新刊紹介:「前衛」2021年11月号(井上ひさし『雨』の一部ネタばらしがあります)

 「前衛」11月号について「興味のある内容」のうち「俺なりに何とか紹介できそうな内容」だけ簡単に触れます。「俺の無能」のため「赤旗記事の紹介」でお茶を濁してる部分が多いです。
◆対決・提案・命と暮らし守る:かけがえのない役割はたす日本共産党国会議員団をさらに大きく(田村智子*1
(内容紹介)
 10月末予定の衆院選を前に改めての「支持アピール」ですね。
 新刊紹介:「前衛」2021年8月号 - bogus-simotukareのブログで紹介した◆座談会『国民の命と暮らしを守って:衆議院議員団奮戦記』などといった過去の総集編と言っていいでしょう。
参考
市民の手で政権交代/市民連合 アピール集会/野党後押し 政治変える2021.10.9


野党共闘で政治をかえる:安倍・菅政権を退陣に追い込んだ野党のたたかい(白髭寿一*2、元山小百合)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
主張/「安倍退陣」と改憲/9条破壊策動に終止符打とう2020.9.9
主張/菅首相が辞任へ/国民の怒りの声が追い詰めた2021.9.4

 「コロナでの自滅」「(菅に話を限れば)党役員人事で、イメチェン狙いで、二階幹事長更迭を強行しようとしたことで二階派に見捨てられ、二階派が見捨てても支えてくれると思った『麻生副総理・財務相麻生派』『安倍元首相の出身派閥・細田派』にも『菅退陣こそが最大のイメチェン』として見捨てられた」と言った要素は大きいですが、私見では、「野党の闘い」に関しては、安倍退陣について言えば

1)モリカケ、桜、「溝手氏に投じた1500万円の10倍、1億5千万円も選挙資金を党中央から投入し、安倍総裁、二階幹事長らも黙認していたとしか思えない」河井夫婦の公選法違反と言った疑惑追及
2)改憲に必要な衆参2/3確保阻止
3)政権末期の「検察庁法改定」「地上イージス配備」阻止

が、菅退陣について言えば

1)「菅の息子」が関与する東北新社疑惑の追及
2)入管法改悪断念
3)横浜市長選での自公敗北、野党共闘候補勝利(横浜は菅の地元)

と言った要素が大きかったかと思います。もちろん「入管法改悪が阻止できても、そもそも現状がまともではない」「スリランカ人女性の死について真相追究が不十分」「学術会議任命拒否については撤回されてない」等の問題はまだありますが。


◆アフター安倍・菅時代の開始と終焉(二宮厚美*3
(内容紹介)
 「岸田最有力」とされながらも、岸田が総裁に選出される前に書かれていますので、岸田総裁選出後の「麻生副総裁」「甘利幹事長」「高市政調会長」就任や「衆院選挙時期の前倒し(11/7から10月末へ)」については触れられていません。
 いずれにせよ、以下が二宮論文の結論です。
1)マスコミ調査を信じれば「岸田本命、河野対抗(高市が穴、野田が大穴)」だろうが、岸田にせよ、河野にせよ「モリカケ、桜問題」「学術会議任命拒否問題」などでは批判派の声から逃げている
2)それは総裁に当選するには「細田派(安倍元首相の出身派閥)」「二階派(二階幹事長)」「麻生派(麻生副総裁・財務相)」といった「安倍、菅の悪政」を支え続けた派閥の支持を受けなければならないからである。石破が、「第三次安倍内閣地方創生担当相退任後」、要職に就けず長く干されているのも、今回、総裁選出馬を断念(河野支持を表明)したのも過去において「モリカケ、桜問題」で安倍批判したことが明らかに響いている。そしてそうした石破への「報復」から生まれた「安倍批判したら後で報復される」という恐怖感から「当選可能性の低い野田」以外は「モリカケ、桜」でまともに安倍批判しなかった。
 なお、今回、自民党が「ダーティー田中にかえてのクリーン三木」「非リクルートの海部」のような形で「安倍、菅に干された石破でイメチェン」をしなかったことは興味深い。
3)また岸田は「第二次、第三次安倍内閣外相」、河野は「第四次安倍内閣外相、防衛相」「菅内閣行革等担当相」として彼ら自身も「安倍、菅政治の共犯者」であった。そうした意味でも新総裁が誰になろうと根本的変化は期待できない。
4)衆院選において野党勝利、自民敗北をもたらし、ポスト菅執行部(誰が総裁になるにせよ『いわゆる3A(安倍元首相、麻生副総理・財務相、甘利自民党税制調査会長)』、二階幹事長や、彼らの子分の重用が予想される)を「参院選敗北での橋本首相退任」のような事態に追い込むことが重要である。最も望ましいのはもちろん「与党過半数割れ」による政権交代であるが。そのためにも野党共闘を急速に進展させることを望みたい。この点、危惧されるのがやはり「連合執行部」「立民党内右派議員」といった「野党共闘に後ろ向きな反共派」である。野党共闘支持者にはこうした反共派の動きをどう封じ込めていくかが問われる。
 「TBSひるおびの例の暴言(結局、TBSが謝罪したが)」「山添議員に対する書類送検」などもそうした「野党共闘潰しのための反共攻撃」と言う要素があるとみるべきであろう。
 また、「エセ野党」維新などの「自民でも野党共闘でもない第三の道」論にどう対抗していくかも重要な問題である。


◆対談『入管問題が問いかける日本の人権:ウィシュマさん死亡事件と日本の入管行政』(藤野保史*4、山添拓*5
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
ウィシュマさん死亡事件 最終報告書/入管の対応正当化/裁量権乱用 浮き彫り2021.8.12
主張/入管死亡報告書/構造的な問題を不問にするな2021.8.13
与党、審査に応ぜず/名古屋入管死亡 野党批判「反省ない」/衆院法務委理事懇2021.8.17
入管死亡 幕引きノー/オンライン番組 弁護士・学生訴え2021.9.23


◆インタビュー『コロナ禍のケアの現状は何を問いかけているのか:女性・非正規にも及ぶ対策は緊急』(蓑輪明子*6
ジェンダー覚書:The personal is political『子どもたちへの感染拡大が、女性の困難さを拡大』(中川葵*7
(内容紹介)
 箕輪氏へのインタビュー記事については架空問答形式で紹介してみます。架空問答なので多少「前衛記事」での「箕輪氏と記者の応答」とは必ずしも一致していません。中川論文についてはタイトルで解るように問題意識は箕輪氏と共通しており、内容もかなりかぶるので紹介は省略します。

◆記者
 『今日は

コロナ特別休暇制度が復活も 「使えない!」の声が相次ぐワケ | NHK(首都圏局ディレクター・熊谷百合子)2021年10月6日
 先週、厚生労働省は臨時休園や臨時休校に伴う“コロナ特別休暇”の制度を再開させました。しかし、制度の復活を求めていた子育て中の親たちからは落胆の声が。制度が使いづらく、周知も不十分なため利用できなかったという声が少なくないのです。
 せっかく制度が再開したのに、コロナ特別休暇を使いたくても使えないという歯がゆい状況。首都圏青年ユニオンとともにこの制度を見直すように働きかけてきた名城大学准教授の蓑輪明子さんは、制度が復活したことは評価するものの、利用できる人がどこまで広がるのか注視する必要があると指摘しています。
 蓑輪さんは10月5日、改めて厚生労働省に対して緊急声明を提出しました。非正規労働者が制度を利用しやすくなるよう、個人申請の要件を緩和するなどの措置をとるように求めています。

という箕輪さんに、緊急声明を出された「母親の子育てケア問題」を中心にお話をお聞きします。
◆箕輪氏
 『コロナ禍のケア』と言った場合

◆コロナ患者へのケア
◆コロナ蔓延で危機に瀕する病院での入院患者へのケア
 例えば、赤旗コロナ減収理由の一時金ゼロ/東京女子医大が撤回/労組の活動と国会論戦受け(2020.7.19)といった報道は記憶にあるかと思います。もちろんこうしたコロナ禍での病院経営の困難、病院労働者の生活不安は東京女子医大病院に限定されません。「エッセンシャルワーカー」と言う言葉が急速に広まったのも、こうしたことが背景にはあります。
◆コロナによるクラスター化の恐怖で危機にある老人介護施設のケア

などいろいろ考えられますが、ここでは「子どもへのケア」での「女性(母親)の困難」を中心に話します。
 これは「海外の女性」でもそうした傾向がありますが、日本の女性は「非正規が多い」。そして非正規は「雇用が不安定」で「低賃金」であることが多い。コロナ禍において多くの女性が雇い止め(解雇)されたり、そこまでいかなくても「ボーナスの不支給」「賃金カット」で苦しんでいます。「恒産なくして恒心なし(経済的な安定がなければ精神の安定は保てない)」と言う言葉がありますが、経済的苦境下で「精神的に苦しい状況」ではとてもまともなケアなどできる話ではありません。しかし政府の対応は未だ不十分です。
 私が「コロナ特別休暇をもっと使いやすくすべきだ」という緊急声明に名を連ねたのもそういうことです。
 ちなみに

小泉進次郎氏、涙ながらに「菅首相には感謝しかない」「こんなに仕事した政権はない」だからこそ出馬を止めた、と明かす:東京新聞 TOKYO Web2021.9.3
 小泉氏は「総理が批判されてばっかりでしたけど、こんなに仕事をした政権はない。1年間でこんなに結果を出した総理はいない」と強調。

と言う話がありますが、私には、虚言ではなく本心でこんなことを言ってるのなら「金持ち(小泉jr)は貧乏人の気持ちがわからないんだな」という腹立たしさしかありませんでしたね。マスコミもこういう放言はきちんと批判すべきです。
 コロナ禍で雇い止めされたり、賃金カットされたりする非正規にとって果たして菅さんは「こんなに仕事をした政権はない。1年間でこんなに結果を出した総理はいない」のか。冗談ではありません。
 なお、子どものケアと言った場合、いわゆる『障害者児童のケア』も重要な問題です。今回『障害者児童(医療的ケア児)』を我が子として持つ野田氏が出馬したにも関わらず、野田氏が当選可能性が低いと言うこともあって、『障害者児童ケア』の問題が総裁選でろくに論じられなかったことには失望を禁じ得ません。
 ちなみに「障害者児童の親」は「児童のケアに時間がとられる」ため、そうしたケアのための休暇取得を嫌う企業が多いことによって、非正規労働が多いことが統計上、解っています』
◆記者
『日本においてはケア労働が軽視されてるように思いますが?』
◆箕輪氏
『この点で私は

「ケアレス・マン」があふれる社会 – イオWeb 2019年12月16日 ·
 労働法学者の毛塚勝利*8浅倉むつ子*9・浜村彰*103氏による座談会「いまなぜ生活時間なのか?」(『労働基準旬報』No.1849、2015年10月号)の中で朝倉氏がこの言葉を紹介しているのだが、もとは社会学者の杉浦浩美氏*11が『働く女とマタニティ・ハラスメント―「労働する身体」と「産む身体」を生きる』(大月書店、2009年)の中で使っている言葉で、「他人のケアに責任を持つことなど想定外であるような労働者」という意味だ。
 浅倉氏は、日本では職場の労働者のモデルが「ケアレス・マン」であり、さらに、男性が誰かのケアをしていないだけでなく、自分のケアを誰かにしてもらっている存在なのだと指摘する。たとえば、妻が育児や介護を担っていれば、夫である男性はそれらのケア労働から解放される。さらに、妻が炊事、掃除、洗濯、その他日常の家事のタスクもこなしてくれれば、夫は自らの時間を最大限、仕事のために捧げることができる。

という「ケアレス・マン」概念に注目しています。長い間、ケア労働は価値の低い労働と見なされ、そして女性の労働とされた。しかし、コロナ禍においてそうしたケア労働への認識の誤りが表面化していると思います』


◆コロナ禍の米価大暴落 緊急の支援・対策を:無策の自公政権を総選挙で変えよう(紙智子*12
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
米価下落対策を緊急に/コロナ禍 政府に党国会議員団要請2021.8.7
政府は過剰米買い上げよ/コメ危機打開中央行動2021.9.25
 さて何故に「米価が下落しているか」と言えば「コロナ禍で外食でのコメ需要が減り」、その外食需要の減を「いわゆる巣ごもり需要」がリカバリーするに至ってないという話です。
 そして、共産党の主張は、そうした米価下落に対して「観光業、外食業」に対する「goto(トラベルやイート)」のような緊急対策をとれという話ですね。


◆座談会『コロナ禍の下で『資本論』を学ぶということ(上):新版『資本論』全12冊完結によせて』(石川康*13、関野秀明*14、萩原伸次郎*15山口富男*16
(内容紹介)
 架空問答で書いてみます。

◆生徒
 『コロナ禍の下で』というのがこの座談会のポイントでしょうか?
◆先生
 いいところに気づきましたね。実はこうした視点は何も今回の前衛だけではありません。
 『コロナ、資本論』でググる

「資本論」への関心高まる コロナ禍で“経済格差”など意識か | NHKニュース2021.5.30
 去年9月に出版された大阪市立大学の斎藤幸平*17准教授の「人新世の『資本論*18」は、地球環境に負荷をかけて経済成長を追い求める資本主義では温暖化や経済的格差の解決は難しいなどと論じていて、30万部の異例のベストセラーとなっています。
 このほかにも「資本論」の内容を丁寧に解説した「武器としての『資本論*19」や、現代社会の労働のあり方を批判的に分析した「ブルシット・ジョブ*20」など、関連書籍が相次いで出版され、書店では特集コーナーが設けられるなど人気を集めています。
 都内の大手書店の担当者は「若い人たちを中心に反響が大きく驚いている。格差や環境悪化は差し迫った問題で、このままの社会でいいのかという思いや意識があるのではないか」と話していました。

格差、環境を問い直す「資本論」…コロナ禍で関連本が人気 : ニュース : 関西発 : 地域 : 読売新聞オンライン2021.7.1
 19世紀半ばに出版された思想家、カール・マルクスの「資本論」への関心が高まり、関連する書籍が人気を集めている。コロナ禍を機に、改めて、経済格差や環境問題が意識されていることが背景にありそうだ。
 昨年9月に出版された大阪市立大の斎藤幸平准教授による「人新世の『資本論』」は、経済関連では3万~5万部がヒットの目安という新書では、異例の30万部超の売れ行きだ。資本論を丁寧に解説し、関連本ブームのきっかけの一つとなった「武器としての『資本論』」(白井聡*21著)の担当編集者は「社会問題への危機感を自分の問題として捉え、背景を読み解きたいと手に取る人が多そうだ」と分析している。

等と言った記事がヒットします。『私の力不足でうまく説明できない』という恥ずかしい理由もありますが、あえて、この座談会については詳しくは説明しません。この座談会とともに、上で紹介した記事を読んで頂き『コロナ禍とマルクス』について考えてくれればと思います。

特集『迷走する教育のICT化』
◆デジタル教科書とは何か、何が問題なのか:一貫しない政策は何をもたらすか(吉田典裕*22
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。

