。

*1:兄弟漫才コンビ・ミキのボケ担当(亜生 - Wikipedia参照)

*2:剛力の「新恋人」については剛力彩芽と熱愛報道の丘山晴己、SNSでの“大き過ぎるギャップ”と“意外な職歴” | 週刊女性PRIME剛力彩芽 超ハイテンション、駅で突然ダンス…新恋人・丘山晴己の“宇宙人”ぶりが話題 | 女性自身参照

*3:2021年にテレビ朝日で放送された特撮番組『機界戦隊ゼンカイジャー』でヒロイン「フリント・ゴールドツイカー」を演じた(森日菜美 - Wikipedia参照)

*4:1968年生まれ。1994年、シェイプUPガールズ(現在は事実上、解散)のメンバーとしてデビュー(中島史恵 - Wikipedia参照)

*5:実際に黒井はそうかもしれませんが。

*6:勿論「ある」とは言い切れません。その場合でもミサイル攻撃は「過剰防衛」として非難されるリスクがあるので、そこまでは反撃せず、中露の支援を求める可能性もあります。どっちにしろ、そういう「米軍侵攻」の可能性も低いし、俺は黒井と違い「米軍の北朝鮮侵攻」を支持しませんが。

珍右翼・黒坂真に突っ込む(2022年1月9日分)

◆黒坂のツイート

黒坂真
 田村智子*1議員。日本共産党創立の頃、20代だった党員と言えば野坂参三徳田球一、渡辺政之輔、鍋山貞親、佐野学らですね。反党分子とやらが多い。
◆田村智子
 明日です。配信します。
 日本共産党の創立は、20代の若者たちの手によって成し遂げられた。

 黒坂のバカさに吹き出しました。野坂*2や徳田*3はともかく「鍋山*4や佐野」は「現在の藤岡信勝筆坂秀世」みたいなもんで完全に右翼転向してるので「反党分子」なのは当たり前の話です。
 渡辺政之輔だけは「反党分子」ではないのですが

渡辺政之輔 - Wikipedia(1899~1928年)
 1928年(昭和3年)、国際連絡の帰途、台湾の基隆で挙動不審ゆえ刑事に誰何された際、隠し持っていた拳銃で刑事を狙撃(翌日、死亡)したため官憲に追われ、包囲され自身の拳銃で自殺したという(ただし、訪台して遺体を引き取った布施辰治によると、弾痕は渡辺の額の中央にあったという。このため渡辺の死は自殺ではなく警官隊による射殺との主張もある。)。

という「悲劇的死」を黒坂が「共産党叩きに使う思惑」なんでしょうが時代が今と全然違いますからね。
 当時の時代状況においては「警官射殺など無法」と安易に渡辺を批判すべきではないでしょう。一方で、こういう出来事が今の日本共産党において起こる可能性もない。
 なお、黒坂は触れていませんが、1921年共産党創立メンバーは

第一次共産党 (日本) - Wikipedia参照
荒畑寒村 - Wikipedia(1887~1981年)
高津正道 - Wikipedia(1893~1974年)
山川均 - Wikipedia(1880~1958年)

ということで「戦後、社会党の創立メンバーとなった人間が多数いる(勿論、戦後も共産党に所属したメンツもいますが)」というあたりが興味深いところです。
 最後に渡辺政之輔についていくつか雑学を書いておきます。
1)渡辺政之輔(わたなべ・まさのすけ)のあだ名が「ワタマサ」。
 で、ご存じの方もいるでしょうが、読売のナベツネ渡辺恒雄)は学生時代は共産党員でした(今は完全に右翼転向していますが)。
 で、共産党員時代は、周囲から「ワタマサ」をもじって「ワタツネ」と呼ばれていたそうで、党員ではなくなった今でも「古くからの知人」は彼のことを「ワタツネ」と呼ぶのだそうです(確か、魚住昭渡辺恒雄・メディアと権力』(講談社文庫)にそんなことが書いてあった記憶があります)。ちなみに「いわゆる竹下派七奉行の一人」渡部恒三*5ワタミグループ創業者「渡辺美樹」のあだ名もそれぞれ「ワタコー」「ワタミ」でしたね。「渡辺貞夫(ジャズサックス奏者)」「渡辺晋(渡辺プロ(通称:ナベプロ)創業者)」は「ナベサダ」「ナベシン」ですが。
2)

https://twitter.com/chocoramastudio/status/1049630086637346816
みぞぐちカツ
 ボツになった東映映画の企画で特に惜しまれるのは68年「あゝ全学連(仮題)」と73年「実録日本共産党(仮題)」。「あゝ全学連」は企画がどの段階まで詰められたのかは定かではないが、「実録日本共産党」は主役の渡辺政之輔に(ボーガス注:笠原脚本の映画『仁義なき戦い』で主演した)菅原文太など主要キャストも内定し、笠原和夫による脚本(傑作選に収録)も完成していた

国書刊行会「笠原和夫傑作選」収録作品解説(第1回) : 備忘の都
「実録・共産党」(未映画化)
 前売券を日本共産党へ売りつけるべく、(ボーガス注:広島ヤクザ抗争を描いた「仁義なき戦い」、池田大作の小説を映画化した「人間革命創価学会初代会長・牧口常三郎(映画では芦田伸介)と二代目会長・戸田城聖(映画では丹波哲郎)が主人公)」(いずれも1973年公開)、「続・人間革命」(創価学会二代目会長・戸田城聖(映画では丹波哲郎)、三代目会長・池田大作(小説では『山本伸一』。映画ではあおい輝彦)が主人公)(1978年公開)に続く)実録路線の一編として岡田茂社長が企画したもの。
 結局、未映画化に終わります(一説には、チケットをあまり買ってもらえなかったため)。
 このシナリオは、笠原和夫深作欣二の追悼号となった雑誌「映画芸術」2003年春号に収録されたほか、雑誌「en-taxi」の付録として刊行されたこともあります。

笠原和夫/「実録・共産党」「日本暗殺秘録」解説(扶桑社 「en-taxi」2005年秋号付録)
 「実録・共産党」と「日本暗殺秘録」は笠原脚本らしい脚本であるといえる。
 ただ、これらの脚本は「実録」「秘録」と銘打たれているものの、戦前の日本共産党昭和維新運動の歴史を記録的に描いたものではない。「実録・共産党」で主要な登場人物として描かれているのは、大正末期に共産党の中央委員となった渡辺政之輔とその妻のセツであり、(中略)また「日本暗殺秘録*6」で主要な登場人物として描かれているのは、一人一殺を掲げ、五・一五事件の先陣を切った血盟団事件の小沼正*7であり、焦点が絞られているのは、北一輝*8大川周明*9超国家主義思想を背景にしたクーデター事件ではなく、昭和恐慌期に思春期を迎えた小沼が革命思想を抱くに至る過程である。つまり何れの脚本も、人口に膾炙した共産党の歴史や昭和維新運動の歴史の中では、傍流といえる史実に焦点を絞ったものなのである。
 しかもこれらの脚本は、日本共産党にとっての共産主義とは何か、あるいは昭和維新運動における超国家主義とは何かという問いに答えるものでもない。
 笠原はこのような疑問に答えるように、「実録・共産党」と「日本暗殺秘録」の共通点について、次のように述べている。
『大正末から昭和にかけての南葛労働組合―あのへんで働いている青年たちだとか、この血盟団事件の茨城の大洗の青年たちというのは、現代人が理解できないほど貧しくて、生活が追いつめられていたんですね。<中略>つまり絶対的な貧困なんですよ。努力して何かすれば、もう少しいい生活が送れるというものじゃないんですよ、上に天皇制がある以上は!。天皇制があって軍隊があって、軍隊に徴兵されちゃえば何もかも全部パアになっちゃう。そういうものが頭にズシーンとのしかかっている中での貧乏というのは、そう呼んでいいのかわからないけども絶対的貧困なんですよ。』(笠原『昭和の劇*10』)
 「実録・共産党」「日本暗殺秘録」二つの脚本を読めば分る通り、笠原は、渡辺政之輔やその妻のセツ、小沼正が、このような「上に天皇制と軍隊がある以上は、頭にズシーンとのしかかってくるような絶対的貧困」の中に置かれた人たちとの関わりを通して、共産主義超国家主義の運動に加担していく姿を描いている。そして一人の工員、一人の職工として「絶対的な貧困」を体感したがゆえに、運動に加担した人たちが、大卒者が中心を占めていた共産党や、将校や下士官が中心を占めていた昭和維新運動の中で、「孤独」に苛まれていく姿を描いている。「実録・共産党」の主要な登場人物が、(ボーガス注:渡辺が中心人物だった)元工員を中心にした南葛労働組合*11であり、「日本暗殺秘録」の主人公格が元職工の小沼正であるのはこのためであろう。
 たとえば「実録・共産党」の渡辺政之輔は、会社に雇われ、スト工員を襲撃に来る不良工員を前にして次のように叫んでいる。
 「評議会の渡政は、そこらのマルクスボーイとは違うんだ、喧嘩の仕方を教えてやろうか!」
 このセリフは笠原のフィクションであるが、一工員から日本共産党の中央委員長となった渡辺政之輔の特徴を巧みに捉えている。