主張/デジタル教科書/有償前提の導入はありえない2016.12.19
 教科書無償制は義務教育の無償を定めた憲法にのっとったものです。有償になればその原則を根底から崩すことになります。また、家庭の経済状態などによってインターネットなどの情報環境には差があります。デジタル教科書の導入で子どもの学習環境の格差がさらに広がることも心配です。
 さらにデジタル画像の長時間使用による子どもの目や脳、体など健康への影響も検証が必要です。

「個人負担させるな」/畑野氏 デジタル教科書導入2018.5.14
 小中高の授業で紙の教科書に代えて「デジタル教科書」(タブレット端末など)を使えるようにする学校教育法の一部改正案が9日、衆院文部科学委員会で全会一致で可決しました。採決に先立つ質疑で、日本共産党の畑野君枝*23議員は、個人負担を生じさせないこと、使うかどうかは現場の判断に任せることを求めました。


日本学術会議任命拒否をスクープした「しんぶん赤旗」:特報とキャンペーンにJCJ賞(三浦誠*24
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
【速報】「学術会議」で「しんぶん赤旗」にJCJ賞/「桜」に続き2年連続受賞2021.9.3
“権力体質に即反応”評価/本紙「学術会議」報道 JCJ賞の贈賞式2021.9.26
学術会議 任命拒否撤回まで追及は続く/JCJ賞贈賞式 小木曽編集局長のスピーチ2021.9.26


◆「住まいの貧困」を打開するために:コロナ禍から見えてきたもの(寺下真*25
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
主張/コロナ禍の住まい/居住困難者の願いにこたえよ2020.9.3
「住居確保給付金」延長/最大1年間に/要件追加は問題2020.12.10


◆論点『PFAS(有機フッ素化合物)汚染水を沖縄の海に垂れ流すな』(村上有慶*26
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
漏出事故に抗議/政府に「うりずんの会」2020.4.18
なんだっけ/PFOS・PFOAって?2020.5.17
米軍泡消火剤/交換後も「PFOS」/衆院委・赤嶺氏に外務省認める2020.11.29
事故野放し「悔しい」/沖縄・うるま PFOS流出に抗議2021.6.15


◆暮らしの焦点『仁和寺前ホテル建設:京都のくらし、町並み、景観こわしは許されない』(中島晃*27
(内容紹介)
 ネットの記事紹介で代替。
赤旗
仁和寺前ホテル建設計画/反対住民ら要望書提出/アピール賛同者が1026人に2021.6.3
世界遺産・仁和寺前にホテル計画 一部からは反対の声も:朝日新聞デジタル2021.6.1
仁和寺門前のホテル計画 「特例許可すべきでない」京都弁護士会が意見書 |社会|地域のニュース|京都新聞2021.6.26
「北山エリア再整備」「仁和寺門前ホテル計画」市民の財産〈景観〉〈環境〉守ろう 住民運動グループが共同宣伝 | 京都民報Web2021.9.25


メディア時評
◆新聞:アフガン撤退、20年の教訓何を学んだか(千谷四郎)
(内容紹介)
 架空問答形式で書いてみます。

◆俺(ボーガス)
 アフガン撤退についてどう思いますか?
◆千谷氏
 そもそも2002年のタリバン打倒戦争が果たして正しかったのか、これが問い直されるべきでしょう。
 この点で、そこを問わないどころか、「日本人の帰国の遅れ」を「九条改憲」につなげようとする産経など右派新聞は論外ですが、朝日、毎日などにも問題はあります。
 朝日、毎日などは「開戦したブッシュ」を批判はします。しかし事情はどうあれ「アフガンへの米軍駐留」を継続したオバマやトランプに問題はないのか?。あるいは「ブッシュの開戦」を支持した当時の小泉政権に問題はないのか?。そうした問題意識が乏しいと思います。
参考
赤旗
主張/アフガン政権崩壊/報復戦争の誤りから教訓学べ2021.8.18
 日本は戦争の当事国でした。報復戦争にあたって米国から「ショー・ザ・フラッグ」(旗幟〈きし〉鮮明にせよ)と迫られた当時の小泉純一郎政権は、テロ特別措置法を急いで成立させ積極的に応じました。イージス艦、補給艦などの自衛艦をインド洋に派遣し、洋上給油で米軍などを支援しました。
 報復戦争の失敗が明確になった今、日本は米軍の無法な戦争に加担した誤りを認め、憲法第9条に基づいて国際紛争の解決に貢献する本来の姿に立ち返らなければなりません。
主張/報復戦争と日本/米国追従の海外派兵と決別を2021.9.12
 当時の小泉純一郎自公政権は、米国の報復戦争を無条件で支持し、在日米軍基地からの出撃を容認したのはもちろん、海上自衛隊護衛艦で「警戒監視」を名目に横須賀基地を出港した空母キティホークの護衛を脱法的に行いました。
 報復戦争はテロを拡散し、戦争の拡大を招く。
 このことを痛切な教訓にして、米国追従の海外派兵路線と決別する政治への転換が急がれます。


◆テレビ:露わになる政治をめぐる報道の問題(沢木啓三)
(内容紹介)
 何のことかと言えば
1)野党などが批判した「自民党の宣伝番組と化した総裁選報道」への批判がメインで
2)サブとして「TBS『ひるおび』での反共暴言」が取り上げられています。なお、沢木氏も指摘していますが「ひるおび反共暴言の背景」には

加藤官房長官の「暴力革命」発言/デマにデマを重ねるもの/志位委員長が厳しく批判2021.9.15
 加藤勝信*28官房長官は14日の記者会見で、(中略)「政府としては日本共産党のいわゆる『敵の出方』論に立った暴力革命の方針に変更はないと認識している。そのことはこれまで国会答弁、質問主意書などで累次にわたり明らかにしているところであり、先般の志位委員長の発言で、この政府の認識は何ら変更するものではない」と発言しました。
 この発言に対して、日本共産党志位和夫委員長は同日、「デマにデマを重ねるものであり、到底許されるものではない」と厳しく批判する談話を発表しました。

といった「自民党政権の問題」がある以上、「TBSや八代が非難されるのは当然(政府発表を口実に逃げることは許されない)」ではありますが「TBSや八代だけが非難される問題」では勿論ありません。

【参考:総裁選報道】
総裁選報道 放送の中立性から看過できない/小池氏2021.9.14

ワイドショーも自民党総裁選でもちきり こぞって取り上げる事情 [自民党総裁選2021]:朝日新聞デジタル2021.9.26
 自民党の話題ばかりが連日取り上げられることに疑問の声もある。立憲民主党安住淳*29国会対策委員長は15日、「自民党一色。総裁選は重要な選挙だが、総選挙を控えている状況を全く理解していない」と述べ、個別の番組を「チェック」したうえで問題だと判断した場合は放送倫理・番組向上機構BPO)に申し立てる可能性にまで言及した。
 これ以前にも番組が野党の公約を数分間紹介する場面はあったものの、この発言以降、野党の主張が目立つようになった。
 TBS「ひるおび!」には総裁選告示日の17日、1時間以上にわたって立憲の江田憲司*30代表代行が生出演。24日のテレビ朝日羽鳥慎一モーニングショー」には野党4党のトップや代表代行がスタジオにそろって生出演し、コロナ対策や原発政策、消費税減税などについて総裁選4候補の主張と比べながら話した。

【参考:TBS『ひるおび』】
赤旗
「ひるおび!」 八代氏発言は「誤り」/TBS広報部が謝罪・撤回2021.9.12
八代氏のデマ発言/TBSは謝罪2021.9.14
八代弁護士デマ正当化/各界から批判広がる2021.9.15
八代氏デマ発言「見過ごせない」/野党国対委員長が会談/共産党の立場支える2021.9.16


◆スポーツ最前線『WEリーグの目標はジェンダー平等社会』(和泉民郎*31
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

WEリーグ開幕「日本のジェンダー平等を前に進める覚悟のリーグ」岡島チェアが宣言(デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース2021.9.12
 試合に先立ってのセレモニーで、WEリーグ・岡島喜久子チェアは「日本の女子スポーツの新しいページが本日、開きます。ウーマンエンパワーメントという名前で、日本のジェンダー平等を前に進める覚悟のリーグです。世界一の女子サッカーと世界一の女性コミュニティの実現に向けて、そして、多様な生き方と夢が生まれる社会を目指して、みんなが主人公になるために、WEリーグがステージとなります」とリーグへの思いを込めた開幕宣言をした。

WEリーグ岡島チェア「ジェンダー平等へ」|日テレNEWS242021.9.17
社説(9/22):WEリーグの挑戦/ジェンダー平等 推進に期待 | 河北新報オンラインニュース / ONLINE NEWS2021.9.22
月刊サッカー:女子サッカーのプロリーグ初代チェア 岡島喜久子さん 憧れ持ってもらえる存在に | 毎日新聞2021.10.9


文化の話題
◆演劇『井上芝居の代表作:『雨』(こまつ座)』(水村武)
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

倉科カナこそ「心身たくましくセクシー」…山西惇、井上ひさしさんの抱いた理想像「わかってきた」 : エンタメ・文化 : ニュース : 読売新聞オンライン2021.9.9
 井上ひさし作品を上演する「こまつ座」が、中期の傑作と名高い「雨」を18~26日、東京・三軒茶屋世田谷パブリックシアターで上演する。主演の山西惇と、井上作品初出演となる倉科カナの2人に意気込みを聞いた。(森重達裕)
 江戸の金物拾い、徳(山西)は、雨宿り中に出会った男から、羽前国(現在の山形県)平畠藩の紅花問屋「紅屋」の若主人、喜左衛門に間違えられる。その男から、紅屋が藩きっての大店で、女房のおたか(倉科)も名うての美女だと聞いた徳は、行方不明の喜左衛門になりすまそうと平畠へ。おたかを始め、平畠の人々にすんなり受け入れられた徳は、紅屋での生活に順応していくのだが。
 井上がオーストラリア滞在中に執筆した戯曲で、江戸者の徳が東北弁を習得しようと奮闘する姿を通じて地方と中央の対立、言葉と人間の関係が象徴的に描かれていく。1976年の初演以来、500回以上も上演されてきた人気作だ。
 ここ数年、山西は「日本人のへそ」「木の上の軍隊*32」「イーハトーボの劇列車*33」「きらめく星座」など、こまつ座の舞台への出演が相次ぐ。かつて同座の所属俳優で、8月に亡くなった辻萬長(かずなが) が演じた役を任されるのは今回で5度目になる。「萬長(ばんちょう)さんに『井上作品で一番大変だったのは?』と尋ねたら、即答で『雨』だと。その言葉を今、かみしめています」と語る。
 最大の試練は、江戸弁と東北弁、全く違う二つの言葉を「語りこなす」ことだ。「(京都出身の)僕にとってはどちらも外国語に近い。徳が苦労して(東北弁を学んで)いることを今、江戸弁も含めて僕もリアルに体験しています」と苦笑する。
 熊本出身の倉科も、同じく東北弁と格闘中だ。
「(演出の)栗山民也さんに『この戯曲は音符なんだ』と言われたことが印象的です。東北の言葉ってふわっと、やんわりとした音なのに内に秘めた強さがある。(戯曲で)言っている言葉は怖いので、サスペンス要素が増すなと思いました」
 倉科は映像分野で活躍しつつ、近年は栗山演出の「チャイメリカ」など舞台出演にも積極的だ。「目の前で起きたことを肌で感じられる。俳優、スタッフが一丸となってメッセージを伝えていける」ことが、演劇ならではの魅力だという。「栗山さん演出の井上作品に出ることが、ずっとあこがれでした。緊張のあまり稽古2日目にパニックになったぐらい」と明かす。

こまつ座『雨』 | 新・法水堂2021.9.23
 1976年、井上ひさしさんがオーストラリアの首都キャンベラに1年間滞在していた時期に書かれた戯曲を10年ぶりに再演。
 徳(山西惇)は美貌を誇る喜左衛門(山西の一人二役)の妻おたか(倉科カナ)に溺れる一方で、平畠弁を流暢に操れるようになり、紅花のことも勉強していく。さすがにそれでも限界があり、番頭・金七(薄平広樹)らから問い詰められる徳。その窮地を救ったのがおたかで、鈴口(亀頭)にイボが2つあるのが何よりの証拠だと言い、喜左衛門と一度肌を合わせたという女中・お清(川飛舞花)にも証言させる。
 この辺りからどうも変だなと思うのだが、当の徳は偶然にも喜左衛門にもイボがあったのだと胸を撫でおろす。その一方で、自分の過去を暴くと脅しをかけてきた乞食仲間の釜六(櫻井章喜)に手をかけ、正体を見抜いた喜左衛門の愛人・花虫(前田亜季)も家ごと火をつけて亡き者にする。更には寒河江に潜んでいた喜左衛門本人にも毒を盛る徳。
 こうして完全に喜左衛門になりすました徳だったが、喜左衛門が犯した罪により切腹を命じられた際、自ら証人を殺していたことに気づき、愕然となる。
 かつて辻萬長さんが演じた役を山西惇さんがコミカルな面とシリアスな面を緩急自在に演じていた(山西さんが辻さんの演じた役をやるのは5回目だとか)。
 『anan』の表紙が話題の倉科カナさんは、紅屋を守るために徳を利用するおたかを演じ、凄みを感じさせた。

 『anan』の表紙が話題の倉科カナさんについては、
倉科カナ「anan」美乳特集でマシュマロバスト披露 “セルフハグ”体現 - モデルプレス
倉科カナ、大胆表紙「anan」告知動画でバスト「渓谷見せ縦揺れ」させていた! | アサ芸プラスを紹介しておきます。
 まあ、

倉科カナ - Wikipedia
 2009年後期のNHK連続テレビ小説『ウェルかめ』に1775人の応募者の中から選ばれ、同年秋から2010年春まで主演(ヒロイン役)を務める。

ということで女優に転身したとは言え、もともとは

 2006年6月、講談社のグラビアアイドルコンテスト『ミスマガジン2006』でグランプリに選ばれ、以後、『週刊少年マガジン』『週刊ヤングマガジン』といった講談社のマガジンシリーズを中心にグラビア活動を展開。

としてグラビアアイドルとしてデビューした方ですからね。
 なお、「2021年公演ではなく、それ以前の公演についての記事」ですが『雨』のネタばらしをしている記事を見つけたので紹介しておきます。

新国立劇場 井上ひさし作 「雨」 | ポンムのブログ2011.6.15
 ひとりの男が組織に利用され、将棋のこまのように使われて、あっけなく捨てられる。
 組織とは、国家と置き換えてもいいし、大企業、官僚制度としても良いし、封建制下ならば、地域の共同体としてもいいだろう。
 権力が、体制維持のために姦計をめぐらし、目的達成のために個人の欲を利用し、目的のためには個人の抹殺をも厭わない。
 思うに、第二次世界大戦も、今度の原発問題も、人々は踊らされてきた。真実を伏せられ、我知らず加担し、最後は破滅。そして、国家は生き残り、東電という大企業も生き残る。
 井上ひさしさんは、そのからくりを江戸時代を舞台にして、教えてくれていた。

「雨」を見る: 芝居遊歴控2011.6.25
 堤工事か何かのために拠出金を求められて出せなかった藩は、喜左衛門の提案で「不作でした」と届け出て上納金を免除してもらっていたらしい。
 その嘘が幕府にバレ、首謀者であった喜左衛門は、その責めを負って自害を申しつけられたということなのだ。
 それは、徳にとっては青天の霹靂もいいところである。
 必死に自分は「徳だ」と叫ぶけれど、元々替え玉に使おうと思っていた藩や店の人間達にそんな話が通じるわけもない。しかも、証人となるべき人間はみな自らが殺してしまっている。腹を刺されて徳は死んでしまうのだ。
 喜左衛門の身替わりとして、である。
 それは、他人になりすましてその人生を根こそぎ自分のものにしようとした徳が悪いといえば悪いのだけれど、これって因果応報以上じゃないかとか、でも徳がそんなに悪人には見えないんだよとか、何だか不条理という感じがするのだ。
 そうして、その死んでしまった徳を抱きかかえて、喜左衛門は助かっている、喜左衛門はここで切腹して果てたけれどその弟として自分と再婚することになる、喜左衛門は自分の夫としてはともかく紅屋とこの藩と紅畑を耕す百姓にとって必要な人間なんだと呟くおたかが切ない。

名古屋の負け犬OL徒然草 : 観劇「雨」2021.6.11
 本物の喜左衛門を守る為、ひいては町と紅花の将来を守る為の大儀の為の狂言
 あの時、おたかや小作人たちが徳を見て喜んでいたのは「だんな様が戻ってきた」のではなく、「これで本物の旦那様が救われる」という事だったのか。何て残酷な・・・。

しのぶの演劇レビュー: 新国立劇場演劇『雨』06/09-29新国立劇場中劇場2011.6.24
 本当の自分を知っている人間を2人殺し、成りかわろうと思っていた喜左衛門本人も殺し(後に死んでないと判明)、合計3人もの殺人を犯した徳。でも実は彼はハメられたのだ・・・!というどんでん返しがやってきます。
 紅屋は平畠藩の財政の8割を担う紅花問屋。紅屋主人の喜左衛門が、藩と村人たちを守るためについた嘘が幕府にばれたため、藩も紅屋も危機的状況にありました。そこで藩主らは喜左衛門の身代わりを見つけて、その者に責任を取らせようと考えたのです。妻のおたかもグルになり、親類縁者のない物乞い同然のそっくりさん・徳をつかまえて喜左衛門にしたてあげました。
 徳はとうとう、切腹と見せかけて刺殺されてしまいます。


◆音楽『子ども向けオペラのおもしろさ』(宮沢昭男)
(内容紹介)
 子どものためのオペラ『ゴールド!:少年ヤーコプとふしぎな魚のものがたり』の紹介。
参考

欧州で人気の子どもオペラがいよいよ日本上陸!(チケットぴあ) - Yahoo!ニュース2021.8.6
 貧しいヤーコプが不思議な魚を助けたことから始まるさまざまな奇跡と「幸福」をめぐる家族の物語。原作はグリム童話の『漁師とおかみさん』で、主人公の漁師が男の子に替えられている。
 演出と日本語訳を手がけるのはドイツを拠点に活躍する演出家・菅尾友。
 《ゴールド!》では、客席が参加する場面もあって、会場は一体となって盛り上がる。
 「会場の子どもたちが波の音を作ることが、楽譜に指定されています。ただ、実際にどんな音をどうやって出すかは上演する側にまかされているので、いろいろ工夫したいと思っています」
 出演者はソプラノの柳原由香と打楽器の池上英樹の二人だけ。
「柳原さんはオペラ歌手なのですが、ドイツでは演劇の公演にも出ているぐらい、演技力も非常に素晴らしい方で、この作品に適役です

(評・音楽)子どものためのオペラ「ゴールド!」 音楽、言葉、動作がシンクロ:朝日新聞デジタル2012.8.19
 2012年にオランダで初演され、欧州を巡演している子ども向けのオペラという。
 オペラといっても出演者はソプラノ歌手と打楽器奏者の2人きり。


◆映画『性的少数者描く映画の広がり』(児玉由紀恵)
(内容紹介)

◆台湾映画『親愛なる君へ』
◆英国映画『映画『スーパーノヴァ』公式サイト
 2010年に『英国王のスピーチ』でイギリス王ジョージ6世を演じアカデミー主演男優賞を受賞したコリン・ファースと、2009年の『ラブリーボーン』で第82回アカデミー賞助演男優賞にノミネートされたスタンリー・トゥッチ(共に1960年生まれ)がゲイカップルを演じてる。
フィンランドスウェーデン合作映画『映画『TOVE/トーベ』オフィシャルサイト
 ムーミンの原作者でバイセクシャル両性愛者)のトーベ・ヤンソンを描いた

といった2021年に日本公開された『性的少数者を描く映画』が紹介されています。

【参考:親愛なる君へ】
台湾アカデミー賞3冠『親愛なる君へ』公開、亡き同性パートナーの家族との関わり描く | cinemacafe.net2021.4.27
同性パートナー亡くした青年の愛の行方 台湾映画公開: 日本経済新聞2021.7.19

【参考:スーパーノヴァ
コリン・ファース × スタンリー・トゥッチ共演!『スーパーノヴァ』Blu-ray&DVD、2021年12月22日(水)発売決定!:時事ドットコム2021.9.17

【参考:トーベ】
ムーミン生みの親トーベ・ヤンソンの若き日を映画に: 日本経済新聞2021.9.17

トーベ・ヤンソン - Wikipedia参照
 1940年代に交際した舞台監督のヴィヴィカ・バンドレルは、トーベにとって初の同性の恋人だった。『たのしいムーミン一家』には、トーベとヴィヴィカをモデルにしたトフスランとヴィフスランというキャラクターが登場する。
 1950年代から長年のパートナーとなった女性は、グラフィックアーティストのトゥーリッキ・ピエティラだった。彼女はムーミン谷博物館に納められた数多くのムーミンフィギュアの制作でも知られ、『ムーミン谷の冬』に登場するトゥーティッキー(おしゃまさん)のモデルになっている。
 トーベとトゥーリッキは公の場に同席し、独立記念祝賀会に招待されたフィンランド史上初の同性愛カップルとなった。性的平等を目標に活動する北欧諸国の団体は、トーベを先駆者として評価している。

*1:参院議員。日本共産党政策委員長(副委員長兼務)

*2:日本共産党国会議員団事務局次長

*3:神戸大学名誉教授。著書『生きがいの構造と人間発達』(1994年、労働旬報社)、『現代資本主義と新自由主義の暴走』(1999年、新日本出版社)、『自治体の公共性と民間委託:保育・給食労働の公共性と公務労働』(2000年、自治体研究社)、『日本経済の危機と新福祉国家への道』(2002年、新日本出版社)、『構造改革とデフレ不況』(2002年、萌文社)、『構造改革と保育のゆくえ』(2003年、青木書店)、『憲法25条+9条の新福祉国家』(2005年、かもがわ出版)、『ジェンダー平等の経済学』(2006年、新日本出版社)、『福祉国家の姿とコミュニケーション労働』(2007年、文理閣)、『格差社会の克服』(2007年、山吹書店)、『新自由主義破局と決着』、『保育改革の焦点と争点』(以上、2009年、新日本出版社)、『新自由主義からの脱出』(2012年、新日本出版社)、『橋下主義解体新書』(2013年、高文研)、『安倍政権の末路:アベノミクス批判』(2013年、旬報社)、『終活期の安倍政権』(2017年、新日本出版社)など

*4:日本共産党衆院国対副委員長(幹部会委員兼務)

*5:参院議員。日本共産党政策副委員長(常任幹部会委員兼務)

*6:名城大学准教授

*7:日本共産党ジェンダー平等委員会事務局員

*8:中央大学名誉教授(毛塚勝利 - Wikipedia参照)。

*9:東京都立大学名誉教授、早稲田大学名誉教授。著書『均等法の新世界』(1999年、有斐閣選書)、『労働とジェンダー法律学』(2000年、有斐閣)、『労働法とジェンダー』(2004年、勁草書房)、『雇用差別禁止法制の展望』(2016年、有斐閣)など

*10:法政大学教授

*11:埼玉学園大学准教授

*12:参院議員。日本共産党農林・漁民局長(常任幹部会委員兼務)

*13:神戸女学院大学教授。全国革新懇代表世話人。著書『現代を探究する経済学』(2004年、新日本出版社)、『いまこそ、憲法どおりの日本をつくろう! 政治を変えるのは、あなたです。』(2007年、日本機関紙出版センター)、『覇権なき世界を求めて』(2008年、新日本出版社)、『人間の復興か、資本の論理か:3・11後の日本』(2011年、自治体研究社)、『マルクスのかじり方』(2011年、新日本出版社)、『橋下「日本維新の会」がやりたいこと:何のための国政進出?』(2012年、新日本出版社)、『若者よ、マルクスを読もう』(共著、2013年、角川ソフィア文庫)、『「おこぼれ経済」という神話』(2014年、新日本出版社)、『社会のしくみのかじり方』(2015年、新日本出版社) など。個人サイトはげしく学び はげしく遊ぶ-石川康宏研究室

*14:下関市立大学教授。著書『現代の政治課題と「資本論」』(2013年、学習の友社)、『金融危機と恐慌』(2018年、新日本出版社

*15:横浜国立大学名誉教授。著書『アメリカ経済政策史:戦後「ケインズ連合」の興亡』(1996年、有斐閣)、『通商産業政策』(2003年、日本経済評論社)、『世界経済と企業行動:現代アメリカ経済分析序説』(2005年、大月書店)、『米国はいかにして世界経済を支配したか』(2008年、青灯社)、『日本の構造「改革」とTPP』(2011年、新日本出版社)、『TPP:アメリカ発、第3の構造改革』(2013年、かもがわ出版)、『オバマの経済政策とアベノミクス』(2015年、学習の友社)、『新自由主義と金融覇権:現代アメリカ経済政策史』(2016年、大月書店)、『トランプ政権とアメリカ経済:危機に瀕する「中間層重視の経済政策」』(2017年、学習の友社)、『世界経済危機と「資本論」』(2018年、新日本出版社)、『金融グローバリズムの経済学』(2019年、かもがわ出版)など

*16:日本共産党社会科学研究所副所長(幹部会委員兼務)。著書『新しい世紀に日本共産党を語る』(2003年、新日本出版社

*17:著書『大洪水の前に:マルクスと惑星の物質代謝』(2019年、堀之内出版 )

*18:2020年、集英社新書

*19:白井聡、2020年、東洋経済新報社

*20:デヴィッド・グレーバー、2020年、岩波書店

*21:京都精華大学専任講師。著書『未完のレーニン』(2007年、講談社選書メチエ)、『戦後政治を終わらせる:永続敗戦の、その先へ』(2016年、NHK出版新書)、『永続敗戦論:戦後日本の核心』(2016年、講談社+α文庫)、『増補・「戦後」の墓碑銘』(2018年、角川ソフィア文庫)、『国体論:菊と星条旗』(2018年、集英社新書)、『主権者のいない国』(2021年、講談社)など

*22:日本出版労働組合連合会・教科書対策本部事務局長

*23:日本共産党スポーツ委員会責任者(党中央委員兼務)

*24:しんぶん赤旗社会部長

*25:日本共産党国会議員団事務局員

*26:PFAS汚染から市民の生命を守る連絡会』事務局員。著書『日米地位協定:基地被害者からの告発』(共著、2001年、岩波ブックレット

*27:弁護士。京都・まちづくり市民会議事務局代表

*28:第二次安倍内閣官房副長官、第三次安倍内閣一億総活躍等担当相、自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)、第四次安倍内閣厚労相菅内閣官房長官を歴任

*29:民主党国対委員長(菅代表時代)、野田内閣財務相民進党国対委員長岡田代表時代)、代表代行(蓮舫代表時代)などを経て立憲民主党国対委員長

*30:みんなの党幹事長、結いの党代表、維新の党代表、民進党代表代行(蓮舫台上第)などを経て立憲民主党代表代行

*31:しんぶん赤旗スポーツ部長

*32:沖縄県伊江島を舞台に、終戦を知らぬまま2年間ガジュマルの木の上で生活した2人の日本兵の物語を実話をもとに描いた三人芝居(木の上の軍隊 - Wikipedia参照)

*33:井上が敬愛する宮沢賢治の生涯を描いた伝記劇(イーハトーボの劇列車 - Wikipedia参照)

珍右翼・黒坂真に突っ込む(2021年10月17日分)

◆黒坂のツイート

黒坂真
 紙智子議員。日本共産党員がアイヌ民族の人権を考えるとき、アイヌ民族とはどんな定義なのですか。
◆紙 智子
 16日、札幌市内でアイヌ民族の人権を考える集いが開催され、参加しました。

 黒坂がクズ過ぎて絶句ですね。
 「安倍政権下でのアイヌ新法&アイヌ博物館」「週刊ヤングジャンプゴールデンカムイ連載&テレビアニメ化」でわかるように、今時「アイヌ否定論」なんて暴論は黒坂のようなデマ右翼しか放言しません。安倍ですら「アイヌ否定論」ではない。にもかかわらず共産党アイヌ問題で因縁だから呆れます。
 それにしても「あ、イヌ」で「アイヌ民族への歴史的認識が欠けていた」などと謝罪した日テレのワイドショー「スッキリ」のことを考えれば、黒坂の暴論は「大阪経済大学(黒坂の勤務大学)」によって懲戒処分(例えば呉座勇一のように1ヶ月の停職処分)されてもおかしくないでしょう。日テレは「不謹慎」とはいえ「お笑い芸人のだじゃれ(謎かけ)」に過ぎなかったのに対し、黒坂の言動は完全に「デマに基づくアイヌ差別」です。大阪経済大学はいつまで黒坂を野放しにすれば気が済むのか。

黒坂真
 日本共産党自衛隊解散、日米安保廃棄で日本国家の国防力を皆無にすることを主張する背景は、科学的社会主義の国家論です。

1)日米安保を廃棄しても自衛隊が存在すれば「国防力は皆無にならない」。そもそも戦前日本は「日英同盟」「日独伊三国同盟」を結んでも「英国軍」などの外国軍の駐留はなかった。「軍事同盟締結」は必ずしも「外国軍駐留」を意味しない。
 世界各国には軍事同盟を結んでないいわゆる「非同盟国家」も現在多数あるので「軍事同盟締結」も何ら当然の話ではない。そういう意味で「日米安保廃棄」と「自衛隊解散」は大きく性格が違い一緒くたにすべきでない。「自衛隊解散」には反対だが「日米安保廃棄」には賛成という人は珍しくない。
2)「自衛隊解散、日米安保廃棄」を党方針としていない立憲民主党野党共闘している以上、「自衛隊解散、日米安保廃棄」が共産党の目標だとしても、そんなことは「将来的目標」にすぎず当面の目標ではない
3)「世界各国の共産党」「憲法制定議会での『憲法九条』に反対する野坂参三質問*1」は「憲法九条的な立場」ではないことでわかるように「科学的社会主義共産主義)」と「自衛隊解散」は何ら関係ない
ということで突っ込みどころしかない黒坂の言いがかりです。