*1:日本共産党政策委員長

*2:1892~1993年。戦後、日本共産党第一書記、議長など歴任。1992年、ソ連との内通を理由に党を除名された(野坂参三 - Wikipedia参照)。

*3:1894~1953年。戦後、日本共産党書記長。1958年に宮本顕治が書記長に就任した後の日本共産党においては「1950年から1955年にかけて徳田がソ連や中国の言いなりとなって武装闘争路線を持ち込み、党を混乱させた」「西沢隆二(徳田の女婿)、伊藤律などの側近ばかりを偏重し、家父長的な個人中心指導の誤りを犯した」「1950年問題を経て党は自主独立の立場を確立した」という立場をとっているため、徳田は否定的に扱われている。徳田の出身地である沖縄県名護市のガジュマル公園には、市によって1998年に公費によって徳田の記念碑が建てられている。建立に際しては自民党公明党も賛成したが、日本共産党は態度を保留した(徳田球一 - Wikipedia参照)。

*4:1901~1979年。1946年には塩路一郎(日産自動車労組組合長、自動車労連会長、同盟副会長を歴任)や宇佐美忠信(全繊同盟会長、同盟会長、連合副会長、日本会議代表委員を歴任)など右派労働運動家が出入りする世界民主研究所を設立、その代表理事として反共運動を指導。1950年に結成された民主社会主義連盟では佐野学(1892~1953年)らと共に発起人と評議員に名を連ね、民社党、同盟の理論的ブレーンとして活動した(鍋山貞親 - Wikipedia参照)。

*5:中曽根内閣厚生相、海部内閣自治相・国家公安委員長、宮沢内閣通産相新進党総務会長、民主党国対委員長衆院副議長など歴任(渡部恒三 - Wikipedia参照)。

*6:1969年公開。主なキャストは『桜田門外の変井伊直弼大老暗殺)の参加者である薩摩藩士・有村次左衛門(若山富三郎)』『紀尾井坂の変(大久保利通内務卿暗殺)の参加者である元加賀藩士・島田一郎(唐十郎)』『住友財閥総帥・安田善次郎を暗殺した朝日平吾菅原文太)』、『井上準之助・前蔵相を暗殺した小沼正(千葉真一:千葉がこの映画においては主役扱い)、血盟団事件の黒幕・井上日召片岡千恵蔵)』、『515事件(犬養首相暗殺や牧野内大臣邸襲撃)を起こした海軍青年将校のリーダー藤井斉(田宮二郎:ただし藤井は515事件前の1932年2月15日に第一次上海事変で戦死しており、実際の実行犯は三上卓(犬養暗殺)や古賀清志(牧野内大臣邸襲撃)など』、『永田鉄山陸軍省軍務局長を暗殺した相沢三郎(高倉健)』『226事件の中心人物である磯部浅一鶴田浩二)、村中孝次(里見浩太朗)』など。なお、虎ノ門事件 - Wikipedia(1923年)、桜田門事件 - Wikipedia(1932年)も脚本に書かれ、映像化する予定だったが削除されたという噂に対して、脚本の笠原は「昭和天皇を襲うという話はいくら何でも映画にできない」と否定している。 (日本暗殺秘録 - Wikipedia参照)

*7:1932年、井上準之助・前蔵相を暗殺

*8:226事件の黒幕として死刑判決。

*9:十月事件に関与。計画では荒木貞夫を首相とした内閣において大川は蔵相に就任する予定だったとされる。戦後、十月事件への関与などを理由に戦犯として訴追されるが精神異常を理由に免訴十月事件 - Wikipedia大川周明 - Wikipedia参照)

*10:2002年、太田出版

*11:なお、亀戸事件で虐殺された平沢計七が南葛労働組合の活動家(平澤計七 - Wikipedia参照)。