黒坂真
 台湾有事を外交で解決すべきというお話ですが、習近平にどんな外交をやれば、台湾統一とやらを断念しますか。

 黒坂が露骨に話のすり替えをしていることには吹き出しました。
 「台湾問題を平和的に解決すべき」とは文字通り「統一にせよ、台湾独立にせよ、どんな結論になるにせよ、戦争は不可」と言う話に過ぎず「習近平が台湾統一を断念」と言う話ではない。そもそも「平和的な統一」なら「習近平に台湾統一を断念させる必要もない」わけです。

黒坂真リツイート
◆岩田温*2リツイート
 多くの人が誤解しているが、細野氏が政治家でい続けるためには、野党の方が楽だった。しかし、彼は共産主義者と同調することは自らの信念に反するから荊の道を進んだ。是非、勝利して頂きたい。
細野豪志*3
 野党にとどまれば選挙は生き残れるかもしれないが、私の政治信条からすると共産主義者と組むこと*4は政治家として死を意味する。

 自民党二階*5派入りを目指す細野の詭弁には吹き出しました。
 「共産党を含む野党共闘には参加できない」イコール「自民党二階派入り」を意味するわけではない以上、こんな発言は詭弁でしかありません。「野党共闘に参加してない政党」ならたとえば維新、NHK党もあるし、別に「無所属(政党に属さない)」でもいいわけです。
 「自民党二階派入り」以外に「選挙で生き残れない」と思ったからそう動いてるくせに「信念で動いてる」と強弁とは呆れて物が言えません。
 そもそも「岡田*6代表時代」は岡田代表の「共産党との共闘路線」を渋々ではあれ受け入れていた男が良くもこんなことが言えたもんです。「共産党との共闘」が「政治的死」を意味するのなら何故、岡田代表時代に離党しなかったのか。
 しかし細野も「黒坂、岩田」といったトンデモ極右にここまで応援されるとは。もはや、細野も「反共保守」なんて甘い代物ではなくなりつつありますね。

*1:ウヨが「憲法制定当時は日本共産党も軍事力の存在を正当化していた」と因縁つける「有名な例の質問」です。一方、吉田首相は、後に見解を変更し、自衛隊(当初は、警察予備隊→保安隊)を設置しているが、この時点では逆に野坂に対し「九条護憲派的な立場」で当時は答弁したわけです。

*2:大和大学准教授。著書『だから、日本人は「戦争」を選んだ』(2012年、オークラNEXT新書)、『だから、改憲するべきである』(2013年、彩図社)、『人種差別から読み解く大東亜戦争』(2015年、彩図社)、『平和の敵・偽りの立憲主義』(2015年、並木書房)、『「リベラル」という病』(2018年、彩図社)、『偽善者の見破り方:リベラル・メディアの「おかしな議論」を斬る』(2019年、イースト・プレス)など

*3:野田内閣環境相民主党幹事長(海江田代表時代)、政調会長岡田代表時代)、民進党代表代行(蓮舫代表時代)、希望の党憲法調査会長など歴任

*4:もちろん共産党を含む野党共闘のこと

*5:小渕、森内閣運輸相、小泉、福田、麻生内閣経産相自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)、幹事長(第二次安倍、菅総裁時代)を歴任

*6:鳩山、菅内閣外相、民主党幹事長(菅代表時代)、野田内閣副総理・行革相、民主党代表代行(海江田代表時代)、民主党代表などを経て立憲民主党常任顧問

「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2021年10/17日:荒木和博の巻)

◆荒木動画怖くて閉鎖して破綻した北朝鮮(R3.10.18) - YouTube
 拉致解決と何一つ関係ない「北朝鮮への悪口雑言」ということが視聴しなくても、タイトルだけで解ります。
 心底呆れますが、一応見てみます。
 さて動画によれば、荒木が北海道で救う会のウヨ集会をやるそうですが、水野俊平・北海商科大学教授が出席するとのこと。
 水野の著書

水野俊平 - Wikipedia参照
・『韓国の若者を知りたい』(2003年、岩波ジュニア新書)
・『ソウルで学ぼう』(2006年、岩波ジュニア新書)
・『韓vs日「偽史ワールド」』(2007年、小学館
・『朝鮮王朝を生きた人々』(2012年、河出書房新社
・『庶民たちの朝鮮王朝』(2013年、角川選書
・『笑日韓論』(2014年、フォレスト新書)
◆以下は『野平俊水(水野俊平のアナグラム)』名義
・『韓国・反日小説の書き方』(1996年、亜紀書房
・『日本人はビックリ!韓国人の日本偽史』(2002年、小学館文庫)
・『なぜだか韓国でいちばん有名な日本人:私がTVで人気者になった深~い理由』(2003年、亜紀書房

については未読ですが、「荒木のウヨ集会に参加するような輩」ですからね。つまりは「荒木の同類=嫌韓国、反北朝鮮のウヨ」なんでしょう。

水野俊平 - Wikipedia参照
・「野平俊水」名義で日本で出版した本『日本人はビックリ!韓国人の日本偽史』(2002年、小学館文庫)の中に日本右翼の歴史認識に立った記述があるとして「親韓を装う裏で日本の右翼と手を組んでいる」と韓国のネチズンに批判され、韓国のテレビ番組でも「“極右ミズノ”の正体を暴く!」と採り上げられた。2005年2月に全南大学校を退官し、2006年に日本に帰国、北海商科大学で教授に就任。

として、ウィキペディアにも水野の右翼性をうかがわせるエピソードが書いてあります。
 また荒木曰く、水野と荒木には4つ共通点があり、それが

1)大学教員(荒木は拓殖大、水野は北海商科大
2)韓国への留学経験
3)予備自衛官経験
4)鉄道趣味

だそうです。ウヨ以外に、予備自衛官をやりたがる人もあまりいないでしょう。
 さて、荒木曰く「北朝鮮と韓国の経済的な差は何が理由か」と「救う会のウヨ仲間」によく聞かれるそうです。そんなことが「拉致解決と何の関係があるんだ」という話です。
 かつ「東ドイツと西ドイツ(西ドイツが東を吸収し統一)」のような話(共産国の経済運営の失敗)が理由だなどと言うことは、「誰しも予想がつく」。荒木もその程度のことしか言っていません。実に無価値な動画です。


民社党青年部愛唱歌「憧れを抱きしめて」: 荒木和博BLOG
 「旧民社の思い出」とは、「拉致に関係ない」上に「ノスタルジーかよ(呆)」ですが、「旧民社の元職員」荒木も拉致について語る意欲を失いつつあるんでしょうか?


高田馬場駅でアルバイトをしていたときの話(R3.10.17): 荒木和博BLOG

 令和3年10月18日日曜日のショートメッセージ(Vol.571)。大学生の頃、高田馬場駅(当時は国鉄)でいわゆる「尻押し」のアルバイトをしていました。その時当時の話です。

 5分35秒の動画です。荒木は日曜は「鉄道趣味の話」云々と言いますが、今回もそれです。
 心底呆れます。
 第一にそんなことより「拉致被害者帰国」につながるようなまともな話をしたらどうなのか。
 第二に「荒木のバイト話」など、バイト場所が駅とは言え「鉄道趣味話」とはとても言えないでしょう。鉄道趣味話についてもよほど話すネタがなくなっているのでしょう。全く滑稽で無様です。実際「尻押し」についての「雑学的、趣味的な話」などなく、荒木の体験談(苦労話など)しか語られません。
 なお「尻押し」については以下を紹介しておきます。

参考

押し屋 - Wikipedia
 鉄道の朝夕のラッシュ時に、列車の扉に挟まりかかった乗客や荷物を車内に押し込む人及びその職業のことである。特に多くの人手が必要な通勤時間帯のみ契約している学生のアルバイトが中心である。
 1955年(昭和30年)10月24日、日本国有鉄道国鉄)(現JR)の新宿駅で初めて導入された。

「昭和の通勤電車」今では信じられない地獄絵図 | 通勤電車 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース
 昭和30年代から40年代後半の高度経済成長期には、通勤ラッシュの混雑率は300%を超えていたともいう。混雑率300%超えとは、いったいどれだけの混雑なのだろうか。
 写真には、4、5人の駅係員(いわゆる「押し屋」)が乗客を中央線の上り列車に押し込んでいる様子を運輸大臣が視察する姿を捉えている。

今日の中国ニュース(2021年10月17日分)(追記あり)

リベラル21 始まった?習近平の文化大革命(6)(田畑光永

 習近平が外の世界の見方を気にしている事はこの件によっても明らかである。
 外国が正論を繰り返し中国に向かって浴びせることを「中国人民」が待っていることも確かであろう。
 もっともっとわれわれ*1の正論が中国に届くように、もっともっと習近平とその周辺にそれを読ませるために、われわれは筆を措くわけにはいかない。(続)

 吹き出しました。確かに中国も「国外の世論」もそれなりに気にはしてるでしょう。
 しかし

朝日新聞、読売新聞、NHKなどの日本の大手メディア
◆与党「自民、公明」、野党「立民、共産、社民、国民民主、維新」など日本の諸政党

など「一定の知名度、影響力」を持つ団体ならまだしも「日本国内限定」ですらろくな政治力も知名度もない「リベラル21」や「田畑」の言論など、中国は「何とも思ってない」でしょう。
 そもそも田畑やリベラル21の存在自体「知らない可能性も大きい」のに「夜郎自大」にもほどがあります。なお、以上の文章を田畑の記事に投稿しましたが、予想通り掲載拒否です(追記:後述しますが「2日後の10月19日に掲載」されていました)。「老害集団*2」リベラル21のアホさには心底呆れます。

【追記】

リベラル21 始まった?習近平の文化大革命(6)(田畑光永)のコメント欄
◆阿部治平
 私は中国体験から田畑氏の中国人民は海外の正論を待っているという主張に同感します。「習近平とその周辺にそれを読ませるために」筆をおくわけにはいかない、という発言にも賛成します。在日本中国情報当局は熱心に日本世論を収集しています。
 無名氏の田畑批判をみて「燕雀安くんぞ鴻鵠の志を知らんや」を思い出しました。

 吹き出しました。小生も「中国が日本世論に注目していること」は否定しません。問題は「日本国内ですら知名度や社会的影響力の全くないリベラル21など中国は注目してないだろうし、そもそも知らない可能性も高い」ということなのですが。
 「そんなことはない、俺たちリベラル21は国内外に注目されてる」といえない阿部のバカさには心底呆れます。
 しかも「小生のことを燕雀(小人物)呼ばわりするのは『不愉快』とはいえ『事実ではある*3』ので、どうでもいい」ですが、根拠レスで自分たちリベラル21のことを「鴻鵠(大人物)」と自称してるのだからその「夜郎自大ぶり」には心底呆れます。何様のつもりなんでしょうか。なお、以上の文章は田畑記事に投稿しましたが果たして掲載するかどうか。


中国、「歴史決議」審議へ 習氏の権威づけ図る - 産経ニュース
 「適切な評価」は当然ながら「実際の決議が出てから」になります。


ドンキ大盛況の香港、経済堅調の理由 自由や民主は損なわれたけれど [香港問題]:朝日新聞デジタル
 「民主主義」と「経済的繁栄」は「全く別の話」なのである意味「当然」の話です。


チリの中国TPP加盟支持 茂木外相が不快感: 日本経済新聞
 チリ、中国に対して無礼の極みであり、正気なのかと心底呆れます。
 なお、
マレーシア、中国のTPP加盟支持 貿易拡大を期待: 日本経済新聞2021.9.20
ベトナム、中国のTPP加盟支持を示唆: 日本経済新聞2021.9.23
中国、TPP加入交渉へ参加国への働きかけ積極化 NZなど支持 - 産経ニュース2021.10.3
中国のTPP加入申請「支持」 シンガポール首相が表明:時事ドットコム2021.10.16
ということでマレーシア、ベトナムニュージーランドシンガポールも「中国の加入申請支持」を表明しています。


【古典個展】台湾は百年このままに 大阪大名誉教授 加地伸行 - 産経ニュース

 台湾の前記AI団地が、今日の台湾を支える大きな柱となっていることは間違いない。そのAI団地も大陸からの核攻撃*4を受ければ、がれきと化す。
 そのような愚劣な攻撃を台湾全土に加えて、何の意味や意義があるのだろうか。
 中国の歴史を振り返ってみるがいい。地方の反乱などは絶えずあった。モンゴルをはじめ外国の侵入は、いつものことであったのみならず、中国は、金銭・産物・美女等々を提供して和平工作をしてきた。つまりは、戦争を避けてきたのであり、それは中国人の知恵であった。
 今の状態が百年も続けば、大陸・台湾両者が知恵を出し合っての新展開がなきにしもあらず、と老生は思う。
 そこで提案いたしたい。現状維持を百年続けてはどうか。
 文化的に広い形での交流を深めてゆく王道を大陸・台湾両者ともに歩んでいってはどうか。

 意外な文章です。産経文化人の加地なら「早期の台湾独立」を主張するかと思っていました。
 なお、加地に提案されるまでもなく「中国側も台湾側も」ほとんどの政治家は「現状維持を当面継続」には何ら異論はないでしょう(「反中国的言動」で中国の反発を助長している蔡英文総統はこの点「怪しい」のですが、その彼女も中台双方の現状維持派を無視して、早期独立を公言することはできません)。
 中国共産党習近平主席など)や中国国民党の統一論にしても「統一の機が熟するまでは現状維持」と言う主張である。
 「早期に独立(統一)したい」と言う人間、それも「戦争になっても構わない」なんて物騒な人間は中台双方に少ないでしょう。

*1:前後の文脈から見て「われわれ=日本人」ではなく「われわれ=リベラル21」でしょう。

*2:リーダー格らしい田畑も含め、投稿者がほとんど70歳以上の老人ばかりという「リベラル21の惨状」には心底呆れます。

*3:小生も「阿部と違って」、自分が「鴻鵠(大人物)」であると自称できるほどの「身の程知らず」ではありません。

*4:さすがに核攻撃はしないでしょう。通常兵器での攻撃でも「瓦礫」にはなりますが。

今日の朝鮮・韓国ニュース(2021年10月17日分)

拉致問題 一番期待した政権だった 井上克美さんの兄:朝日新聞デジタル2021年10月14日(堤恭太)
 「井上さん=特定失踪者」なのでその時点で絶句せざるを得ないあほ記事ですがもっと絶句するのは、今頃「安倍政権に期待していた」などという寝言を掲載することです。「安倍退陣直後」ならまだしも「岸田政権成立後」にこんな記事を載せる理由は何なのか。


【新閣僚に聞く】松野官房長官、拉致問題「若者啓発に力」 - 産経ニュース
 タイトルだけでうんざりです。
 拉致とは

◆小中高校などでホニャララについて教育を行い、ホニャララについて意識啓発し、事態を改善したい。
◆ホニャララについての差別をなくしたい
※「ホニャララ」としては「LGBT」「障害者」「外国人」「宗教マイノリティ(イスラム教など)」などが考えられる。

といった「教育」でどうこうなる類の話ではない。日朝間の外交交渉でしか問題は解決しない。
 こうした物言いは

◆「北方領土竹島」といった領土問題
◆米軍基地問題

について「若者への啓発に力を入れたい」と言うくらい馬鹿げている。「若者に啓発することよりも外交交渉に力を入れろ」と言う話です。あえてきついことを言えば「外交で成果があがらないこと」を自覚して「教育に逃げている」といってもいいでしょう。


水銀中毒から原爆開発まで…“水俣病”の原因企業「チッソ」が北朝鮮で行っていたこと(伊藤 孝司) | 現代ビジネス | 講談社(9/12)

「日本が第2次大戦中に核開発を進め、興南の沖合の小島で1945年8月12日に核実験にも成功していたことは、(略)各種資料、特に米政府内部で秘密文書に基づき調査していたトニー・トルバとドワライト・R・ライダーの発言からも、明らかである」(『世界が隠蔽した日本の核実験成功』矢野義昭)
「ライダーによれば、興南は日本の核努力の『頭脳』だった。占領地域から送られてくる資源がここに集められた。興南ではウラン鉱石の精錬も重水の製造もできた」(同上) 
 朝鮮半島北部は、マグネサイト・タングステンモリブデン黒鉛、そしてウランなどの鉱物が確認されている。「興南には(略)大規模なウラン235の分離を行う能力を持った産業施設と電力があり、試験的な分離装置が設置されていた」(同上)という。
 興南での日本の核開発に対する戦後のソ連と中国の対応を、『世界が隠蔽した日本の核実験成功』を執筆した矢野義昭氏は次のように見ている。
ソ連の大戦末期の突然の北部朝鮮急襲も、朝鮮戦争への中国の参戦と長津貯水湖での激戦も、興南の核施設奪取が主な目的だった」(同上)
 矢野氏は興南などで日本が行なった核開発の上に、戦後のソ連と中国の核実験とその保有があり、北朝鮮の核開発の潜在力は日本の成果を継承したものだとする。

 こうした見方の真偽について素人の俺には判断はつきませんが一応紹介しておきます。
 なお、「戦前、植民地朝鮮に進出していた日本窒素(現在のチッソ)が、現地で日本の核開発に協力していた」と言う説の真偽はともかく、日本において「核開発計画」があったことについては、拙記事新刊紹介:「歴史評論」8月号(追記あり) - bogus-simotukareのブログ(2019.7.12)で触れたことがあります。
 なお、

・『写真記録 樺太棄民:残された韓国・朝鮮人の証言』(1991年、ほるぷ出版
・『棄てられた皇軍:朝鮮・台湾の軍人・軍属たち』(1995年、影書房
・『平壌からの告発:日本軍「慰安婦」・強制連行被害者の叫び』(2001年、風媒社ブックレット)
・『ヒロシマピョンヤン:棄てられた被爆者』(2010年、風媒社)
・『朝鮮民主主義人民共和国:米国との対決と核・ミサイル開発の理由』(2018年、一葉社)
・『ドキュメント 朝鮮で見た〈日本〉:知られざる隣国との絆』(2019年、岩波書店

の著者・伊藤氏は別に極右ではありませんが

矢野義昭 - Wikipedia参照
・2016年、参議院議員通常選挙に、おおさか維新の会公認で比例区から出馬するが落選
【著書】
・『軍拡中国に対処する:独裁国家に屈するのか』(2018年、勉誠出版
・『世界が隠蔽した日本の核実験成功:核保有こそ安価で確実な抑止力』(2019年、勉誠出版
・『核拡散時代に日本が生き延びる道:独自の核抑止力の必要性』(2020年、勉誠出版

という矢野氏は明らかに「日本の独自核保有」を主張する極右です(しかし以前も別記事で書きましたが勉誠出版も完全に商売右翼に転落していますね)。
 伊藤氏の「矢野著書紹介」は、あくまでも「植民地朝鮮での日本の核開発」という事実の紹介にとどまり「日本の核保有こそ安価で確実な抑止力」などという右翼的主張を支持しているわけでは無論ありません。

新刊紹介:「歴史評論」2021年11月号

 小生が何とか紹介できるもののみ紹介していきます。正直、俺にとって内容が十分には理解できず、いい加減な紹介しか出来ない部分が多いですが。
特集「いま『歴史評論』を読んで考える」
◆21世紀の大化改新論(磐下徹*1
(内容紹介)
 近年の『歴史評論』に掲載された「大化改新」関係論文を紹介した上で、筆者の「大化改新」研究についての見解が述べられています。
 大化改新研究においては「難波宮出土木簡」の研究が重要だと思うが、それはまだ十分なされていないというのが筆者の指摘です。


◆誰が歴史を学ぶのか、何のために学ぶのか:地方国立大学における歴史の学び(大日方克己*2
(内容紹介)
 地方国立大学(筆者の勤務校は島根大)においては「文学部歴史学科」などで歴史を学ぶ学生の多くは「院に進み専門研究者を目指す」どころか「小中高の社会科教員」「博物館の学芸員」「出版社の歴史書籍編集やテレビ局の歴史番組製作」など「何らかの形で歴史に関わる仕事に就く人間自体」が少なく、そのような中、目指される「歴史の学び」とは「歴史研究のプロの育成」というよりは「歴史学的な視点の習得(史料批判など)」といった物にならざるを得ないとの主張がされている。


◆教室で『歴史評論』を読む(高橋亮*3
(内容紹介)
 筆者が大学ゼミで行った「歴史評論掲載論文」を用いた演習について述べられていますが小生の無能のため詳細な紹介は省略します。


◆現代歴史学としてのクローチェ*4羽仁五郎*5三木清*6(平井雄一郎)
(内容紹介)
 クローチェはイタリアの歴史学者
 羽仁は

羽仁五郎 - Wikipedia参照
◆『クロォチェ:市民的哲学者』(1953年、河出書房)
◆『抵抗の哲学:クロォチェ』(1972年、現代評論社

等の著書があり、クローチェの影響を強く受けた歴史学者三木清は羽仁の友人の哲学者で、彼らについて論じられていますが、小生の無能のため詳細な紹介は省略します。


第56回大会準備号『変貌する国家と個人・地域Ⅲ』
【前振り】
 今後開催される、第56回大会『変貌する国家と個人・地域Ⅲ』での報告内容について報告予定者が「現時点での報告予定内容」を説明しています。当然、今後「微修正はあり得る」でしょう。
◆保健医療と「政府の役割」の歴史的変化:イギリスの場合(永島剛*7
(内容紹介)
 1848年の公衆衛生法成立から、1948年の「国民保険サービス(NHS)」成立までの英国における

保健医療と「政府の役割」の歴史的変化

について論じる。


◆コロナ禍の中の女性労働とケアの諸問題(箕輪明子*8
(内容紹介)
 箕輪氏については新刊紹介:「前衛」2021年11月号(井上ひさし『雨』の一部ネタばらしがあります) - bogus-simotukareのブログで◆インタビュー『コロナ禍のケアの現状は何を問いかけているのか:女性・非正規にも及ぶ対策は緊急』(蓑輪明子)を俺なりに紹介しましたので、その再紹介で内容紹介に代替します。


天保改革下の遊所統制の転換と堀江新地(吉元加奈美*9
(内容紹介)
 天保改革下において当初、遊所(売春)については大坂において『唯一の公認の遊所』である新町遊郭以外は「完全に撲滅する方向」が目指された。
 しかし、結局、大坂町奉行は、『非公認の遊所(建前はお茶屋に過ぎない)』である堀江新地から売春営業を完全に撲滅することは困難として、「お茶屋から飯盛女付きの旅籠に転業する』という形で容認することとした(飯盛女は建前では『旅籠の仲居、女中』にすぎない)。
 何故、容認されたのか(容認されるまでの経緯)、容認されることによって堀江新地を含む大阪の遊所はどうなったのかを論じる。


◆娼妓と近代公娼制度:一次資料から見る娼妓の住み替えと廃業(人見佐知子*10
(内容紹介)
 娼妓の住み替え(貸座敷を移動すること)、廃業について、娼妓、斡旋業者、貸座敷業者の三者の立場から論じる。


◆近代帝国主義諸国の軍用性的施設(林博史*11
(内容紹介)
 『日本軍「慰安婦」問題の核心』(2015年、花伝社)など、日本軍「慰安婦」の研究で知られる筆者が、日本軍「慰安婦」にとどまらず「同時代の近代帝国主義諸国(英米仏独伊など、特に英国について論じる予定)」において「軍用性的施設」はいかなるものであったのか、それは「日本の慰安婦」とどのような点で「共通点と違いがあったのか」について論じる。


◆歴史の眼・リレー連載:21世紀の災害と歴史資料・文化遺産5『岡山史料ネットの取り組みと今後の課題』(東野将伸*12
(内容紹介)
 平成30年7月豪雨での「歴史資料の被災」を契機に設立された「岡山史料ネット」の活動が紹介されていますが、小生の無能のため詳細な紹介は省略します。


◆歴史の眼『ひめゆり資料館のリニューアル』(仲田晃子*13
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。
ひめゆり資料館が来年リニューアル 展示に込める思いとは:東京新聞 TOKYO Web2020.6.23
ひめゆり資料館リニューアル 中心になったのは戦後生まれの学芸員「学徒たち身近に」 - 琉球新報デジタル|沖縄のニュース速報・情報サイト2021.3.29
ひめゆり資料館 あすリニューアルオープン イラストや写真充実 - 琉球新報デジタル|沖縄のニュース速報・情報サイト2021.4.11
社説[ひめゆりリニューアル] 平和のバトン次世代へ | 社説 | 沖縄タイムス+プラス2021.4.11
「これならわかるかも」 ひめゆり資料館がリニューアル [沖縄はいま]:朝日新聞デジタル2021.4.12
沖縄・ひめゆり資料館がリニューアル 「戦争の実体を語り続ける」 | 毎日新聞2021.4.12
ひめゆりの塔を知っていますか? 戦争を知らない世代が歴史を学ぶ切実な意味 - 山本章子|論座 - 朝日新聞社の言論サイト2021.5.23
発言:若い世代へ継承のために=普天間朝佳・ひめゆり平和祈念資料館館長 | 毎日新聞2021.6.10
「普通の学生だったんだ」ひめゆり資料館リニューアル、展示内容に高い評価 コロナ禍で課題が見つからないという課題 | 沖縄タイムス+プラス プレミアム | 沖縄タイムス+プラス2021.6.11
MONGOL800のキヨサクさん、「音楽で」ひめゆり資料館支援へ | 毎日新聞2021.6.19
「ひめゆり」支えよう 沖縄のアーティストが有料ライブ:朝日新聞デジタル2021.6.26
沖縄テレビ(フジテレビ系列)「戦争を知らない世代がわかるように」ひめゆり平和祈念資料館がリニューアル【沖縄発】2021.6.30
<戦争体験を受け継ぐ>前編(2) 受け継ぐ側の思い:中日新聞Web2021.8.8


◆文化の窓・リレー連載:川から見る風景9『鮎と材木の高津川』(西田友広*14
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

高津川 - Wikipedia
 一級河川で唯一、支流を含めてダムが一切無い。日本有数の清流として中上流域では毎年鮎釣りが盛んである。高津川の焼き鮎(乾燥アユ)を出汁に用いた雑煮は石見風雑煮として知られる。
 戦国大名毛利元就も家臣の益田藤兼*15から「高津川の干鮎」を献上品として貰っている。江戸時代にはアユを争って向横田と横田の漁師が殴りあいの喧嘩をし危うく津和野藩が仲裁に入る逸話が残されている。

清流・高津川が誇る天然鮎は超美味!名店「美加登家」で鮎三昧を楽しむ!│観光・旅行ガイド - ぐるたび
◆創業80余年の老舗割烹。高津川の天然鮎を味わうなら「美加登家」へ!
 「子うるか」とは、前年に捕れた鮎の卵と白子を塩漬けしたもの。まずは一口…、卵のプチっとした食感に続いて、白子の濃厚な味わいが広がります。
 お酒のあてにぴったりな「子うるか」…となれば、同店自慢の「あゆ酒」も外せません。一日かけてじっくりと炙った鮎を地酒に浸すという、いわゆる「骨酒(こつざけ)」です。
 2品目は御造りの「背ごし」です。背ごしとは、鮎を背骨ごとスライスしたお刺身で、鮎料理の定番。身の旨みに加えて柔らかな背骨の歯ごたえが特長的です。
 3品目は碗物「白味噌仕立て」。白焼きされた鮎2匹(サイズによっては1匹)が白味噌汁に浸されています。
 4品目は焼物「鮎塩焼き」の登場。
 続いては、地元ならではの一品、煮物「うるか茄子」。鮎の生うるか(内臓部分)を茄子とともに炊き上げたもので、鮎の産地ではなじみの料理です。
 6品目はまたまた鮎が丸ごと一匹!同店の創作メニュー、強肴「味噌包み焼き」の登場。背開きの鮎に特製味噌を挟んで蒸し焼きにした逸品です。
 さらに酢物「鮎昆布〆」。濃厚な品が続いた後だけに、土佐酢とともにいただく鮎の切身の味わいがとても爽やか。
 そして、満を持して〆の「鮎めし」が登場です。鮎出汁の炊き込みごはんの上に、白焼きのほぐし身がこれでもかとのせられているではありませんか!


◆書評:帯谷俊輔*16国際連盟*17』(評者:樋口真魚*18
(内容紹介)
 評者曰く、本書は、「満州事変と国際連盟の関係についても触れている」ものの、日本では「満州国建国→リットン調査団報告→連盟脱退」といった視点から論じられることが多い国際連盟について、日本では余り知られていない

チャコ戦争 - Wikipedia
 パラグアイボリビアの国境紛争

を取り上げることによって「より多面的な見方」を促している、とのこと。
 チャコ戦争について当初は国際連盟での解決が目指されたが最終的には

 1938年7月21日、ボリビアパラグアイの間でブエノスアイレス講和条約が結ばれた。米州の有力諸国であるアルゼンチン・ブラジル・ウルグアイ・チリ・コロンビア・ペルー・アメリカ合衆国が中立の立場として講和を仲介した。

ということで連盟ではなく「地域大国である米国」を中心とした形で解決された。
 そのため、チャコ戦争は「国際連盟の無力さ」を示すものと一部で受け取られ、結果として「連盟脱退後の日本」の「米国との対立路線」を助長した疑いがあるとのこと。
 ただし、そのような「連盟限界論(連盟の政治的限界を指摘し、消極的に評価する論)」によって「日独伊の連盟脱退(日本は満州問題、ドイツは再軍備、イタリアはエチオピア問題)」を招き、第二次大戦後には「国際連合に改編」されたものの、とにもかくにも連盟が継続されたこと、連盟が「国際連合への発展的解消」と言う形で継続されたことは「それなりに評価」されてるようです。


◆平井一臣*19ベ平連とその時代:身ぶりとしての政治*20』(評者:市橋秀夫*21
(内容紹介)
 評者の指摘は多岐にわたっておりまとめづらいが、例えば、以下の指摘がされている。
1)当初は保守派も包含していたベ平連については、竹内洋*22『革新幻想の戦後史』(2015年、中公文庫)など、「代表は小田実*23だったが、実は石原慎太郎を代表に推す意見も強かった」という説が一部に存在する。これについて手堅い史料批判によって「根拠のない俗説に過ぎない」として否定している点が評価できる(これについては、平井著書のもととなった論文の一つである平井 一臣 (Kazuomi Hirai) - 再考・小田実とベ平連 : ベ平連への参加と「難死」の思想・「加害」の論理 (「1968年」社会運動の資料と展示に関する総合的研究) - MISC - researchmap参照)。
2)ベトナムに平和を!市民連合 - Wikipediaについては既成の左翼運動(社会党共産党など)から一線を画そうとした「個人主義重視」、あるいはフォークソングなどの運動形態の新しさを強調する議論が強いように思われる。
 それは一面では正しいが、下手をすると「日本」での「ベトナム戦争経験(ベトナム反戦運動を含むがそれに限られない)」全体を「捉え損なう恐れがあるのではないか」。
 ベトナム反戦運動自体は「ベ平連」以外にも「既成左翼の運動もあった」し、また「日本とベトナム戦争」の関わりについて言えば「ベ平連のような反戦運動」だけでなく、そうした批判を無視して行われた「佐藤政権のベトナム戦争支持」についても目配りしていく必要があるだろう。
3)ベ平連について、「代表」小田実が注目され、また、「既成左翼と一線を画そうとした個人主義」が指摘されることが多いベ平連だが

ベトナムに平和を!市民連合 - Wikipedia参照
◆事務局長を務めた吉川勇一*24の他、いいだもも*25栗原幸夫*26、武藤一羊*27、花崎皋平*28共産主義労働者党(共労党)メンバー
◆「声なき声の会」(1960年安保闘争での市民グループの一つ)メンバーの小林トミ*29鶴見俊輔*30や高畠通敏*31

が「有力活動家として存在していたこと」に注意する必要がある。
 勿論「ベ平連」は「共労党のダミー組織ではない」し「声なき声の会の後継組織でもない」。
 しかし、ベ平連活動とは別途「既に、政治活動家として活動していた人間」が参加していたが故に「組織的活動が順調に進んだ」という面(プラス面)も否定できないのではないか。その意味では「個人主義」「素人主義」の強調は一面的である。
 また、共労党メンバーの存在が既成左翼(特に日本共産党)とベ平連の関係にしこりを生み出したというマイナス面がありはしないか、分析の必要がある。
 というのも「共労党」は日本共産党を除名された内藤知周*32を党幹部としており、党員も内藤同様に、共産党を除名されたり離党した人間が当然多かったからである。
4)ベ平連が日本社会に与えた影響の一つとしては『在日米軍基地の沖縄集中(1960~70年代、なお、沖縄の本土復帰は1972年)』があげられると思う。
 この点については川名晋史*33『基地の消長1968~1973: 日本本土の米軍基地「撤退」政策』(2020年、勁草書房)が参考になるかと思う。
 ベ平連のような反戦運動に手を焼いた、日米両国政府は本土の米軍基地を「すべて廃止はしなかった(今も三沢基地横田基地など本土に米軍基地が存在する)」ものの、かなりの部分を沖縄に移すことで「問題解決を図った」。
 なお、以下は「ボーガスの私見」であり、市橋氏の評価ではないが、こうした経緯を考えれば
高世仁に突っ込む(2020年8/9日分) - bogus-simotukareのブログで批判した沖縄の基地を本土が引き取る―賛成?反対? - 高世仁の「諸悪莫作」日記(2020.8.8)
高世仁に突っ込む(2020年8/10日分) - bogus-simotukareのブログで批判した9条の会に「基地引き受け論」を吹っかけた - 高世仁の「諸悪莫作」日記(2020.8.9)
といった「本土引き受け論」はやはり「誤った議論」と評価せざるを得ない。高世らの「引き受け論」で「ベ平連などベトナム反戦運動のせいで沖縄の基地負担が重くなった」ということになりかねない。
【参考】
沖縄に基地があるのは地理的宿命か?/川名晋史 - SYNODOS
川名晋史さん「基地の消長 1968-1973」インタビュー 「日本不在で決定」を実証|好書好日


◆書評:塩川伸明*34『歴史の中のロシア革命ソ連*35』(評者:寺山恭輔*36
(内容紹介)

塩川伸明 - Wikipedia
◆『「社会主義国家」と労働者階級:ソヴェト企業における労働者統轄 1929~1933年』(1984年、岩波書店
◆『スターリン体制下の労働者階級:ソヴェト労働者の構成と状態 1929~1933年』(1985年、東京大学出版会
◆『ソヴェト社会政策史研究:ネップ・スターリン時代・ペレストロイカ』(1991年、東京大学出版会
◆『ペレストロイカの終焉と社会主義の運命』(1992年、岩波書店
◆『終焉の中のソ連史』(1993年、朝日新聞社
◆『社会主義とは何だったか』、『ソ連とは何だったか』(いずれも1994年、勁草書房
◆『現存した社会主義リヴァイアサンの素顔』(1999年、勁草書房
◆『多民族国家ソ連の興亡(1)民族と言語』(2004年、岩波書店
◆『多民族国家ソ連の興亡(2)国家の構築と解体』、『多民族国家ソ連の興亡(3)ロシアの連邦制と民族問題』(いずれも2007年、岩波書店
◆『冷戦終焉20年:何が、どのようにして終わったのか』(2010年、勁草書房
◆『国家の解体:ペレストロイカソ連の最期』(2021年、東京大学出版会

等の著書がある『ソ連、ロシア史研究者の長老・塩川氏』の『2020年の近刊』が論じられていますが、小生の無能のため詳細な紹介は省略します。

歴史の中のロシア革命とソ連 / 塩川 伸明【著】 - 紀伊國屋書店ウェブストア|オンライン書店|本、雑誌の通販、電子書籍ストア
第1部 ロシア革命と現代―革命百周年に考える
 第1章 一九一七年と一九九一年―ロシア革命百周年に寄せて
 第2章 ポスト社会主義の時代にロシア革命ソ連を考える
第2部 後期社会主義ペレストロイカ・冷戦終焉*37
 第4章 ペレストロイカからソ連解体へ―過程と帰結
 第5章 ペレストロイカおよび冷戦終焉に関する最近の研究動向―トーブマン*38ゴルバチョフ伝とサーヴィス*39の冷戦終焉論*40を中心に
 第6章 冷戦の終焉過程―冷戦史再考の試み
第3部 ロシア・ソ連史研究と歴史学
 第7章 日本におけるロシア史研究の歴史―ロシア史研究会五〇周年に寄せて
 第8章 E・H・カー*41ソ連史研究
 第9章 ロシア革命はどう記念*42されてきたか―アニヴァーサリー・イヤーの歴史

などと言った目次からは「冷戦終了後、ロシア革命ソ連を振り返る」という色合いが強いことは認識できますが。


◆紹介:谷口栄*43『千ベロの聖地「立石」物語:もつ焼きと下町ハイボール*44』(2021年、新泉社)
(内容紹介)

古谷三敏BARレモン・ハート - Wikipedia』(1985年から連載開始。現在も『漫画アクション』に月1回で連載中)
ラズウェル細木酒のほそ道 - Wikipedia』(1994年から週刊漫画ゴラクに連載中)

などが大好きな俺としては「読んでみたい」とは思う反面、「歴史書か?」感がありますね。
 「千ベロ(センベロ)」つうのは「千円でベロベロに酔っ払える」の略ですね。
 立石は「小生は未だ行ったことがない」のですが、最近は「雑誌やテレビ」などで良く取り上げられるのでご存じの方も多いかと思います。
 一度行きたいとは思います。

【参考:せんべろ】

せんべろ - Wikipedia
 中島らも小堀純の共著『せんべろ探偵が行く』(2003年、文芸春秋→2011年、集英社文庫)で使い始めたのが最初と言われている。
 千円でべろべろに酔えるという価格帯の酒場の俗称ではあるが、実際には千円でちょっと気の利いたおつまみとお酒2杯~3杯飲めるという意味合いが強く、発祥と言われている『せんべろ探偵が行く』でも、そういった酒場が多く紹介されている。
 低価格で酒やおつまみ等を提供するという性質上、該当する店には居酒屋や立ち飲み、角打ちなどが該当する。

【参考:立石】
 歴史評論論文によれば「昭和30年代の立石」には「労務者をターゲットにした血液銀行*45」があったそうなので昔は「そういう町」だったのでしょう。それが「労務者相手のもつ焼きと焼酎ハイボール」にもつながるわけです。
 「立石、売血」でググったら、

【 わがまち原動力】 戦後栄えた血液銀行の証言者たち(下)=郡山利行|穂高健一ワールド~書斎の小説家が街に飛び出した、気鋭のジャーナリストとして
 日本製薬(株)は、1950年代から、本社ビルがあった立石8丁目で、国策による輸血用の血液採血を実行するため、国民からの売血を受ける施設、『ニチヤク血液銀行』 を開設した。
 売血に訪れる人が絶えなかった。 地元立石の人達は 『バンク』 と呼んでいた。
 右写真は、つげ忠男さん*46が、若い頃、地元立石の血液銀行で働いていた時のことを書いた雑誌に載せた、写真である(『散歩の達人 267号』より (P.25))。
 キャプションには『 製薬会社社員の着替え部屋から見えた風景で、社員も売血すると400円もらえ、半休ももらえたんです 』 と、書いてある。
 昭和30年代前半頃の、血液銀行の一角である。そして、つげ忠男さんは、当時の必死に生きる人々を間近に見られたことが、自分の漫画の肥やしになってなっていると思いますと、この雑誌につづっている。

 
つげ忠男 - Wikipedia
 1941年生まれ。漫画家。『ガロ』を中心に作品を発表。漫画家・つげ義春*47(1937年生まれ)は兄。
 東京都大島町生まれ。幼少期の大半(6歳~16歳)を葛飾立石町で過ごす。
 中学校を卒業した後、自宅から徒歩で10分ほどの葛飾の製薬工場に就職。血液を売買する血液銀行であった。同工場で製造される血液製剤用の採血の補助係となった。血液銀行には平均1日600-800人、多い日は1000人ほどの売血者があり、仕事にあぶれた日雇い労働者、身障者、与太、無頼漢など様々な人種にあふれていた。この経験は、後の作品でもたびたび描かれている。
 兄・つげ義春の影響で漫画を描き始め、貸本誌『街』で『自殺しに来た男』が入賞しデビューするが、1959年の『回転拳銃』で実質的なデビューを果たしている。

【マンガ探偵局がゆく】惜しまれ消えゆく昭和の駅通り つげ忠男さん作品の舞台になった街は今 (1/2ページ) - zakzak2017.12.8
 太平洋戦争の末期、まだ幼いつげ義春つげ忠男と長兄は、板前だった父親の死をきっかけに、母親、義祖父などとともに、千葉の港町・大原(現いすみ市)から東京都葛飾立石町に移り住んだ。つげ忠男が70年代に描いた作品の多くは、戦後混乱期の京成立石駅周辺が舞台になっている。
 戦後まもない立石駅は北側に赤線、青線、キャバレーなどが集まる夜の街が。南側には闇市がひしめき、その周辺に長屋が立ち並ぶ下町だった。
 中学を卒業した忠男は、製薬会社に就職し、血液を買い取る地元の「血液銀行」で働き始める。のちに売血は禁止されたが、忠夫が職場で目にした、生活のために血を売りに来る日雇い労働者やチンピラ、娼婦たちの姿は、のちの作品に色濃く反映されている。
 京成立石には長らく当時の面影が残り、21世紀になってからは「居酒屋の聖地」「昭和が残る街」として海外からの観光客にも親しまれるようになった。

なんて記事もヒットしました(売血については例えば売血 - Wikipedia参照)。

過去に「ブラタモリ」にも出演 学芸員の谷口榮さんが「千ベロ」講演会2021.7.30
 立石図書館(葛飾区立石1)が7月10日、開館10周年を記念して葛飾区の学芸員・谷口榮さんによる講演会「立石地域の飲食文化『千ベロ』」を開いた。
 谷口さんは生まれも育ちも立石。考古学者であり日本考古学協会理事。長年、葛飾区観光課の学芸員を務めており、葛飾の歴史と文化を研究している。過去にNHKの番組「ブラタモリ」で、タモリさんと柴又を散策したこともある。小学生のころからもつ焼きに親しんでいることから、酒場への造詣も深く、今年3月には「千ベロの聖地『立石』物語」(新泉社)を出版している。
 「千ベロ」とは1,000円で酔うほど手軽に飲める酒場の俗称。京成立石駅周辺には名店と言われるもつ焼き店があり、昭和の面影を残す路地裏には個性的な店が軒を連ねていることから、酒場愛好家の間では「千ベロの聖地」とも呼ばれている。
 立石の飲食文化について、谷口さんは「もつ料理とハイボールはセット関係で、この組み合わせが特徴の全て。立石など下町で『ボール』といえば焼酎ハイボールのこと」と話す。立石に千ベロ文化が根付いた背景には、大手製薬工場と職業安定所の中心に京成立石駅があり、労働者が集う立地だったことを挙げた。
 立石を代表するもつ焼き店「宇ち多゛(うちだ)」「江戸っ子」「みつわ」を紹介し、「私は飲みに行って調査し、記録し、分析している」と話す。考古学の観点から、焼台や店の造り、食器類まで細かく調査しており、食器類についてはデザインやサイズまで記録している。
 「考古学というと昔の遺跡などを発掘し年代を調べることを思い浮かべるが、現代のものを未来の人に伝えるという考えもある。例えば将来、このもつ焼き店が無くなり、何百年後に食器が発掘されたとき、食器のデータを記録しておけば、これは当時の『宇ち多゛』という店があったところ。といった情報を後世に残すことができる」と話す。
 コロナ禍の飲食について、「元々もつ焼き屋は長居するところではない。さっと飲んでさっと帰ることを心掛け、お客さん自身が気をつけることが大切」と思いを話す。

(ひと)谷口栄さん 「せんべろ」の聖地を研究する学芸員:朝日新聞デジタル2021.1.5
 千円で酔うほど手軽に飲める酒場の俗称「せんべろ」。その「聖地」だと酒場愛好家の間で言われるのが、東京東部の葛飾区にある立石(たていし)地区だ。昭和の面影を残す路地裏には個性的な店が軒を連ね、開店前から行列ができている。

<葛飾新聞>柴又駅の隠れ寅さん:東京新聞 TOKYO Web2021.1.5
 1000円も出せばべろべろに酔える「せんべろの聖地」として親しまれる立石。昼間から顔を赤らめて歩いても許される寛容さがありながら、相反するような「飲んでいる人は入店NG」という独特ルールがある。
 京成立石駅周辺では、店先に「酔った人はお断り」と書かれた張り紙がちらほら。記者も「2軒目だよね」と鋭く指摘され、きびすを返した経験がある。
 この立石ルールを、もつ焼きの行列店「宇ち多゛(うちだ)」は「酒が入っていると気が大きくなって隣に絡みがち。みんなに気持ち良く飲んで帰ってもらいたいからさ」と説明する。
 区観光課の学芸員谷口栄さん(59)によると、バブル崩壊後に訪れた立石ブームで酒の入った新規客が長居する傾向が強まった。薄利多売スタイルの店側が回転を妨げないよう注意喚起するうちにルールが定着した。
 安くてうまい名店ぞろいの立石では「ツアー」と称した飲み歩きが人気。「2軒目でもOK」の店もあるので、そこも踏まえて行程を組むのが立石を満喫する秘けつかもしれない。

もつ焼き 宇ち多゛ - 独身男性の酒飲み-なるべく安く!旨い酒!2010.5.19
 最近気に入ったのが、京成立石駅から徒歩一分もかからないところにある宇ち多゛です。
 こないだ、「酒のほそ道」という漫画をネットカフェで読んでた時、「京成立石はもつ焼きが有名だ」って話を読んで行ってみました。
 なにやら一番有名な店らしいです。
 2本で一皿で、その単位で注文するのですが、その1皿が180円と、安いのが人気なんでしょうかね。
 なお、焼酎は一杯180円。ビールは小瓶で360円と2皿分、大瓶だと3皿分の値段です。
 2000円もあれば、焼酎3杯飲んでも16本もつ焼きを食べれるわけですから、腹いっぱい食べてしっかり飲めます。

気に入ってる居酒屋 - 独身男性の酒飲み-なるべく安く!旨い酒!2011.9.12
1. 宇ち多” (京成立石駅近く) 食べログ
 駅近くにあるもつ焼屋。って、既に紹介してた。
 もつ焼きが2本で180円と安いお店。しかも旨い。
 飲み物はビールもあるけど、ここに来たら焼酎を頼みたい。
 甲種焼酎に、ちょっとだけ梅シロップが入った奴と葡萄シロップが入った奴があって、ほとんど焼酎原液だから、すぐ回る。3杯飲めばいい気分。一杯180円。
 それと煮込みとかもつ焼で5皿も食えばお腹いっぱい。
 以上、3杯+5皿で、180×8=1440円。
 ビールを頼んでもいいけど、瓶ビールは小が焼酎2杯分(360円)、大が3皿分(540円)なのでちょっと割高感がある。
(中略)
 立石は、一人で飲むのに敷居が高くない飲み屋が多く、しかも値段が安いケースが多かったので安く飲みたい・一人で飲むとか(別に複数人でも問題ないけど、多人数は向かないかも)地域的にオススメです。
 まあ、今住んでる場所に近いっていう個人的な理由もあるんですが。

もつ焼き、鶏半身揚げ…センベロの聖地・立石で昼飲み|NIKKEI STYLE2016.10.3
【東京・大衆酒場の名店】この緊張感は何だ? 行列しても入りたい立石「宇ち多゛」の強烈な魅力の噺 - 酒噺│もっとお酒が楽しくなる情報サイト2020.10.9
強面オヤジが守る立石の情緒 のんべえの酒都代表・もつ焼き「宇ち多゛」:東京新聞 TOKYO Web2020.11.4
旨いもつ焼きを求めて、立石で飲む!3軒を紹介|おとなの週末2021.4.19
 なお、「歴史評論の記事」も簡単に指摘していますが、立石のある葛飾区と言えば「荒川放水路の土木工事(戦前)」などで比較的、在日朝鮮・韓国人が多い地域であると言うことも「勿論それだけが理由ではない(かつ、へたにそれを強調すると在日差別を助長しかねない)」とはいえ、立石(と言うか葛飾)の「もつ焼きとハイボール」の一因もしれないですね。

【参考:焼酎ハイボール

チューハイ - Wikipedia
 1980年代、酒税が高かったウイスキーでつくるハイボールの代用品として、焼酎を用いた低アルコール飲料が広まり、チューハイブームと呼ばれた。もともとは昭和30年代の山谷地区などの東京下町を中心に広がったとされる。

第6回 特別編 座談会 焼酎割り飲料は東京のローカル文化だ!〈前編〉 1 - ききあるき・東京<酎ハイ>物語|WEB本の雑誌
神)
 戦前は、炭酸で割ることはあまりなくて、焼酎を割るのはウメ液、ブドウ液だったと、年寄りが言っていました。戦前、炭酸で割るのはウイスキーハイボールでした。
阿)
 (ボーガス注:焼酎の)炭酸割りがポピュラーになったのは戦後だと思います。

第6回 特別編 座談会 焼酎割り飲料は東京のローカル文化だ!〈前編〉 2 - ききあるき・東京<酎ハイ>物語|WEB本の雑誌
寺)
 いわゆる山谷地区、泪橋*48あたりで、仕事にアブレた人たちが、朝から飲んでいました。浅草あたりに、あのころは怖くて歩けないくらい、大勢いたものです。
Q)
 とすると、サントリーが洋酒ブームを起こしていた時代に、同じ東京でも、山谷や浅草を震源地として焼酎ハイボールブームが存在していたということになりますね。
寺)
 戦後から30年代にかけて、山谷には人が集まっていました。
神)
 戦後のどさくさで、労務者がドヤに集まっていて、安く酔うために質の悪い焼酎を飲む。焼酎の臭いをごまかすために、いろいろな割り材を入れて、炭酸で割るようになりました。私は学校出たてのころ、山谷で彼らが、昼間から酔っ払っている間を縫うように配達したものです。
阿)
 われわれ東京の炭酸メーカーにとって、山谷のようなところの酒屋さんはいいお得意さまでした。
寺)
 東京には、たとえば新宿のガード下など、たくさんあったんです。

第6回 特別編 座談会 焼酎割り飲料は東京のローカル文化だ!〈前編〉 3 - ききあるき・東京<酎ハイ>物語|WEB本の雑誌
Q)
 そのころから、「酎ハイ」という言葉があったんですか?
阿)
 「酎ハイ」じゃないですよ。
神)
 本来は「焼酎ハイボール」。ウイスキーは高価なので、代わりに焼酎を入れ「ハイボール」と称した。戦前はウメ割り、ブドウ割りのまま飲んでいて、炭酸を入れた酎ハイ文化になったのは戦後。私がかついで配達していた、昭和30年代の話です。

第6回 特別編 座談会 焼酎割り飲料は東京のローカル文化だ!〈前編〉 5 - ききあるき・東京<酎ハイ>物語|WEB本の雑誌
阿)
 だから、下町には、モツの煮込みと焼酎の「煮込み文化」があったんでしょう。
Q)
 もつ焼き(焼きとん)ではないのですか?
阿)
 焼きではなくて、煮込みと焼酎。さっき言った山谷のドヤ街なんか行くと、酒屋さんで、自作の独自酎ハイと煮込みだけ置いてあるようなお店が、けっこうありました。たとえば山谷の明治通りと吉野通りの交差点の、今ではコンビニエンスストアになっていますが、あそこはかなり最近までやっていました。そのなごりが、今、ホッピー通りとか煮込み通りなんて言われている、浅草の馬券場の裏に残っているんじゃないですか。
神)
 煮込み鍋がありますね。
Q)
 とすると、酎ハイと煮込みのとりあわせは、山谷から下町に広がっていった文化だと考えられますか?
寺)
 まず間違いではないでしょうね。
阿)
 歴史的な経緯もあって、浅草が、酎ハイや煮込みを出したはしりというか、発祥の地なんじゃないのかな。

第6回 特別編 座談会 焼酎割り飲料は東京のローカル文化だ!〈前編〉 7 - ききあるき・東京<酎ハイ>物語|WEB本の雑誌
神)
 もともと日本では酒税が高いでしょう。ウイスキーもビールも高嶺の花。焼酎だけが安かったんです。安い焼酎を使い、ウイスキーと似たようなハイボールや、(ボーガス注:ホッピーと焼酎で)ビールと同じような炭酸の飲み物をつくる。安物で何とかしようという発想です。

 焼酎が安いと言ってもそれはあくまでも「4リットルのペットボトル」で売ってる「大五郎(アサヒビール)」「大樹氷サントリー)」「ビッグマン(合同酒精)」などのような低価格焼酎の話ですが。味を無視すれば、この種の「安い焼酎」が手っ取り早く安く酔えることは否定できません。
 もちろん「百年の孤独 (焼酎) - Wikipedia」、「魔王 (焼酎) - Wikipedia」、「森伊蔵 - Wikipedia」などといった高級焼酎は話が別です。


◆近刊の広告『明治維新・勝者のなかの敗者:堀内誠之進と明治初年の尊攘派』(遠矢浩規著、2021年7月、山川出版社

明治維新 勝者のなかの敗者 | 山川出版社
 「堀内誠之進」という土佐藩出身の幕末維新の志士がいる。今日、その名はほとんど知られていないが(『日本人名大辞典』講談社には記載あり)、寺石正路『続土佐偉人伝』(1923)には、「誠之進三度謀反の企てにあづかり三度失敗して遂に獄中に憤死す其そ行、中道にあらずと雖も倔強の奇男子なりといふべし」と紹介されている。
 この3度というのは「奇兵隊の反乱」(1870年)、「二卿事件」(1871年)、「西南戦争」(1877年)であり、いずれも攘夷を捨てた有司専制の新政府に対する決起行動で、堀内は首謀者またはオーガナイザーとして深くかかわった。
 堀内の生涯には、徳川幕府を倒し新政府の樹立に功ありながらも維新後切り捨てられ、弾圧されていった幾多の「草莽の志士」「不平士族」たちの失望、憤激、悲劇が凝縮されており、そうした理想に敗れたものたちのなかにあって「征韓論」「西南戦争」「自由民権運動」と幅広くかかわった稀有な人物であるため、彼の生涯を追うことでそうした様々な敗者を具現化できるのではないかと考える。

明治政府転覆へ暗躍 堀内誠之進(四万十町出身)の軌跡たどる 30年超研究の早稲田大・遠矢教授が刊行|高知新聞
 明治維新直後の政府転覆計画で暗躍した高岡郡四万十町出身の志士、堀内誠之進の軌跡をたどる「明治維新・勝者のなかの敗者:堀内誠之進と明治初年の尊攘派」が、このほど刊行された。著者は早稲田大学政治経済学術院教授の遠矢浩規さん*49(58)。歴史上あまり知られていない堀内を「尊王攘夷派のもう一つの正義を貫いた人物」ととらえ、新たな光を当てている。
 堀内は1842年、旧柿木山村(現同町仁井田)生まれ。明治新政府に異をとなえた1870(明治3)年の奇兵隊反乱、翌年の二卿事件に加わり、西南戦争では土佐人としてただ一人、西郷隆盛の陣営で戦った。その後、政府転覆計画の首謀者として収監され、80年10月に大津市の獄中で病死した。
 遠矢さんは堀内を「関わった事件の幅広さで類を見ない」と重視。30年以上にわたって研究し、高知県にも度々訪れて家系や史料を調べた。
 著書では堀内の生い立ちや、度重なる政府転覆計画との関わりなどを、大久保利通木戸孝允らを登場させながら詳述。土佐での潜伏逃亡や、投獄先の大津市で病死するまでの足取りも丹念に追っている。
 堀内本人が書いた史料はほとんどなく「他の史料から判明した足跡をつぶさにつなげた」(遠矢さん)という労作。2019年に堀内の墓を大津市で発見するなど調査に協力した同町のガイド組織「四万十あちこちたんね隊」の池田十三生さん(78)は「堀内は旧窪川町史にも記述が少ない。町の歴史的人物を掘り起こせてうれしい」と話している。
 四六判387ページ、税込み2750円。山川出版社刊。

 まあ、この種の徳川幕府を倒し新政府の樹立に功ありながらも維新後切り捨てられ、弾圧されていった幾多の「草莽の志士」「不平士族」たちとして有名どころでは「幕末の四大人斬り - Wikipedia」である河上彦斎 - Wikipediaなんかがいますね。

*1:大阪市立大学准教授。著書『日本古代の郡司と天皇』(2016年、吉川弘文館

*2:島根大学教授。著書『古代国家と年中行事』(2008年、講談社学術文庫

*3:東京都立大学准教授

*4:1866~1952年。著書『歴史の理論と歴史』(1952年、岩波文庫)など(ベネデット・クローチェ - Wikipedia参照)

*5:1901~1983年。著書『ミケルアンヂェロ』(1968年、岩波新書)、『自伝的戦後史(上)(下)』(1978年、講談社文庫)、『明治維新史研究』(1979年、岩波文庫)、『教育の論理:文部省廃止論』(1981年、講談社文庫)、『都市の論理』(1982年、講談社文庫)など

*6:1897~1945年。法政大学教授。著書『哲学入門』(1976年、岩波新書)、『人生論ノート』(1978年、新潮文庫→2017年、角川ソフィア文庫)、『パスカルにおける人間の研究』(1980年、岩波文庫)、『三木清エッセンス』(2000年、こぶし文庫)、『三木清・東亜協同体論集』(2007年、こぶし文庫)、『哲学ノート』(2010年、中公文庫)、『読書と人生』(2013年、講談社文芸文庫)、『三木清・教養論集』、『三木清・大学論集』、『三木清・文芸批評集』(以上、2017年、講談社文芸文庫) など

*7:専修大学教授

*8:名城大学准教授

*9:京都精華大学専任講師

*10:近畿大学准教授。著書『近代公娼制度の社会史的研究』(2015年、日本経済評論社

*11:関東学院大学教授。著書『沖縄戦と民衆』(2001年、大月書店)、『BC級戦犯裁判』(2005年、岩波新書)、『シンガポール華僑粛清』(2007年、高文研)、『戦後平和主義を問い直す』(2008年、かもがわ出版)、『戦犯裁判の研究』(2009年、勉誠出版)、『沖縄戦 強制された「集団自決」』(2009年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)、『沖縄戦が問うもの』(2010年、大月書店)、『米軍基地の歴史』(2011年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)、『裁かれた戦争犯罪:イギリスの対日戦犯裁判』(2014年、岩波人文書セレクション)、『日本軍「慰安婦」問題の核心』(2015年、花伝社)、『暴力と差別としての米軍基地』(2014年、かもがわ出版)、『沖縄からの本土爆撃:米軍出撃基地の誕生』(2018年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)など。個人サイトWelcome to Hayashi Hirofumi'

*12:岡山大学講師

*13:ひめゆり平和祈念資料館説明員

*14:東京大学准教授。著書『鎌倉幕府の検断と国制』(2011年、吉川弘文館)、『悪党召し捕りの中世:鎌倉幕府の治安維持』(2017年、吉川弘文館

*15:もともとは陶晴賢の家臣。しかし、晴賢が「厳島の戦い」で毛利氏に滅ぼされると、毛利氏に降伏し、家臣となっている(益田藤兼 - Wikipedia参照)。

*16:東京大学助教

*17:2019年、東京大学出版会

*18:成蹊大学専任講師。著書『国際連盟と日本外交:集団安全保障の「再発見」』(2021年、東京大学出版会

*19:鹿児島大学教授。著書『「地域ファシズム」の歴史像』(2000年、法律文化社)、『首長の暴走:あくね問題の政治学』(2011年、法律文化社

*20:2020年、有志舎

*21:埼玉大学教授

*22:京都大学名誉教授、関西大学名誉教授。著書『立志・苦学・出世:受験生の社会史』(1991年、講談社現代新書→2015年、講談社学術文庫)、『丸山眞男の時代』(2005年、中公新書)、『清水幾太郎の覇権と忘却:メディアと知識人』(2018年、中公文庫)、『教養派知識人の運命:阿部次郎とその時代』(2018年、筑摩選書)など(竹内洋 - Wikipedia参照)

*23:1932~2007年。著書『世直しの倫理と論理』(1972年、岩波新書)、『何でも見てやろう』(1979年、講談社文庫)、『歴史の転換のなかで』(1980年、岩波新書)、『日本の知識人』(1980年、講談社文庫)、『世界が語りかける』(1980年、集英社文庫)、『天下大乱を行く』(1981年、集英社文庫)、『地図をつくる旅』(1981年、文春文庫)、『「ベトナム以後」を歩く』(1984年、岩波新書)、『「問題」としての人生』(1984年、講談社現代新書)、『われ=われの哲学』(1986年、岩波新書)、『私と天皇・人びとのなかの天皇』(1988年、ちくま文庫)、『「殺すな」と「共生」:大震災とともに考える』(1995年、岩波ジュニア新書)、『戦争か、平和か:「9月11日」以後の世界を考える』(2002年、大月書店)、『小田実のアジア紀行』(2003年、大月書店)、『9.11と9条:小田実・平和論集』(2006年、大月書店)、『生きる術としての哲学:小田実・最後の講義』(2007年、岩波書店)、『中流の復興』(2007年、NHK生活人新書)、『「難死」の思想』(2008年、岩波現代文庫)など(小田実 - Wikipedia参照)

*24:1931~2015年。著書『民衆を信ぜず、民衆を信じる:「ベ平連」から「市民の意見30」へ』(2008年、第三書館)など。個人サイト(2013年12月4日が最終更新)(吉川勇一 - Wikipedia参照)

*25:1926~2011年。著書『20世紀の〈社会主義〉とは何であったか』(1997年、論創社)、『日本共産党はどこへ行く?』(2004年、論創社)、『恐慌論』(2007年、論創社)、『東洋自然思想とマルクス主義』(2007年、御茶の水書房)など。(いいだもも - Wikipedia参照)。

*26:1927年生まれ。著書『歴史の道標から』(1989年、れんが書房新社)、『世紀を越える』(2001年、社会評論社)、『未来形の過去から』(2006年、インパクト出版会)、『わが先行者たち』(2010年、水声社)など(栗原幸夫 - Wikipedia参照)

*27:1931年生まれ。著書『〈戦後日本国家〉という問題』(1999年、れんが書房新社)、『帝国の支配/民衆の連合:グローバル化時代の戦争と平和』(2003年、社会評論社)、『アメリカ帝国主義と日本戦後国家の解体』(2006年、社会評論社)、『潜在的保有と戦後国家』(2011年、社会評論社)、『戦後レジーム憲法平和主義』(2016年、れんが書房新社)、『戦後レジーム憲法平和主義』(2019年、22世紀アート)、『「戦後日本国家」の変態:このまま戦争ができる国家へと向かうのか』(2021年、22世紀アート)など(武藤一羊 - Wikipedia参照)

*28:1931年生まれ。著書『生きる場の哲学』(1981年、岩波新書)、『解放の哲学をめざして』(1986年、有斐閣新書)、『静かな大地:松浦武四郎アイヌ民族』(1993年、岩波同時代ライブラリー→2008年、岩波現代文庫)、『増補・アイデンティティと共生の哲学』(2001年、平凡社ライブラリー)、『ピープルの思想を紡ぐ』(2006年、七つ森書館)、『田中正造と民衆思想の継承』(2010年、七つ森書館)など(花崎皋平 - Wikipedia参照)

*29:1930~2003年。著書『「声なき声」をきけ:反戦市民運動の原点』(2003年、同時代社)など(小林トミ - Wikipedia参照)

*30:1922~2015年。元同志社大学教授。著書『北米体験再考』(1971年、岩波新書)、『アメリカ哲学』(1986年、講談社学術文庫)、『柳宗悦』(1994年、平凡社ライブラリー)、『老いの生きかた』(1997年、ちくま文庫)、『アメノウズメ伝』(1997年、平凡社ライブラリー)、『限界芸術論』(1999年、ちくま学芸文庫)、『太夫才蔵伝:漫才をつらぬくもの』(2000年、平凡社ライブラリー)、『戦時期日本の精神史:1931‐1945年』、『戦後日本の大衆文化史:1945‐1980年』(以上、2001年、岩波現代文庫)、『夢野久作・迷宮の住人』(2004年、双葉文庫)、『回想の人びと』(2006年、ちくま文庫)、『期待と回想』(2008年、朝日文庫)、『教育再定義への試み』、『竹内好』(以上、2010年、岩波現代文庫)、『思い出袋』(2010年、岩波新書)、『文章心得帖』(2013年、ちくま学芸文庫)、『埴谷雄高』(2016年、講談社文芸文庫)など(鶴見俊輔 - Wikipedia参照)

*31:1933~2004年。立教大学名誉教授。著書『政治の発見』(1997年、岩波同時代ライブラリー)、『地方の王国』(1997年、岩波同時代ライブラリー→2013年、講談社学術文庫)、『市民政治再考』(2004年、岩波ブックレット)、『政治学への道案内』(2012年、講談社学術文庫) など。(高畠通敏 - Wikipedia参照)

*32:1914~1974年。1961年に日本共産党を除名され、社会主義革新運動を結成し、事務局長に就任。1967年に共産主義労働者党を結党し議長に就任。1969年労働運動研究所を組織し理事に就任。1974年心筋梗塞のため死去(内藤知周 - Wikipedia参照)

*33:東京工業大学准教授。著書『基地の政治学:戦後米国の海外基地拡大政策の起源』(2012年、白桃書房)、『沖縄と海兵隊:駐留の歴史的展開』(共著、2016年、旬報社)、『基地問題の国際比較:「沖縄」の相対化』(編著、2021年、明石書店

*34:東京大学名誉教授

*35:2020年、有志舎

*36:東北大学教授。著書『スターリンと新疆 : 1931~1949年 』(2015年、社会評論社)、『スターリンとモンゴル:1931~1946』(2017年、みすず書房)、『スターリンの極東政策』(編著、2020年、古今書院

*37:なお、第2部の「塩川・冷戦終焉論」をその後発展させたものが、塩川『国家の解体:ペレストロイカソ連の最期』(2021年、東京大学出版会)であるというのが、寺山書評の評価。

*38:著書『ゴルバチョフ』(2019年、白水社)(ウィリアム・トーブマン - Wikipedia参照)

*39:著書『レーニン』(2002年、岩波書店)、『ロシア革命 1900-1927』(2005年、岩波書店)、『情報戦のロシア革命』 (2012年、白水社)、『トロツキー』(2013年、白水社)など(ロバート・サーヴィス - Wikipedia参照)

*40:サーヴィスの『冷戦終焉論』とはロバート・サーヴィス - Wikipediaが紹介する『The End of the Cold War 1985-1991』(2015年)と思われるが現時点で未邦訳。

*41:1892~1982年。著書『ボリシェヴィキ革命:ソヴェト・ロシア史 1917~1923』(全3巻、1967年、みすず書房)、『ロシア革命の考察』(1969年、みすず書房)、『独ソ関係史』(1972年、サイマル出版会)、『一国社会主義:ソヴェト・ロシア史 1924~1926』(全2巻、1974年、みすず書房)、『ロシア革命レーニンからスターリンへ 1917~1929年』(1979年、岩波書店→2000年、岩波現代文庫)、『コミンテルンとスペイン内戦』(1985年、岩波書店)、『コミンテルンの黄昏:1930~1935年』(1986年、岩波書店)など(E・H・カー - Wikipedia参照)

*42:「記念の主体」が1)国としては「全世界」「旧ソ連(ロシア)」「日本」のどれなのか、2)記念行事としては「旧ソ連の国家行事限定」なのか、「(旧ソ連以外の世界各国の)民間団体の行事も含むのか」、民間を含む場合、「ロシア革命に肯定的な左派」だけでなく、ロシア革命を否定的に評価する「反共右派も含むのか」によって話は大きく変わってきますが、寺山書評はそのあたりが明確でないのが残念です。

*43:葛飾区産業観光部観光課主査学芸員谷口榮 - Wikipedia参照)

*44:下町ハイボールとはいわゆる「焼酎ハイボール(酎ハイ)」のこと。もちろん元々のハイボールは「ウイスキーハイボール」です。

*45:いわゆる読売新聞の『黄色い血』キャンペーンなどもあり売血は今ではなくなりますが

*46:著書『つげ忠男コレクション』(2021年11月刊行予定、ちくま文庫)など

*47:著書『新版・つげ義春とぼく』(1992年、新潮文庫)、『新版・貧困旅行記』(1995年、新潮文庫)、『無能の人・日の戯れ』、『義男の青春・別離』(以上、1998年、新潮文庫)、『蟻地獄・枯野の宿』(1999年、新潮文庫)、『つげ義春コレクション(全9冊)』(2009年、ちくま文庫)、『つげ義春の温泉』(2012年、ちくま文庫)、『つげ義春日記』(2020年、講談社文芸文庫)など

*48:泪橋といえば「あしたのジョー」の矢吹丈丹下段平と出会うのが泪橋ですね。

*49:著書『利通暗殺:紀尾井町事件の基礎的研究』(1986年、行人社)

常岡浩介に突っ込む(2021年10月16日分)

常岡浩介がリツイート
安田純平
 イラク渡航の計画をツイートしていたという人が外務省からのDMで止められて断念したそうだが、ツイートして世界に向けて宣言していたらバレバレで、ネットみてれば分かる話。(ボーガス注:日本外務省の)諜報なんて次元の話ではない。隠密行動して後から書けばよかったのにもったいない。次はうまくやってほしい。

 安田も指摘するように、そんなツイートを全世界に公開してれば、外務省に伝わって「自粛要請」が来るのは分かりきった話です。
 もしそんなことに気づかないようなら「認識が甘すぎ」であり、「自粛要請」で断念する「覚悟のなさ」では、結果的には「渡航中止になって良かった」と言うべきでしょう。
 疑えば「自粛要請を見込んだ上の売名」とすら思えます(売名になるのか疑問ですが)。

常岡浩介
 太陽光と風力が増えたせいで、不安定化した発電量の分をいかがわしい国家*1天然ガスに依存してしまうという欧州の政策の失敗

 「常岡ってバカ?」ですね。原発推進派として「原発を増やせ」とでも強弁する気なのか?。なお、「天然ガスはエネルギー源*2」ですが、加工品原料としても使われます。また「価格や品質の問題」をひとまずおけば「ロシア以外も生産している」。常岡の物言いはそういう問題をすべて無視したかなり問題のある物言いでしょう(天然ガス - Wikipedia参照)。

常岡浩介がリツイート
◆中丸啓*3
 プーチンが「やらない」という事は「やる」という事だと受け取った。
◆黒井文太郎
 まあ悪人が悪人を「この人は危険ではない」と
「中国は台湾に武力行使せず」 プーチン氏が見通し示す - 産経ニュース
「私も出席した最近の国際会合で、習氏は『いかなる問題解決にも武力は行使しない』と話していた。中国の国家哲学は武力行使と結びついていない」「中国は経済大国となり、武力を使わずとも国家目標を達成できる状態*4だ」

 「常岡や黒井らに善意に理解すれば」、プーチンへの皮肉のつもりかもしれませんが単に馬鹿馬鹿しい。
 「中国は台湾が独立宣言しない限り武力行使なんかしない(なぜならそのように常日頃から公言してるから。国際公約を破れば厳しい批判を浴びるだけで利益はない)」なんてのは、プーチン以外もしている「常識的な見方」でしょう。よほどの反中国でもない限り「中国の台湾侵攻がありうる」なんて言わない。
 別記事でも書きましたが「中国の台湾侵攻」など「ロシアの北海道侵攻」「オウム残党によるサリンテロ」並の与太です。
 もちろん「オウム残党がサリンテロなんかやるわけがない」という指摘はオウム残党を美化してるわけではないのと同様に「中国の台湾侵攻はないだろう(プーチン)」というのは「プーチンが中国を美化してる(黒井)」つう話ではない。

常岡浩介がリツイート
◆村井弦*5文藝春秋
 「週刊文春」で一緒に働く記者・編集者を募集しています。
 自分で言うのもあれですが…週刊文春は、若手が編集者、記者として経験を積むにはこれ以上ない環境だと思います。僕は仕事の基礎は二十代の時に週刊文春で叩き込まれました。

 「説明もしない」ので、常岡が何でこんなリツイートをするのか全く意味不明です。村井氏にこびることで週刊文春から「仕事でももらいたい」つう話か(こんなことで仕事がもらえるとも思えませんが)。それにしても常岡は、こういうときに『僕も、仕事の基礎は長崎放送(常岡がフリーになる前に在職)で叩き込まれました』とは言わないのですかねえ?

常岡浩介がリツイート
◆村井弦・文藝春秋
 有料サイトをやってると、結構な頻度で「タダで読ませろよ」「金儲けか*6」などと辛辣なコメントをされます。しかしコタツ記事と違い、週刊文春がやっているような調査報道にはお金がかかります。

 常岡が何が言いたいのか解りませんが「こたつ記事(取材しないで、ネット情報など他人の情報で記事を作ること)すら書かない(書けない?)」常岡がこんなリツイートをしても「噴飯物」でしかない。

*1:ロシアのこと

*2:石油や石炭に比べCO2排出量が少ないため、火力発電の使用が増えているらしい。

*3:元代議士(維新の会→次世代の党)。議員落選後の一時期、杉田水脈の秘書を務めたという極右(中丸啓 - Wikipedia参照)

*4:多くの場合「軍事力行使」よりも「経済力行使」の方が「ハードルが低い」のでプーチンの指摘通り「経済大国・中国」は多くの場合において「経済力行使(台湾の場合なら、経済制裁やそれとは逆の経済支援、進出)」で対抗するでしょう。

*5:週刊文春」電子版コンテンツディレクター

*6:そりゃ金儲けに決まってるでしょう。